JPH1080143A - ダイオード整流回路 - Google Patents

ダイオード整流回路

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JPH1080143A
JPH1080143A JP18206197A JP18206197A JPH1080143A JP H1080143 A JPH1080143 A JP H1080143A JP 18206197 A JP18206197 A JP 18206197A JP 18206197 A JP18206197 A JP 18206197A JP H1080143 A JPH1080143 A JP H1080143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダイオード整流器の入力電流において発生する
{12n±1次,n=1,2,3,…}で表される高調
波成分を低減でき、かつ構成もコンパクトにできるダイ
オード整流回路を提供することにある。 【解決手段】三相交流電源1から30度の位相差を有す
る電圧が入力されるダイオード整流器4および4′にお
いて、周波数が前記ダイオード整流器に入力される電圧
の周波数の6倍である電圧を一方のダイオード整流器の
出力電圧に加えると共に、前記6倍周波数の電圧とは逆
位相の電圧を他方のダイオード整流器の出力電圧に加え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電力から直流
電力を得るダイオード整流回路に係り、特に電源高調波
を低減できるダイオード整流回路に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電源から任意の電圧の直流を得る場
合に、ダイオード整流器が広く用いられている。ダイオ
ード整流器は回路構成が簡単であり、容易に直流電圧が
得られるため、家電製品から一般産業機器まで、広範囲
にわたって使用されている。
【0003】しかし、ダイオード整流器を用いた場合、
入力電流には電源高調波と呼ばれる5,7,11,13
次等の高調波成分が多く発生するため、それぞれの各次
高調波成分を除去するフィルタが接続されていた。
【0004】だが、フィルタを用いることにより、装置
の大型化という新たな問題が発生する。そこで、できる
だけフィルタを用いずに、かつ前述の電源高調波を低減
するために、ダイオード整流器を2台組み合わせたダイ
オード整流回路を使用する場合がある。
【0005】その構成を図11に示す。図に示されるよ
うに、このダイオード整流回路は、一方のダイオード整
流器の入力電圧位相を変圧器を用いて30°ずらし、か
つ両ダイオード整流器の出力端(直流側)を直列接続
(あるいは並列接続)して構成される。このダイオード
整流回路において、ダイオード整流器の入力電流Iu1 ,
Iu2 、電源電流Iu、ならびに変換器の出力電流Irec
1,Irec2の波形は、図12のようになる。図12(b)
のIu1 の電流波形には、5次,7次,11次,13次等
の高調波成分が多く含まれており、図12(c)のIu2
にもIu1と等しい量の高調波成分が含まれている。ただ
し、Iu2 に含まれる5次,7次等(6m±1次,m=
1,3,5,…)の高調波成分は、Δ−Y結線の変圧器
により、位相が180°変化する。よって、Iu1とIu2を
加算すると、5次,7次,17次,19次等の{6m±
1次,m=1,3,5,…}で表される高調波成分が消
去され、Iuは図12(d)のようになる。
【0006】このように、{6m±1次,m=1,3,
5,…}で表される高調波成分は原理的に消去されるた
め、電源電流Iuにおける高調波成分を低減できる。よ
って、これらの高調波成分の消去を目的としたフィルタ
の設置は不要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術では、11次,13次等(12n±1次,n=1,
2,3,…)の高調波成分は変圧器3を介しても位相が
変化しないため、消去することができず、そのまま残留
する。そのため、これらの高調波成分を低減するための
フィルタを設置する等の対策が依然として必要とされ
る。
【0008】このように、従来のダイオード整流回路で
は、入力電流に含まれる高調波成分、特に{12n±1
次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分の抑制
が課題となっている。
【0009】本発明の目的は、ダイオード整流器の入力
電流において発生する{12n±1次,n=1,2,
3,…}で表される高調波成分を低減でき、かつ構成も
コンパクトにできるダイオード整流回路を提供すること
にある。
【0010】本発明の他の目的は、ダイオード整流器の
入力電流において発生する{6m±1次,m=1,3,
5,…}で表される高調波成分を低減できるダイオード
整流回路を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、ダイオード整流器の
出力端に交流電圧および交流電流のいずれか一方を加え
るための単相交流電源の構成を簡単にし、単相交流電源
をコンパクトにできるダイオード整流回路を提供するこ
とにある。
【0012】本発明の他の目的は、ダイオード整流器の
出力電流に含まれる電流脈動を低減できるダイオード整
流回路を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、ダイオード整流器に
接続される平滑コンデンサの容量を低減できるダイオー
ド整流回路を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、ダイオード整流器の
入力電流において発生する{12n±1次,n=1,
2,3,…}で表される高調波成分を更に低減できるダ
イオード整流回路を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、ダイオード整流器の
出力電流が変化した場合にも、ダイオード整流器の入力
電流において発生する{12n±1次,n=1,2,
3,…}で表される高調波成分を低減できるダイオード
整流回路を提供することにある。本発明の他の目的は、
ダイオード整流器の入力電流において発生する{12n
±1次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分の
低減を、ダイオード整流器の出力電流が変化した場合に
も、簡単な構成で行えるダイオード整流回路を提供する
ことにある。
【0016】本発明の他の目的は、構成を更にコンパク
トにできるダイオード整流回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記他の目的を達成する
第1の発明の特徴は、三相交流電源から交流電圧を入力
し、直流電圧を出力する第1ダイオード整流器と、出力
端が前記第1ダイオード整流器の出力端と直列に接続さ
れ、かつ前記三相交流電源から前記交流電圧とは位相が
30度ずれた交流電圧を入力し、直流電圧を出力する第
2ダイオード整流器と、周波数が前記三相交流電源の周
波数の6倍である交流電圧および交流電流のいずれか一
方を、前記第1ダイオード整流器の出力端および前記第
2ダイオード整流器の出力端に加える単相交流電源を備
えたことにある。2台のダイオード整流器の出力端に、
周波数が三相交流電源の周波数の6倍である電圧および
電流のいずれか一方を加えることにより、両ダイオード
整流器の直流出力電流は強制的に脈動し、両ダイオード
整流器の入力電流に発生する{12n±1次,n=1,
2,3,…}で表される高調波成分が低減される。ま
た、30度の位相差を有する電圧を両ダイオード整流器
に入力することにより、両ダイオード整流器の入力電流
に発生する{6m±1次,m=1,3,5,…}で表さ
れる高調波成分は、互いに位相が180°ずれる。よっ
て、互いに打ち消し合い、電源において発生する{6m
±1次,m=1,3,5,…}で表される高調波成分を
低減できる。
【0018】上記他の目的を達成する第2の発明の特徴
は、単相交流電源は、第1ダイオード整流器と第2ダイ
オード整流器の直列接続点、およびダイオード整流回路
の中間電圧点に接続することにある。第1ダイオード整
流器と第2ダイオード整流器の直列接続点、およびダイ
オード整流回路の中間電圧点に単相交流電源を接続する
ことにより、1つの単相交流電源で両ダイオード整流器
の出力端に単相交流電圧あるいは電流を加えることがで
きるため、単相交流電源の構成が簡単になり、単相交流
電源がコンパクトになる。
【0019】上記他の目的を達成する第3の発明の特徴
は、1次側の巻き線が単相交流電源に接続され、2次側
の第1巻き線が第1ダイオード整流器の出力端に接続さ
れ、2次側の第2巻き線が第2ダイオード整流器の出力
端に接続された変圧器を備えたことにある。このような
変圧器と1つの単相交流電源によって両ダイオード整流
器の出力端に単相交流電圧あるいは電流を加えることが
でき、単相交流電源の数を減らすことができる。
【0020】上記他の目的を達成する第4の発明の特徴
は、三相交流電源から交流電圧を入力し、直流電圧を出
力する第1ダイオード整流器と、出力端が前記第1ダイ
オード整流器の出力端と並列に接続され、かつ前記三相
交流電源から前記交流電圧とは位相が30度ずれた交流
電圧を入力し、直流電圧を出力する第2ダイオード整流
器と、周波数が前記三相交流電源の周波数の6倍である
交流電圧および交流電流のいずれか一方を、前記第1ダ
イオード整流器の出力端および前記第2ダイオード整流
器の出力端に加える単相交流電源を備えたことにある。
2台のダイオード整流器の出力端に、周波数が三相交流
電源の周波数の6倍である電圧および電流のいずれか一
方を加えることにより、両ダイオード整流器の直流出力
電流は強制的に脈動し、両ダイオード整流器の入力電流
に発生する{12n±1次,n=1,2,3,…}で表
される高調波成分が低減される。また、30度の位相差
を有する電圧を両ダイオード整流器に入力することによ
り、両ダイオード整流器の入力電流に発生する{6m±
1次,m=1,3,5,…}で表される高調波成分は、
互いに位相が180°ずれる。よって、互いに打ち消し
合い、電源において発生する{6m±1次,m=1,
3,5,…}で表される高調波成分を低減できる。更
に、両ダイオード整流器の出力電流には位相のずれた電
流脈動が含まれるため、両ダイオード整流器の出力端を
並列接続することによって、出力電流に含まれる電流脈
動が打ち消し合い、電流脈動を低減することができる。
【0021】上記他の目的を達成する第5の発明の特徴
は、1次側の巻き線が単相交流電源に接続され、2次側
の第1巻き線が第1ダイオード整流器の出力端に接続さ
れ、2次側の第2巻き線が第2ダイオード整流器の出力
端に接続された変圧器を備えたことにある。このような
変圧器と1つの単相交流電源によって両ダイオード整流
器の出力端に単相交流電圧あるいは電流を加えることが
でき、単相交流電源の数を減らすことができる。
【0022】上記他の目的を達成する第6の発明の特徴
は、上記第4の発明の特徴に加えて、ダイオード整流器
の出力端にコンデンサを接続したことにある。第4の発
明により脈動が低減された電流がダイオード整流器から
出力されるため、ダイオード整流器の出力電流の脈動を
平滑するためのコンデンサの容量を低減することができ
る。
【0023】上記他の目的を達成する第7の発明の特徴
は、単相交流電源は、第2ダイオード整流器の出力端に
加える交流電圧あるいは交流電流として、第1ダイオー
ド整流器の出力端に加える交流電圧あるいは交流電流と
は逆位相の交流電圧あるいは交流電流を出力することに
ある。ダイオード整流器の出力端に加える交流電圧ある
いは電流を第1ダイオード整流器と第2ダイオード整流
器とで逆位相にすることにより、両ダイオード整流器の
直流出力電流は強制的に脈動し、かつ逆位相となるた
め、両ダイオード整流器の入力電流に発生する{12n
±1次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分を
より低減できる。
【0024】上記他の目的を達成する第8の発明の特徴
は、単相交流電源は、ダイオード整流器の出力端に加え
る交流電圧として、方形波の波形を有する電圧を出力す
ることにある。単相交流電源の出力電圧を、正弦波、或
いは三角波等とする場合と比較して、方形波を用いた場
合にはダイオード整流器の入力電流に発生する{12n±
1次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分をよ
り低減できる。
【0025】上記他の目的を達成する第9の発明の特徴
は、単相交流電源は、ダイオード整流器の出力端に加え
る交流電流として、三角波の波形を有する電流を出力す
ることにある。単相交流電源の出力電流を、正弦波、或
いは方形波等とする場合と比較して、三角波を用いた場
合にはダイオード整流器の入力電流に発生する{12n±
1次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分をよ
り低減できる。
【0026】上記他の目的を達成する第10の発明の特
徴は、単相交流電源は、ダイオード整流器の出力端に加
える交流電圧あるいは交流電流の振幅を、電流検出器に
よって検出された前記ダイオード整流器の出力電流の検
出値に基づいて変化させることにある。単相交流電源の
出力電圧あるいは電流の振幅をダイオード整流器の出力
電流検出値に応じて変化させることにより、ダイオード
整流器の出力電流が変化した場合にも、ダイオード整流
器の入力電流に発生する{12n±1次,n=1,2,
3,…}で表される高調波成分を低減できる。
【0027】上記他の目的を達成する第11の発明の特
徴は、単相交流電源は、電流検出器によって検出された
ダイオード整流器の出力電流の検出値に基づいてPWM
制御されるインバータであることにある。単相交流電源
としてPWM制御されるインバータを用いることによ
り、簡単な構成で単相交流電源の出力電圧あるいは電流
の振幅を可変にすることができる。このため、ダイオー
ド整流器の出力電流が変化した場合にも、ダイオード整
流器の入力電流に発生する{12n±1次,n=1,
2,3,…}で表される高調波成分を低減できる。
【0028】上記他の目的を達成する第12の発明の特
徴は、インバータは、入力電力をダイオード整流器の出
力電力から得ることにある。インバータの入力電力とし
てダイオード整流器の出力電力を用いることにより、イ
ンバータ用の直流回路電源を別途設ける必要がなくな
る。このため、ダイオード整流回路を小型化することが
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例を詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の好適な一実施例であるダ
イオード整流回路を示す。図1において、1は三相交流
電力を出力する三相交流電源で、その出力は変圧器2及
び3に入力される。変圧器2は三相交流電源1から出力
された三相交流電圧を変圧して出力するΔ−Δ結線の変
圧器であり、1次側(入力側)と2次側(出力側)の電
圧は同位相となる。また、変圧器3は三相交流電源1か
ら出力された三相交流電圧を変圧して出力するΔ−Y結
線の変圧器であり、2次側の電圧は1次側の電圧と30
°の位相差をもって出力される。なお、変圧器2および
3の1次側と2次側の電圧比、並びに漏れインダクタン
スは等しい。変圧器2の2次側はダイオード整流器4の
入力端に、また変圧器3の2次側はダイオード整流器
4′の入力端にそれぞれ接続される。ダイオード整流器
4および4′は、それぞれ6個のサイリスタからなるダ
イオード整流器であり、入力された交流電圧を直流電圧
に変換して出力する。なお、ダイオード整流器4および
4′の各々の出力端は直列に接続されている。ダイオー
ド整流器4および4′の出力端には平滑コンデンサ5お
よび5′が接続される。このため、ダイオード整流器4
および4′の各出力電圧に含まれる脈動成分(周波数が
電源周波数の6倍)は低減される。ダイオード整流器4
および4′の出力端には負荷装置6も接続され、ダイオ
ード整流器4および4′の直流出力電圧が入力される。
この負荷装置6としては、インバータ等の負荷が接続さ
れ、場合によっては、負荷の中間電圧点を平滑コンデン
サ5と5′の接続点(中間電圧点)と接続することもあ
る。7は本実施例の特徴部である単相交流電源で、図に
示すように、一端がダイオード整流器4および4′を接
続する配線に接続され、他端が平滑コンデンサ5および
5′を接続する配線に接続される。
【0031】次に、本実施例の特徴部である単相交流電
源7について説明する。
【0032】図2(g)に、単相交流電源7の出力電圧
波形Viを示す。Viは、ダイオード整流器4及び4′
の入力電圧の周波数の6倍周波数の方形波であり、その
波高値Vsは所定の値に設定される。波高値Vsの設定
方法については後述する。図2(g)に示すような方形
波の電圧をダイオード整流器4および4′の出力電圧に
加えることによって、各ダイオード整流器の出力電流Ir
ec1とIrec2は、図2(e),(f)に示すような三角波の
電流波形に整形される。図2(e),(f)の波形は、電
流値の下側のピーク値が、ちょうどIrec1=0,Irec2=
0に接するように調整されている。この結果、ダイオー
ド整流器4および4′の入力電流であるIu1およびIu2
は、図2(b),(c)に示す波形となり、Iu1とIu2の両
者を加算した電流である電源電流Iuは、図2(d)に
示されるように、歪みの少ない電流となる(図2(a)
は電源電圧Euを示す。)。
【0033】図12(b),(c)のIu1,Iu2(従来のダ
イオード整流回路におけるダイオード整流器の入力電
流)に比べて、図2(b),(c)のIu1,Iu2は{6m±
1次,m=1,3,5,…}で表される高調波成分(以
下代表として5次,7次高調波成分に関して述べる)が
増加し、総合歪み率も増加している。しかし、{12n
±1次分,n=1,2,3,…}で表される高調波成分
(以下代表として11次,13次高調波成分に関して述
べる)については、図2(b),(c)のIu1,Iu2は、図
12(b),(c)のIu1,Iu2に比べて少なくなってい
る。ダイオード整流回路では、Iu1とIu2において位相が
180度ずれている5次,7次の高調波成分は、Iu1とI
u2を足し合わせることによって、消去されるため、Iu
には11次,13次高調波成分だけが残る。この結果、
Iu1とIu2に含まれる11次,13次高調波成分が少ない
本実施例では、図2(d)に示されるように、高調波成
分の極めて少ない電源電流Iuが得られる。
【0034】次に、単相交流電源7の波高値Vsの設定
方法について説明する。
【0035】まず、図3を用いて、ダイオード整流器4
の入力電流と単相交流電源7の出力電圧との関係を説明
する。ダイオード整流器4を構成する各ダイオードは、
交流入力電圧の相電圧が正の最高である相と負の最低で
ある相を含むように導通する。従って、図3(b)のよ
うに、u相の電源電圧Euが、30°から90°の期間
にある場合、u相には正の電流、v相には負の電流が流
れ、w相には電流は流れない。この時の線間電圧Euv
と、ダイオード整流器4の出力電圧Vrec1 の関係は、図
3(c)のようになる。Vrec1 は、平滑コンデンサの両
端の電圧Vdc1 に、単相交流電源の電圧Viを重畳させ
た波形になる。このVrec1 と、Euvの差がu相とv相の
総合インダクタンスに加わる。
【0036】この総合インダクタンスに加わる電圧VL
uによって、図3(e)に示すように電流Irec1(Iu)
が流れる。この時、図のように、電流リプルの波形の最
大値から最小値までの値が、ちょうどIrec1 の平均値
(=IL,C1が十分大であるとする)の2倍に一致す
るようにViの波高値Vsを決定する。総合インダクタ
ンスLにおける電圧方程式は、
【0037】
【数1】
【0038】となるので、Irec1は、
【0039】
【数2】
【0040】となる。ここで、Lは交流側の総合インダ
クタンス(一相分)である。図3において、t=0から
t=1/(12f0)の期間で、Irec1 が0から2IL
まで変化すれば、図2に示した波形が得られるので、こ
の値を代入して波高値Vsを求める。
【0041】
【数3】
【0042】ここでf0は電源周波数である。(数3)
の右辺を計算すると、(数4)が得られる。
【0043】
【数4】
【0044】更に、(数4)をVsについて解くと、
(数5)が得られる。
【0045】
【数5】 Vs=48f0・IL・L …(数5) よって、ILを定格値に設定し、(数5)に従ってVs
を決定し、設定しておけば、高調波成分の少ない入力電
流が得られる。負荷電流が変化する場合は、負荷電流に
比例してILを変更し、(数5)に従ってVsの値を計
算し、設定すれば、どのような負荷状態であっても、常
に最適な入力電流波形が得られる。
【0046】以上説明したように、本実施例によれば、
ダイオード整流器の入力電流に発生する高調波成分が低
減される。特に{12n±1次,n=1,2,3,…}
で表される高調波成分の低減に効果がある。また本実施
例のように、単相交流電源7の一端をダイオード整流器
4及び4′を接続する配線に接続し、他端を平滑コンデ
ンサ5及び5′を接続する配線に接続することにより、
1つの単相交流電源でダイオード整流器4及び4′の出
力電圧に逆位相の電圧を加えることが可能である。更に
本実施例では、単相交流電源7の出力電圧を方形波とす
ることにより、電源高調波低減の高効率化を図ってい
る。
【0047】また、本実施例によれば、単相交流電源V
iの位相を電源位相(Euの位相)に対して図2(g)
のように設定することで、単相交流電源Viを用いて入
力電流波形を整形する際、入力電流波形Iu1,Iu2の位相
を、図3に示すようにEuと(基本波に関して)同位相
にすることができる。このように、入力電流と電源電圧
の位相が一致するため、電源力率が1となり、電源力率
を大幅に改善することができる。
【0048】従来のダイオード整流器では、ACリアク
トルの影響で、負荷が大きくなるのに従って(Iuが増
加するのに従って)無効電力が増加し、力率が悪化して
いた。本実施例による整流器では、単相交流電源Vi
が、その無効成分を打ち消すように入力側に作用してい
るため、力率1を達成することができる。Viが無効電
力補償の役割を兼ねていることになる。ただし、無効電
力は負荷状態に依存して変化するため、負荷に応じてV
iの振幅を制御する必要がある(位相は固定でよい)。
【0049】本発明の他の実施例であるダイオード整流
回路を図4を用いて以下に説明する。本実施例は、実質
的に、図1の実施例における単相交流電源7として、P
WM制御されるインバータで構成される単相交流電源7
Aを用いたダイオード整流回路である。本実施例の構成
について、主に図1の実施例の構成と異なる箇所につい
て説明する。
【0050】インバータを用いた単相交流電源7Aは、
インバータ主回路71,直流回路電源72,補償電圧制
御器73,電源位相検出器74、および変調率指令演算
器75を有する。インバータ主回路71は、4つのスイ
ッチング素子(GTO)s1〜s4とフリーホイール・ダ
イオードで構成され、かつ入力となる直流電圧から交流
電圧を出力する。直流回路電源72は、インバータ主回
路71に直流電圧を供給する。補償電圧制御器73は、
インバータ主回路71の出力電圧がダイオード整流器入
力電圧周波数の6倍周波数の方形波となるように、三相
交流電源1の電圧位相θ、及び変調率指令Mに基づい
て、インバータ主回路71のスイッチング素子のゲート
信号を制御する。電源位相検出器73は、三相交流電源
1の出力電圧を読み込んで電源電圧の位相角の瞬時値で
あるθを検出し、検出した電圧位相θを補償電圧制御器
73に入力する。変調率指令演算器75は、ダイオード
整流器の出力電流IL(出力電流検出器10で検出)に
基づいて変調率指令Mを演算し、演算結果を補償電圧制
御器73に入力する。
【0051】次に、変調率指令演算器75について説明
する。変調率指令演算器75では、電流検出器10によ
り検出されたダイオード整流器4の出力電流の検出値に
基づいて、(数5)に従い波高値指令Vsを演算する。
直流回路電源72の電圧をVs0とすると、変調率指令M
は、
【0052】
【数6】
【0053】として演算される。ただし、Vs≦Vs0で
ある。ここでVs0は、最大負荷時の所要の値に予め設定
しておけばよい。変調率指令演算器75は演算した変調
率指令Mを補償電圧制御器73に入力する。
【0054】続いて、補償電圧制御器73の構成を図5
を用いて説明する。SIN演算器731は、電源位相θ
に基づいて正弦波信号A(sin(6θ))を演算し、出力
する。比較器732は、入力端子の「+」に入力された
SIN演算器731の出力信号Aと入力端子の「−」に
入力された0とを比較し、信号Aの方が大きい場合に
「1」、逆に「−」の入力値の方が大きい場合に「0」
を出力する。比較器732からは上記比較により方形波
Bが出力される。減算器737は、比較器732が出力
した数値(波形で見ると方形波)から1/2を減算す
る。乗算器738は、減算器737の出力に2を乗算
し、乗算器736は、乗算器738の出力Cと変調率M
とを乗算する。減算器737,乗算器738、および乗
算器736により振幅が変調率指令Mの値である方形波
Dが生成される。三角波発生器735は、PWM制御を
行うために用いられる三角波キャリアEを発生する。比
較器732aは、方形波Dと三角波キャリアEとを比較
してPWMパルスFを生成する。比較器732bは、方
形波Dに−1を乗算した値と三角波キャリアEとを比較
してPWMパルスGを生成する。符号反転器(インバー
タ・ロジック)733aは、比較器732aの出力であ
るPWMパルスFの符号を反転させ、符号反転器733
bは、比較器732bの出力であるPWMパルスGの符
号を反転させる。ゲートドライバ734は、PWMパル
スF,PWMパルスG,符号反転器733aの出力、及
び符号反転器733bの出力に基づいてインバータ主回
路71の各スイッチング素子を駆動する。
【0055】次に、図6を用いて、補償電圧制御器73
の動作について説明する。
【0056】SIN演算器731において、θに基づい
て演算される正弦波信号Aとu相電源電圧Euの関係
は、図6(a),(b)のようになる。正弦波信号Aは、
比較器732において0と比較されることにより正負が
判別され、信号Aが正の場合は1、負の場合は0が比較
器732から出力される。その結果、比較器732から
は図7(c)に示すような方形波Bが出力される。この方
形波Bは、減算器737,乗算器738において最大値
と最小値が±1となる方形波Cに変換され、さらに乗算
器736においてM倍される。乗算器738の出力であ
る方形波Cを図6(d)に、乗算器736の出力である
方形波Dを図6(e)に示す。この方形波Dおよび方形
波Dの符号を反転させて得られた信号は、比較器732
aおよび732bにおいて三角波発生器735の出力で
ある三角波キャリアEと比較される。三角波キャリアE
を方形波Dと共に図6(e)に示す。比較器732aお
よび732bにおいて、上記比較によりPWMパルスF
およびGが作成される(図6(f),(g))。PWMパ
ルスFはs1のゲート信号、パルスFを反転させた信号
はs2のゲート信号、PWMパルスGはs3のゲート信
号、パルスGを反転させた信号はs4のゲート信号とし
て、それぞれゲートドライバへ送られる。このゲート信
号に基づいて、インバータ主回路71のスイッチング素
子は駆動され(1の時オン,0の時にはオフ)、結果と
して、インバータ主回路71からは図6(h)のような
Viが出力される。Viは、PWM制御によりその平均
値を変化できるようになる。なお、単純な方形波に比
べ、Viには三角波キャリアの2倍の周波数成分が含ま
れることになるが、三角波キャリアの周波数を高くすれ
ば、この影響は無視できるようになる。
【0057】以上説明した本実施例のダイオード整流回
路によれば、図1の実施例と同様にダイオード整流器の
入力電流に発生する高調波成分が低減され、特に{12
n±1次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分
の低減に効果がある。また、インバータ主回路71をP
WM制御することによって単相交流電源7Aの出力電圧
を連続的に可変とすることにより、負荷電流に応じた補
償電圧の供給を実現する。
【0058】また、PWM制御を行わなくとも、直流回
路電源72を可変直流電源とし、変調率指令Mに応じて
Vs0の値を変化させることにより、PWM制御を行う場
合と同様にViを制御することができる。この場合、直
流回路電源72は定電圧電源と降圧チョッパ回路を組み
合わせたもの等を使用すればよい。
【0059】本発明の他の実施例であるダイオード整流
回路を図7を用いて以下に説明する。本実施例は、ダイ
オード整流器4′の直流出力電圧から自身の直流入力電
圧を得るインバータで構成される単相交流電源7Bを用
いたダイオード整流回路である。本実施例の構成につい
て、主に前述の実施例の構成と異なる箇所について説明
する。
【0060】図8(a)において、単相交流電源7B
は、入力電圧としてダイオード整流器4′の出力電圧を
用いたインバータ主回路71を備えており、図1の単相
交流電源7に相当する。単相交流電源7Bは、インバー
タ主回路71,インバータ主回路71にゲート信号を入
力する補償電圧制御器73′,三相交流電源1の出力電
圧を読み込んで電源電圧の位相角の瞬時値であるθを補
償電圧制御器73′に出力する電源位相検出器73、及
びインバータ主回路71の出力に接続され、かつインバ
ータ主回路71の出力電圧v1をVi=v1・N2/N
1に変圧する変圧器76を有する。ここで、インバータ
主回路71の出力電圧v1の波高値はVdc2となるので、
この値を変圧器75で変圧した際に、(数5)で求めた
Vsになるように、巻数比N1:N2を設定する。
【0061】次に、図8(b)を用いて、補償電圧制御
器73′の構成について説明する。SIN演算器73
1,比較器732、符号反転器733は、図6の同一符
号のものと同じものであるので説明を省略する。比較器
732から出力された方形波B、および符号反転器73
3により方形波Bの符号を反転して得られた信号はそれ
ぞれゲートドライバ734にゲート信号として入力され
る。ゲートドライバ734はゲート信号に基づいてインバ
ータ主回路71の各スイッチング素子をオン,オフ制御
する。各スイッチング素子を制御することにより、イン
バータ主回路71は波高値がVdc2 である電圧v1を出
力する。
【0062】本実施例におけるダイオード整流回路で
は、図1の実施例と同様に、ダイオード整流器の入力電
流に発生する高調波成分が低減され、特に{12n±1
次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分の低減
に効果がある。また、インバータ主回路71の直流回路
電源をダイオード整流回路の直流出力電圧部と共有して
いるため、変圧器を1個付加するだけで、インバータ直
流回路電源を別途設ける必要がなくなると共に、インバ
ータ直流回路電源のための整流器,平滑コンデンサ、お
よび電源変圧器等も不要となるため、ダイオード整流回
路を大幅に小型化することができる。さらに、変圧器に
より高圧の整流回路と低圧のインバータ部を絶縁するこ
ともできる。
【0063】尚、本実施例では、インバータ主回路71
の電源としてVdc2を用いているが、Vdc1を用いても、Vd
c1+Vdc2を用いても問題はない。更に図4の実施例のよ
うに、PWM変調を行って出力電圧を制御することも可
能である。
【0064】本発明の他の実施例であるダイオード整流
回路を図8に示す。本実施例の構成について、主に前述
の実施例の構成と異なる箇所について説明する。
【0065】図8において、77は2次側に中間タップ
を設けた巻数比N1:N2=1:2の変圧器であり、図
に示されるように、1次側巻き線は単相交流電源7に接
続されており、2次側巻き線は一端がダイオード整流器
4に、他端がダイオード整流器4′に接続されている。
この2次側の中間タップは、平滑コンデンサ5および
5′を接続する配線に接続される。また、変圧器78の
2次側巻き線N2の極性は、ダイオード整流器4および
4′の直流出力に対して逆極性となるように接続されて
いる。この変圧器77において巻き線比が1:2に設定
されているのは、単相交流電源7の出力電圧が、ちょう
ど半分ずつダイオード整流器4及び4′の出力に作用す
るためである。
【0066】本実施例においても、単相交流電源7およ
び変圧器77を用いることにより、ダイオード整流器4
および4′の出力電圧に逆位相の単相交流電圧を加える
ことができるため、ダイオード整流器4および4′の直
流出力電流を、図1の実施例と同様に変化させることが
でき、ダイオード整流器の入力電流に発生する高調波成
分を低減できるという効果も同様に得られる。
【0067】本発明の他の実施例であるダイオード整流
回路を図9を用いて以下に説明する。本実施例は、並列
に接続された2台のダイオード整流器の出力端に単相交
流電源7を変圧器78を介して接続したダイオード整流
回路である。本実施例の構成について、主に前述の実施
例の構成と異なる箇所について説明する。
【0068】図9において、ダイオード整流器4および
4′は出力端が並列接続され、平滑コンデンサ5はダイ
オード整流器4および4′の出力端に共通に接続されて
いる。変圧器78の巻線比はN1:N2:N3=1:
N:Nであり、2次側巻き線N2はダイオード整流器
4′の出力端に直列に接続され、また2次側巻き線N3
は、ダイオード整流器4の出力端に直列に接続される。
一方の1次側巻き線N1は、単相交流電源7に接続され
る。尚、2次側巻き線N2,N3の極性は、各ダイオー
ド整流器4および4′の直流出力に対して、逆極性とな
るように接続されている。
【0069】図10に示すダイオード整流回路の動作を
簡単に説明する。単相交流電源7は、図1の実施例と同
様に、波高値をVs とし、電源電圧の6倍周波数である
方形波Viを出力する。変圧器78の巻数比Nは、単相
交流電源7の定格出力電圧に応じて適値に設定される
が、ここでは説明を簡単にするために、N=1に仮定す
る。この場合、変圧器の2次N2およびN3には、Vi
がそのまま出力される。ダイオード整流器の出力Vrec
1,Vrec2と、1の関係は、
【0070】
【数7】 Vrec1=Vdc+Vi Vrec2=Vdc−Vi …(数7) となり、原理的に図1の実施例と同じ条件になる。すな
わち、入力電流や直流電流波形は、図2と等しくなり、
図1の実施例と同様にダイオード整流器の入力電流に発
生する高調波成分低減の効果が得られる。ただし、この
整流回路においては、平滑コンデンサ5に流れ込む電流
Irecが、
【0071】
【数8】 Irec=Irec1+Irec2 …(数8) の関係になる。図2(e),(f)の波形からわかるよう
に、Irec1とIrec2には逆位相の電流リプルが含まれて
いるため、両者を足し合わせると、電流脈動はほとんど
零になる。この結果、平滑コンデンサ5の容量を大幅に
低減することが可能になり、平滑コンデンサなし、ある
いは小容量のコンデンサを1個用いるだけで、脈動の少
ない直流電圧を出力できる。
【0072】本発明の他の実施例であるダイオード整流
回路を図10に示す。本実施例の構成について、主に図
9の実施例の構成と異なる箇所について説明する。
【0073】図10において、変圧器79および79′
は、1次側巻き線が単相交流電源7に、変圧器79の2
次側巻き線がダイオード整流器4の出力端に、変圧器7
9′の2次側巻き線がダイオード整流器4′の出力端に
それぞれ接続されている。この変圧器79および79′
の巻数比はN1:N2=1:2であり、この巻数比は、
単相交流電源7の出力電圧が変圧器79および79′の
1次側で分圧されて半分になってしまうために1:2に
設定されている。また、この変圧器79および79′で
も2次側巻き線N2の極性は、各ダイオード整流器4お
よび4′の直流出力に対して、逆極性となるように接続
されている。
【0074】このダイオード整流回路においても、図9
の実施例と同様に、2つのダイオード整流器の出力端を
並列に接続しており、原理的にも図9のものと全く同じ
動作をする。各変圧器の1次側巻き線は図示のように直
列に接続しても、あるいは並列に接続するようにしても
動作は同じである。この実施例でも、図9の実施例と同
様の効果が得られる。
【0075】また、図8,図9、ならびに図10の実施
例において、単相交流電源7として図4の7A、あるい
は図7の7Bを用いることにより、前述の図4及び図7
の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0076】以上、これまで説明した本発明によるダイ
オード整流回路においては、すべて変圧器2および3を
用いて2つのダイオード整流器に、30°の位相差をも
つ電圧を供給しているが、これらの変圧器を1つにし
て、2次側(電源側)をΔ巻線(またはY巻線)、2次
側をΔとYの2つの巻線として使用しても問題はない。
また、変圧器は、電源電圧の位相を30°ずらすことが
目的であるから、一方のダイオード整流器にのみΔ−Y
結線の変圧器を使用し、もう一方の整流器には、変圧器
の代わりに、変圧器の漏れインダクタンス相当のACリ
アクトルを挿入することでも同様の効果が得られる。
【0077】更に、各実施例では、単相交流電源として
電圧源を用いて説明したが、単相交流電源として電流源
を用いても同様の効果が得られる。その場合、電流源か
ら出力される電流の波形は三角波とするのが望ましい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、ダイオード整流器の入力電流に発生する{12n±
1次,n=1,2,3,…}で表される高調波成分(電
源高調波)が低減される。よって{12n±1次,n=
1,2,3,…}で表される高調波成分を低減するため
のフィルタが不要となり、ダイオード整流回路の構成が
コンパクトになる。また、ダイオード整流器の入力電流
に発生する{6m±1次,m=1,3,5,…}で表さ
れる高調波成分も低減できるため、{6m±1次,m=
1,3,5,…}で表される高調波成分を低減するため
のフィルタも不要となる。
【0079】第2の発明によれば、単相交流電源の構成
が簡単になり、単相交流電源がコンパクトになる。
【0080】第3の発明によれば、単相交流電源の数を
減らすことができる。
【0081】第4の発明によれば、ダイオード整流器の
入力電流に発生する{12n±1次,n=1,2,3,
…}で表される高調波成分、及び{6m±1次,m=
1,3,5,…}で表される高調波成分が低減され、か
つ出力電流の電流脈動を低減することができる。
【0082】第5の発明によれば、単相交流電源の数を
減らすことができる。
【0083】第6の発明によれば、ダイオード整流器の
出力電流の脈動を平滑するためのコンデンサの容量を低
減することができる。
【0084】第7の発明によれば、ダイオード整流器の
入力電流に発生する{12n±1次,n=1,2,3,
…}で表される高調波成分をより低減できる。
【0085】第8の発明によれば、ダイオード整流器の
入力電流に発生する{12n±1次,n=1,2,3,
…}で表される高調波成分をより低減できる。
【0086】第9の発明によれば、ダイオード整流器の
入力電流に発生する{12n±1次,n=1,2,3,
…}で表される高調波成分をより低減できる。
【0087】第10の発明によれば、ダイオード整流器
の出力電流が変化した場合にも、ダイオード整流器の入
力電流に発生する{12n±1次,n=1,2,3,
…}で表される高調波成分を低減できる。
【0088】第11の発明によれば、ダイオード整流器
の出力電流が変化した場合にも、簡単な構成で、ダイオ
ード整流器の入力電流に発生する{12n±1次,n=
1,2,3,…}で表される高調波成分を低減できる。
【0089】第12の発明によれば、ダイオード整流回
路を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例であるダイオード整流
回路の構成図である。
【図2】図1に示すダイオード整流回路における入力電
流波形,出力電流波形、及び補償電圧波形である。
【図3】図1の実施例の動作を示す図であり、(a)は
図1の構成のうちダイオード整流器4における各電流,
電圧を示す図、(b)〜(e)は各電流,電圧の波形図
である。
【図4】本発明の他の実施例であるダイオード整流回路
の構成図である。
【図5】図4に示す補償電圧制御器73の構成図であ
る。
【図6】図4の補償電圧制御器73の動作を示す波形で
ある。
【図7】本発明の他の実施例であるダイオード整流回路
の構成図である。
【図8】本発明の他の実施例であるダイオード整流回路
の構成図である。
【図9】本発明の他の実施例であるダイオード整流回路
の構成図である。
【図10】本発明の他の実施例であるダイオード整流回
路の構成図である。
【図11】従来のダイオード整流回路の構成図である。
【図12】従来のダイオード整流回路における入力電流
波形、出力電流波形、及び補償電圧波形である。
【符号の説明】
1…三相交流電源、2…Δ−Δ結線変圧器、3…Δ−Y
結線変圧器、4,4′…ダイオード整流器、5,5′…
平滑コンデンサ、6…負荷装置、7…単相交流電源。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相交流電源から交流電圧を入力し、直流
    電圧を出力する第1ダイオード整流器と、出力端が前記
    第1ダイオード整流器の出力端と直列に接続され、かつ
    前記三相交流電源から前記交流電圧とは位相が30度ず
    れた交流電圧を入力し、直流電圧を出力する第2ダイオ
    ード整流器と、周波数が前記三相交流電源の周波数の6
    倍である交流電圧および交流電流のいずれか一方を、前
    記第1ダイオード整流器の出力端および前記第2ダイオ
    ード整流器の出力端に加える単相交流電源を備えたこと
    を特徴とするダイオード整流回路。
  2. 【請求項2】前記単相交流電源は、前記第1ダイオード
    整流器と前記第2ダイオード整流器の直列接続点、およ
    び前記ダイオード整流回路の中間電圧点に接続すること
    を特徴とする請求項1記載のダイオード整流回路。
  3. 【請求項3】1次側の巻き線が前記単相交流電源に接続
    され、2次側の第1巻き線が前記第1ダイオード整流器
    の出力端に接続され、2次側の第2巻き線が前記第2ダ
    イオード整流器の出力端に接続された変圧器を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載のダイオード整流回路。
  4. 【請求項4】三相交流電源から交流電圧を入力し、直流
    電圧を出力する第1ダイオード整流器と、出力端が前記
    第1ダイオード整流器の出力端と並列に接続され、かつ
    前記三相交流電源から前記交流電圧とは位相が30度ず
    れた交流電圧を入力し、直流電圧を出力する第2ダイオ
    ード整流器と、周波数が前記三相交流電源の周波数の6
    倍である交流電圧および交流電流のいずれか一方を、前
    記第1ダイオード整流器の出力端および前記第2ダイオ
    ード整流器の出力端に加える単相交流電源を備えたこと
    を特徴とするダイオード整流回路。
  5. 【請求項5】1次側の巻き線が前記単相交流電源に接続
    され、2次側の第1巻き線が前記第1ダイオード整流器
    の出力端に接続され、2次側の第2巻き線が前記第2ダ
    イオード整流器の出力端に接続された変圧器を備えたこ
    とを特徴とする請求項4記載のダイオード整流回路。
  6. 【請求項6】前記ダイオード整流器の出力端にコンデン
    サを接続したことを特徴とする請求項4および5のいず
    れかに記載のダイオード整流回路。
  7. 【請求項7】前記単相交流電源は、前記第2ダイオード
    整流器の出力端に加える交流電圧あるいは交流電流とし
    て、前記第1ダイオード整流器の出力端に加える交流電
    圧あるいは交流電流とは逆位相の交流電圧あるいは交流
    電流を出力することを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載のダイオード整流回路。
  8. 【請求項8】前記単相交流電源は、前記ダイオード整流
    器の出力端に加える交流電圧として、方形波の波形を有
    する電圧を出力することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載のダイオード整流回路。
  9. 【請求項9】前記単相交流電源は、前記ダイオード整流
    器の出力端に加える交流電流として、三角波の波形を有
    する電流を出力することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載のダイオード整流回路。
  10. 【請求項10】前記単相交流電源は、前記ダイオード整
    流器の出力端に加える交流電圧あるいは交流電流の振幅
    を、電流検出器によって検出された前記ダイオード整流
    器の出力電流の検出値に基づいて変化させることを特徴
    とする請求項1乃至9のいずれかに記載のダイオード整
    流回路。
  11. 【請求項11】前記単相交流電源は、電流検出器によっ
    て検出された前記ダイオード整流器の出力電流の検出値
    に基づいてPWM制御されるインバータであることを特
    徴とする請求項10記載のダイオード整流回路。
  12. 【請求項12】前記インバータは、入力電力を前記ダイ
    オード整流器の出力電力から得ることを特徴とする請求
    項11記載のダイオード整流回路。
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