JPH107753A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH107753A
JPH107753A JP9084003A JP8400397A JPH107753A JP H107753 A JPH107753 A JP H107753A JP 9084003 A JP9084003 A JP 9084003A JP 8400397 A JP8400397 A JP 8400397A JP H107753 A JPH107753 A JP H107753A
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Koichi Taguchi
広一 田口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低臭気で耐久性や耐湿性に優れた重合性ビニ
ルモノマーを含有する硬化性樹脂組成物、特に接着剤組
成物の提供。 【解決手段】 (1)重合性ビニルモノマー(A)Z−
O−(R2 O) p −R1の(式中、Zは(メタ)アクリロイ
ル基を示し、R1はフェニル基又は炭素数1〜3のアルキ
ル基を有するフェニル基を、R2は−C2H4−、−C3H6−、
−CH2CH(CH3)−、−C4H8−又は−C6H12 −を示し、pは
1〜10の整数を表す。)、(2)重合性ビニルモノマー
(B) 【化5】 (式中、R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、qは0〜8の整数を表す。)、(3)重合性ビニル
モノマー(C)Z−O−(R2 O) p −Hの、(4)有機
過酸化物、(5)還元剤、更に(6)エラストマー成分
を含有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低臭気で耐久性や
耐湿性に優れた重合性ビニルモノマーを含有する硬化性
樹脂組成物、特に接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】常温下短時間で硬化する常温速硬化型接
着剤の要求は、省力化、省資源及び省エネルギー等のた
めに年々増大する傾向にある。従来、常温速硬化型接着
剤としては、二液型速硬化エポキシ系接着剤、嫌気性接
着剤、瞬間接着剤及び第二世代のアクリル系接着剤(S
GA) が知られている。
【0003】二液型速硬化エポキシ系接着剤は、主剤と
硬化剤を計量、混合して被着体に塗布し、主剤と硬化剤
の反応により硬化するものである。しかし、二液型速硬
化エポキシ系接着剤は主剤と硬化剤の計量と混合が不充
分な場合、著しい強度の低下を起こすことがあり、又、
計量と混合を充分に行った場合でも剥離強度と衝撃強度
が低いという欠点があった。嫌気性接着剤は、被着体間
において接着剤組成物を圧着して空気を遮断することに
より硬化する。しかし、圧着する際に接着剤組成物の一
部が被着体からハミ出した場合、ハミ出した部分は空気
に接触するために硬化しないという欠点があった。又、
被着体間のクリアランスが大きい場合も硬化しないとい
う欠点があった。
【0004】瞬間接着剤は通常シアノアクリレートを主
成分とし、作業性に優れている。しかし、剥離強度や衝
撃強度が低いという欠点があった。又、耐湿性と耐水性
も劣るために使用範囲が著しく限定されるという欠点が
あった。SGAは二液性であるが、二液の正確な計量を
必要とせず、不完全な計量や混合、時には二液の接触だ
けでも、常温で数分又は数十分で硬化するため、作業性
に優れ、しかもSGAは剥離強度や衝撃強度が高く、ハ
ミ出し部分の硬化も良好であるために広く用いられてい
る。しかし、このようなSGAには、重合性ビニルモノ
マーとしてメタクリル酸メチルのような高揮発性で臭気
の強い(メタ)アクリル酸アルキルエステルが使用され
ているため、臭気や引火性が強く、作業環境的にも大き
な問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの欠点を解決す
るために、特開昭55−71770号公報、特開昭57
−87484号公報、特開昭57−90073号公報、
特開昭57−100168号公報、特開昭58−152
076号公報及び特開昭61−34082号公報には、
高沸点の重合性ビニルモノマーを含有する接着剤組成物
が開示されている。これらの接着剤組成物により、揮発
性や引火性の問題は解決されているが、臭気、耐久性及
び耐湿性が悪く、製品や部品等の接着には使用しにくい
という課題があった。特に最近、作業環境上低臭気で引
火性が低く、かつ、耐久性や耐湿性に優れる接着剤組成
物が要求されるようになったきた。本発明は、これらの
課題を解決するために、特定の重合性ビニルモノマーを
組み合わせることにより、低臭気で耐久性の良好な硬化
性樹脂組成物が本目的を達成するものであるとの知見を
得て、本発明を完成するに至った。
【0006】
〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R1はフェニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基を示す。R2は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH 3)−、−C4H8−又は−C6H12 −を示し、pは1〜10の整数を表す。〕
(2)一般式(B)の構造を有する重合性ビニルモノマ
【化2】 (3)一般式(C)の構造を有する重合性ビニルモノマ
ー 一般式(C) Z−O−(R2 O) p −H 〔式中、Z及びR2は前述の通りである。〕 (4)有機過酸化物 (5)還元剤 を含有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物であ
り、さらに、(6)エラストマー成分を含有してなるこ
とを特徴とする該硬化性樹脂組成物であり、(5)還元
剤が金属塩であることを特徴とする該硬化性樹脂組成物
である。そして、該硬化性樹脂組成物が第一液及び第二
液からなる二液型硬化性樹脂組成物であって、第一液が
有機過酸化物を含有してなり、第二液が還元剤を含有し
てなることを特徴とする二液型硬化性樹脂組成物であ
る。又、該硬化性樹脂組成物の硬化体であり、該硬化体
によって被着体が接合してなることを特徴とする接合体
であり、該被着体が金属であることを特徴とする接合体
であり、該硬化性樹脂組成物を使用することを特徴とす
る被着体の接着方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する(1)一般式(A)の構造を有する重
合性ビニルモノマーとは以下の構造をいう。 一般式(A) Z−O−(R2 O) p −R1 但し式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R1はフ
ェニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニ
ル基を示す。R2は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH3)
−、−C4H8−又は−C6H12 −を示し、pは1〜10の整数
を表す。 (1)一般式(A)の構造を有する重合性ビニルモノマ
ーとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート
及びフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0008】一般式(A)の構造を有する重合性ビニル
モノマーの添加量は、(1)、(2)及び(3)の合計
100重量部中、20〜85重量部が好ましく、35〜
70重量がより好ましい。20重量部未満だと接着性が
低下するおそれがあり、85重量部を越えても接着性が
低下するおそれがある。
【0009】本発明で使用する(2)一般式(B)の構
造を有する重合性ビニルモノマーとは以下の構造をい
う。
【化3】 (2)一般式(B)の構造を有する重合性ビニルモノマ
ーとしては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アク
リロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)
アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン及び
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシ
フェニル)プロパン等が挙げられる。
【0010】一般式(B)の構造を有する重合性ビニル
モノマーの添加量は(1)、(2)及び(3)の合計1
00重量部中、5〜30重量部が好ましく、10〜25
重量がより好ましい。5重量部未満だと接着性が低下す
るおそれがあり、30重量部を越えても接着性が低下す
るおそれがある。
【0011】本発明では(3)一般式(C)の構造を有
する重合性ビニルモノマーを添加する。(3)一般式
(C)の構造を有する重合性ビニルモノマーとは以下の
構造をいう。 一般式(C) Z−O−(R2 O) p −H 但し、式中、Z及びR2は(1)の場合と同様である。 (3)一般式(C)の構造を有する重合性ビニルモノマ
ーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0012】一般式(C)の構造を有する重合性ビニル
モノマーの添加量は(1)、(2)及び(3)の合計1
00重量部中、10〜50重量部が好ましく、20〜4
0重量がより好ましい。10重量部未満だと接着性が低
下するおそれがあり、50重量部を越えても耐湿性が低
下するおそれがある。
【0013】本発明で使用する(4)有機過酸化物とし
ては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハ
イドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキ
シベンゾエート等が挙げられる。これらの中では反応性
の点から、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
【0014】有機過酸化物の添加量は、(1)、(2)
及び(3)の合計100重量部に対して、0.5〜10
重量部が好ましく、1〜7重量がより好ましい。0.5
重量部未満では硬化速度が遅く、10重量部を越えると
貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
【0015】本発明で使用する(5)還元剤は、前記有
機過酸化物と反応し、ラジカルを発生する公知の還元剤
であれば使用できる。代表的な還元剤としては、第3級
アミン、チオ尿素誘導体及び金属塩等が挙げられる。第
3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、トリブチルアミン及びN,N−ジメチルパラト
ルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては、2
−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、シ
ブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチ
オ尿素等が挙げられる。金属塩としては、ナフテン酸コ
バルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトナー
ト等が挙げられる。これらの中では、被着体からはみ出
した表面部分の表面硬化性が良好な点で、金属塩が好ま
しく、バナジルアセチルアセトナートがより好ましい。
チオ尿素誘導体を使用すると、はみ出した部分の表面が
硬化せずにベトツキが見られ、表面硬化性が劣るおそれ
がある。
【0016】還元剤の添加量は、(1)、(2)及び
(3)の合計100重量部に対して、0.05〜10重
量部が好ましく、0.1〜8重量がより好ましい。0.
05重量部未満では硬化速度が遅く、10重量部を越え
ると未反応の還元剤が残り、接着強度が低下するおそれ
がある。
【0017】以上、本発明で使用される成分について説
明したが、本発明の硬化性樹脂組成物は更に次のような
臭気の少ない重合性ビニルモノマーを添加できる。 高級アルコールの(メタ)アクリル酸エステル。 このような重合性ビニルモノマーとしては、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート及びステアリル(メタ)アクリレート等の高級
脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、ジシ
クロペンタニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレー
ト等、並びに、エチレングリコール等のモノエーテルア
ルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ
る。
【0018】多価アルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステル。 このような重合性ビニルモノマーとしては、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
ウレタンプレポリマー。 このような重合性ビニルモノマーは、例えば水酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステル、有機ポリイソシアネ
ート及び多価アルコールを反応することにより得られ
る。ここで水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル及び(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。又有機ポリイソ
シアネートとしては、トルエンジイソシアネート、4,
4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等
が挙げられる。多価アルコールとしては、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール及びポリエステルポリオール等が挙げ
られる。
【0020】下記一般式(D)て示される酸性リン酸
化合物。
【化4】 この一般式(I)で示される酸性リン酸化合物として
は、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレー
ト、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレー
ト及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)
フォスフェート等が挙げられる。これらの中では接着性
の点で一般式(D)て示される酸性リン酸化合物が好
ましい。一般式(D)て示される酸性リン酸化合物の添
加量は、接着性の点で(1)、(2)及び(3)の合計
100重量部に対して、0.05〜10重量部が好まし
く、0.1〜7重量部がより好ましい。
【0021】本発明では剥離強度と衝撃強度を向上させ
るために、(6)エラストマー成分を硬化性樹脂組成物
に使用することが好ましい。エラストマー成分とは、常
温でゴム状弾性を有する高分子物質をいい、例えば、重
合性ビニルモノマーに溶解又は分散できるものが好まし
い。このようなエラストマー成分としては、メタクリル
酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、アク
リロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、線状ポ
リウレタン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びブタジエ
ンゴム等の各種合成ゴム、並びに、天然ゴム等が挙げら
れる。これらの中では、重合性ビニルモノマーに対する
溶解性及び接着性の点から、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムが好ましい。これらのエラストマー成分は相溶
性が良ければ、1種又は2種以上を使用することができ
る。
【0022】本発明のエラストマー成分の添加量は、
(1)、(2)及び(3)の合計100重量部に対し
て、5〜35重量部が好ましく、10〜30重量部がよ
り好ましい。5重量部未満では、粘度及び接着性が低下
するおそれがあり、35重量部を越えると粘度が高すぎ
て作業上不都合が生じるおそれがある。
【0023】この他に粘度、流動性を調整する目的でク
ロロスルホン化ポリエチレン、ポリウレタン、スチレン
−アクリロニトリル共重合体及びポリメチルメタクリレ
ート等の熱可塑性高分子、並びに、微粉末シリカ等も使
用することができる。又、本発明の硬化性樹脂組成物は
空気に接している部分の硬化を迅速にするために各種パ
ラフィン類を使用することができる。パラフィン類とし
ては、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カ
ルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及び
カンデリラろう等が挙げられる。パラフィン類の添加量
は、(1)、(2)及び(3)の合計100重量部に対
して、0.1〜5重量部が好ましく、0.3〜2.5重
量部がより好ましい。0.1重量部未満では、空気に接
している部分の硬化が悪くなるおそれがあり、5重量部
を越えると接着強度が低下するおそれがある。
【0024】更に、貯蔵安定性を改良する目的で重合禁
止剤を含む各種の酸化防止剤等を使用することができ
る。酸化防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチ
ル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メ
チル−6−ターシャリーブチルフェノール)、トリフェ
ニルホスファイト、フェノチアジン及びN−イソプロピ
ル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げ
られる。重合禁止剤の添加量は、(1)、(2)及び
(3)の合計100重量部に対して、0.001〜3重
量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましい。
0.001重量部未満では効果がなく、3重量部を越え
ると硬化強度が低下するおそれがある。なお、これらの
他にも所望により可塑剤、充填剤、着色剤及び防錆剤等
の既に知られている物質を使用することもできる。
【0025】本発明の実施態様としては、接着剤組成物
として使用することが好ましい。この場合には例えば、
二液型の接着剤組成物として使用することが挙げられ
る。二液型については、本発明の接着剤組成物の必須成
分全てを貯蔵中は混合せず、接着剤組成物を第一液及び
第二液に分け、第一液に有機過酸化物を、第二液に還元
剤を別々に貯蔵する。この場合、両液を同時に又は別々
に塗布して接触、硬化することによって、二液型の接着
剤組成物として使用できる。別の実施態様としては、第
一液及び第二液のいずれか一方又は両方に重合性ビニル
モノマー及びその他の任意の成分を予め含有せしめ、硬
化時に両者を混合することによって、一液型の接着剤組
成物として使用できる。これらの実施態様の中では、貯
蔵安定性に優れる点で、二液型の接着剤組成物として使
用することが好ましい。
【0026】本発明では、硬化性樹脂組成物の硬化体に
よって、被着体を接合して接合体を作成する。被着体の
各種材料については、紙、木材、セラミック、ガラス、
陶磁器、ゴム、プラスチック、モルタル、コンクリート
及び金属等制限はないが、被着体が金属の場合により優
れた接着性を示す。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。なお、以下、各物質の使用量の単位は重量部で示
す。なお、各物質については、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシポリエトキシフェニル)プロパンは一般式
(B)でのqが5のものを使用し、アクリロニトリル−
ブタジエンゴムには中高ニトリルを使用し、ブタジエン
−スチレン−メチルメタクリレート共重合体には呉羽化
学(株)製のBTAIIIN2を使用した。各種物性につ
いては、次のようにして測定した。
【0028】〔引張剪断強度〕温度23℃、湿度50%
の環境下でJIS K−6850に従い、一枚の試験片
(100×25×1.6mm、SPCC−Dの未処理鋼
板又は100×25×2.0mmのアルミニウムA−5
052サンドブラスト処理鋼板)の片面に硬化性樹脂組
成物を塗布し、もう一枚の試験片と貼合わせた。二液型
の硬化性樹脂組成物の場合には、一枚の試験片の片面に
第一液を塗布し、もう一枚の試験片に第二液を塗布し
た。その後直ちに塗布面同士を重ね合わせて貼合わせ
た。こののち、室温で24時間養生し、これを引張剪断
強度測定用試料とした。試料の引張剪断強度(単位:M
Pa)は、温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度
10mm/分で測定した。
【0029】〔剥離強度〕温度23℃、湿度50%の環
境下でJIS K−6854に従い、一枚の試験片(2
00×25×1.6mm、SPCC−Dの未処理鋼板)
の片面に硬化性樹脂組成物を塗布し、もう一枚の試験片
と貼合わせた。二液型の硬化性樹脂組成物の場合には、
一枚の試験片の片面に第一液を塗布し、もう一枚の試験
片(200×25×0.4mm、SPCC−Dの未処理
鋼板)に第二液を塗布した。その後直ちに塗布面同士を
重ね合わせて貼合わせた。こののち、室温で24時間養
生し、これを剥離強度測定用試料とした。なお、硬化性
樹脂組成物層の厚さを均一化するため、粒径100μm
のガラスビーズを微量添加した。試料の剥離強度(単
位:kN/m)は、温度23℃、湿度50%の環境下で
引張速度100mm/分でT剥離強度を測定した。
【0030】〔耐湿性引張剪断強度保持率〕接着耐久性
の評価項目として耐湿性引張剪断強度保持率を測定し
た。アルミニウムの引張剪断強度測定用試料を温度50
℃、湿度98%の環境下に1週間放置した後、取り出し
て温度23℃、湿度50%の環境下で引張剪断強度測定
した。温度23℃、湿度50%の環境下に曝した引張剪
断強度に対して、温度50℃、湿度98%の環境下に曝
した引張剪断強度の割合を耐湿性引張剪断強度保持率
(単位:%)とした。
【0031】〔臭気〕各硬化性樹脂組成物の臭気の強さ
を次のようにした。 ○:ほとんど臭気が無い。 ×:明らかな臭気がある。
【0032】(実施例1〜3及び比較例1)表1の添加
量でクメンハイドロパーオキサイドを除く各物質を混合
して組成物の液を調製した。その後クメンハイドロパー
オキサイドを混合してから直ちに接着した。測定結果を
表1に併記した。比較例1は従来の接着剤であり、接着
性能は十分であるが、メタクリル酸メチルの強い臭気が
した。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例4〜14及び比較例2)表2〜3
の添加量で各物質を混合して第一液と第二液からなる硬
化性樹脂組成物を調製した。測定結果を表2〜3に併記
した。比較例2は従来の接着剤であり、臭気は極めて弱
いが耐湿性が悪く、実用的な耐久性を示さなかった。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】(実施例15)実施例11の硬化性樹脂組
成物について、23℃、湿度50%の環境下で、一枚の
試験片(100×25×1.6mm、SPCC−Dの未
処理鋼板)の片面に第一液と第二液を等量混合して塗布
し、もう一枚の試験片(前述したものと同じ)を重ね合
わせて貼合わせた。この後、室温で24時間養生し、被
着体からはみ出した部分の表面硬化性を観察した。はみ
出した部分の表面は十分に硬化しており、良好であっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物によって、低
臭気で耐久性や耐湿性に優れた接合体が得られる。特に
臭気の低減により、作業環境の改善ができ、その産業上
の有益性は極めて大きい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)一般式(A)の構造を有する重合
    性ビニルモノマー 一般式(A) Z−O−(R2 O) p −R1 〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R1はフェ
    ニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル
    基を示す。R2は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH 3)−、
    −C4H8−又は−C6H12 −を示し、pは1〜10の整数を表
    す。〕 (2)一般式(B)の構造を有する重合性ビニルモノマ
    ー 【化1】 (3)一般式(C)の構造を有する重合性ビニルモノマ
    ー 一般式(C) Z−O−(R2 O) p −H 〔式中、Z及びR2は前述の通りである。〕 (4)有機過酸化物 (5)還元剤 を含有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、(6)エラストマー成分を含有
    してなることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 (5)還元剤が金属塩であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    硬化性樹脂組成物が第一液及び第二液からなる二液型硬
    化性樹脂組成物であって、第一液が有機過酸化物を含有
    してなり、第二液が還元剤を含有してなることを特徴と
    する二液型硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の硬化性樹脂組成物の硬化体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の硬化体によって被着体が
    接合してなることを特徴とする接合体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の被着体が金属であること
    を特徴とする接合体。
  8. 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の硬化性樹脂組成物を使用することを特徴とす
    る被着体の接着方法。
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