JPH1076337A - アルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法Info
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- JPH1076337A JPH1076337A JP8232700A JP23270096A JPH1076337A JP H1076337 A JPH1076337 A JP H1076337A JP 8232700 A JP8232700 A JP 8232700A JP 23270096 A JP23270096 A JP 23270096A JP H1076337 A JPH1076337 A JP H1076337A
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- aluminum alloy
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶接欠陥の発生を防止することができ、密封
性が優れた密封型タンクを所望の寸法で容易に製造する
ことができるアルミニウム又はアルミニウム合金製密封
型タンクを提供する。 【解決手段】 先ず、アルミニウム又はアルミニウム合
金板材12を円筒形状に曲げ、突合せ溶接によって両者
を接合することにより、両端部が開放された筒状体を作
製する。次いで、筒状体の開口端部13a及び13bを
複数回スピニング加工することにより、開口端部13a
及び13bをその径の中心部に向けて湾曲させて、端部
13a及び13bが所望の寸法となるまで絞り、中央部
に孔14a及び14bを有する鏡部15a及び15bを
形成する。このとき、鏡部15a及び15bの中心部の
肉厚が胴部16の肉厚よりも厚くなるように形成する。
次に、鏡部15a及び15bの厚肉の中心部を利用し
て、このいずれか一方の、例えば、鏡部15aの孔14
aにバルブ接続口を形成すると共に、他方の孔14bを
封止する。このようにして、密封型タンク17を製造す
る。
性が優れた密封型タンクを所望の寸法で容易に製造する
ことができるアルミニウム又はアルミニウム合金製密封
型タンクを提供する。 【解決手段】 先ず、アルミニウム又はアルミニウム合
金板材12を円筒形状に曲げ、突合せ溶接によって両者
を接合することにより、両端部が開放された筒状体を作
製する。次いで、筒状体の開口端部13a及び13bを
複数回スピニング加工することにより、開口端部13a
及び13bをその径の中心部に向けて湾曲させて、端部
13a及び13bが所望の寸法となるまで絞り、中央部
に孔14a及び14bを有する鏡部15a及び15bを
形成する。このとき、鏡部15a及び15bの中心部の
肉厚が胴部16の肉厚よりも厚くなるように形成する。
次に、鏡部15a及び15bの厚肉の中心部を利用し
て、このいずれか一方の、例えば、鏡部15aの孔14
aにバルブ接続口を形成すると共に、他方の孔14bを
封止する。このようにして、密封型タンク17を製造す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバルブ等を取り付け
て使用される密封型タンクに関し、特に、溶接欠陥の発
生を防止することができ、密封性が優れたアルミニウム
又はアルミニウム合金製密封型タンクに関する。
て使用される密封型タンクに関し、特に、溶接欠陥の発
生を防止することができ、密封性が優れたアルミニウム
又はアルミニウム合金製密封型タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の密封型タンクの製造方法
を工程順に示す模式図である。これを第1の従来例とい
う。このタンクは2枚の鏡板1及び3と胴部2により構
成される。先ず、図11(a)に示すように、円形の板
材を湾曲に絞り加工することにより、鏡板1及び3を作
製する。次に、板材4を円筒状に曲げ、端辺4aと端辺
4bとを突合せて長手方向に溶接して接合することによ
り、図11(b)に示す円筒状の胴部2を作製する。次
いで、円筒状の胴部2の開口端部2a及び2bに、夫
々、鏡板1及び3を当て、胴部2と鏡板1及び胴部2と
鏡板3を溶接により接合することにより、密封型タンク
5を製造することができる。なお、このタンク5にはバ
ルブが接続されるため、鏡板1及び3のいずれか一方又
は両方の中心部に貫通孔(図示せず)等を設け、溶接に
より、この貫通孔にバルブ接続用金具(図示せず)を接
続する。
を工程順に示す模式図である。これを第1の従来例とい
う。このタンクは2枚の鏡板1及び3と胴部2により構
成される。先ず、図11(a)に示すように、円形の板
材を湾曲に絞り加工することにより、鏡板1及び3を作
製する。次に、板材4を円筒状に曲げ、端辺4aと端辺
4bとを突合せて長手方向に溶接して接合することによ
り、図11(b)に示す円筒状の胴部2を作製する。次
いで、円筒状の胴部2の開口端部2a及び2bに、夫
々、鏡板1及び3を当て、胴部2と鏡板1及び胴部2と
鏡板3を溶接により接合することにより、密封型タンク
5を製造することができる。なお、このタンク5にはバ
ルブが接続されるため、鏡板1及び3のいずれか一方又
は両方の中心部に貫通孔(図示せず)等を設け、溶接に
より、この貫通孔にバルブ接続用金具(図示せず)を接
続する。
【0003】密封型タンクは上記製造方法の他にも、溶
接を使用することなく製造する方法が開示されている
(特開平7−186934号公報)。これを第2の従来
例という。図12は第2の従来例による密封型タンクの
製造方法を工程順に示す模式図である。先ず、図12
(a)に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合
金材を押出し加工することにより、両端部が開放された
筒状の胴部6を作製する。次に、図12(b)に示すよ
うに、胴部6の開口端部6a及び6bをスピニング加工
することにより、開口端部6a及び6bをその径の中心
部に向けて湾曲させ、所望の寸法となるまで開口端部6
a及び6bを絞る。これにより、両端側の中心部に貫通
孔8a及び8bを有する厚肉の鏡部7a及び7bを形成
する。次いで、鏡部7a及び7bの中心部の貫通孔8a
及び8bに、バルブ接続用のネジ穴等を加工することに
より、密封型タンク8を製造することができる。
接を使用することなく製造する方法が開示されている
(特開平7−186934号公報)。これを第2の従来
例という。図12は第2の従来例による密封型タンクの
製造方法を工程順に示す模式図である。先ず、図12
(a)に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合
金材を押出し加工することにより、両端部が開放された
筒状の胴部6を作製する。次に、図12(b)に示すよ
うに、胴部6の開口端部6a及び6bをスピニング加工
することにより、開口端部6a及び6bをその径の中心
部に向けて湾曲させ、所望の寸法となるまで開口端部6
a及び6bを絞る。これにより、両端側の中心部に貫通
孔8a及び8bを有する厚肉の鏡部7a及び7bを形成
する。次いで、鏡部7a及び7bの中心部の貫通孔8a
及び8bに、バルブ接続用のネジ穴等を加工することに
より、密封型タンク8を製造することができる。
【0004】他に、深絞り加工により銅部と鏡部が一体
加工された密封型金属製容器も提案されている(特開平
5−318005号公報)。これを第3の従来例とい
う。図13(a)は第3の従来例に係る密封型タンクを
示す正面図であり、(b)はその右側側面図である。先
ず、アルミニウム又はアルミニウム合金板を深絞り加工
することにより、片端部が閉塞した筒状成形体9及び1
0を作製する。このとき、長い胴長が必要である場合に
は、しごき加工により、更に一層深い底を形成する。そ
の後、筒状成形体9及び10の開口端部9a及び10a
を突き合わせて溶接し、両者を接合することにより、密
封型容器11を製造することができる。
加工された密封型金属製容器も提案されている(特開平
5−318005号公報)。これを第3の従来例とい
う。図13(a)は第3の従来例に係る密封型タンクを
示す正面図であり、(b)はその右側側面図である。先
ず、アルミニウム又はアルミニウム合金板を深絞り加工
することにより、片端部が閉塞した筒状成形体9及び1
0を作製する。このとき、長い胴長が必要である場合に
は、しごき加工により、更に一層深い底を形成する。そ
の後、筒状成形体9及び10の開口端部9a及び10a
を突き合わせて溶接し、両者を接合することにより、密
封型容器11を製造することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
密封型タンクの製造方法には、以下に示すような問題点
がある。例えば、第1及び第3の従来例は、胴部2と鏡
板1及び胴部2と鏡板3、又は筒状成形体9と筒状成形
体10の突合せ部を周溶接により接合するものである
が、周溶接を使用すると種々の問題点が発生する。即
ち、円筒形の胴部2又は筒状成形体9等の円周において
溶接部が1周周回するが、このとき、溶接開始部では溶
込みが不足し、1周された溶接の終了部はこの溶込み不
足のビードの上に重ねられる。従って、この開始部と終
了部が重なった部分は溶接欠陥を含み、漏れの主原因と
なる。また、周溶接部をX線透過試験で検査する場合、
溶接部が曲線であるため、X線による溶接欠陥の分解能
が低くなり、検査を実施することが困難である。
密封型タンクの製造方法には、以下に示すような問題点
がある。例えば、第1及び第3の従来例は、胴部2と鏡
板1及び胴部2と鏡板3、又は筒状成形体9と筒状成形
体10の突合せ部を周溶接により接合するものである
が、周溶接を使用すると種々の問題点が発生する。即
ち、円筒形の胴部2又は筒状成形体9等の円周において
溶接部が1周周回するが、このとき、溶接開始部では溶
込みが不足し、1周された溶接の終了部はこの溶込み不
足のビードの上に重ねられる。従って、この開始部と終
了部が重なった部分は溶接欠陥を含み、漏れの主原因と
なる。また、周溶接部をX線透過試験で検査する場合、
溶接部が曲線であるため、X線による溶接欠陥の分解能
が低くなり、検査を実施することが困難である。
【0006】このように、第1及び第3の従来例は周溶
接を使用することによる問題点を有している。そして更
に、第3の従来例については、深絞り及びしごき加工を
使用するものであって、アルミニウム合金材の中には、
材質により深絞り及びしごき加工が困難であるものもあ
るので、胴長が制限されるという問題点も発生する。
接を使用することによる問題点を有している。そして更
に、第3の従来例については、深絞り及びしごき加工を
使用するものであって、アルミニウム合金材の中には、
材質により深絞り及びしごき加工が困難であるものもあ
るので、胴長が制限されるという問題点も発生する。
【0007】また、第2の従来例においては、押出し加
工により胴部6を作製するので、例えば、外径が300
mmを超えるような大きな寸法のものを得ようとする場
合、肉厚が4.5mm未満であるような薄肉の胴部6を
作製することができないという欠点を有する。外径が小
さい場合についても、所望の肉厚を有する胴部6を加工
することが困難である。更に、押出し加工により作製さ
れた胴部6は、同一円周上又は押出し終端部(開口端部
6a及び6b)において、肉厚が変動するという問題点
もある。
工により胴部6を作製するので、例えば、外径が300
mmを超えるような大きな寸法のものを得ようとする場
合、肉厚が4.5mm未満であるような薄肉の胴部6を
作製することができないという欠点を有する。外径が小
さい場合についても、所望の肉厚を有する胴部6を加工
することが困難である。更に、押出し加工により作製さ
れた胴部6は、同一円周上又は押出し終端部(開口端部
6a及び6b)において、肉厚が変動するという問題点
もある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接欠陥の発生を防止することができ、密
封性が優れた密封型タンクを所望の寸法で容易に製造す
ることができるアルミニウム又はアルミニウム合金製密
封型タンクを提供することを目的とする。
のであって、溶接欠陥の発生を防止することができ、密
封性が優れた密封型タンクを所望の寸法で容易に製造す
ることができるアルミニウム又はアルミニウム合金製密
封型タンクを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、
アルミニウム又はアルミニウム合金板を筒状に曲げ加工
し、その突合せ端部を溶接により接合して両端部が開放
された筒状体を形成する工程と、この筒状体の両端部を
スピニング加工してその径の中心部に向けて湾曲させ、
中心部が前記筒状体の長手方向中央部よりも厚肉である
鏡部を形成する工程と、少なくとも一方の前記鏡部の中
心部にバルブ接続口を形成する工程と、を有することを
特徴とする。
ム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、
アルミニウム又はアルミニウム合金板を筒状に曲げ加工
し、その突合せ端部を溶接により接合して両端部が開放
された筒状体を形成する工程と、この筒状体の両端部を
スピニング加工してその径の中心部に向けて湾曲させ、
中心部が前記筒状体の長手方向中央部よりも厚肉である
鏡部を形成する工程と、少なくとも一方の前記鏡部の中
心部にバルブ接続口を形成する工程と、を有することを
特徴とする。
【0010】本発明においては、筒状体の作製のための
突合せ溶接と、スピニング加工のみで密封型タンクを製
造するので、周溶接を使用する必要がない。従って、周
溶接を実施することによる溶接の開始部及び終了部の溶
接欠陥が発生することがないので、密封性が優れた密封
型タンクを得ることができる。また、スピニング加工に
より鏡部を形成するが、鏡部の中心部が前記筒状体の長
手方向中央部よりも厚肉であるので、この厚肉に形成さ
れた鏡部中心部を利用して、バルブ接続口を形成するこ
とができる。このバルブ接続口には、例えば、ネジ穴が
加工される。
突合せ溶接と、スピニング加工のみで密封型タンクを製
造するので、周溶接を使用する必要がない。従って、周
溶接を実施することによる溶接の開始部及び終了部の溶
接欠陥が発生することがないので、密封性が優れた密封
型タンクを得ることができる。また、スピニング加工に
より鏡部を形成するが、鏡部の中心部が前記筒状体の長
手方向中央部よりも厚肉であるので、この厚肉に形成さ
れた鏡部中心部を利用して、バルブ接続口を形成するこ
とができる。このバルブ接続口には、例えば、ネジ穴が
加工される。
【0011】また、本発明においては、アルミニウム又
はアルミニウム合金板を曲げ加工して突合せ端辺を溶接
することにより筒状体を作製するので、押出し加工によ
り筒状体を作製する場合と比較して、密封型タンクの肉
厚が筒状体の径に左右されることがない。また、深絞り
及びしごき加工等を使用しないので、胴長が制限される
こともない。従って、タンクの大きさ及び肉厚を所望の
サイズで製造することができる。
はアルミニウム合金板を曲げ加工して突合せ端辺を溶接
することにより筒状体を作製するので、押出し加工によ
り筒状体を作製する場合と比較して、密封型タンクの肉
厚が筒状体の径に左右されることがない。また、深絞り
及びしごき加工等を使用しないので、胴長が制限される
こともない。従って、タンクの大きさ及び肉厚を所望の
サイズで製造することができる。
【0012】更に、タンクを構成する部材及び加工の種
類が少ないので、加工するための装置が減少すると共
に、製造時間を短縮化することができる。更にまた、ダ
イスを使用することなく製造するので、製造する密封型
タンクを種々のサイズに容易に変更することができる。
類が少ないので、加工するための装置が減少すると共
に、製造時間を短縮化することができる。更にまた、ダ
イスを使用することなく製造するので、製造する密封型
タンクを種々のサイズに容易に変更することができる。
【0013】本発明に係る他のアルミニウム又はアルミ
ニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニウム
又はアルミニウム合金板を筒状に曲げ加工し、その突合
せ端部を溶接により接合して両端部が開放された筒状体
を形成する工程と、凹部を有する当て金をその凹部を前
記筒状体の端部に向けて当て、前記当て金を筒状体に押
圧するネッキング加工により、前記筒状体の両端部にそ
の径の中心部に向けて湾曲する鏡板接合部を形成する工
程と、前記鏡板接合部にその開口部よりも大きい所定の
形状の鏡板を重ねて両者を接合し、前記開口部を閉塞す
る工程と、を有することを特徴とする。
ニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニウム
又はアルミニウム合金板を筒状に曲げ加工し、その突合
せ端部を溶接により接合して両端部が開放された筒状体
を形成する工程と、凹部を有する当て金をその凹部を前
記筒状体の端部に向けて当て、前記当て金を筒状体に押
圧するネッキング加工により、前記筒状体の両端部にそ
の径の中心部に向けて湾曲する鏡板接合部を形成する工
程と、前記鏡板接合部にその開口部よりも大きい所定の
形状の鏡板を重ねて両者を接合し、前記開口部を閉塞す
る工程と、を有することを特徴とする。
【0014】本発明において、鏡板接合部に接合される
鏡板は、ネッキング加工により形成された開口部よりも
大きく形成されているので、鏡板と鏡板接合部とを重ね
て両者を溶接等により接合することができる。従って、
胴部と鏡板とを別に構成して両者を突合せ、その突合せ
端部を周溶接する場合と比較して、溶接の開始部及び終
了部の溶接欠陥が発生することがないと共に、鏡板に印
加される軸方向の圧力は、胴部と鏡板とを突き合わせ溶
接により接合した場合と比較して小さくなるので、溶接
部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた密封
型タンクを得ることができる。
鏡板は、ネッキング加工により形成された開口部よりも
大きく形成されているので、鏡板と鏡板接合部とを重ね
て両者を溶接等により接合することができる。従って、
胴部と鏡板とを別に構成して両者を突合せ、その突合せ
端部を周溶接する場合と比較して、溶接の開始部及び終
了部の溶接欠陥が発生することがないと共に、鏡板に印
加される軸方向の圧力は、胴部と鏡板とを突き合わせ溶
接により接合した場合と比較して小さくなるので、溶接
部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた密封
型タンクを得ることができる。
【0015】本発明に係る更に他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金板を筒状に曲げ加工し、その
突合せ端部を溶接により接合して両端部が開放された筒
状体を形成する工程と、凹部を有する当て金をその凹部
を前記筒状体の端部に向けて当て、前記当て金を筒状体
に押圧するネッキング加工により、前記筒状体の両端部
にその径の中心部に向けて湾曲する鏡板接合部を形成す
る工程と、前記鏡板接合部の開口部に、これに整合する
形状の鏡板を嵌合して両者を接合し、前記開口部を閉塞
する工程と、を有することを特徴とする。
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金板を筒状に曲げ加工し、その
突合せ端部を溶接により接合して両端部が開放された筒
状体を形成する工程と、凹部を有する当て金をその凹部
を前記筒状体の端部に向けて当て、前記当て金を筒状体
に押圧するネッキング加工により、前記筒状体の両端部
にその径の中心部に向けて湾曲する鏡板接合部を形成す
る工程と、前記鏡板接合部の開口部に、これに整合する
形状の鏡板を嵌合して両者を接合し、前記開口部を閉塞
する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】これらの本発明において使用するネッキン
グ加工は、鏡板接合部を形成するために施すものである
ので、絞りの度合いを少なくすることができ、大きく絞
ることが困難である材質のアルミニウム合金材を使用す
る場合においても、容易に加工することができる。従っ
て、種々のアルミニウム合金材を使用して密封型タンク
を製造することができる。
グ加工は、鏡板接合部を形成するために施すものである
ので、絞りの度合いを少なくすることができ、大きく絞
ることが困難である材質のアルミニウム合金材を使用す
る場合においても、容易に加工することができる。従っ
て、種々のアルミニウム合金材を使用して密封型タンク
を製造することができる。
【0017】また、開口部の面積は筒状体胴部の断面積
と比較して小さいので、胴部と鏡板とを別に構成して両
者を突合せ、その突合せ端部を周溶接する場合と比較し
て、鏡板に印加される軸方向の圧力は小さくなるので、
溶接部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた
密封型タンクを得ることができる。
と比較して小さいので、胴部と鏡板とを別に構成して両
者を突合せ、その突合せ端部を周溶接する場合と比較し
て、鏡板に印加される軸方向の圧力は小さくなるので、
溶接部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた
密封型タンクを得ることができる。
【0018】この鏡板にはバルブ接続口が形成されてい
ることが好ましい。鏡板にバルブ接続口が形成されてい
ると、このバルブ接続口には、例えば、ネジ加工等を施
すことができ、これにより、バルブ接続口に容易にバル
ブを接続することができる。
ることが好ましい。鏡板にバルブ接続口が形成されてい
ると、このバルブ接続口には、例えば、ネジ加工等を施
すことができ、これにより、バルブ接続口に容易にバル
ブを接続することができる。
【0019】本発明に係る更に他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金材を加工して両端部が開放さ
れた筒状体を形成する工程と、この筒状体の両端部をス
ピニング加工してその径の中心部に向けて湾曲させ、前
記筒状体の長手方向中央部の肉厚の2倍以下の肉厚であ
る鏡板接合部を形成する工程と、前記鏡板接合部にその
開口部よりも大きい所定の形状の鏡板を重ねて両者を接
合し、前記開口部を閉塞する工程と、を有することを特
徴とする。
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金材を加工して両端部が開放さ
れた筒状体を形成する工程と、この筒状体の両端部をス
ピニング加工してその径の中心部に向けて湾曲させ、前
記筒状体の長手方向中央部の肉厚の2倍以下の肉厚であ
る鏡板接合部を形成する工程と、前記鏡板接合部にその
開口部よりも大きい所定の形状の鏡板を重ねて両者を接
合し、前記開口部を閉塞する工程と、を有することを特
徴とする。
【0020】本発明において、鏡板接合部に接合される
鏡板は、スピニング加工により形成された開口部よりも
大きく形成されているので、鏡板と鏡板接合部とを重ね
て両者を溶接等により接合することができる。従って、
胴部と鏡板とを別に構成して両者を突合せ、その突合せ
端部を周溶接する場合と比較して、溶接の開始部及び終
了部の溶接欠陥が発生することがないと共に、鏡板に印
加される軸方向の圧力は、胴部と鏡板とを突き合わせ溶
接により接合した場合と比較して小さくなるので、溶接
部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた密封
型タンクを得ることができる。
鏡板は、スピニング加工により形成された開口部よりも
大きく形成されているので、鏡板と鏡板接合部とを重ね
て両者を溶接等により接合することができる。従って、
胴部と鏡板とを別に構成して両者を突合せ、その突合せ
端部を周溶接する場合と比較して、溶接の開始部及び終
了部の溶接欠陥が発生することがないと共に、鏡板に印
加される軸方向の圧力は、胴部と鏡板とを突き合わせ溶
接により接合した場合と比較して小さくなるので、溶接
部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた密封
型タンクを得ることができる。
【0021】本発明に係る更に他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金材を加工して両端部が開放さ
れた筒状体を形成する工程と、この筒状体の両端部をス
ピニング加工してその径の中心部に向けて湾曲させ、前
記筒状体の長手方向中央部の肉厚の2倍以下の肉厚であ
る鏡板接合部を形成する工程と、前記鏡板接合部の開口
部に、これに整合する形状の鏡板を嵌合して両者を接合
し、前記開口部を閉塞する工程と、を有することを特徴
とする。
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金材を加工して両端部が開放さ
れた筒状体を形成する工程と、この筒状体の両端部をス
ピニング加工してその径の中心部に向けて湾曲させ、前
記筒状体の長手方向中央部の肉厚の2倍以下の肉厚であ
る鏡板接合部を形成する工程と、前記鏡板接合部の開口
部に、これに整合する形状の鏡板を嵌合して両者を接合
し、前記開口部を閉塞する工程と、を有することを特徴
とする。
【0022】これらの本発明においては、鏡板接合部を
形成するために筒状体の両端部をスピニング加工により
絞り加工するが、この絞りの度合いを鏡板接合部の肉厚
によって規定している。鏡板接合部の肉厚が筒状体の長
手方向中央部の肉厚の2倍を超えるように鏡板接合部を
形成する場合、スピニング加工回数を増加させる必要が
あり、加工性が悪い材質については、加工が困難になる
ことがある。従って、本発明においては、鏡板接合部の
肉厚を筒状体の長手方向中央部の肉厚の2倍以下となる
ようにスピニング加工する。これにより、絞りの度合い
を少なくすることができ、大きく絞ることが困難である
材質のアルミニウム合金材を使用する場合においても、
容易に加工することができる。従って、種々のアルミニ
ウム合金材を使用して密封型タンクを製造することがで
きる。
形成するために筒状体の両端部をスピニング加工により
絞り加工するが、この絞りの度合いを鏡板接合部の肉厚
によって規定している。鏡板接合部の肉厚が筒状体の長
手方向中央部の肉厚の2倍を超えるように鏡板接合部を
形成する場合、スピニング加工回数を増加させる必要が
あり、加工性が悪い材質については、加工が困難になる
ことがある。従って、本発明においては、鏡板接合部の
肉厚を筒状体の長手方向中央部の肉厚の2倍以下となる
ようにスピニング加工する。これにより、絞りの度合い
を少なくすることができ、大きく絞ることが困難である
材質のアルミニウム合金材を使用する場合においても、
容易に加工することができる。従って、種々のアルミニ
ウム合金材を使用して密封型タンクを製造することがで
きる。
【0023】また、開口部の面積は筒状体胴部の断面積
と比較して小さいので、胴部と鏡板とを別に構成して両
者を突合せ、その突合せ端部を周溶接する場合と比較し
て、鏡板に印加される軸方向の圧力は小さくなるので、
溶接部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた
密封型タンクを得ることができる。
と比較して小さいので、胴部と鏡板とを別に構成して両
者を突合せ、その突合せ端部を周溶接する場合と比較し
て、鏡板に印加される軸方向の圧力は小さくなるので、
溶接部への負担が小さくなる。従って、密封性が優れた
密封型タンクを得ることができる。
【0024】これら筒状体はアルミニウム又はアルミニ
ウム合金板を筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶接
により接合して形成することが好ましい。また、鏡板に
はバルブ接続口が形成されていることが望ましい。この
ように、アルミニウム又はアルミニウム合金板を曲げ加
工して突合せ端辺を溶接することにより筒状体を作製す
ると、押出し加工により筒状体を作製する場合と比較し
て、密封型タンクの肉厚が筒状体の径に左右されること
がなく、タンクの大きさ及び肉厚を所望のサイズで製造
することができる。また、鏡板にバルブ接続口が形成さ
れていると、このバルブ接続口には、例えば、ネジ加工
等を施すことができ、これにより、バルブ接続口に容易
にバルブを接続することができる。
ウム合金板を筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶接
により接合して形成することが好ましい。また、鏡板に
はバルブ接続口が形成されていることが望ましい。この
ように、アルミニウム又はアルミニウム合金板を曲げ加
工して突合せ端辺を溶接することにより筒状体を作製す
ると、押出し加工により筒状体を作製する場合と比較し
て、密封型タンクの肉厚が筒状体の径に左右されること
がなく、タンクの大きさ及び肉厚を所望のサイズで製造
することができる。また、鏡板にバルブ接続口が形成さ
れていると、このバルブ接続口には、例えば、ネジ加工
等を施すことができ、これにより、バルブ接続口に容易
にバルブを接続することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について添
付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の
第1の実施例に係るアルミニウム又はアルミニウム合金
製密封型タンクの製造方法を工程順に示す模式図であ
る。図2は製造途中のタンクの端部を示す断面図であ
る。
付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の
第1の実施例に係るアルミニウム又はアルミニウム合金
製密封型タンクの製造方法を工程順に示す模式図であ
る。図2は製造途中のタンクの端部を示す断面図であ
る。
【0026】先ず、図1(a)に示すように、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金板材12を円筒状に曲げ、端
辺12aと端辺12bとを突合せて、TIG溶接又はM
IG溶接によって両者を接合することにより、端部13
a及び13bが開放された筒状体を作製する。この溶接
においては、通常溶加材を使用するが、必要に応じて溶
加材を使用しないなめ付け溶接により接合することもで
きる。溶加材を使用して端辺12aと端辺12bとを接
合した場合、溶接部の表面及び裏面には余盛り及び裏波
ビードが形成されるので、開口端部13a及び13bの
近傍の余盛り及び裏波を削除しておく。
ウム又はアルミニウム合金板材12を円筒状に曲げ、端
辺12aと端辺12bとを突合せて、TIG溶接又はM
IG溶接によって両者を接合することにより、端部13
a及び13bが開放された筒状体を作製する。この溶接
においては、通常溶加材を使用するが、必要に応じて溶
加材を使用しないなめ付け溶接により接合することもで
きる。溶加材を使用して端辺12aと端辺12bとを接
合した場合、溶接部の表面及び裏面には余盛り及び裏波
ビードが形成されるので、開口端部13a及び13bの
近傍の余盛り及び裏波を削除しておく。
【0027】次いで、筒状体の開口端部13a及び13
bを複数回スピニング加工することにより、開口端部1
3a及び13bをその径の中心部に向けて湾曲させて、
端部13a及び13bが所望の寸法となるまで絞り、中
央部に孔14a及び14bを有する鏡部15a及び15
bを形成する。このとき、図2に示すように、鏡部15
a及び15bの中心部の肉厚が胴部16の肉厚よりも厚
くなるように形成する。
bを複数回スピニング加工することにより、開口端部1
3a及び13bをその径の中心部に向けて湾曲させて、
端部13a及び13bが所望の寸法となるまで絞り、中
央部に孔14a及び14bを有する鏡部15a及び15
bを形成する。このとき、図2に示すように、鏡部15
a及び15bの中心部の肉厚が胴部16の肉厚よりも厚
くなるように形成する。
【0028】次いで、鏡部15a及び15bの厚肉の中
心部を利用して、このいずれか一方の、例えば、鏡部1
5aの孔14aにバルブ接続口を形成する。また、バル
ブ接続口が不要である鏡部15bについては、例えば、
孔14bにネジ加工を施し、このネジ加工が施された孔
14bにネジを埋め込むことにより封止するか、又は孔
14bを溶接することにより封止する。このようにし
て、密封型タンク17を製造することができる。
心部を利用して、このいずれか一方の、例えば、鏡部1
5aの孔14aにバルブ接続口を形成する。また、バル
ブ接続口が不要である鏡部15bについては、例えば、
孔14bにネジ加工を施し、このネジ加工が施された孔
14bにネジを埋め込むことにより封止するか、又は孔
14bを溶接することにより封止する。このようにし
て、密封型タンク17を製造することができる。
【0029】なお、アルミニウム合金の組成等によっ
て、通常の温度で筒状体の開口端部13a及び13bを
スピニング加工することが困難な場合、熱間スピニング
加工することにより、種々の組成のアルミニウム合金材
を使用して、本実施例方法を適用して密封型タンクを製
造することができる。
て、通常の温度で筒状体の開口端部13a及び13bを
スピニング加工することが困難な場合、熱間スピニング
加工することにより、種々の組成のアルミニウム合金材
を使用して、本実施例方法を適用して密封型タンクを製
造することができる。
【0030】本実施例においては、筒状体の作製のため
の片面溶接と、スピニング加工のみで密封型タンク17
を製造するので、周溶接を使用する必要がない。従っ
て、周溶接を実施することによる溶接の開始部及び終了
部の溶接欠陥が発生することがないので、密封性が優れ
た密封型タンク17を得ることができる。また、スピニ
ング加工により鏡部15a及び15bを形成するが、こ
のとき、鏡部15a及び15bの中心部の肉厚が胴部1
6の肉厚よりも厚くなるように形成するので、この厚肉
の部分を利用して、例えば、厚肉の鏡部中心部にネジ加
工等を施すことにより、バルブ接続口を形成することが
できる。
の片面溶接と、スピニング加工のみで密封型タンク17
を製造するので、周溶接を使用する必要がない。従っ
て、周溶接を実施することによる溶接の開始部及び終了
部の溶接欠陥が発生することがないので、密封性が優れ
た密封型タンク17を得ることができる。また、スピニ
ング加工により鏡部15a及び15bを形成するが、こ
のとき、鏡部15a及び15bの中心部の肉厚が胴部1
6の肉厚よりも厚くなるように形成するので、この厚肉
の部分を利用して、例えば、厚肉の鏡部中心部にネジ加
工等を施すことにより、バルブ接続口を形成することが
できる。
【0031】また、本実施例においては、アルミニウム
又はアルミニウム合金板材12を曲げ加工して突合せ端
辺を溶接することにより筒状体を作製するので、押出し
加工により筒状体を作製する場合と比較して、密封型タ
ンク17の肉厚が筒状体の径に左右されることがない。
また、深絞り及びしごき加工等を使用しないので、胴長
が制限されることもない。従って、タンクの大きさ及び
肉厚を所望のサイズで製造することができる。
又はアルミニウム合金板材12を曲げ加工して突合せ端
辺を溶接することにより筒状体を作製するので、押出し
加工により筒状体を作製する場合と比較して、密封型タ
ンク17の肉厚が筒状体の径に左右されることがない。
また、深絞り及びしごき加工等を使用しないので、胴長
が制限されることもない。従って、タンクの大きさ及び
肉厚を所望のサイズで製造することができる。
【0032】更に、タンク17を構成する部材及び加工
の種類が少ないので、加工するための装置が減少すると
共に、製造時間を短縮化することができる。更にまた、
ダイスを使用することなく製造するので、製造する密封
型タンクを種々のサイズに容易に変更することができ
る。
の種類が少ないので、加工するための装置が減少すると
共に、製造時間を短縮化することができる。更にまた、
ダイスを使用することなく製造するので、製造する密封
型タンクを種々のサイズに容易に変更することができ
る。
【0033】図3は本発明の第2の実施例に係る密封型
タンクの製造方法を工程順に示す図であり、図4及び5
は本発明の第2の実施例に係る密封型タンクの製造方法
について、ネッキング加工方法を示す図であり、(a)
はその断面図、(b)はその右側側面図である。また、
図6(a)は本実施例方法により製造された密封型タン
クを示す模式的断面図、(b)はその左側側面図、
(c)はその右側側面図である。
タンクの製造方法を工程順に示す図であり、図4及び5
は本発明の第2の実施例に係る密封型タンクの製造方法
について、ネッキング加工方法を示す図であり、(a)
はその断面図、(b)はその右側側面図である。また、
図6(a)は本実施例方法により製造された密封型タン
クを示す模式的断面図、(b)はその左側側面図、
(c)はその右側側面図である。
【0034】先ず、図3(a)に示すように、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金板材32を円筒状に曲げ、端
辺32aと端辺32bとを突合せて、TIG溶接又はM
IG溶接によって両者を接合することにより、端部33
a及び33bが開放された筒状体を作製する。この溶接
においても、第1の実施例と同様に、通常、溶加材を使
用して溶接するが、必要に応じて溶加材を使用しないな
め付け溶接により接合することもできる。溶加材を使用
して端辺32aと端辺32bとを接合した場合、溶接部
の表面及び裏面には余盛り及び裏波ビードが形成される
ので、開口端部33a及び33bの近傍の余盛り及び裏
波を削除しておく。
ウム又はアルミニウム合金板材32を円筒状に曲げ、端
辺32aと端辺32bとを突合せて、TIG溶接又はM
IG溶接によって両者を接合することにより、端部33
a及び33bが開放された筒状体を作製する。この溶接
においても、第1の実施例と同様に、通常、溶加材を使
用して溶接するが、必要に応じて溶加材を使用しないな
め付け溶接により接合することもできる。溶加材を使用
して端辺32aと端辺32bとを接合した場合、溶接部
の表面及び裏面には余盛り及び裏波ビードが形成される
ので、開口端部33a及び33bの近傍の余盛り及び裏
波を削除しておく。
【0035】次いで、図4及び図5に示すように、筒状
体33の開口端部33a及び33bをネッキング加工し
て鏡板接合部を形成する。このネッキング加工は、金属
バットの太径先端部の成形に利用される方法である。即
ち、筒状体33の径よりも若干大きな径の凹部を有する
分割ダイス38を準備し、凹部を筒状体33の端部33
bに向けて分割ダイス38を筒状体33に当て、チャッ
ク39によって支持された筒状体33を分割ダイス38
に押圧する。そうすると、端部33bが筒状体33の径
の中心部に向けて湾曲して絞られる。本実施例において
は、端部33bを完全に絞ってしまうのではなく、開口
部34bを残して絞ることにより鏡板接合部35bを形
成する。そして、筒状体33の開口端部33aにおいて
も同様に、分割ダイスに押圧して、開口部34aを有す
る鏡板接合部35aを形成することにより、密封型タン
クの本体部34を作製する。
体33の開口端部33a及び33bをネッキング加工し
て鏡板接合部を形成する。このネッキング加工は、金属
バットの太径先端部の成形に利用される方法である。即
ち、筒状体33の径よりも若干大きな径の凹部を有する
分割ダイス38を準備し、凹部を筒状体33の端部33
bに向けて分割ダイス38を筒状体33に当て、チャッ
ク39によって支持された筒状体33を分割ダイス38
に押圧する。そうすると、端部33bが筒状体33の径
の中心部に向けて湾曲して絞られる。本実施例において
は、端部33bを完全に絞ってしまうのではなく、開口
部34bを残して絞ることにより鏡板接合部35bを形
成する。そして、筒状体33の開口端部33aにおいて
も同様に、分割ダイスに押圧して、開口部34aを有す
る鏡板接合部35aを形成することにより、密封型タン
クの本体部34を作製する。
【0036】その後、図6に示すように、本体部34の
鏡板接合部35a及び35bに、夫々、鏡板41及び4
2を重ねて両者を溶接等によって接合することにより、
開口部34a及び34bを閉塞する。この鏡板41及び
42としては、例えば、その径が開口部34a及び34
bの径よりも大きくなるように形成されたものとするこ
とができ、必要に応じて、種々の形状の鏡板を使用する
ことができる。
鏡板接合部35a及び35bに、夫々、鏡板41及び4
2を重ねて両者を溶接等によって接合することにより、
開口部34a及び34bを閉塞する。この鏡板41及び
42としては、例えば、その径が開口部34a及び34
bの径よりも大きくなるように形成されたものとするこ
とができ、必要に応じて、種々の形状の鏡板を使用する
ことができる。
【0037】図7は本実施例において使用した鏡板の形
状を示す断面図である。バルブの接続口が不要である開
口部34aには、例えば、図7(a)に示す鏡板41を
使用する。この鏡板41は、円形状のアルミニウム又は
アルミニウム合金板材を凹状に加工したものであり、鏡
板接合部35aに鏡板41を重ねて両者を接合すること
により、開口部34aを完全に封止することができる。
一方、バルブの接続口を必要とする開口部34bには、
例えば、図7(b)に示す鏡板42を使用する。この鏡
板42は、鏡板41と同様に、円形状のアルミニウム又
はアルミニウム合金板材を内面側が凹状になるように加
工したものであるが、その中央部には、鏡板42の外面
側に突出する突起部(バルブ接続口)43が形成されて
いる。また、この突起部43には、鏡板42の内面側か
ら外面側に貫通する孔43aが設けられていると共に、
孔43aの内表面にはネジ加工が施されており、この突
起部43にバルブを接続する。このようにして、密封型
タンク37を製造することができる。
状を示す断面図である。バルブの接続口が不要である開
口部34aには、例えば、図7(a)に示す鏡板41を
使用する。この鏡板41は、円形状のアルミニウム又は
アルミニウム合金板材を凹状に加工したものであり、鏡
板接合部35aに鏡板41を重ねて両者を接合すること
により、開口部34aを完全に封止することができる。
一方、バルブの接続口を必要とする開口部34bには、
例えば、図7(b)に示す鏡板42を使用する。この鏡
板42は、鏡板41と同様に、円形状のアルミニウム又
はアルミニウム合金板材を内面側が凹状になるように加
工したものであるが、その中央部には、鏡板42の外面
側に突出する突起部(バルブ接続口)43が形成されて
いる。また、この突起部43には、鏡板42の内面側か
ら外面側に貫通する孔43aが設けられていると共に、
孔43aの内表面にはネジ加工が施されており、この突
起部43にバルブを接続する。このようにして、密封型
タンク37を製造することができる。
【0038】本実施例においては、本体部34には鏡板
41及び42が接合されるが、鏡板41及び42は本体
部34の開口部34a及び34bよりも大きく形成され
ているので、鏡板41及び42と鏡板接合部35a及び
35bとを重ねて両者を溶接することができる。従っ
て、同一の径を有する胴部と鏡板とを別に構成して両者
を突き合わせ、その突合せ端部を周溶接する場合と比較
して、溶接の開始部及び終了部の溶接欠陥が発生するこ
とがない。
41及び42が接合されるが、鏡板41及び42は本体
部34の開口部34a及び34bよりも大きく形成され
ているので、鏡板41及び42と鏡板接合部35a及び
35bとを重ねて両者を溶接することができる。従っ
て、同一の径を有する胴部と鏡板とを別に構成して両者
を突き合わせ、その突合せ端部を周溶接する場合と比較
して、溶接の開始部及び終了部の溶接欠陥が発生するこ
とがない。
【0039】更に、本実施例においては、開口部34a
及び34bの径が本体部34の径よりも小径であるの
で、タンク内部から鏡板41及び42に印加される圧力
は小さくなる。これは、タンク内部において印加される
軸方向の圧力は、タンクの内圧pとタンクの軸方向に直
交する方向の断面積との積に比例するからである。即
ち、胴部の半径をD、開口部の半径をdとしたとき、胴
部と同一の径を有する鏡板を接合したタンクでは、鏡板
に印加される圧力はp×πD2に比例するが、本実施例
のタンクにおいては、鏡板41及び42に印加される圧
力はp×πd2に比例する。従って、これらの圧力比は
d2/D2となり、本実施例は、胴部と同一の径を有する
鏡板を突き合わせ溶接により接合したタンクと比較して
鏡板に印加される圧力が小さくなるので、溶接部への負
担が小さくなる。従って、密封性が優れた密封型タンク
を得ることができる。
及び34bの径が本体部34の径よりも小径であるの
で、タンク内部から鏡板41及び42に印加される圧力
は小さくなる。これは、タンク内部において印加される
軸方向の圧力は、タンクの内圧pとタンクの軸方向に直
交する方向の断面積との積に比例するからである。即
ち、胴部の半径をD、開口部の半径をdとしたとき、胴
部と同一の径を有する鏡板を接合したタンクでは、鏡板
に印加される圧力はp×πD2に比例するが、本実施例
のタンクにおいては、鏡板41及び42に印加される圧
力はp×πd2に比例する。従って、これらの圧力比は
d2/D2となり、本実施例は、胴部と同一の径を有する
鏡板を突き合わせ溶接により接合したタンクと比較して
鏡板に印加される圧力が小さくなるので、溶接部への負
担が小さくなる。従って、密封性が優れた密封型タンク
を得ることができる。
【0040】本実施例においては、突起部43の孔43
aの内表面に、バルブを接続するためのネジ加工を施し
ているが、突起部43の外表面にネジ加工を施してもよ
く、これにより、バルブをタンク37に接続することが
できる。
aの内表面に、バルブを接続するためのネジ加工を施し
ているが、突起部43の外表面にネジ加工を施してもよ
く、これにより、バルブをタンク37に接続することが
できる。
【0041】なお、本実施例においては、図6に示すよ
うに、鏡板41及び42の径が本体部34の開口部34
a及び34bよりも大きく形成されているが、この開口
部に整合する形状の鏡板を利用することもできる。その
場合は開口部34a及び34bに鏡板を嵌合し、一旦溶
接によって仮止めをした後、本溶接をすることにより両
者を接合することができる。この場合においても、開口
部34a及び34bの径が本体部34の径よりも小径で
あり、鏡板に印加される圧力は小さくなるので、溶接部
への負担が小さくなって、密封性が優れた密封型タンク
を得ることができる。
うに、鏡板41及び42の径が本体部34の開口部34
a及び34bよりも大きく形成されているが、この開口
部に整合する形状の鏡板を利用することもできる。その
場合は開口部34a及び34bに鏡板を嵌合し、一旦溶
接によって仮止めをした後、本溶接をすることにより両
者を接合することができる。この場合においても、開口
部34a及び34bの径が本体部34の径よりも小径で
あり、鏡板に印加される圧力は小さくなるので、溶接部
への負担が小さくなって、密封性が優れた密封型タンク
を得ることができる。
【0042】このように、第2の実施例においては、板
材を曲げ加工して溶接することにより作製された筒状体
33に対して、ネッキング加工を施すことによって密封
型タンク37の本体部34を製造する。このネッキング
加工は鏡板接合部35a及び35bを形成するために施
すものであるので、ネッキング加工により鏡部を形成す
る必要はない。従って、第1の実施例と比較して絞りの
度合いが少ないので、スピニング加工により鏡部を形成
することが困難な場合においても、容易に本体部34を
形成することができ、これにより、種々の材質のアルミ
ニウム合金材を使用して密封型タンク37を製造するこ
とができる。
材を曲げ加工して溶接することにより作製された筒状体
33に対して、ネッキング加工を施すことによって密封
型タンク37の本体部34を製造する。このネッキング
加工は鏡板接合部35a及び35bを形成するために施
すものであるので、ネッキング加工により鏡部を形成す
る必要はない。従って、第1の実施例と比較して絞りの
度合いが少ないので、スピニング加工により鏡部を形成
することが困難な場合においても、容易に本体部34を
形成することができ、これにより、種々の材質のアルミ
ニウム合金材を使用して密封型タンク37を製造するこ
とができる。
【0043】更にまた、第1の実施例と同様に、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金板材32を曲げ加工して突
合せ端辺を溶接することにより筒状体33を作製するの
で、押出し加工により筒状体を作製する場合と比較し
て、製造される密封型タンク37の肉厚が筒状体33の
径に左右されることがない。また、深絞り及びしごき加
工等を使用しないので、胴長が制限されることもない。
従って、タンクの大きさ及び肉厚を所望のサイズで製造
することができる。
ニウム又はアルミニウム合金板材32を曲げ加工して突
合せ端辺を溶接することにより筒状体33を作製するの
で、押出し加工により筒状体を作製する場合と比較し
て、製造される密封型タンク37の肉厚が筒状体33の
径に左右されることがない。また、深絞り及びしごき加
工等を使用しないので、胴長が制限されることもない。
従って、タンクの大きさ及び肉厚を所望のサイズで製造
することができる。
【0044】図8は本発明の第3の実施例に係る密封型
タンクの製造方法を工程順に示す側面図であり、図9は
第3の実施例に係る密封型タンクの本体部を部分的に示
す断面図である。
タンクの製造方法を工程順に示す側面図であり、図9は
第3の実施例に係る密封型タンクの本体部を部分的に示
す断面図である。
【0045】先ず、図8(a)に示すように、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金材を押出し加工することによ
り、端部53a及び53bが開放された筒状体53を作
製する。次に、図8(b)に示すように、筒状体53の
開口端部53a及び53bを複数回スピニング加工する
ことにより、開口端部53a及び53bを筒状体53の
径の中心部に向けて湾曲させ、鏡板接合部55a及び5
5bを形成する。このようにして、本実施例に係る密封
型タンクの本体部54を作製する。但し、本実施例にお
いては、図1に示す第1の実施例のように、端部53a
及び53bを完全に絞ってしまう必要はない。図9に示
すように、鏡板接合部55a及び55bの肉厚が本体部
54の長手方向中央部の肉厚の2倍を超えないように、
開口部54a及び54bを残して絞ることにより鏡板接
合部55a及び55bを形成する。
ウム又はアルミニウム合金材を押出し加工することによ
り、端部53a及び53bが開放された筒状体53を作
製する。次に、図8(b)に示すように、筒状体53の
開口端部53a及び53bを複数回スピニング加工する
ことにより、開口端部53a及び53bを筒状体53の
径の中心部に向けて湾曲させ、鏡板接合部55a及び5
5bを形成する。このようにして、本実施例に係る密封
型タンクの本体部54を作製する。但し、本実施例にお
いては、図1に示す第1の実施例のように、端部53a
及び53bを完全に絞ってしまう必要はない。図9に示
すように、鏡板接合部55a及び55bの肉厚が本体部
54の長手方向中央部の肉厚の2倍を超えないように、
開口部54a及び54bを残して絞ることにより鏡板接
合部55a及び55bを形成する。
【0046】その後、第2の実施例と同様に、本体部5
4の鏡板接合部55a及び55bに、夫々、鏡板(図示
せず)を重ねて両者を溶接等によって接合することによ
り、開口部54a及び54bを閉塞する。本実施例にお
いても、例えば、図7に示す鏡板41及び42を使用す
ることができ、これらの鏡板41及び42は、いずれ
も、その径が開口部54a及び54bの径よりも大きく
なるように形成されている。このようにして、第3の実
施例に係る密封型タンクを製造することができる。
4の鏡板接合部55a及び55bに、夫々、鏡板(図示
せず)を重ねて両者を溶接等によって接合することによ
り、開口部54a及び54bを閉塞する。本実施例にお
いても、例えば、図7に示す鏡板41及び42を使用す
ることができ、これらの鏡板41及び42は、いずれ
も、その径が開口部54a及び54bの径よりも大きく
なるように形成されている。このようにして、第3の実
施例に係る密封型タンクを製造することができる。
【0047】第3の実施例においては、筒状体53をス
ピニング加工することによって密封型タンクの本体部5
4を製造する。このスピニング加工は、第2の実施例と
同様に、鏡板接合部55a及び55bを形成するために
施すものであって、本実施例においては、スピニング加
工による絞りの度合いを、鏡板接合部55a及び55b
の肉厚によって設定している。即ち、鏡板接合部55a
及び55bの肉厚が本体部54の長手方向中央部の肉厚
の2倍以下となるように形成する。これにより、第1の
実施例と比較して、絞りの度合いを少なくすることがで
き、大きく絞ることが困難である材質のアルミニウム合
金材を使用する場合においても、容易に本体部54を形
成することができる。これにより、アルミニウム合金材
の種類によらず、どのような材質のアルミニウム合金材
でも使用することができる。
ピニング加工することによって密封型タンクの本体部5
4を製造する。このスピニング加工は、第2の実施例と
同様に、鏡板接合部55a及び55bを形成するために
施すものであって、本実施例においては、スピニング加
工による絞りの度合いを、鏡板接合部55a及び55b
の肉厚によって設定している。即ち、鏡板接合部55a
及び55bの肉厚が本体部54の長手方向中央部の肉厚
の2倍以下となるように形成する。これにより、第1の
実施例と比較して、絞りの度合いを少なくすることがで
き、大きく絞ることが困難である材質のアルミニウム合
金材を使用する場合においても、容易に本体部54を形
成することができる。これにより、アルミニウム合金材
の種類によらず、どのような材質のアルミニウム合金材
でも使用することができる。
【0048】また、本実施例に示すように、鏡板41及
び42を適用して、第2の実施例と同様に密封型タンク
を製造する場合、周溶接が不要であるので溶接欠陥が発
生することが少ないと共に、溶接部への負担が小さくな
り、密封性が優れた密封型タンクを得ることができる。
び42を適用して、第2の実施例と同様に密封型タンク
を製造する場合、周溶接が不要であるので溶接欠陥が発
生することが少ないと共に、溶接部への負担が小さくな
り、密封性が優れた密封型タンクを得ることができる。
【0049】図10は本発明の第4の実施例に係る密封
型タンクの製造方法を工程順に示す側面図である。先
ず、図10(a)に示すように、アルミニウム又はアル
ミニウム合金板材62を円筒状に曲げ、端辺62aと端
辺62bとを突合せて、TIG溶接又はMIG溶接によ
って両者を接合することにより、端部63a及び63b
が開放された筒状体を形成する。この溶接においては、
通常溶加材を使用するが、必要に応じて溶加材を使用し
ないなめ付け溶接により接合することもできる。溶加材
を使用して端辺62aと端辺62bとを接合した場合、
溶接部の表面及び裏面には余盛り及び裏波ビードが形成
されるので、開口端部63a及び63bの近傍の余盛り
及び裏波を削除しておく。
型タンクの製造方法を工程順に示す側面図である。先
ず、図10(a)に示すように、アルミニウム又はアル
ミニウム合金板材62を円筒状に曲げ、端辺62aと端
辺62bとを突合せて、TIG溶接又はMIG溶接によ
って両者を接合することにより、端部63a及び63b
が開放された筒状体を形成する。この溶接においては、
通常溶加材を使用するが、必要に応じて溶加材を使用し
ないなめ付け溶接により接合することもできる。溶加材
を使用して端辺62aと端辺62bとを接合した場合、
溶接部の表面及び裏面には余盛り及び裏波ビードが形成
されるので、開口端部63a及び63bの近傍の余盛り
及び裏波を削除しておく。
【0050】次いで、図10(b)に示すように、第3
の実施例と同様に、筒状体の開口端部63a及び63b
を複数回スピニング加工することにより、開口端部63
a及び63bを筒状体の径の中心部に向けて湾曲させ、
鏡板接合部65a及び65bを形成する。このようにし
て、第4の実施例に係る密封型タンクの本体部64を作
製する。但し、本実施例においても、鏡板接合部65a
及び65bの肉厚が本体部64の長手方向中央部の肉厚
の2倍を超えないように、スピニング回数を設定する。
従って、本体部64の両端の鏡板接合部65a及び65
bには、開口部64a及び64bが形成されている。
の実施例と同様に、筒状体の開口端部63a及び63b
を複数回スピニング加工することにより、開口端部63
a及び63bを筒状体の径の中心部に向けて湾曲させ、
鏡板接合部65a及び65bを形成する。このようにし
て、第4の実施例に係る密封型タンクの本体部64を作
製する。但し、本実施例においても、鏡板接合部65a
及び65bの肉厚が本体部64の長手方向中央部の肉厚
の2倍を超えないように、スピニング回数を設定する。
従って、本体部64の両端の鏡板接合部65a及び65
bには、開口部64a及び64bが形成されている。
【0051】その後の工程は第3の実施例と同様であ
り、所望の形状の鏡板を開口部64a及び64bに接合
することにより、第4の実施例に係る密封型タンクを製
造することができる。
り、所望の形状の鏡板を開口部64a及び64bに接合
することにより、第4の実施例に係る密封型タンクを製
造することができる。
【0052】このように、第4の実施例においては、第
3の実施例に示すように、押出し加工により成形した筒
状体ではなく、アルミニウム又はアルミニウム合金板材
を利用して溶接により作製した筒状体を使用するもので
ある。従って、第3の実施例において得られる効果に加
えて、製造される密封型タンクの肉厚が筒状体の径に左
右されることがなく、タンクの大きさ及び肉厚を所望の
サイズで製造することができる。
3の実施例に示すように、押出し加工により成形した筒
状体ではなく、アルミニウム又はアルミニウム合金板材
を利用して溶接により作製した筒状体を使用するもので
ある。従って、第3の実施例において得られる効果に加
えて、製造される密封型タンクの肉厚が筒状体の径に左
右されることがなく、タンクの大きさ及び肉厚を所望の
サイズで製造することができる。
【0053】また、第3及び第4の実施例においても、
第2の実施例と同様に、開口部54a及び54b又は開
口部64a及び64bに整合する形状の鏡板を使用する
ことができる。その場合は開口部に鏡板を嵌合し、一旦
溶接によって仮止めをした後、本溶接をすることにより
両者を接合することができる。そして、この場合におい
ても、開口部の径が本体部の径よりも小径であり、鏡板
に印加される圧力は小さくなるので、溶接部への負担が
小さくなって、密封性が優れた密封型タンクを得ること
ができる。
第2の実施例と同様に、開口部54a及び54b又は開
口部64a及び64bに整合する形状の鏡板を使用する
ことができる。その場合は開口部に鏡板を嵌合し、一旦
溶接によって仮止めをした後、本溶接をすることにより
両者を接合することができる。そして、この場合におい
ても、開口部の径が本体部の径よりも小径であり、鏡板
に印加される圧力は小さくなるので、溶接部への負担が
小さくなって、密封性が優れた密封型タンクを得ること
ができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明に係るアルミニウム又はアルミ
ニウム合金製密封型タンクの製造方法の実施例について
その比較例と比較して具体的に説明する。
ニウム合金製密封型タンクの製造方法の実施例について
その比較例と比較して具体的に説明する。
【0055】先ず、実施例として、アルミニウム合金
(A6061−O)を使用して、第1の実施例方法によ
り、胴部の外径が250mm、長手方向の長さが600
mm、肉厚が3mmであるアルミニウム合金製密封型タ
ンクを製造した。このとき、開口端部のスピニング回数
を各11回とし、スピニング加工時の温度を200乃至
450℃とした。また、比較例としては、図11に示す
第1の従来例に従ってアルミニウム合金製密封型タンク
を製造した。そして、各50体の実施例及び比較例の密
封型タンクについて、バルブ接続口を除く部分における
漏れ試験を実施した。
(A6061−O)を使用して、第1の実施例方法によ
り、胴部の外径が250mm、長手方向の長さが600
mm、肉厚が3mmであるアルミニウム合金製密封型タ
ンクを製造した。このとき、開口端部のスピニング回数
を各11回とし、スピニング加工時の温度を200乃至
450℃とした。また、比較例としては、図11に示す
第1の従来例に従ってアルミニウム合金製密封型タンク
を製造した。そして、各50体の実施例及び比較例の密
封型タンクについて、バルブ接続口を除く部分における
漏れ試験を実施した。
【0056】その結果、実施例においては、50体の密
封型タンクについて、全く漏れは発生しなかったが、比
較例については、5体の密封型タンクに漏れが発生し
た。このように、本実施例方法により、密封性が優れた
アルミニウム合金製密封型タンクを得ることができた。
封型タンクについて、全く漏れは発生しなかったが、比
較例については、5体の密封型タンクに漏れが発生し
た。このように、本実施例方法により、密封性が優れた
アルミニウム合金製密封型タンクを得ることができた。
【0057】次に、アルミニウム合金(A5083−
O)を使用して、第2の実施例方法により、胴部の外径
が250mm、バルブ接続口(突起部43)を除く長手
方向の長さが700mm、肉厚が5mmであるアルミニ
ウム合金製密封型タンクを製造した。なお、開口部34
a及び34bの径を150mm、鏡板41及び42の径
を175mmとした。このようにして製造した密封型タ
ンクについて漏れ試験を実施した結果、漏れは発生せ
ず、優れた密封性を得ることができた。
O)を使用して、第2の実施例方法により、胴部の外径
が250mm、バルブ接続口(突起部43)を除く長手
方向の長さが700mm、肉厚が5mmであるアルミニ
ウム合金製密封型タンクを製造した。なお、開口部34
a及び34bの径を150mm、鏡板41及び42の径
を175mmとした。このようにして製造した密封型タ
ンクについて漏れ試験を実施した結果、漏れは発生せ
ず、優れた密封性を得ることができた。
【0058】次いで、アルミニウム合金(A5083−
O)を使用して、第3の実施例方法により、胴部の外径
が300mm、長手方向の長さが600mm、肉厚が4
mmであるアルミニウム合金製密封型タンクを製造し
た。本実施例においても、開口部54a及び54bの径
を150mm、鏡板の径を175mmとした。なお、開
口端部のスピニング回数を各8回とし、スピニング加工
時の温度を200乃至450℃とした。本実施例と、第
1の実施例方法により密封型タンクを製造する場合とを
比較すると、A5083−O材の場合は、第1の実施例
方法では成型しにくかったが、本実施例の場合はA50
83−O材でも十分に成形できた。また、このようにし
て製造した密封型タンクについて漏れ試験を実施した結
果、漏れは発生せず、密封性が良好なタンクを得ること
ができた。
O)を使用して、第3の実施例方法により、胴部の外径
が300mm、長手方向の長さが600mm、肉厚が4
mmであるアルミニウム合金製密封型タンクを製造し
た。本実施例においても、開口部54a及び54bの径
を150mm、鏡板の径を175mmとした。なお、開
口端部のスピニング回数を各8回とし、スピニング加工
時の温度を200乃至450℃とした。本実施例と、第
1の実施例方法により密封型タンクを製造する場合とを
比較すると、A5083−O材の場合は、第1の実施例
方法では成型しにくかったが、本実施例の場合はA50
83−O材でも十分に成形できた。また、このようにし
て製造した密封型タンクについて漏れ試験を実施した結
果、漏れは発生せず、密封性が良好なタンクを得ること
ができた。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
胴部と胸部が一体化された密封型タンクの製造方法にお
いては、突合せ端部を周溶接する工程がないので、溶接
欠陥が発生することがなく、密封性が優れた密封型タン
クを得ることができる。また、鏡部の中心部が厚肉であ
るので、この厚肉に形成された鏡部中心部を利用して、
バルブ接続口を形成することができ、容易にバルブを接
続することができる。
胴部と胸部が一体化された密封型タンクの製造方法にお
いては、突合せ端部を周溶接する工程がないので、溶接
欠陥が発生することがなく、密封性が優れた密封型タン
クを得ることができる。また、鏡部の中心部が厚肉であ
るので、この厚肉に形成された鏡部中心部を利用して、
バルブ接続口を形成することができ、容易にバルブを接
続することができる。
【0060】更に、本発明によれば、アルミニウム又は
アルミニウム合金材を加工することにより筒状体を作製
し、スピニング加工又はネッキング加工により筒状体の
両端部に鏡部又は鏡板接合部を形成するので、深絞り及
びしごき加工等を使用する必要がなく、所望の胴長を有
するタンクを製造することができる。更に、この筒状体
がアルミニウム又はアルミニウム合金板を曲げ加工し、
突合せ端部を溶接することにより作製したものである場
合、タンクの大きさ及び肉厚を所望のサイズで製造する
ことができる。
アルミニウム合金材を加工することにより筒状体を作製
し、スピニング加工又はネッキング加工により筒状体の
両端部に鏡部又は鏡板接合部を形成するので、深絞り及
びしごき加工等を使用する必要がなく、所望の胴長を有
するタンクを製造することができる。更に、この筒状体
がアルミニウム又はアルミニウム合金板を曲げ加工し、
突合せ端部を溶接することにより作製したものである場
合、タンクの大きさ及び肉厚を所望のサイズで製造する
ことができる。
【0061】更にまた、鏡板接合部を有する本体部を形
成して、この鏡板接合部に鏡板を接合して密封型タンク
を製造する場合、本体部両端の絞りの度合いを少なくす
ることができるので、アルミニウム合金材の材質によら
ず容易に加工することができ、種々のアルミニウム合金
材を使用して密封型タンクを製造することができる。ま
た、鏡板接合部の開口部径は本体部の径よりも小さいの
で、鏡板に印加される圧力を減少させ、溶接部への負担
を小さくすることができる。更に、この鏡板にバルブ接
続口が形成されていると、このバルブ接続口に容易にバ
ルブを接続することができる。
成して、この鏡板接合部に鏡板を接合して密封型タンク
を製造する場合、本体部両端の絞りの度合いを少なくす
ることができるので、アルミニウム合金材の材質によら
ず容易に加工することができ、種々のアルミニウム合金
材を使用して密封型タンクを製造することができる。ま
た、鏡板接合部の開口部径は本体部の径よりも小さいの
で、鏡板に印加される圧力を減少させ、溶接部への負担
を小さくすることができる。更に、この鏡板にバルブ接
続口が形成されていると、このバルブ接続口に容易にバ
ルブを接続することができる。
【図1】本発明の第1の実施例に係るアルミニウム又は
アルミニウム合金製密封型タンクの製造方法を工程順に
示す模式図である。
アルミニウム合金製密封型タンクの製造方法を工程順に
示す模式図である。
【図2】製造途中のタンクの端部を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る密封型タンクの製
造方法を工程順に示す図である。
造方法を工程順に示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る密封型タンクの製
造方法について、ネッキング加工方法を示す図であり、
(a)はその断面図、(b)はその右側側面図である。
造方法について、ネッキング加工方法を示す図であり、
(a)はその断面図、(b)はその右側側面図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る密封型タンクの製
造方法について、ネッキング加工方法を示す図であり、
(a)はその断面図、(b)はその右側側面図である。
造方法について、ネッキング加工方法を示す図であり、
(a)はその断面図、(b)はその右側側面図である。
【図6】(a)は本実施例方法により製造された密封型
タンクを示す模式的断面図、(b)はその左側側面図、
(c)はその右側側面図である。
タンクを示す模式的断面図、(b)はその左側側面図、
(c)はその右側側面図である。
【図7】本実施例において使用した鏡板の形状を示す断
面図である。
面図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係る密封型タンクの製
造方法を工程順に示す側面図である。
造方法を工程順に示す側面図である。
【図9】第3の実施例に係る密封型タンクの本体部を部
分的に示す断面図である。
分的に示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例に係る密封型タンクの
製造方法を工程順に示す側面図である。
製造方法を工程順に示す側面図である。
【図11】従来の密封型タンクの製造方法を工程順に示
す模式図である。
す模式図である。
【図12】第2の従来例による密封型タンクの製造方法
を工程順に示す模式図である。
を工程順に示す模式図である。
【図13】(a)は第3の従来例に係る密封型タンクを
示す正面図であり、(b)はその右側側面図である。
示す正面図であり、(b)はその右側側面図である。
【符号の説明】 1、3、41、42;鏡板 2、6、16;胴部 4、12、32、62;板材 5、8、17、37;タンク 7a、7b、15a、15b;鏡部 9、10;筒状成形体 11;容器 33、53;筒状体 34、54、64;本体部 35a、35b、55a、55b、65a、65b;鏡
板接合部 38;分割ダイス 39;チャック
板接合部 38;分割ダイス 39;チャック
Claims (11)
- 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金板を
筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶接により接合し
て両端部が開放された筒状体を形成する工程と、この筒
状体の両端部をスピニング加工してその径の中心部に向
けて湾曲させ、中心部が前記筒状体の長手方向中央部よ
りも厚肉である鏡部を形成する工程と、少なくとも一方
の前記鏡部の中心部にバルブ接続口を形成する工程と、
を有することを特徴とするアルミニウム又はアルミニウ
ム合金製密封型タンクの製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金板を
筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶接により接合し
て両端部が開放された筒状体を形成する工程と、凹部を
有する当て金をその凹部を前記筒状体の端部に向けて当
て、前記当て金を筒状体に押圧するネッキング加工によ
り、前記筒状体の両端部にその径の中心部に向けて湾曲
する鏡板接合部を形成する工程と、前記鏡板接合部にそ
の開口部よりも大きい所定の形状の鏡板を重ねて両者を
接合し、前記開口部を閉塞する工程と、を有することを
特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金製密封型
タンクの製造方法。 - 【請求項3】 前記鏡板にはバルブ接続口が形成されて
いることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム又
はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法。 - 【請求項4】 アルミニウム又はアルミニウム合金板を
筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶接により接合し
て両端部が開放された筒状体を形成する工程と、凹部を
有する当て金をその凹部を前記筒状体の端部に向けて当
て、前記当て金を筒状体に押圧するネッキング加工によ
り、前記筒状体の両端部にその径の中心部に向けて湾曲
する鏡板接合部を形成する工程と、前記鏡板接合部の開
口部に、これに整合する形状の鏡板を嵌合して両者を接
合し、前記開口部を閉塞する工程と、を有することを特
徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タ
ンクの製造方法。 - 【請求項5】 前記鏡板にはバルブ接続口が形成されて
いることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム又
はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法。 - 【請求項6】 アルミニウム又はアルミニウム合金材を
加工して両端部が開放された筒状体を形成する工程と、
この筒状体の両端部をスピニング加工してその径の中心
部に向けて湾曲させ、前記筒状体の長手方向中央部の肉
厚の2倍以下の肉厚である鏡板接合部を形成する工程
と、前記鏡板接合部にその開口部よりも大きい所定の形
状の鏡板を重ねて両者を接合し、前記開口部を閉塞する
工程と、を有することを特徴とするアルミニウム又はア
ルミニウム合金製密封型タンクの製造方法。 - 【請求項7】 前記筒状体はアルミニウム又はアルミニ
ウム合金板を筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶接
により接合して形成することを特徴とする請求項6に記
載のアルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンク
の製造方法。 - 【請求項8】 前記鏡板にはバルブ接続口が形成されて
いることを特徴とする請求項6又は7に記載のアルミニ
ウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法。 - 【請求項9】 アルミニウム又はアルミニウム合金材を
加工して両端部が開放された筒状体を形成する工程と、
この筒状体の両端部をスピニング加工してその径の中心
部に向けて湾曲させ、前記筒状体の長手方向中央部の肉
厚の2倍以下の肉厚である鏡板接合部を形成する工程
と、前記鏡板接合部の開口部に、これに整合する形状の
鏡板を嵌合して両者を接合し、前記開口部を閉塞する工
程と、を有することを特徴とするアルミニウム又はアル
ミニウム合金製密封型タンクの製造方法。 - 【請求項10】 前記筒状体はアルミニウム又はアルミ
ニウム合金板を筒状に曲げ加工し、その突合せ端部を溶
接により接合して形成することを特徴とする請求項9に
記載のアルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タン
クの製造方法。 - 【請求項11】 前記鏡板にはバルブ接続口が形成され
ていることを特徴とする請求項9又は10に記載のアル
ミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8232700A JPH1076337A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | アルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8232700A JPH1076337A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | アルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1076337A true JPH1076337A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16943410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8232700A Pending JPH1076337A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | アルミニウム又はアルミニウム合金製密封型タンクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1076337A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007113590A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-05-10 | Showa Denko Kk | 圧力容器用ライナおよびその製造方法 |
CN102397954A (zh) * | 2011-12-21 | 2012-04-04 | 电子科技大学中山学院 | 全自动金属管双头封口机 |
CN108838265A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-11-20 | 上海交通大学 | 曲面构件多道次旋压工艺轨迹建造方法 |
-
1996
- 1996-09-03 JP JP8232700A patent/JPH1076337A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007113590A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-05-10 | Showa Denko Kk | 圧力容器用ライナおよびその製造方法 |
CN102397954A (zh) * | 2011-12-21 | 2012-04-04 | 电子科技大学中山学院 | 全自动金属管双头封口机 |
CN108838265A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-11-20 | 上海交通大学 | 曲面构件多道次旋压工艺轨迹建造方法 |
CN108838265B (zh) * | 2018-05-15 | 2020-02-18 | 上海交通大学 | 曲面构件多道次旋压工艺轨迹建造方法 |
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