JPH1079306A - 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents
磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置Info
- Publication number
- JPH1079306A JPH1079306A JP8252171A JP25217196A JPH1079306A JP H1079306 A JPH1079306 A JP H1079306A JP 8252171 A JP8252171 A JP 8252171A JP 25217196 A JP25217196 A JP 25217196A JP H1079306 A JPH1079306 A JP H1079306A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- magnetic
- film
- magnetoresistive
- magnetoresistive film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Magnetic Heads (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
- Hall/Mr Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スピンバルブ膜の飽和磁界が300Oe以
上、低磁界での磁気抵抗変化率が6%以上の磁気抵抗効
果膜、この磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に使用した
磁気抵抗効果素子、この磁気抵抗効果素子を少なくとも
一部に使用した磁気ヘッド、上記磁気抵抗効果素子と誘
導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁気ヘッド及びこ
れらの磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置を提供する
こと。 【課題を解決する手段】 磁性層、非磁性層及び磁性層
を積層した三層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性
層及び磁性層を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及
び五層膜の磁性層の上または下に反強磁性層を有する磁
気抵抗効果膜において、上記磁性層の少なくとも一層に
体心立方構造を有する合金を用いた磁気抵抗効果膜。
上、低磁界での磁気抵抗変化率が6%以上の磁気抵抗効
果膜、この磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に使用した
磁気抵抗効果素子、この磁気抵抗効果素子を少なくとも
一部に使用した磁気ヘッド、上記磁気抵抗効果素子と誘
導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁気ヘッド及びこ
れらの磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置を提供する
こと。 【課題を解決する手段】 磁性層、非磁性層及び磁性層
を積層した三層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性
層及び磁性層を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及
び五層膜の磁性層の上または下に反強磁性層を有する磁
気抵抗効果膜において、上記磁性層の少なくとも一層に
体心立方構造を有する合金を用いた磁気抵抗効果膜。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低磁界で高い磁気抵抗
効果を有する磁気抵抗効果膜並びにこれを用いた磁気抵
抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置に関す
る。
効果を有する磁気抵抗効果膜並びにこれを用いた磁気抵
抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、再生用磁気ヘッドの磁気抵抗効果
材としてパーマロイが使用されていた。しかし、パーマ
ロイの磁気抵抗変化率は約3%と低く、これよりさらに
高い磁気抵抗変化率を持つ材料が求められていた。この
パーマロイより磁気抵抗変化率が高い材料として多層構
造を持つFe/Cr磁性膜が提案され、また、Ta/N
iFe/Cu/NiFe/FeMn/Ta膜も提案され
ていた。しかし、上記多層構造を持つスピンバルブ膜の
低磁界の磁気抵抗変化率は4%を示すが、反強磁性層に
よる磁化ピン層の飽和磁界は、100〜200Oeであ
る。実際には300Oe以上必要であるため、実用的で
なかった。
材としてパーマロイが使用されていた。しかし、パーマ
ロイの磁気抵抗変化率は約3%と低く、これよりさらに
高い磁気抵抗変化率を持つ材料が求められていた。この
パーマロイより磁気抵抗変化率が高い材料として多層構
造を持つFe/Cr磁性膜が提案され、また、Ta/N
iFe/Cu/NiFe/FeMn/Ta膜も提案され
ていた。しかし、上記多層構造を持つスピンバルブ膜の
低磁界の磁気抵抗変化率は4%を示すが、反強磁性層に
よる磁化ピン層の飽和磁界は、100〜200Oeであ
る。実際には300Oe以上必要であるため、実用的で
なかった。
【0003】また、本発明者らは、磁性層、非磁性層及
び磁性層を積層した三層膜、磁性層、非磁性層、磁性
層、非磁性層及び磁性層を積層した五層膜、又はこれら
三層膜若しくは五層膜の磁性層の上又は下に反強磁性層
を有する磁気抵抗効果膜において、上記磁性層にB濃度
が10〜25at%であるCo─Fe─B系アモルファ
ス磁性合金を用いて、800A/mの磁界(H)を中心
として280A/mの磁界変化で磁気抵抗変化率(MR
ratio)が5%、磁界感度が17.8%/kAm-1であ
る磁気抵抗効果膜を開発して、特願平7─28924号
として特許出願した。しかし、この磁気抵抗効果膜のス
ピンバルブ膜は、磁気抵抗変化率が5%以上となり、従
来のものより優れているが、まだ十分でなく、またスピ
ンバルブ膜の飽和磁界が100Oe程度であり、これも
十分でなかった。
び磁性層を積層した三層膜、磁性層、非磁性層、磁性
層、非磁性層及び磁性層を積層した五層膜、又はこれら
三層膜若しくは五層膜の磁性層の上又は下に反強磁性層
を有する磁気抵抗効果膜において、上記磁性層にB濃度
が10〜25at%であるCo─Fe─B系アモルファ
ス磁性合金を用いて、800A/mの磁界(H)を中心
として280A/mの磁界変化で磁気抵抗変化率(MR
ratio)が5%、磁界感度が17.8%/kAm-1であ
る磁気抵抗効果膜を開発して、特願平7─28924号
として特許出願した。しかし、この磁気抵抗効果膜のス
ピンバルブ膜は、磁気抵抗変化率が5%以上となり、従
来のものより優れているが、まだ十分でなく、またスピ
ンバルブ膜の飽和磁界が100Oe程度であり、これも
十分でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スピンバル
ブ膜の飽和磁界が300Oe以上、低磁界での磁気抵抗
変化率が6%以上の磁気抵抗効果膜、この磁気抵抗効果
膜を少なくとも一部に使用した磁気抵抗効果素子、この
磁気抵抗効果素子を少なくとも一部に使用した磁気ヘッ
ド、上記磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合
わせた複合型磁気ヘッド及びこれらの磁気ヘッドを用い
た磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
ブ膜の飽和磁界が300Oe以上、低磁界での磁気抵抗
変化率が6%以上の磁気抵抗効果膜、この磁気抵抗効果
膜を少なくとも一部に使用した磁気抵抗効果素子、この
磁気抵抗効果素子を少なくとも一部に使用した磁気ヘッ
ド、上記磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合
わせた複合型磁気ヘッド及びこれらの磁気ヘッドを用い
た磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁性層、非磁性層及び磁性層を積層した三
層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性層及び磁性層
を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及び五層膜の磁
性層の上または下に反強磁性層を有する磁気抵抗効果膜
においては、上記磁性層の少なくとも一層に体心立方構
造を有する合金を用いたことである。また、上記磁気抵
抗効果膜においては、磁界の大きさによって、非磁性層
を挟む磁性層の磁化の向きのなす角度が変化することで
ある。また、上記磁気抵抗効果膜においては、上記磁性
層の少なくとも一層が体心立方構造を有し、Fe濃度が
40〜60at%などのFeCoNi合金としたことで
ある。
に、本発明の磁性層、非磁性層及び磁性層を積層した三
層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性層及び磁性層
を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及び五層膜の磁
性層の上または下に反強磁性層を有する磁気抵抗効果膜
においては、上記磁性層の少なくとも一層に体心立方構
造を有する合金を用いたことである。また、上記磁気抵
抗効果膜においては、磁界の大きさによって、非磁性層
を挟む磁性層の磁化の向きのなす角度が変化することで
ある。また、上記磁気抵抗効果膜においては、上記磁性
層の少なくとも一層が体心立方構造を有し、Fe濃度が
40〜60at%などのFeCoNi合金としたことで
ある。
【0006】上記目的を達成するために、本発明の上記
磁気抵抗効果膜においては、磁性層の少なくとも一層が
Co、NiFe及びNiFeCoを主成分とする合金並
びにCoFeBを主成分とするアモルファス合金のいず
れか1つとしたことである。また、本発明の上記磁気抵
抗効果膜においては、上記非磁性層の少なくとも一層が
Cu、Ag又はAuからなるものであることである。
磁気抵抗効果膜においては、磁性層の少なくとも一層が
Co、NiFe及びNiFeCoを主成分とする合金並
びにCoFeBを主成分とするアモルファス合金のいず
れか1つとしたことである。また、本発明の上記磁気抵
抗効果膜においては、上記非磁性層の少なくとも一層が
Cu、Ag又はAuからなるものであることである。
【0007】上記目的を達成するために、本発明の上記
磁気抵抗効果膜の非磁性層を挟む磁性層の磁気異方性よ
り生じる磁化容易方向のなす角度が互いに異なってお
り、磁気抵抗効果膜の磁性層の少なくとも一層に交換バ
イアス磁界を印加する反強磁性層を付与したことであ
る。また、本発明の上記磁気抵抗効果膜においては、磁
気抵抗効果膜と基板との間にSiNなどのバッファ層を
設けたことである。また、本発明の磁気抵抗効果素子に
おいては、上記磁気抵抗効果膜を少なくとも1部に使用
したことである。
磁気抵抗効果膜の非磁性層を挟む磁性層の磁気異方性よ
り生じる磁化容易方向のなす角度が互いに異なってお
り、磁気抵抗効果膜の磁性層の少なくとも一層に交換バ
イアス磁界を印加する反強磁性層を付与したことであ
る。また、本発明の上記磁気抵抗効果膜においては、磁
気抵抗効果膜と基板との間にSiNなどのバッファ層を
設けたことである。また、本発明の磁気抵抗効果素子に
おいては、上記磁気抵抗効果膜を少なくとも1部に使用
したことである。
【0008】上記目的を達成するために、本発明の磁気
ヘッドにおいては、上記磁気抵抗効果素子を少なくとも
1部に使用したことである。また、本発明の複合型磁気
ヘッドにおいては、上記磁気抵抗効果素子と誘導型磁気
ヘッドを組み合わせたことである。さらに、本発明の磁
気記録再生装置は、上記磁気ヘッドを用いたことであ
る。
ヘッドにおいては、上記磁気抵抗効果素子を少なくとも
1部に使用したことである。また、本発明の複合型磁気
ヘッドにおいては、上記磁気抵抗効果素子と誘導型磁気
ヘッドを組み合わせたことである。さらに、本発明の磁
気記録再生装置は、上記磁気ヘッドを用いたことであ
る。
【0009】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の構成および作用
を詳細に説明する。本発明の磁気抵抗効果膜は、磁性
層、非磁性層及び磁性層を積層した三層膜、磁性層、非
磁性層、磁性層、非磁性層及び磁性層を積層した五層
膜、並びにこれら三層膜及び五層膜の磁性層の上または
下に反強磁性層を有するもので、その磁性層の少なくと
も一層を、体心立方構造を有する合金としたものであ
る。
を詳細に説明する。本発明の磁気抵抗効果膜は、磁性
層、非磁性層及び磁性層を積層した三層膜、磁性層、非
磁性層、磁性層、非磁性層及び磁性層を積層した五層
膜、並びにこれら三層膜及び五層膜の磁性層の上または
下に反強磁性層を有するもので、その磁性層の少なくと
も一層を、体心立方構造を有する合金としたものであ
る。
【0010】この磁気抵抗効果膜の非磁性層を挟む2つ
の磁性層の磁化は、磁界の大きさによって磁化の向きの
なす角度が変化し、また磁気異方性より生じる磁化容易
方向のなす角度が互いに異なっているものである。そし
て、この磁性層の体心立方構造を有する合金は、FeC
oNi合金が好ましく、そのFe濃度が40〜60at
%、Co濃度が40〜60at%、Ni濃度が0〜20
at%であるものが好ましい。また、この磁気抵抗効果
膜の強磁性層の一層が上記FeCoNi合金である場
合、他の強磁性層は、FeCoNi合金、Coを主成分
とする合金、NiFeを主成分とする合金、NiFeC
oを主成分とする合金、CoFeBを主成分とするアモ
ルファス合金のいづれかの合金である。
の磁性層の磁化は、磁界の大きさによって磁化の向きの
なす角度が変化し、また磁気異方性より生じる磁化容易
方向のなす角度が互いに異なっているものである。そし
て、この磁性層の体心立方構造を有する合金は、FeC
oNi合金が好ましく、そのFe濃度が40〜60at
%、Co濃度が40〜60at%、Ni濃度が0〜20
at%であるものが好ましい。また、この磁気抵抗効果
膜の強磁性層の一層が上記FeCoNi合金である場
合、他の強磁性層は、FeCoNi合金、Coを主成分
とする合金、NiFeを主成分とする合金、NiFeC
oを主成分とする合金、CoFeBを主成分とするアモ
ルファス合金のいづれかの合金である。
【0011】このCoFeBを主成分とするアモルファ
ス合金は、B5〜25at%、Co81〜67at%、
Fe9〜7.5at%などの合金である。また、本発明
の磁気抵抗効果膜の非磁性層は、Cu、Ag又はAuな
どで、Cuが磁気抵抗効果が大きいので好ましい。ま
た、本発明の磁気抵抗効果膜の反強磁性層は、交換バイ
アス磁界を印加するもので、NiO、NiMn、CoM
n、FeMnなどであるが、そのうち、NiOが絶縁体
であるので好ましい。さらに、本発明の磁気抵抗効果膜
は、スライドガラスなどの基板との間にバッファ層を設
けることができる。このバッファ層は、基板表面のラフ
ネスを改善するためのもので、この層にはSiN、Si
02 、Cr、Feなどを用いることができるが、SiN
が好ましい。
ス合金は、B5〜25at%、Co81〜67at%、
Fe9〜7.5at%などの合金である。また、本発明
の磁気抵抗効果膜の非磁性層は、Cu、Ag又はAuな
どで、Cuが磁気抵抗効果が大きいので好ましい。ま
た、本発明の磁気抵抗効果膜の反強磁性層は、交換バイ
アス磁界を印加するもので、NiO、NiMn、CoM
n、FeMnなどであるが、そのうち、NiOが絶縁体
であるので好ましい。さらに、本発明の磁気抵抗効果膜
は、スライドガラスなどの基板との間にバッファ層を設
けることができる。このバッファ層は、基板表面のラフ
ネスを改善するためのもので、この層にはSiN、Si
02 、Cr、Feなどを用いることができるが、SiN
が好ましい。
【0012】本発明の磁気抵抗効果膜を少なくとも一部
に用いた磁気抵抗効果素子の一例を図3に示す。この磁
気抵抗効果素子は、本発明の磁気抵抗効果膜1を、2個
の電極21 、22 で挟んだ構造のものである。
に用いた磁気抵抗効果素子の一例を図3に示す。この磁
気抵抗効果素子は、本発明の磁気抵抗効果膜1を、2個
の電極21 、22 で挟んだ構造のものである。
【0013】本発明の磁気抵抗効果素子を使用した本発
明の磁気ヘッドの一例を図4に示す。この磁気ヘッド
は、本発明の磁気抵抗効果膜1、2個の電極21 、
22 、2枚のシールド層31 、32 で挟んだ構造のもの
である。
明の磁気ヘッドの一例を図4に示す。この磁気ヘッド
は、本発明の磁気抵抗効果膜1、2個の電極21 、
22 、2枚のシールド層31 、32 で挟んだ構造のもの
である。
【0014】本発明の磁気抵抗効果素子を少なくとも一
部に使用した本発明の複合型磁気ヘッドの一例を図5に
示す。本発明の複合型磁気ヘッドは、本発明の磁気抵抗
効果膜1、2個の電極21 、22 、2枚のシールド層3
1 、32 からなる磁気抵抗効果ヘッドの上に2個の磁極
41 、42 と複数のコイル51 、52 、53 からなる記
録ヘッド6を置いた構造のものである。
部に使用した本発明の複合型磁気ヘッドの一例を図5に
示す。本発明の複合型磁気ヘッドは、本発明の磁気抵抗
効果膜1、2個の電極21 、22 、2枚のシールド層3
1 、32 からなる磁気抵抗効果ヘッドの上に2個の磁極
41 、42 と複数のコイル51 、52 、53 からなる記
録ヘッド6を置いた構造のものである。
【0015】
【作用】本発明は、磁性層、非磁性層及び磁性層を積層
した三層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性層及び
磁性層を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及び五層
膜の磁性層の上又は下に反強磁性層を有する磁気抵抗効
果膜において、上記磁性層の少なくとも一層に体心立方
構造を有する合金を用いたことにより、比較的低磁界で
高い磁気抵抗変化率が得られるとともに、磁化ピン層の
飽和磁界が300Oe以上で、良好なスピンバルブ特性が
得られる。これは、FeCoNi合金を用いることによ
り磁気抵抗変化率を下げることなしに、磁化ピン層の飽
和磁界を大きくすることができるためであると考えられ
る。
した三層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性層及び
磁性層を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及び五層
膜の磁性層の上又は下に反強磁性層を有する磁気抵抗効
果膜において、上記磁性層の少なくとも一層に体心立方
構造を有する合金を用いたことにより、比較的低磁界で
高い磁気抵抗変化率が得られるとともに、磁化ピン層の
飽和磁界が300Oe以上で、良好なスピンバルブ特性が
得られる。これは、FeCoNi合金を用いることによ
り磁気抵抗変化率を下げることなしに、磁化ピン層の飽
和磁界を大きくすることができるためであると考えられ
る。
【0016】また、本発明において、体心立方構造を有
するFeCoNi合金のFe濃度を40〜60at%にし
たのは、40at%未満ではfcc構造であり、60at%
を超えると磁気抵抗変化率が小さくなるからである。ま
た、Coは40〜60at%が好ましいのは、Coが40
%at未満では磁気抵抗変化率が小さく、また耐熱性が悪
いからであり、60at%を超えるとfcc構造になりや
すいからである。また、Niは0〜20at%が好ましい
のは、20at%を超えると耐熱性が悪くなるからであ
る。
するFeCoNi合金のFe濃度を40〜60at%にし
たのは、40at%未満ではfcc構造であり、60at%
を超えると磁気抵抗変化率が小さくなるからである。ま
た、Coは40〜60at%が好ましいのは、Coが40
%at未満では磁気抵抗変化率が小さく、また耐熱性が悪
いからであり、60at%を超えるとfcc構造になりや
すいからである。また、Niは0〜20at%が好ましい
のは、20at%を超えると耐熱性が悪くなるからであ
る。
【0017】さらに、本発明の磁気抵抗効果素子は上記
特性が優れた磁気抵抗効果膜を使用したことにより、本
発明の磁気ヘッド及び複合型磁気ヘッドは上記特性が優
れた磁気抵抗効果素子を少なくとも1部に使用したこと
により、また本発明の磁気記録再生装置は上記特性が優
れた磁気ヘッドを少なくとも1部に使用したことにより
優れた特性のものが得られる。
特性が優れた磁気抵抗効果膜を使用したことにより、本
発明の磁気ヘッド及び複合型磁気ヘッドは上記特性が優
れた磁気抵抗効果素子を少なくとも1部に使用したこと
により、また本発明の磁気記録再生装置は上記特性が優
れた磁気ヘッドを少なくとも1部に使用したことにより
優れた特性のものが得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 下記三層膜とスピンバルブ膜を高周波マグネトロンスパ
ッタ装置を用いて作製した。スパツタ時のAr圧は0.
68〜1.32Paで、製膜速度は0.1〜0.2nm
/sであった。基板にスライドガラスを用い、その上に
SiN、アモルファスCoFeB層、Cu層、FeCo
Ni層、NiO層を順次作製した。その後、この膜を1
60Oeの磁界中で150℃で1時間熱処理(焼鈍)を行
った。FeCoNi層の組成は、Fe56Co30Ni14で
あり、アモルファスCoFeB層の組成は、Co81Fe
9 B10であった。各層の厚さは、SiN(10nm)/CoFeB(6n
m)/Cu(2nm)/FeCoNi(2nm)NiO(30nm)であった。この膜の
磁化容易軸に磁界をかけ、磁気抵抗変化率(MR rati
o)及び磁化ピン層の飽和磁界を測定したところ、図1
に示す結果を得た。磁気抵抗変化率は、約8%であり、
磁化ピン層の飽和磁界は400Oeであった。
ッタ装置を用いて作製した。スパツタ時のAr圧は0.
68〜1.32Paで、製膜速度は0.1〜0.2nm
/sであった。基板にスライドガラスを用い、その上に
SiN、アモルファスCoFeB層、Cu層、FeCo
Ni層、NiO層を順次作製した。その後、この膜を1
60Oeの磁界中で150℃で1時間熱処理(焼鈍)を行
った。FeCoNi層の組成は、Fe56Co30Ni14で
あり、アモルファスCoFeB層の組成は、Co81Fe
9 B10であった。各層の厚さは、SiN(10nm)/CoFeB(6n
m)/Cu(2nm)/FeCoNi(2nm)NiO(30nm)であった。この膜の
磁化容易軸に磁界をかけ、磁気抵抗変化率(MR rati
o)及び磁化ピン層の飽和磁界を測定したところ、図1
に示す結果を得た。磁気抵抗変化率は、約8%であり、
磁化ピン層の飽和磁界は400Oeであった。
【0019】なお、この膜の熱処理前の磁気抵抗変化率
は5%、磁化ピン層の飽和磁界は100Oeであり、8
00A/mの磁界(H)を中心として280A/mの磁
界変化で得られ、磁界感度は17.8%/kAm-1であ
った。この磁界感度は、従来のNiFe系合金を主体と
する材料で得られるものの約3倍である。これは強磁性
層の一つにアモルファス材料を使用したことにより軟磁
気特性が向上したためと考えられる。
は5%、磁化ピン層の飽和磁界は100Oeであり、8
00A/mの磁界(H)を中心として280A/mの磁
界変化で得られ、磁界感度は17.8%/kAm-1であ
った。この磁界感度は、従来のNiFe系合金を主体と
する材料で得られるものの約3倍である。これは強磁性
層の一つにアモルファス材料を使用したことにより軟磁
気特性が向上したためと考えられる。
【0020】比較例 上記実施例と同じ装置および方法を用いてスライドガラ
ス基板上にSiN、アモルファスCoFeB層、Cu
層、アモルファスCoFeB層、NiO層を順次作製し
た。各層の厚さは、SiN(10nm)/CoFeB(4nm)/Cu(2nm)/CoF
eB(2nm)/NiO(20nm) であった。この膜を160Oeの磁界
中で150℃で1時間熱処理を行った後、実施例と同様
にして磁気抵抗変化率(MR ratio)及び磁化ピン層の
飽和磁界を測定したところ、図2に示す結果を得た。磁
気抵抗変化率は、約5.6%であり、また磁化ピン層の
飽和磁界は50Oeであった。
ス基板上にSiN、アモルファスCoFeB層、Cu
層、アモルファスCoFeB層、NiO層を順次作製し
た。各層の厚さは、SiN(10nm)/CoFeB(4nm)/Cu(2nm)/CoF
eB(2nm)/NiO(20nm) であった。この膜を160Oeの磁界
中で150℃で1時間熱処理を行った後、実施例と同様
にして磁気抵抗変化率(MR ratio)及び磁化ピン層の
飽和磁界を測定したところ、図2に示す結果を得た。磁
気抵抗変化率は、約5.6%であり、また磁化ピン層の
飽和磁界は50Oeであった。
【0021】なお、この膜の熱処理前の磁気抵抗変化率
は、3.4%、磁化ピン層の飽和磁界は100Oeあ
り、800A/mの磁界(H)を中心として280A/
mの磁界変化で得られ、磁界感度は17.8%/kAm
-1であった。この磁界感度は、実施例1のものと同じで
あった。
は、3.4%、磁化ピン層の飽和磁界は100Oeあ
り、800A/mの磁界(H)を中心として280A/
mの磁界変化で得られ、磁界感度は17.8%/kAm
-1であった。この磁界感度は、実施例1のものと同じで
あった。
【0022】また、図1及び図2は、上記膜のH(磁化
困難軸の磁界)とMR ratio(磁気抵抗変化率)の関係
を示したグラフである。
困難軸の磁界)とMR ratio(磁気抵抗変化率)の関係
を示したグラフである。
【0023】本発明は、上記以外の点においても実施例
に限定されることなく、要旨を変更しない範囲において
種々の変更をすることが出来ることはもちろんである。
に限定されることなく、要旨を変更しない範囲において
種々の変更をすることが出来ることはもちろんである。
【0024】
【本発明の効果】本発明は、上記構成にしたことによ
り、低磁界で6%以上という高い磁気抵抗変化率を示す
とともに、実用できる300Oe以上の磁化ピン層の飽
和磁界を示す磁気抵抗効果膜が得られるという優れた効
果を奏する。
り、低磁界で6%以上という高い磁気抵抗変化率を示す
とともに、実用できる300Oe以上の磁化ピン層の飽
和磁界を示す磁気抵抗効果膜が得られるという優れた効
果を奏する。
【図1】 本発明のの磁気抵抗効果膜のH(磁界)とΔ
R/R(磁気抵抗変化率)の関係を示したグラフであ
る。
R/R(磁気抵抗変化率)の関係を示したグラフであ
る。
【図2】 比較例の磁気抵抗効果膜のH(磁界)とΔR
/R(磁気抵抗変化率)の関係を示したグラフである。
/R(磁気抵抗変化率)の関係を示したグラフである。
【図3】 本発明の磁気抵抗効果素子の一部を示した斜
視図である。
視図である。
【図4】 本発明の磁気ヘッドの一部を示した斜視図で
ある。
ある。
【図5】 本発明の複合型磁気ヘッドの一部を示した斜
視図である。
視図である。
1 磁気抵抗効果膜 21 、22 電極 31 、32 シールド層 41 、42 磁極 51 、52 、53 コイル 6 記録ヘッド
Claims (13)
- 【請求項1】 磁性層、非磁性層及び磁性層を積層した
三層膜、磁性層、非磁性層、磁性層、非磁性層及び磁性
層を積層した五層膜、並びにこれら三層膜及び五層膜の
磁性層の上または下に反強磁性層を有する磁気抵抗効果
膜において、上記磁性層の少なくとも一層に体心立方構
造を有する合金を用いたことを特徴とする磁気抵抗効果
膜。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁気抵抗効果膜におい
て、非磁性層を挟む磁性層は磁界の大きさによって磁化
の向きのなす角度が変化するものであることを特徴とす
る磁気抵抗効果膜。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の磁気抵抗
効果膜において、上記磁性層の少なくとも一層が体心立
方構造を有するFeCoNi合金であることを特徴とす
る磁気抵抗効果膜。 - 【請求項4】 請求項3記載の磁気抵抗効果膜におい
て、上記FeCoNi合金のFe濃度が40〜60at
%であることを特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項記載の磁
気抵抗効果膜において、磁性層の少なくとも一層がCo
を主成分とする合金、NiFeを主成分とする合金、N
iFeCoを主成分とする合金及びCoFeBを主成分
とするアモルファス合金のいづれか1つの合金であるこ
とを特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項記載の磁
気抵抗効果膜において、上記非磁性層がCu、Ag及び
Auのうちのいずれか1つの金属からなるものであるこ
とを特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項記載の磁
気抵抗効果膜において、非磁性層を挟む磁性層の磁気異
方性より生じる磁化容易方向のなす角度が互いに異なっ
ていることを特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項記載の磁
気抵抗効果膜の磁性層の少なくとも一層に交換バイアス
磁界を印加する反強磁性層を設けたことを特徴とする磁
気抵抗効果膜。 - 【請求項9】 請求項1から8のいずれか1項記載の磁
気抵抗効果膜と基板との間にバッファ層を設けたことを
特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項記載の磁
気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いたことを特徴とす
る磁気抵抗効果素子。 - 【請求項11】 請求項10記載の磁気抵抗効果素子を少な
くとも一部に用いた磁気ヘッド。 - 【請求項12】 請求項10記載の磁気抵抗素子と誘導型磁
気ヘッドを組み合わせた複合型磁気ヘッド。 - 【請求項13】 請求項11または請求項12記載の磁気ヘッ
ドを用いた磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8252171A JPH1079306A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8252171A JPH1079306A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1079306A true JPH1079306A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=17233486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8252171A Pending JPH1079306A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1079306A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7163755B2 (en) | 2000-08-21 | 2007-01-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magneto-resistive element |
JP2008270470A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Yamaha Corp | 磁気センサ |
-
1996
- 1996-09-04 JP JP8252171A patent/JPH1079306A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7163755B2 (en) | 2000-08-21 | 2007-01-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magneto-resistive element |
JP2008270470A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Yamaha Corp | 磁気センサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6819532B2 (en) | Magnetoresistance effect device exchange coupling film including a disordered antiferromagnetic layer, an FCC exchange coupling giving layer, and a BCC exchange coupling enhancement layer | |
US6340520B1 (en) | Giant magnetoresistive material film, method of producing the same magnetic head using the same | |
US7446987B2 (en) | Composite hard bias design with a soft magnetic underlayer for sensor applications | |
US7137192B2 (en) | Method for manufacturing thin film head | |
JP3219713B2 (ja) | 磁気抵抗効果素子の製造方法 | |
JPH11110719A (ja) | 磁気抵抗効果型ヘッド | |
JP2003016613A (ja) | 磁気ヘッド | |
JPH10312515A (ja) | 磁気抵抗効果素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置 | |
US20110200845A1 (en) | Current perpendicular to the plane reader with improved giant magneto-resistance | |
JP3650092B2 (ja) | 交換結合膜、スピンバルブ膜、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 | |
JPH09288807A (ja) | 薄膜磁気ヘッド | |
JP2001307308A (ja) | 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置 | |
JP3175922B2 (ja) | スピンバルブ型薄膜素子の製造方法 | |
JPH08203035A (ja) | 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 | |
JPH1079306A (ja) | 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 | |
JPH1131312A (ja) | 二重スピンバルブセンサ | |
US20030091864A1 (en) | Lamination comprising oxide layer, magnetoresistive head using the same, and magnetic recording and reproducing device | |
JPH0992904A (ja) | 巨大磁気抵抗効果材料膜およびその製造方法とそれを用いた磁気ヘッド | |
JP2002230717A (ja) | Gmrヘッド | |
JPH0774022A (ja) | 多層磁気抵抗効果膜及び磁気ヘッド | |
JPH07182629A (ja) | 磁気センサ | |
JPH08111315A (ja) | 磁気抵抗効果多層膜 | |
JPH09199768A (ja) | 磁気抵抗効果素子 | |
JPH1021512A (ja) | Fe系非磁性合金膜を下地膜に用いたスピンバルブセンサ | |
JPH07129928A (ja) | 磁気抵抗効果ヘッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050715 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050725 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051121 |