JPH09227770A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH09227770A
JPH09227770A JP3634396A JP3634396A JPH09227770A JP H09227770 A JPH09227770 A JP H09227770A JP 3634396 A JP3634396 A JP 3634396A JP 3634396 A JP3634396 A JP 3634396A JP H09227770 A JPH09227770 A JP H09227770A
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alkyl
compound
polycarbonate resin
arylalkoxy
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JP3634396A
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English (en)
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Shinya Miya
新也 宮
Satoshi Kanayama
聡 金山
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌の為に照射される電離放射線による色調
の変化や物性劣化の少ないポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物0.
01〜5重量部及びスルフィド化合物0.01〜5重量
部からなるポリカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシ基またはカ
ルボニル基を有する芳香族化合物及びスルフィド化合物
が配合されたポリカーボネート樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的
強度,耐衝撃強度,耐熱性,透明性を有し安全性も高い
事から医療用製品として広く用いられている。これら医
療用製品は、その使用に際し通常完全滅菌が行われる。
具体的には高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌法、ガンマ線や電子線等の電離放射線の
照射による滅菌法等である。このうち、高圧蒸気滅菌法
は、エネルギーコストが高く、さらに滅菌処理後に乾燥
工程が必要である。又、EOG滅菌ではEOG自身が毒
性を有する事や廃棄処理に関連する環境問題等を有す
る。従って、最近では比較的安価で、低温・乾式で処理
可能な電離放射線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌
法がよく使用されるようになっている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は、滅菌の際に電離放射線を照射
されると、黄色く変色してしまい、特に医療用途に於い
ての、製品価値を損なうという欠点を有している。
【0003】この様な欠点を解決する方法として、例え
ば、特開平2−55062号公報では、ハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂を配合する方法が、特開平5−17
9127号公報では核臭素化フタル酸誘導体を配合する
方法が、それぞれ述べられているが、組成物中にハロゲ
ンを含有する為に金属腐蝕が発生し易く、成形機等に特
別な材質の金属を使用する必要があった。
【0004】また、イオウ化合物を使用する方法とし
て、特開平1−229052号公報ではチオアルコール
類を配合する方法が、特開平2−115260号公報で
はチオエーテル類を配合する方法が、特開平2−490
58号、特開平4−36343号、特開平6−1668
07号各公報ではメルカプト基を有する化合物を配合す
る方法が、特開平5−209120号公報ではポリアル
キレンオキシド及びスルホン酸エステル置換基を持つ芳
香族化合物を併用する方法が、さらに、特開平6−93
192号公報、特開平6−248170号各公報ではス
ルフィド基を有する化合物を配合する方法が述べられて
いるが、いずれにおいても黄変抑止効果が不十分であっ
たり、使用時に悪臭が発生し、成形加工時の環境を悪化
させるといった問題点が存在する。
【0005】さらに、特開昭61−215651号公報
ではホウ素化合物を配合する方法が、特開昭62−13
5556号公報ではポリエーテルポリオール又はそのア
ルキルエーテルを配合する方法が、特開平2ー2322
58号公報ではベンジルアルコール誘導体を配合する方
法が、特開平2−132147号公報では、イタコン
酸、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアル
デヒドプロピレングリコールアセタール等を配合する方
法が、それぞれ述べられているが、黄変抑止効果が不十
分であったり、十分な効果が得られるだけ添加量を増や
すと他の物性に悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物性
劣化が少なく電離放射線照射滅菌の際の黄変が非常に小
さいポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部に、オキシ基またはカル
ボニル基を有する芳香族化合物0.01〜5重量部、及
びスルフィド化合物0.01〜5重量部を配合してなる
ポリカーボネート樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホス
ゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得
られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネ
ートの重合体又は共重合体である。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物の一例は,2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシ
ジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロ
キシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示さ
れるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例
示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロ
キノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル等があげられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物
は単独で或いは二種以上混合して使用しても良い。これ
らの中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好適に用いられている。
【0010】又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂
を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェ
ノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示
されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス
(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサ
チンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノ
ール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−
ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物があげられ、通常のフェノール、p−t
−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他に、
長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライ
ド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエ
ステル、アルキルエーテルフェノール等が例示される。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂において
は、一種類でも、又二種類以上を混合して使用しても良
い。
【0012】本発明におけるポリカーボネート樹脂の分
子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度2
5℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量
で、10,000〜100,000であり、好ましくは
15,000〜50,000である。本発明におけるオ
キシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物は、下
記一般式(1)または(2)で示される化合物である。
【0013】
【化3】
【0014】式中、R1、R3及びR5は、それぞれ、C1
〜10のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキ
ル基、アリールアルコキシアルキル基、−CH2OH基
またはハロゲン基であり、R4は、C1〜15のアルキ
レン基、アルケニレン基、アリーレン基、アルキレンジ
オキシ基またはアリーレンジアルキレンオキシ基であ
り、アリーレン基及びアリーレンジアルキレンオキシ基
の核には置換基として、C1〜10のアルキル基または
ハロゲン基を有することができ、X1、X2及びX3は、そ
れぞれ、−O−、−CHR6-O−、−CO−、−CHR
7-CO−、−CO−CO−又は−CO−C(OR8)2-で
あり、R2、R6、R7及びR8は、それぞれ、H、C1〜3
0のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル
基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アリールア
ルキルアルコキシ基、アシル基またはアリールアシル基
であり、アリール基、アリールアルキル基、アリールア
ルケニル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキル
アルコキシ基及びアリールアシル基の核には置換基とし
て、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有する
ことができ、また、同一核にあるR2を有する置換基
が、2個以上存在する場合は該置換基はそれぞれのR2
を介して共有結合で結ばれていても良く、h、j及びk
は、それぞれ、0〜5の整数であり、iは1〜6の整数
であり、hとiの合計は1〜6である。該オキシ基ある
いはカルボニル基を有する芳香族化合物を有する化合物
は、1種類で、あるいは2種以上を混合して使用しても
良い。
【0015】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、ジフェニルエーテル、アリルフェニルエーテ
ル、ジベンジルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベ
ンジルフェニルエーテル、ベンジルナフチルエーテル、
1、4−ベンゾジオキサン、1、2ーメチレンジオキシ
ベンゼン、ピペロニルアルコール、ベンゾフェノン、ジ
ベンジルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルフェ
ニルケトン、ベンジルトリルケトン、ベンジルナフチル
ケトン、ジベンゾイル、ベンゾイルシクロブタン、ベン
ゾイルプロパン、ベンゾインエチルエーテル、1、2ー
ジベンゾイルベンゼン、1、4ービスメトキシメチルベ
ンゼン、フェニル酢酸ベンジルエステル、安息香酸ベン
ジルエステル、フタル酸ベンジルブチルエステル、フタ
ル酸ジシクロヘキシルエステル、ベンジルジメチルケタ
ール等が挙げられる。
【0016】一般式(2)で示される化合物の具体例と
しては、ジベンゾイルメタン、ジベンゾイルプロパン、
1、2ージベンジロキシエタン、ヒドロキノンジベンジ
ルエーテル、エチレングリコールジベンゾエート等が挙
げられる。
【0017】本発明におけるオキシ基またはカルボニル
基を有する芳香族化合物の配合量は、ポリカーボネート
樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であ
る。配合量が0.01重量部未満では、目的とする電離
放射線照射による黄変度の改良効果が不十分となりやす
く、5重量部を超えると機械物性が低下しやすい。本発
明におけるオキシ基またはカルボニル基を有する芳香族
化合物の配合量は、黄変防止と機械物性との点より、ポ
リカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.05〜3重量部である。本発明におけるスルフィド
化合物は、下記一般式(3)または(4)で示される化
合物である。
【0018】
【化4】 R9-(S)m-R10 (3) R11-(S)n-{R12-(S)p}q-R13 (4)
【0019】式中、R9、R10、R11およびR13は、それ
ぞれ、C1〜30の、アルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリ
ールアルケニル基、アシル基、アシルアルキル基、アル
コキシアルキル基、アリールアルコキシアルキル基また
はアリールアルコキシアルケニル基であり、アリール
基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリ
ールアルコキシアルキル基及びアリールアルコキシアル
ケニル基の核には置換基として、C1〜4のアルキル
基、ハロゲン基、−NO2基、−N(R14)2基、−CO
OR15基、−OR16基または−CH2OR17基を有する
ことができ、アシルアルキル基、アルコキシアルキル
基、アリールアルコキシアルキル基およびアリールアル
コキシアルケニル基は、それぞれ、アシル基、アルコキ
シ基またはアリールアルコキシ基を、アルキル幹または
アルケニル幹に複数個有していても良く、R9とR10
よびR11とR13は、共有結合で結ばれていても良く、R
12は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレン基、ア
リーレン基、アルキリデン基、アリールアルキリデン基
またはジアルキレンアリーレン基であり、アリーレン
基、アリールアルキリデン基及びジアルキレンアリーレ
ン基の核には置換基として、C1〜4のアルキル基、ハ
ロゲン基、−NO2基、−N(R14)2基、−COOR15
基、−OR16基または−CH2OR17基を有することが
でき、R14、R15、R16およびR17は、それぞれ、H、C
1〜10のアルキル基、アリール基、またはアリールア
ルキル基であり、m、n及びpは、それぞれ、1〜10
の整数であり、qは1〜1000の整数である。該スル
フィド化合物は、1種類で、あるいは2種以上を混合し
て使用しても良い。
【0020】一般式(3)で示される化合物の具体例と
しては、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、
ジメチルトリスルフィド、ジエチルスルフィド、ジビニ
ルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジフェニルジス
ルフィド、ジフェニルトリスルフィド、ビス(ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ジトリルスルフィド、ジトリ
ルジスルフィド、ビス(ニトロフェニル)スルフィド、
ビス(アミノフェニル)スルフィド、ビス(クロロフェ
ニル)スルフィド、ビス(メトキシフェニル)スルフィ
ド、ジベンゾイルスルフィド、ジベンゾイルジスルフィ
ド、ジベンジルスルフィド、ジベンジルジスルフィド、
ジベンジルトリスルフィド、ジベンジルテトラスルフィ
ド、ジベンジルペンタスルフィド、ジベンジルヘキサス
ルフィド、ジベンジルヘプタスルフィド、ジベンジルオ
クタスルフィド、ジシクロヘキシルスルフィド、ジシク
ロヘキシルジスルフィド、メチルシクロヘキシルスルフ
ィド、メチルフェニルスルフィド、メチルアリルスルフ
ィド、メチルベンジルスルフィド、フェニルアリルスル
フィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルベンジル
スルフィド、フェニルスチリルスルフィド、フェニルシ
ンナミルスルフィド、フェニルベンゾイルスルフィド、
フェニルフェナシルスルフィド、フェニルシクロヘキシ
ルスルフィド、トリルベンジルスルフィド、ベンジルア
リルスルフィド、トリメチレンスルフィド、トリメチレ
ンジスルフィド、テトラメチレンスルフィド、テトラメ
チレンジスルフィド、ペンタメチレンスルフィド、チオ
フェン、4H−チイン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチ
オフェン、チアクロマン、チアキサンテン等が挙げられ
る。
【0021】一般式(4)で示される化合物の具体例と
しては、ジエチルチオアセタール、α−フェニル−ジエ
チルチオアセタール、1、1−ビス(エチルチオ)プロ
パン、1、1−ビス(エチルチオ)プロペン、1、4−
ビス(メチルジチオ)シクロヘキサン、1、3−ジチオ
ラン、1、3−ジチアン、1、4−ジチアン、1、4−
ジチエン、1、4−ジチアジエン、チアントレン、1、
3、5−トリチアン、ポリフェニレンスルフィド等が挙
げられる。
【0022】本発明におけるスルフィド化合物の配合量
は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.
01〜5重量部である。配合量が0.01重量部未満で
は、目的とする電離放射線照射による黄変度の改良効果
が不十分となりやすく、5重量部を超えると、機械物性
が低下しやすい。本発明におけるスルフィド化合物の配
合量は、黄変防止と機械物性との点より、ポリカーボネ
ート樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.05
〜3重量部である。
【0023】オキシ基またはカルボニル基を有する芳香
族化合物とスルフィド化合物の混合比は、特に制限はな
いが、好ましくは重量比で10/90〜90/10であ
る。上述したように、ポリカーボネート樹脂に、それぞ
れ、特定量のオキシ基またはカルボニル基を有する芳香
族化合物とスルフィド化合物とを配合することにより、
物性が低下することなく、黄変度の少ないポリカーボネ
ート樹脂組成物が得られる。
【0024】本発明において、ポリカーボネート樹脂
に、オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物
及びスルフィド化合物を配合する方法としては、最終成
形品を成形する直前までの任意の段階で、当業者に周知
の種々の方法によって行うことができる。例えば、タン
ブラー、ヘンシェルミキサー等で混合する方法や、フィ
ーダーにより定量的に押出機ホッパーに供給して混合す
る方法等がある。
【0025】本発明の組成物には更にその目的に応じ、
所望の特性を付与する他の添加剤を添加しても良い。例
えば、ハロゲン化合物、リン化合物、スルホン酸金属塩
等の難燃剤、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物等
の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン、珪素化合物
等の着火時の滴下防止剤、エラストマー等の耐衝撃改良
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維
状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミ
ックウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、
染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させる事も可能
である。
【0026】本発明の組成物は、射出成形、ブロー成形
等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすること
ができる。本発明の耐電離放射線性ポリカーボネート樹
脂組成物を適用することが望まれている医療用成形品と
しては、具体的には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入
装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
ーブ、チューブの接続具、心臓プローブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液等を入れる容器等が
挙げられる。
【0027】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】 〔実施例1〜6、比較例1〜3〕ポリカーボネート樹脂
100重量部(ユーピロン S−2000、三菱エンジ
ニアリングプラスチックス株式会社製、粘度平均分子量
25,000)と、表−1に記載のオキシ基またはカル
ボニル基を有する芳香族化合物及びスルフィド化合物
を、表−1に記載の比率で、タンブラーにて混合し、各
々φ40mm一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度
270℃で押出してペレットを得た。このペレットを熱
風乾燥器中で、120℃にて5時間以上乾燥した後、樹
脂温度270℃、金型温度80℃にて50mmφ×3m
m厚みの試験片を射出成形した。この成形片を用い、コ
バルト60γ線を25キログレイ(kGy)照射し、照
射前後の黄色度を、JIS K7103に従って、スガ
試験機(株)製の色差計SM−3−CHにて測定し、黄
変度(ΔYI)を求めた。結果を表−1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の組成物は、物性の劣化が少なく
殺菌のために照射される電離放射線による色調の変化が
少ない。従って、電離放射線照射滅菌が行われる医療用
製品、医療用装置、医療用装置の部材等の用途に有用で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
    オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物0.
    01〜5重量部、及びスルフィド化合物0.01〜5重
    量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 オキシ基またはカルボニル基を有する芳
    香族化合物が、下記一般式(1)または(2)で示され
    る化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリ
    カーボネート樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R3及びR5は、それぞれ、C1〜10のア
    ルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリ
    ールアルコキシアルキル基、−CH2OH基またはハロ
    ゲン基であり、R4は、C1〜15のアルキレン基、ア
    ルケニレン基、アリーレン基、アルキレンジオキシ基ま
    たはアリーレンジアルキレンオキシ基であり、アリーレ
    ン基及びアリーレンジアルキレンオキシ基の核には置換
    基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を
    有することができ、X1、X2及びX3は、それぞれ、−O
    −、−CHR6-O−、−CO−、−CHR7-CO−、−
    CO−CO−又は−CO−C(OR8)2-であり、R2
    6、R7及びR8は、それぞれ、H、C1〜30のアルキ
    ル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、
    アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルコキ
    シ基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルアルコ
    キシ基、アシル基またはアリールアシル基であり、アリ
    ール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、
    アリールアルコキシ基、アリールアルキルアルコキシ基
    及びアリールアシル基の核には置換基として、C1〜1
    0のアルキル基またはハロゲン基を有することができ、
    また、同一核にあるR2を有する置換基が、2個以上存
    在する場合は該置換基はそれぞれのR2を介して共有結
    合で結ばれていても良く、h、j及びkは、それぞれ、
    0〜5の整数であり、iは1〜6の整数であり、hとi
    の合計は1〜6である。)
  3. 【請求項3】 スルフィド化合物が、下記一般式(3)
    または(4)で示される化合物であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成
    物。 【化2】 R9-(S)m-R10 (3) R11-(S)n-{R12-(S)p}q-R13 (4) (式中、R9、R10、R11およびR13は、それぞれ、C1
    〜30の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケ
    ニル基、アシル基、アシルアルキル基、アルコキシアル
    キル基、アリールアルコキシアルキル基またはアリール
    アルコキシアルケニル基であり、アリール基、アリール
    アルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルコキ
    シアルキル基及びアリールアルコキシアルケニル基の核
    には置換基として、C1〜4のアルキル基、ハロゲン
    基、−NO2基、−N(R14)2基、−COOR15基、−
    OR16基または−CH2OR17基を有することができ、
    アシルアルキル基、アルコキシアルキル基、アリールア
    ルコキシアルキル基およびアリールアルコキシアルケニ
    ル基は、それぞれ、アシル基、アルコキシ基またはアリ
    ールアルコキシ基を、アルキル幹またはアルケニル幹に
    複数個有していても良く、R9とR10およびR11とR13
    は、共有結合で結ばれていても良く、R12は、C1〜1
    5のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ア
    ルキリデン基、アリールアルキリデン基またはジアルキ
    レンアリーレン基であり、アリーレン基、アリールアル
    キリデン基及びジアルキレンアリーレン基の核には置換
    基として、C1〜4のアルキル基、ハロゲン基、−NO
    2基、−N(R14)2基、−COOR15基、−OR16基ま
    たは−CH2OR17基を有することができ、R14、R15
    16およびR17は、それぞれ、H、C1〜10のアルキ
    ル基、アリール基、またはアリールアルキル基であり、
    m、n及びpは、それぞれ、1〜10の整数であり、q
    は1〜1000の整数である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007145906A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Nippon Shokubai Co Ltd 樹脂用添加剤
JP2009007405A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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