JPH1081938A - 結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼 - Google Patents
結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼Info
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- JPH1081938A JPH1081938A JP25774196A JP25774196A JPH1081938A JP H1081938 A JPH1081938 A JP H1081938A JP 25774196 A JP25774196 A JP 25774196A JP 25774196 A JP25774196 A JP 25774196A JP H1081938 A JPH1081938 A JP H1081938A
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- steel
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- crystalline grain
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、Cr、Mo、Ni、Si、Mnなどの合金元
素を低減し Bを添加することによって焼入性を補った肌
焼ボロン鋼において、浸炭時のオーステナイト結晶粒度
の粗大化を抑制し、結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼
を提供する。 【解決手段】 C:0.10〜0.35wt% 、Si:0.03〜0.35wt
% 、Mn:2.0wt%以下、B:0.0005〜0.005wt%、Ti:0.1wt
%超〜0.2wt%、 N:0.015wt%以下、Al:0.005 〜0.05wt%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる結晶粒
度特性に優れた肌焼ボロン鋼であり、Tiを0.1wt%超〜0.
2wt%添加することによってfree-Nを固定し、かつTi炭化
物、Tiを含有する複合炭化物、Ti窒化物を微細に析出さ
せることによって浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗
大化を抑制し、結晶粒度特性に優れたものとしている。
素を低減し Bを添加することによって焼入性を補った肌
焼ボロン鋼において、浸炭時のオーステナイト結晶粒度
の粗大化を抑制し、結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼
を提供する。 【解決手段】 C:0.10〜0.35wt% 、Si:0.03〜0.35wt
% 、Mn:2.0wt%以下、B:0.0005〜0.005wt%、Ti:0.1wt
%超〜0.2wt%、 N:0.015wt%以下、Al:0.005 〜0.05wt%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる結晶粒
度特性に優れた肌焼ボロン鋼であり、Tiを0.1wt%超〜0.
2wt%添加することによってfree-Nを固定し、かつTi炭化
物、Tiを含有する複合炭化物、Ti窒化物を微細に析出さ
せることによって浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗
大化を抑制し、結晶粒度特性に優れたものとしている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸炭時のオーステ
ナイト結晶粒の粗大化を抑制することができるBを含有
する肌焼鋼に関するものである。
ナイト結晶粒の粗大化を抑制することができるBを含有
する肌焼鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低コスト化の傾向が強まり材料費
の低減や加工性の向上による生産工程の簡略化が望まれ
ている。そのような流れの中で使用される材料もCr、M
o、Ni、Si、Mnなどの合金元素を低減しB を添加するこ
とによって焼入性を補った肌焼ボロン鋼が使用されるよ
うになっている。しかしながら、B 添加鋼では、鋼中の
free-Nが存在するとBNを形成して固溶 Bが存在しなくな
り焼入性を向上させる効果が無くなる。そこで、通常Ti
を0.01〜0.05Wt% 程度添加しfree-Nを固定する方法が採
られるが、このことによってオーステナイト結晶粒の粗
大化を抑制するAlNが減少し浸炭時に混粒あるいは粗粒
となり、機械的性質、疲労特性および熱処理時の歪量に
対して悪影響を及ぼす。そのため、浸炭時のオーステナ
イト結晶粒を整粒かつ微細にする必要がある。
の低減や加工性の向上による生産工程の簡略化が望まれ
ている。そのような流れの中で使用される材料もCr、M
o、Ni、Si、Mnなどの合金元素を低減しB を添加するこ
とによって焼入性を補った肌焼ボロン鋼が使用されるよ
うになっている。しかしながら、B 添加鋼では、鋼中の
free-Nが存在するとBNを形成して固溶 Bが存在しなくな
り焼入性を向上させる効果が無くなる。そこで、通常Ti
を0.01〜0.05Wt% 程度添加しfree-Nを固定する方法が採
られるが、このことによってオーステナイト結晶粒の粗
大化を抑制するAlNが減少し浸炭時に混粒あるいは粗粒
となり、機械的性質、疲労特性および熱処理時の歪量に
対して悪影響を及ぼす。そのため、浸炭時のオーステナ
イト結晶粒を整粒かつ微細にする必要がある。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】本発明は、Cr、Mo、Ni、
Si、Mnなどの合金元素を低減し Bを添加することによっ
て焼入性を補った肌焼ボロン鋼において、浸炭時のオー
ステナイト結晶粒度の粗大化を抑制し、結晶粒度特性に
優れた肌焼ボロン鋼を提供することである。
Si、Mnなどの合金元素を低減し Bを添加することによっ
て焼入性を補った肌焼ボロン鋼において、浸炭時のオー
ステナイト結晶粒度の粗大化を抑制し、結晶粒度特性に
優れた肌焼ボロン鋼を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めのこの発明の手段は、請求項1の発明では、 C:0.10
〜0.35wt% 、Si:0.03〜0.35wt% 、Mn:2.0wt%以下、
B:0.0005〜0.005wt%、Ti:0.1wt%超〜0.2wt%、 N:0.0
15wt%以下、Al:0.005 〜0.05wt% を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなることを特徴とし、Tiを0.1wt%
超〜0.2wt%添加することによってfree-Nを固定し、かつ
Ti炭化物、Tiを含有する複合炭化物、Ti窒化物を微細に
析出させることによって浸炭時のオーステナイト結晶粒
度の粗大化を抑制した結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン
鋼である。
めのこの発明の手段は、請求項1の発明では、 C:0.10
〜0.35wt% 、Si:0.03〜0.35wt% 、Mn:2.0wt%以下、
B:0.0005〜0.005wt%、Ti:0.1wt%超〜0.2wt%、 N:0.0
15wt%以下、Al:0.005 〜0.05wt% を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなることを特徴とし、Tiを0.1wt%
超〜0.2wt%添加することによってfree-Nを固定し、かつ
Ti炭化物、Tiを含有する複合炭化物、Ti窒化物を微細に
析出させることによって浸炭時のオーステナイト結晶粒
度の粗大化を抑制した結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン
鋼である。
【0005】請求項2の発明では、請求項1の鋼のFeお
よび不可避不純物を除く鋼成分に加えて、Cr:2.0wt%以
下、Mo:0.5wt%以下、Ni:3.0wt%以下のうち1種又は2
種以上を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるこ
とを特徴とし、Tiを0.1wt%超〜0.2wt%添加することによ
ってfree-Nを固定し、かつTi炭化物、Tiを含有する複合
炭化物、Ti窒化物を微細に析出させることによって浸炭
時のオーステナイト結晶粒度の粗大化を抑制した結晶粒
度特性に優れた肌焼ボロン鋼である。
よび不可避不純物を除く鋼成分に加えて、Cr:2.0wt%以
下、Mo:0.5wt%以下、Ni:3.0wt%以下のうち1種又は2
種以上を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるこ
とを特徴とし、Tiを0.1wt%超〜0.2wt%添加することによ
ってfree-Nを固定し、かつTi炭化物、Tiを含有する複合
炭化物、Ti窒化物を微細に析出させることによって浸炭
時のオーステナイト結晶粒度の粗大化を抑制した結晶粒
度特性に優れた肌焼ボロン鋼である。
【0006】請求項3の発明では、請求項1の鋼のFeお
よび不可避不純物を除く鋼成分に加えて、 V:0.02〜0.
10wt% 、Nb:0.02〜0.10wt% の1種または2種を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴と
し、V 、Nbを添加することによりV 炭化物、Nb炭化物を
析出させ、浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗大化の
抑制効果をより高めた結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン
鋼である。
よび不可避不純物を除く鋼成分に加えて、 V:0.02〜0.
10wt% 、Nb:0.02〜0.10wt% の1種または2種を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴と
し、V 、Nbを添加することによりV 炭化物、Nb炭化物を
析出させ、浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗大化の
抑制効果をより高めた結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン
鋼である。
【0007】請求項4の発明では、請求項2の鋼のFeお
よび不可避不純物を除く鋼成分に加えて、 V:0.02〜0.
10wt% 、Nb:0.02〜0.10wt% の1種または2種を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴と
し、V 、Nbを添加することによりV 炭化物、Nb炭化物を
析出させ、浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗大化の
抑制効果をより高めた結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン
鋼である。
よび不可避不純物を除く鋼成分に加えて、 V:0.02〜0.
10wt% 、Nb:0.02〜0.10wt% の1種または2種を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴と
し、V 、Nbを添加することによりV 炭化物、Nb炭化物を
析出させ、浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗大化の
抑制効果をより高めた結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン
鋼である。
【0008】本発明は、上記のようにTi添加しTiを含有
する微細析出物によって浸炭時のオーステナイト結晶粒
度の粗大化を抑制し、さらに V、Nbを添加することによ
ってさらに結晶粒粗大化抑制効果を高めたものである。
する微細析出物によって浸炭時のオーステナイト結晶粒
度の粗大化を抑制し、さらに V、Nbを添加することによ
ってさらに結晶粒粗大化抑制効果を高めたものである。
【0009】本発明の組成割合の限定理由を述べる。 C:C は機械構造用部品として浸炭処理後の芯部強度を
確保するために必要な元素であり、0.10wt% 未満ではそ
の効果が十分に得られず、反対に 0.35wt%を超えると芯
部の靱性を低下させる。そのため、含有量を0.10〜 0.3
5wt%とした。
確保するために必要な元素であり、0.10wt% 未満ではそ
の効果が十分に得られず、反対に 0.35wt%を超えると芯
部の靱性を低下させる。そのため、含有量を0.10〜 0.3
5wt%とした。
【0010】Si:Siは0.03wt% 未満では脱酸効果が十分
に得られず、過剰に含有させると加工性を低下させると
共に浸炭時の粒界酸化層の形成を助長し、疲労特性につ
いても低下させる。そのため上限を0.35wt% とした。
に得られず、過剰に含有させると加工性を低下させると
共に浸炭時の粒界酸化層の形成を助長し、疲労特性につ
いても低下させる。そのため上限を0.35wt% とした。
【0011】Mn:Mnは焼入性を確保するのに必要な元素
であるが、2.0wt%を超えると加工性を低下させる。その
ため、含有量を2.0wt%以下とした。
であるが、2.0wt%を超えると加工性を低下させる。その
ため、含有量を2.0wt%以下とした。
【0012】B:B は極く微量の添加によって鋼の焼入
性を著しく向上させる元素であるが、0.0005wt% 未満で
はその効果は十分でなく、0.005wt%を超えると逆に焼入
性を低下させる。そのため、含有量を0.0005〜0.005wt%
とした。
性を著しく向上させる元素であるが、0.0005wt% 未満で
はその効果は十分でなく、0.005wt%を超えると逆に焼入
性を低下させる。そのため、含有量を0.0005〜0.005wt%
とした。
【0013】Ti:Tiは鋼中のfree-Nを固定し Bの焼入性
への効果を向上させると共にTi炭化物、Tiを含有する複
合炭化物、Ti窒化物を微細に析出させることによって、
AlNに代って浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗大化
を抑制するために必要な元素である。0.1wt%以下ではそ
の効果は十分でなく、0.2wt%を超えると析出物の量が過
剰となり加工性を低下させる。そのため、含有量を0.1w
t%超〜0.2wt%とした。
への効果を向上させると共にTi炭化物、Tiを含有する複
合炭化物、Ti窒化物を微細に析出させることによって、
AlNに代って浸炭時のオーステナイト結晶粒度の粗大化
を抑制するために必要な元素である。0.1wt%以下ではそ
の効果は十分でなく、0.2wt%を超えると析出物の量が過
剰となり加工性を低下させる。そのため、含有量を0.1w
t%超〜0.2wt%とした。
【0014】V:V は炭化物を形成し、Ti同様にオース
テナイト結晶粒度の粗大化を抑制する効果があり、0.02
未満ではその効果が得られず、0.10wt% を超えて含有さ
せると析出物の量が過剰となり加工性を低下させる。そ
のため、含有量を0.02〜0.10wt% とした。
テナイト結晶粒度の粗大化を抑制する効果があり、0.02
未満ではその効果が得られず、0.10wt% を超えて含有さ
せると析出物の量が過剰となり加工性を低下させる。そ
のため、含有量を0.02〜0.10wt% とした。
【0015】Nb:Nbは炭化物あるいは窒化物を形成し、
Ti同様にオーステナイト結晶粒度の粗大化を抑制する効
果があり、0.02未満ではその効果が得られず、0.10wt%
を超えて含有させると析出物の量が過剰となり加工性を
低下させる。そのため、含有量を0.02〜0.10wt% とし
た。
Ti同様にオーステナイト結晶粒度の粗大化を抑制する効
果があり、0.02未満ではその効果が得られず、0.10wt%
を超えて含有させると析出物の量が過剰となり加工性を
低下させる。そのため、含有量を0.02〜0.10wt% とし
た。
【0016】Cr:Crは焼入性および浸炭性を向上させる
元素であるが、2.0wt%を超えて含有させると浸炭層で粗
大な炭化物を形成し、機械的性質、疲労特性を低下させ
る。そのため、含有量を2.0wt%以下とした。
元素であるが、2.0wt%を超えて含有させると浸炭層で粗
大な炭化物を形成し、機械的性質、疲労特性を低下させ
る。そのため、含有量を2.0wt%以下とした。
【0017】Mo:Moは焼入性および靱性を向上させる元
素であるが、0.5wt%を超えて含有させると圧延あるいは
鍛造後にベーナイトやマルテンサイト組織となり加工性
を著しく低下させる。そのため、含有量を0.5wt%以下と
した。
素であるが、0.5wt%を超えて含有させると圧延あるいは
鍛造後にベーナイトやマルテンサイト組織となり加工性
を著しく低下させる。そのため、含有量を0.5wt%以下と
した。
【0018】Ni:Niは焼入性および靱性を向上させる元
素であるが、3.0wt%を超えて含有させると圧延あるいは
鍛造後にベーナイトやマルテンサイト組織となり加工性
を著しく低下させる。そのため、含有量を3.0wt%以下と
した。
素であるが、3.0wt%を超えて含有させると圧延あるいは
鍛造後にベーナイトやマルテンサイト組織となり加工性
を著しく低下させる。そのため、含有量を3.0wt%以下と
した。
【0019】N:N は0.015wt%を超えて含有するとTiN
が増加し、疲労特性に悪影響を及ぼす。そのため、含有
量を0.015wt%以下とした。
が増加し、疲労特性に悪影響を及ぼす。そのため、含有
量を0.015wt%以下とした。
【0020】Al:Alは脱酸剤として使用される元素であ
り、0.005wt%未満ではその効果が十分でなく0.05wt% を
超えるとアルミナ系酸化物が増加し疲労特性、加工性を
低下させる。そのため、含有量を0.005 〜0.05wt% とし
た。
り、0.005wt%未満ではその効果が十分でなく0.05wt% を
超えるとアルミナ系酸化物が増加し疲労特性、加工性を
低下させる。そのため、含有量を0.005 〜0.05wt% とし
た。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の鋼組成を表
1のNo.9〜No.20 に示す。No.9はSC系の鋼に、No.10 、
No.11 、No.12 、No.13 、No.14 、No.15 は SCR系の鋼
に、No.16 、No.17 、No.19 、No.20 は SCM系に、No.1
8 はSNCM系にそれぞれ相当する鋼である。さらにNo.9〜
No.18 はTiの単独添加であり、No.19 はTiとV 、No.20
はTiとNbの複合添加である。なお、No.9におけるCrとN
o.9〜No.15 におけるMoは不可避不純物として含有され
るものである。
1のNo.9〜No.20 に示す。No.9はSC系の鋼に、No.10 、
No.11 、No.12 、No.13 、No.14 、No.15 は SCR系の鋼
に、No.16 、No.17 、No.19 、No.20 は SCM系に、No.1
8 はSNCM系にそれぞれ相当する鋼である。さらにNo.9〜
No.18 はTiの単独添加であり、No.19 はTiとV 、No.20
はTiとNbの複合添加である。なお、No.9におけるCrとN
o.9〜No.15 におけるMoは不可避不純物として含有され
るものである。
【0022】
【実施例】表1に示す種々の化学成分(wt%)の肌焼鋼を
100kg真空溶解炉で溶製し、1250℃で20mmφ棒鋼に鍛伸
した後、 900℃で焼ならしを行い、14mmφ×21mmH の円
柱試験片を作成した後、端面拘束型圧縮試験機を使用し
加工率70% で加工したものと加工無しのもの2種類の試
験片を作製した。そして、 925℃、 950℃、 975℃の各
温度で6時間保持した後水焼入れを行いオーステナイト
結晶粒粗大化温度を調べた。その結果を表2および表3
に示す。また、比較鋼No.4、No.5と本発明鋼No.11 につ
いて、加工率0%のものと70% 加工したものの結晶粒度(J
IS規格の G0551で記載する方法で測定) を初期温度(850
℃)のみのものとさらに加熱保持したものとで対比して
表4および表5に示す。表4および表5において、初期
粒度は850℃で30分保持した後焼入れを行ない、測定し
たオーステナイト結晶粒度である。表2、表3、表4、
表5から明確なように本発明鋼は加工を70% 施しても結
晶粒粗大化温度が975 ℃以上となっており、比較鋼特に
B 添加鋼に比べて結晶粒粗大化抑制効果に優れている。
100kg真空溶解炉で溶製し、1250℃で20mmφ棒鋼に鍛伸
した後、 900℃で焼ならしを行い、14mmφ×21mmH の円
柱試験片を作成した後、端面拘束型圧縮試験機を使用し
加工率70% で加工したものと加工無しのもの2種類の試
験片を作製した。そして、 925℃、 950℃、 975℃の各
温度で6時間保持した後水焼入れを行いオーステナイト
結晶粒粗大化温度を調べた。その結果を表2および表3
に示す。また、比較鋼No.4、No.5と本発明鋼No.11 につ
いて、加工率0%のものと70% 加工したものの結晶粒度(J
IS規格の G0551で記載する方法で測定) を初期温度(850
℃)のみのものとさらに加熱保持したものとで対比して
表4および表5に示す。表4および表5において、初期
粒度は850℃で30分保持した後焼入れを行ない、測定し
たオーステナイト結晶粒度である。表2、表3、表4、
表5から明確なように本発明鋼は加工を70% 施しても結
晶粒粗大化温度が975 ℃以上となっており、比較鋼特に
B 添加鋼に比べて結晶粒粗大化抑制効果に優れている。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明による鋼
は、Ti単独あるいはTiと V、Nbを複合添加することによ
って鋼中に微細な化合物を析出させ、浸炭時のオーステ
ナイト結晶粒度の粗大化を抑制し、結晶粒度特性に優れ
た効果を有するものである。
は、Ti単独あるいはTiと V、Nbを複合添加することによ
って鋼中に微細な化合物を析出させ、浸炭時のオーステ
ナイト結晶粒度の粗大化を抑制し、結晶粒度特性に優れ
た効果を有するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.10〜0.35wt% 、Si:0.03〜0.35wt%
、Mn:2.0wt%以下、B:0.0005〜0.005wt%、Ti:0.1wt%
超〜0.2wt%、 N:0.015wt%以下、Al:0.005〜0.05wt%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特
徴とする肌焼ボロン鋼。 - 【請求項2】 C:0.10〜0.35wt% 、Si:0.03〜0.35wt%
、Mn:2.0wt%以下、B:0.0005〜0.005wt%、Ti:0.1wt%
超〜0.2wt%、 N:0.015wt%以下、Al:0.005〜0.05wt%
を含有し、さらにCr:2.0wt%以下、Mo:0.5wt%以下、N
i:3.0wt%以下のうち1種又は2種以上を含有し、残部F
eおよび不可避不純物からなることを特徴とする肌焼ボ
ロン鋼。 - 【請求項3】 請求項1に記載の鋼のFeおよび不可避不
純物を除く鋼成分に加えて、さらに V:0.02〜0.10wt%
、Nb:0.02〜0.10wt% の1種または2種を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする肌焼
ボロン鋼。 - 【請求項4】 請求項2に記載の鋼のFeおよび不可避不
純物を除く鋼成分に加えて、さらに V:0.02〜0.10wt%
、Nb:0.02〜0.10wt% の1種または2種を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする肌焼
ボロン鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25774196A JPH1081938A (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25774196A JPH1081938A (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004338202A Division JP2005163181A (ja) | 2004-11-22 | 2004-11-22 | 結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼の浸炭熱処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081938A true JPH1081938A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=17310463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25774196A Pending JPH1081938A (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 結晶粒度特性に優れた肌焼ボロン鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1081938A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2135962A4 (en) * | 2007-03-29 | 2015-03-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | CEMENTED STEEL PIPE HAVING EXCELLENT SHAPEABILITY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME |
-
1996
- 1996-09-05 JP JP25774196A patent/JPH1081938A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2135962A4 (en) * | 2007-03-29 | 2015-03-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | CEMENTED STEEL PIPE HAVING EXCELLENT SHAPEABILITY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
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