JPH1076250A - 吸着材とこの吸着材を用いた水処理方法 - Google Patents

吸着材とこの吸着材を用いた水処理方法

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JPH1076250A
JPH1076250A JP8236132A JP23613296A JPH1076250A JP H1076250 A JPH1076250 A JP H1076250A JP 8236132 A JP8236132 A JP 8236132A JP 23613296 A JP23613296 A JP 23613296A JP H1076250 A JPH1076250 A JP H1076250A
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で,製品のバラツキが少な
く,そのままの形状で充填筒内に充填するだけで使用す
ることが可能であり,気相吸着や液相吸着,生物処理用
担体等の用途に好適な吸着材と,この吸着材を生物処理
用担体として用いる水処理方法を提供する。 【解決手段】 活性炭繊維10〜90重量%と熱可塑性合成
繊維90〜10重量%とからなる繊維束を熱処理して熱可塑
性合成繊維を融着させた棒状繊維集束体からなる吸着
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,活性炭繊維を主成
分とし,気相吸着や液相吸着,さらには生物処理用担体
として好適な吸着材とこの吸着材を用いた水処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性炭は,吸着材として工業的に極めて
有用であり,例えば脱色や有機物の除去等に粉末状ある
いは粒状の活性炭が広く用いられている。しかしなが
ら,粉末状の活性炭は,活性炭の取り出し,分離の操作
が複雑であり,さらに圧力損失が大きいという欠点があ
る。また,粒状の活性炭は,粒径をある程度大きくすれ
ば,圧力損失を低減させることはできるものの,吸着表
面が減少して吸着速度が低下する等の問題がある。
【0003】一方,繊維状の活性炭,すなわち,活性炭
繊維を用いれば,粉末状あるいは粒状の活性炭とは異な
り,被処理ガスや被処理液との分離が容易であり,ま
た,表面積が大きく,吸着速度が速い等の利点がある。
しかしながら,従来の活性炭繊維はフエルト状やクロス
状等で市販されることが多く,吸着材として使用する場
合,吸着塔の形状や大きさ等に応じて切断したりして形
を整える必要がある。
【0004】特公平3-47893号公報では,活性炭繊維の
みで成形した塊状の吸着材が提案されているが,この吸
着材は,特に使用中に形状が崩れたり,繊維片が系外へ
流出しやすいなどの問題があり,使用し難いという欠点
がある。
【0005】一方,水中の有機物やアンモニア等の分解
処理を行う水処理方法の一つとして微生物を利用する方
法がある。この方法には,曝気槽中の活性汚泥を用いる
方法や,担体表面に生物膜を形成し,それに被処理水を
接触させて含有不純物を処理する方法がある。そして,
後者の方法で用いられる生物処理用の担体としては,合
成樹脂製の回転円盤,ハニカムチューブ,合成繊維製の
簾状物,不織布あるいは球状物,砂,アンスラサイト,
セラミックス,粒状活性炭等の粒状物がある。
【0006】合成樹脂製の回転円板,ハニカムチューブ
や波形状のものを生物処理用担体として用いた場合,高
速で処理することが可能で,水中の無機物及び有機物の
懸濁性物質による閉塞が起こり難いため,多量の水を処
理する場合に広く用いられている。しかしながら,表面
積が小さいため生物膜の付着量が少なく,処理効率も低
いという問題があった。
【0007】また,合成繊維製の簾状物や不織布を生物
膜の担体として用いると,被処理水との接触で不織布が
揺動して接触が抑制されたり,目詰まりを起こしたりし
て処理能力が低下するという問題がある。合成繊維製不
織布のこれらの欠点を補うために,不織布に樹脂を含浸
させて補強したり,担体の強度を維持するための支持板
等を設けた担体が提案されている(特開平1−274836号
公報)が,この担体は生物処理に直接関係のない補強材
等が必要になるという問題がある。
【0008】また,生物処理用担体として,砂,アンス
ラサイト等の比較的粒径の小さい粒状物を用いると,微
生物の付着する表面積は大きくなるが,通液抵抗が大き
くなり,流速を速くすることができない。しかも,被処
理水中の懸濁性物質によって閉塞しやすいという問題が
ある。粒径の大きなセラミックスを用いると,通液抵抗
が小さくなり,閉塞も生じ難くなるが,微生物の付着す
る表面積が小さくなり,処理効率も低くなる。さらに,
担体重量が大きくなるため,ハンドリング性に関しても
好ましくない。
【0009】近年,生物処理用担体として活性炭が用い
られ,活性炭の有用性が認識されている。しかしなが
ら,粒状の活性炭は,砂等と同様に圧力損失が大きく,
さらに,被処理水中の懸濁性物質によって閉塞しやすい
という問題がある。この閉塞を防止するために逆洗を実
施すれば,活性炭が破砕もしくは摩耗して粉末化すると
いう問題もある。
【0010】一方,担体の表面積を増やす方法として,
合成繊維を球状に成形して用いる方法がある。この方法
では,球状繊維内部に微生物が多量に繁殖するが,球状
繊維内部への水の流通が乏しく,また,酸素の供給が不
十分となるため,生物膜を効果的に活用することができ
なかった。さらに,この繊維塊は連続的に製造し難く,
単繊維の太さ,長さにより得られる繊維塊の寸法に大き
なバラツキが生じやすいという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の問題
を解決し,取り扱いが容易で,製品のバラツキが少な
く,そのままの形状で吸着塔内に充填するだけで使用す
ることが可能であり,また,吸着速度が速く,さらに,
生物処理用担体としても好適な吸着材と,この吸着材を
生物処理用担体として用いる水処理方法を提供すること
を技術的な課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果,吸着材を活性炭繊
維と熱可塑性合成繊維とで棒状繊維集束体に形成すれ
ば,取り扱い性が容易で,製品のバラツキが少なく,炭
塵や繊維片も発生し難く,しかも,この吸着材は生物処
理用担体としても好適なことを見出して本発明に到達し
た。
【0013】すなわち,本発明は,次の構成を有するも
のである。 (1) 活性炭繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜10
重量%とからなる繊維束を熱処理して熱可塑性合成繊維
を融着させた棒状繊維集束体からなることを特徴とする
吸着材。 (2) 上記(1) 記載の吸着材に生物膜を形成させ,次い
で,この吸着材をそのまま処理槽に充填するか,充填筒
に充填した状態で処理槽に装着した後,前記吸着材に被
処理水を接触させることを特徴とする水処理方法。 (3) 上記(1) 記載の吸着材をそのまま処理槽に充填する
か,充填筒に充填した状態で処理槽に装着した後,前記
吸着材に生物膜を形成させながら,被処理水を接触させ
ることを特徴とする水処理方法。
【0014】以下, 本発明について詳細に説明する。本
発明の吸着材は,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維とで構
成されているが,活性炭繊維としては,ポリアクリロニ
トリル系,セルローズ系,ビニロン系,あるいはピッチ
系等のものを使用することができる。本発明で使用する
活性炭繊維の性状は特に限定されるものではないが,比
表面積 700〜2000m2/g,平均細孔径4〜20Åのものが好
ましい。
【0015】次に,活性炭繊維とともに吸着材を構成す
る熱可塑性合成繊維としては,ポリプロピレン繊維,ポ
リアミド繊維,ポリエステル繊維,ポリアクリロニトリ
ル繊維,ポリエチレン繊維等を使用することができる。
また,熱可塑性合成繊維の一種であるバインダー繊維,
例えば芯部分がポリエチレンテレフタレート(PE
T),鞘部分が共重合PETである芯鞘構造のポリエス
テル系繊維でもよい。
【0016】吸着材中の活性炭繊維と熱可塑性合成繊維
の含有率は,吸着特性と形状安定性を同時に満足させる
ために,活性炭繊維10〜90重量%,好ましくは20〜80重
量%と,熱可塑性合成繊維90〜10重量%,好ましくは80
〜20重量%であることが必要がある。活性炭繊維が10重
量%未満で,熱可塑性合成繊維が90重量%を超えると,
活性炭繊維の吸着特性が十分発揮されなくなる。また,
活性炭繊維が90重量%を超え,熱可塑性合成繊維が10重
量%未満になると,繊維同士が絡まり合い塊状にはなる
ものの,使用中に形状が崩れたり,繊維片が系外へ流出
しやすくなる。
【0017】上記のように,本発明の吸着材は,活性炭
繊維と熱可塑性合成繊維とで構成されているが,本発明
の効果を損なわない範囲で,綿等の天然繊維,再生繊
維,ガラス繊維等を含有させてもよい。また,活性炭繊
維と複数種の熱可塑性合成繊維とで吸着材を形成しても
よい。
【0018】本発明の吸着材の形状は棒状繊維集束体で
あるが,その最大直径が2mm以上で,断面が円状,楕円
状,ドーナツ状,トリローバル状,十字形状,星形状等
のものが,吸着処理操作の際に取り扱いやすく,生物処
理用担体としても適している点から好ましい。なお,本
発明における最大直径とは,球状,ドーナツ状の場合は
直径,楕円状の場合は長軸の長さ,その他の形状の場合
はその最大長さを意味するものである。
【0019】吸着材の長さは,製造のしやすさ,取り扱
いやすさの面から,2mm以上,特に2〜50mmが好まし
い。また,本発明の吸着材を吸着塔等の充填筒に充填す
る場合,吸着材の長さと直径をほぼ同じ長さにしたもの
は,その充填に際して異方性が少なく,充填筒内に異常
な空隙を生ずることなく充填できるので好ましい。さら
に,吸着材の長さを充填筒の長さとほぼ同じにすれば,
吸着材を充填筒の断面方向に充填するだけでよい。
【0020】本発明の吸着材は,活性炭繊維と熱可塑性
合成繊維とからなる繊維束を熱処理して熱可塑性合成繊
維を融着させた棒状繊維集束体であるが,熱可塑性合成
繊維の融着程度を調整して集束体内部の繊維を部分的に
接合させることが好ましく,そのようにすれば,内部に
均一な空隙を有し,圧縮によりその空隙を容易に縮小で
きるものとなる。そして,この吸着材は,充填筒への充
填密度を上げても,圧力損失が少なくて偏流を起こすこ
とがない。
【0021】次に,本発明の吸着材の製法例について説
明する。まず,活性炭繊維と,なま糸状あるいは捲縮を
有する熱可塑性合成繊維とを,好ましくは20〜 150mmに
切断し,紡績用カード機で開繊,混合してスライバー状
としたり,あるいは,活性炭繊維と捲縮を有する熱可塑
性繊維とを開繊,混合してトウ状で引き取り,繊維束を
得る。次いで,この繊維束に熱処理して熱可塑性合成繊
維を,好ましくは部分的に融着させて棒状繊維集束体と
するが,熱処理方法としては,熱風を吹きつける方法や
高温雰囲気中を通過させる方法等を採用することができ
る。具体的な熱処理方法としては,繊維束を円筒形や異
形筒形の加熱体中に通して熱可塑性合成繊維を部分的に
融着させればよく,次いで圧縮して冷却することによ
り,棒状繊維集束体を連続成形することができる。この
棒状繊維集束体を,必要に応じた長さに切断すれば,本
発明の吸着材となる。このように,本発明の吸着材は,
簡単な工程で安定して効率よく製造することができる。
【0022】本発明の吸着材を得るために, 短繊維状の
活性炭繊維と熱可塑性合成繊維を用いる場合,その繊維
長は,開繊,混合する際の各繊維間の絡まりやすさの点
から1mm以上,特に20〜 150mmであることが好ましい。
繊維長が1mm未満であれば,繊維同士の絡まり合いが少
なく,使用時に成型体としての形状が維持できなくなっ
たり,微粉化し炭塵を発生させる原因となりやすい。
【0023】前述したように,本発明の吸着材は,活性
炭繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜10重量%と
が棒状繊維集束体となっているので,取り扱いが容易
で,そのままの形状で吸着塔等の充填筒内に充填するだ
けで気相や液相の吸着処理に使用することが可能であ
り,また,吸着速度が速く,使用中に活性炭繊維が脱落
することがなく,生物処理用担体としても好適な吸着材
である。
【0024】本発明の吸着材を生物処理用担体として用
い,水処理するに際しては,例えば次の2つの方法があ
る。第1の方法は,予め生物膜を形成させた吸着材を処
理材として用いる方法である。吸着材に予め生物膜を形
成させる方法としては,例えば吸着材を樹脂筒等の充填
筒に充填した後,有機物分解菌,硝化菌等の微生物を含
有した培養液や廃水を通水する方法や,吸着材をそのま
ま培養液や廃水の槽に投入した後,曝気あるいは攪拌す
る方法等がある。
【0025】そして,予め生物膜を形成させた吸着材を
用いる具体的な水処理方法にも2つの方法がある。1つ
目は吸着材を固定床として用いる方法で,生物膜を形成
した吸着材を充填筒に充填して処理槽に装着し,被処理
液を通液して吸着材表面の生物膜に接触させ,含有する
有機物等を分解,処理するものである。また,2つ目は
吸着材を流動床として用いる方法で,生物膜を形成した
吸着材をそのまま被処理液の処理槽に充填し,曝気して
被処理液を吸着材表面の生物膜に接触させ,含有する有
機物等を分解,処理するものである。そして,これらの
方法では,生物膜を形成させる筒状体や槽を,廃水を処
理する処理槽と共用してもよい。
【0026】また,本発明の吸着材を生物処理用担体と
して用い,水処理するに第2の方法は,生物膜を形成さ
せる前の吸着材を用いる方法である。この場合にも,吸
着材を固定床として用いる方法と流動床として用いる方
法があり,吸着材を充填筒に充填して処理槽に装着する
か,あるいは吸着材をそのまま被処理液の処理槽に充填
し,処理槽に通液したり,処理槽を曝気あるいは攪拌し
て吸着材表面に生物膜を形成させながら,被処理液を生
物膜に接触させ,含有する有機物等を分解,処理するも
のである。
【0027】本発明の吸着材を生物処理用担体として用
い,この吸着材に生物膜を形成させれば,上水,中水,
あるいは工場等の用,廃水の処理に利用することが可能
であり,例えば,上水分野ではアンモニアの硝化,農薬
やトリハロメタン前駆物質等の有害物質の分解,中水分
野では家庭用風呂水の浄化再生,大衆浴場やプール,観
賞魚,活魚,養殖魚用の水槽等における水の循環再生,
工場廃水では各種洗浄水の再生,廃水,下水の一次処理
や高度処理等に好適である。また,本発明の吸着材は,
生物活性炭の機能と,形状の優位性を生かした生物処理
用担体として,例えば上水道処理,工場廃水あるいは下
水処理の一次処理又は高度処理,下水処理施設から発生
する悪臭の生物脱臭に極めて有用である。
【0028】
【実施例】
実施例1 直径17μm,平均細孔半径8Å,比表面積1000m2/gのピ
ッチ系活性炭繊維 (繊維長80mm) 50重量%と,単糸繊度
15デニールで,繊維長76mmの芯鞘型ポリエステル複合未
延伸繊維(芯部:PET,鞘部:酸成分としてイソルタ
ル酸を40モル%共重合させたPET)50重量%とをカー
ディングマシーンで開繊, 混合し,1m当たり6gのカー
ドスライバーとした。
【0029】このカードスライバーを 150℃のエアジェ
ットが吹き込まれた円筒状ヒータ内を通過させて加熱
し,芯鞘型ポリエステル複合未延伸繊維を溶融させて繊
維間を部分的に接着させた後,常温の空気が吹き込まれ
た直径7mmの円筒状体に75cm/分で導入して圧縮しなが
ら冷却し,直径7mmの棒状繊維集束体を得た。この棒状
繊維集束体を長さ8mmに切断し,円柱状の吸着材とし
た。
【0030】得られた吸着材を用い,直径25mmのガラス
カラムに 100mmの高さまで充填し,100ppmのメチレンブ
ルー水溶液を30ml/分の流量で下向流にて通水し,メチ
レンブルーを吸着させた。処理水のメチレンブルー濃度
を吸収スペクトル法で測定した結果,吸着除去率は97%
以上であった。また,上記の吸着試験中,処理水中に活
性炭繊維が脱落することはなかった。
【0031】実施例2 直径17μm,平均細孔半径8Å,比表面積1000m2/gのピ
ッチ系活性炭繊維(繊維長80mm)50重量%と,単糸繊度
10デニールで,繊維長76mmのポリエステル系サイドバイ
サイド型複合未延伸繊維(重合度 110のPET/重合度
80のPET)50重量%とをカーディングマシーンで開
繊, 混合し,1m当たり6gのカードスライバーとした。
【0032】このカードスライバーを 150℃のエアジェ
ットが吹き込まれた円筒状ヒータ内を通過させて加熱
し,サイドバイサイド型複合未延伸繊維を溶融させて繊
維間を部分的に接着させた後,常温の空気が吹き込まれ
た直径8mmのトリローバル型筒状体に75cm/分で導入し
て圧縮しながら冷却し,直径8mmの棒状繊維集束体を得
た。この棒状繊維集束体を長さ10mmに切断し,トリロー
バル断面形状の吸着材とした。
【0033】得られた吸着材を生物処理用担体として用
い,この吸着材をそのまま直径150mm ×高さ1600mmのア
クリル樹脂製活性汚泥槽に5リットル充填し,活性汚泥
層下部に散気管を設けて曝気を行った。被処理水として
BOD1500mg/リットル,COD1000mg/リットルの合
成繊維製造廃水を用い,この廃水を上記の活性汚泥槽に
通液した。滞留時間を20時間に調整し,4カ月間の連続
運転を実施したが,処理水のBOD,CODは共に250m
g/リットル以下に抑えられ,トラブルなく安定した運転
が行えた。
【0034】実施例3 実施例1,2で得られた吸着材を生物処理用担体として
用い,直径 150mm×高さ1600mmのアクリル樹脂製円筒に
高さ1000mmまでそれぞれ充填し, アクリル樹脂製円筒の
下部には散気管を設けた。被処理水としてBOD120mg/
リットル,COD100mg/リットルの食品産業廃水二次処
理水を用い,この廃水を上記の樹脂筒に下方から通液し
た。滞留時間を1時間に調整し,4カ月間の連続運転を
実施したが,いずれの吸着材を用いた場合にも,処理水
のBODとCODは共に10mg/リットル以下に抑えら
れ,かつ,1週間に1回の割合で散気管から放出される
空気量を増やして空気逆洗を行うことで,トラブルなく
安定した運転ができた。
【0035】
【発明の効果】本発明の吸着材は,取り扱いが容易で,
そのままの形状で吸着塔等の充填筒内に充填するだけで
使用することが可能であり,また,吸着速度が速く,さ
らに,使用中に活性炭繊維が脱落することがない。した
がって,本発明の吸着材は,水の浄化用吸着材として,
例えば上水道処理,工業廃水の高度処理あるいは下水の
高度処理等に広く利用することができ,特に水道水の浄
化において,トリハロメタンあるいはその前駆物質とい
われるフミン酸等の微量有機物の除去に好適に用いるこ
とができる。
【0036】また,本発明の吸着材は,気体の浄化用吸
着材として,例えば悪臭物質の吸着除去に有用である。
さらに,本発明の吸着材は,生物活性炭の機能と,形状
の優位性を生かした生物処理用の担体として,例えば上
水処理,工業廃水あるいは下水処理の一次処理又は高度
処理,下水処理施設から発生する悪臭の生物脱臭に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 3/10 ZAB C02F 3/10 ZABZ (72)発明者 中井 浩一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭繊維10〜90重量%と熱可塑性合成
    繊維90〜10重量%とからなる繊維束を熱処理して熱可塑
    性合成繊維を融着させた棒状繊維集束体からなることを
    特徴とする吸着材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸着材に生物膜を形成さ
    せ,次いで,この吸着材をそのまま処理槽に充填する
    か,充填筒に充填した状態で処理槽に装着した後,前記
    吸着材に被処理水を接触させることを特徴とする水処理
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の吸着材をそのまま処理槽
    に充填するか,充填筒に充填した状態で処理槽に装着し
    た後,前記吸着材に生物膜を形成させながら,被処理水
    を接触させることを特徴とする水処理方法。
JP23613296A 1996-09-06 1996-09-06 吸着材 Expired - Lifetime JP3756586B2 (ja)

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