JPH09227771A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH09227771A
JPH09227771A JP3634496A JP3634496A JPH09227771A JP H09227771 A JPH09227771 A JP H09227771A JP 3634496 A JP3634496 A JP 3634496A JP 3634496 A JP3634496 A JP 3634496A JP H09227771 A JPH09227771 A JP H09227771A
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alkyl
polycarbonate resin
halogen
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JP3634496A
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Shinya Miya
新也 宮
Satoshi Kanayama
聡 金山
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌の為に照射される電離放射線による色調
の変化や物性劣化の少ないポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物0.
01〜5重量部及び環状アセタール基を有する化合物
0.01〜5重量部からなるポリカーボネート樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシ基またはカ
ルボニル基を有する芳香族化合物及び環状アセタール基
を有する化合物が配合されたポリカーボネート樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的
強度,耐衝撃強度,耐熱性,透明性を有し安全性も高い
事から医療用製品として広く用いられている。これら医
療用製品は、その使用に際し通常完全滅菌が行われる。
具体的には高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌法、ガンマ線や電子線等の電離放射線の
照射による滅菌法等である。このうち、高圧蒸気滅菌法
は、エネルギーコストが高く、さらに滅菌処理後に乾燥
工程が必要である。又、EOG滅菌ではEOG自身が毒
性を有する事や廃棄処理に関連する環境問題等を有す
る。従って、最近では比較的安価で、低温・乾式で処理
可能な電離放射線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌
法がよく使用されるようになっている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は、滅菌の際に電離放射線を照射
されると、黄色く変色してしまい、特に医療用途に於い
ての、製品価値を損なうという欠点を有している。
【0003】この様な欠点を解決する方法として、例え
ば、特開平2−55062号公報では、ハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂を配合する方法が、特開平5−17
9127号公報では核臭素化フタル酸誘導体を配合する
方法が、それぞれ述べられているが、組成物中にハロゲ
ンを含有する為に金属腐蝕が発生し易く、成形機等に特
別な材質の金属を使用する必要があった。
【0004】また、イオウ化合物を使用する方法とし
て、特開平1−229052号公報ではチオアルコール
類を配合する方法が、特開平2−115260号公報で
はチオエーテル類を配合する方法が、特開平2−490
58号、特開平4−36343号、特開平6−1668
07号各公報ではメルカプト基を有する化合物を配合す
る方法が、特開平5−209120号公報ではポリアル
キレンオキシド及びスルホン酸エステル置換基を持つ芳
香族化合物を併用する方法が、さらに、特開平6−93
192号公報、特開平6−248170号各公報ではス
ルフィド基を有する化合物を配合する方法が述べられて
いるが、いずれにおいても黄変抑止効果が不十分であっ
たり、使用時に悪臭が発生し、成形加工時の環境を悪化
させるといった問題点が存在する。
【0005】さらに、特開昭61−215651号公報
ではホウ素化合物を配合する方法が、特開昭62−13
5556号公報ではポリエーテルポリオール又はそのア
ルキルエーテルを配合する方法が、特開平2ー2322
58号公報ではベンジルアルコール誘導体を配合する方
法が、特開平2−132147号公報では、イタコン
酸、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアル
デヒドプロピレングリコールアセタール等を配合する方
法が、それぞれ述べられているが、黄変抑止効果が不十
分であったり、十分な効果が得られるだけ添加量を増や
すと他の物性に悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物性
劣化が少なく電離放射線照射滅菌の際の黄変が非常に小
さいポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部に、オキシ基またはカル
ボニル基を有する芳香族化合物0.01〜5重量部、及
び環状アセタール基を有する化合物0.01〜5重量部
を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホス
ゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得
られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネ
ートの重合体又は共重合体である。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物の一例は,2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシ
ジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロ
キシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示さ
れるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例
示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロ
キノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル等があげられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物
は単独で或いは二種以上混合して使用しても良い。これ
らの中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好適に用いられている。
【0010】又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂
を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェ
ノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示
されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス
(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサ
チンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノ
ール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−
ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物があげられ、通常のフェノール、p−t
−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他に、
長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライ
ド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエ
ステル、アルキルエーテルフェノール等が例示される。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂において
は、一種類でも、又二種類以上を混合して使用しても良
い。
【0012】本発明におけるポリカーボネート樹脂の分
子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度2
5℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量
で、10,000〜100,000であり、好ましくは
15,000〜50,000である。本発明におけるオ
キシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物は、下
記一般式(1)または(2)で示される化合物である。
【0013】
【化3】
【0014】式中、R1、R3及びR5は、それぞれ、C1
〜10のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキ
ル基、アリールアルコキシアルキル基、−CH2OH基
またはハロゲン基であり、R4は、C1〜15のアルキ
レン基、アルケニレン基、アリーレン基、アルキレンジ
オキシ基またはアリーレンジアルキレンオキシ基であ
り、アリーレン基及びアリーレンジアルキレンオキシ基
の核には置換基として、C1〜10のアルキル基または
ハロゲン基を有することができ、X1、X2及びX3は、そ
れぞれ、−O−、−CHR6-O−、−CO−、−CHR
7-CO−、−CO−CO−又は−CO−C(OR8)2-で
あり、R2、R6、R7及びR8は、それぞれ、H、C1〜3
0のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル
基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールアルコキシ
基、アリールアルキルアルコキシ基、アシル基またはア
リールアシル基であり、アリール基、アリールアルキル
基、アリールアルケニル基、アリールアルコキシ基、ア
リールアルキルアルコキシ基及びアリールアシル基の核
には置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロ
ゲン基を有することができ、また、同一核にあるR2
有する置換基が、2個以上存在する場合は該置換基はそ
れぞれのR2を介して共有結合で結ばれていても良く、
h、j及びkは、それぞれ、0〜5の整数であり、iは
1〜6の整数であり、hとiの合計は1〜6である。該
オキシ基あるいはカルボニル基を有する芳香族化合物を
有する化合物は、1種類で、あるいは2種以上を混合し
て使用しても良い。
【0015】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、ジフェニルエーテル、アリルフェニルエーテ
ル、ジベンジルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベ
ンジルフェニルエーテル、ベンジルナフチルエーテル、
1、4−ベンゾジオキサン、1、2ーメチレンジオキシ
ベンゼン、ピペロニルアルコール、ベンゾフェノン、ジ
ベンジルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルフェ
ニルケトン、ベンジルトリルケトン、ベンジルナフチル
ケトン、ジベンゾイル、ベンゾイルシクロブタン、ベン
ゾイルプロパン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテ
ル、1、2ージベンゾイルベンゼン、1、4ービスメト
キシメチルベンゼン、フェニル酢酸ベンジルエステル、
安息香酸ベンジルエステル、フタル酸ベンジルブチルエ
ステル、フタル酸ジシクロヘキシルエステル、ベンジル
ジメチルケタール等が挙げられる。
【0016】一般式(2)で示される化合物の具体例と
しては、ジベンゾイルメタン、ジベンゾイルプロパン、
1、2ージベンジロキシエタン、ヒドロキノンジベンジ
ルエーテル、エチレングリコールジベンゾエート等が挙
げられる。
【0017】本発明におけるオキシ基またはカルボニル
基を有する芳香族化合物の配合量は、ポリカーボネート
樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であ
る。配合量が0.01重量部未満では、電離放射線照射
による黄変度の改良効果が不十分となりやすく、5重量
部を超えると機械物性が低下しやすい。オキシ基または
カルボニル基を有する芳香族化合物の配合量は、黄変度
の改良効果と機械物性とのバランスの点から、ポリカー
ボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0
5〜3重量部である。本発明における環状アセタール基
を有する化合物は、下記一般式(3)または(4)で示
される化合物である。
【0018】
【化4】
【0019】式中、R9、R10、R12、R13、R14及びR15
は、それぞれ、H、C1〜10のアルキル基、−CH2
OH基、−COOCH3基、フェニル基またはハロゲン
基であり、R11は、C1〜15のアルキレン基、アルケ
ニレン基またはアリーレン基であり、アリーレン基の核
には置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロ
ゲン基を有することができ、R16は、H、C1〜30の
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、ア
ルコキシアルキル基、アシル基、アリールアシル基、ハ
ロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミ
ノ化アルキル基であり、アリール基、アリールアルキル
基、アリールアルケニル基及びアリールアシル基の核に
は置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲ
ン基を有することができ、X4、X5及びX6は、−CHR
17-基、−O−基、−NH−基、または−PH−基であ
り、R17は、H、C1〜15のアルキル基またはアリー
ル基であり、l、m及びnは、それぞれ、0または1で
あり、p、qまたはrは、それぞれ、1〜10の整数で
あり、但し、p、qまたはrが2以上の場合、同一化合
物内の、R9、R10、R1 2、R13、R14およびR15は、それ
ぞれ、同じでも異なっていてもよい。該環状アセタール
基を有する化合物は、1種類で、あるいは2種以上を混
合して使用しても良い。
【0020】一般式(3)で示される化合物の具体例と
しては、2、2’−エチレンビス−1、3−ジオキソラ
ン、2、2’−トリメチレンビス−1,3−ジオキソラ
ン、2、2’−フェニレンビス−1,3−ジオキソラン
等が挙げられる。
【0021】一般式(4)で示される化合物の具体例と
しては、1、3−ジオキソラン、2−メチル−1、3−
ジオキソラン、2−メチル−4−メチル−1、3−ジオ
キソラン、2−ペンチル−4−メチル−1、3−ジオキ
ソラン、2−n−ヘキシル−1、3−ジオキソラン、2
−オクチル−4−メチル−1、3−ジオキソラン、2−
メトキシ−1、3−ジオキソラン、2−クロロメチル−
1、3−ジオキソラン、2−ブロモメチル−1、3−ジ
オキソラン、2−(2−ブロモエチル)−1、3−ジオ
キソラン、2−アミノメチル−1、3−ジオキソラン、
2−(2−アミノエチル)−1、3−ジオキソラン、2
−フェニル−4−メチル−1、3−ジオキソラン、4−
フェニル−1、3−ジオキソラン、2−(1−フェニル
エチル)−1、3−ジオキソラン、2−(1−フェニル
エチル)−4−メチル−1、3−ジオキソラン、2−ベ
ンジル−1、3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−メ
チル−1、3−ジオキソラン、2−ベンジル−4、4−
ジメチル−1、3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−
ヒドロキシメチル−1、3−ジオキソラン、2−{2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシ}−1、3−ジオキ
ソラン、2−ベンジル−4、4−ジメチル−1、3−ジ
オキサン、4−フェニル−1、3−ジオキサン、2−ベ
ンジル−5、5−ジメチル−1、3−ジオキサン等が挙
げられる。
【0022】本発明における環状アセタール基を有する
化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、0.01〜5重量部である。配合量が0.0
1重量部未満では、電離放射線照射による黄変度の改良
効果が不十分となりやすく、5重量部を超えると機械物
性が低下しやすい。環状アセタール基を有する化合物の
配合量は、黄変度の改良効果と機械物性とのバランスの
点から、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、
好ましくは0.05〜3重量部である。
【0023】オキシ基またはカルボニル基を有する芳香
族化合物と環状アセタール基を有する化合物の混合比
は、特に制限はないが、好ましくは重量比で10/90
〜90/10である。上述したように、ポリカーボネー
ト樹脂に、それぞれ、特定量のオキシ基またはカルボニ
ル基を有する芳香族化合物と環状アセタールを有する化
合物とを配合することにより、物性が低下することな
く、黄変度の少ないポリカーボネート樹脂組成物が得ら
れる。
【0024】本発明において、ポリカーボネート樹脂
に、オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物
及び環状アセタール基を有する化合物を配合する方法と
しては、最終成形品を成形する直前までの任意の段階
で、当業者に周知の種々の方法によって行うことができ
る。例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合
する方法や、フィーダーにより定量的に押出機ホッパー
に供給して混合する方法等がある。
【0025】本発明の組成物には更にその目的に応じ、
所望の特性を付与する他の添加剤を添加しても良い。例
えば、ハロゲン化合物、リン化合物、スルホン酸金属塩
等の難燃剤、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物等
の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン、珪素化合物
等の着火時の滴下防止剤、エラストマー等の耐衝撃改良
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維
状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミ
ックウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、
染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させる事も可能
である。
【0026】本発明の組成物は、射出成形、ブロー成形
等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすること
ができる。本発明の耐電離放射線性ポリカーボネート樹
脂組成物を適用することが望まれている医療用成形品と
しては、具体的には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入
装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
ーブ、チューブの接続具、心臓プローブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液等を入れる容器等が
挙げられる。
【0027】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
〔実施例1〜6、比較例1〜3〕ポリカーボネート樹脂
100重量部(ユーピロン S−2000、三菱エンジ
ニアリングプラスチックス株式会社製、粘度平均分子量
25,000)と、表−1に記載のオキシ基またはカル
ボニル基を有する芳香族化合物及び環状アセタール基を
有する化合物を、表−1に記載の比率で、タンブラーに
て混合し、各々φ40mm一軸ベント式押出機を用い
て、バレル温度270℃で押出してペレットを得た。こ
のペレットを熱風乾燥器中で、120℃にて5時間以上
乾燥した後、樹脂温度270℃、金型温度80℃にて5
0mmφ×3mm厚みの試験片を射出成形した。この成
形片を用い、コバルト60γ線を25キログレイ(kG
y)照射し、照射前後の黄色度を、JIS K7103
に従って、スガ試験機(株)製の色差計SM−3−CH
にて測定し、黄変度(ΔYI)を求めた。結果を表−1
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の組成物は、物性の劣化が少なく
殺菌のために照射される電離放射線による色調の変化が
少ない。従って、電離放射線照射滅菌が行われる医療用
製品、医療用装置、医療用装置の部材等の用途に有用で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
    オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合物0.
    01〜5重量部、及び環状アセタール基を有する化合物
    0.01〜5重量部を配合してなるポリカーボネート樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 オキシ基またはカルボニル基を有する芳
    香族化合物が、下記一般式(1)または(2)で示され
    る化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリ
    カーボネート樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R3及びR5は、それぞれ、C1〜10のア
    ルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリ
    ールアルコキシアルキル基、−CH2OH基またはハロ
    ゲン基であり、R4は、C1〜15のアルキレン基、ア
    ルケニレン基、アリーレン基、アルキレンジオキシ基ま
    たはアリーレンジアルキレンオキシ基であり、アリーレ
    ン基及びアリーレンジアルキレンオキシ基の核には置換
    基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を
    有することができ、X1、X2及びX3は、それぞれ、−O
    −、−CHR6-O−、−CO−、−CHR7-CO−、−
    CO−CO−又は−CO−C(OR8)2-であり、R2、R
    6、R7及びR8は、それぞれ、H、C1〜30のアルキル
    基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基、アリールアルケニル基、ヒドロキシ
    基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、アリールア
    ルキルアルコキシ基、アシル基またはアリールアシル基
    であり、アリール基、アリールアルキル基、アリールア
    ルケニル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキル
    アルコキシ基及びアリールアシル基の核には置換基とし
    て、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有する
    ことができ、また、同一核にあるR2を有する置換基
    が、2個以上存在する場合は該置換基はそれぞれのR2
    を介して共有結合で結ばれていても良く、h、j及びk
    は、それぞれ、0〜5の整数であり、iは1〜6の整数
    であり、hとiの合計は1〜6である。)
  3. 【請求項3】 環状アセタール基を有する化合物が、下
    記一般式(3)または(4)で示される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネ
    ート樹脂組成物。 【化2】 (式中、R9、R10、R12、R13、R14及びR15は、それぞ
    れ、H、C1〜10のアルキル基、−CH2OH基、−
    COOCH3基、フェニル基またはハロゲン基であり、
    11は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレン基ま
    たはアリーレン基であり、アリーレン基の核には置換基
    として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有
    することができ、R16は、H、C1〜30のアルキル
    基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基、アリールアルケニル基、アルコキシ
    アルキル基、アシル基、アリールアシル基、ハロゲン
    基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミノ化ア
    ルキル基であり、アリール基、アリールアルキル基、ア
    リールアルケニル基及びアリールアシル基の核には置換
    基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を
    有することができ、X4、X5及びX6は、−CHR17-
    基、−O−基、−NH−基、または−PH−基であり、
    17は、H、C1〜15のアルキル基またはアリール基
    であり、l、m及びnは、それぞれ、0または1であ
    り、p、qまたはrは、それぞれ、1〜10の整数であ
    り、但し、p、qまたはrが2以上の場合、同一化合物
    内の、R9、R10、R1 2、R13、R14およびR15は、それぞ
    れ、同じでも異なっていてもよい。)
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