JPH1081582A - 単結晶引上装置 - Google Patents

単結晶引上装置

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JPH1081582A
JPH1081582A JP23636196A JP23636196A JPH1081582A JP H1081582 A JPH1081582 A JP H1081582A JP 23636196 A JP23636196 A JP 23636196A JP 23636196 A JP23636196 A JP 23636196A JP H1081582 A JPH1081582 A JP H1081582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大重量の単結晶を製造する際に単結晶の落下を
生ずることなく安全に引き上げることができる単結晶引
上装置を提供する。 【解決手段】回転されつつ引上げられる単結晶3に逆円
錐状の係合段部6を形成させるメイン引上手段23と、そ
の単結晶を把持する保持機構11と、前記メイン引上手段
の引上速度と同調して前記保持機構を上昇させるサブ引
上手段24を具備する単結晶引上装置であって、前記保持
機構にはその昇降にともなって所定の昇降位置で上下動
するプッシュロッド16と、このプッシュロッドの上昇動
作によって旋回し前記単結晶の係合段部6を係合・把持
する係合部材13とが設けられていることを特徴とする単
結晶引上装置である。上記の引上装置において、メイン
引上手段23およびサブ引上手段24はワイヤーの巻上、巻
下によって独立して昇降可能とし、さらにサブ引上手段
24は保持機構の傾き防止手段18を介して保持機構11を昇
降させるのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチョクラルスキー法
(以下、「CZ法」という)によって単結晶を製造する
引上装置に関し、さらに詳しくは大重量の単結晶を製造
する際に単結晶の落下を生ずることなく安全に引き上げ
ることができる単結晶引上装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単結晶の製造方法は種々あるが、なかで
も、シリコン単結晶の育成に関し、工業的に量産が可能
な方式で広く応用されているものとしてCZ法がある。
この方法による単結晶の製造は、坩堝内に収容された結
晶原料の溶融液の表面に種結晶を接触させ、坩堝を回転
させるとともに、この種結晶を反対方向に回転させなが
ら上方へ引上げることによって、種結晶の下端に溶融液
が凝固した単結晶を育成していく。
【0003】CZ法によって単結晶を製造する場合に、
種結晶を溶融液に接触させたとき熱ショックで発生した
転位を完全に除去し、単結晶の本体(ボディ)に及ばな
いようにする必要がある。通常、この方策として、転位
を結晶表面から排除して単結晶を無転位化するために、
直径を細長く絞る、所謂「ダッシュズネック処理」が採
用されている。このときの無転位化に必要なダッシュズ
ネックの直径は約3mmで、その長さは30mm必要とされて
いる。
【0004】従来、CZ法によって製造される単結晶の
重量は、20〜30Kg程度に限定されていたが、近年におい
て半導体製造の効率化の要請が強く、単結晶の大径化と
共に長尺化の傾向が顕著となり、単結晶の重量が 100Kg
を超える場合も多くなってきた。単結晶の重量は細く絞
られたダッシュズネック部で負担するのであるが、上述
の通り、製造される単結晶の重量が増大してきても、負
担できる荷重に限界がある。単結晶が重くなり過ぎて引
上中に捩じれまたは曲げ応力が加わると、単結晶のダッ
シュズネックが破損し、単結晶が坩堝内の溶融液に落下
することになり、さらに引上装置の損傷や溶融液の流
出、水蒸気爆発等の事態が発生し、人身事故を招く恐れ
もある。
【0005】そこで、単結晶の大重量化にともなって頻
発することが予想される引上中の落下等の事故を防止す
ることを目的として、改善を加えた引上装置が提案され
ている(例えば、特開平3−285893号公報、特開平3−
295893号公報参照)。すなわち、単結晶の上部に係合段
部を形成し、この係合段部を複数の爪、または爪を有す
る複数の把持ホルダーで係合・把持する構造を採用する
ことによって、引上途中における単結晶の落下を防いで
いる。このため、提案の引上装置を用いれば、大重量の
単結晶を引上げる場合であっても、単結晶の引上を確
実、かつ安全に行うことができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−285893号公
報および特開平3−295893号公報で開示された引上装置
では、前述の通り、単結晶に形成された係合段部を爪、
または爪を有する把持ホルダーで係合・把持するもので
あり、このとき、引上られる単結晶の中心位置と引上軸
とのズレを無くすことが品質上重要な管理項目になる。
そのため、上記の引上装置では、これらの対応として複
数の爪または複数の把持ホルダーを設けて、個々の爪ま
たは把持ホルダーの微調整によって位置ズレをなくし、
係合段部での係合・把持を確実なものとしている。
【0007】しかしながら、単結晶の引上は密閉された
真空チャンバー内で行われるから、常時、上昇および回
転を続ける単結晶の係合段部に合致するように爪または
把持ホルダーの動作を外部から遠隔操作で微調整するの
は非常に困難である。そのため、係合段部で係合・把持
される位置の調整が不具合になり易く、一旦位置ズレが
発生すると引上げられた単結晶の品質の著しい低下を及
ぼすだけでなく、引上中に単結晶に捩じれが加わり単結
晶が大きく傾いて、爪または把持ホルダーの係合が外れ
単結晶を落下させる恐れもある。
【0008】本発明は、上述した従来の引上装置で見ら
れる問題点を解決し、単結晶に設けられた係合段部での
係合・把持を確実なものとし、大重量の単結晶を引上げ
る場合であっても落下事故を発生することなく、単結晶
を適切に製造することができて、安全性に優れる単結晶
引上装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すよ
うに、次の単結晶引上装置を要旨としている。
【0010】すなわち、回転されつつ引上げられる単結
晶3に逆円錐状の係合段部6を形成させるメイン引上手
段23と、その単結晶を把持する保持機構11と、前記メイ
ン引上手段の引上速度と同調して前記保持機構を上昇さ
せるサブ引上手段24を具備する単結晶引上装置であっ
て、前記保持機構にはその昇降にともなって所定の昇降
位置で上下動するプッシュロッド16と、このプッシュロ
ッドの上昇動作によって旋回し前記単結晶の係合段部6
を係合・把持する係合部材13とが設けられていることを
特徴とする単結晶引上装置である。
【0011】ここで保持機構に設けられる「係合部材」
とは、後述の図1、図4に示すように、保持レバー14お
よび回転レバー15によって一体的に構成されるものであ
り、回転レバー15の先端部はプッシュロッド16と当接さ
れている。
【0012】上記の引上装置において、メイン引上手段
23およびサブ引上手段24はワイヤーの巻上、巻下によっ
て独立して昇降可能とし、さらにサブ引上手段24は保持
機構の傾き防止手段18を介して保持機構11を昇降させる
のが望ましい。保持機構11の傾きを解消し、安定した引
上操作と単結晶の品質向上が図れるからである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の単結晶引上装置では、メ
イン引上手段によって種結晶を溶融液面へ接触後、回転
させながら引き上げてダッシュズネック処理し、次いで
単結晶に逆円錐状の係合段部を形成さてのち、ショルダ
ーの成形および単結晶本体の引上げを行う。一方、引上
の進捗にともなって単結晶の重量が増加するが、ダッシ
ュズネック部で負担できる荷重の限界に達する前に、サ
ブ引上手段による単結晶の保持に移行する。
【0014】具体的な操作として、サブ引上手段の下降
操作によって上方で待機していた保持機構を下降させ
る。この下降の際、保持機構の下端に設けられたプッシ
ュロッドが、所定の位置で単結晶ショルダーに押し上げ
られて上昇動作する。この上昇動作によって、これと当
接している係合部材の回転レバーが押し上げられるとと
もに、保持レバーは旋回して単結晶の係合段部を係合す
る。旋回して閉じた保持レバーの受け面は切れ目のない
リング形状をしているので、単結晶を確実に係合・把持
することができる。
【0015】保持機構の保持レバーによる単結晶の係合
・把持が完了すると、メイン引上手段とサブ引上手段の
引上速度を同調させて保持機構を上昇させる。このと
き、保持機構の傾きをなくすために、エコライザー等の
傾き防止手段を取り付けることが望ましい。
【0016】
【実施例】以下、本発明の単結晶引上装置の具体的な構
成例を図面に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明装置の全体構成例を説明す
る縦断面図である。同図に示すように、真空チャンバ
(図示せず)内の中心位置には坩堝1が配設され、その
内部には原料となる多結晶シリコンが溶融された溶融液
2が保持されている。坩堝1の上方には種結晶ホルダー
10、保持機構11が配置され、さらに上方にはシリコン単
結晶3を回転させつつ引き上げる手段であるメイン引上
手段23と、保持機構11を昇降させる手段であるサブ引上
手段24とが設けられ、これらは引上機構22を構成する。
【0018】本発明装置においては、メイン引上手段23
によって巻き取られる1本のメインワイヤー20と、サブ
引上手段24によって巻き取られる2本のサブワイヤー21
とが垂設されており、これらは独立して昇降が行われ
る。また、メイン引上手段23とサブ引上手段24とから成
る引上機構22は、引上工程において単結晶を一定速度で
回転させるため、図示しない構造によって所定方向に回
転される。
【0019】上記メインワイヤー20の下端には種結晶ホ
ルダー10が取り付けられ、一方、2本のサブワイヤー21
の先端にはエコライザー18を介して保持機構11が配置さ
れている。ここで用いられるエコライザー18は、保持機
構11の傾き防止手段として作用する。
【0020】図2は、前記図1のA−A矢視で示される
保持機構およびエコライザーの横断面図である。図中の
符号12は保持機構の外観を形成する保持ホルダーである
が、エコライザー18はピン19を介して保持ホルダー12に
軸支されるとともに、2本のサブワイヤー21によって垂
設される。このような構造を採用するので、2本のサブ
ワイヤー21の巻取りに差が生じたとしてもエコライザー
18が傾くことになるが、保持機構11には影響が及ばな
い。したがって、保持機構11の中心軸と単結晶3の中心
軸とがずれることなく、保持機構11によって単結晶を確
実に保持することができる。
【0021】図3は、前記図1のB−B矢視で示される
保持機構に設けられる係合部材の構成例を説明する平面
図である。図1および図3から明らかなように、係合部
材13は保持レバー14および回転レバー15によって一体的
に構成される。係合部材13は保持ホルダー12の内面下端
部に回転自在の状態で取り付けられ、保持ホルダー12側
の支点を中心として、保持レバー14は垂直となるように
開いた状態から水平となる閉じた状態になるまで90°旋
回できる。
【0022】図4は、保持機構の下降にともなって係合
部材が旋回する動作を説明する図である。前述の通り、
メイン引上手段23で負担できる荷重の限界に達する前
に、サブ引上手段の下降操作によって上方で待機してい
た保持機構11を下降させる。この下降の際、単結晶の係
合段部に形成される径大部7が保持機構11の下端部を通
過したのち、保持機構11の下端に設けられたプッシュロ
ッド16が、単結晶ショルダー4に押し上げられて上昇す
る。このプッシュロッド16の上昇動作によって、これと
当接している回転レバー15が押し上げられ、一体で構成
される保持レバー14が旋回して、単結晶の係合段部を係
合するように閉じる。閉じられた保持レバー14はストッ
パー17に支持され、前記図3に示すように、一定の開口
孔径を形成する。この開口孔径は単結晶の径大部より小
さな径であり、しかも、保持レバーの受け面は切れ目の
ないリング形状をしているので、一旦保持レバーが閉じ
られると、係合が外れる心配はなく、単結晶の係合段部
に寸法的なズレがあっても、確実に係合・把持すること
ができる。
【0023】本発明装置において、係合部材13を保持レ
バー14および回転レバー15によって構成することによっ
て、回転レバー15が水平状態からプッシュロッド16の押
し上げによって角度30°程度の旋回を行うと、係合部材
13の重心位置が変化し、その後は自重によって旋回が持
続され、保持レバー14は閉じた状態に移行する。保持レ
バー14は閉じた状態では、保持レバーの受け面が寄り集
まってリング状の保持面を形成する。
【0024】保持ホルダー12の内面円周に設けられる係
合部材の個数は、図3では4個の場合を示しているが、
リング状の保持面が形成できる限りにおいて、これに限
定するものではない。
【0025】次に具体的な操作手順を説明する。単結晶
の引上開始時には、サブ引上手段24は保持機構11を上方
に保持した状態で待機する。一方、メイン引上手段23の
先端に設けられた種結晶ホルダー10に種結晶9を取付け
て、この種結晶9をシリコン溶融液2の液面の中心部に
接触させる。その後メイン引上手段23を作動させて種結
晶9を回転させながらゆっくり上昇させ、ダッシュズネ
ック(種絞り部)8を形成させる。次いで、単結晶の引
上速度を遅くして単結晶の直径を増大させ径大部7を成
形し、そののち単結晶の直径を徐々に小さくし、くびれ
部5まで細めて断面形状が逆円錐状になる係合段部6を
形成する。
【0026】係合段部6を形成したのち、再び単結晶の
直径を増大させてショルダー4を形成し、その後引上速
度、回転速度を定常条件に調整して所定直径の単結晶ボ
ディ3の引上に移行する。
【0027】定常の単結晶の引上に移行後、引き上げら
れる単結晶の重量が一定の重量に達した時点、例えば、
単結晶ボディ3の長さが1mになる時点で、上方で待機
していた保持機構11を下降させる。その下降段階におい
て、前記図4で説明したように、保持レバー14は開いた
状態で単結晶の径大部7を通過させ、その後、単結晶の
ショルダー4によって押し上げられたプッシュロッドの
作用によって、保持レバー14は閉じた状態にする。
【0028】保持機構11の係合部材13で単結晶の係合段
部6を係合・把持したのち、サブ引上手段24は、メイン
引上手段23の引上速度と同調して保持機構11を上昇させ
る。
【0029】ここで、係合部材である保持レバー14で単
結晶を把持させて保持機構11を上昇させるのは、単結晶
の重量が一定の重量に達した以降、すなわち、少なくと
も引上工程の後半段階であればよい。
【0030】メイン引上手段23とサブ引上手段24とを同
調して保持機構11を上昇させる際には、メイン引上手段
23のメインモーター25は速度制御で、サブ引上手段24の
サブモーター26はトルク制御とするのが望ましい。
【0031】このような引上駆動モーターの制御方式を
採用することによって、単結晶の重量をサブ引上手段の
保持機構で分担することができる。したがって、引上駆
動モーターの制御系どうしの干渉を防止でき、引上速度
およびメインモーターとサブモーター間の負荷割合を正
確に制御ができ、ショックのない安定した単結晶引き上
げが可能になる。
【0032】
【発明の効果】本発明の単結晶引上装置によれば、単結
晶に設けられた係合段部での係合・把持を確実なものと
し、大重量の単結晶を引上げる場合であっても落下事故
を発生することなく、単結晶を安全に製造することがで
きる。しかも簡易な装置で適用でき、多大な設備費を必
要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体構成例を説明する縦断面図で
ある。
【図2】図1のA−A矢視で示される保持機構およびエ
コライザーの横断面図である。
【図3】図1のB−B矢視で示される保持機構に設けら
れる係合部材の構成例を説明する平面図である。
【図4】保持機構の下降にともなって係合部材が旋回す
る動作を説明する図である。
【符号の説明】
1…坩堝、 2…溶融液、 3…単結晶ボディ 4…単結晶ショルダー、 5…くびれ部 6…係合段部、 7…径大部 8…ダッシュズネック(種絞り部) 9…種結晶、 10…種結晶ホルダー 11…保持機構、 12…保持ホルダー 13…係合部材、 14…保持レバー 15…回転レバー、 16…プッシュロッド 17…ストッパー、 18…エコライザー 19…ピン、 20…メインワイヤー、 21…サブワイヤー 22…引上機構、 23…メイン引上手段 24…サブ引上手段、 25…メインモーター 26…サブモーター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転されつつ引上げられる単結晶に逆円錐
    状の係合段部を形成させるメイン引上手段と、その単結
    晶を把持する保持機構と、前記メイン引上手段の引上速
    度と同調して前記保持機構を上昇させるサブ引上手段を
    具備する単結晶引上装置であって、前記保持機構にはそ
    の昇降にともなって所定の昇降位置で上下動するプッシ
    ュロッドと、このプッシュロッドの上昇動作によって旋
    回し前記単結晶の係合段部を係合・把持する係合部材と
    が設けられていることを特徴とする単結晶引上装置。
  2. 【請求項2】上記メイン引上手段およびサブ引上手段は
    ワイヤーの巻上、巻下によって独立して昇降可能とし、
    さらにサブ引上手段は保持機構の傾き防止手段を介して
    保持機構を昇降させることを特徴とする請求項1記載の
    単結晶引上装置。
JP8236361A 1996-09-03 1996-09-06 単結晶引上装置 Expired - Lifetime JP2990659B2 (ja)

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