JPH09183892A - 透明なポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物を用いた光学成形品及び該成形品を作るための樹脂組成物 - Google Patents

透明なポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物を用いた光学成形品及び該成形品を作るための樹脂組成物

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JPH09183892A
JPH09183892A JP35237095A JP35237095A JPH09183892A JP H09183892 A JPH09183892 A JP H09183892A JP 35237095 A JP35237095 A JP 35237095A JP 35237095 A JP35237095 A JP 35237095A JP H09183892 A JPH09183892 A JP H09183892A
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acid
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polycarbonate
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polyester
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JP35237095A
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Kenichi Isawa
健一 石和
Kenichi Mori
健一 森
Koji Nagai
孝司 長井
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品
と比較して、流動性が改良されかつ耐衝撃性が良好であ
り、更に複屈折といった光学特性が改良された光学用成
形品を提供すること。 【解決手段】 ヘイズ値が1%以下かつ複屈折が±50
nm以内であることを特徴とするポリエステル/ポリカ
ーボネート樹脂組成物を用いた成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明なポリエステ
ル/ポリカーボネート組成物の光学用成形品に関する。
本発明はまた、該光学用成形品の製造に適した樹脂組成
物に関する。本発明の成形品は、例えば、コンパクトデ
ィスク、光磁気ディスクに用いられる情報記録媒体、プ
リズム、レンズ等の光学用途、自動車のヘッドランプレ
ンズやフロントガラス等の自動車の各部品用途等に好適
であるとともに、透明性を求められる用途であればいず
れの用途にも好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】一般的に知られているポリカ−ボネ−ト
は、ビスフェノ−ルA骨格を有する単独重合体であり、
透明で機械的性質、特に耐衝撃性に優れており、シー
ト、フィルム及びレンズ等の光学用途のほか多用途に使
用されている。
【0003】しかしながら、このような単独重合体のポ
リカーボネートは流動性が悪く、そのために特に、レン
ズや情報記録媒体などの光学用途としてそれを用いる場
合、光学歪みを低減させるために成形温度を高く設定し
たり、その分子量を低下させる必要があるが、このよう
な方法で得られた成形品は耐衝撃性の低下を招くという
問題点がある。
【0004】そこで、ポリカーボネートの優れた透明性
及び耐衝撃性を維持すると共に流動性を改良する方法と
して、ポリカーボネートとポリエステルとを混合したポ
リカーボネート樹脂組成物が提案されている(特開昭4
8−54160号、特開昭49−107354号、特開
昭58−18391号公報)。しかしながら、これらの
公報により提案されている樹脂組成物では、未だ十分な
透明性を得るに至っていない。
【0005】これは、本質的にポリカーボネートと、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
トなどのポリエステルが非相溶であるため、それぞれ独
立した相を形成すること、そしてポリエステル相が結晶
化することによって透明性が失われるためであると考え
られる。このように、通常の混練により得られる組成物
は透明性が不十分であり、透明な組成物を得ることは困
難であった。
【0006】また、ポリエステルとポリカーボネートと
の重縮合反応を行う方法も開示されている(特開平1−
236235号公報)。しかしながら、得られた成形品
はヘイズ値が高く(表1)、透明性が不十分である。ま
たこの共重合体は反応に長時間を有し、更にガラス転移
温度が低いので高温成形に向かない。
【0007】更に、末端水酸基を有するポリカーボネー
ト及びポリエステルを溶融混練して得られる透明なポリ
エステル/ポリカーボネート組成物も開示されている
(特開平3−203956号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如くの従来技術の問題点を改良した透明なポリエステ
ル/ポリカーボネート樹脂組成物を用いた光学用成形品
を提供することである。更に詳しくは、本発明の目的
は、ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品と比較
して、流動性が改良されかつ耐衝撃性が良好であり、更
に複屈折といった光学特性が改良された光学用成形品を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに鋭意研究した結果、ポリカーボネートとポリエステ
ルとを溶融下にて、積極的にエステル交換反応させるこ
とによって、透明な樹脂組成物が得られることを見出だ
し、該透明なポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成
物を用いることにより、流動性が大きく改良され、かつ
耐衝撃性を良好に保つことができ、更に複屈折等の光学
特性を良好に保つことのできる光学用成形品を得ること
ができ、本発明を完成した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、透明なポリエステル/
ポリカーボネートを用いた光学用成形品である。本発明
でいう透明なポリエステル/ポリカーボネートを用いた
光学用成形品とは、ヘイズ値が1%以下でありかつ複屈
折が±50nm以内であることを特徴とするポリエステ
ル/ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品であ
る。
【0011】上記ヘイズ値及び複屈折は、以下の条件に
より成形されたディスク(直径12cm、厚1.2m
m)を用いて測定した。ヘイズ値は、日本電色工業社製
のNDH−200を用いて測定し、複屈折は、アドモン
サイエンス社製複屈折自動測定装置(F3HP−13N
DT)を用いて、測定半径位置 25mmにて測定し
た。 成形条件(射出成形):シリンダー温度 280℃、金
型温度 70℃、サイクル 6.5秒。
【0012】本発明の光学用成形品のヘイズ値は、1%
以下、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5
%以下である。また、本発明の光学用成形品の複屈折
は、±50nm以内、好ましくは±30nm以内、より
好ましくは±20nm以内である。それぞれの値が上記
条件を満たさない成形品は、透明性に劣り、光学歪みが
大きいという欠点を有し、光学成形品、例えば光学用デ
ィスクとしての要求物性を満たさない。
【0013】本発明の光学用成形品はまた、良好な光線
透過率を示す。本発明の光学用成形品の光線透過率は、
ASTM D 1003に従い、1.2mm厚のディス
ク成形品を用いて測定して、85%以上、好ましくは8
8%以上、より好ましくは90%以上である。
【0014】本発明はまた、末端水酸基の割合が全末端
の5%以上であるポリカーボネートとポリエステルとを
溶融下にて、プロトン酸及び/又はその誘導体の存在下
にて、エステル交換反応させてなる透明な樹脂組成物で
ある。本発明はまた、ポリカーボネートとポリエステル
とを溶融下にて、プロトン酸及び/又はその誘導体、及
びエステル交換触媒の存在下にて、エステル交換反応さ
せてなる透明な樹脂組成物である。本発明はまた、ポリ
カーボネートとポリエステルとを溶融下にて、プロトン
酸及び/又はその誘導体、エステル交換触媒及び水酸基
を有する化合物の存在下にてエステル交換反応させてな
る透明な樹脂組成物である。
【0015】本発明のポリエステル/ポリカーボネート
組成物においては、ポリカーボネートの組成比を選択す
ることにより、任意のガラス転移温度を持つ組成物を得
ることができ、そしてその用途に合わせて流動性が容易
に調節可能であり、その結果、残留歪みが大幅に改良さ
れた成形品を得ることができる。
【0016】本発明で用いる、成分(A)ポリカーボネ
ートは、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート先駆
体とを反応させることによって製造される芳香族ホモ・
ポリカーボネート又は芳香族コポリカーボネートであ
る。本発明で用いるポリカーボネートは、直鎖状であっ
ても分岐していても良い。分岐ポリカーボネートは、多
官能性芳香族化合物を芳香族ジヒドロキシ化合物及びカ
ーボネート先駆体と反応させることにより分岐した熱可
塑性分岐ポリカーボネートとして得られる。
【0017】本発明で用いるポリカーボネートを製造す
る方法自体は公知であり、例えば、芳香族ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルの溶融状態でのエステル交換反
応によりポリカーボネートを合成する方法、或いは溶液
中で芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させ
る方法(特には、界面法)などが知られている。それら
の方法は、例えば、特開平2−175723号、特開平
2−124934号公報、米国特許第4001184
号、第4238569号、第4238597号、第44
74999号明細書に記載されている。
【0018】芳香族ジヒドロキシ化合物に特に制限はな
く、種々の公知のものを使用することができる。例え
ば、一般式(化1)
【0019】
【化1】 (上記式中、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子
(例えば、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)又は、炭素数
1〜8のアルキル基であり、それらは同一であっても異
なっても良く、n及びn´は0〜4の整数であり、X
は、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜
8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレ
ン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S
−、−SO−、−SO2 −、−CO−、−O−、及び以
下の一般式(化2)
【0020】
【化2】 で表される基から選ばれる)で表される構造のフェノー
ル性水酸基を有する化合物を挙げることができる。
【0021】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(すなわちビスフェノールA)、2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5-ジメチル-4
- ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(3,5-ジメチ
ル-4- ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス(3,5-ジ
メチル-4- ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3,
5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビ
ス(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)ブタン、ビ
ス(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、ビス(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)ジ
フェニルメタン、ビス(3,5-ジクロロ-4- ヒドロキシフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4- ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(3,5-ジブロモ-4- ヒドロキ
シフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4- ヒド
ロキシフェニル)プロパンなどのジヒドロキシアリール
アルカン類、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3,5-ジブロモ-4- ヒドロキシフェニル)スル
ホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類、ビス(4-
ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5-ジメチル-4
- ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5-ジブロモ
-4- ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシ
アリールエーテル類、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド、ビス(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(3,5-ジブロモ-4- ヒドロキシフ
ェニル)スルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフ
ィド類、4,4'- ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒ
ドロキシアリールケトン類、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)スルフォキシドなどのジヒドロキシスルフォキシド
類を挙げることができる。これらのうちでは、特に2,2-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0022】上記以外にも、芳香族ジヒドロキシ化合物
として、以下の一般式(化3)
【0023】
【化3】 (上記式中、Rは、夫々独立して、炭素数1〜10の
炭化水素基若しくはそのハロゲン化合物又はハロゲン原
子であり、mは0〜4の整数である)で表される化合物
を用いることができる。上記式の芳香族ジヒドロキシ化
合物としては、レゾルシン、3-メチルレゾルシン、3-エ
チルレゾルシン、3-プロプルレゾルシン、3-ブチルレゾ
ルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシ
ン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾ
ルシン、2,3,4,6-テトラブロムレゾルシン等の置換レゾ
ルシン、カテコール、ハイドロキノン及び3-メチルハイ
ドロキノン、3-エチルハイドロキノン、3-プロプルハイ
ドロキノン、3-ブチルハイドロキノン、3-t-ブチルハイ
ドロキノン、3-フェニルハイドロキノン、3-クミルハイ
ドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルハイドロキノン、2,
3,5,6-テトラ-t- ブチルハイドロキノン、2,3,5,6-テト
ラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6-テトラブロムハイ
ドロキノンなどの置換ハイドロキノン等を挙げることが
できる。
【0024】また、芳香族ジヒドロキシ化合物として、
以下の一般式(化4)
【0025】
【化4】 で表される、2,2,2',2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'- テト
ラメチル-1,1'-スピロビス(1H- インデン)-7,7'-ジオ
ールを用いることもできる。
【0026】上記の芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独
で用いても良く、また、2種以上を組み合わせて用いて
も良い。
【0027】本発明で用いるポリカーボネートを製造す
るために用いる炭酸ジエステルは、特に制限がなく、例
えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネー
ト、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフ
ェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキ
シルカーボネートなどが挙げられる。好ましくは、ジフ
ェニルカーボネートが用いられる。これらの炭酸ジエス
テルは、単独で用いても良く、また、2種以上を組み合
わせて用いても良い。
【0028】上記炭酸ジエステルは、他の酸成分とし
て、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルを含有して
も良い。ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとして
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどの芳香族ジ
カルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デ
カン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェニル、デカ
ン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニルなどの脂肪
族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボン酸、1,2-
シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボ
ン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン
酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキ
サンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸ジフェ
ニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-
シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペンタンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなど脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。
【0029】上記のジカルボン酸又はジカルボン酸エス
テルは、単独で用いても、また、2種以上を組み合わせ
て用いても良い。ジカルボン酸又はジカルボン酸エステ
ルは、上記の炭酸ジエステルに対して、好ましくは50
モル%以下、更に好ましくは30モル%以下の量にて含
有することができる。
【0030】本発明で用いるポリカーボネートを製造す
る際に、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステル
と共に、1分子中に3個以上の官能基を有する多官能性
化合物を用いることもできる。多官能性化合物として
は、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する化
合物が好ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有す
る化合物が好ましい。
【0031】このような多官能性化合物の好ましい例と
しては、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2',2"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ジイソプ
ロピルベンゼン、α- メチル- α- α'-α"-トリス(4-
ヒドロキシフェニル)-1,4- ジエチルベンゼン、α-
α'-α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5- トリ
イソプロピルベンゼン、フロログリシン、4,6-ジメチル
-2,4,6- トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン-2、1,
3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,2-ビス
(4,4-(4,4'- ジヒドロキシフェニル)- シクロヘキシ
ル)- プロパン、トリメット酸、1,3,5-ベンゼントリカ
ルボン酸、ピロメリット酸などを挙げることができる。
更に好ましくは、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エタン、α- α'-α"-トリス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1,3,5- トリイソプロピルベンゼンなどである。
【0032】多官能性化合物は、芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルに対して、好ましくは0.03モル以下、よ
り好ましくは0.001〜0.02モル、特に好ましく
は0.01〜0.02モル添加されることができる。
【0033】本発明で用いる末端に水酸基を有するポリ
カーボネートは、例えば、以下の方法により得ることが
できる。
【0034】ポリカーボネートの末端水酸基量の調整
は、例えば、溶融重合法の場合は、ポリカーボネートを
製造する際に、原料である芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルのモル比を調整することにより、容易に
成し得る。
【0035】例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物として
ビスフェノールAを、炭酸ジエステルとしてジフェニル
カーボネートを用いた場合、ポリカーボネートの末端基
は、ビスフェノールAに由来するフェノール性残基及び
ジフェニルカーボネートに由来するフェニル基であり、
ビスフェノールAのモル比を大きくすると、生成される
ポリカーボネート中のフェノール性末端基(I)と非フ
ェノール性末端基(II)の当量比(I)/(II)が
大きくなる。
【0036】末端水酸基を有するポリカーボネートを製
造する方法としては、上記方法の他に、芳香族ジヒドロ
キシ化合物とカーボネート先駆体を反応させて得られた
ポリカーボネートに水酸基を有する化合物を反応させる
方法がある。例えば、ポリカーボネートにビスフェノー
ルAを(必要であれば、更に解重合触媒を)添加して押
出機で混練することにより容易に末端に水酸基を有する
ポリカーボネートを得ることができる。このような水酸
基を有する化合物としては、例えば、先に挙げたポリカ
ーボネートの製造時に用いられる種々の芳香族ジヒドロ
キシ化合物、3価以上のフェノール性水酸基を有する化
合物、及び水などを挙げることができる。解重合触媒と
しては、酸又はアルカリなどを挙げることができ、例え
ば、下記の成分(C)が満足に用いられる。
【0037】末端水酸基の割合、即ち、フェノール性末
端基(I)と非フェノール性末端基(II)の当量比
(I):(II)は、好ましくは5:95〜100:
0、更に好ましくは10:90〜100:0である。こ
のような、末端に水酸基を有するポリカーボネートを用
いることで、水酸基を有しないポリカーボネートを用い
た場合に比べ、ポリエステルとの溶融混練後の透明性が
より向上する。
【0038】本発明で用いるポリエステル(成分
(B))としては、典型的には、ジオール(或いは、そ
のエステル形成性誘導体)とジカルボン酸(或いは、そ
のエステル形成性誘導体)から得られるポリエステルを
挙げることができる。
【0039】ジオール成分として、例えば、エチレング
リコール、プロピレン1,2-グリコール、プロピレン1,3-
グリコール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオー
ル、ヘキサン1,6-ジオール、オクタン1,8-ジオール、ネ
オペンチルグリコール、デカン1,10- ジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等の炭素数2
〜15の脂肪族ジオールが挙げることでき、好ましく
は、エチレングリコール、1,4-ブタンジオールである。
ジオール成分としてまた、1,2-シクロヘキサンジオー
ル、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサン
ジメタノール等の脂環式ジオールを挙げることができ、
これらの脂環式ジオールはシス又はトランス立体配置の
いずれか一方、又は両者の混合物として使用できる。好
ましくは、1,4-シクロヘキサンジメタノールである。更
に、ジオール成分として、レゾルシン、ハイドロキノ
ン、ナフタレンジオールなどの芳香族ジヒドロキシ化合
物、分子量400 〜6000のポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコー
ルなどのポリグリコール類、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールBその他の特開平3-203956号公報に記載されて
いるビスフェノール類などを挙げることができる。
【0040】ジカルボン酸成分としては、イソフタル
酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、2,2'- ビフェニル
ジカルボン酸、3,3'- ビフェニルジカルボン酸、4,4'-
ビフェニルジカルボン酸、4,4'- ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタ
レンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は1,
2-ジ(4-カルボキシフェニル)エタン等の芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカル
ボン酸又はジクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族及び
脂環族ジカルボン酸類などを挙げることができる。
【0041】成分(B)を得るために、上記ジオール成
分及びジカルボン酸成分は、それぞれ、単独で用いて
も、また2種以上を組み合わせて用いても良い。更に、
ラクトンの如くの1分子中に水酸基及びカルボン酸基か
らのエステル基を持つものを用いることもでき、またそ
のような化合物を上記成分に加えて用いることもでき
る。
【0042】本発明の成分(B)として、上記の如くに
して得られたポリエステルを単独で用いても良く、また
2種以上を組み合わせて用いも良い。成分(B)のポリ
エステル類は、好ましくは、アルキルジカルボン酸と芳
香族ジオールからのポリエステル、芳香族ジカルボン酸
とアルキレングリコールからのポリエステルである。上
記の好ましいポリエステル類の例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメ
タノールテレフタレート)、ポリ(1,4-シクロヘキサン
ジメタノールテレフタレート- コ- イソブタレート)、
ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート- コ- イソフタレー
ト)、ポリ(エチレン- コ-1,4- シクロヘキサンジメタ
ノールテレフタレート)等を挙げることができる。
【0043】本発明の組成物における、ポリカーボネー
ト(成分(A))とポリエステル(成分(B))の配合
比は、重量部で、A/Bが99/1〜1/99、好まし
くは95/5〜20/80、更に好ましくは90/10
〜30/70、特に好ましくは80/20〜40/6
0、最も好ましくは70/30〜50/50である。本
発明に用いるポリカーボネートの固有粘度IV(塩化メ
チレン、25℃)は、好ましくは0.3〜1.0dl/g、
更に好ましくは0.35〜0.8dl/g、特に好ましくは
0.4〜0.7dl/gであり、一方、ポリエステルの固有
粘度IV(テトラクロルエタン/フェノール=2/1、
30℃)は、好ましくは0.3〜2.0dl/g、更に好ま
しくは0.5〜1.7dl/g、特に好ましくは0.6〜
1.4dl/gである。IV値が上記範囲より低いと混練後
の組成物の機械強度、特に耐衝撃性が低下し、一方上記
範囲より高いと成形性が低下する。
【0044】本発明で用いるエステル交換反応触媒(成
分(C))は、エステル交換触媒として公知の触媒を満
足に使用することができる。本発明で用いるエステル交
換触媒としては、ルイス酸系触媒、塩基性触媒等を挙げ
ることができる。
【0045】上記ルイス酸系触媒としては、ジブチルス
ズオキシド、シュウ酸スズ、酢酸スズ、酸化スズ、ブチ
ルスズジメトキシド、ブチルスズヒドロキシドオキシド
等のスズ化合物、テトラブトキシチタン、テトラフェノ
キシチタン、酸化チタン、シュウ酸チタン等のチタン化
合物、三酸化アンチモン、酒石酸酸化アンチモン等のア
ンチモン化合物、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛ア
セチルアセトン等の亜鉛化合物、トリフェノキシボロ
ン、ホウ酸亜鉛等のホウ酸化合物、酸化ゲルマニウム、
ゲルマニウムエトキシド等のゲルマニウム化合物、酢酸
マンガン、酢酸コバルト等を挙げることができる。
【0046】上記塩基性触媒としては、有機塩基性化合
物およびアルカリ、アルカリ土類金属等を挙げることが
できる。
【0047】上記有機塩基化合物として、含窒素塩基性
化合物、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモ
ニウムヒドロキシドなどのアルキル基又はアリール基等
を有するアンモニウムヒドロキシド類、及び上記のアン
モニウムヒドロキシドとpKaが4より弱い酸との塩な
ど、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリオクチ
ルアミン、トリフェニルアミン、ジベンジルメチルアミ
ンなどの一般式NR3 (式中、Rは、夫々独立してメチ
ル、エチル、フェニル、ベンジル、トルイルなどの炭素
数が1〜25までのアルキル基、アリール基等である)
で表される三級アミン類、NHR2 及びNH2 R(式
中、Rは上記と同じである)で表される二級及び一級ア
ミン類、ピリジン、メチルピリジン、メトキシピリジ
ン、キノリン、イミダゾール等を挙げることができる。
更に含窒素塩基性化合物としてアンモニア等を挙げるこ
とができる。
【0048】更に、有機塩基性化合物として、テトラブ
チルホスホニウムヒドロキシド等のテトラアルキル又は
テトラアリールホスホニウムヒドロキシドを挙げること
ができる。
【0049】上記アルカリ又はアルカリ土類金属化合物
としては、例えば、無機化合物として、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、セシウム等のアルカリ金属類及びカ
ルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金
属類の水酸化物、水素化物、アミド、炭酸塩、リン酸
塩、ホウ酸塩等を挙げることができ、また有機酸類との
塩として、カルボン酸塩、フェノール性水酸基との塩、
アルコール性水酸基との塩を挙げることができる。ま
た、アルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物として、
アセチルアセトンやクラウンエーテル等との化合物等も
挙げることができる。
【0050】エステル交換反応触媒(成分(C))は、
成分(A)及び成分(B)の合計100重量部に対し
て、ルイス酸系触媒の場合は、好ましくは1ppm 〜50
000ppm 、更に好ましくは10ppm 〜1000ppm の
範囲であり、塩基性触媒の場合は、0.05ppm 〜10
000ppm 、好ましくは0.05ppm 〜100ppm 、よ
り好ましくは0.1ppm 〜10ppm である。本発明の成
分(C)として、ルイス酸系触媒と塩基性触媒を同時に
使用してもよく、その場合は、夫々単独で使用する場合
に比べ、触媒の使用量を少なくすることができる。上記
範囲より触媒量が少ない場合は、十分な添加効果が現れ
ず、また上記範囲より多い場合は混合中の分子量の低下
をきたし、物性が低下するので好ましくない。
【0051】本発明において用いるプロトン酸及び/又
はその誘導体(成分(D))は、いずれのプロトン酸及
び/又はその誘導体も満足に用いることができる。
【0052】プロトン酸としては、種々の酸を挙げるこ
とが出来る。たとえば、フェノール、クレゾール又はキ
シレノールなどのフェノール類、2,4-ジニトロフェノー
ル又は2,4,6-トリニトロフェノールなどの電子吸引基を
置換基に持つフェノール類、蟻酸、メトキシ酢酸、酢
酸、酪酸、クエン酸又はリンゴ酸などのカルボン酸類、
トリフルオル酢酸、トリクロロ酢酸、1,1-ジフルオロプ
ロピオン酸、モノクロル酢酸、ジクロロ酢酸、モノフル
オロ酢酸、ニトロ酢酸又はシアノ酢酸などのα位に電子
吸引基を持つカルボン酸類、m-ニトロ安息香酸、2,4-ジ
ニトロ安息香酸又は2,4,6-トリニトロ安息香酸などの電
子吸引基を置換基に持つ芳香族カルボン酸類、シュウ
酸、2-カルポキシプロピオン酸、マロン酸、こはく酸、
フマル酸又はマレイン酸などのジカルボン酸類、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸又は1,3-ナフタレンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、ホウ酸、シュ
ウ酸、硝酸、ヨウ素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、臭素酸
又は硫酸などの無機酸類、ベンゼンスルホン酸、p-トル
エンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メテルスルホ
ン酸又はフルオロスルホン酸などのスルホン酸類、燐
酸、亜燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、メタ燐酸やポリ燐酸
などの燐酸類などを挙げることが出来る。
【0053】プロトン酸の誘導体としては、造粒時、熱
や樹脂との反応によって酸性を示す化合物、例えば、ス
ルホン酸のエステル、又は強酸のアンモニウム塩或いは
金属塩等を挙げることができる。更に、2塩基酸以上の
酸においては、部分エステル化化合物でも部分金属塩で
も良い。
【0054】エステル誘導体としては、たとえば、ベン
ゼンスルホン酸メチル、ヘンゼンスルホン酸エチル、ベ
ンゼンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸ブチ
ル、P-トルエンスルホン酸フェニル、p-トルエンスルホ
ン酸ベンジル、ナフタレンスルホン酸ブチル又はメチル
スルホン酸ブチルなどのスルホン酸のエステル類、燐酸
モノ(2,4-ジターシャリーブチルフェニル)、燐酸ジ
(2,4-ジターシャリーブチルフェニル) 、亜燐酸モノフ
ェニル、燐酸ジメチル、燐酸ジ(2,4-ジメチルフェニ
ル)又は亜燐酸ジエチルなどの燐酸のモノおよびジエス
テル類、又はジメチル硫酸などを挙げることが出来る。
【0055】金属塩誘導体としては、たとえば、炭酸モ
ノナトリウム、燐酸モノナトリウム、燐酸ジナトリウ
ム、酸性ピロ燐酸ナトリウム、燐酸モノカリウム、燐酸
ジリチウム、燐酸マグネシウム、亜燐酸モノナトリウ
ム、亜燐酸ジナトリウム、亜燐酸モノカリウム、亜燐酸
ジリチウム、亜燐酸カルシウム、蓚酸モノナトリウム、
フタル酸モノカリウム、ほう酸モノナトリウム又は硫酸
モノカリウムなどを挙げることが出来る。
【0056】上記プロトン酸及び/又はその誘導体は、
単独で使用してもまた2種以上を混合して使用しても良
い。成分(D)は、成分(A)及び成分(B)の合計1
00重量部に対して、0.0001〜1重量部、好まし
くは0.001〜0.5重量部、さらに好ましくは0.
005〜0.1重量部、特に好ましくは0.01〜0.
1重量部用いるのが良い。成分(D)の添加量が、0.
0001重量部より少ないと添加効果が現れず、一方、
1重量部より多いと造粒中や成形中に樹脂成分に悪影響
をおよぽし、機械強度が低下して好ましくない。
【0057】本発明に用いる水酸基を有する化合物(成
分(E))としては、水、又はアルコール性或いはフェ
ノール性水酸基を有する化合物が満足に用いられる。化
合物中の水酸基の位置に特に制限はなく、どこにあって
も良い。
【0058】水酸基を1個有する化合物としては、水酸
基を1個有する、炭素数1〜30の脂肪族化合物、脂環
族化合物、芳香族化合物、又は炭素数1〜30の脂肪族
基、脂環族基或いは芳香族基が組み合わされた化合物を
挙げることができ、例えば、エタノール、ブタノール、
オクタノール、ステアリルアルコール、シクロヘキサノ
ール、メチルシクロヘキサノール、オクチルシクロヘキ
サノール、ベンジルアルコール、フェノール、ナフトー
ル、クレゾール、キシレノール、t ーブチルフノールお
よびステアリルフェノールなどを挙げることができる。
【0059】水酸基を2個以上有する化合物としては、
上記の成分(A)又は成分(B)の構成成分として挙げ
たジオール及び3個以上の水酸基を有する化合物の例示
に加え、グリセロール又はペンタエリスリトールなどを
挙げることができる。更に、水酸基を2個以上有する化
合物では、水酸基のー部がエステルであってもよい。さ
らに、成分(E)として、上記の2価又は3価の芳香族
ヒドロキシ化合物とカルボニル前駆体、たとえば、ホス
ゲンやジフェニルカーボネートを用いて製造される、水
酸基を末端に有する分子量5000以下のポリカーボネ
ートオリゴマー、又はジカルボン酸を用いて製造される
フェノール性水酸基を末端に有する分子量5000以下
のホリエステルオリゴマ一、およびジオールとジカルボ
ン酸を用いて製造される末端に水酸基を有する分子量5
000以下のポリエステルオリゴマーを挙げることがで
きる。
【0060】上記の水酸基を有する化合物の中では、芳
香族ジオール、たとえばビスフェノールA又はポリカー
ボネートオリゴマーなどが好ましい。
【0061】これらの水酸基を有する化合物は単独で用
いても2種以上を混合して用いても良い。水酸基を有す
る化合物(成分(E))の添加量は、成分(A)及び成
分(B)の合計100重量部に対し、0.001〜10
重量部、好ましくは0.002〜1重量部、さらに好ま
しくは0.005〜0.1重量部である。添加量が、
0.001重量部より少ないと添加効果が現れず、一
方、10重量部より多いと分子量低下による機械強度の
低下や成形品からのブリードアウトを引き起こし好まし
くない。
【0062】上記成分からなる配合物の混練は、ニーダ
ー、1軸および2軸押出機、撹拌機能を有する縦型およ
び横型反応層、ミキサー、ロール等の溶融混練能を有す
る機器であればいずれの機器も満足に使用でき、また装
置の形状は問わない。特には、製造の簡便性及び経済性
の観点から、1軸または2軸の押出機を用いるのが好ま
しい。
【0063】また、混練に際し、全成分を同時に混練し
てもよいが、好ましくはプロトン酸を除いた各成分を混
練し、次いでプロトン酸を添加混練する方法、またはプ
ロトン酸を除いた各成分の混練中に、サイドフィード等
の方法でプロトン酸成分を添加する方法が好ましい。プ
ロトン酸を後から添加することにより、また、プロトン
酸をサイドフィーダー等の方法で別途添加することによ
り、透明性が向上するという効果を生じる。
【0064】光学成形品の成形は、いかなる方法で行っ
ても良い。例えば、レンズや光ディスクのような成形品
は、射出成形により得ることができる。
【0065】本発明の主旨を阻害しない範囲で種々の添
加物を添加しても良い。添加物として、例えば、安定
剤、酸化防止剤、耐熱剤、難燃剤、滑り改質剤、着色
剤、離型剤、強化剤(例えば、繊維状強化剤)等を挙げ
ることができるがこれらに限定はされず、本技術分野に
おいて通常用いることができる添加剤を、本発明の主旨
を阻害しない範囲において満足に用いることができる。
【0066】安定剤としては、Irgafos168(商標)(チ
バ・ガイギー社製)、Chelex L(商標)(坂井化学工業
(株)製)、3P2S(商標)(イハラケミカル工業(株)
製)、Mark 329K (商標)(旭電化工業(株)製)、Ma
rk P(商標)(旭電化工業(株)製)、Weston 618(商
標)(三光化学(株)製)等の燐系安定剤、BHT (商品
名)(武田薬品工業(株)製)、Ionox 100 (シェルケ
ミカル社製)、Age Rite Superlite(商標)(Vander b
ilt 製)、Santonox R(商標)(モンサント社製)、An
tioxidant ZKF (商標)(バイエル社製)、Irganox 10
76(チバ・ガイギー社製)、Hoechst VPOSP1(商標)
(へキスト社製)、Irganox 1010(チバ・ガイギー社
製)等のヒンダードフェノール系安定剤、Cyasorb UV-5
411 (商標)(A.C.C製)、Cyasorb UV-531(商
標)(A.C.C製)、Tinuvin 326 (商標)(チバ・
ガイギ一社製)、Tinuvin 320 (商標)(チバ・ガイギ
一社製)、Tinuvin 120 (商標)(チバ・ガイギ一社
製)、Uvinul D49 (商標)(GAF製)等のトリアゾ
ール系安定剤、その他エポキシ系、チオール系、金属塩
系等の安定剤を挙げることができる。
【0067】難燃剤としては、燐酸エステル系難燃剤、
例えば、TPP、レゾルシノールポリホスフェート、ビ
スフェノールーAポリホスフェート(大八化学工業
(株)製)等、ハロゲン系難燃剤、例えば、ブロム化B
PA、ブロム化BPAボリカーボネート又は同オリゴマ
ー等、無機難燃剤、及び難燃助剤、例えば、3酸化アン
チモン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を挙
げることができる。
【0068】滑り改質剤としては、燐酸カルシウム、炭
酸カルシウム、タルク、シリカ等の無機化合物、又は架
橋ポリエステル、架橋ポリアミド、架橋ポリメチルメタ
クリレート等を粒化した有機粒状化合物を挙げることが
出来る。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げ更に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】樹脂としては以下のものを用いた。 成分A A−1:PC LEXAN(日本ジーイープラスチック
ス社製) 末端水酸基率 35% 固有粘度 0.4dl/g(塩化メチレン中、25℃) A−2:PC LEXAN(日本ジーイープラスチック
ス社製) 末端水酸基率 0% 固有粘度 0.4dl/g(塩化メチレン中、25℃) 成分B B−1:PBT VALOX(日本ジーイープラスチッ
クス社製) MI( 250℃、2.09mmφ、2.16kg) 20g/10分 B−2:PET Mitui PET J025(三井
石油化学工業社製)
【0071】混練は、池貝社製2軸押出機(30φmm、2
ロブ)を用いて以下の条件で行った。混練条件:シリン
ダー温度 260℃、スクリュー回転数 100rpm 射出成形は、上記混練により得られた混練ペレットを、
住友重機械工業社製DISK−3型ディスク成形機を用
いて、以下の成形条件により射出成形して、直径12c
m、厚み1.2mmのディスクを作製した。 成形条件:シリンダー温度 280℃、320℃、34
0℃の3条件 金型温度 70℃、サイクル 6.5秒
【0072】得られたディスク成形品の物性を以下のよ
うにして評価した。 1.初期YI:X、Y、Z値を日本電色工業社製のND
−1001DPを用いて透過法で測定した。 2.透過率:日本電色工業社製のNDH−200を用い
て測定した。 3.ヘイズ:日本電色工業社製のNDH−200を用い
て測定した。 4.ガラス転移温度(Tg):レオメトリック社製のR
DX(動的粘弾性測定装置)を用い、昇温速度:3℃/
分、フリクエンシー:6.28rad/sec 、ストレイン:
0.1%で測定した。 5.アニール後ヘイズ:150℃、1時間、エアオーブ
ン中という条件でアニールを行い、その後上記3と同じ
方法により測定した。 6.ディスクの光学歪み:成形により得られたディスク
の複屈折を、アドモンサイエンス社製の複屈折自動測定
装置(F3HP−13NDT)を用いて測定した。 7.衝撃試験:ハンドベンディング試験により測定し
た。
【0073】実施例1〜9及び比較例1〜6 末端のフェノール性水酸基率が異なる2種類のポリカー
ボネート(成分(A))、ポリエステル(成分
(B))、エステル交換触媒(成分(C))、酸性分
(成分(D))及びジオール成分(成分(E))を以下
の表1の組成割合にて配合し、上記条件に従い押出機で
混練ペレット化した。
【0074】
【表1】
【0075】次いで、射出成形を、種々の成形温度に
て、上記条件に従い行った。得られた夫々の成形品につ
き、上記測定法に従いその物性を評価した。その結果を
表2〜表4に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【発明の効果】本発明の組成物を用いた成形品は、光線
透過率及びヘイズの値より明らかなように透明性が優れ
ており、かつガラス転移温度が単一であった。また、本
発明の成形品は、比較的低温で成形した場合でも複屈折
が良好に小さく、更に耐衝撃性も良好に保持でき、そし
てアニール後ですらヘイズの上昇がなく透明性を保持し
ていた。本発明の光学用成形品は、特に光ディスク等の
情報用記録媒体として適している。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘイズ値が1%以下かつ複屈折が±50
    nm以内であることを特徴とする透明なポリエステル/
    ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品。
  2. 【請求項2】ガラス転移温度が単一であり、かつポリエ
    ステルとポリカーボネートが均一に混ざり合っているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の成形品。
  3. 【請求項3】 (A)ポリカーボネート樹脂 99〜1
    重量部及び(B)ポリエステル樹脂 1〜99重量部、
    及び成分(A)及び(B)の合計100重量部に対し
    て、(C)エステル交換反応触媒 0.05〜5000
    0ppm、及び(D)プロトン酸及び/又はその誘導体
    0.0001〜1重量部を含むことを特徴とする樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 (A)末端水酸基の割合が全末端の5%
    以上であるポリカーボネート樹脂 99〜1重量部及び
    (B)ポリエステル樹脂 1〜99重量部、及び成分
    (A)及び(B)の合計100重量部に対して、(D)
    プロトン酸及び/又はその誘導体 0.0001〜1重
    量部を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 更に、成分(A)及び(B)の合計10
    0重量部に対して、(C)エステル交換反応触媒 0.
    05〜50000ppmを含むことを特徴とする請求項
    4に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 更に、成分(A)及び(B)の合計10
    0重量部に対して、(E)水酸基を有する化合物 0.
    001〜10重量部を含むことを特徴とする請求項3〜
    5のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレ
    ート、ポリブチレンテレフタレート又は両者の組み合わ
    せであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つ
    に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれかに記載の樹脂組
    成物を用いて成形された光学用成形品。
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