JPH1082861A - 放射線強度分布計測装置 - Google Patents

放射線強度分布計測装置

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JPH1082861A
JPH1082861A JP8234919A JP23491996A JPH1082861A JP H1082861 A JPH1082861 A JP H1082861A JP 8234919 A JP8234919 A JP 8234919A JP 23491996 A JP23491996 A JP 23491996A JP H1082861 A JPH1082861 A JP H1082861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的はシンチレーション光を光ファイ
バで伝送して放射線分布を計測する装置において、放射
線の入射位置を正確に弁別する、簡素で経済的な、より
実用的な放射線分布計測装置を提供することにある。 【解決手段】シンチレーション方式放射線センサにセン
サ位置情報を持った二重発光を発生機能を持たせ、両パ
ルスの時間幅を識別することによって放射線センサを容
易に識別する。 【効果】精密なTAC処理を必要とせず、片道1系統で
放射線分布計測が可能になり、簡素で経済的な、より実
用的な放射線分布計測装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線強度分布を計
測する装置に関し、特に、放射線検出センサにシンチレ
ータやシンチレーションファイバを用い、そのシンチレ
ーション光を光ファイバで伝送して計測する放射線強度
分布計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シンチレーション光を光ファイバで伝送
して放射線分布を計測する放射線分布計測装置に係わる
例として特開平6−258446号,特開平6−109848号があ
る。前者の公知例はシンチレータのシンチレーション光
を波長変換ファイバで波長変換する複数のシンチレータ
を連鎖状に伝送用ファイバで連結し、シンチレータで発
光する両端方向の光の到達時間差から放射線の入射位置
を決定し、その到達頻度から強度を決定する構成であ
る。後者はシンチレーションファイバの一端にシンチレ
ーション光の反射器を設け、他の一端に設けた光検出器
で放射線の入射で発光した最初の光と、反射器で戻る光
の到達時間差から放射線の入射位置と放射線強度を決定
する構成である。これらの公知例のごとく、放射線の入
射位置とその強度が分かれば放射線強度分布が求められ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図10に従来の放射線
分布計測装置の一例を示す。従来の方式は複数のシンチ
レータ50を連鎖状に光ファイバ51で連結する。この
シンチレータ50には波長変換ファイバ54を設け、波
長変換ファイバ54で再発光した両端方向の光を時間波
高変換器52(以下、TAC:Time−to−Amplitude Co
nvertor と略称)で到達時間差を求め放射線の入射位置
を決定する。このため2系統の光検出系53a,53b
が必要になる。さらに、両端方向の光の到達時間差を求
めるため、放射線センサ部の両端に2系統の光ファイバ
51a,51bを布設する必要がある。また、到達時間
差を正確に求めるためには上記2系統の一方の光検出系
に遅延回路55が必要となる。この遅延回路はTAC処
理の到達時間差を測定するためのスタート,ストップ信
号を発生させる。この遅延回路の遅延時間は上記2系統
の1系統分に相当する。この遅延時間は放射線計測の不
感時間となり、放射線計測系の最大計数率を低下させる
大きな要因となる。このように精密分析のTAC処理が
必要になることやシステム全体の構成が複雑になる問題
があった。また、複数のシンチレータを連鎖状に連結す
る構成では放射線の入射で発光するシンチレーション光
が他の波長変換ファイバ54を通過して伝送することに
なる。このため、その波長変換ファイバ通過による伝送
損失が大きく、伝送距離が長くなる大規模な分布測定シ
ステムは困難になる。
【0004】後者の従来例の放射線分布計測装置はシン
チレーションファイバの一端に直接反射器を設け、他の
一端に光検出器を設ける構成である。この従来例はシン
チレーションファイバを全長にわたって用いる構成のた
め、最初の発光と反射器で戻る光信号の時間差から放射
線の入射位置を決定する。この処理は前者のTAC処理
と全く同一となる。この構成ではシンチレーションファ
イバ自体の伝送損失が極めて大きく、10m以上の放射
線分布計測が困難になり、実用的な放射線分布計測シス
テム(伝送距離200m以上)の提供は難しい。また、
この従来例は光伝送系を兼ねたシンチレーションファイ
バだけで構成しているため、放射線の入射源が複数にな
るとその入射位置を決定する位置分解能が著しく低下す
ることになる。隣接して放射線が入射する場合には入射
位置の識別が困難になる問題がある。
【0005】本発明の目的はシンチレーション光を光フ
ァイバで伝送して放射線分布を計測する装置において、
放射線の入射位置を正確に弁別するとともに、簡素で経
済的な構成でより、実用的な放射線分布計測装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来の分布計測装置は放
射線の入射で発光する光に発光位置情報が含まれないた
め、複数のシンチレータを連鎖状に光ファイバで連結
し、両端の発光時間差をTAC分析して発光位置情報を
求める必要があった。本発明ではシンチレーション式放
射線センサを分散配置し、各センサにあらかじめ所定の
位置情報を持った光信号を発生させる構成にすることに
よって、簡素で実用的な放射線強度分布計測装置を容易
に実現することができる。本発明の各シンチレーション
式放射線センサは一つの放射線入射による発光毎、セン
サの位置情報を持った二重発光(ダブルパルス光)を発
生させるように構成する。即ち、各センサのシンチレー
タに2本の波長変換ファイバを挿入し、第1の発光を時
間遅れなく直接光検出系(計測系)に伝送し、他の第2
の発光を一定の遅延時間を持って同一の光検出系へ伝送
することによってダブルパルス光を単純に発生させるこ
とができる。第2の発光の一定遅延時間は光伝送路に一
定長さのファイバを設けるだけでよい。このダブルパル
ス光を光検出し、両パルスの時間幅を識別することによ
って放射線が入射したセンサの識別が可能になる。一定
の遅延時間は各センサ毎、あらかじめ、独立既知に設け
るため、単純な遅延同期回路でセンサの識別が容易に可
能となる。本発明では従来法に比べ、精密なTAC処理
を必要とせず、また、両方向の光を検出するための2系
統の伝送ファイバを必要とせず、片道1系統で放射線分
布計測が可能になる。さらに、TACのスタート,スト
ップ信号を設定するための遅延回路も不要となり、従来
方式に比べて放射線計測の不感時間を小さくすることが
でき、簡素で実用的な放射線分布計測装置を実現でき
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細な説明を実施例
を用いて説明する。図1は、放射線強度分布測定装置の
構成を示す。放射線センサ1はシンチレータ2とその内
部に挿入する波長変換ファイバ3および各波長変換ファ
イバに接続した光伝送用のファイバ4,5で構成する。
センサ1に放射線が入射するシンチレーション光を発光
し、その光の波長変換ファイバ3を励起し、光伝送に適
した方向性のある光を発光する。この光の一方(第1の
光)は直接伝送ファイバ5,6を介して光検出系7と測
定回路系8へ伝送する。もう一つの光(第2の光)は遅
延ファイバ4と同じ伝送ファイバ6を経由して、光検出
系7と測定回路系8へ伝送する。伝送ファイバ6を通過
する光パルスは第1と第2のダブルパルス9となって伝
送される。そのパルス幅は遅延ファイバ4の長さに依存
(遅延時間:Δt(L))する。光ファイバ中の光速は
約2×108m/s であり、遅延ファイバ4とファイバ
5との長さの差が20cmで1nsの遅延時間となる。こ
の遅延ファイバ4とファイバ5との長さの差を、例えば
20,40,…,200cmと異なって各センサに設ける
ことによって、1nsの倍数となるダブルパルス間隔を
持った任意の位置情報を持ったセンサを設計することが
できる。図2に測定回路系8の詳細な構成を示した。ダ
ブルパルス9を前置増幅器10,線形増幅器11,ディ
スクリミネータ12を介して時間情報を持った電気的な
矩形波のダブルパルス13に変換する。このダブルパル
ス13は上述の各センサ1の遅延時間を設定した電気的
な遅延回路14と同期回路16を通過させる。同期回路
16には遅延回路14を通過しないパルスも入力15
し、その同期処理で一致する点からセンサを識別する。
識別した各センサアドレスのメモリー17に放射線入力
頻度を加算する。この加算データは分布計測のデータと
して処理装置に伝送する。
【0008】図3は上記各センサ1(L1からLn)を分
散接続した本発明の放射線強度分布計測システムの構成
例を示す。上記各センサ1のダブルパルス光は幹線ファ
イバ20を介して光検出系7と測定回路系8へ伝送す
る。位置情報を識別したデータはデータ処理装置21,
放射線分布表示装置22へ伝送出力する。本発明による
放射線分布計測装置は従来のTAC処理で計測する方式
と異なり、光検出系が片道1系統で済み、光伝送ファイ
バも往復2系統の布設が不要となる。また、簡便で単純
な遅延同期回路でセンサの位置情報を識別できることな
ど簡素で経済的な放射線分布計測装置を実現できる。ま
た、作用の項で述べたとおり、TAC処理を行わないた
め、TACのスタート,ストップ信号を発生させる遅延
回路も不要となり、放射線計測の不感時間を50%以上
向上することができる。
【0009】図4は本発明の放射線強度分布測定装置の
変形例を示す。この変形例はシンチレータ30に1本の
波長変換ファイバ31を挿入し、この波長変換ファイバ
31の出力光を分岐して遅延ファイバ32を設け、再度
幹線ファイバ33に連結する構成である。幹線ファイバ
33にはセンサの位置情報を持ったダブルパルス9が同
様に出力される。
【0010】図5は本発明の放射線強度分布測定装置の
変形例を示す。波長変換ファイバ31の幹線ファイバ3
3と反対側に遅延ファイバ32を設け、このファイバを
幹線ファイバ33と合流させる構成である。この変形例
は波長変換ファイバ31で両方向に出力する光を効率よ
く利用する構成である。
【0011】図6は本発明の放射線強度分布測定装置の
変形例を示す。この変形例はシンチレーションファイバ
で放射線を検出する方式で、幹線ファイバと反対側に遅
延ファイバと光反射器を設ける構成である。放射線が入
射してシンチレーションファイバ40で発光した光は幹
線ファイバ33側と遅延ファイバ32側に伝わる。遅延
ファイバ32側には反射器41を設け、遅延ファイバ3
2を通過した光を、再度、遅延ファイバ32を通過させ
て幹線ファイバ33に戻す。この構成は遅延ファイバ3
2を2度通過するため、その長さを1/2にすることが
でき、よりコンパクトなダブルパルス光出力センサを実
現できる。この変形例は上述のシンチレータと波長変換
ファイバを用いる構成にも容易に採用することができ
る。なお、光反射器41はファイバの端面を垂直に切断
研磨し、その面に金属蒸着あるいは多層幕表面処理する
ことによって100%近い光反射を実現できる。
【0012】図7は本発明の放射線強度分布測定装置の
変形例を示す。この変形例は図6の反射器に変えてファ
イバを単にUターン(ループ状に戻す)させる構成であ
る。放射線が入射してシンチレーションファイバ40で
発光した幹線ファイバ33と反対方向の光はカップラ4
2を介してループ状の遅延ファイバ32に到達し、再
度、カップラ42を介して幹線ファイバ33に戻し、ダ
ブルパルス光を発生させる。ループ状の遅延ファイバ3
2の長さを変えることによって、センサの位置情報であ
るパルス幅を変える。幹線ファイバ33自体はφ1mm程
度であり、1系統の光検出系に多数のセンサを個別に直
接接続することができ、光伝送損失の小さい高性能放射
線分布計測装置を実現することができる。この変形例
も、上述のシンチレータと波長変換ファイバを用いる構
成にも容易に採用することができる。同様に、図6の反
射器を設ける方式も容易に採用することができる。
【0013】図8は本発明の放射線強度分布測定装置の
変形例を示す。この変形例は幹線ファイバ33に複数の
シンチレーションファイバ40を間隔を保って配置し、
ループ状の遅延ファイバ32でダブルパルス光を発生さ
せる構成である。伝送損失は若干大きくなるが、シンチ
レーションファイバ40と幹線ファイバ33の長さ比
(シンチレーションファイバ長/幹線ファイバ)を小さ
くすることによって、最も単純な放射線分布計測装置を
実現することができる。当然、上述のシンチレータと波
長変換ファイバを用いる方式や反射器を設ける方式も容
易に採用することができる。
【0014】図9は計測回路内に設ける遅延同期回路の
変形例を示す。この変形例は光検出系から送信される位
置情報を持ったダブルパルス光をシフトレジスタで識別
する方式である。ダブルパルス9はシフトレジスタ60
とセンサ数だけ設けたADN回路61,62へ伝送す
る。例えば、放射線センサの遅延時間が10ns毎に設
定した場合、検出されるダブルパルスの時間幅は10n
s毎になる。従って、100MHzのシフトレジスタと
各AND回路の一致するラインが自動的に各センサを識
別したメモリレジスタ63(R1〜Rn)となる。この構
成は本発明に用いる極めて単純なセンサ位置弁別器を提
供することになる。
【0015】以上は、本発明のセンサが明瞭なダブルパ
ルス光を発生することを前提にしている。放射線分布計
測装置のファイバ伝送距離が極端に長くなると、この第
1,第2のパルス幅も広がり、明瞭なダブルパルス光を
得られなくなる。この場合は複合パルス(第1と第2の
パルス)を1パルスとみなし、そのパルス幅からセンサ
位置を識別することができる。この構成も、本発明のフ
ァイバ伝送距離が極端に長くなる場合に対処できる変形
例となる。
【0016】以上説明したごとく、本発明によれば放射
線の入射位置を簡便な方法で正確に弁別するとともに、
簡素で経済的な構成で、より実用的な分布計測装置を提
供することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、TAC処理を講じず、
片道1系統の光検出系の単純で簡便な構成で、経済的か
つ実用的な放射線強度分布計測を提供することができ
る。また、本発明により、放射線計測の不感時間を50
%以上向上する高性能放射線強度分布計測装置を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線強度分布測定装置の構成を示す
図である。
【図2】測定回路を示すブロック図である。
【図3】放射線強度分布計測システムの構成例を示す図
である。
【図4】本発明の放射線強度分布測定装置の変形例を示
す図である。
【図5】本発明の放射線強度分布測定装置の変形例を示
す図である。
【図6】本発明の放射線強度分布測定装置の変形例を示
す図である。
【図7】本発明の放射線強度分布測定装置の変形例を示
す図である。
【図8】放射線強度分布測定装置の変形例を示す図であ
る。
【図9】計測回路内に設ける遅延同期回路の変形例を示
す図である。
【図10】従来の放射線分布計測装置の構成例を示す図
である。
【符号の説明】
1…放射線センサ、2,30,50…シンチレータ、
3,31,54…波長変換ファイバ、4,5,6,51
…光ファイバ、7,53a,53b…光検出系、8…測
定回路系、9,13…ダブルパルス、10…前置増幅
器、11…線形増幅器、12…デイスクリミネータ、1
4,55…遅延回路、15…遅延回路を通過しないパル
ス、16…同期回路、17…センサアドレスのメモリ
ー、20,33…幹線ファイバ、21…データ処理装
置、22…放射線分布表示装置、32…遅延ファイバ、
40…シンチレーションファイバ、41…光反射器、4
2…カップラ、52…時間波高変換器、60…シフトレ
ジスタ、61,62…AND回路、63…メモリレジス
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海原 明久 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 渋谷 徹 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線の入射でシンチレーション光を発生
    する放射線センサと、そのシンチレーション光を光伝送
    ファイバで伝送収集する光検出系と、その光検出系に接
    続された計測回路及びその演算表示装置からなる放射線
    強度分布計測装置において、前記光検出系に一定時間の
    遅延ファイバを設け一定時間幅を持ったダブルパルス光
    あるいはダブルパルスの複合パルス光を発生させ、その
    ダブルパルス光の時間間隔あるいはそのダブルパルスの
    複合パルス幅から放射線センサを識別する回路を設けて
    なる放射線強度分布計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、放射線の入射で波長変
    換ファイバあるいはシンチレーションファイバで両方向
    に発光伝送する一方の伝送路に遅延ファイバを設け、そ
    の終端を他の一方の発光を伝送する光伝送系に接続して
    なる放射線強度分布計測装置。
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