JPH10202282A - 微生物担体、それを用いた生物処理装置、および接触濾過装置 - Google Patents

微生物担体、それを用いた生物処理装置、および接触濾過装置

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JPH10202282A
JPH10202282A JP9007562A JP756297A JPH10202282A JP H10202282 A JPH10202282 A JP H10202282A JP 9007562 A JP9007562 A JP 9007562A JP 756297 A JP756297 A JP 756297A JP H10202282 A JPH10202282 A JP H10202282A
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fiber
microorganism carrier
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resin
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JP9007562A
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Yoshihiro Tomita
芳宏 富田
Hiroyasu Kato
博恭 加藤
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Toray Industries Inc
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解物質を生物学的に分解除去する水処理
や、特定物質を製造するためのバイオリアクターに好適
に利用される新規な微生物担体を提供する。 【解決手段】 極細繊維集合体とその連通する空隙の一
部に存在する樹脂からなることを特徴とする微生物担
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物担体、それを用
いた生物処理装置、および接触濾過装置に関する。さら
に詳しくは、溶解物質を生物学的に分解除去する水処理
や、特定物質を製造するためのバイオリアクターに好適
に利用される新規な微生物担体、それを用いた生物処理
装置、および接触濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、下水、産業廃水、水道原水のよう
な汚染水を浄化する方法として、微生物を高密度に保持
する微生物担体を曝気槽内に多数投入するかあるいは濾
過塔内に充填して汚染水を通水させることにより、担体
表面に付着した微生物によって汚染水の溶解性有機物を
除去したり、硝化・脱窒する方法が用いられている。
【0003】現在、このように微生物を高密度に保持す
ることのできる担体として、ポリウレタンフォーム、セ
ルローススポンジ等のスポンジ粒状物や、微生物を含水
ゲル内に包括固定化して成型したペレットが用いられて
いる。この他に、特開昭61−14908号公報には、
細い線を立体的に絡み合わせ、それらの接続部の少なく
とも一部を結合してなる微生物担持体が開示されてい
る。また、特開平4−27495号公報には、融点の異
なる短繊維を絡み合わせて形成した繊維塊を部分的に融
着させた水処理用媒体が開示されている。また、特開平
8−033818号公報には、繊維径が30〜200μ
mの綿毛状のフィラメントを、これよりも融点の低い融
着材で結合させた汚水処理用の媒体が開示されている。
【0004】しかしながらポリウレタンフォーム等のス
ポンジ粒状物は、常に流動させながら使用した場合、粒
状物同士のこすれ合いや壁との衝突による磨耗が激し
く、交換が頻繁に必要になる担体であった。また、微生
物を包括固定化したゲル状担体も、ペレット同士の衝突
等により表面が徐々に磨耗したり、ゲルの劣化が進んで
強度的に脆弱になって破壊しやすい担体であった。しか
も、担体の製造方法が繁雑であったり、保存や運搬にコ
ストがかかる欠点があった。
【0005】一方、特開昭61−14908号公報に記
載された担体は、担体同士の絡み合いが起こりやすく、
流動床や浮遊床として使用するために、担体の1つ1つ
を網やフィルムなどで被覆する必要があった。また、特
開平4−27495号公報に記載された担体は、曝気槽
内で短繊維群を流動させて玉状及び撚糸状の繊維塊を形
成させ、次いで加熱して繊維同士を融着させた担体であ
ったが、担体の形状や空隙率を制御することが難しかっ
た。また、繊維間の接着が弱く、長期間使用した場合に
多量の繊維が脱落する問題があった。また、特開平8−
033818号公報に記載された担体は、繊維径が太い
ため、比表面積が小さく、保持できる微生物量に限界が
あり、効率的な処理ができないものであった。また、流
動床に用いたり接触濾過方式に用いて洗浄再生を繰り返
すと、特に媒体が小さい場合、担体同士が太い繊維で絡
まり合いやすいため、装置の運転を困難にした。そのた
め、その時点で担体を新しいものに交換する必要があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の技術の問題点を解決し、微生物を高密度に保持で
き、長期間の使用においても磨耗や絡み合いがなく、溶
解性有機物の除去や、硝化・脱窒に優れた微生物担体を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は基本的には、下記の構成を有する。即ち、 「極細繊維集合体とその連通する空隙の一部に存在する
樹脂からなることを特徴とする微生物担体。」である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される極細繊維に
は、直接製造した極細繊維を用いてもよいが、繊維が細
くなると紡糸が不安定になること、加工が難しく取り扱
いにくいことなどから、次に述べる極細繊維形成型繊維
を用い、加工工程中の適当な時期に極細繊維を形成して
用いることが好ましい。すなわち、本発明に使用される
極細繊維形成型繊維は、たとえば、紡糸直後で極細繊維
を集束し部分的に軽く接着して1本にした繊維、1成分
を他成分間に放射状に介在せしめた菊花状断面の繊維、
多層バイメタル型繊維、ドーナツ状断面の多層バイメタ
ル型繊維、2成分以上の成分を溶融混合して紡糸した海
島繊維、繊維軸方向に連続した極細繊維が多数配列集合
し他の成分で結合および/または一部結合され1本の繊
維を形成した高分子相互配列体繊維などであり、これら
の2種以上の繊維を混合あるいは組み合わせて用いても
よい。複数の芯が他成分により介在的に結合および/ま
たは一部結合された横断面を有する極細繊維形成型繊維
は、物理的作用を加えるかあるいは結合成分の除去など
により比較的容易に極細繊維が得られるため好ましく用
いられる。また、本発明で用いうる極細繊維の素材は、
繊維形成能を有する高分子物質からなり、例えば、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン
等のポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレフタ
レートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ビ
ニル重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリハイドロサルフ
ァイト、ポリフッ化エチレン、共重合ポリフッ化エチレ
ン、ポリオキシメチレン等が挙げられる。また、極細繊
維形成型繊維の結合成分あるいは溶融除去成分として
は、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリウレタン、アルカリ溶液に易溶
出型の共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリビニル
アルコール、共重合ポリビニルアルコール、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸の高
級アルコールエステルおよび/またはメタクリル酸の高
級アルコールエステルとの共重合体などが用いられる。
紡糸のし易さ、溶解除去の容易さの点でポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンとアク
リル酸の高級アルコールエステルおよび/またはメタク
リル酸の高級アルコールエステルとの共重合体は好まし
く用いられる。さらに延伸倍率が高くとれ強度の高い繊
維が得られるという点で、スチレンとアクリル酸の高級
アルコールエステルおよび/またはメタクリル酸の高級
アルコールエステルとの共重合体はさらに好ましく用い
られる。また、極細繊維を枝別れしやすくするという点
で、結合成分あるいは溶解除去成分にポリエチレングリ
コールなどの重合体を0.5〜30重量%混合して用い
ることが好ましい。かかる極細繊維形成型繊維の繊度は
特に限定されるものではないが、紡糸における安定性、
シート形成のしやすさなどから1〜10デニールのもの
が好ましい。また、本発明の極細繊維の単繊維繊度は、
0.001〜1デニールの範囲が好ましく、より好まし
くは0.001〜0.1デニールである。繊維が太いと
微生物の付着できる表面積が小さくなり微生物の高密度
保持が期待できなくなる。一方、繊維が細すぎると担体
内部が緻密になり過ぎ、微生物に酸素や基質が透過せ
ず、担体内部が有効に利用できなくなる。また、水中に
おける酸素や基質等の拡散効率をよくするという点か
ら、本発明の微生物担体の空隙率は70〜99%が好ま
しく、80〜99%がより好ましい。
【0009】本発明で用いうる樹脂の素材は、水処理環
境下において、極細繊維から実質上遊離しないものが好
ましい、即ち、該極細繊維を接着あるいは結合等で固定
することができ、樹脂自体がある程度の強度を有し、か
つ常温の水、汚水、あるいは微生物に対して耐久性を有
することが好ましい。かかる素材としては、特に限定さ
れるものではなく、ウレタン重合体、ポリビニルアルコ
ールゲル、ポリエチレングリコールのアクリル酸または
メタクリル酸ジエステルの重合体ゲル、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル
共重合体、ネオプレン、スチレンブタジエン共重合体、
アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリアミノ酸、
ポリアミノ酸ポリウレタン共重合体、シリコン樹脂等の
合成樹脂または天然高分子樹脂またはこれらの混合物が
混入されていてもよい。特にウレタン樹脂、ポリビニル
アルコールゲル、ポリエチレングリコールのアクリル酸
またはメタクリル酸のジエステルの重合体ゲルのような
弾力性をもつ樹脂を用いた場合、担体同士が衝突する際
の衝撃が小さくなり、磨耗や絡み合いを防ぐ効果があり
好ましい。また、担体の圧密化が起こりにくく、長期間
担体内部の空隙を保つことができるため好ましい。
【0010】本発明の微生物担体の真比重は0.9〜
1.5が好ましく、1〜1.2がより好ましい。比重が
小さいと浮き上がってしまい流動性が悪くなるし、一
方、比重が大きいと曝気や水流だけでは流動させること
が難しくなる。
【0011】本発明の微生物担体の極細繊維集合体と樹
脂との重量比は3:1〜1:3が好ましく、3:1〜
1:1がより好ましい。極細繊維集合体の割合が高すぎ
ると、極細繊維間の接着が弱くなるため、長期間使用し
た場合に繊維が脱落しやすくなるし、また、担体の形態
を保持することが難しくなる。一方、樹脂の割合が高す
ぎると、微生物の付着に有効な空隙が小さくなる。ま
た、該樹脂の機能から、該樹脂は、極細繊維同士を結合
あるいは固定している部位に存在していることが肝要で
あり、極細繊維同士を結合あるいは固定していない部位
に存在していることは好ましくなく、少なくとも前者の
部位は後者の部位よりも多い方がよい。
【0012】本発明の微生物担体を構成する極細繊維お
よび/または樹脂は水中で正に帯電することが好まし
い。水中で正に帯電する性質をもつ官能基としては、4
級アンモニウム基が好ましく、それを含む物質として
は、ビニルピリジン、ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレートおよびこれらの4級化物、ポリエチレ
ンイミン、ポリエチレンポリアミン、ジメチルアミノエ
チル、アリルアミン、キトサン等が挙げられる。これら
の中ではビニルピリジンの4級化物を含む分子が微生物
付着効率が高いためより好ましい。一般に微生物表面は
水中で負に帯電しているため、これら水中で正に帯電す
る表面との電気的な相互作用により、微生物の付着能が
発現すると推定される。また、水中で正に帯電する性質
を極細繊維および/または樹脂の表面に存在せしめる方
法としては、上記物質を溶媒に溶解または分散させ、そ
の溶液を担体に含浸あるいはスプレーし、次いで乾燥あ
るいは重合させる方法や、上記物質からなる固体を粉砕
し、次い担体表面に接着、熱融着させる方法などが挙げ
られる。上記物質の溶液を含浸させる方法は、比較的容
易に担体の表面および内部に水中で正に帯電する性質を
導入することができるため好ましい。
【0013】次に、本発明の微生物担体の製造方法につ
いて説明する。まず極細繊維形成型繊維をたとえば特公
昭44−18369号公報に示されたような、隔板によ
って2室に分けられていて芯となるポリマとこれを被覆
するポリマが混合しないように構成された吐出機構を有
するような紡糸装置で製造し、ステープルにした後カー
ド、クロスラッパーを通してウエブを形成し、さらにこ
れにニードルパンチを行い極細繊維形成型繊維を交絡さ
せた繊維シートを形成する。次いで、これを加温したポ
リビニルアルコール(以下、PVAという)に浸漬し、
PVA含浸と同時に繊維シートの収縮を行い乾燥して水
分を除去した後、極細繊維形成型繊維の溶解除去成分を
有機溶剤中で抽出除去して乾燥する。これにより、該P
VA中に、該極細繊維形成型繊維の溶解除去成分が溶解
除去された後の細長い複雑に交絡した空洞が形成され、
その内部に、極細繊維形成型繊維の溶解除去しない極細
繊維が取り残された形態となる。また、内部の一部に
は、極細繊維形成型繊維の溶解除去成分が、残存してい
てもよい。
【0014】次に極細繊維と複合体を形成する樹脂の溶
液を含浸し、表面に付着した液をスクレーパーで除去し
て樹脂の貧溶媒中へ導入して凝固させる。この時、該極
細繊維と複合体を形成する樹脂は前記空洞の内部まで完
全に入り込みにくい等の要因により、極細繊維形成型繊
維の溶解除去しない極細繊維と複合した部位と複合しな
い部位が適度に生じる。
【0015】しかる後に熱水中で十分洗浄し、脱PVA
を行って微生物担体シートを得る。含浸する樹脂として
PVAを用いる場合は、一部のPVAだけ熱水中で洗浄
除去することにより、微生物担体シートを得る。また、
含浸する樹脂としてポリエチレングリコールのジエステ
ルを用いた場合は、必要に応じて重合開始剤および/ま
たは重合促進剤を添加し、光重合などの公知の方法で重
合を行い、その後に熱水中で十分脱PVAを行って微生
物担体シートを得る。これらを任意の形状や大きさに切
断して、本発明の微生物担体が得られる。
【0016】本発明の微生物担体の形態は適用する目的
によって適宜選択することができる。特に限定されるも
のではないが、シートを形成して処理層に充填または積
層してもよいし、または、短冊状、チップ状などが好ま
しい形態として挙げられる。例えば、接触曝気方式では
短冊状の微生物担体を放射状に重ねて組み合わせた形態
が、また、流動層方式および接触濾過方式には最大直径
が1〜30mmのチップ状形態が好ましく、浄化効率や
洗浄しやすさの点で、最大直径が2〜10mmのチップ
状形態がより好ましい。
【0017】本発明は、好ましくは接触曝気方式、流動
層方式、接触濾過方式等の水処理装置、あるいは特定物
質を製造するためのバイオリアクター等に好適に用いら
れる。特に、チップ状の微生物担体を曝気、攪拌、水流
などによって流動させる流動層方式や、シート状、チッ
プ状、短冊状あるいはその組み合わせなどの微生物担体
を充填または積層した濾過層に、上向流あるいは下向流
で汚染水を接触させる接触濾過方式が好ましく用いられ
る。
【0018】
【実施例】以下の実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0019】実施例1 結合成分としてポリスチレンが43部、極細繊維成分と
してポリエチレンテレフタレートが57部からなる割合
で1フィラメント中に16本の島成分を有する高分子相
互配列体繊維の3.8デニール、51mmのステープル
を用いてカード、クロスラッパーを通してウエブを形成
した。これを90℃に加温したPVAの5%水溶液に浸
漬し、PVAの含浸と同時にウエブの収縮を行い乾燥し
て水分を除去した後、トリクロロエチレン中につけ、浸
漬、絞液を繰り返しポリスチレンを抽出除去して乾燥し
た。次にウレタン重合体の7%ジメチルホルムアミド
(以下、DMFという)溶液を含浸し、表面に付着した
液をスクレーパーで除去して水中へ導入して凝固した。
しかる後に80℃の熱水中で十分洗浄し、脱PVA、脱
DMFを行って厚さ2mmの微生物担体シート(極細繊
維の単繊維繊度:0.1デニール)を得た。このシート
を幅3mmでスリット加工し、さらに幅3mmで裁断す
ることにより、3×3×2mmのチップ状担体を得た。
この担体について、極細繊維に対するウレタン重合体の
量は30部、含水状態での比重は1.07、空隙率は8
0%であった。この担体を容量6リットルの曝気槽に対
して10体積%投入し、種汚泥添を添加した後、有機成
分、アンモニア態窒素を主成分とした人工排水を供給
し、定期的にBOD除去率の測定を行った。BOD負荷
は、5kgBOD/m3 ・日とした。
【0020】比較例1 厚さ2mmのポリエステル製の不織布(単繊維繊度:6
デニール、空隙率:90%)を縦横3mmに裁断しチッ
プ状微生物担体を得た。実施例1と同様の曝気槽に投入
して、BOD除去率の測定を行った。
【0021】比較例2 セルローススポンジ(平均孔径:2mm、空隙率:97
%、形態:1cm角)を実施例1と同様の曝気槽に投入
して、BOD除去率の測定を行った。
【0022】実施例1、比較例1、2の結果の平均値を
表1にまとめて比較した。
【0023】
【表1】 表1より明らかなように、運転初期はいずれの担体も高
い除去性能を示した。特に実施例1は、活性汚泥添加直
後から微生物が高密度に保持されている様子が観察され
た。しかし、運転開始から3か月経過した頃から、不織
布を担体として用いた比較例1において、担体同士の絡
み合いが発生して流動性が悪くなった、またそれと同時
に担体の磨耗も目立ち始め、BOD除去性能も徐々に低
下した。また、5か月経過した頃には、セルローススポ
ンジを担体として用いた比較例2において、生分解や担
体同士の衝突の衝撃で担体が崩壊し始め、除去性能が急
激に低下した。一方、本発明品の実施例1では、6か月
経過しても担体の磨耗や絡み合いがなく、安定して高性
能を維持した。
【0024】実施例2 実施例1で得た微生物担体を内径100mm、高さ12
00mmの接触濾過塔に充填し、活性汚泥を添加した
後、アンモニア態窒素を主成分とした人工河川水を流下
させ、定期的に硝化率の測定を行った。担体の逆洗浄は
1日1回行った。濾過速度は徐々に速くした。
【0025】比較例3 比較例1の不織布を、実施例2と同様の接触濾過塔に充
填して、実施例2と同様の測定を行った。
【0026】実施例2、比較例3の結果の平均値を表2
にまとめて比較した。
【0027】
【表2】 表2より明らかなように、不織布を用いた比較例3で
は、微生物保持量が十分でなかったため、水量負荷が高
い条件では硝化率が極端に落ちた。また、4か月経過し
た頃から、逆洗浄の際に担体同士が絡み合うようにな
り、操作を難しくした。一方、本発明の実施例2では、
微生物を高密度に保持されているため、400m/日の
条件でも余裕のある硝化ができた。逆洗浄の際に担体同
士が絡み合うこともなく、しかも担体内部の微生物が逆
洗浄によって流出する心配がないため、逆洗浄の操作が
容易であった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、上述したような構成を有する
ことにより以下の効果を生じる。
【0029】(1)本発明の微生物担体は、極細繊維集
合体に囲まれた連通孔を多数有する担体であり、微生物
の付着できる表面積が大きいため、微生物を高密度に保
持することができる。その結果、負荷の高い運転ができ
るので、処理槽容積の縮小や処理槽滞留時間の短縮が可
能になる。
【0030】(2)本発明の微生物担体は、引掛かりの
少ない極細の繊維を樹脂を介して強固に接着させた構造
を有しており、しかも弾力性をもった担体であるため、
従来に微生物担体のような衝突による繊維の脱落や担体
同士の絡み合いがなく、長期間安定して使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 11/08 C12N 11/08 B C

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極細繊維集合体とその連通する空隙の一
    部に存在する樹脂からなることを特徴とする微生物担
    体。
  2. 【請求項2】 極細繊維および/またはその束が、少な
    くとも1成分を溶解除去することで極細繊維となる極細
    繊維形成型繊維を用いて得られたものであることを特徴
    とする請求項1記載の微生物担体。
  3. 【請求項3】 極細繊維の単繊維繊度が、0.001〜
    1デニールであることを特徴とする請求項1記載の微生
    物担体。
  4. 【請求項4】 樹脂がウレタン重合体からなることを特
    徴とする請求項1記載の微生物担体。
  5. 【請求項5】 樹脂がポリビニルアルコールのゲルから
    なることを特徴とする請求項1記載の微生物担体。
  6. 【請求項6】 樹脂がポリエチレングリコールのアクリ
    ル酸またはメタクリル酸のジエステルの重合体ゲルから
    なることを特徴とする請求項1記載の微生物担体。
  7. 【請求項7】 空隙率が70〜99%であることを特徴
    とする請求項1記載の微生物担体。
  8. 【請求項8】 真比重が0.9〜1.5であることを特
    徴とする請求項1記載の微生物担体。
  9. 【請求項9】 極細繊維集合体と樹脂との重量比が1:
    3〜3:1であることを特徴とする請求項1記載の微生
    物担体。
  10. 【請求項10】 極細繊維および/または樹脂が水中で
    正に帯電することを特徴とする請求項1記載の微生物担
    体。
  11. 【請求項11】 最大直径が1〜30mmのチップ状の
    形態を有することを特徴とする請求項1記載の微生物担
    体。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の微生物担体を用いた
    ことを特徴とする生物処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の微生物担体を流動
    床に用いたことを特徴とする生物処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の微生物担体を濾過
    材に用いたことを特徴とする接触濾過装置。
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