JPH1077965A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持部材を支持する枠部材を不要にして加工
コストを低減させるとともに、圧縮機の小型化を図る。 【解決手段】 斜板１０の外周縁に、複数のシュー５０
をそれぞれ保持するための複数の断面ほぼＵ字状の支持
部材５３を装着し、支持部材５３のリヤ側端部５３ｂ
で、シュー５０に係合しているピストン７のコネクティ
ングロッド１１の一端部１１ａを支持し、支持部材５３
のフロント側端部５３ａを、斜板１０のフロント摺動面
１０ｃに接触させる。支持部材５３を支持するための枠
部材を支持部材５３に装着する必要がなくなり、枠部材
の煩雑な加工が不要になるとともに、斜板１０の半径方
向に枠部材を装着するためのスペースを必要としなくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、斜板の傾斜角に
応じて吐出容量が増減する可変容量型斜板式圧縮機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の可変容量型斜板式圧縮機として、
図１０及び図１１に示すものがある（特開昭６０−９８
１７９号公報）。

【０００３】図１０は従来の可変容量型斜板式圧縮機の
斜板をリヤ側から見た図、図１１は図１０の可変容量型
斜板式圧縮機の斜板を示す断面図である。

【０００４】この可変容量型斜板式圧縮機は、シャフト
１０５に固定される図示しないスラストフランジと、ス
ラストフランジの回転につれて一体に回転する斜板１１
０と、斜板１１０の回転につれて図示しないシリンダボ
ア内を直線往復運動するピストン１０７と、ピストン１
０７に固定されたコネクティングロッド１１１と、コネ
クティングロッド１１１の球体状の一端部１１１ａに装
着され、斜板１１０のリヤ側摺動面１１０ａ上を相対的
に回転する複数のシュー１６０と、斜板１１０の外周縁
に係合され、複数のシュー１６０をそれぞれ支持する複
数の支持部材１６２と、斜板１１０にボルト１７１で固
定され、複数の支持部材１６２を支持する環状の枠部材
１７０とを備えている。

【０００５】斜板１１０が収容されたクランク室の圧力
の変化に応じて斜板１１０が傾斜角を変え、ピストン１
０７のストローク量が変わる。

【０００６】シュー１６０はコネクティングロッド１１
１の一端部１１１ａに首振り可能に連結され、シュー１
６０の平面１６０ａは斜板１１０のリヤ側摺動面１１０
ａに接触している。

【０００７】シャフト１０５の回転力はスラストフラン
ジ、ヒンジ機構を経て斜板１１０に伝達され、斜板１１
０が回転し、枠部材１７０も一体に回転する。枠部材１
７０によって支持される支持部材１６２の切欠き１６２
ａにはコネクティングロッド１１１の一端部１１１ａが
挿入され、支持部材１６２によってシュー１６０が支持
されているので、シュー１６０及び支持部材１６２は斜
板１１０のリヤ側摺動面１１０ａ上を相対回転する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の可
変容量型斜板式圧縮機では、支持部材１６２を支持する
枠部材１７０が採用されているが、騒音の発生を回避す
るためには枠部材１７０の全周について高い加工精度が
要求され、加工コストが増加するという問題があった。

【０００９】また、枠部材１７０は斜板１１０と一体に
回転し、支持部材１６２と激しく擦れ合うので、支持部
材１６２及び枠部材１７０に高い耐久性が要求される。

【００１０】更に、枠部材１７０を採用すると斜板１１
０の半径方向にスペースが必要になるので、その分クラ
ンク室の容積を拡大しなければならず、圧縮機の大型化
を招くという問題があった。

【００１１】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は支持部材を支持する枠部材を不要
にして加工コストを低減させるとともに、可変容量型斜
板式圧縮機の小型化を図ることである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項１の発明の可変容量型斜板式圧縮機は、回転軸
に固定され、前記回転軸と一体に回転する回転部材と、
前記回転軸に傾斜かつ回転可能に取り付けられ、前記回
転部材の回転につれて一体に回転する斜板と、前記斜板
の回転につれてシリンダボア内を直線往復運動するピス
トンと、前記ピストンに固定されたコネクティングロッ
ドと、前記斜板のリヤ側摺動面上を相対的に回転する複
数のシューとを備え、前記斜板が収容されたクランク室
の圧力の変化に応じて前記斜板が傾斜角を変え、前記ピ
ストンのストローク量が変わる可変容量型圧縮機におい
て、前記斜板の外周縁に、前記複数のシューをそれぞれ
保持するための複数の断面ほぼＵ字状の支持部材が装着
され、前記支持部材の一端部が、前記シュー又はこのシ
ューに係合している前記ピストンのコネクティングロッ
ドの一端部を支持し、前記支持部材の他端部が、前記斜
板のフロント側摺動面に接触していることを特徴とす
る。

【００１３】高精度の加工が要求される枠部材が不要に
なり、斜板の半径方向に枠部材を装着するためのスペー
スが不要になる。

【００１４】斜板の傾斜・回転に応じてシューと支持部
材とが一体に動作するので、シューと支持部材との衝突
が回避される。

【００１５】請求項２の発明の可変容量型斜板式圧縮機
は、請求項１の発明の可変容量型斜板式圧縮機におい
て、前記支持部材が前記斜板を挟み付ける方向へ作用す
るばね力を有していることを特徴とする。

【００１６】ばね力の作用によって、シューと斜板との
隙間調整が不要になり、騒音を抑制することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【００１８】図１はこの発明の第１の実施形態に係る可
変容量型斜板式圧縮機の一部を示す縦断面図、図２はこ
の発明の第１の実施形態に係る可変容量型斜板式圧縮機
の全体を示す縦断面図、図３は図２の可変容量型斜板式
圧縮機の斜板をリヤ側から見た図、図４（ａ）は図１の
支持部材の断面図、図４（ｂ）は支持部材をリヤ側から
見た図である。

【００１９】この可変容量型斜板式圧縮機のシリンダブ
ロック１の一端面にはバルブプレート２を介してリヤヘ
ッド３が、他端面にはフロントヘッド４がそれぞれ固定
されている。シリンダブロック１には、シャフト（回転
軸）５を中心にして周方向に所定間隔おきに複数のシリ
ンダボア６が配設されている。これらのシリンダボア６
内にはそれぞれピストン７が摺動自在に収容されてい
る。

【００２０】前記フロントヘッド４内にはクランク室８
が形成され、このクランク室８内には、シャフト５の回
転につれて回転する斜板１０が収容されている。斜板１
０のリヤ側摺動面１０ａには、複数のシュー５０が相対
回転可能に複数の支持部材５３で支持されている。

【００２１】支持部材５３は、断面ほぼＵ字状又は断面
ほぼコの字状である。支持部材５３は斜板１０を挟み付
ける方向へ作用するばね力を有し、斜板の外周縁に装着
されている。

【００２２】支持部材５３は、図１に示すように、斜板
１０のフロント側摺動面１０ｃに接触するフロント側端
部５３ａと、コネクティングロッド１１の一端部１１ａ
に係合するリヤ側端部５３ｂと、フロント側端部５３ａ
とリヤ側端部５３ｂとを連結する中間部５３ｃとで構成
されている。

【００２３】支持部材５３のフロント側端部５３ａに
は、斜板１０のフロント側摺動面１０ｃに面接触する摺
動部６０が設けられている。

【００２４】支持部材５３のリヤ側端部５３ｂには、コ
ネクティングロッド１１の球体状の一端部１１ａの後端
面を転動可能に支持する凹面部６１が設けられている。
また、凹面部６１には、コネクティングロッド１１が挿
通される中心孔６２が設けられている。

【００２５】シュー５０の凹面部５０ａには、コネクテ
ィングロッド１１の球体状の一端部１１ａの先端面が転
動可能に支持されている。シュー５０の摺動面５０ｂは
斜板１０のリヤ側摺動面１０ａに接触している。

【００２６】斜板１０の回転によりピストン７がシリン
ダボア６内を往復運動する。この斜板１０の傾斜角度は
クランク室８の圧力に応じて変化する。

【００２７】前記リヤヘッド３内には、吐出室１２と、
この吐出室１２の周囲に位置する吸入室１３とが形成さ
れている。

【００２８】前記バルブプレート２には、シリンダボア
６と吐出室１２とを連通させる吐出ポート１６と、シリ
ンダボア６と吸入室１３とを連通させる吸入ポート１５
とが、それぞれ周方向に所定間隔おきに設けられてい
る。吐出ポート１６は吐出弁１７により開閉され、吐出
弁１７はバルブプレート２のリヤヘッド側端面に弁押さ
え１８とともにボルト１９、ナット２０により固定され
ている。

【００２９】また、吸入ポート１５は吸入弁２１により
開閉され、吸入弁２１はバルブプレート２とシリンダブ
ロック１との間に配設されている。ボルト１９には、吐
出室１２の高圧の冷媒ガスをラジアル軸受２４、スラス
ト軸受２５へ導くガイド孔１９ａが設けられている。

【００３０】ラジアル軸受２４及びスラスト軸受２５は
シャフト５のリヤ側端部を支持し、シャフト５のフロン
ト側端部はラジアル軸受２６によって回転可能に支持さ
れている。

【００３１】また、シリンダブロック１には吸入室１３
とクランク室８との間には連通路３１が設けられ、この
連通路３１の途中には圧力調整弁３２が設けられ、この
圧力調整弁３２により吸入室１３内とクランク室８内と
の圧力調整が行われる。

【００３２】シャフト５のフロント側端部にはシャフト
５の回転を斜板１０に伝達するためのスラストフランジ
４０が固定され、このスラストフランジ４０はスラスト
軸受３３を介してフロントヘッド４の内壁面に支持され
ている。スラストフランジ４０と斜板１０とはヒンジ機
構４１を介して連結され、斜板１０はシャフト５と直角
な面に対して傾斜可能である。ヒンジ機構４１は、斜板
１０の背面１０ｃに設けられたアーム１０ｅと、スラス
トフランジ４０の斜板側端面に設けられた一対の突片部
４０ａ，４０ａと、突片部４０ａ，４０ａ間に架け渡さ
れ、アーム１０ｅの長孔１０ｆと係合するピン４３とで
構成されている。

【００３３】斜板１０は、シャフト５に軸方向に摺動可
能に装着されたヒンジボール９を介して、シャフト５に
装着されている。斜板１０の回転と傾斜動作とが妨げら
れないように、斜板１０のヒンジボール受面１０ｄはヒ
ンジボール９の外周面９ｃに遊嵌されている。

【００３４】ヒンジボール９には、シャフト５が挿通さ
れる孔９ａと、この孔９ａの中心軸と直交する方向に沿
って２つの孔９ｂ（図３参照）が設けられている。斜板
１０のボス部１０ｂにはボス部１０ｂの半径方向に沿っ
て２つの孔４６（図３参照）が設けられている。ヒンジ
ボール９の孔９ｂ及びボス部１０ｂの孔４６には円柱状
のピン４８がそれぞれ挿入されている。ピン４８は図示
しない抜止め部材によって抜け止めされている。

【００３５】ヒンジボール９とスラストフランジ４０と
の間には、巻バネ４４が装着され、この巻バネ４４によ
りヒンジボール９がシリンダブロック１側へ付勢されて
いる。また、シャフト５にはストッパ４５が固定され、
ストッパ４５とヒンジボール９との間には、巻バネ４７
が装着され、この巻バネ４７によりヒンジボール９がス
ラストフランジ４０側へ付勢されている。

【００３６】次に、この可変容量型斜板式圧縮機の作動
を説明する。

【００３７】図示しない車載エンジンの回転動力がシャ
フト５に伝達されると、シャフト５の回転力はスラスト
フランジ４０、ヒンジ機構４１を経て斜板１０に伝達さ
れ、斜板１０が回転する。

【００３８】斜板１０が回転したとき、支持部材５３で
支持されたシュー５０が斜板１０の摺動面１０ａ上を相
対回転するので、斜板１０からの回転力はピストン７の
直線往復運動に変換される。ピストン７はシリンダボア
６内を往復運動し、その結果シリンダボア６内の容積が
変化し、この容積変化によって冷媒ガスの吸入、圧縮及
び吐出が順次行なわれ、揺動板１０の傾斜角度に応じた
容量の高圧冷媒ガスが吐出される。吸入時、吸入弁２１
が開き、吸入室１３からシリンダボア６内の圧縮室へ低
圧の冷媒が吸入され、吐出時、吐出弁１７が開き、圧縮
室から吐出室１２へ高圧の冷媒が吐出される。

【００３９】熱負荷が小さくなり圧力調整弁３２が連通
路３１を閉じ、クランク室８内の圧力が増加すると斜板
１０の傾斜角度が小さくなり、その結果ピストン７のス
トローク量が少なくなって吐出容量が減少する。

【００４０】これに対し、熱負荷が大きくなり圧力調整
弁３２が連通路３１を開き、クランク室８内の圧力が減
少すると、斜板１０の傾斜角度が大きくなり、その結果
ピストン７のストローク量が増えて吐出容量が多くな
る。

【００４１】この第１の実施形態の可変容量型斜板式圧
縮機によれば、支持部材５３を支持する枠部材が不要に
なるので、加工コストを低減することができるととも
に、クランク室８の容積を減少させることができ、圧縮
機の小型化を図ることができる。

【００４２】また、支持部材５３は、斜板１０を挟み付
ける方向へ作用するばね力を有しているので、このばね
力の作用によって、シュー５０と斜板１０との隙間調整
が不要になり、騒音を抑制することができる。

【００４３】更に、斜板１０の傾斜・回転に応じてシュ
ー５０と支持部材５３とが一体に摺動するので、シュー
５０と支持部材５３との衝突が回避され、騒音を抑制す
ることができる。

【００４４】図４（ａ）はこの発明の第２の実施形態に
係る可変容量型斜板式圧縮機の一部を示す拡大断面図、
図４（ｂ）は支持部材をリヤ側から見た図である。前述
の第実施形態と共通する部分には同一符号を付してその
説明を省略する。

【００４５】第２の実施形態では、図４に示すように、
シュー２５０とコネクティングロッド１１の球体状の一
端部１１ａとがかしめによって連結されている。

【００４６】また、支持部材２５３は、斜板１０のフロ
ント側摺動面１０ａに接触するフロント側端部２５３ａ
と、コネクティングロッド１１の一端部１１ａに係合す
るリヤ側端部２５３ｂと、フロント側端部２５３ａとリ
ヤ側端部２５３ｂとを連結する中間部２５３ｃとで構成
されている。リヤ側端部２５３ｂには切欠き２６２が形
成され、切欠き２６２にはシュー２５０の一部が切欠き
２６２の長手方向へ摺動可能に係合している。

【００４７】第２の実施形態によれば、第１の実施形態
と同様の効果を得ることができる。

【００４８】図５（ａ）はこの発明の第２の実施形態の
変形例に係る可変容量型斜板式圧縮機の一部を示す拡大
断面図、図５（ｂ）は支持部材をリヤ側から見た図であ
る。前述の実施形態と共通する部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。

【００４９】第２の実施形態では、支持部材２５３のリ
ヤ側端部２５３ｂに切欠き２６２を設けた場合について
述べたが、第２の実施形態の変形例として、図５に示す
ように、支持部材３５３のリヤ側端部３５３ｂに丸孔３
６２を設け、丸孔３６２にコネクティングロッド１１を
挿入するようにしてもよい。

【００５０】この変形例の場合、シュー２５０をコネク
ティングロッド１１の一端部１１ａにかしめた後、コネ
クティングロッド１１をピストン７に圧入する。

【００５１】図６（ａ）はこの発明の第３の実施形態に
係る可変容量型斜板式圧縮機の一部を示す拡大断面図、
図６（ｂ）は支持部材をリヤ側から見た図である。前述
の第実施形態と共通する部分には同一符号を付してその
説明を省略する。

【００５２】第３の実施形態では、図６に示すように、
シュー３５０が、コネクティングロッド１１の球体状の
一端部１１ａの前端面を転動可能に支持する第１の支持
部材３５１と、コネクティングロッド１１の球体状の一
端部１１ａの後端面を転動可能に支持する第２の支持部
材３５２とで構成されている。第１の支持部材３５１に
は、コネクティングロッド１１の球体状の一端部１１ａ
の前端面が面接触する凹面部３５１ａが、設けられてい
る。第２の支持部材３５２には、コネクティングロッド
１１の球体状の一端部１１ａの後端面が面接触する凹面
部３５２ａが、設けられている。

【００５３】また、支持部材２５３の構造は図４の第２
の実施形態の支持部材と同じである。切欠き２６２には
シュー３５０の第２の支持部材３５２が切欠き２６２の
長手方向へ摺動可能に係合している。

【００５４】第３の実施形態によれば、第１の実施形態
と同様の効果を得ることができる。

【００５５】図７（ａ）はこの発明の第３の実施形態の
変形例に係る可変容量型斜板式圧縮機の一部を示す拡大
断面図、図７（ｂ）は支持部材をリヤ側から見た図であ
る。前述の実施形態と共通する部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。

【００５６】第３の実施形態では、支持部材２５３のリ
ヤ側端部２５３ｂに切欠き２６２を設けた場合について
述べたが、第３の実施形態の変形例として、図６に示す
ように、支持部材３５３のリヤ側端部３５３ｂに丸孔３
６２を設け、丸孔３６２にコネクティングロッド１１を
挿入するようにしてもよい。

【００５７】この変形例の場合、コネクティングロッド
１１に第２の支持部材３５２を挿入し、支持部材３５３
を挿入した後コネクティングロッド１１をピストン７に
圧入する。

【００５８】図８（ａ）はこの発明の第４の実施形態に
係る可変容量型斜板式圧縮機の一部を示す拡大断面図、
図８（ｂ）は支持部材をリヤ側から見た図である。前述
の実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説
明を省略する。

【００５９】第４の実施形態では、図８に示すように、
シュー４５０がほぼ半球体状でありる。また、コネクテ
ィングロッド２１１の一端部２１１ａがほぼ半球体状で
あり、その一端部２１１ａの先端面にはシュー４５０の
球面４５０ａが面接触する凹面部２１１ｃが、設けられ
ている。

【００６０】支持部材４５３は、斜板１０のフロント側
摺動面１０ａに接触するフロント側端部４５３ａと、コ
ネクティングロッド２１１の一端部２１１ａに係合する
リヤ側端部４５３ｂと、フロント側端部４５３ａとリヤ
側端部４５３ｂとを連結する中間部４５３ｃとで構成さ
れている。支持部材５３のフロント側端部には、斜板１
０のフロント側摺動面１０ａに面接触する摺動部４６０
が設けられている。

【００６１】支持部材４５３のリヤ側端部４５３ｂに
は、コネクティングロッド２１１の一端部２１１ａの後
端面を転動可能に支持する凹面部４６１が設けられてい
る。

【００６２】シュー４５０の球面４５０ａには、コネク
ティングロッド２１１の一端部２１１ａの凹面部２１１
ｃが転動可能に支持されている。シュー４５０の摺動面
４５０ｂは斜板１０のリヤ側摺動面１０ａに接触してい
る。

【００６３】第４の実施形態によれば、第１の実施形態
と同様の効果を得ることができる。

【００６４】図９（ａ）はこの発明の第４の実施形態の
変形例に係る可変容量型斜板式圧縮機の一部を示す拡大
断面図、図９（ｂ）は支持部材をリヤ側から見た図であ
る。前述の実施形態と共通する部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。

【００６５】第４の実施形態では、支持部材４５３のリ
ヤ側端部４５３ｂに切欠き４６２を設けた場合について
述べたが、第４の実施形態の変形例として、図９に示す
ように、支持部材５５３のリヤ側端部５５３ｂに丸孔５
６２を設け、丸孔５６２にコネクティングロッド２１１
を挿入するようにしてもよい。

【００６６】この変形例の場合、丸孔５６２にコネクテ
ィングロッド２１１を挿入した後、支持部材５５３のリ
ヤ側端部５５３ｂをかしめ、凹面部５６１を形成する。

【００６７】

【発明の効果】以上説明したように請求項１の発明の可
変容量型斜板式圧縮機によれば、高精度の加工が要求さ
れる枠部材が不要になるので、加工コストを低減するこ
とができるとともに、斜板の半径方向に枠部材を装着す
るためのスペースが不要になるため、クランク室の容積
を減少させることができ、圧縮機の小型化を図ることが
できる。

【００６８】また、斜板の傾斜・回転に応じてシューと
支持部材とが一体に動作するので、シューと支持部材と
の衝突が回避され、騒音の発生を防ぐことができる。

【００６９】請求項２の発明の可変容量型斜板式圧縮機
によれば、支持部材のばね力の作用によって、シューと
斜板との隙間調整が不要になり、騒音を抑制することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はこの発明の第１の実施形態に係る可変容
量型斜板式圧縮機の一部を示す縦断面図である。

【図２】図２はこの発明の第１の実施形態に係る可変容
量型斜板式圧縮機の全体を示す縦断面図である。

【図３】図３は図２の可変容量型斜板式圧縮機の斜板を
リヤ側から見た図である。

【図４】図４はこの発明の第２の実施形態に係る可変容
量型斜板式圧縮機の支持部材を説明するための図であ
る。

【図５】図５はこの発明の第２の実施形態の変形例に係
る可変容量型斜板式圧縮機の支持部材を説明するための
図である。

【図６】図６はこの発明の第３の実施形態に係る可変容
量型斜板式圧縮機の支持部材を説明するための図であ
る。

【図７】図７はこの発明の第３の実施形態の変形例に係
る可変容量型斜板式圧縮機の支持部材を説明するための
図である。

【図８】図８はこの発明の第４の実施形態に係る可変容
量型斜板式圧縮機の支持部材を説明するための図であ
る。

【図９】図９はこの発明の第４の実施形態の変形例に係
る可変容量型斜板式圧縮機の支持部材を説明するための
図である。

【図１０】図１０は従来の可変容量型斜板式圧縮機の斜
板をリヤ側から見た図である。

【図１１】図１１は図１０の可変容量型斜板式圧縮機の
斜板を示す断面図である。

【符号の説明】 ５ シャフト ７ ピストン ８ クランク室 １０ 斜板 １０ａ リヤ側摺動面 １０ｃ フロント摺動面 １１，２１１ コネクティングロッド １１ａ，２１１ａ コネクティングロッドの一端部 ４０ スラストフランジ ５０，２５０，３５０，４５０ シュー ５３，２５３，３５３，４５３，５５３ 支持部材 ５３ａ，２５３ａ，３５３ａ，４５３ａ，５５３ａ フ
ロント側端部 ５３ｂ，２５３ｂ，３５３ｂ，４５３ｂ，５５３ｂ リ
ヤ側端部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸に固定され、前記回転軸と一体に
   回転する回転部材と、 前記回転軸に傾斜かつ回転可能に取り付けられ、前記回
   転部材の回転につれて一体に回転する斜板と、 前記斜板の回転につれてシリンダボア内を直線往復運動
   するピストンと、 前記ピストンに固定されたコネクティングロッドと、 前記斜板のリヤ側摺動面上を相対的に回転する複数のシ
   ューとを備え、 前記斜板が収容されたクランク室の圧力の変化に応じて
   前記斜板が傾斜角を変え、前記ピストンのストローク量
   が変わる可変容量型圧縮機において、 前記斜板の外周縁に、前記複数のシューをそれぞれ保持
   するための複数の断面ほぼＵ字状の支持部材が装着さ
   れ、 前記支持部材の一端部が、前記シュー又はこのシューに
   係合している前記ピストンのコネクティングロッドの一
   端部を支持し、 前記支持部材の他端部が、前記斜板のフロント側摺動面
   に接触していることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮
   機。
2. 【請求項２】 前記支持部材が前記斜板を挟み付ける方
   向へ作用するばね力を有していることを特徴とする請求
   項１記載の可変容量型斜板式圧縮機。