JPH1082218A - 鎌錠の受金具 - Google Patents

鎌錠の受金具

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JPH1082218A
JPH1082218A JP23553396A JP23553396A JPH1082218A JP H1082218 A JPH1082218 A JP H1082218A JP 23553396 A JP23553396 A JP 23553396A JP 23553396 A JP23553396 A JP 23553396A JP H1082218 A JPH1082218 A JP H1082218A
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JP
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strike
cam
plate
sickle
mounting box
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JP23553396A
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English (en)
Inventor
Isao Nakao
功 中尾
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U Shin Showa Ltd
Original Assignee
Showa Lock Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1082218A publication Critical patent/JPH1082218A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下は勿論、前後においても位置調整するこ
とができ、調整に際しては操作性を向上し、微調整し得
る鎌錠の受金具を提供する。 【解決手段】 取り付けボックス10内で上下自在に移
動するスライドボックス30と、係合溝への回動操作に
よりスライドボックス30を上下方向で位置決め固定す
るカム20とが設けられる。スライドボックス30に
は、断面軽Z形状に形成されたストライク40が設けら
れる。ストライク40の立設板43には鎌金が係止され
垂下板41にはこの垂下板41に螺合される表裏調整ビ
ス45がスライドボックス30の穿設孔36を通して取
り付けボックス10の奥底板に当接するように設けられ
る。ストライク押さえ60には、立設板43が貫通し得
る開口部61と、表裏調整ビス45を露出させるための
表裏調整ビス用長穴62と、カム20の係合溝を露出さ
せるための開口部61とが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面から内方に方
形状の凹入部を有する取り付けボックスと、鎌錠の施錠
本体における鎌金が係止されるストライクと、このスト
ライクの表面側に設けられるストライク押さえとを備え
た鎌錠の受金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、室内等には、溝やレールに沿
って戸を水平方向に動かして開閉する引戸が設けられて
いる。この引戸には例えば片引戸や両引戸等がある。
【0003】これら片引戸及び両引戸等には施錠のため
や引戸を勢い良く閉じたときの反発防止等のために、そ
の引戸の出合いになる框に彫り込んで取り付ける引戸錠
の内鎌錠が使用されることがある。
【0004】一方、屋外にて使用される鎌錠として、従
来から、例えば実公昭61−22120号公報に開示さ
れるアコーデオン式門扉用錠がある。この種の鎌錠は、
図10に示すように、アコーデオン式門扉81に設けら
れた施錠本体82に回転自在の鎌金83を有している。
この鎌金83は、門柱84側に設けられた受け座85に
引っ掛けられることにより、施錠が可能となる。
【0005】上記の鎌金83は先端が湾曲状態に形成さ
れているので、アコーデオン式門扉を勢い良く閉じる
と、鎌金83が受け座85に当接したときに自動的に回
転することによって施錠することも可能である。
【0006】上記の施錠された鎌金83を解錠するため
には、図11に示すように、アコーデオン式門扉81の
回転レバー86を回転操作することにより、鎌金83が
回転して解錠し得るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
鎌錠において、引戸錠の取り付け時や経年変化に伴い引
戸にがたつきが生じた時等には精度良く位置調整し得る
のが望ましい。
【0008】そこで、この位置調整を可能にするものと
して、例えば、図12(a)(b)に示す構成の受金具
90が考えられる。この受金具90は、ストライク押さ
え91、ストライク92及びストライクボックス93か
ら構成されると共に、ストライク92には縦方向の長孔
95・95が穿設され、これら長孔95・95にビス9
4が通され、上記の3要素が一体に固定される。そし
て、これら長孔95・95の範囲内で、図示しない鎌金
が当接するストライク92の上端の位置を上下に調整し
得るようになっている。
【0009】したがって、鎌錠の取り付け時や経年変化
に伴い引戸にがたつきが生じた時等においても位置調整
することによりがたつきを防止し得るようになってい
る。
【0010】しかしながら、上記の受金具90ではスト
ライク92を上下方向においてのみ位置調整することが
可能であるが、引戸が出会う方向つまり前後方向には鎌
金の係止具合の調整ができないという問題点を有してい
る。また、上記の構成では、ストライク92の位置調整
をするためには、逐一ストライク押さえ91を外してか
ら調整しなければならないので操作性が悪く、さらに、
位置決めをするために手等でストライク92を仮固定し
ていなければならないので微調整が困難であるという問
題点を有している。
【0011】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、上下は勿論、前後におい
ても位置調整することができ、調整に際しては操作性を
向上し、微調整し得る鎌錠の受金具を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の鎌
錠の受金具は、上記課題を解決するために、表面から内
方に方形状の凹入部を有する取り付けボックスと、この
凹入部内に設けられて鎌錠の施錠本体における鎌金が係
止されるストライクと、このストライクの表面側に設け
られるストライク押さえとを備えた鎌錠の受金具におい
て、上記取り付けボックスの凹入部内で上下自在に移動
するスライド部材と、表面側に形成された回動係合部へ
の回動操作により上記スライド部材を取り付けボックス
に上下方向で位置決め固定する位置固定手段とが設けら
れると共に、上記スライド部材には、表面側に、断面軽
Z形状、つまりZの縦部とこの縦部の両端部から折曲し
て伸びる各水平部とが互いに垂直となる形状に形成され
たストライクが設けられ、このストライクにおける立設
板には鎌金が係止されかつストライクにおける垂下板に
はこの垂下板に螺合される表裏調整ビスがスライド部材
の穿設孔を通して取り付けボックスの凹入部の奥底板に
当接するように設けられる一方、上記ストライク押さえ
には、鎌金を通すための鎌金開口部以外に、上記ストラ
イクの立設板が貫通し得る開口部と、上記表裏調整ビス
を露出させるための表裏調整ビス用長穴と、上記位置固
定手段の回転係合部を露出させるための回転係合部用長
穴とが形成されていることを特徴としている。
【0013】上記の発明によれば、鎌金は、断面軽Z形
状に形成されたストライクの立設板に係止される。そし
て、このストライクの垂下板には表裏調整ビスが螺合さ
れると共に、この表裏調整ビスはスライド部材の穿設孔
を通して取り付けボックスの凹入部の奥底板に当接する
ように設けられる。
【0014】また、スライド部材は、取り付けボックス
の凹入部内で上下自在に移動するように設けられてい
る。このため、ストライクの立設板は、表裏調整ビスに
よってスライド部材と一体的に上下方向に移動すること
になる。
【0015】一方、上記スライド部材は、位置固定手段
にて、表面側に形成された回動係合部への回動操作によ
り取り付けボックスの上下方向で位置決め固定される。
【0016】したがって、鎌金が係止されるストライク
の立設板を上下方向に移動させる場合には、ストライク
押さえの外側から、ストライク押さえの回転係合部用長
穴を通して位置固定手段の表面側に形成された回動係合
部への回動操作により上記スライド部材を取り付けボッ
クスに上下方向で位置決め固定する。これにより、スト
ライク押さえの外部からストライクの立設板を上下方向
に移動させることができる。
【0017】次に、鎌金が係止されるストライクの立設
板を表裏方向、つまり前後方向に移動させる場合には、
ストライク押さえの外側から、例えばドライバー等の回
動操作部材にてストライク押さえの表裏調整ビス用長穴
を通して表裏調整ビスを回動させる。ここで、表裏調整
ビスの先端は、取り付けボックスの凹入部の奥底板に当
接しているので、表裏調整ビスの右回りの回動により螺
合されるストライクの垂下板が表面側に移動し、これに
よって、ストライクの立設板は表面側に移動することに
なる。このとき、ストライク押さえには、ストライクの
立設板が貫通し得る開口部が穿設されているので、立設
板はこの開口部を通して容易に外側に突出移動すること
ができる。
【0018】したがって、立設板の前後移動もストライ
ク押さえの外部から行うことができることになる。そし
て、立設板の前後移動は、表裏調整ビスの回動にて行う
ことができるので、微調整が可能となる。
【0019】さらに、ストライクの立設板はスライド部
材に設けられているので、スライド部材を上下移動した
位置にて、ストライクの立設板を前後移動させることが
できる。
【0020】この結果、鎌錠の取り付け時や、経年変化
に伴い引戸にがたつきが生じた時等において、上下は勿
論、前後においても位置調整することにより精度の良い
取り付けを行い、さらに、調整に際しては、受金具を分
解することなく、ストライク押さえの外側から直接行う
ことができるので、調整に際しての操作性を向上するこ
とができる。
【0021】また、立設板の前後移動を表裏調整ビスの
回動にて行うので、微調整を可能にした鎌錠の受金具を
提供することができる。
【0022】請求項2に係る発明の鎌錠の受金具は、上
記課題を解決するために、請求項1記載の鎌錠の受金具
において、上記の位置固定手段は、取り付けボックスの
奥底板とスライド部材との間に設けられ、かつ取り付け
ボックスの奥底板側である裏面には渦巻き状溝が形成さ
れると共に表面側の回動中心にはスライド部材に穿設さ
れる貫通孔に遊嵌される突起部が形成され、さらにこの
突起部の頭部には回動操作部材にて係合されて回動を可
能にさせる回動係合部が形成されたカムと、上記カムの
渦巻き状溝に挿入すべく上記取り付けボックスの奥底板
から突出して形成される案内用突起とからなっているこ
とを特徴としている。
【0023】上記の発明によれば、上記スライド部材を
取り付けボックスに上下方向で位置決め固定する位置固
定手段は、回動係合部が形成されたカムにて形成されて
いる。詳しくは、このカムの表面側にはスライド部材に
穿設される貫通孔に遊嵌される突起部が形成されると共
に、カムの裏面側には取り付けボックスの奥底板から突
出する案内用突起が挿入される渦巻き状溝が形成されて
いる。
【0024】また、突起部の頭部には回動操作部材にて
係合されて回動を可能にさせる回動係合部が形成されて
いる。
【0025】したがって、鎌金が係止されるストライク
の立設板を上下方向に移動させる場合には、ストライク
押さえの外側から、ストライク押さえの回転係合部用長
穴を通して位置固定手段の表面側に形成された回動係合
部への回動操作を行う。
【0026】これにより、カムの回動中心である突起部
と渦巻き状溝に挿入された取り付けボックスの案内用突
起との距離が変化する。例えば、案内用突起が渦巻き状
溝における外周近くに挿入されている状態からカムの回
動中心である突起部を回動させると、案内用突起が渦巻
き状溝における内周側に移動する。このことは、案内用
突起と回動中心である突起部とが近づくことを意味す
る。
【0027】これによって、カムの突起部が、遊嵌して
いるスライド部材の貫通孔を介してスライド部材を押し
上げ又は押し下げ、その結果、スライド部材に設けられ
たストライクの立設板を上下方向に移動させることにな
る。
【0028】したがって、鎌金が係止されるストライク
の立設板を上下方向に移動させるに際して、ストライク
押さえの外側から、ストライク押さえの回転係合部用長
穴を通して位置固定手段の突起部の頭部に形成された回
動係合部への回動操作により上記スライド部材を取り付
けボックスに上下方向で位置決め固定し、これによっ
て、ストライク押さえの外部からストライクの立設板を
上下方向に確実に移動させることができる。
【0029】また、この上下方向の移動に際しては、カ
ムの回動操作にて行うので微調整が可能である。
【0030】請求項3に係る発明の鎌錠の受金具は、上
記課題を解決するために、請求項2記載の鎌錠の受金具
において、上記の案内用突起は複数形成され、かつ上記
カムの回動に伴いカムの渦巻き状溝に順次嵌まり込むよ
うに配されていることを特徴としている。
【0031】上記の発明によれば、取り付けボックスの
案内用突起は、複数形成されており、カムの渦巻き状溝
に順次嵌まり込むように配されている。
【0032】したがって、例えば、1つの案内用突起が
カムの渦巻き状溝の外周近傍に挿入された状態となって
いるときに、カムを回動させることにより、案内用突起
を渦巻き状溝の内周近傍位置での挿入状態にすることが
できる。このとき、カムの渦巻き状溝の外周側が他の案
内用突起に入り込むように案内用突起を配しておくこと
により、カムは、当該次の案内用突起に係わって渦巻き
状溝により上又は下方向に移動することになる。
【0033】この結果、案内用突起を複数形成した方が
1つの案内用突起を形成した場合よりも、カムの上下方
向の移動量が大きくなる。
【0034】したがって、ストライクの立設板における
上下方向の移動量を大きくすることができる。
【0035】請求項4に係る発明の鎌錠の受金具は、上
記課題を解決するために、請求項2又は3記載の鎌錠の
受金具において、上記スライド部材の裏面における貫通
孔の周りには粗面加工が施されると共に、上記カムの表
面側にはこの粗面加工面に摺動する摺動突起が形成され
ていることを特徴としている。
【0036】すなわち、ストライクの立設板における上
下移動は、取り付けボックスとスライド部材との間に設
けられたカムの回動により行うことができるが、一旦、
上下方向の位置が定まった場合に、このカムが滑り易い
もので形成されている場合には、鎌金によるストライク
の立設板への度重なる衝撃等により、カムが回動するお
それがある。
【0037】しかし、本発明においては、スライド部材
の裏面における貫通孔の周りには粗面加工が施されると
共に、カムの表面側にはこの粗面加工面に摺動する摺動
突起が形成されている。したがって、カムの摺動突起と
スライド部材の裏面の粗面加工面との摩擦により、カム
は容易には回動しない。
【0038】したがって、一旦、ストライクの立設板の
上下方向の位置を定めた場合に、長期間その位置を保持
することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0040】本実施の形態における受金具5が適用され
る鎌錠1は、図2に示すように、室内の引戸2に取り付
けた施錠本体3と、引戸2の対向位置に設けられた例え
ば柱4に彫り込まれた上記受金具5とから構成される。
【0041】上記引戸2は、例えば、いわゆるフラッシ
ュ戸等の木製戸にてなっており、図示しない溝やレール
に沿って水平方向に動かすことにより開閉自在となって
いる。なお、上記受金具5は、本実施の形態では、柱4
に設けられているが、必ずしもこれに限らず、例えば、
対向するもう一つの引戸に取り付けることが可能であ
る。ただし、このようにもう一つの引戸に取り付けて両
開きとする場合においても、両引戸を閉じたときに両者
が突き合わせとなるものを対象としており、引き違い戸
には使用されない。さらに、上記の施錠本体3は引戸2
から突出する鎌金6を備えるものであるが、施解錠機構
がどのようなものであるかは問わない。
【0042】また、本実施の形態では、鎌金6は下向き
となっているが、必ずしもこれに限らず、例えば上向き
でも良い。さらに横向きでも適用可能である。
【0043】以下、受金具5について説明する。本実施
の形態の受金具5は、図1及び図3(a)(b)(c)
に示すように、表面から内方に方形状の凹入部11を有
する取り付けボックスとしての取り付けボックス10
と、この取り付けボックス10の凹入部11内で上下自
在に移動するスライド部材としてのスライドボックス3
0と、このスライドボックス30を上下に移動させるた
めの渦巻き状のカム20と、施錠本体3の鎌金6が係止
されかつ表裏方向に移動可能となるストライク40と、
このストライク40の表面側に設けられるカバープレー
ト50と、さらにその表面に設けられるストライク押さ
え60とを備えている。
【0044】上記のストライク40は、図1に示すよう
に、下部において垂下する垂下板41とこの垂下板41
の上端から表面側に垂直に折曲されて伸びる水平板42
と、この水平板42の縁部より直角に立ち上がった立設
板43とを有しており、これによって、ストライク40
は断面軽Z形状(JIS G 3350参照)、つまり
Zの縦部とこの縦部の両端部から折曲して伸びる各水平
部とが互いに垂直となる形状に形成されている。なお、
本実施の形態では、上記立設板43を補強するため及び
取り付けボックス10の側面壁に沿わすために立設板4
3と水平板42とを連結する側面板44・44が設けら
れている。
【0045】そして、図4に示すように、上記のストラ
イク40における立設板43に鎌金6が引っ掛けられて
係止されるようになっている。なお、ストライク40の
垂下板41の表面には、後述する表裏調整ビス45の立
設性を保持するために当て板46が設けられている。す
なわち、この当て板46は、垂下板41に当て板46を
当接して厚みを増加させることにより、表裏調整ビス4
5が垂下板41に対して垂直に立設し得るように設けら
れているものである。
【0046】上記各部材を備えた受金具5は、鎌金6が
係止されるストライク40の取り付け位置を上下方向と
表裏方向つまり鎌金6に対して手前側及び後方側とに移
動し得るようになっている。
【0047】そのストライク40を移動するための機構
について、最初に、表裏方向へ調整移動するための機構
について詳細に説明する。
【0048】まず、上述したように、図1に示すよう
に、ストライク40はスライドボックス30に収納さ
れ、このスライドボックス30内で表裏方向に移動自在
となっている。
【0049】すなわち、上記スライドボックス30は、
表面及び上下が開口された略方形体にてなっており、こ
のスライドボックス30の上側側面板33・33及び下
側側面板34・34との間に設けられた隙間空間に、上
記ストライク40の側面板44・44が遊嵌されること
により、ストライク40が表裏方向に摺動自在となって
いる。
【0050】そして、このストライク40の表裏方向へ
の移動量を調整するために、図4に示すように、ストラ
イク40における垂下板41及び当て板46には、螺合
穴41a・46aが穿設されていると共に、この螺合穴
41a・46aに表裏調整ビス45が裏面側に突出可能
に螺合されている。また、表裏調整ビス45の先端はス
ライドボックス30の穿設孔36を通して取り付けボッ
クス10の奥底板に当接している。
【0051】一方、図1及び図3(a)(b)(c)に
示すように、カバープレート50及びストライク押さえ
60には、ストライク40の立設板43が貫通し得る鎌
金開口部を兼ねる開口部51・61が穿設されていると
共に、表裏調整ビス45の頭部に位置するところには、
露出穴52及び表裏調整ビス用長穴62がそれぞれ穿設
されている。これによって、ストライク40の立設板4
3がカバープレート50の開口部51、及びストライク
押さえ60の開口部61を通してその表面側に突出可能
となると共に、表裏調整ビス45の頭部をストライク押
さえ60の表面側からカバープレート50の露出穴5
2、及びストライク押さえ60の表裏調整ビス用長穴6
2を通して臨み得るようになっている。したがって、ス
トライク押さえ60の表面側から図示しないドライバー
にてこの表裏調整ビス45を回動し得るようになってい
る。このことから、上記開口部61は回転係合部用長穴
としての機能も果たしている。
【0052】また、上記の表裏調整ビス45は、上述し
たように、先端が取り付けボックス10の奥底板に当接
している。このため、外部からドライバーをカバープレ
ート50の露出穴52、及びストライク押さえ60の表
裏調整ビス用長穴62に通して表裏調整ビス45を右回
りに回動することにより、表裏調整ビス45はスライド
ボックス30の奥底板に当接して進出移動できないので
結果的に表裏調整ビス45に螺合されているストライク
40が表面側に移動することになる。
【0053】なお、表裏調整ビス45の頭頂部はカバー
プレート50の表面と同一面となるように形成されてい
る。これによって、表裏調整ビス45の頭部がカバープ
レート50の露出穴52に遊嵌状態に納まるので、表裏
調整ビス45が支持されることになる。したがって、ス
トライク40の垂下板41に対する表裏調整ビス45の
垂直立設性がさらに良くなっており、表裏調整ビス45
を回動しても常に垂直性を維持している。
【0054】また、上記カバープレート50の開口部5
1及びストライク押さえ60の開口部61は、上記スト
ライク40の立設板43のみを貫通自在にするだけでな
く、上記鎌金6を自在に立設板43に係止すべく、図1
(a)(b)に示すように、それぞれ上側に延びる大き
めの開口部51・61となっている。
【0055】次に、ストライク40を上下方向へ調整移
動するための機構について詳細に説明する。すなわち、
上記ストライク40を上下方向へ調整移動するための機
構は、取り付けボックス10とカム20とスライドボッ
クス30とから構成されているが、各部材において工夫
がなされている。
【0056】まず、上記カム20は、図5及び図6に示
すように、渦巻き状に形成された略板状のものからなっ
ている。上記カム20の外周部は裏面側に折曲されてお
り、渦巻き状の渦巻きレール21となっている。したが
って、渦巻きレール21の内側は、渦巻きレール21に
沿う渦巻き状溝22となっている。
【0057】また、カム20の中心部には、回動軸とな
る円柱状の突起部としての操作用突起部23が表面側に
突設されている。この操作用突起部23の頭部には回動
操作部材としての図示しないドライバーの先端部が係合
する回動係合部としての係合溝24が例えば+状に形成
されており、ドライバーにより操作用突起部23を中心
にしてカム20を回動させることができるものとなって
いる。
【0058】上記渦巻きレール21は、操作用突起部2
3の中心軸を中心とした渦巻きに沿って形成されてい
る。したがって、カム20の外周と中心との距離rは、
最小半径をr1 及び最大半径をr2 とし、r1 からrま
で逆時計回りに計ったときの角度をθ〔度〕とすると、 r=r1 +(r2 −r1 )θ/360 ・・・(1) で表される。なお、上記渦巻きの中心から最も近い端部
(θ=0〔度〕のとき)と、中心から最も遠い端部(θ
=360〔度〕のとき)とを結ぶ終端部25は、径方向
に沿う直線状に形成されている。この終端部25上に
は、渦巻きレール21が形成されていない。
【0059】また、上記の渦巻きレール21は、1回転
つまり360度の渦巻きとして形成されており、渦巻き
の中心から最も遠いレール最外周端面26と渦巻きの中
心から最も近いレール最内周端面27とを有している。
【0060】一方、上記の取り付けボックス10は、図
1及び図3(b)(c)に示すように、表面側が開口さ
れた略方形体である。取り付けボックス10における凹
入部11の横方向の内寸は、スライドボックス30の横
方向の外寸と略同一に設定される一方、取り付けボック
ス10における凹入部11の縦方向の内寸は、スライド
ボックス30の縦方向の外寸より長く設定されている。
これにより、取り付けボックス10内に収納されたスラ
イドボックス30は、取り付けボックス10の凹入部1
1における縦方向の内寸の範囲内で縦方向つまり上下方
向に直動自在となっている。
【0061】また、取り付けボックス10の深さは、後
述するように、スライドボックス30の貫通孔31に操
作用突起部23が遊嵌されたカム20及び上記スライド
ボックス30が収納できるように、スライドボックス3
0の深さよりやや深く設定されている。
【0062】さらに、取り付けボックス10の表面側に
おける上側及び下側には外側に折曲された取付け板12
・12が形成されており、これら上下の取付け板12・
12には、図示しない木ネジ等にて取り付けボックス1
0を前記柱4に取り付けるための取付け穴13・13が
それぞれ穿設されている。なお、本実施の形態の上下の
取付け板12・12では、各取付け穴13・13とは別
にさらに予備取付け穴14・14がそれぞれ2個ずつ形
成されている。これは、最近の引戸の出合いになる框等
においては合板等を使用することがあり、上下各1個の
取付け穴13・13に木ネジを通してネジ止めしただけ
では強度が不足するため、上下において必要に応じてそ
れぞれ3箇所止めするために穿設されているものであ
る。
【0063】また、取り付けボックス10の奥底板内面
の上側中央には、取り付けボックス10の奥底板を裏側
から表面側に向かって打ち出して形成された案内用突起
15が突設されている。この案内用突起15は、本実施
の形態では、上側から順に上案内用突起15a、中案内
用突起15b及び下案内用突起15cの例えば3個にて
構成されている。なお、案内用突起15は1個でも良い
が、ストライク40の上下方向の移動距離を大きくする
ためには、このように複数にするほうが好ましい。
【0064】上記の上案内用突起15aと中案内用突起
15bとの間、及び中案内用突起15bと下案内用突起
15cとの間の距離は、上記カム20の渦巻きレール2
1の厚さより若干広く設定されており、これらの間に挿
入される渦巻きレール21を容易に通して案内できるよ
うになっている。
【0065】また、図7に示すように、上案内用突起1
5aの上側端部は上側にさらに延びており、上案内用突
起15aと中案内用突起15bとの間に図5に示す渦巻
きレール21のレール最内周端面27近傍が挟まれてい
るときに、渦巻きレール21のレール最外周端面26と
当接し回動を抑制するためのストッパー16となってい
る。一方、図8に示すように、下案内用突起15cの下
側端部も下側にさらに延びて形成され、中案内用突起1
5bと下案内用突起15cとの間に渦巻きレール21の
レール最外周端面26近傍が挟まれているとき、渦巻き
レール21のレール最内周端面27と当接して回動を抑
制するためのストッパー17となっている。
【0066】一方、スライドボックス30は、図9
(a)(b)(c)に示すように、表面及び上下が開口
された略方形体であり、スライドボックス30の上側奥
底板30aと下側奥底板30bとの間には段差が設けら
れている。すなわち、スライドボックス30の上側奥底
板30aの方が下側奥底板30bよりも表面側に位置し
ており、図3(c)に示すように、この上側奥底板30
aと取り付けボックス10の奥底板との空間部分にカム
20が収容されている。
【0067】そして、図9(a)(c)に示すように、
スライドボックス30における上側奥底板30aの中央
には貫通孔31が形成されており、この貫通孔31に図
5に示すカム20の操作用突起部23が遊嵌されるよう
になっている。
【0068】さらに、図9(c)に示すように、上記ス
ライドボックス30の上側奥底板30aの裏面における
貫通孔31の周りには粗面加工が施されている。この粗
面加工は、本実施の形態では、裏面に多数の放射状溝3
2a…を形成したドーナツ板32をこのスライドボック
ス30の上側奥底板30aに打ち込んだものからなって
いる。そして、このスライドボックス30のドーナツ板
32における裏面の放射状溝32a…は、図5に示すカ
ム20の表面に形成された摺動突起28が摺動する部分
となっており、一旦、スライドボックス30が取り付け
ボックス10の凹入部11内で位置決めされたときに
は、容易にカム20が動かないようにし得るものとなっ
ている。
【0069】なお、本実施の形態では、粗面加工として
放射状溝32a…を形成しているが、必ずしもこれに限
らず、表面が粗面となるようにサンドペーパー等にて研
磨した他の粗面加工であっても良い。
【0070】また、図9(a)(b)に示すように、ス
ライドボックス30の上側側面板33・33及び下側側
面板34・34の各表面側には凸部33a・34aがそ
れぞれ形成されており、これら凸部33a・34aは、
図1及び図3(b)に示すように、カバープレート50
の開口部51における嵌合部51a・51bにそれぞれ
嵌合されるようになっている。これによって、カバープ
レート50がスライドボックス30と一体に移動し得る
ものとなっている。
【0071】なお、上記カバープレート50の上下方向
の長さは、スライドボックス30の上下方向の長さと同
一になっている。また、カバープレート50の横方向の
長さは、図3(b)に示すように、取り付けボックス1
0の凹入部11における横方向の長さよりも少し長くな
るように設定されており、取り付けボックス10の取付
け板12・12の横幅及びストライク押さえ60の横幅
と略同じ長さになっている。
【0072】そして、このカバープレート50は、図3
(a)に示すように、ストライク40の立設板43の下
側がストライク押さえ60の開口部61から露出しない
ようにカバーするための役割を果たしている。
【0073】次に、本実施の形態の受金具5における各
部材の関係を、図1を参照しながら組み立て手順にした
がって説明する。
【0074】まず、取り付けボックス10における凹入
部11の奥底板の表面側にカム20を配置し、次いで、
取り付けボックス10の奥底板に形成された上案内用突
起15aと中案内用突起15bとの間にカム20の渦巻
きレール21を挿入する。
【0075】次いで、取り付けボックス10の凹入部1
1内にスライドボックス30を挿入して、上記カム20
の操作用突起部23をスライドボックス30の上側奥底
板30aに形成された貫通孔31に遊嵌させることによ
りスライドボックス30を装着する。次いで、ストライ
ク40を取り付けボックス10に装着する。ストライク
40の取り付けボックス10への装着に際しては、スラ
イドボックス30における上側側面板33・33及び下
側側面板34・34の間に形成された隙間空間であるガ
イド部35・35に沿わしてストライク40の側面板4
4・44を挿入することにより容易に装着することがで
きる。
【0076】次に、ストライク40を装着したスライド
ボックス30にカバープレート50を被せる。カバープ
レート50をスライドボックス30に被せる際には、カ
バープレート50の嵌合部51a・51bを上記スライ
ドボックス30における凸部33a・34aに嵌める。
これにより、スライドボックス30とカバープレート5
0とを容易に一体化することができる。
【0077】次いで、ストライク押さえ60を装着しネ
ジ孔63・63にネジを通して、図2に示すように、ネ
ジ止めすることにより受金具5を柱4に取り付けること
ができる。
【0078】上記の取り付け状態において、鎌金6がス
トライク40の立設板43に対してがたつきのない状態
で施錠し得るように、ストライク40の立設板43の位
置を調整する場合における各部材の動きを説明する。
【0079】最初にストライク40の立設板43の位置
を上下に調整する場合について説明する。ストライク4
0の立設板43の位置を上下に調整するに先立って、図
2に示す引戸2を開く。そして、図3(a)(b)
(c)に示すように、ストライク押さえ60及びカバー
プレート50の開口部51・61を通して臨むことので
きるカム20の操作用突起部23における係合溝24に
向けて外側から図示しないドライバーを挿入し、ドライ
バーの先端をこの係合溝24に係合して回動操作するこ
とにより、カム20を回動させることができる。
【0080】図3(a)(b)(c)に示すように、カ
ム20の最初の状態は、カム20におけるレール最外周
端面26近傍の渦巻きレール21が取り付けボックス1
0に形成された上案内用突起15aと中案内用突起15
bとの間に位置している状態である。なお、このときス
ライドボックス30は取り付けボックス10の凹入部1
1内で上下に隙間を有して中間に位置しており、この結
果、ストライク40の立設板43も略中間に位置してい
る。また、ストライク40に螺合された表裏調整ビス4
5も、ストライク押さえ60における表裏調整ビス用長
穴62の中間に位置している。
【0081】この状態において、ストライク40の立設
板43を上側に移動させる場合には、カム20の係合溝
24をドライバーにて反時計回りに回動する。これによ
って、カム20の渦巻きレール21が取り付けボックス
10の上案内用突起15aと中案内用突起15bとの間
で挟まれた状態で案内され、これら上案内用突起15a
及び中案内用突起15b間に挟まれる渦巻きレール21
と回動中心である操作用突起部23との距離は減少す
る。すなわち、操作用突起部23が上案内用突起15a
と中案内用突起15bとの間に近づく。したがって、カ
ム20の操作用突起部23が上側に移動する。
【0082】一方、上記操作用突起部23はスライドボ
ックス30の貫通孔31に貫通されているので、この操
作用突起部23の上側への移動に際して、この貫通孔3
1を介してスライドボックス30を押し上げ、これによ
り、スライドボックス30も上側に移動する。
【0083】この結果、上記スライドボックス30に一
体的に設けられたストライク40も上側に移動し、これ
によってストライク40の立設板43も上側に移動す
る。
【0084】ここで、図3(b)に示すカム20の初期
状態から、このカム20を反時計回りに一回転させる
と、上案内用突起15a及び中案内用突起15b間に挟
まれる渦巻きレール21の位置がレール最内周端面27
近傍の位置となる。このとき、図7に示すように、レー
ル最外周端面26は、上案内用突起15a近傍に達して
おり、さらに操作用突起部23を回転してカム20を回
転させることにより、やがて、レール最内周端面27が
上案内用突起15aのストッパー16に当接し、これに
よって、カム20の回転が制止される。そして、このと
きに、スライドボックス30が取り付けボックス10の
凹入部11内で最上部に位置し、ストライク40の立設
板43も上限位置となる。また、このとき、ストライク
40の表裏調整ビス45は、ストライク押さえ60にお
ける表裏調整ビス用長穴62の上端に位置するようにな
っている。
【0085】次に、図3(a)(b)(c)に示すスト
ライク40の初期位置から立設板43を下げたい場合に
は、カム20の操作用突起部23を時計回りに回転す
る。
【0086】これによって、中案内用突起15bと下案
内用突起15cとの間に位置していたレール最内周端面
27近傍の渦巻きレール21がこれら中案内用突起15
bと下案内用突起15cとの間に挟まれることにより案
内されて半径が増加するようになる。すなわち、回動中
心である操作用突起部23の位置がこれら中案内用突起
15bと下案内用突起15cとの間から離れる方向に移
動しようとする。
【0087】ところが、操作用突起部23が遊嵌されて
いるスライドボックス30は、取り付けボックス10内
に収納されており、上下方向にしか移動できない。この
結果、操作用突起部23及びスライドボックス30は、
上記中案内用突起15b及び下案内用突起15cの間と
操作用突起部23との距離の増加に伴って取り付けボッ
クス10内を下側方向に摺動する。そして、この移動
は、図8に示すように、レール最内周端面27が下案内
用突起15cのストッパー17に当接したときに停止さ
れる。これがストライク40の立設板43の下限位置で
ある。また、このときストライク40の表裏調整ビス4
5は、ストライク押さえ60における表裏調整ビス用長
穴62の下端に位置するようになっている。
【0088】なお、上記カム20の上下方向の移動にお
いて、前記式(1)により、カム20の一回転によりカ
ム20の上下方向の距離がカム20の最大半径r2 から
最小半径r1 になる。したがって、カム20の上下方向
の移動量つまりスライドボックス30の上下方向の移動
量は、カム20の大きさを変えることにより調整可能で
あることがわかる。
【0089】また、本実施の形態では、上案内用突起1
5aのストッパー16にレール最外周端面26が当接し
たときをストライク40の上限位置とし、下案内用突起
15cのストッパー17にレール最内周端面27が当接
したときをストライク40の下限位置としたが、必ずし
もこれに限らず、例えば、それまでにスライドボックス
30の上端又は下端が取り付けボックス10の凹入部1
1における上端又は下端に当接したときをストライク4
0の上限位置又は下限位置とすることも可能である。
【0090】上記のように、直接外側からカム20の操
作用突起部23をドライバーで回動する操作により、容
易にストライク40の立設板43の位置を上下方向に微
調節することができる。また、一旦位置決めされると、
図9(c)に示すように、スライドボックス30の裏面
に形成された多数の放射状溝32a…とこの放射状溝3
2a…に摺動するカム20の摺動突起28(図1参照)
との摩擦によりカム20が容易には回動しない。この結
果、ストライク40の立設板43における上下方向の位
置が長期的に固定されたものとなる。
【0091】次に、ストライク40の立設板43の位置
を表裏方向つまり前後方向に調整する場合について説明
する。ストライク40の立設板43の位置を前後方向に
調整する場合も、上下方向の微調整と同様に、ストライ
ク押さえ60の外側から直接行うことができる。
【0092】すなわち、図3(a)(b)(c)に示す
ように、ストライク押さえ60の表裏調整ビス用長穴6
2からストライク40に螺合する表裏調整ビス45が露
出しているので、この表裏調整ビス用長穴62を通して
図示しないドライバーにて表裏調整ビス45を回転させ
ることができる。
【0093】そして、表裏調整ビス45を時計回りに回
転させると、表裏調整ビス45はスライドボックス30
の奥底板に当接しているので、結果的に表裏調整ビス4
5に螺合されたストライク40が表面側に移動する。
【0094】したがって、図3(c)に二点鎖線で示す
ように、ストライク40の立設板43が表面側に突出
し、これによって、前記鎌金6の係止状態を変化させる
ことができる。
【0095】本実施の形態においては、ストライク40
の立設板43における最大の突出量は例えば7mmとな
っている。また、上記ストライク40が最も奥に位置し
ているときには、立設板43はストライク押さえ60の
表面よりも約1mm引っ込んだ位置となっている。これ
によって、本実施の形態においては、立設板43の前後
方向の調整量は、ストライク押さえ60の表面を原点と
した場合に、+7mm〜−1mmまで調整可能であると
することができる。
【0096】また、ストライク40はスライドボックス
30に設けられているので、例えば、スライドボックス
30を上限位置に移動した状態で、立設板43を表面側
に突出させることができる。
【0097】すなわち、本実施の形態の受金具5では、
ストライク40の立設板43に対して、上下方向の微調
整と前後方向の微調整を同時に行うことができるものと
なっている。しかも、調整に際しては、外側から容易に
行うことができ、ネジにて調整量を変化することができ
るので、微調整も可能となっている。
【0098】このように、本実施の形態の鎌錠1の受金
具5では、鎌金6は、断面軽Z形状に形成されたストラ
イク40の立設板43の立設板に係止される。そして、
このストライク40の垂下板41には表裏調整ビス45
が螺合されると共に、この表裏調整ビス45はスライド
ボックス30の穿設孔36を通して取り付けボックス1
0の凹入部11の奥底板に当接するように設けられる。
【0099】また、スライドボックス30は、取り付け
ボックス10の凹入部11内で上下自在に移動するよう
に設けられている。このため、ストライク40の立設板
43は、表裏調整ビス45によってスライドボックス3
0と一体的に上下方向に移動することになる。
【0100】一方、スライドボックス30は、カム20
にて、表面側に形成された係合溝24への回動操作によ
り取り付けボックス10の上下方向で位置決め固定され
る。
【0101】したがって、鎌金6が係止されるストライ
ク40の立設板43を上下方向に移動させる場合には、
ストライク押さえ60の外側から、ストライク押さえ6
0の開口部61を通してカム20の表面側に形成された
係合溝24への回動操作によりスライドボックス30を
取り付けボックス10に上下方向で位置決め固定する。
これにより、ストライク押さえ60の外部からストライ
ク40の立設板43を上下方向に移動させることができ
る。
【0102】次に、鎌金6が係止されるストライク40
の立設板43を表裏方向、つまり前後方向に移動させる
場合には、ストライク押さえ60の外側から、ドライバ
ーにてストライク押さえ60の表裏調整ビス用長穴62
を通して表裏調整ビス45を回動させる。ここで、表裏
調整ビス45の先端は、取り付けボックス10の凹入部
11の奥底板に当接しているので、表裏調整ビス45の
右回りの回動により螺合されるストライク40の垂下板
41が表面側に移動し、これによって、ストライク40
の立設板43は表面側に移動することになる。このと
き、ストライク押さえ60には、ストライク40の立設
板43が貫通し得る開口部61が穿設されているので、
立設板43はこの開口部61を通して容易に外側に突出
移動することができる。
【0103】したがって、立設板43の前後移動もスト
ライク押さえ60の外部から行うことができることにな
る。そして、立設板43の前後移動は、表裏調整ビス4
5の回動にて行うことができるので、微調整が可能とな
る。
【0104】さらに、ストライク40の立設板43は取
り付けボックス10に設けられているので、取り付けボ
ックス10を上下移動した位置にて、ストライク40の
立設板43を前後移動させることができる。
【0105】この結果、鎌錠1の取り付け時や、経年変
化に伴い引戸2にがたつきが生じた時等において、上下
は勿論、前後においても位置調整することにより精度の
良い取り付けを行い、また、調整に際しては、受金具5
を分解することなく、ストライク押さえ60の外側から
直接行うことができるので、調整に際しての操作性を向
上することができる。
【0106】さらに、立設板43の前後移動を表裏調整
ビス45の回動にて行うので、微調整を可能にした鎌錠
1の受金具5を提供することができる。
【0107】また、本実施の形態における鎌錠1の受金
具5では、スライドボックス30を取り付けボックス1
0に上下方向で位置決め固定する位置固定手段は、係合
溝24が形成されたカム20にて形成されている。詳し
くは、このカム20の表面側にはスライドボックス30
に穿設される貫通孔31に遊嵌される操作用突起部23
が形成されると共に、カム20の裏面側には取り付けボ
ックス10の奥底板から突出する案内用突起15が挿入
される渦巻き状溝22が形成されている。
【0108】さらに、操作用突起部23の頭部にはドラ
イバーにて係合されて回動を可能にさせる係合溝24が
形成されている。
【0109】したがって、鎌錠1が係止されるストライ
ク40の立設板43を上下方向に移動させる場合には、
ストライク押さえ60の外側から、ストライク押さえ6
0の開口部61を通してカム20の表面側に形成された
係合溝24への回動操作を行う。
【0110】これにより、カム20の回動中心である操
作用突起部23と渦巻き状溝22に挿入された取り付け
ボックス10の案内用突起15との距離が変化する。例
えば、案内用突起15が渦巻き状溝22における外周近
くに挿入されている状態からカム20の回動中心である
操作用突起部23を回動させると、案内用突起15が渦
巻き状溝22における内周側に移動する。このことは、
案内用突起15と回動中心である操作用突起部23とが
近づくことを意味する。
【0111】これによって、カム20の操作用突起部2
3が、遊嵌しているスライドボックス30の貫通孔31
を介してスライドボックス30を押し上げ又は押し下
げ、その結果、スライドボックス30に設けられたスト
ライク40の立設板43を上下方向に移動させることに
なる。
【0112】したがって、鎌金6が係止されるストライ
ク40の立設板43を上下方向に移動させるに際して、
ストライク押さえ60の外側から、ストライク押さえ6
0の開口部61を通してカム20の操作用突起部23の
頭部に形成された係合溝24への回動操作によりスライ
ドボックス30を取り付けボックス10に上下方向で位
置決め固定し、これによって、ストライク押さえ60の
外部からストライク40の立設板43を上下方向に確実
に移動させることができる。
【0113】また、この上下方向の移動に際しては、カ
ム20の回動操作にて行うので微調整が可能である。
【0114】また、本実施の形態における鎌錠1の受金
具5では、取り付けボックス10の案内用突起15は、
上案内用突起15a、中案内用突起15b及び下案内用
突起15cというように、複数形成されており、カム2
0の渦巻き状溝22に順次嵌まり込むように配されてい
る。
【0115】したがって、例えば、1つの中案内用突起
15bがカム20の渦巻き状溝22の外周近傍に挿入さ
れた状態となっているときに、カム20を回動させるこ
とにより、中案内用突起15bを渦巻き状溝22の内周
近傍位置での挿入状態にすることができる。このとき、
カム20の渦巻き状溝22の外周側が他の上案内用突起
15aに入り込むように上案内用突起15aを配してお
くことにより、カム20は、当該次の上案内用突起15
aに係わって渦巻き状溝22により上方向に移動するこ
とになる。
【0116】この結果、案内用突起15を複数形成した
方が1つの案内用突起15を形成した場合よりも、カム
20の上下方向の移動量が大きくなる。したがって、ス
トライク40の立設板43における上下方向の移動量を
大きくすることができる。
【0117】一方、ストライク40の立設板43におけ
る上下移動は、取り付けボックス10とスライドボック
ス30との間に設けられたカム20の回動により行うこ
とができるが、一旦、上下方向の位置が定まった場合
に、このカム20が滑り易いもので形成されている場合
には、鎌金6によるストライク40の立設板43への度
重なる衝撃等により、カム20が回動するおそれがあ
る。
【0118】しかし、本実施の形態においては、スライ
ドボックス30の裏面における貫通孔31の周りには粗
面加工としての放射状溝32a…が施されると共に、カ
ム20の表面側にはこの放射状溝32a…に摺動する摺
動突起28が形成されている。したがって、カム20の
摺動突起28とスライドボックス30の裏面の放射状溝
32a…との摩擦により、カム20は容易には回動しな
い。
【0119】したがって、一旦、ストライク40の立設
板43の上下方向の位置を定めた場合に、長期間その位
置を保持することができる。
【0120】なお、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可
能である。例えば、上記実施の形態では、位置固定手段
として、回動軸となる操作用突起部23に形成された回
動係合部としての係合溝24を有するカム20にて構成
しているが、特にこれに限定するものではなく、例え
ば、取り付けボックス10の凹入部11の奥底板に螺合
孔を設け、かつスライドボックス30に長孔を穿設し
て、スライドボックス30を取り付けボックス10にビ
スにて固定することも可能である。
【0121】これによっても、ストライク40の立設板
43の上下位置及び前後位置を変化させることが可能と
なる。
【0122】
【発明の効果】請求項1に係る発明の鎌錠の受金具は、
以上のように、取り付けボックスの凹入部内で上下自在
に移動するスライド部材と、表面側に形成された回動係
合部への回動操作により上記スライド部材を取り付けボ
ックスに上下方向で位置決め固定する位置固定手段とが
設けられると共に、上記スライド部材には、表面側に、
断面軽Z形状に形成されたストライクが設けられ、この
ストライクにおける立設板には鎌金が係止されかつスト
ライクにおける垂下板にはこの垂下板に螺合される表裏
調整ビスがスライド部材の穿設孔を通して取り付けボッ
クスの凹入部の奥底板に当接するように設けられる一
方、上記ストライク押さえには、鎌金を通すための鎌金
開口部以外に、上記ストライクの立設板が貫通し得る開
口部と、上記表裏調整ビスを露出させるための表裏調整
ビス用長穴と、上記位置固定手段の回転係合部を露出さ
せるための回転係合部用長穴とが形成されているもので
ある。
【0123】それゆえ、鎌金が係止されるストライクの
立設板を上下方向に移動させる場合には、ストライク押
さえの外側から、ストライク押さえの回転係合部用長穴
を通して位置固定手段の表面側に形成された回動係合部
への回動操作により上記スライド部材を取り付けボック
スに上下方向で位置決め固定する。これにより、ストラ
イク押さえの外部からストライクの立設板を上下方向に
移動させることができる。
【0124】次に、鎌金が係止されるストライクの立設
板を表裏方向、つまり前後方向に移動させる場合には、
ストライク押さえの外側から、例えばドライバー等の回
動操作部材にてストライク押さえの表裏調整ビス用長穴
を通して表裏調整ビスを回動させる。これによって、表
裏調整ビスの螺合するストライクの垂下板が表面側に移
動し、ストライクの立設板は表面側に移動する。
【0125】したがって、鎌錠の取り付け時や、経年変
化に伴い引戸にがたつきが生じた時等において、上下は
勿論、前後においても位置調整することにより精度の良
い取り付け調整を行い、さらに、調整に際しては、受金
具を分解することなく、ストライク押さえの外側から直
接行うことができるので、調整に際しての操作性を向上
することができるという効果を奏する。
【0126】また、立設板の前後移動を表裏調整ビスの
回動にて行うので、微調整を可能にした鎌錠の受金具を
提供することができるという効果を奏する。
【0127】請求項2に係る発明の鎌錠の受金具は、以
上のように、請求項1記載の鎌錠の受金具において、上
記の位置固定手段は、取り付けボックスの奥底板とスラ
イド部材との間に設けられ、かつ取り付けボックスの奥
底板側である裏面には渦巻き状溝が形成されると共に表
面側の回動中心にはスライド部材に穿設される貫通孔に
遊嵌される突起部が形成され、さらにこの突起部の頭部
には回動操作部材にて係合されて回動を可能にさせる回
動係合部が形成されたカムと、上記カムの渦巻き状溝に
挿入すべく上記取り付けボックスの奥底板から突出して
形成される案内用突起とからなっているものである。
【0128】それゆえ、鎌金が係止されるストライクの
立設板を上下方向に移動させる場合には、ストライク押
さえの外側から、ストライク押さえの回転係合部用長穴
を通して位置固定手段の表面側に形成された回動係合部
への回動操作を行う。これにより、カムの回動中心であ
る突設部と渦巻き状溝に挿入された取り付けボックスの
案内用突起との距離が変化する。
【0129】したがって、鎌金が係止されるストライク
の立設板を上下方向に移動させるに際して、ストライク
押さえの外側から、ストライク押さえの回転係合部用長
穴を通して位置固定手段の突起部の頭部に形成された回
動係合部への回動操作により上記スライド部材を取り付
けボックスに上下方向で位置決め固定し、ストライク押
さえの外部からストライクの立設板を上下方向に確実に
移動させることができるという効果を奏する。
【0130】また、この上下方向の移動に際しては、カ
ムの回動操作にて行うので微調整が可能であるという効
果を奏する。
【0131】請求項3に係る発明の鎌錠の受金具は、以
上のように、請求項2記載の鎌錠の受金具において、上
記の案内用突起は複数形成され、かつ上記カムの回動に
伴いカムの渦巻き状溝に順次嵌まり込むように配されて
いるものである。
【0132】それゆえ、案内用突起を複数形成した方が
1つの案内用突起を形成した場合よりも、カムの上下方
向の移動量が大きくなる。
【0133】したがって、ストライクの立設板における
上下方向における移動量を大きくすることができるとい
う効果を奏する。
【0134】請求項4に係る発明の鎌錠の受金具は、以
上のように、請求項2又は3記載の鎌錠の受金具におい
て、上記スライド部材の裏面における貫通孔の周りには
粗面加工が施されると共に、上記カムの表面側にはこの
粗面加工面に摺動する摺動突起が形成されているもので
ある。
【0135】それゆえ、カムの摺動突起とスライド部材
の裏面の粗面加工面との摩擦により、カムは容易には回
動しない。
【0136】したがって、一旦、ストライクの立設板の
上下方向の位置を定めた場合に、長期間その位置を保持
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における鎌錠の受金具の
構造を示す分解斜視図である。
【図2】上記鎌錠における施錠本体及び受金具の取り付
け状態を示す斜視図である。
【図3】上記鎌錠の受金具の構造を示すものであり、
(a)は正面図、(b)はストライク押さえを除いた状
態の正面図、(c)は断面図である。
【図4】上記受金具におけるストライクの構造を示す断
面図である。
【図5】上記受金具のカムの構造を示す平面図である。
【図6】上記受金具のカムの構造を示す断面図である。
【図7】上記鎌錠の受金具におけるカムのレール最外周
端面が上案内用突起のストッパーに当接してカムが上限
位置にある状態を示す正面図である。
【図8】上記鎌錠の受金具におけるカムのレール最内周
端面が下案内用突起のストッパーに当接してカムが下限
位置にある状態を示す正面図である。
【図9】上記鎌錠の受金具におけるスライドボックスを
構造を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面
図、(c)は背面図である。
【図10】従来の鎌錠の内部構造を示す断面図である。
【図11】上記の鎌錠を解錠するための外観構造を示す
説明図である。
【図12】上記の鎌錠の受金具におけるストライクを上
下移動させるための構造を示すものであり、(a)は正
面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 鎌錠 3 施錠本体 5 受金具 6 鎌金 10 取り付けボックス 11 凹入部 15 案内用突起 15a 上案内用突起(案内用突起) 15b 中案内用突起(案内用突起) 15c 下案内用突起(案内用突起) 20 カム(位置固定手段) 22 渦巻き状溝 23 操作用突起部(突起部) 24 係合溝(回動係合部) 28 摺動突起 30 スライドボックス(スライド部材) 31 貫通孔 32a 放射状溝(粗面加工) 36 穿設孔 40 ストライク 41 垂下板 43 立設板 45 表裏調整ビス 60 ストライク押さえ 61 開口部(鎌金開口部、回転係合部用長穴) 62 表裏調整ビス用長穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面から内方に方形状の凹入部を有する取
    り付けボックスと、この凹入部内に設けられて鎌錠の施
    錠本体における鎌金が係止されるストライクと、このス
    トライクの表面側に設けられるストライク押さえとを備
    えた鎌錠の受金具において、 上記取り付けボックスの凹入部内で上下自在に移動する
    スライド部材と、表面側に形成された回動係合部への回
    動操作により上記スライド部材を取り付けボックスに上
    下方向で位置決め固定する位置固定手段とが設けられる
    と共に、 上記スライド部材には、表面側に、断面軽Z形状に形成
    されたストライクが設けられ、このストライクにおける
    立設板には鎌金が係止されかつストライクにおける垂下
    板にはこの垂下板に螺合される表裏調整ビスがスライド
    部材の穿設孔を通して取り付けボックスの凹入部の奥底
    板に当接するように設けられる一方、 上記ストライク押さえには、鎌金を通すための鎌金開口
    部以外に、上記ストライクの立設板が貫通し得る開口部
    と、上記表裏調整ビスを露出させるための表裏調整ビス
    用長穴と、上記位置固定手段の回転係合部を露出させる
    ための回転係合部用長穴とが形成されていることを特徴
    とする鎌錠の受金具。
  2. 【請求項2】上記の位置固定手段は、 取り付けボックスの奥底板とスライド部材との間に設け
    られ、かつ取り付けボックスの奥底板側である裏面には
    渦巻き状溝が形成されると共に表面側の回動中心にはス
    ライド部材に穿設される貫通孔に遊嵌される突起部が形
    成され、さらにこの突起部の頭部には回動操作部材にて
    係合されて回動を可能にさせる回動係合部が形成された
    カムと、 上記カムの渦巻き状溝に挿入すべく上記取り付けボック
    スの奥底板から突出して形成される案内用突起とからな
    っていることを特徴とする請求項1記載の鎌錠の受金
    具。
  3. 【請求項3】上記の案内用突起は複数形成され、かつ上
    記カムの回動に伴いカムの渦巻き状溝に順次嵌まり込む
    ように配されていることを特徴とする請求項2記載の鎌
    錠の受金具。
  4. 【請求項4】上記スライド部材の裏面における貫通孔の
    周りには粗面加工が施されると共に、上記カムの表面側
    にはこの粗面加工面に摺動する摺動突起が形成されてい
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の鎌錠の受金
    具。
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