JPH1082514A - 廃棄物焼却灰の溶融方法 - Google Patents

廃棄物焼却灰の溶融方法

Info

Publication number
JPH1082514A
JPH1082514A JP25535996A JP25535996A JPH1082514A JP H1082514 A JPH1082514 A JP H1082514A JP 25535996 A JP25535996 A JP 25535996A JP 25535996 A JP25535996 A JP 25535996A JP H1082514 A JPH1082514 A JP H1082514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
melting furnace
dioxin
upper space
furnace
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25535996A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuyoshi Nakao
強 仲尾
Yoshinari Fujisawa
能成 藤沢
Keisuke Nakahara
啓介 中原
Masahiro Sudo
雅弘 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP25535996A priority Critical patent/JPH1082514A/ja
Publication of JPH1082514A publication Critical patent/JPH1082514A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の焼却灰を溶融炉を用いて処理する方
法において、溶融炉内空間に揮散したダイオキシンを溶
融炉内で完全に分解して無害化する。 【解決手段】 廃棄物の焼却灰や焼却飛灰を溶融炉を用
いて溶融処理する廃棄物焼却灰の溶融方法において、溶
融炉1内における溶融物7の上方の上部空間6を酸素濃
度が1%以下の還元雰囲気とし、且つ雰囲気温度を30
0℃以上とし、溶融物7から発生した排ガスを該上部空
間6に20秒以上滞留させてから溶融炉1外に排出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を焼却炉で
焼却したとき発生する焼却灰や焼却飛灰を溶融処理する
廃棄物焼却灰の溶融方法に関する。特に、溶融炉内空間
に揮散したダイオキシンなどを分解して無害化する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物の焼却炉から発生する焼却灰や焼
却飛灰(以下、焼却残渣と言う)は、微量の有機塩素化
合物を含んでいる。有機塩素化合物の中でも、PCDD
s(ポリ・クロロ・ジベンゾ・パラ・ダイオキシン)
は、ダイオキシンと称されている。また、このダイオキ
シンに類似している有機塩酸化合物として、PCDFs
(ポリ・クロロ・ジベンゾフラン)がある。これらPC
DDs、PCDFsは、非常に毒性の強い物質として知
られている(PCDDs、PCDFsを、ダイオキシン
類と総称する)。
【0003】また、焼却残渣には、ダイオキシン類とな
っていなくとも、それと似た構造を持つCP(クロロフ
ェノール)やCB(クロロベンゼン)などのような前駆
体が、含まれている。所定条件下で、この前駆体からダ
イオキシン類が生成される(ダイオキシン類と、その前
駆体とをあわせて、ダイオキシン等と総称する)。
【0004】しかるに、焼却炉から発生する焼却残渣
は、従来、ほとんど未処理で排出されていたので、環境
汚染を招いていた。
【0005】そこで、この廃棄物の焼却残渣を無害化す
る技術として、特公昭57−55476号公報(特許1
280195号)に開示されたように、溶融炉を用いて
焼却残渣を溶融処理し、ダイオキシン等を分解する方法
が提案されている。
【0006】この方法は、溶融炉の高温のスラグ層(完
全に溶融された状態)の中で焼却残渣を溶かして、ダイ
オキシン等を分解するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この特公昭57−55
476号公報の方法は、溶融炉のスラグ層の温度が約1
500℃であり、スラグ層の中では、焼却残渣が完全に
溶かされ、ダイオキシン等が完全に分解される。
【0008】しかしながら、溶融炉の中に投入されたば
かりの焼却残渣は、スラグ層の上面に堆積してカバーリ
ング層(完全には溶融されていない状態)を形成する。
このカバーリング層は、温度が300〜1500℃なの
で、ダイオキシン等が、スラグ層で分解される前に、溶
融炉内の空間に揮散する。溶融炉内の空間に揮散したダ
イオキシン等は、そのまま排ガスとして溶融炉外に排出
されるか、あるいは溶融炉内空間中のダスト(以下、溶
融飛灰と言う)に吸着されて溶融飛灰と共に溶融炉外に
排出される。前駆体が排出された場合、溶融炉の下流域
でダイオキシン類が生成される可能性が高い。
【0009】したがって、特公昭57−55476号の
方法は、溶融炉から出た排ガスや溶融飛灰を無害化する
ためのダイオキシン処理設備を溶融炉に併設する必要が
ある。このようにダイオキシン処理設備を新たに設置す
ることがコストアップとなることは、いうまでもな
い。。
【0010】本発明は、この従来例の問題点を解消する
ため創案されたものである。本発明の目的は、廃棄物の
焼却残渣を溶融炉を用いて処理する方法において、溶融
炉内空間に揮散したダイオキシン等を溶融炉内で完全に
分解して無害化する廃棄物焼却灰の溶融方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、廃棄物の焼却灰や焼却飛灰を溶融炉を用
いて溶融処理する廃棄物焼却灰の溶融方法において、溶
融炉内における溶融物の上方の上部空間を酸素濃度が1
%以下の還元雰囲気とし、且つ雰囲気温度を300℃以
上とし、溶融物から発生した排ガスを該上部空間に20
秒以上滞留させてから溶融炉外に排出することとする。
この廃棄物の焼却残渣の溶融方法にあっては、溶融炉内
空間に揮散したダイオキシン等を溶融炉内でほぼ完全に
分解し、無害化する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を添付図面を参照して説明する。
【0013】図1に、本発明の廃棄物の焼却灰の溶融方
法を実施するのに使用する溶融炉が示されている。この
溶融炉は、電気抵抗式溶融炉である。
【0014】この溶融炉は、炉本体1と、この炉本体1
の内部に配置された複数本の電極2と、炉本体1の上部
で炉内に開口して設けられた焼却残渣の投入路3と、炉
本体1の上部に開口して設けられたガス排出路4とを備
えている。
【0015】ここで、炉本体1は、カーボン煉瓦などか
らなる。電極2は、電極相互間にジュール熱を生じさせ
て、焼却残渣を1500℃程度の温度で溶融して、スラ
グ層5を形成するように設けられる。
【0016】また、溶融処理過程で炉内の溶融物の上方
の空間(上部空間6)に揮散したダイオキシン等を溶融
炉内で熱分解するため、次のような条件下で処理される
ようになっている。すなわち、上部空間6を酸素濃度が
1%以下の還元雰囲気とし、且つ雰囲気温度を300℃
以上とし、溶融物から発生した排ガスを該上部空間に2
0秒以上滞留させてから溶融炉外に排出するようにして
いる。このような条件を設定する根拠については後述す
る。
【0017】上述した溶融炉を用い且つ上記条件を満た
して次に述べるように焼却残渣を溶融処理すると、ダイ
オキシン等が無害化される。
【0018】焼却炉から発生した廃棄物の焼却残渣を投
入路3を通して、炉本体1の中に投入する。投入された
焼却残渣は、まずスラグ層5の上に堆積したカバーリン
グ層7として堆積し、そのカバーリング層7において電
極2の間に生じるジュール熱により1500℃程度の温
度で溶融されて、スラグ層5を形成する。
【0019】カバーリング層7の焼却残渣からは、ダイ
オキシン等が揮散する。このダイオキシン等を含む排ガ
スは、上部空間6に20秒以上滞留してからガス排出路
4を通して溶融炉外に排出される。溶融炉内の上部空間
6は、酸素濃度1%以下の還元雰囲気で、且つ雰囲気温
度300℃以上となっている。そのような上部空間6に
排ガスを20秒以上滞留してから排出すると、ダイオキ
シン等のほとんどが分解され、無害化される。一方、分
解されなかったダイオキシン等を微量含む排ガスは、ガ
ス排出路4を通して排出される。
【0020】本発明者は、溶融炉内の上部空間6を酸素
濃度1%以下の還元雰囲気とした条件下で、上部空間6
に排ガスが滞留する時間と、炉外に排出される排ガス
(炉出口4Aでの排ガス)中のダイオキシン分解率との
相関関係を調べる実験を行った。これは、上部空間の雰
囲気温度を300℃,500℃,800℃に設定して、
その雰囲気温度ごとにプロットした。その結果が図2の
グラフに示されている。ここでダイオキシン分解率は、
次の式で示される。
【0021】ダイオキシン分解率={Di−Do)/D
i}100 (%) Di : 焼却残渣中のダイオキシン等の含有量(n
g) Do : 炉外に排出される排ガス中のダイオキシン等
の含有量(ng) この図2のグラフから明らかなように、ダイオキシン分
解率は、300℃,500℃,800℃いずれの温度の
場合でも滞留時間20秒前まで急激に上昇し、ほぼ20
秒に達するとピーク(99%以上)に達した。
【0022】すなわち、酸素濃度1%以下の還元雰囲気
で、かつ雰囲気温度300℃以上の空間に排ガスを20
秒以上滞留させることにより、ダイオキシンが効率的に
99%以上分解された。
【0023】一方、この実験と比較するため、溶融炉内
の上部空間の酸素濃度5%に設定し、その他を上記実験
と同様とした実験を行った。その結果を図3のグラフに
示した。
【0024】図3のグラフから明らかなように、300
℃の雰囲気温度では、ダイオキシンは全く分解されなか
った。また、滞留時間20秒では、500℃,800℃
いずの場合もダイオキシン分解率が極めて低く、その
後、滞留を続けてもダイオキシン分解率の上昇勾配は非
常に緩やかであった。これから、酸素濃度が5%と比較
的高いと、ダイオキシン分解効率が急激に悪くなること
がわかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の廃棄物焼
却灰の溶融方法によると、融炉内における溶融物の上部
空間を酸素濃度が1%以下の還元雰囲気とし、且つ雰囲
気温度を300℃以上とし、溶融物から発生した排ガス
を該上部空間に20秒以上滞留させてから溶融炉外に排
出することにより、溶融炉内空間に揮散したダイオキシ
ン等を溶融炉内でほぼ完全に分解し、無害化できる。す
なわち、溶融炉内でダイオキシン等を効率的にほぼ完全
に分解できるので、ダイオキシン処理設備を特別に設置
する必要がなくなり、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物の焼却灰の溶融方法の実施に用
いる溶融炉の一例を示す概略断面図である。
【図2】溶融炉内空間を酸素濃度1%以下として、排ガ
ス滞留時間とダイオキシン分解率との相関関係を示すグ
ラフである。
【図3】溶融炉内空間を酸素濃度5%として、排ガス滞
留時間とダイオキシン分解率との相関関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 炉本体 2 電極 3 焼却残渣の投入路 4 ガス排出路 4A 炉出口 5 スラグ層 6 上部空間 7 カバーリング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 雅弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物の焼却灰や焼却飛灰を溶融炉を用
    いて溶融処理する廃棄物焼却灰の溶融方法において、溶
    融炉内における溶融物の上方の上部空間を酸素濃度が1
    %以下の還元雰囲気とし、且つ雰囲気温度を300℃以
    上とし、溶融物から発生した排ガスを該上部空間に20
    秒以上滞留させてから溶融炉外に排出することを特徴と
    する廃棄物焼却灰の溶融方法。
JP25535996A 1996-09-06 1996-09-06 廃棄物焼却灰の溶融方法 Pending JPH1082514A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25535996A JPH1082514A (ja) 1996-09-06 1996-09-06 廃棄物焼却灰の溶融方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25535996A JPH1082514A (ja) 1996-09-06 1996-09-06 廃棄物焼却灰の溶融方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1082514A true JPH1082514A (ja) 1998-03-31

Family

ID=17277690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25535996A Pending JPH1082514A (ja) 1996-09-06 1996-09-06 廃棄物焼却灰の溶融方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1082514A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105650655A (zh) * 2016-03-15 2016-06-08 青岛源之林农业科技开发有限公司 具有冷却系统的除炉渣中二恶英的装置
CN105737175A (zh) * 2016-03-15 2016-07-06 青岛源之林农业科技开发有限公司 具有输送带的除炉渣中二恶英的装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105650655A (zh) * 2016-03-15 2016-06-08 青岛源之林农业科技开发有限公司 具有冷却系统的除炉渣中二恶英的装置
CN105737175A (zh) * 2016-03-15 2016-07-06 青岛源之林农业科技开发有限公司 具有输送带的除炉渣中二恶英的装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05264024A (ja) 廃棄物の焼却方法
JPH1082514A (ja) 廃棄物焼却灰の溶融方法
JP2000288510A (ja) 有害物質分解方法および有害物質分解装置
JP2007117890A (ja) 排ガス処理方法及びシステム
JP2977079B2 (ja) 燃焼灰・排ガス中のダイオキシン類の低減方法
JP2000282154A (ja) 廃棄物溶融スラグからの金属回収方法
JP2000279942A (ja) 汚染土壌の処理方法及び処理装置
AU6010298A (en) Treatment of contaminated soil
JP2004074100A (ja) 焼却灰の処理方法
JPH07155723A (ja) ごみ焼却炉の飛灰処理方法及び装置
JPH07155722A (ja) ごみ焼却炉飛灰処理方法及び装置
JP4069529B2 (ja) 灰の無害化処理方法及び装置
JPH10216670A (ja) 焼却灰または飛灰の無害化処理方法
JPH07265834A (ja) マイクロ波照射による飛灰処理方法
JP2005262099A (ja) 有機汚染廃棄物の無害化処理方法及び処理装置
JPH0752006B2 (ja) 都市ごみ焼却灰の処理方法
JP3513796B2 (ja) 飛灰中のダイオキシン類分解方法
JP2005199236A (ja) 化学剤汚染土壌の無害化処理方法およびその装置
JPH1176757A (ja) ダイオキシン低減方法
JPH08278015A (ja) 廃棄物の処理方法
JPH10202221A (ja) 焼却灰または飛灰の無害化処理方法
JP2005177731A (ja) 排ガス中のダイオキシンの処理方法
JPH03232579A (ja) 固型廃棄物焼却におけるダイオキシン含有灰分の処理方法
JP2000288344A (ja) 塩化水素を含む排ガスの処理方法
JPH10151428A (ja) 廃棄物焼却灰の処理方法