JPH107896A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

Info

Publication number
JPH107896A
JPH107896A JP16942696A JP16942696A JPH107896A JP H107896 A JPH107896 A JP H107896A JP 16942696 A JP16942696 A JP 16942696A JP 16942696 A JP16942696 A JP 16942696A JP H107896 A JPH107896 A JP H107896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
alkyl
cinnamyl
polycarbonate resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16942696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Miya
新也 宮
Satoshi Kanayama
聡 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP16942696A priority Critical patent/JPH107896A/ja
Publication of JPH107896A publication Critical patent/JPH107896A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌の為に照射される電離放射線による色調
の変化や物性劣化の少ないポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
シンナミル化合物0.01〜5重量部、及び環状アセタ
ール基を有する化合物0.01〜5重量部を配合してな
るポリカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンナミル系化合
物、及び環状アセタール基を有する化合物が配合された
ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的
強度,耐衝撃強度,耐熱性,透明性を有し安全性も高い
事から医療用製品として広く用いられている。これら医
療用製品は、その使用に際し通常完全滅菌が行われる。
具体的には高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌法、ガンマ線や電子線等の電離放射線の
照射による滅菌法等である。このうち、高圧蒸気滅菌法
は、エネルギーコストが高く、さらに滅菌処理後に乾燥
工程が必要である。又、EOG滅菌ではEOG自身が毒
性を有する事や廃棄処理に関連する環境問題等を有す
る。従って、最近では比較的安価で、低温・乾式で処理
可能な電離放射線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌
法がよく使用されるようになっている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は、滅菌の際に電離放射線を照射
されると、黄色く変色してしまい、特に医療用途に於い
ての、製品価値を損なうという欠点を有している。
【0003】この様な欠点を解決する方法として、例え
ば、特開平2−55062号公報では、ハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂を配合する方法が、特開平5−17
9127号公報では核臭素化フタル酸誘導体を配合する
方法が、それぞれ述べられているが、組成物中にハロゲ
ンを含有する為に金属腐蝕が発生し易く、成形機等に特
別な材質の金属を使用する必要があった。
【0004】また、イオウ化合物を使用する方法とし
て、特開平1−229052号公報ではチオアルコール
類を配合する方法が、特開平2−115260号公報で
はチオエーテル類を配合する方法が、特開平2−490
58号、特開平4−36343号、特開平6−1668
07号各公報ではメルカプト基を有する化合物を配合す
る方法が、特開平5−209120号公報ではポリアル
キレンオキシド及びスルホン酸エステル置換基を持つ芳
香族化合物を併用する方法が、さらに、特開平6−93
192号公報、特開平6−248170号各公報ではス
ルフィド基を有する化合物を配合する方法が述べられて
いるが、いずれにおいても黄変抑止効果が不十分であっ
たり、使用時に悪臭が発生し、成形加工時の環境を悪化
させるといった問題点が存在する。
【0005】さらに、特開昭61−215651号公報
ではホウ素化合物を配合する方法が、特開昭62−13
5556号公報ではポリエーテルポリオール又はそのア
ルキルエーテルを配合する方法が、特開平2ー2322
58号公報ではベンジルアルコール誘導体を配合する方
法が、特開平2−132147号公報では、イタコン
酸、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアル
デヒドプロピレングリコールアセタール等を配合する方
法が、それぞれ述べられているが、黄変抑止効果が不十
分であったり、十分な効果が得られるだけ添加量を増や
すと他の物性に悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物性
劣化が少なく電離放射線照射滅菌の際の黄変が非常に小
さいポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部に、シンナミル系化合物
0.01〜5重量部、及び環状アセタール基を有する化
合物0.01〜5重量部を配合してなるポリカーボネー
ト樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホス
ゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得
られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネ
ートの重合体又は共重合体である。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物の一例は,2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシ
ジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロ
キシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示さ
れるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例
示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロ
キノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル等があげられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物
は単独で或いは二種以上混合して使用しても良い。これ
らの中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好適に用いられている。
【0010】又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂
を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェ
ノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示
されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス
(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサ
チンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノ
ール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−
ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物があげられ、通常のフェノール、p−t
−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他に、
長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライ
ド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエ
ステル、アルキルエーテルフェノール等が例示される。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂において
は、一種類でも、又二種類以上を混合して使用しても良
い。
【0012】本発明におけるポリカーボネート樹脂の分
子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度2
5℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量
で、10,000〜100,000であり、好ましくは
15,000〜50,000である。本発明におけるシ
ンナミル系化合物は、下記一般式(1)で示される化合
物である。
【0013】
【化3】
【0014】式中、R1は、C1〜10のアルキル基、
アルコキシ基、−OH基、−CH2OH基またはハロゲ
ン基であり、X1は、−CO−、−COO−、−CH2
O−、−CH2−CO−、−CH2−O−COO−であ
り、R2は、H、C1〜30のアルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル
基、アリールアルケニル基、アシル基またはアリールア
シル基であり、アリール基、アリールアルキル基、アリ
ールアルケニル基およびアリールアシル基の核には置換
基として、C1〜10のアルキル基、アルコキシ基、−
OH基、−CH2OH基またはハロゲン基を有すること
ができ、mは、0〜5の整数である。シンナミル系化合
物は、1種類で、あるいは2種以上を混合して使用して
も良い。
【0015】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、
メトキシシンナムアルデヒド、シンナミルメチルエーテ
ル、シンナミルエチルエーテル、シンナミルアリルエー
テル、シンナミルフェニルエーテル、シンナミルベンジ
ルエーテル、シンナミルメチルケトン、シンナミルエチ
ルケトン、シンナミルアリルケトン、シンナミルフェニ
ルケトン、シンナミルベンジルケトン、酢酸シンナミル
エステル、プロピオン酸シンナミルエステル、酪酸シン
ナミルエステル、安息香酸シンナミルエステル、ケイ皮
酸メチルエステル、メチルケイ皮酸メチルエステル、ケ
イ皮酸エチルエステル、ケイ皮酸ビニルエステル、ケイ
皮酸アリルエステル、ケイ皮酸フェニルエステル、ケイ
皮酸ベンジルエステル、ケイ皮酸シンナミルエステル、
炭酸シンナミルメチル、炭酸シンナミルフェニル等が挙
げられる。
【0016】本発明におけるシンナミル系化合物の配合
量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、
0.01〜5重量部である。配合量が0.01重量部未
満では、電離放射線照射による黄変度の改良効果が不十
分となりやすく、5重量部を超えると機械物性が低下し
やすい。シンナミル系化合物の配合量は、黄変度の改良
効果と機械物性とのバランスの点から、ポリカーボネー
ト樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05〜3
重量部である。本発明における環状アセタール基を有す
る化合物は、下記一般式(2)または(3)で示される
化合物である。
【0017】
【化4】
【0018】式中、R3、R4、R6、R7、R8及びR9は、そ
れぞれ、H、C1〜10のアルキル基、−CH2OH
基、−COOCH3基、フェニル基またはハロゲン基で
あり、R 5は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレ
ン基またはアリーレン基であり、アリーレン基の核には
置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン
基を有することができ、R10は、H、C1〜30のアル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アル
コキシアルキル基、アシル基、アリールアシル基、ハロ
ゲン基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミノ
化アルキル基であり、アリール基、アリールアルキル
基、アリールアルケニル基及びアリールアシル基の核に
は置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲ
ン基を有することができ、X2、X3及びX4は、それぞ
れ、−CHR11−基、−O−基、−NH−基または−P
H−基であり、R11は、H、C1〜15のアルキル基ま
たはアリール基であり、i、j及びrは、それぞれ、0
または1であり、h、kまたはqは、それぞれ、1〜1
0の整数であり、但し、h、kまたはqが2以上の場
合、同一化合物内の、R3、R4、R 6、R7、R8またはR
9は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。該環状
アセタール基を有する化合物は、1種類で、あるいは2
種類以上を混合して使用しても良い。
【0019】一般式(2)で示される化合物の具体例と
しては、2、2’−エチレンビス−1、3−ジオキソラ
ン、2、2’−トリメチレンビス−1,3−ジオキソラ
ン、2、2’−フェニレンビス−1,3−ジオキソラン
等が挙げられる。
【0020】一般式(3)で示される化合物の具体例と
しては、1、3−ジオキソラン、2−メチル−1、3−
ジオキソラン、2−メチル−4−メチル−1、3−ジオ
キソラン、2−ペンチル−4−メチル−1、3−ジオキ
ソラン、2−n−ヘキシル−1、3−ジオキソラン、2
−オクチル−4−メチル−1、3−ジオキソラン、2−
メトキシ−1、3−ジオキソラン、2−クロロメチル−
1、3−ジオキソラン、2−ブロモメチル−1、3−ジ
オキソラン、2−(2−ブロモエチル)−1、3−ジオ
キソラン、2−アミノメチル−1、3−ジオキソラン、
2−(2−アミノエチル)−1、3−ジオキソラン、2
−フェニル−1、3−ジオキソラン、2−フェニル−4
−メチル−1、3−ジオキソラン、4−フェニル−1、
3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチル)−1、
3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチル)−4−
メチル−1、3−ジオキソラン、2−ベンジル−1、3
−ジオキソラン、2−ベンジル−4−メチル−1、3−
ジオキソラン、2−ベンジル−4、4−ジメチル−1、
3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−ヒドロキシメチ
ル−1、3−ジオキソラン、2−{2−(2−メトキシ
エトキシ)エトキシ}−1、3−ジオキソラン、2−ベ
ンジル−4、4−ジメチル−1、3−ジオキサン、4−
フェニル−1、3−ジオキサン、2−ベンジル−5、5
−ジメチル−1、3−ジオキサン等が挙げられる。
【0021】本発明における環状アセタール基を有する
化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、0.01〜5重量部である。配合量が0.0
1重量部未満では、目的とする電離放射線照射による黄
変度の改良効果が不十分となりやすく、5重量部を超え
ると機械物性が低下しやすい。環状アセタール基を有す
る化合物の配合量は、黄変度の改良効果と機械物性との
バランスの点から、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0022】シンナミル系化合物と環状アセタール基を
有する化合物の混合比は、特に制限はないが、好ましく
は重量比で10/90〜90/10である。上述したよ
うに、ポリカーボネート樹脂に、シンナミル系化合物及
び環状アセタール基を有する化合物を、それぞれ特定量
配合することにより、物性が低下することなく、黄変度
の少ないポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
【0023】本発明において、ポリカーボネート樹脂
に、シンナミル系化合物及び環状アセタール基を有する
化合物を配合する方法としては、最終成形品を成形する
直前までの任意の段階で、当業者に周知の種々の方法に
よって行うことができる。例えば、タンブラー、ヘンシ
ェルミキサー等で混合する方法や、フィーダーにより定
量的に押出機ホッパーに供給して混合する方法等があ
る。
【0024】本発明の組成物には更にその目的に応じ、
所望の特性を付与する他の添加剤を添加しても良い。例
えば、ハロゲン化合物、リン化合物、スルホン酸金属塩
等の難燃剤、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物等
の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン、珪素化合物
等の着火時の滴下防止剤、エラストマー等の耐衝撃改良
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維
状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミ
ックウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、
染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させる事も可能
である。
【0025】本発明の組成物は、射出成形、ブロー成形
等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすること
ができる。本発明の耐電離放射線性ポリカーボネート樹
脂組成物を適用することが望まれている医療用成形品と
しては、具体的には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入
装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
ーブ、チューブの接続具、心臓プローブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液等を入れる容器等が
挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 〔実施例1〜4、比較例1〜3〕ポリカーボネート樹脂
(ユーピロン S−2000、三菱エンジニアリングプ
ラスチックス株式会社製。粘度平均分子量25,00
0。)100重量部と、表−1に記載のシンナミル系化
合物及び環状アセタール基を有する化合物を、表−1に
記載の比率で、タンブラーにて混合し、各々φ40mm
一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度270℃で押
出してペレットを得た。このペレットを熱風乾燥器中
で、120℃にて5時間以上乾燥した後、樹脂温度27
0℃、金型温度80℃にて50mmφ×3mm厚みの試
験片を射出成形した。この成形片を用い、コバルト60
γ線を25キログレイ(kGy)照射し、照射前後の黄
色度を、JIS K7103に従って、スガ試験機
(株)製の色差計SM−3−CHにて測定し、黄変度
(ΔYI)を求めた。結果を表−1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の組成物は、物性の劣化が少なく
殺菌のために照射される電離放射線による色調の変化が
少ない。従って、電離放射線照射滅菌が行われる医療用
製品、医療用装置、医療用装置の部材等の用途に有用で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
    シンナミル系化合物0.01〜5重量部、及び環状アセ
    タール基を有する化合物0.01〜5重量部を配合して
    なるポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シンナミル系化合物が、下記一般式
    (1)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1は、C1〜10のアルキル基、アルコキシ
    基、−OH基、−CH2OH基またはハロゲン基であ
    り、X1は、−CO−、−COO−、−CH2−O−、−
    CH2−CO−、−CH2−O−COO−であり、R
    2は、H、C1〜30のアルキル基、シクロアルキル
    基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、
    アリールアルケニル基、アシル基またはアリールアシル
    基であり、アリール基、アリールアルキル基、アリール
    アルケニル基およびアリールアシル基の核には置換基と
    して、C1〜10のアルキル基、アルコキシ基、−OH
    基、−CH2OH基またはハロゲン基を有することがで
    き、mは、0〜5の整数である。)
  3. 【請求項3】 環状アセタール基を有する化合物が、下
    記一般式(2)または(3)で示される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1から2のいづれかに記載のポリ
    カーボネート樹脂組成物。 【化2】 (式中、R3、R4、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ、
    H、C1〜10のアルキル基、−CH2OH基、−CO
    OCH3基、フェニル基またはハロゲン基であり、R
    5は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレン基また
    はアリーレン基であり、アリーレン基の核には置換基と
    して、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有す
    ることができ、R10は、H、C1〜30のアルキル基、
    シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリー
    ルアルキル基、アリールアルケニル基、アルコキシアル
    キル基、アシル基、アリールアシル基、ハロゲン基、ハ
    ロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミノ化アルキル
    基であり、アリール基、アリールアルキル基、アリール
    アルケニル基及びアリールアシル基の核には置換基とし
    て、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有する
    ことができ、X2、X3及びX4は、それぞれ、−CHR11
    −基、−O−基、−NH−基または−PH−基であり、
    11は、H、C1〜15のアルキル基またはアリール基
    であり、i、j及びrは、それぞれ、0または1であ
    り、h、kまたはqは、それぞれ、1〜10の整数であ
    り、但し、h、kまたはqが2以上の場合、同一化合物
    内の、R3、R4、R 6、R7、R8またはR9は、それぞれ、同
    じでも異なっていてもよい。)
JP16942696A 1996-06-28 1996-06-28 ポリカーボネート樹脂組成物 Pending JPH107896A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16942696A JPH107896A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 ポリカーボネート樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16942696A JPH107896A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 ポリカーボネート樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH107896A true JPH107896A (ja) 1998-01-13

Family

ID=15886380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16942696A Pending JPH107896A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 ポリカーボネート樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH107896A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4493792B2 (ja) * 2000-03-16 2010-06-30 株式会社クラレ 架橋剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4493792B2 (ja) * 2000-03-16 2010-06-30 株式会社クラレ 架橋剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09124918A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH08311321A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3330793B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3370214B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0940854A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2002069283A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09310010A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH107896A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0925404A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3592844B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3592843B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3370208B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0931315A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09249804A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3370219B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09255862A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09208819A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09302208A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3618458B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3618459B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3618444B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09227770A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH10324797A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09255861A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09227771A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物