JPH108228A - りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Info

Publication number
JPH108228A
JPH108228A JP15451096A JP15451096A JPH108228A JP H108228 A JPH108228 A JP H108228A JP 15451096 A JP15451096 A JP 15451096A JP 15451096 A JP15451096 A JP 15451096A JP H108228 A JPH108228 A JP H108228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
galvanized steel
blackening resistance
area ratio
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15451096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3330282B2 (ja
Inventor
Terubumi Arimura
光史 有村
Koji Irie
広司 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP15451096A priority Critical patent/JP3330282B2/ja
Publication of JPH108228A publication Critical patent/JPH108228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3330282B2 publication Critical patent/JP3330282B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 りん酸塩処理性を著しく高めることができる
と共に、耐黒変性にも優れた溶融亜鉛系めっき鋼板を提
供する。 【解決手段】 溶融亜鉛めっき表面を機械的処理するこ
とによって形成された新生面の面積率(R)とめっき層
中のPb濃度(A)が、下式(1)および(2)の関係
を満足する溶融亜鉛めっき鋼板である。 0.02≦A≦0.2 …… (1) −250A+20≦R≦−250A+70 ……
(2) ここで、A:めっき層中のPb濃度(重量%) R:新生面の面積率(%)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、りん酸塩処理性を
著しく高めることができると共に、耐黒変性も良好な溶
融亜鉛めっき鋼板に関するものである。この様なめっき
鋼板に油が施されたものは、これらの特性を長期間保持
できる点で有用である。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛めっき鋼板は耐食性に優れてい
るので、家電製品や建築用材料等に広く使用されてい
る。その場合、最終的にめっきのままで使用されること
もあるが、実際には、塗装して使用されるケースがほと
んどである。
【0003】塗装を施す場合には、塗膜の密着性向上を
目的として、塗装前に、りん酸塩処理等の下地処理が行
われている。塗装時には、溶融亜鉛めっき鋼板の他、冷
延鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板といった多くの鋼板を同一工程に付す場合が多いが、
その際、問題となるのが、各材料間でりん酸塩処理性、
即ち反応性が異なることである。なかでも溶融亜鉛めっ
き鋼板は、電気亜鉛めっき鋼板に比べて反応性に劣り、
りん酸塩の結晶が十分に形成されなかったり、不形成部
が部分的に生じたりする為、塗装後の塗膜密着性に悪影
響を及ぼす様になる。この様な傾向は、使用につれてり
ん酸塩処理液が劣化した場合に特に顕著に見られる。こ
の様に、溶融亜鉛めっき鋼板の場合にりん酸塩処理性が
低下する理由は詳細には明らかではないが、溶融亜鉛め
っき鋼板の製造過程で、めっき表面に形成される酸化皮
膜が何らかの悪影響を与えているものと推察される。
【0004】そこで、上述した溶融亜鉛めっき鋼板にお
けるりん酸塩処理性の改善を目的として、例えば特開平
3−287785号公報には、所定被覆量のZn酸化
物、Mn酸化物、ホウ酸等からなる皮膜を亜鉛系めっき
鋼板に被覆することにより化成処理性を向上させる方法
が開示されている。しかしながら、この方法によれば、
所望の被覆を形成させる為に、所定量の元素を添加した
水溶液中にめっき鋼板を浸漬したり、或いはこの水溶液
中でめっき鋼板を陰極として電解処理するか、又は該水
溶液をめっき鋼板に散布するといった工程が新たに必要
になり、その為の設備を別途設置する等、製造条件が煩
雑になり且つ製造コストも一層高くなる等の不都合が生
じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
着目してなされたものであり、その目的は、通常のめっ
きラインを使用することにより、りん酸塩処理性を著し
く高めることができると共に、耐黒変性にも優れた溶融
亜鉛系めっき鋼板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明のりん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛
めっき鋼板とは、溶融亜鉛めっき表面を機械的処理する
ことによって形成された新生面の面積率(R)とめっき
層中のPb濃度(A)が、下式(1)および(2)の関
係を満足するところに要旨を有するものである。 0.02≦A≦0.2 …… (1) −250A+20≦R≦−250A+70 …… (2) ここで、A:めっき層中のPb濃度(重量%) R:新生面の面積率(%)(R≧0)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記目的を達成する
為に鋭意検討したところ、溶融亜鉛めっき鋼板における
りん酸塩処理性を高める為には、めっき鋼板表面の活性
度を高めることが必要であり、その向上には、めっき
層中のPb濃度(A)と、溶融亜鉛めっき表面を機械
的処理することにより形成される新生面の面積率(R)
が大きく関係していること;しかし、めっき表面の活性
度をあまり高くすると、耐黒変性に悪影響を及ぼすこと
が分かった。そこで、上述した作用を共に具備させる為
には、Pb濃度と新生面の面積率を、或る範囲内にうま
く制御すれば良いことを見出し、本発明を完成したので
ある。
【0008】このうち、Pbは通常のめっき浴中に添加
されるものであるが、Zn中に固溶せず、且つZnに比
べてイオン化傾向が小さい元素である。従って、Pbは
めっき表面にミクロ的に点在し、これが、りん酸との反
応の起点となって反応が促進される結果、反応性を阻害
するZnO等の酸化物による悪影響を受けることなく、
りん酸塩処理性が向上するものと考えられる。
【0009】また、本発明における「新生面」とは、溶
融亜鉛めっき後凝固冷却する際、溶融亜鉛めっき表面に
形成される安定な高温酸化皮膜を、スキンパスロール、
レベラー、ブラシ等の機械的処理によって圧下(破壊)
させたときに露出する面のことを意味し、純金属からな
る微細凹部分を指す。この様に、めっき表面に存在する
安定な酸化皮膜の一部を破壊し、りん酸と反応し得る活
性点をめっき表面に露出させることにより、りん酸塩と
の反応性を著しく改善することができる。
【0010】この様に、本発明ではりん酸塩処理性を向
上させるに当たり、りん酸との反応を阻害すると考えら
れるめっき表面の酸化皮膜に着目し、Pb濃度や新生面
の面積率を制御することにより、りん酸との反応の起点
として反応を促進させたり、形成した酸化皮膜を破壊す
る等して、りん酸との活性度を高めようとするものであ
るが、本発明者らが更に検討した結果、活性度が高くな
り過ぎると、耐黒変性に悪影響を及ぼすことが分かっ
た。
【0011】即ち、めっき層中のPb濃度やスキンパス
圧下等での新生面の面積率が増加すると、りん酸塩処理
性は向上するが、耐黒変性は劣化する傾向が見られる。
その理由は明確ではないが、活性度が高くなり過ぎる
と、黒色を呈する酸化物皮膜の形成が容易となり、特に
所定域を超えると、その作用が顕著に現れるものと思料
される。
【0012】従って、本発明では、めっき層中のPb濃
度(重量%,Aと略記する)が下式(1)の範囲を満足
することが必要である。 0.02≦A≦0.2 …… (1) Aが0.02未満では、りん酸塩処理性の向上効果が得
られない。好ましくは0.04以上であり、より好まし
くは0.07以上である。但し、0.2を超えると、耐
黒変性の劣化が著しくなる為、その上限を0.2とす
る。好ましくは0.17以下であり、より好ましくは
0.15以下である。
【0013】更に、本発明では、上記めっき層中のPb
濃度と、めっき表面の新生面の面積率(%,R,ここで
R≧0)とが下式(2)の関係を満足することが必要で
ある。 −250A+20≦R≦−250A+70 …… (2) (2)式の左辺を下回る場合には、りん酸塩処理性の向
上効果が得られず、一方、(2)式の右辺を超える場合
には、耐黒変性の劣化が著しい。好ましくは−250A
+30≦R≦−250A+60である。
【0014】図1は、上記(1)および(2)の関係を
グラフ化したものである。同図より、式(1)および
(2)の範囲を両方満足するものは、りん酸塩処理性お
よび耐黒変性が良好であるのに対し、各式の左辺(下
限)を下回るものはりん酸塩処理性に劣り、各式の右辺
(上限)を超えるものは耐黒変性に劣ることが分かる。
【0015】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0016】
【実施例】通常の溶融亜鉛めっき設備である無酸化炉タ
イプの連続めっき設備を使用し、めっき浴中のPb濃度
を種々変化させてめっきを行った後、スキンパス圧延を
種々の圧下量で行うことにより、表1に示す如く種々の
溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。この様にして得られた
各材料について、下記要領にて、めっき層中のPb濃度
を分析すると共にめっき表面のスキンパス圧下面積率を
測定した。
【0017】[めっき層中のPb濃度]めっき層を希塩
酸にて溶解した後、原子吸光分析法によりPb濃度を分
析した。 [スキンパス圧下面積率]めっき表面を光学顕微鏡にて
観察し、画像解析装置によりスキンパス圧下部の全体に
占める割合を測定した。
【0018】次に、各材料におけるりん酸塩処理性およ
び耐黒変性を、以下の基準で評価した。 [りん酸塩処理性]りん酸塩処理液(日本パーカライジ
ング社製、PB3140)を使用し、55℃にて120
秒間のりん酸塩処理を行った後、その表面を走査型電子
顕微鏡にて観察し、りん酸塩結晶の健全性を以下の基準
で評価した。 ○:良好 △:りん酸塩皮膜結晶の不均一性わずか ×:りん酸塩皮膜結晶の不均一性大
【0019】[耐黒変性]上記材料を50℃、98%R
Hの恒温恒湿槽内で48時間保管した後、表面の黒化度
を目視にて評価した。 ○:黒変せず △:黒変わずか ×:黒変大 その結果を表1に併記する。
【0020】
【表1】
【0021】表の結果から以下の様に考察することがで
きる。No.1〜13は、本発明の要件を満足する例であ
るが、いずれもりん酸塩処理性および耐黒変性の双方に
優れていることが分かる。
【0022】これに対して、A値およびR値が本発明で
規定する式の下限を下回る例(No.14および15),
A値が式(1)の下限を下回る例(No.16〜19)
は、いずれもりん酸塩処理性が悪く、R値が式(2)の
上限を超える例(No.21〜27)は、いずれも耐黒変
性が悪い。No.20は、A値が本発明の下限値を下回り
且つR値が本発明の上限値を超える例であるが、りん酸
塩処理性および耐黒変性の双方に劣ることが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上の様に構成されているの
で、特別の設備を施さずに通常のめっきラインを使用す
ることにより、めっき鋼板のりん酸塩処理性を著しく改
善できると共に、耐黒変性にも優れた溶融亜鉛めっき鋼
板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき層中のPb濃度及びめっき表面のスキン
パス圧下面積率が、りん酸塩処理性・耐黒変性に及ぼす
影響を調べたグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融亜鉛めっき表面を機械的処理するこ
    とによって形成された新生面の面積率(R)とめっき層
    中のPb濃度(A)が、下式(1)および(2)の関係
    を満足することを特徴とするりん酸塩処理性および耐黒
    変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板。 0.02≦A≦0.2 …… (1) −250A+20≦R≦−250A+70 …… (2) ここで、A:めっき層中のPb濃度(重量%) R:新生面の面積率(%)
JP15451096A 1996-06-14 1996-06-14 りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板 Expired - Fee Related JP3330282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15451096A JP3330282B2 (ja) 1996-06-14 1996-06-14 りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15451096A JP3330282B2 (ja) 1996-06-14 1996-06-14 りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH108228A true JPH108228A (ja) 1998-01-13
JP3330282B2 JP3330282B2 (ja) 2002-09-30

Family

ID=15585833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15451096A Expired - Fee Related JP3330282B2 (ja) 1996-06-14 1996-06-14 りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3330282B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1064952C (zh) * 1995-09-14 2001-04-25 阿迪尔公司 新的取代2,2-二甲基-ω-苯氧链烷酸及酯,其制备方法及含有它们的药物组合物
JP2004315965A (ja) * 2003-03-28 2004-11-11 Jfe Steel Kk スポット溶接性及びプレス加工時の摺動性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1064952C (zh) * 1995-09-14 2001-04-25 阿迪尔公司 新的取代2,2-二甲基-ω-苯氧链烷酸及酯,其制备方法及含有它们的药物组合物
JP2004315965A (ja) * 2003-03-28 2004-11-11 Jfe Steel Kk スポット溶接性及びプレス加工時の摺動性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3330282B2 (ja) 2002-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4270768B2 (ja) 錫めっき鋼板及び化成処理液
EP1288325B1 (en) Method for production of galvannealed sheet steel
JP3330282B2 (ja) りん酸塩処理性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板
JP2004060052A (ja) Si含有化成皮膜を有する錫系めっき鋼板の製造方法
JPH11200066A (ja) 溶融亜鉛系めっき鋼板の表面処理方法
JP3219453B2 (ja) 耐黒変性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法
JPH07216524A (ja) 高張力熱延鋼板の溶融めっき方法
JP2003183800A (ja) 耐黒変性および耐食性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法
US4774145A (en) Zinc phosphate chemical conversion film and method for forming the same
JPH04381A (ja) 耐食性及び溶接性に優れる表面処理鋼板及びその製造方法
JP3425270B2 (ja) プレス性、化成処理性、耐脱脂液汚染性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法
KR100902216B1 (ko) 실리콘 함유 용융아연도금강판의 제조방법
JP3329241B2 (ja) 耐黒点性、耐黒変性および耐食性に優れたクロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH07197225A (ja) 高張力熱延鋼板の溶融めっき方法
JPH0681170A (ja) 加工性、耐蝕性に優れた縞鋼板
JPH02267281A (ja) 耐白錆性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JP3191637B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法
JPH0713307B2 (ja) プレス成形性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板
KR960007552B1 (ko) 나내식성이 우수한 용융아연 도금강판의 제조방법
JP3319402B2 (ja) 耐食性および表面外観に優れる亜鉛めっき鋼板のクロメート処理方法
JPS636613B2 (ja)
JPH0788585B2 (ja) リン酸塩皮膜処理剤
JP3261377B1 (ja) 耐食性に優れた化成処理鋼板
JPH08277452A (ja) めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JPH06248409A (ja) 加工性、耐蝕性に優れた縞鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020625

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees