JPH1087856A - 防汚性プラスチック品及びその製造方法 - Google Patents

防汚性プラスチック品及びその製造方法

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JPH1087856A
JPH1087856A JP8246099A JP24609996A JPH1087856A JP H1087856 A JPH1087856 A JP H1087856A JP 8246099 A JP8246099 A JP 8246099A JP 24609996 A JP24609996 A JP 24609996A JP H1087856 A JPH1087856 A JP H1087856A
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JP
Japan
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hydrophilic
plastic
mold
plastic article
group
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JP8246099A
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English (en)
Inventor
Masanori Taneo
正規 種生
Koichi Maruyama
康一 丸山
Toshio Kobayashi
敏男 小林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性及び易清掃性に優れたプラスチック品
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 非官能性モノマーと親水基をもつ官能性
モノマーとを付加重合させてプラスチックを生成し、こ
のプラスチックを型成形により硬化及び成形する。例え
ばアクリルの成形品を製造する場合、メタクリル酸メチ
ルのような非官能性モノマーと、メタクリル酸のような
カルボキシル基をもつモノマー、あるいはメタクリル酸
2−ヒドロキシエチルのような水酸基をもつモノマーと
を付加重合させ、これを型成形する。成形型には、金型
やガラス型のように表面が親水性のものを用いるか、あ
るいは、解型剤としてポリビニルアルコールのような親
水性のものを用いることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、汚れが付きにくく且つ清
掃も容易なプラスチック品及びその製造方法に関し、例
えば浴槽、洗面ボウル、水槽、食器、床材、壁材、ミラ
ー、窓ガラス、テーブルやカウンターの天板などの広い
用途に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】人造大
理石やアクリルといったプラスチックが、上に例示した
ような種々の製品に用いられている。これらプラスチッ
ク品の一つの問題は、ほうろう、ガラス、陶器といった
伝統的な材料を用いた製品に比較して、汚れが付きやす
く且つ清掃による汚れ落ちも良くないことである。
【0003】従って、本発明の目的は、防汚性及び易清
掃性に優れたプラスチック品及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプラスチッ
ク品は、少なくともその表面の全部又は一部が、親水基
を含有したプラスチックにより構成される。親水基の代
表的な例は水酸基やカルボキシル基などである。
【0005】本発明のプラスチック品では、親水基を含
有したプラスチック部分において、その表面が水に濡れ
やすくなるため、水洗いによる汚れ落ちが良く、易清掃
性に優れる。その表面の構造は親水−撥水ミクロ相構
造、つまり、親水基を有する親水性の微細な領域と、親
水基を有しない疎水性(撥水性)の微細な領域とが分離
且つ混在する構造であることが望ましい。この親水−撥
水ミクロ相構造をもった表面は、蛋白質や油などの汚れ
(疎水性もしくは両性)が付着しにくく、かつ洗い落ち
が良いので、防汚性及び易清掃性の双方に優れる。
【0006】本発明に係るプラスチック品の製造方法
は、非官能性モノマーと、親水基をもつ官能性モノマー
とを付加重合させてプラスチックを生成する過程と、こ
のプラスチックを型成形により硬化及び成形する過程と
を有する。
【0007】この製造方法によると、親水基がプラスチ
ック品の表面に出てきやすく、親水−撥水ミクロ相構造
を形成しやすい。この観点から、型成形の過程では、成
形型の表面を親水性にすることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係るプラス
チック製浴槽の製造について以下に説明する。
【0009】プラスチックとして、典型的にはアクリル
を用いることができが、アクリルに代えて、公知の他の
プラスチックを用いることもでき、これには例えば、不
飽和ポリエステル、ポリプロピレン、ペリカーボネー
ト、ビニルエステル等が含まれる。これらのプラスチッ
クは通常は非官能性モノマーから生成されて疎水性を有
するのであるが、これに親水基(例えば、水酸基OH、カ
ルボキシル基COOHなど)を含有させることにより、親水
性を付与することができる。具体的には、非官能性モノ
マーと、親水基をもつ官能性モノマーとを付加重合させ
る。例えば親水性をもつアクリルを生成する場合、非官
能性モノマーにはメタクリル酸メチルCH2=C(CH3)COOCH3
を用いることができ、親水基をもつ官能性モノマーには
メタクリル酸CH2=C(CH3)COOH、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルCH2=C(CH3)COO-CH2CH2OH及びメタクリル酸2
−ヒドロキシプロピルCH2=C(CH3)COO-CH2CH(OH)CH3等の
内の一種又は複数種のモノマーを用いることができる。
【0010】図1は、多量のメタクリル酸メチルCH2=C
(CH3)COOCH3と少量のメタクリル酸CH2=C(CH3)COOHとを
付加重合させて、親水性をもつアクリルを生成する過程
を例示している。生成されたアクリルのポリマー分子
は、図示のように、メタクリル酸メチルCH2=C(CH3)COOC
H3同士の重合よりなる通常のアクリルと同様の分子構造
中に、メタクリル酸CH2=C(CH3)COOHとの重合によるカル
ボキシル基COOHを有する構成単位が点在し、そのカルボ
キシル基COOHがこのアクリルに親水性を付与する。
【0011】このような親水性をもつプラスチックを浴
槽に成形する際には、型成形法を用いる。ハンドレイア
ップ法、スプレーアップ法、注型法、プレス法など公知
の型成形法のいずれを採用してもよい。型成形を実施す
るとき、少なくとも浴槽の内側表面に当たる成形型に
は、その表面に親水性を有したものを用いることが好ま
しい。例えば、表面にクロムメッキを施した金型、各種
金属製の型、ガラス製の型などを用いることができる。
あるいは、成形後の脱型を容易にする目的で成形型の表
面に塗布される解型剤に親水性の材料を用いることも好
ましい。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)を解
型剤として成形型の表面に塗布する。このような方法で
浴槽内側表面に接する成形型の表面を親水性とすること
により、プラスチックの硬化・成形過程で内部の親水基
が浴槽内側表面に多く出て来る。結果として、浴槽内側
表面が良好な親水性を呈することになり、汚れにくく且
つ清掃による汚れの除去が容易になる。尚、浴槽内側表
面の分子構造は、親水−撥水ミクロ分離構造、つまり、
極めて微細な親水性の領域と撥水性の領域とが分離且つ
混在した構造になっていると推測される。
【0012】因みに、浴槽表面に親水性を付与するため
の別法として、通常のプラスチック製の浴槽の表面に親
水性の塗料をコーティングする方法も考え得る。しかし
ながら、実験してみたところ、この方法ではプラスチッ
ク表面に良好な親水性を与えることが難しいことが分っ
た。その理由は、多分、浴槽の最表面に親水基が多く出
て来ず、内部に潜ってしまうことが多いためと推測され
る。従って、上述した本実施形態の製造方法、つまり、
非官能性モノマーと親水基をもつ官能性モノマーとを付
加重合させてプラスチックを生成しこれを型成形すると
いう製造方法は、成形品の表面に良好な親水性を付与し
て防汚性及び易清掃性を向上させるためには優れた製造
方法である。
【0013】プラスチックの硬化剤には、有機過酸加物
のようなプラスチックの種類に応じた公知の材料が使用
できる。浴槽に必要な機械的強度を得るため、プラスチ
ックの原料にガラスや水酸化アルミニュームや炭酸カル
シウムなどの粉末を充填剤として加入したり、ガラス繊
維を添加したりすることが望ましい。所望の色を付ける
ために顔料も添加できる。
【0014】
【実施例】本実施形態の具体的な実施例及びその評価試
験結果を以下に説明する。
【0015】親水基として水酸基とカルボキシル基とを
それぞれ含有する2種類のアクリルについて、次のよう
に親水基含有率(水酸基価、酸価)を異ならせた実施例
試料を用意した。各試料は10cm角の板状物に型成形さ
れた。
【0016】(1)水酸基含有アクリル ・試料1−1:水酸基価=14.4 ・試料1−2:水酸基価=32.4 (2)カルボキシル基含有アクリル ・試料2−1:酸価=7.7 ・試料2−2:酸価=14.5 ・試料2−3:酸価=20.0 さらに、比較試料として、人造大理石「マーブライト
(商標)」と、通常のアクリル(メタクリル酸メチルを
共重合させたもの)と、ほうろうの10cm角の板状物も
用意した。マーブライトや通常のアクリルの板は比較的
に疎水性であり、他方、ほうろう板は表面がガラスであ
るから比較的に親水性であり防汚性及び易清掃性が高
い。
【0017】1.親水性(水との接触角)の測定結果 以上の試料について、水との接触角の測定結果を以下に
示す。
【0018】 (1)マーブライト…………………………接触角=83度 (2)通常のアクリル………………………接触角=75度 (3)水酸基含有アクリル ・試料1−1:水酸基価=14.4…… 接触角=68度 ・試料1−2:水酸基価=32.4…… 接触角=61度 (2)カルボキシル基含有アクリル ・試料2−1:酸価=7.7…………… 接触角=66度 ・試料2−2:酸価=14.5………… 接触角=71度 ・試料2−3:酸価=20.0………… 接触角=45度 (4)ほうろう………………………………接触角=35度 また、カルボキシル基含有アクリル(試料2−1〜2−
3)の酸価と接触角との関係を比較試料の接触角と共に
図2に示す。なお、測定装置には協和界面科学(株)製
の接触角計「CA−X150型」を用いた。上記及び図
2から分るように、アクリルに親水基を含有させること
により親水性を向上させることができ、親水基の含有率
を高めるほど親水性もより良好になり、ほうろうに近い
レベルの高い親水性を得ることも可能である。
【0019】2.防汚性及び易清掃性の試験結果 上記の試料について、防汚性及び易清掃性の評価試験を
以下のように実施した。すなわち、図3に示すように容
器1に人工浴槽汚染水2を入れ、この人工浴槽汚染水2
中に試料3を下方部分を浸漬し、この状態で3時間放置
した。人工浴槽汚染水には、人の垢の代替物として米
糠、及び人脂の代替物としてラードを含み、更に少量の
石鹸も溶解させた水を用いた。3時間の浸漬後に試料3
を引き上げ、その浸漬部分の光沢度を測定した。また、
3時間の浸漬後に試料3を引き上げ、試料3を水のシャ
ワーで流して洗浄した後、その浸漬部分の光沢度を測定
した。更に、3時間の浸漬後に試料3を引き上げ、試料
3を水で流しつつスポンジでこすって洗浄した後、その
浸漬部分の光沢度を測定した。以上の3ケースの光沢度
から次式により光沢度保持率を計算した。
【0020】「光沢度保持率」=「浸漬後(又は洗浄
後)の光沢度」÷「試験前の光沢度」
【0021】図4はこの評価試験の結果を示す。通常の
アクリルに比較して、親水基含有アクリルの光沢度保持
率が高いこと、つまり、防汚性及び易清掃性に優れてい
ることが認められる。
【0022】尚、以上の試験はアクリルのみに関するも
のであるが、その結果から、他のプラスチックに関して
も類似の効果が得られることを当業者は十分に理解する
ことができるであろう。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、防汚性及び易清掃性に
優れたプラスチック品及びその製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 親水性のアクリルのポリマー分子を生成する
過程を示す説明図。
【図2】 カルボキシル基含有アクリルの酸価と水との
接触角との関係を示す図。
【図3】 防汚性及び易清掃性の評価試験の方法を示す
図。
【図4】 防汚性及び易清掃性の評価試験の結果を示す
図。
【符号の説明】
2 人工浴槽汚染水 3 試料

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水基を含有するプラスチックを少なく
    とも表面の部分に有する成形されたプラスチック品。
  2. 【請求項2】 前記親水基が水酸基である請求項1記載
    のプラスチック品。
  3. 【請求項3】 前記親水基がカルボキシル基である請求
    項1記載のプラスチック品。
  4. 【請求項4】 前記表面の部分の構造が親水−撥水ミク
    ロ相分離構造である請求項1記載のプラスチック品。
  5. 【請求項5】 非官能性モノマーと、親水基をもつ官能
    性モノマーとを付加重合させるてプラスチックを生成す
    る過程と、 型成形により前記プラスチックを硬化及び成形する過程
    とを有するプラスチック品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記硬化及び成形する過程が、表面が親
    水性を有する成形型を用いる過程を含む請求項5記載の
    プラスチック品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記硬化及び成形する過程が、成形型の
    表面に親水性の解型剤を塗布する過程を含む請求項5記
    載のプラスチック品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記親水基が水酸基である請求項5記載
    のプラスチック品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記親水基がカルボキシル基である請求
    項5記載のプラスチック品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088013A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Noritz Corp 人工大理石用組成物、人工大理石及び浴槽
CN108907074A (zh) * 2018-07-16 2018-11-30 昆山帝邦铸造科技有限公司 一种防氧化脱模剂及其制备方法和使用方法

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