JPH10851A - インクジェット記録用キャスト塗被紙 - Google Patents

インクジェット記録用キャスト塗被紙

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Publication number
JPH10851A
JPH10851A JP8152144A JP15214496A JPH10851A JP H10851 A JPH10851 A JP H10851A JP 8152144 A JP8152144 A JP 8152144A JP 15214496 A JP15214496 A JP 15214496A JP H10851 A JPH10851 A JP H10851A
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JP
Japan
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cast
ink jet
cationic
polymer resin
paper
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Application number
JP8152144A
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English (en)
Inventor
Shinichi Asano
晋一 浅野
Masami Kubota
雅美 久保田
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication of JPH10851A publication Critical patent/JPH10851A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット記録用キャスト塗被紙に関し、
特に優れた白紙表面光沢を有し、かつ優れたインクジェ
ット記録(印字)適性を備えたキャスト塗被紙に関す
る。 【解決手段】 原紙に顔料と接着剤を含有する下塗り塗
被層を設け、更に重合体樹脂、下記式(1)で表される
ポリエーテルカチオン系界面活性剤及びカチオン性コロ
イド粒子を含有するキャスト塗被液を塗被してキャスト
用塗被層を形成せしめ、該キャスト用塗被層を加熱され
た鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げたインクジェット
記録用キャスト塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録用
キャスト塗被紙に関し、特に優れた白紙表面光沢を有
し、かつ優れたインクジェット記録(印字)適性を備え
たキャスト塗被紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタによる記
録が、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多
色化が容易なために多方面で利用されている。インクジ
ェット記録用紙としては、インク吸収性に富むように工
夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗被紙
等が適用されている。ところで、これらの用紙はすべて
表面光沢の低い、所謂マット調のインクジェット記録用
紙が主体である。
【0003】しかしながら、最近、インクジェット記録
の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化といった
用途の拡大に伴い、表面光沢の高い、優れた外観を持つ
インクジェット記録用紙が希求されている。一般に、表
面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗被し、
さらに、必要に応じてキャレンダー処理を施した高光沢
を有する塗被紙、あるいは湿潤塗被層を鏡面を有する加
熱ドラム面に圧着、乾燥することにより、その鏡面を写
し取ることによって得られる、所謂キャスト塗被紙等が
知られている。
【0004】このキャスト塗被紙はスーパーキャレンダ
ー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢と
より優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られ
ることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されている
が、インクジェット記録用紙に利用した場合、種々の難
点を抱えている。
【0005】即ち、一般にキャスト塗被紙は、その塗被
層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質がキ
ャストコーターの鏡面ドラム表面を写し取ることにより
高い光沢を得ているが、インクジェット記録用紙として
使用した場合、これらの成膜性物質がインクの吸収を妨
げるという問題点がある。さらに、一般のキャスト塗料
に使用されている顔料やバインダーは、ノニオン性また
はアニオン性を持つもので、インクジェットのインクの
染料を定着することができず、印字画像の耐水性不良や
印字濃度不足等の問題がある。
【0006】一般にインクジェット記録用紙では、塗被
層中にカチオン性の樹脂を使用することにより、印字画
像の耐水性や印字濃度を改良することが行われている
が、これらのカチオン性の樹脂は、離型性が悪く、ま
た、離型剤や増粘剤等の他のアニオン性助剤との相溶性
が悪いため、キャスト塗料として使用することは困難で
あった。以上の如く、キャスト塗被紙の表面光沢とイン
クジェット記録(印字)適性の両方を同時に満足させる
ことが極めて困難であるのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記より、本発明者等
はキャスト塗被紙が本来有する高表面平滑性および高光
沢を維持し、かつインクジェット記録(印字)適性に優
れたキャスト塗被紙を得るべく鋭意研究を重ねた。その
結果、下塗り塗被層を設けた原紙上に重合体樹脂を主成
分とし、且つ特定の界面活性剤とカチオン性コロイド粒
子を併用したキャスト塗被液を使用し、キャスト加工す
ることにより、極めて優れたインクジェット印字記録適
性を示し、かつキャスト塗被紙本来の高光沢を維持し、
従来のキャスト塗被紙では得ることのできなかった優れ
たインクジェット(印字)記録適性を備えたキャスト塗
被紙が得られることを見出したのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔1〕 原紙に顔料と接着剤を含有する下塗り塗被層を
設け、更に重合体樹脂、下記式(1)で表されるポリエ
ーテルカチオン系界面活性剤及びカチオン性コロイド粒
子を含有するキャスト塗被液を塗被してキャスト用塗被
層を形成せしめ、該キャスト用塗被層を加熱された鏡面
ドラムに圧接、乾燥して仕上げたインクジェット記録用
キャスト塗被紙。
【化1】 (式中のnは自然数を示し、R1 ,R2 ,R3 ,R4
それぞれ水素原子または低級アルキル基を示す。) 〔2〕 キャスト用塗被層が前記(1)で示されるポリ
エーテルカチオン系界面活性剤を重合体樹脂100重量
部に対して、0.1重量部〜15重量部含有する〔1〕
記載のインクジェット記録用キャスト塗被紙。
【0009】〔3〕 キャスト用塗被層がカチオン性コ
ロイド粒子を重合体樹脂100重量部に対して、0.5
重量部〜40重量部含有する〔1〕または〔2〕記載の
インクジェット記録用キャスト塗被紙。 〔4〕 重合体樹脂がエチレン性不飽和結合を有するモ
ノマーを重合させてなるガラス転移点が40℃以上の重
合体樹脂である〔1〕,〔2〕または〔3〕記載のイン
クジェット記録用キャスト塗被紙。
【0010】尚、キャスト用塗被層が湿潤状態にある間
に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げるウ
ェット法キャスト法によるものが記録適性等の点で好ま
しい。前記式(1)において、nは、自然数を示すが、
1〜500が好ましく、より好ましくは5〜60であ
る。R1 ,R2 ,R3 ,R4 の低級アルキル基としては
炭素数1〜4が好ましく、より好ましくはメチル基であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】前記したように、重合体樹脂を主
成分とするキャスト用塗被液中にポリエーテルカチオン
界面活性剤として、前記式(1)に相当する化合物を含
有させたものを塗被し、キャスト仕上げすることによ
り、本発明の所望とする優れた表面光沢を維持し、かつ
優れたインクジェット記録(印字)適性を兼ね備えたイ
ンクジェット記録用キャスト塗被紙が得られる。
【0012】ここに、キャスト用塗被組成物の主成分と
する重合体樹脂は、エチレン性不飽和結合を有するモノ
マーを重合させてなる樹脂を例示できる。即ち、エチレ
ン性不飽和結合を有するモノマー(以下エチレン性モノ
マーという)を重合してなる重合体樹脂としては、例え
ばメチルアクリレート、エチルアクリレートブチルアク
リレート、2エチルヘキシルアクリレート、ラウリルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリ
シジルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個
のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個の
メタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレ
ン、ブタジエン等のエチレン性モノマーを重合して得ら
れる重合体である。
【0013】なお、重合体は、必要に応じて2種類以上
のエチレン性モノマーを併用した共重合体であっても良
いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換誘
導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例えばカ
ルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応性
にしたもの等が例示される。また、上記のエチレン性モ
ノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−
O−R(R:重合体成分)結合によって複合体になった
形で使用することも可能である。
【0014】上記に例示したエチレン性モノマーを重合
してなる重合体樹脂等は、そのガラス転移点が40℃以
上のものが好ましく、より好ましくは50〜100℃の
範囲である。即ち、従来のキャスト塗被紙においては、
優れた表面光沢を得るために、キャスト仕上げを行う
際、塗被液内の樹脂分を十分成膜させ、キャスト光沢を
得ていた。しかし、このような方法では、キャスト塗被
紙表面の多孔性が減少し、結果として、インクジェット
記録時のインキの吸収を低下させる恐れもある。このイ
ンクの吸収を低下させないためには、ガラス転移点が高
い重合体樹脂を使用し、かつ重合体樹脂が完全に成膜を
起こさない状態でキャスト仕上げを行なわしめることが
好ましい態様である。これによりキャスト塗被紙表面の
多孔性の減少が軽微であり、インキの吸収は低下せず、
しかも優れた光沢面を有するキャスト塗被面を得ること
ができる。
【0015】次に本発明の最も重要な要素であるポリエ
ーテルカチオン系界面活性剤とカチオン性コロイド粒子
を併用することについてのべる。前述したように、本発
明の界面活性剤は化学式(1)で代表されるものである
が、この界面活性剤はカチオン性を有するため、インク
ジェットインクの定着性を高めることができ、印字画像
の濃度、耐水性を良好にすることができる。さらに、従
来インクジェットに使用されていたカチオン性のポリマ
ーと異なり、アニオン性物質との相溶性が良いため、上
記のキャスト用塗被液に含有させる重合体樹脂と併用し
て使用することができるとともに、この界面活性剤が存
在すると、キャスト用樹脂と他のカチオン性材料との相
溶性を向上させることができる。このため、この界面活
性剤を有しない系では、相溶性が悪く今まで用いること
が出来なかったカチオン性材料との併用が可能となり、
印字画像の濃度、耐水性を更に良好に出来ることが判っ
た。また、本発明者等が検討を重ねた結果、カチオン性
材料の中でも特に、カチオン性コロイド粒子を用いる
と、印字画像の濃度、耐水性を良好にするばかりではな
く、キャスト面の光沢性をも向上させることが判った。
【0016】上記の点について、理由は定かではない
が、印字画像の濃度、耐水性を向上させる理由として
は、キャスト樹脂層にカチオン性の材料を有することが
出来るようになったため、インクジェット用のインキ染
料が、キャスト層中でも保持できるようになったためで
あると考えられる。また、本発明のポリエーテルカチオ
ン系界面活性剤とともに、使用するカチオン性コロイド
粒子がキャスト面の光沢性をも向上させる理由として
は、キャスト塗料中にカチオン性の顔料が入ることによ
りキャスト層が形成される時の、塗料が不動化する固形
分濃度が低くなるため、キャストドラムに圧接される時
に、塗料がキャストドラム面を写し取り易い状態にある
ためだと考えられる。
【0017】本発明のポリエーテルカチオン系界面活性
剤は、キャスト塗被液中に主成分として使用される前述
の重合体樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部
の範囲で添加することが好ましい。少ないと画像耐水性
や印字濃度が低下する傾向があり、多いと光沢が低下す
る傾向がある。
【0018】また、本発明のカチオン性コロイド粒子と
は、水中に懸濁分散してコロイド状をなすもので、この
粒子表面が正に帯電している物を指す。例えば、ベーマ
イト、擬ベーマイト等のアルミナゾル、コロイダルアル
ミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、
或いは、特公昭47−26959号に記載されているよ
うなコロイド状シリカ粒子表面をアルミナコーティング
した粒子などが挙げられる。コロイド状シリカ粒子のな
かでもカチオン性コロイダルシリカは好ましい。コロイ
ダルシリカゾルはシロキサン構造を有し、通常シリカの
各粒子は負電荷(アニオン性)を有するが、カチオン性
コロイダルシリカは、この負に電荷したシリカゾルを塩
基性酸化アルミニウムと混合して得られるもので、シリ
カ表面をカチオン性に電荷させたものである。
【0019】また、キャスト用塗被組成物中には白色
度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗
被紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、分散
剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の
各種助剤が適宜添加される。
【0020】次に、下塗り塗被層の主成分である顔料と
接着剤について述べる。即ち、顔料としては、例えばカ
オリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミ
ナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、セピオライト、ス
メクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸
化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグ
メント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグ
アナミン系プラスチックピグメント等、一般塗被紙製造
分野で公知公用の各種顔料が使用できる。
【0021】なお、上記の顔料の中でも、塗被層の構造
をポーラスでインク吸収性の優れたものにする意味で、
無定形シリカや酸化アルミニウム、スメクタイト等の顔
料が特に好ましく使用される。次に、接着剤としては、
カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸
化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボ
キシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタ
クリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体
ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、等
一般に塗被紙用として用いられている従来公知の接着剤
が単独、あるいは併用して用いられる。なお接着剤の配
合量は顔料に対し、5〜50重量%、より好ましくは1
0〜30重量%の範囲で調節される。
【0022】なお、下塗り塗被層には従来インクジェッ
ト記録用紙に使用されているポリエチレンポリアミンや
ポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリア
ミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級ア
ンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン
等のカチオン性の樹脂を添加できる。これにより印字画
像耐水性を向上させることができる。添加量は限定しな
いが顔料100重量部に対し、1〜30重量部、より好
ましくは5〜20重量部の範囲で使用される。
【0023】その他、一般塗被紙の製造において使用さ
れる分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防
腐剤等の各種助剤が適宜添加される。而して、上記材料
をもって構成される下塗り塗被層用組成物は、一般に固
形分濃度を1〜65重量%程度に調整し、米坪が約20
〜400g/m2 程度の原紙上に乾燥重量で2〜50g
/m2 、より好ましくは5〜20g/m2 程度になるよ
うにブレードコーター、エアーナイフコーター、ロール
コーター、ブラシコーター、チャンプレックスコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知公用
の塗被装置により塗被、乾燥される。さらに、必要に応
じて下塗り塗被層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブ
ラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
【0024】なお、ベースとなる原紙としては、特に限
定されるものではなく、一般の塗被紙に使用される酸性
紙、あるいは中性紙、合成紙、多孔性フィルム等が適宜
使用される。かくして得られた下塗り塗被紙の塗被面
に、前述した特定の重合体組成物よりなるキャスト塗被
液を、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロー
ルコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗
被装置により塗被し、前述したように塗被層が湿潤状態
にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキ
ャスト仕上げを行うことになる。この場合のキャスト塗
被液の塗被量は、乾燥固形分で0.2〜30g/m2
好ましくは、1〜10g/m2 である。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。
【0026】実施例1 顔料として酸化アルミナ90部、軽質炭酸カルシウム1
0部、接着剤として、ポリビニルアルコール20部、カ
チオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂(商品名:
ネオフィックスFY/日華化学工業(株)製)10部、
分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形
分濃度18%の下塗り用塗被液を調成した。この下塗り
用塗被液を、米坪100g/m2 の原紙に乾燥重量で1
0g/m 2 になるように、エアーナイフコーターで塗
被、乾燥して下塗り原紙を得た。
【0027】一方、キャスト塗被液として、ガラス転移
点80℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共
重合体とコロイダルシリカの複合体(モビニール805
0;ヘキスト合成(株)製)100部、本発明のポリエ
ーテルカチオン系界面活性剤(アデカコールCC−1
5;旭電化工業社製、前記式(1)でn=15,R1
2 ,R3 ,R4 はそれぞれ水素原子またはメチル基を
示す)1部と顔料のカチオン性コロイド粒子として、酸
化アルミニウム水和物により表面をカチオン変性した球
状のカチオン性コロダルシリカ(スノーテックスAK;
日産化学工業社製)10部、離型剤としてレシチン3部
よりなる固形分濃度が30%のキャスト用塗被液を調製
した。この塗被液を上記の下塗り原紙上にロールコータ
ーを用いて塗被した後、ただちに表面温度が80℃の鏡
面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット
記録用キャスト塗被紙を得た。このときの塗被量は固形
分重量で、6g/m2 であった。
【0028】実施例2 実施例1において、界面活性剤をポリエーテルカチオン
系(アデカコールCC−42;旭電化工業社製、前記式
(1)でn=42,R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ
水素原子またはメチル基を示す)1部にした以外は実施
例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙
を得た。
【0029】実施例3 実施例1において、ポリエーテルカチオン系界面活性剤
(アデカコールCC−15;旭電化工業社製、前記式
(1)でn=15,R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ
水素原子またはメチル基を示す)7部にした以外は実施
例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙
を得た。
【0030】実施例4 実施例1において、ポリエーテルカチオン系界面活性剤
(アデカコールCC−15;旭電化工業社製)20部に
した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用
キャスト塗被紙を得た。 実施例5 実施例1において、顔料のカチオン性コロイド粒子とし
て、酸化アルミニウム水和物により表面をカチオン変性
した球状のカチオン性コロダルシリカ( スノーテックス
AK;日産化学工業社製) 3部にした以外は実施例1と
同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得
た。
【0031】実施例6 実施例1において、顔料のカチオン性コロイド粒子とし
て、酸化アルミニウム水和物により表面をカチオン変性
した球状のカチオン性コロダルシリカ( スノーテックス
AK;日産化学工業社製) 35部にした以外は実施例1
と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得
た。
【0032】実施例7 実施例1において、顔料のカチオン性コロイド粒子とし
て、酸化アルミニウム水和物により表面をカチオン変性
した球状のカチオン性コロダルシリカ( スノーテックス
AK;日産化学工業社製) 50部にした以外は実施例1
と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得
た。
【0033】実施例8 下塗り用塗被液の顔料として無定型シリカ70部、炭酸
マグネシウム30部、接着剤として、酸化澱粉5部、ポ
リビニルアルコール15部、カチオン性樹脂としてポリ
エチレンポリアミン系樹脂(商品名:ネオフィックスR
P−70/日華化学工業(株)製)8部、分散剤として
ポリ燐酸ソーダ0.4部を添加し、固形分濃度30%の
下塗り用塗被液を調製した。この下塗り用塗被液を、米
坪80g/m2 の原紙に乾燥重量で9g/m2 になるよ
うに、ブレードコーターで塗被、乾燥して下塗り原紙を
得た。この下塗り原紙上に実施例1で用いたキャスト用
塗被液を塗被し、実施例1と同じ方法でインクジェット
記録用キャスト塗被紙を得た。
【0034】実施例9 実施例1において、顔料のカチオン性コロイド粒子をア
ルミナゾル(アルミナゾル520;日産化学工業社製)
10部にした以外は実施例1と同じ方法でインクジェッ
ト記録用キャスト塗被紙を得た。 実施例10 実施例1において、顔料のカチオン性コロイド粒子をア
ルミナ水和物(カタロイドAS−2;触媒化成工業社)
10部にした以外は実施例1と同じ方法でインクジェッ
ト記録用キャスト塗被紙を得た。
【0035】比較例1 実施例1においてポリエーテルカチオン系界面活性剤を
無添加とした以外は実施例1と同じ方法でインクジェッ
ト記録用キャスト塗被紙を得た。 比較例2 実施例1においてポリエーテルカチオン系界面活性剤の
代わりにカチオン性樹脂としてポリエチレンポリアミン
系樹脂(商品名:ネオフィックスRP−70/日華化学
工業(株)製)を3部添加した以外は実施例1と同じ方
法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
【0036】比較例3 実施例1において顔料のカチオン性コロイド粒子を無添
加とした以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記
録用キャスト塗被紙を得た。 比較例4 実施例1において顔料のカチオン性コロイド粒子の代わ
りにカチオン性ポリビニルアルコール( CM−318
クラレ社製)10部とした以外は実施例1と同じ方法で
インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
【0037】このようにして得られたキャスト塗被紙の
白紙光沢、インクジェット記録適性、および操業性の結
果を表1に纏めて示した。なお、上記の評価については
下記の如き方法で評価を行った。
【0038】〔白紙光沢〕JIS−P8142に準じて
測定した。
【0039】〔インクジェット記録適性〕 (インクジェット記録用インクの吸収性)キヤノン
(株)製のカラーインクジェットプリンターBJC−6
00J(インクジェット記録用装置)にて印字を行な
い、インキの乾燥性を目視で評価した。 ○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 △:印字直後に指で触れると僅かに汚れるが、実用上問
題はない。 ×:インクの乾燥不良により、印字中にインクが流れて
実用に耐えない。
【0040】(インクジェット記録用インクの記録後の
印字濃度)キヤノン(株)製のカラーインクジェットプ
リンターBJC−600Jにて黒ベタ印字を行ない、そ
の部分をインクの濃度をマクベス反射濃度計RD−91
4(Macbeth PROCESS MEASURE
MENTS社製)で測定した。
【0041】〔キャスト塗被液安定性〕 ○:安定した塗工ができる。 ×:ゲル化し、塗工不能。
【0042】〔印字画像耐水性〕キヤノン(株)製のカ
ラーインクジェットプリンターBJC−600Jにて印
字を行ない、印字部分に水滴をたらし、インクのにじ
み、流れを目視で評価した。 ○:印字部分のインクのにじみ、流れがなく、耐水性良
好。 △:印字部分に若干のにじみが認められるが実用上問題
ないレベルである。 ×:印字部分のインクが流れだし、耐水性不良。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】表1から明らかのように本発明のキャス
ト塗被紙は表面光沢度、インクジェット記録適性に優れ
ている。比較例1、比較例2は、塗料がゲル化したた
め、評価出来なかった。カチオン性コロイド粒子の中で
もカチオン性コロイダルシリカは、特に優れた光沢性が
得られるため好ましい態様である。この理由は定かでな
いが、カチオン性コロイダルシリカの粒子が均一である
ため、表面の凹凸が少なく、キャストドラム面をより正
確に写し取ることができるためと推定できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を含有する下塗り塗
    被層を設け、更に重合体樹脂、下記式(1)で表される
    ポリエーテルカチオン系界面活性剤及びカチオン性コロ
    イド粒子を含有するキャスト塗被液を塗被してキャスト
    用塗被層を形成せしめ、該キャスト用塗被層を加熱され
    た鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げたインクジェット
    記録用キャスト塗被紙。 (式中のnは自然数を示し、R1 ,R2 ,R3 ,R4
    それぞれ水素原子または低級アルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 キャスト用塗被層が前記(1)で示され
    るポリエーテルカチオン系界面活性剤を重合体樹脂10
    0重量部に対して、0.1重量部〜15重量部含有する
    請求項1記載のインクジェット記録用キャスト塗被紙。
  3. 【請求項3】 キャスト用塗被層がカチオン性コロイド
    粒子を重合体樹脂100重量部に対して、0.5重量部
    〜40重量部含有する請求項1または2記載のインクジ
    ェット記録用キャスト塗被紙。
  4. 【請求項4】 重合体樹脂がエチレン性不飽和結合を有
    するモノマーを重合させてなるガラス転移点が40℃以
    上の重合体樹脂である請求項1,2,または3記載のイ
    ンクジェット記録用キャスト塗被紙。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001146071A (ja) * 1999-11-19 2001-05-29 Daio Paper Corp インクジェット記録用紙の製造方法およびインクジェット記録用紙
JP2007098919A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Hokuetsu Paper Mills Ltd インクジェット記録シート

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