JPH0925404A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH0925404A
JPH0925404A JP17624895A JP17624895A JPH0925404A JP H0925404 A JPH0925404 A JP H0925404A JP 17624895 A JP17624895 A JP 17624895A JP 17624895 A JP17624895 A JP 17624895A JP H0925404 A JPH0925404 A JP H0925404A
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polycarbonate resin
aromatic hydrocarbon
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JP17624895A
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Shinya Miya
新也 宮
Satoshi Kanayama
聡 金山
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌の為に照射される電離放射線による色調
の変化や物性劣化の少ないポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂0.01〜5重量部及
びアリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、アリ
ールカルボニル基あるいはアリールアルキルカルボニル
基を有する化合物0.01〜5重量部を配合してなるポ
リカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族炭化水素ー
アルデヒド樹脂及びアリールオキシ基、アリールアルキ
ルオキシ基、アリールカルボニル基あるいはアリールア
ルキルカルボニル基を有する化合物が配合されたポリカ
ーボネート樹脂組成物に関するものである。特に、殺菌
の為に照射される電離放射線による色調の変化や物性劣
化の少ない、耐電離放射線に優れたポリカーボネート樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的
強度,耐衝撃強度,耐熱性,透明性を有し安全性も高い
事から医療用製品として広く用いられている。これら医
療用製品は、その使用に際し通常完全滅菌が行われる。
具体的には高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌法、ガンマ線や電子線等の電離放射線の
照射による滅菌法等である。 このうち、高圧蒸気滅菌
法は、エネルギーコストが高く、さらに滅菌処理後に乾
燥工程が必要である。又、EOG滅菌ではEOG自身が
毒性を有する事や廃棄処理に関連する環境問題等を有す
る。従って、最近では比較的安価で、低温・乾式で処理
可能な電離放射線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌
法がよく使用されるようになっている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は、滅菌の際に電離放射線を照射
されると、黄色く変色してしまい、特に医療用途に於い
ての、製品価値を損なうという欠点を有している。
【0003】この様な欠点を解決する方法として、例え
ば、特開平2−55062号公報では、ハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂を配合する方法が、特開平5−17
9127号公報では核臭素化フタル酸誘導体を配合する
方法が、それぞれ述べられているが、組成物中にハロゲ
ンを含有する為に金属腐蝕が発生し易く、成形機等に特
別な材質の金属を使用する必要があった。
【0004】また、イオウ化合物を使用する方法とし
て、特開平1−229052号公報ではチオアルコール
類を配合する方法が、特開平2−115260号公報で
はチオエーテル類を配合する方法が、特開平2−490
58号、特開平4−36343号、特開平6−1668
07号各公報ではメルカプト基を有する化合物を配合す
る方法が、特開平6−93192号公報ではスルフィド
基を有する化合物を配合する方法が、さらに、特開平5
−209120号公報ではポリアルキレンオキシド及び
スルホン酸エステル置換基を持つ芳香族化合物を併用す
る方法が述べられているが、いずれにおいても黄変抑止
効果が不十分であったり、使用時に悪臭が発生し、成形
加工時の環境を悪化させるといった問題点が存在する。
【0005】さらに、特開平61−215651号公報
ではホウ素化合物を配合する方法が、特開平62−13
5556号公報ではポリエーテルポリオール又はそのア
ルキルエーテルを配合する方法が、特開平2ー2322
58号公報ではベンジルアルコール誘導体を配合する方
法が、それぞれ述べられているが、黄変抑止効果が不十
分であったり、十分な効果が得られるだけ添加量を増や
すと他の物性に悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物性
劣化が少なく電離放射線照射滅菌の際の黄変が非常に小
さいポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部に、芳香族炭化水素ーア
ルデヒド樹脂0.01〜5重量部、及びアリールオキシ
基、アリールアルキルオキシ基、アリールカルボニル基
又はアリールアルキルカルボニル基を有する化合物0.
01〜5重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組
成物に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホス
ゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得
られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネ
ートの重合体又は共重合体である。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物の一例は,2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル−1−フェニルエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン
等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジ
アリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキ
シジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示される
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示さ
れるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等
があげられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単
独で或いは二種以上混合して使用しても良い。これらの
中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好適に用いられている。
【0010】又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂
を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェ
ノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示
されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス
(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサ
チンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノ
ール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−
ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物があげられ、通常のフェノール、p−t
−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他に、
長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライ
ド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエ
ステル、アルキルエーテルフェノール等が例示される。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂において
は、一種類でも、又二種類以上を混合して使用しても良
い。
【0012】本発明におけるポリカーボネート樹脂の分
子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度2
5℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量
で、10、000〜100、000であり、好ましくは
15、000〜50、000である。
【0013】本発明における芳香族炭化水素ーアルデヒ
ド樹脂は、芳香族炭化水素と、アルデヒドとを酸触媒の
存在下に反応させて得られる樹脂である。芳香族炭化水
素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、エチルベン
ゼン、キシレン、メチルエチルベンゼン、トリメチルベ
ンゼン、テトラメチルベンゼン、クメン等の単環芳香族
炭化水素化合物、ナフタレン、メチルナフタレン、エチ
ルナフタレン、ジメチルナフタレン、アセナフテン、ア
ントラセン等の多環芳香族炭化水素化合物が挙げられ
る。該芳香族炭化水素化合物は単独で或いは二種以上混
合して使用しても良い。これらの中で、特にトルエン、
キシレン、メシチレン、プソイドクメン、ナフタレン等
が好んで用いられる。
【0014】アルデヒドの具体例としては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデ
ヒド、ラウリンアルデヒド、ステアリンアルデヒド等で
例示される飽和脂肪族アルデヒド類;グルオキサール、
スクシンジアルデヒド等で例示される脂肪族多価アルデ
ヒド類;アクロレイン、クロトンアルデヒド、プロピオ
ールアルデヒド等で例示される不飽和脂肪族アルデヒド
類;ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、サリチルアル
デヒド、シンナムアルデヒド、ナフトアルデヒド等で例
示される芳香族アルデヒド類;フルフラール等で例示さ
れる複素環式アルデヒド類;メチラール、ジオキソラ
ン、トリオキサン、テトラオキサン、パラホルムアルデ
ヒド、パラアルデヒド、メタアルデヒド等で例示される
アルデヒド誘導体等が挙げられる。該アルデヒドは単独
で或いは二種以上混合して使用しても良い。これらの中
で、特にホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルム
アルデヒド、アセトアルデヒドが好んで用いられる。
【0015】本発明における芳香族炭化水素ーアルデヒ
ド樹脂としては、実質的にアセタール基を含有せず、主
として芳香環がアルキレン基、アルキレンエーテル基で
結合された芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂が好まし
い。ここで、アセタール基を含有しないとは、一分子中
の平均アセタール基数が0.1モル以下であることを意
味する。
【0016】このようなアセタール基を含有しない芳香
族炭化水素ーアルデヒド樹脂は、市販品として容易に入
手することが可能である。具体的には、三菱ガス化学株
式会社からニカノ−ルDS、ニカノールS、ニカノール
Kなどの商品名で提供されるものが挙げられる。また、
例えば、特開昭60−51133号、特開昭61−22
3016号、特開昭61−213216号、特開昭63
−196616号、特開平4−224825号、特開平
4−335014号、特開平5−186544号、特開
平6−136081号等の各公報に記載された方法によ
って製造することもできる。
【0017】さらに、本発明における芳香族炭化水素ー
アルデヒド樹脂としては、酸素含有量が少なくとも8重
量%のものが好ましい。このような芳香族炭化水素ーア
ルデヒド樹脂は、市販品として容易に入手することが可
能である。具体的には、三菱ガス化学株式会社からニカ
ノールH、ニカノールL、ニカノールG、ニカノールY
の商品名で提供されるもの、ゼネラル石油化学株式会社
からゼネライト6010、ゼネライト5100の商品名
で提供されるものが挙げられる。
【0018】本発明においては、これらの芳香族炭化水
素ーアルデヒド樹脂は一種類で、または二種類以上を混
合して使用しても良い。本発明における芳香族炭化水素
ーアルデヒド樹脂の使用量は、ポリカーボネート樹脂1
00重量部に対して、芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂
0.01〜5重量部、好ましくは、0.1〜2重量部で
ある。配合量が0.01重量部未満では、目的とする電
離放射線照射による黄変度の改良効果が不十分であり、
5重量部を超えると、機械物性、耐熱性等が低下するの
で好ましくない。
【0019】本発明におけるアリールオキシ基、アリー
ルアルキルオキシ基、アリールカルボニル基あるいはア
リールアルキルカルボニル基を有する化合物は、下記一
般式(1)または(2)で示される化合物である。
【0020】
【化2】
【0021】式中、R1、R3及びR5は、それぞれ、C1
〜10のアルキル基、−CH2OH基又はハロゲン基で
あり、R4は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレ
ン基又はアリーレン基であり、アリーレン基の核には置
換基として、C1〜10のアルキル基又はハロゲン基を
有することができる。X1、X2及びX3は、それぞれ、−
O−、−CHR6-O−、−CO−、−CHR7-CO−、
−CO−CO−、又は、−CO−C(OR8)2-である。
2、R6、R7及びR8は、それぞれ、H、C1〜30のア
ルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アル
コキシ基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルア
ルコキシ基、アシル基又はアリールアシル基であり、ア
リール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル
基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルアルコキ
シ基及びアリールアシル基の核には置換基として、C1
〜10のアルキル基又はハロゲン基を有することがで
き、また、同一核にあるR2を有する置換基が2個以上
存在する場合は該置換基はそれぞれのR2を介して共有
結合で結ばれていても良い。j、m及びnは、それぞ
れ、0〜5の整数である。kは1〜6の整数であり、好
ましくは1〜3の整数である。また、jとkとの合計は
6以下である。該アリールオキシ基、アリールアルキル
オキシ基、アリールカルボニル基あるいはアリールアル
キルカルボニル基を有する化合物は、1種類で、あるい
は2種以上を混合して使用しても良い。
【0022】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ベ
ンジルメチルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、ベ
ンジルナフチルエーテル、1、4−ベンゾジオキサン、
1、2−メチレンジオキシベンゼン、ピペロニルアルコ
ール、ベンゾフェノン、ジベンジルケトン、ベンジルメ
チルケトン、ベンジルフェニルケトン、ベンジルトリル
ケトン、ベンジルナフチルケトン、ジベンゾイル、ベン
ゾイルシクロブタン、ベンゾイルプロペン、ベンゾイン
エチルエーテル、1、2−ジベンゾイルベンゼン、1、
4ービスメトキシメチルベンゼン、フェニル酢酸ベンジ
ルエステル、安息香酸ベンジルエステル、フタル酸ベン
ジルブチルエステル、ベンジルジメチルケタール等が挙
げられる。一般式(2)で示される化合物の具体例とし
ては、ジベンゾイルメタン、ジベンゾイルプロパン、
1、2−ジベンジロキシエタン、ヒドロキノンジベンジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0023】本発明におけるアリールオキシ基、アリー
ルアルキルオキシ基、アリールカルボニル基あるいはア
リールアルキルカルボニル基を有する化合物の配合量
は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.
01〜5重量部である。配合量が0.01重量部未満で
は、目的とする電離放射線照射による黄変度の改良効果
が不十分であり、5重量部を超えると、機械物性が低下
するので好ましくない。黄変度の改良及び機械物性の低
下防止の点から、好ましい配合量は、0.05〜3重量
部である。
【0024】芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂とアリー
ルオキシ基、アリールアルキルオキシ基、アリールカル
ボニル基あるいはアリールアルキルカルボニル基を有す
る化合物の混合比は、特に制限はないが、好ましくは重
量比で10/90〜90/10である。上述したよう
に、ポリカーボネート樹脂に、それぞれ、特定量の芳香
族炭化水素ーアルデヒド樹脂とアリールオキシ基、アリ
ールアルキルオキシ基、アリールカルボニル基あるいは
アリールアルキルカルボニル基を有する化合物とを配合
することにより、物性が低下することなく、黄変度の少
ないポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
【0025】本発明においてポリカーボネート樹脂に、
芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂及びアリールオキシ
基、アリールアルキルオキシ基、アリールカルボニル基
あるいはアリールアルキルカルボニル基を有する化合物
を配合する方法としては、最終成形品を成形する直前ま
での任意の段階で、当業者に周知の種々の方法によって
行うことができる。例えば、タンブラー、ヘンシェルミ
キサー等で混合する方法や、フィーダーにより定量的に
押出機ホッパーに供給して混合する方法等がある。
【0026】本発明の組成物には更にその目的に応じ、
所望の特性を付与する他の添加剤を添加しても良い。例
えば、ハロゲン化合物、リン化合物、スルホン酸金属塩
等の難燃剤、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物等
の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン、珪素化合物
等の着火時の滴下防止剤、エラストマー等の耐衝撃改良
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維
状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミ
ックウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、
染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させる事も可能
である。
【0027】本発明の組成物は、射出成形、ブロー成形
等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすること
ができる。本発明の耐電離放射線性ポリカーボネート樹
脂組成物を適用することが望まれている医療用成形品と
しては、具体的には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入
装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
ーブ、チューブの接続具、心臓プローブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液等を入れる容器等が
挙げられる。
【0028】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【実施例】各実施例にて使用した原材料は下記の通りで
ある。 ポリカーボネート樹脂:ユーピロン S−2000(三
菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製。粘度平
均分子量25、000。) 芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂:ニカノールDS
(三菱ガス化学株式会社製。アセタール基は検出され
ず。) ニカノールL (三菱ガス化学株式会社製。酸素含
有量10重量%。) ニカノールY−50(三菱ガス化学株式会社製。酸素含
有量18重量%。)
【0029】〔実施例−1〜7、比較例−1〜3〕ポリ
カーボネート樹脂100重量部と、表−1に記載の芳香
族炭化水素ーアルデヒド樹脂及びアリールオキシ基、ア
リールアルキルオキシ基、アリールカルボニル基又はア
リールアルキルカルボニル基を有する化合物を、表−1
に記載の比率で、タンブラーにて混合し、各々φ40m
m一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度270℃で
押出してペレットを得た。このペレットを熱風乾燥器中
で、120℃にて5時間以上乾燥した後、樹脂温度27
0℃、金型温度80℃にて50mmφ×3mm厚みの試
験片を射出成形した。この成形片を用い、コバルト60
γ線を25キログレイ(kGy)照射し、照射前後の黄
色度を、JIS K7103に従って、スガ試験機
(株)製の色差計SM−3−CHにて測定し、黄変度
(ΔYI)を求めた。結果を表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の組成物は、物性の劣化が少なく
殺菌のために照射される電離放射線による色調の変化が
小さい。従って、電離放射線照射滅菌が行われる医療用
製品、医療用装置、医療用装置の部材等の用途に有用で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
    芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂0.01〜5重量部と
    アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、アリー
    ルカルボニル基又はアリールアルキルカルボニル基を有
    する化合物0.01〜5重量部とを配合してなるポリカ
    ーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂が、ト
    ルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン及びナ
    フタレンからなる群より選ばれた少なくとも一種の芳香
    族炭化水素と、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラ
    ホルムアルデヒド、及びアセトアルデヒドからなる群よ
    り選ばれた少なくとも一種のアルデヒドとを、酸触媒の
    存在下に反応させて得られる樹脂であることを特徴とす
    る請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂が、実
    質的にアセタール基を含有しない樹脂であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂の酸素
    含有率が、少なくとも8重量%であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アリールオキシ基、アリールアルキルオ
    キシ基、アリールカルボニル基又はアリールアルキルカ
    ルボニル基を有する化合物が、下記一般式(1)または
    (2)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成
    物。 【化1】 (式中、R1、R3及びR5は、それぞれ、C1〜10のア
    ルキル基、−CH2OH基又はハロゲン基であり、R
    4は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレン基又は
    アリーレン基であり、アリーレン基の核には置換基とし
    て、C1〜10のアルキル基又はハロゲン基を有するこ
    とができ、X1、X2及びX3は、それぞれ、−O−、−C
    HR6-O−、−CO−、−CHR7-CO−、−CO−C
    O−、又は、−CO−C(OR8)2-であり、R2、R6、R7
    及びR8は、それぞれ、H、C1〜30のアルキル基、
    シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリー
    ルアルキル基、アリールアルケニル基、アルコキシ基、
    アリールアルコキシ基、アリールアルキルアルコキシ
    基、アシル基又はアリールアシル基であり、アリール
    基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリ
    ールアルコキシ基、アリールアルキルアルコキシ基及び
    アリールアシル基の核には置換基として、C1〜10の
    アルキル基又はハロゲン基を有することができ、また、
    同一核にあるR2を有する置換基が2個以上存在する場
    合は該置換基はそれぞれのR2を介して共有結合で結ば
    れていても良く、j、m及びnは、それぞれ、0〜5の
    整数であり、kは1〜6の整数であり、jとkとの合計
    が6以下である。)
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