JPH1084158A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JPH1084158A
JPH1084158A JP23614196A JP23614196A JPH1084158A JP H1084158 A JPH1084158 A JP H1084158A JP 23614196 A JP23614196 A JP 23614196A JP 23614196 A JP23614196 A JP 23614196A JP H1084158 A JPH1084158 A JP H1084158A
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JP
Japan
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quantum well
strained
ingaas
semiconductor laser
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Application number
JP23614196A
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English (en)
Inventor
Kiyohisa Hiramoto
清久 平本
Misuzu Sagawa
みすず 佐川
Sumiko Fujisaki
寿美子 藤崎
Takashi Toyonaka
隆司 豊中
Takeshi Kikawa
健 紀川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、GaAs基板上に形成されたIn
GaAs歪量子井戸から成る応力補償型量子井戸構造を
活性層に有する半導体レーザ素子の信頼性を向上するこ
とを目的とする。 【解決手段】 上記目的は活性層の障壁層にGaAsよ
り格子定数の小さいIn1-xGaxAsy1-y又は(Al
xGa1-xyIn1-yP又は(AlxGa1-xyIn1-y
sを用い、障壁層とInGaAs量子井戸層の間に、両
層の中間の格子定数を持つInGaAs歪中間層を形成
することにより達成される。 【効果】 応力補償型量子井戸構造の量子井戸層と障壁
層界面における結晶性が向上し、半導体レーザ素子の信
頼性を格段に向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は希土類添加光ファイ
バ増幅器の励起光源や並列光通信ネットワーク、並列光
情報処理、光インターコネクションの光源として用いら
れる半導体レーザ装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】活性層にInGaAs量子井戸層を有す
る発振波長が980nmの半導体レーザ装置は、Erド
ープ光ファイバ増幅器の励起光源として用いられてい
る。この素子のInGaAs量子井戸層の格子定数はG
aAs基板に比べて1〜2%大きい。この歪による転移
等の結晶欠陥の発生を防止するため障壁層にGaAs基
板よりも格子定数の小さい層を導入し、活性層内の平均
的な歪量を低減(応力補償)することが素子の信頼性の
向上に有効であることが1995年Indium Phosphide a
nd Related Materials国際会議講演予稿集(SA3. 5)に
報告されている。しかし、通常用いられている無歪の障
壁層を用いた場合に比べて量子井戸層と障壁層の界面で
の歪量の差は大きくなるため界面での結晶性は低下して
おり、この問題点を解決するためInGaAs量子井戸
層と障壁層の間に両層の中間の格子定数を持つInGa
AsP層(以下これを歪中間層と記述する)を導入し、
界面における歪量の差を低減することにより、光出力一
定条件での信頼性試験における駆動電流増加率が低減
し、素子の信頼性が向上したことが公開特許(特開平0
8−056045号公報)に報告されている。また、G
aAs基板上に形成されたInGaAs量子井戸とGa
As障壁層からなる量子井戸構造の界面に両層の中間の
格子定数を有するInGaAs層を導入することにより
素子の信頼性が向上することが第41回応用物理学関係
講演会予稿集(28a−K−7)に報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に述べたよ
うに、量子井戸層に1%以上程度の高い歪みを持つ量子
井戸構造を活性層に有する半導体レーザ素子の高信頼度
化には、量子井戸構造の応力補償構造化が必須である。
従って、量子井戸層がGaAsよりも大きな格子定数を
持つInGaAsの場合には障壁層にはGaAsよりも
格子定数の小さい層を用いる必要がある。また、応力補
償型量子井戸構造における従来構造では、応力補償型量
子井戸構造の歪中間層にInGaAsPを用いていた。
これはInGaAsPを用いた場合、歪中間層のIn組
成を量子井戸層の組成と同じにできるため、量子井戸層
から障壁層へのInの拡散が抑制され、ヘテロ界面の急
峻性が保たれるためである。しかし、InGaAsPは
4元混晶のため熱力学的に不安定で良質な結晶が得られ
難く、それによる劣化が生じて歪中間層の導入の効果が
素子の信頼性の向上に対して十分に現れないという問題
点があった。
【0004】本発明は、GaAs基板上に形成されたI
nGaAs歪量子井戸層を有する応力補償型量子井戸構
造の量子井戸層と障壁層の間に格子定数が量子井戸層と
障壁層の中間の値を持つ層(歪中間層)を挿入すること
により素子の信頼性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は障壁層にGa
Asより格子定数の小さいIn1-xGaxAsy1-y又は
(AlxGa1-xyIn1-yP又は(AlxGa1-xy
1-yAsを用い、障壁層とInGaAs量子井戸層の
間に、両層の中間の格子定数を持つInGaAs歪中間
層を形成することにより達成される。これはInGaA
sは4元系のInGaAsPに比べ熱力学的に安定であ
り、より良質な結晶を成長できるためである。
【0006】図5(a)及び(b)に量子井戸層として
In0.2Ga0.8As(GaAsとの格子不整合度Δa/
a:1.2%、圧縮歪)、また障壁層としてIn0.12
0.88As0.710.29(GaAsとの格子不整合度Δa
/a:0.3%、引張歪)を用いた場合の77Kにおけ
るホトルミネッセンス(PL)スペクトルピ−ク強度及
び半値幅の歪中間層歪量依存性を示した。図5(a)及
び(b)から分かるように、歪中間層の歪量が量子井戸
層と障壁層の中央付近である0.3%から0.5%の領
域でPL強度が高く、半値幅は狭く、結晶性が良好であ
る。これは量子井戸層と歪中間層、歪中間層と障壁層の
格子定数差(歪量差)のどちらか大きいほうで結晶性が
決まり、それが最小となる場合、すなはち歪中間層の格
子定数が量子井戸層と障壁層のほぼ中央であるときに結
晶性が最も良いことを示している。また図6(a)及び
(b)は歪中間層の歪量を0.45%に固定した場合の
77Kにおけるホトルミネッセンス(PL)スペクトル
ピ−ク強度及び半値幅の歪中間層膜厚依存性である。図
6(a)及び(b)から分かるように歪中間層の膜厚は
1nmから5nmの時にPL強度が高く、半値幅は狭
く、結晶性が良好である。それ以下では原料切替時の残
留原料により歪中間層の結晶性が悪いため、またそれ以
上では歪中間層の膜厚の増大による歪の蓄積により量子
井戸構造の結晶性が低下している。また、InGaAs
歪中間層の歪量を量子井戸層から離れるに従って段階
的、又は連続的に小さくすれば、1層の歪中間層を用い
た場合に比べて界面における歪量の差は低減するため、
界面の結晶性はより良好になる。
【0007】また歪中間層にInGaAsを用いた場
合、同じ格子定数のInGaAsPを用いた場合に比べ
て歪中間層中のIn組成が低いため量子井戸層からのI
nの拡散は生じ易いが、その拡散量は以下の実施例に示
すように素子特性の低下をもたらすほど大きくないこと
が分かった。
【0008】このように歪中間層として、InGaAs
を用いることによって素子の特性を低下させることなく
応力補償型量子井戸構造の量子井戸層と障壁層の界面の
結晶性を向上でき、素子の信頼性が格段に向上すること
が分かった。
【0009】以上に述べた、光学的に活性な領域におけ
る半導体層の積層構造に特徴を有する本発明の半導体レ
ーザ装置に関し、その技術思想の概要を纏めると次の通
りである。
【0010】まず本発明者は、特開平08−56045
号公報に開示される、歪量子井戸構造を構成する量子井
戸層と障壁層との間に、格子定数が両層を構成する半導
体結晶の一方より大きく他方より小さい4元系(4種の
元素で構成される)化合物半導体の結晶からなる層(所
謂、歪中間層)を形成する技術において、この層が熱力
学的に不安定なため、量子井戸層の結晶性を損なうとい
う問題に気付いた。4元系の化合物半導体は構成元素が
多い分、所望の格子定数の結晶を実現するために調整可
能な組成比のパラメータが多いという長所を有する。し
かし、構成元素が多い分、局所的に結晶領域を見るとII
I族元素のサイトにAl、Ga、又はInが、V族元素
のサイトにAs又はPが当該結晶領域の組成が所望の組
成比を満たすように配置されているとは限らない。即ち
微視的に見て格子定数の異なる結晶領域の集合体として
半導体層が形成されてしまうという可能性、つまり短所
がある。本発明者は、巨視的には見落とされていた4元
系化合物半導体の短所が、熱力学的不安定性の原因、即
ちこの材料からなる半導体結晶に別の半導体結晶を格子
不整合で接合するにあたり、別の半導体結晶に接合界面
から転位を生じさせるという問題を起こす原因であると
仮定した。
【0011】格子不整合で積層された歪量子井戸層、歪
中間層、歪障壁層からなる活性領域を有する半導体レー
ザ装置において、良質の即ち転位や欠陥のない結晶が要
請される優先度は、歪量子井戸層、歪中間層、歪障壁層
の順位付けられる。従って、歪量子井戸層はもとより、
これに接合される歪中間層は上述の熱力学的不安定性の
少ない材料で形成することが要求される。本発明は、こ
の要求を満たすべく、歪量子井戸層をInx1Ga1-x1
s、歪中間層をInx2Ga1-x2As層(但し、1≧x1
>x2>0)で形成する。組成のパラメータx1は、1
>x1としてもよい。上述のホトトルミネセンス(P
L)で評価した半導体レーザ装置の品質の観点から見れ
ば、組成のパラメータは夫々0.3≧x1>0.1、
0.1>x2>0の範囲に設定することが望ましい。そ
の根拠は、歪中間層の歪量は、歪中間層の組成はもとよ
り、歪量子井戸層の組成にも依存するところにある。
【0012】一方、この半導体レーザ装置は良質の単結
晶基板材料を製造しやすいGaAs基板上に形成され
る。この基板上部に上述の格子不整合で積層された活性
領域を形成するにあたり、活性領域全体の歪量を緩和す
ることは基板からこの領域に亘り生じる転位を回避する
上で重要である。しかし、歪量子井戸層や歪中間層を上
述のInGaAs系材料で形成すると、GaAs基板に
対して両層とも圧縮歪を有し、障壁層にはこれらの圧縮
歪を相殺する引張歪を持たせることが要請される(所
謂、応力緩和の要請)。
【0013】そこで、所望の引張歪を与える一策として
歪障壁層をIn1-xGaxAsy1-y、(AlxGa1-x
yIn1-yP、又は(AlxGa1-xyIn1-yAs(但
し、0<x<1,0<y<1)の4元系化合物半導体で
形成するとよい。その根拠は、4元系化合物半導体の長
所で述べたように格子定数がGaAsより所望の分だけ
小さい(所望の引張歪量を有する)半導体層が形成しや
すいからである。歪障壁層は4元系以外でもよく、例え
ば上述のいずれかの組成において0≦y<1としても格
子定数がGaAsより所望の分だけ小さければ十分であ
る。
【0014】歪障壁層を4元系化合物半導体で構成する
場合、その熱力学的不安定性故、歪中間層には転位が生
じる。しかし、歪中間層の厚さを適切に設定することに
より、この転位を歪中間層内部で抑え、歪量子井戸層へ
の延伸を回避することができる。歪障壁層による歪量子
井戸層へのキャリア閉じ込め効果等を勘案すれば、4元
系化合物半導体からなる歪障壁層に望ましき歪中間層の
厚みは1nm以上、5nm以下である。このような厚み
を有する歪中間層は、また4元系以外の例えば3元系や
5元系の化合物半導体からなる歪障壁層にも適用でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
<実施例1>図1は本発明の実施例1における半導体レ
ーザの断面図である。図は光の進行方向と垂直な面内の
断面図である。また図2は、図1の活性層4の拡大図で
ある。結晶成長は減圧MOCVD法を用いて行った。成
長圧力は40torr、成長温度は650℃である。S
iドープn型(001)GaAs基板1(キャリア濃度
2×1018/cm3)上にn型GaAsバッファ層2
(Seドープ、キャリア濃度1×1018/cm3、膜厚
0.2μm)、n型In0.49Ga0.51Pクラッド層3
(Seドープ、キャリア濃度8×1017/cm3、膜厚
1.5μm)、In0.18Ga0.82As0.630.37障壁層
12(膜厚35nm、Δa/a:0.3%、引張歪)、
In0.07Ga0.93As歪中間13(膜厚2nm)、In
0.2Ga0.8As量子井戸層14(膜厚5nm、Δa/
a:1.4%、圧縮歪)、 In0.07Ga0.93As歪中
間15(膜厚2nm)、 In0.18Ga0.82As0.63
0.37障壁層16(膜厚35nm、Δa/a:0.3%、
引張歪)、p型In0.49Ga0.51Pクラッド層5(Zn
ドープ、キャリア濃度6×1017/cm3、膜厚0.2
5μm)、p型GaAs層6(Znドープ、キャリア濃
度6×1017/cm3、膜厚20nm)、p型In0.49
Ga0.51Pクラッド層7(Znドープ、キャリア濃度8
×1017/cm3、膜厚1.3μm)、p型In0.1Ga
0.9As0.80.2層8(Znドープ、キャリア濃度2×
1018/cm3、膜厚0.05μm)、p型GaAsキ
ャップ層9(Znドープ、キャリア濃度1×19/c
3、膜厚0. 15μm)を順次成長させる。
【0016】次に通常のCVD工程とホトレジスト工程
により幅3μmのSiO2ストライプを形成し、それを
マスクとして半導体層6、7、8、9を化学エッチング
して凸状にする。この上にエッチングで用いたSiO2
ストライプを選択成長のマスクとしてn型In0.49Ga
0.51Pブロック層10(Seドープ、キャリア濃度2×
18/cm3、膜厚1.5μm)を成長させる。その後上
記SiO2マスクを除去し、その上にp型GaAsコン
タクト層11(Znドープ、キャリア濃度2×1019
cm3、膜厚1.0μm)を成長させる。その後正電極
としてAu−Cr17を、負電極としてAu−Ge18
を真空蒸着して形成する。最後に結晶を劈開して長さ9
00μmのレーザチップを得る。
【0017】こうして作製した素子は室温において発振
波長980nmで直流発振し、しきい電流は約12m
A、しきい電流密度は250A/cm2であり、光出力
180mWまで安定な横単一モードであった。これは歪
中間層にInGaAsPを用いた場合のしきい電流、し
きい電流密度とほぼ等しく、Inの拡散による素子特性
の劣化は見られない。
【0018】また50℃、光出力100mWで寿命試験
を行ったところ、駆動電流増加率(光出力を200mW
に保つのに必要な電流値が一定時間に初期電流値に対し
て増加する割合)はInGaAsP歪中間層を用いた場
合に比べ3割程度であり、InGaAs歪中間層の導入
により素子の信頼性が向上し50℃、光出力200mW
での素子の寿命が5万時間から20万時間以上に伸び
た。
【0019】本実施例における活性層4を、2層以上の
InGaAs量子井戸層とInGaAsP障壁層及びI
nGaAs歪中間層から構成される多重量子井戸構造と
しても同様の効果が得られる。また本実施例におけるp
型とn型を全て逆転した構造においても同様の効果が得
られる。また、クラッド層にAlGaAs、障壁層に
(AlxGa1-xyIn1-yP又は(AlxGa1-xy
1-yAsを用いても同様の効果が得られた。
【0020】<実施例2>図3は本発明の実施例2にお
ける半導体レーザの断面図である。図は光の進行方向と
垂直な面内の断面図である。また図4は、図3の活性層
22の拡大図である。結晶成長は減圧MOCVD法を用
いて行った。成長圧力は40torr、成長温度は65
0℃である。Siドープn型(001)GaAs基板1
9(キャリア濃度2×1018/cm3)上にn型GaA
sバッファ層20(Seドープ、キャリア濃度1×10
18/cm3、膜厚0.2μm)、n型In0.49Ga0.51
Pクラッド層21(Seドープ、キャリア濃度8×10
17/cm3、膜厚1.5μm)、In0.18Ga0.82As
0.630.37障壁層30(膜厚35nm、Δa/a:0.
3%、引張歪)、InxGa1-xAs歪中間層31(膜厚
2nm、但しxは成長方向に沿って0から0.2の間で
連続的に増加)、In0.2Ga0.8As量子井戸層32
(膜厚5nm、Δa/a:1.4%、圧縮歪)、 Inx
Ga1-xAs歪中間層33(膜厚2nm、但しxは成長
方向に沿って0.2から0の間で連続的に減少)、 I
0.18Ga0.82As0.630.37障壁層34(膜厚35n
m、Δa/a:0.3%、引張歪)、p型In0.49Ga
0.51Pクラッド層23(Znドープ、キャリア濃度6×
1017/cm3、膜厚0.25μm)、p型GaAs層
24(Znドープ、キャリア濃度6×1017/cm3
膜厚20nm)、p型In0.49Ga0.51Pクラッド層2
5(Znドープ、キャリア濃度8×1017/cm3、膜
厚1.3μm)、p型In0.1Ga0.9As0.80.2層2
6(Znドープ、キャリア濃度2×1018/cm3、膜
厚0.05μm)、p型GaAsキャップ層27(Zn
ドープ、キャリア濃度1×1019/cm3、膜厚0.1
5μm)を順次成長させる。
【0021】次に通常のCVD工程とホトレジスト工程
により幅3μmのSiO2ストライプを形成し、それを
マスクとして半導体層24、25、26、27を化学エ
ッチングして凸状にする。この上にエッチングで用いた
SiO2ストライプを選択成長のマスクとしてn型In
0.49Ga0.51Pブロック層28(Seドープ、キャリア
濃度2×1018/cm3、膜厚1.5μm)を成長させ
る。その後上記SiO2マスクを除去し、その上にp型
GaAsコンタクト層29(Znドープ、キャリア濃度
2×1019/cm3、膜厚1.0μm)を成長させる。
その後正電極としてAu−Cr35を、負電極としてA
u−Ge36を真空蒸着して形成する。最後に結晶を劈
開して長さ900μmのレーザチップを得る。
【0022】こうして作製した素子は室温において発振
波長980nmで直流発振し、しきい電流は約12m
A、しきい電流密度は250A/cm2であり、光出力
180mWまで安定な横単一モードであった。これは歪
中間層にInGaAsPを用いた場合のしきい電流、し
きい電流密度とほぼ等しく、Inの拡散による素子特性
の劣化は見られない。
【0023】また50℃、光出力100mWで寿命試験
を行ったところ、駆動電流増加率(光出力を200mW
に保つのに必要な電流値が一定時間に初期電流値に対し
て増加する割合)は一層のInGaAs歪中間層を用い
た場合に比べ5割程度であり、InGaAs歪中間層の
導入により素子の信頼性が向上し50℃、光出力200
mWでの素子の寿命が20万時間から40万時間以上に
伸びた。これは、歪中間層の歪量を連続的に変化させた
ことにより、界面の歪量差が1層の歪中間層を用いた場
合に比べて減少したためである。
【0024】本実施例における活性層4を、2層以上の
InGaAs量子井戸層とInGaAsP障壁層及びI
nGaAs歪中間層から構成される多重量子井戸構造と
しても同様の効果が得られる。また本実施例におけるp
型とn型を全て逆転した構造においても同様の効果が得
られる。また、クラッド層にAlGaAs、障壁層に
(AlxGa1-xyIn1-yP又は(AlxGa1-xy
1-yAsを用いても同様の効果が得られた。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、GaAs基板上に形成
され、少なくとも1層の光を発生するInGaAs量子
井戸を有する半導体レーザ装置において、障壁層をGa
Asより格子定数の小さいInGaAsP又はAlGa
InP又はAlGaInAsとし、障壁層と上記InG
aAs量子井戸層の間に両者の中間の格子定数を有する
InGaAs歪中間層を形成することにより、活性層に
おけるヘテロ界面での歪量の差が低減し、ヘテロ界面の
結晶性が向上し、素子信頼性を向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例1の半導体レーザの断面
図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】本発明における実施例2の半導体レーザの断面
図。
【図4】図3の部分拡大図。
【図5】量子井戸構造のPLスペクトルピーク強度及び
半値幅の歪中間層歪量依存性を示す図。
【図6】量子井戸構造のPLスペクトルピーク強度及び
半値幅の歪中間層膜厚依存性を示す図。
【符号の説明】
1,19…n型GaAs基板、3,21…n型InGaPクラッ
ド層、4,22…活性層、5,7, 23,25…p型I
nGaPクラッド層、6,24…p型GaAs層、10,28…
n型InGaPブロック層、12,16,30,34…InGaA
sP障壁層、13,15,31,33…InGaAs歪中間層,
14,32…InGaAs歪量子井戸層。
フロントページの続き (72)発明者 豊中 隆司 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 紀川 健 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAs基板上に形成され、少なくとも1
    層の光を発生するInx1Ga1-x1As量子井戸層(1≧
    x1>0)と、該量子井戸層よりも屈折率が小さく且つ
    禁制帯幅の大きいクラッド層と、発生した光からレーザ
    光を得るための共振器構造から構成される半導体レーザ
    装置において、上記Inx1Ga1-x1As量子井戸層の両
    側又は片側一方に隣接して少なくとも1層のInx2Ga
    1-x2As層が形成され、該Inx2Ga1-x2As層の格子
    定数が上記Inx1Ga1-x1As量子井戸層よりも小さい
    (x1>x2>0)ことを特徴とし、かつ該Inx2Ga
    1-x2Asに隣接して障壁層が形成され、該障壁層の格子
    定数がGaAsよりも小さいことを特徴とする半導体レ
    ーザ装置。
  2. 【請求項2】請求項1の半導体レーザ装置において、上
    記障壁層がIn1-xGaxAsy1-y(但し0≦y<1)
    又は(AlxGa1-xyIn1-yP又は(AlxGa1-x
    yIn1-yAsであることを特徴とする半導体レーザ装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の半導体レーザ装置におい
    て、クラッド層が少なくとも1層の上記GaAs基板に
    格子整合するIn1-xGaxAsy1-y層(但し0≦y<
    1)又はAlGaAsから構成されることを特徴とする
    半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の半導体レーザ装置に
    おいて、0.3≧ x1>0.1であり、かつ0.1>
    x2>0であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の半導体レーザ装
    置において、上記InGaAs量子井戸層に隣接する上
    記InGaAs層の格子定数が、該InGaAs層から
    離れるに従って段階的又は連続的に減少することを特徴
    とする半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5の半導体レー
    ザ装置において、上記InGaAs量子井戸層に隣接す
    る上記InGaAs層の膜厚が1nm以上5nm以下で
    あることを特徴とする半導体レーザ装置。
JP23614196A 1996-09-06 1996-09-06 半導体レーザ装置 Pending JPH1084158A (ja)

Priority Applications (1)

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