JPH09234365A - 吸着材とその製造方法及び水処理方法 - Google Patents

吸着材とその製造方法及び水処理方法

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JPH09234365A
JPH09234365A JP8016426A JP1642696A JPH09234365A JP H09234365 A JPH09234365 A JP H09234365A JP 8016426 A JP8016426 A JP 8016426A JP 1642696 A JP1642696 A JP 1642696A JP H09234365 A JPH09234365 A JP H09234365A
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fiber
fibers
activated carbon
adsorbent
thermoplastic synthetic
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JP8016426A
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English (en)
Inventor
Takemichi Chigusa
健理 千種
Tomonori Ishikawa
智則 石川
Isamu Koyama
勇 小山
Koichiro Nakai
浩一郎 中井
Akinori Kawachi
昭典 河内
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性炭素繊維を主成分とし,気相吸着や液相
吸着,生物処理用担体等の用途に好適な吸着材とその製
造方法及び水処理方法を提供する。 【解決手段】 活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とから
なる複数本の繊維長0.5〜50mmの混合繊維が最大直径3
〜 100mmの塊状に絡まりあい,活性炭素繊維10〜90重量
%と熱可塑性合成繊維90〜10重量%とを含有した吸着
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,活性炭素繊維を主
成分とし,気相吸着や液相吸着,生物処理用担体等の用
途に好適な吸着材とその製造方法及び水処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】活性炭は,吸着材として工業的に極めて
有用であり,例えば脱色及び有機物の除去等に粉末状あ
るいは粒状の活性炭が広く用いられている。しかしなが
ら,粉末状の活性炭は,活性炭の取り出し,分離の操作
が複雑で圧力損失も大きいという欠点があり,また,粒
状の活性炭は,粒径をある程度大きくすれば圧力損失を
低減させることができるものの,吸着表面が減少して吸
着速度が低下する等の問題がある。近年,生物処理用担
体として,粉末状や粒状の活性炭が生物処理用担体とし
て用いられ,この分野においても活性炭の有用性が判明
してきている。しかしながら,これらの活性炭は,被処
理物との分離が困難であり,しかも,炭塵が発生しやす
いという欠点がある。
【0003】一方,繊維状の活性炭,すなわち,活性炭
素繊維を用いれば,粉末状あるいは粒状の活性炭とは異
なり,被処理ガスあるいは被処理液との分離が容易であ
り,また表面積が大きく,吸着速度が速いなどの利点が
ある。しかしながら,従来の活性炭素繊維は,フエルト
状やクロス状等で市販されることが多く,吸着材として
使用する場合,吸着塔の形状や大きさ等に応じて切断し
たりして形を整える必要がある。
【0004】また,特公平3-47893号公報では,活性炭
素繊維のみで成形した塊状の吸着材が提案されている
が,この吸着材は,特に使用中に形状が崩れたり,繊維
片が系外へ流出しやすいなどの問題があり,使用し難い
という欠点がある。
【0005】一方,水中の有機物やアンモニア等の分解
処理を行う水処理方法の一つとして微生物を利用する方
法がある。この方法には,曝気槽中の活性汚泥を用いる
方法や,合成繊維や繊維等の担体表面に生物膜を形成
し,それに被処理水を接触させて含有不純物を処理する
方法がある。そして,後者の方法で用いられる生物処理
用の担体としては,合成樹脂製の回転円板,ハニカムチ
ューブ,合成繊維製の簾状物あるいは球状物,砂,アン
スラサイト,セラミックス,粒状活性炭等の粒状物があ
る。
【0006】合成樹脂製の回転円板,ハニカムチューブ
や波形状のものを生物処理用担体として用いた場合,高
速で処理することが可能で,水中の無機及び有機物の懸
濁性物質による閉塞が起こり難いため,多量の水を処理
する場合に広く使用されている。しかしながら,表面積
が小さいため生物膜の付着量が少なく,処理効率も低い
という問題があった。
【0007】また,合成繊維製の簾状物や不織布を生物
膜の担体として用いると,被処理水との接触で不織布が
揺動して接触が抑制されたり,目詰まりを起こしたりし
て処理能力が低下するという問題がある。合成繊維製不
織布のこれらの欠点を補うために,不織布に樹脂を含浸
させて補強したり,担体の強度を維持するための支持板
等を設けた担体が提案されている(特開平1−274836号
公報)が,この担体は生物処理に直接関係のない補強材
等が必要になるという問題がある。
【0008】また,生物処理用担体として,砂,アンス
ラサイト等の比較的粒径の小さい粒状物を用いると,微
生物の付着する表面積は大きくなるが,通液抵抗が大き
くなり,流速を速くすることができない。しかも,被処
理水中の懸濁性物質によって閉塞しやすいという問題が
ある。粒径の大きなセラミックスを用いると,通液抵抗
が小さくなり,閉塞も生じ難くなるが,微生物の付着す
る表面積が小さくなり,処理効率も低くなる。さらに,
担体重量がかなり重くなるため,ハンドリング性に関し
ても好ましくない。
【0009】近年,生物処理用担体として活性炭が用い
られ,活性炭の有用性が示唆されている。しかしなが
ら,粒状の活性炭は,砂等と同様に圧力損失が大きく,
また,被処理水中の懸濁性物質によって閉塞しやすいと
いう問題がある。この閉塞を防止するために逆洗を実施
すれば,活性炭が破砕もしくは磨耗して粉末化するとい
う問題もある。
【0010】一方,担体の表面積を増やす方法として,
合成繊維を球状に成形して用いる方法がある。この方法
では,球状繊維内部に微生物が多量に繁殖するが,そこ
への水の流通が乏しくまた,酸素の供給が不十分となる
ため,生物膜を効果的に活用することができなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の問題
を解決し,取り扱いが極めて容易で, そのままの形状で
吸着塔内に充填するだけで使用することが可能であり,
また,吸着速度が速く,さらに, 生物処理用担体として
も好適な吸着材とその製造方法,及びこの吸着材を生物
処理用担体として用いる水処理方法を提供することを技
術的な課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果,吸着材を活性炭素
繊維と熱可塑性合成繊維とで塊状に形成すれば,取り扱
いが極めて容易で,炭塵や繊維片が発生し難く,しか
も,この吸着材は生物処理用担体として好適なことを見
出して本発明に到達した。
【0013】すなわち,本発明は,次の構成を有するも
のである。 (1) 活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とからなる複数本
の繊維長0.5〜50mmの混合繊維が最大直径3〜 100mmの
塊状に絡まりあい,活性炭素繊維10〜90重量%と熱可塑
性合成繊維90〜10重量%とを含有してなる吸着材。 (2) 活性炭素繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜
10重量%とを含有した繊維長0.5〜50mmの混合繊維群を
液体中に分散させ,分散液を撹拌して複数本の繊維が互
いに絡み合った複数の塊状体にした後,塊状体を熱処理
することを特徴とする吸着材の製造方法。 (3) 繊維長0.5〜50mmの活性炭素繊維10〜90重量部を液
体中に分散させ,分散液を撹拌して複数本の繊維が互い
に絡み合った複数の塊状体にした後,前記分散液中に繊
維長0.5〜50mmの熱可塑性合成繊維90〜10重量部を投入
して前記塊状体の表面に熱可塑性合成繊維を絡み合わせ
た後,熱処理することを特徴とする吸着材の製造方法。 (4) 活性炭素繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜
10重量%とを含有した繊維長0.5〜50mmの混合繊維群を
回転及び/又は揺動する内壁面を有する混合機に投入
し,混合機を回転及び/又は揺動させて複数本の繊維が
互いに絡み合った複数の塊状体にした後,塊状体を熱処
理することを特徴とする吸着材の製造方法。 (5) 繊維長0.5〜50mmの活性炭素繊維10〜90重量部を回
転及び/又は揺動する内壁面を有する混合機に投入し,
混合機を回転及び/又は揺動させて複数本の繊維が互い
に絡み合った複数の塊状体にした後,前記混合機中に繊
維長0.5〜50mmの熱可塑性合成繊維90〜10重量部を投入
して前記塊状体の表面に熱可塑性合成繊維を絡み合わせ
た後,熱処理することを特徴とする吸着材の製造方法。 (6) 前記(1) 記載の吸着材に生物膜を形成させ,次い
で,この吸着材を処理槽に充填するか処理槽に添加した
後,あるいは前記(1) 記載の吸着材を処理槽に充填する
か処理槽に添加した後,生物膜を形成させながら,被処
理水を前記吸着材に接触させることを特徴とする水処理
方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下, 本発明について詳細に説明
する。本発明の吸着材は,活性炭素繊維と熱可塑性合成
繊維とで構成されているが,活性炭素繊維としては,ア
クリル系,セルロース系,ビニロン系,レーヨン系ある
いはピッチ系等のものを使用することができる。本発明
で使用する活性炭素繊維の性状は特に限定されるもので
はないが,比表面積 700〜2000m2/g, 平均細孔直径4〜
20Åのものが好ましい。
【0015】次に,活性炭素繊維とともに吸着材を構成
する熱可塑性合成繊維としては,ポリプロピレン繊維,
ポリアミド繊維,ポリエステル繊維,ポリアクリロニト
リル繊維,ポリエチレン繊維等を使用することができ
る。また,熱可塑性合成繊維の一種である熱融着型の繊
維,例えば芯部分がポリエチレンテレフタレート(PE
T),鞘部分が共重合PETである芯鞘構造のポリエス
テル系複合繊維等でもよい。
【0016】吸着材中の活性炭素繊維と熱可塑性合成繊
維の含有率は,活性炭素繊維の吸着特性を保持し,かつ
吸着材の形状安定性の点から,活性炭素繊維10〜90重量
%,好ましくは20〜80重量%と, 熱可塑性合成繊維90〜
10重量%, 好ましくは80〜20重量%である必要がある。
活性炭素繊維が10重量%未満で,熱可塑性合成繊維が90
重量%を超えると,活性炭素繊維の吸着特性が十分発揮
されない。また,活性炭素繊維が90重量%を超え,熱可
塑性合成繊維が10重量%未満になると,繊維同士が絡ま
りあい塊状にはなるものの,使用中に形状が崩れたり,
繊維片が系外へ流出しやすくなる。
【0017】上記のように,本発明の吸着材は,活性炭
素繊維と熱可塑性合成繊維とで構成されているが,本発
明の効果を損なわない範囲で,綿等の天然繊維,再生繊
維,ビニロン繊維, ガラス繊維,ポリイミド繊維等を含
有させてもよい。また,活性炭素繊維と複数種の熱可塑
性合成繊維とで吸着材を形成してもよい。
【0018】吸着材を構成する活性炭素繊維と熱可塑性
合成繊維の繊維長は,塊状に形成する際の各繊維間の絡
まりやすさの点から0.5〜50mm,特に1〜40mmであるこ
とが好ましい。これらの繊維の繊維長が 0.5mm未満であ
れば,繊維同士の絡まりあいがなく,使用時に成型体と
しての形状を保持できない。また,繊維長が50mmを超え
ると塊状にならずにヒモ状となり,使用時に折れ曲がっ
て切断されたり,微粉化して炭塵を発生させる原因とな
る。
【0019】また,活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維の
繊維径は,2〜 100ミクロン程度のものが塊状物の成型
性の点から好ましい。繊維塊としては, 最大直径が3〜
100mmの球状,楕円球状,円盤状,葉巻状のものが, 吸
着処理操作の際に取り扱いやすく,生物処理用担体とし
ても適している点から好ましい。なお,本発明における
最大直径とは,球状や円盤状の場合は直径, 楕円球状の
場合は長軸の長さ, 葉巻状の場合はその長さを測定した
ものである。
【0020】次に,本発明の吸着材の製造方法 (湿式
法) について説明する。まず,0.5〜50mmの繊維長を有
する活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とを,活性炭素繊
維10〜90重量%,熱可塑性合成繊維90〜10重量%となる
割合で常温の水等の液体中に分散させ,気体等の吹き込
みによる水流撹拌や羽根等による機械的撹拌によって撹
拌を行う。時間の経過とともに繊維が互いに絡み合っ
て,最大直径が3〜 100mmの塊状体が多数形成される
が,塊状体が形成された後,分散液を熱可塑性合成繊維
が収縮や融着する温度以上の液温,好ましくは60〜 100
℃の温度に上昇させ,熱可塑性合成繊維を収縮ないし融
着させて塊状成型体とする。この塊状成型体を分散液中
から取り出し,本発明の吸着材を得る。
【0021】上記の製造方法は,活性炭素繊維と熱可塑
性合成繊維とを同時に液体中に分散させて吸着材を得る
方法であるが,まず,活性炭素繊維を液体中に分散さ
せ,撹拌により塊状に絡み合わせた後,熱可塑性合成繊
維を分散液中に添加,攪拌して活性炭素繊維塊状体の表
面に絡み合わせて,熱可塑性合成繊維で活性炭素繊維塊
状体を被覆し,その後熱処理して本発明の吸着材を得る
こともできる。さらに,活性炭素繊維と熱可塑性合成繊
維とを同時に液体中に分散させ,混合繊維を塊状に絡み
合わせた後,さらに,別の熱可塑性合成繊維を分散液中
に添加,攪拌して塊状体の表面に絡み合わせて,熱可塑
性合成繊維で塊状体を被覆し,その後熱処理して本発明
の吸着材を得ることもできる。
【0022】また,活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維と
が絡み合った塊状体の熱処理方法としては,前記のよう
に分散液の液温を上昇させて熱可塑性合成繊維を収縮な
いし融着させて活性炭素繊維塊状成型体を生成してもよ
いが,撹拌により生成した塊状体を分散液から取り出
し,その後,熱風により溶融接着させて本発明の吸着材
としてもよい。
【0023】活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とを混
合,分散させる液体としては,水以外にエチレングリコ
ール,エチルアルコール等の有機溶剤があげられるが,
活性炭素繊維の特性を損なうことがなく,取り扱いやす
い水が好ましい。
【0024】活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とを混合
した分散液の撹拌方法としては,空気,窒素等の気体吹
き込みよる水流撹拌,渦巻きポンプ等の送液ポンプによ
る水流撹拌,タービン型,ファンタービン型,プロペラ
型,パドル型などの羽根による機械的撹拌,あるいは球
形回転型槽やコンクリートミキサーのような槽内に邪魔
板が内蔵され,槽全体が回転することによって行われる
撹拌等を用途に応じ適宜採用することができる。
【0025】次に,本発明の吸着材の製造方法 (乾式
法) について説明する。本発明では,湿式法による製造
方法で説明した活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維との混
合繊維群を回転や揺動する内壁面を有する混合機に投入
し,混合機を回転させるか,揺動させるか,あるいは同
時に回転と揺動させて複数本の繊維が互いに絡み合った
複数の塊状体にする。
【0026】混合機に投入する混合繊維群における活性
炭素繊維と熱可塑性合成繊維の含有率は,活性炭素繊維
の吸着特性を保持し,かつ吸着材の形状安定性の点か
ら,活性炭素繊維10〜90重量%,好ましくは20〜80重量
%と,熱可塑性合成繊維90〜10重量%,好ましくは80〜
20重量%である必要がある。
【0027】活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とを混合
機に投入し,混合機の内壁面を回転や揺動させると,2
種の繊維は時間の経過とともに互いに混合され,絡み合
って,最大直径が3〜 100mmの塊状体が多数形成される
が,塊状体が形成された後,熱可塑性合成繊維が収縮や
融着する温度以上の温度で熱処理して塊状成形体とし,
目的とする吸着材を得る。
【0028】本発明では,繊維長が0.5〜50mmの活性炭
素繊維と熱可塑性合成繊維を原料とするが,この範囲で
使用する繊維の長さが長くなると楕円球状の吸着材にな
りやすく,一方,繊維長が短くなると球状の吸着材とな
りやすい。
【0029】上記の製造方法は,活性炭素繊維と熱可塑
性合成繊維とを同時に混合機に投入し,混合機を回転や
揺動させて吸着材を得る方法であるが,まず,活性炭素
繊維を混合機に投入し,混合機の回転及び/又は揺動に
より塊状に絡み合わせた後,熱可塑性合成繊維を混合機
に投入し,混合機の回転及び/又は揺動により活性炭素
繊維塊状体の表面に絡み合わせて,熱可塑性合成繊維で
活性炭素繊維塊状体を被覆し,その後熱処理して目的と
する吸着材を得ることもできる。
【0030】また,活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維と
を同時に混合機に投入し,混合繊維を塊状に絡み合わせ
た後,さらに,別の熱可塑性合成繊維を混合機に投入
し,回転及び/又は揺動させて塊状体の表面に絡み合わ
せ,熱可塑性合成繊維で塊状体を被覆し,その後熱処理
して目的とする吸着材を得ることもできる。
【0031】本発明で用いる混合機は,混合機内に攪拌
羽根や針状突起物が存在せず,平滑な内壁面を有し,混
合機全体が回転するか,もしくは底部が揺動して内容物
を転動させて混合するものが好ましい。
【0032】活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とが絡み
合った塊状体の熱処理方法としては,混合機内で混合繊
維を塊状に絡み合わせた後,熱可塑性繊維が収縮や融着
する温度以上の熱風により活性炭素繊維塊状成形体を成
形してもよいが,回転や揺動により生成した塊状体を混
合機から取り出し,その後,熱水により収縮や溶融させ
て目的とする吸着材としてもよい。
【0033】次に,本発明の吸着材の製造方法 (乾式
法) を図面に基づいて説明する。図1と図2は,本発明
で用いる混合機の例を示す概略説明図である。図1に示
す混合機はコンクリートミキサー型(外殻回転筒型)の
もので,混合槽1の内壁面は平滑であり,外殻全体が水
平又は傾斜して回転し,混合繊維群を転動させて混合
し,塊状体2を得るものである。
【0034】また,図2に示す混合機は円錐台筒型(揺
動皿型)のもので,混合槽1の上部に開口部3を有し,
下部4はゴム等の可撓性素材により内面が平滑な皿状に
形成され,かつ下部4の中心部に揺動板5が取り付けら
れている。揺動板5の中央から垂直に固定軸6が伸びて
おり,上記固定軸6の下部が鈍角に屈曲したアーム7の
端部に固定されている。屈曲したアーム7の他方の端部
は,モータと接続された回転軸8に取り付けられてい
る。アーム7の回転により固定軸6が円運動を行い,こ
の円運動に伴い揺動板5が揺動し,その揺動により可撓
性皿状の下部4が揺動して,混合繊維群を転動させて混
合し,塊状体2を得るものである。図2中,9は固定軸
上部の蓋であり,10は固定軸の下端である。
【0035】コンクリートミキサー型のような外殻回転
筒型混合機の作動速度は,混合槽外殻の周速度が1〜10
0m/分のものが好ましく,1m/分未満では塊状体形成
に長期間を要し,100m/分を超える条件では,遠心力に
より繊維が混合槽内壁に押しつけられて転動し難くな
り,塊状体が形成され難くなる。
【0036】また,円錐台筒型のような揺動皿型混合機
の場合,揺動板を揺動させるアーム7の回転速度は,60
回/分以上が好ましく,60回/分未満では,繊維の転動
が抑制され,塊状体が形成され難くなる。特に 200〜 4
00回/分の条件で作動させると,短時間で塊状体を形成
できるので好ましい。2つの混合機とも,上記の作動条
件で運転することにより,速いものでは2分間,遅いも
のでも数時間で均一な塊状体を得ることができる。
【0037】上記のように,本発明(乾式法)は,活性
炭素繊維と熱可塑性合成繊維とからなる混合繊維群を混
合機中で回転や揺動させて塊状体を形成するため,この
塊状体を熱処理して吸着材を短時間で製造することがで
きる。また,先に説明した湿式法(液中に分散させて塊
状体を製造する方法)では分散液を使用するので廃水が
発生するが,乾式法では廃水処理の問題も生じない。さ
らに,湿式法では,分散液中の混合繊維群を攪拌するた
めに攪拌用の大型モーターが必要であり,さらに,粘度
の高い分散液では繊維同士の接触効率が悪くて製造時間
も長くなり,そのため製造コストが高くなる場合がある
が,乾式法には,これらの問題が生じることもない。
【0038】前述したように,本発明の吸着材は,活性
炭素繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜10重量%
とが塊状に絡まりあっているので,取り扱いが極めて容
易で, そのままの形状で吸着塔内に充填するだけで気相
や液相の吸着処理に使用することが可能であり, また,
吸着速度が速く,使用中に活性炭素繊維が脱落すること
がなく,さらに, 生物処理用担体としても好適な吸着材
である。
【0039】本発明の吸着材を生物処理用担体として用
い,水処理するに際しては,例えば次の2つの方法があ
る。第1の方法は,予め生物膜を形成させた生物処理用
担体を用いる方法である。生物処理用担体に予め生物膜
を形成させる方法としては,例えば生物処理用担体を樹
脂筒等に充填した後,硝化菌等の微生物を含有した培養
液や廃水を通液する方法や,培養液や廃水の槽に生物処
理用担体を添加した後,曝気する方法等がある。そし
て,予め生物膜を形成させた生物処理用担体を用いる具
体的な方法にも2つの方法がある。1つ目は,生物膜を
形成した生物処理用担体を樹脂筒等の処理槽に充填して
被処理液を通液し,被処理液を生物処理用担体表面の生
物膜に接触させて,含有する有機物を分解,処理するも
のである。また,2つ目は,生物膜を形成した生物処理
用担体を被処理液の処理槽に添加し,曝気して被処理液
を生物処理用担体表面の生物膜に接触させ,含有する有
機物を分解,処理するものである。そして,これらの方
法では,生物膜を形成させる筒状体や槽を,廃水を処理
する処理槽と共用してもよい。
【0040】また,本発明の吸着材を生物処理用担体と
して用い,水処理するに第2の方法は,生物膜を形成さ
せる前の生物処理用担体を用いる方法である。この場合
にも,生物処理用担体を樹脂筒等の処理槽に充填する
か,あるいは生物処理用担体を被処理液の処理槽に添加
し,処理槽に通液したり,処理槽を曝気して生物膜を形
成させながら,被処理液を生物処理用担体表面の生物膜
に接触させ,含有する有機物を分解,処理するものであ
る。
【0041】本発明の吸着材を生物処理用担体として用
い,生物処理用担体に生物膜を形成させれば,上水,中
水,あるいは工場等の用,廃水の処理に利用することが
可能であり,例えば,上水分野ではアンモニアの硝化,
農薬やトリハロメタン前駆物質等の有害物質の分解,中
水分野では家庭用風呂水の浄化再生,大衆浴場やプー
ル,観賞魚用水槽等における水の循環再生,工場廃水で
は各種洗浄水の再生,廃水,下水の一次処理や高度処理
等に好適である。さらに,本発明の吸着材は,生物活性
炭の機能と,形状の優位性を生かした生物処理用担体と
して,例えば上水道処理,工業廃水あるいは下水処理の
一次処理又は高度処理,下水処理施設から発生する悪臭
の生物脱臭に極めて有用である。また,本発明の吸着材
の製造方法によれば,上記の利点を有する吸着材を安定
して効率よく製造することが可能となる。
【0042】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 直径17ミクロン,繊維長5mm,平均細孔直径8Å,比表
面積1000m2/gのピッチ系活性炭素繊維200gと,単糸繊度
が3デニールで, 繊維長5mmのビニロン繊維200gとを撹
拌槽内の水 100リットル中に分散させ,パドル型の羽根
を持つ撹拌機で撹拌を続けた。約4時間撹拌を続けた結
果, 多数の球状の塊が生成した。そこに,単糸繊度6デ
ニールで, 繊維長5mmのポリエステル系サイドバイサイ
ド型複合未延伸繊維(PET/酸成分として5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を5モル%共重合させたPE
T)600gを加え,撹拌を続けた。さらに約8時間撹拌を
続けた結果,上記の繊維塊を包括するような形で球状の
塊を生成した。その後,撹拌槽内にスチームを吹き込ん
で水温を90℃まで上昇させ,複合繊維を収縮させて最大
直径5〜7mmの球状をした吸着材を得た。
【0043】実施例2 直径17ミクロン, 繊維長10mm, 平均細孔直径8Å,比表
面積1500m2/gのピッチ系の活性炭素繊維300gと,単糸繊
度15デニールで, 繊維長10mmの芯鞘型ポリエステル複合
未延伸繊維(芯部:PET,鞘部:酸成分としてイソフ
タル酸を40モル%共重合させたPET) 700gとを撹拌槽
内の水 100リットル中に分散させ,パドル型の羽根を持
つ撹拌機で撹拌を続けた。約10時間撹拌を続けた結果,
多数の球状や楕円状の塊が生成した。得られた活性炭素
繊維含有の塊状物を分散液から取り出し,熱風乾燥機に
より130℃で10分間熱処理し,ポリエステル繊維を溶融
させて最大直径5〜7mmの塊状をした吸着材を得た。
【0044】実施例3 直径17ミクロン, 繊維長5mm, 平均細孔直径8Å,比表
面積1500m2/gのピッチ系活性炭素繊維600gを撹拌槽内の
水 100リットル中に分散させ,パドル型の羽根を持つ撹
拌機で撹拌を続けた。約4時間撹拌を続けた結果,多数
の球状の塊が生成した。そこに,単糸繊度6デニール
で, 繊維長5mmのポリエステル系サイドバイサイド型複
合未延伸繊維(PET/酸成分として5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸を5モル%共重合させたPET)400g
を加え,撹拌を続けた。さらに, 約8時間撹拌を続けた
結果,上記の繊維塊を包括するような形で球状の塊が生
成した。その後,撹拌槽内の水を90℃まで上昇させ,複
合繊維を収縮させて最大直径5〜7mmの球状をした吸着
材を得た。
【0045】実施例1〜3で得られた吸着材を用い,そ
れぞれ直径25mmのガラスカラムに100mm の高さまで充填
し,100ppmのメチレンブルー水溶液を30ml/分の流量で
下向流にて通液し,メチレンブルーを吸着させた。処理
水のメチレンブルー濃度を吸収スペクトル法で測定した
結果,吸着除去率は, いずれも95%以上であった。ま
た,上記の吸着試験中,いずれの吸着材からも,活性炭
素繊維が脱落することはなかった。
【0046】実施例4 直径17μm,繊維長5mm,平均細孔直径8Å,比表面積
1000m2/gのピッチ系活性炭素繊維30gと,単糸繊度が10
デニールで,繊維長5mmのポリエステル系サイドバイサ
イド型複合未延伸繊維(重合度 110のPET/重合度80
のPET)70gとを,容量5リットルの揺動皿型混合機
(オムニミキサー:千代田技研工業社製)に投入し,ア
ーム7の回転速度 300回/分で回転させた。約20分間回
転を続けた結果,多数の球状をした繊維塊 (塊状体) が
生成した。得られた活性炭素繊維含有の塊状体を混合機
から取り出し,水温90℃の温浴に投入して複合未延伸繊
維を収縮と結晶化させ,最大直径5〜7mmの球状をした
吸着材を得た。
【0047】実施例5 直径17μm,繊維長5mm,平均細孔直径8Å,比表面積
1000m2/gのピッチ系活性炭素繊維60gと,単糸繊度が10
デニールで,繊維長5mmのポリエステル系サイドバイサ
イド型複合未延伸繊維(重合度 110のPET/重合度80
のPET)140gとを,容量 100リットルの外殻回転筒型
混合機に投入し,外殻周速度50m/分で回転さた。約40
分間回転を続けた結果,多数の球状をした繊維塊 (塊状
体) が生成した。得られた活性炭素繊維含有の塊状体を
混合機から取り出し,水温90℃の温浴に投入して複合未
延伸繊維を収縮と結晶化させ,最大直径5〜7mmの球状
をした吸着材を得た。
【0048】実施例4と実施例5で得られた吸着材を用
い,それぞれ直径25mmのガラスカラムに 100mmの高さま
で充填し,100ppmのメチレンブルー水溶液を30ミリリッ
トル/分の流量で下向流にて通液し,メチレンブルーを
吸着させた。処理水のメチレンブルー濃度を吸収スペク
トル法で測定した結果,吸着除去率は,いずれも95%以
上であった。上記の吸着試験中,いずれの吸着材から
も,活性炭素繊維が脱落することはなかった。
【0049】実施例6 直径17μm,繊維長10mm,平均細孔直径8Å,比表面積
1500m2/gのピッチ系活性炭素繊維50gと,単糸繊度が15
デニールで,繊維長10mmのポリエステル系芯鞘型複合未
延伸繊維(芯部:PET,鞘部:酸成分としてイソフタ
ル酸を40モル%共重合させたPET)50gとを,容量5
リットルの揺動皿型混合機(オムニミキサー:千代田技
研工業社製)に投入し,アーム7の回転速度 300回/min
で回転させた。約20分間回転を続けた結果,多数の楕円
球状の繊維塊 (塊状体) が生成した。 得られた活性炭
素繊維含有の塊状体を混合機から取り出し,熱風乾燥機
により 140℃で3分間熱処理し, 複合未延伸繊維を溶融
させて最大直径8〜13mmの楕円球状をした吸着材を得
た。
【0050】実施例7 直径17μm,繊維長10mm,平均細孔直径8Å,比表面積
1500m2/gのピッチ系活性炭素繊維75gを,容量5リット
ルの揺動皿型混合機(千代田技研工業社製:オムニミキ
サー)に投入し,アーム7の回転速度 300回/分で回転
させた。約30分間回転を続けた結果,多数の楕円球状を
した活性炭素繊維の塊状体が生成した。そこに,単糸繊
度が15デニールで,繊維長10mmのポリエステル系芯鞘型
複合未延伸繊維(芯部:PET,鞘部:酸成分としてイ
ソフタル酸を40モル%共重合させたPET)75gを加
え,さらに約20分間回転を続けた結果,活性炭素繊維の
塊状体を複合未延伸繊維が包含するような形で楕円球状
の塊状体が生成した。得られた活性炭素繊維含有の塊状
体を混合機から取り出し,熱風乾燥機により140℃で3
分間熱処理し, 複合未延伸繊維を溶融させて最大直径10
〜15mmの楕円球状をした吸着材を得た。
【0051】実施例6,7で得られた吸着材を用い,直
径25mmのガラスカラムに 100mmの高さまで充填し,100p
pmの塩化メチレンガスを線速度0.2m/秒で下向流にて通
気し,塩化メチレンを吸着させた。処理ガスの塩化メチ
レン濃度をガスクロマトグラフ法で測定した結果,吸着
除去率は,いずれも97%以上であった。上記の吸着試験
中,いずれの吸着材から活性炭素繊維が脱落することは
なかった。
【0052】実施例8,比較例1 直径17ミクロン,繊維長5mm,平均細孔直径8Å,比表
面積 700m2/gのピッチ系活性炭素繊維200gと,単糸繊度
が3デニールで,繊維長5mmのビニロン繊維200gとを撹
拌槽内の水 100リットル中に分散させ,パドル型の羽根
を持つ撹拌機で撹拌を続けた。約4時間撹拌を続けた結
果,多数の球状の塊が生成した。そこに,単糸繊度 2.5
デニールで,繊維長5mmのポリエステル系サイドバイサ
イド型複合未延伸繊維(PET/酸成分として5−ナト
リウムスルホイソフタル酸を5モル%共重合させたPE
T)600gを加え,撹拌を続けた。さらに約8時間撹拌を
続けた結果,上記の繊維塊を包括するような形で球状の
塊を生成した。その後,撹拌槽内にスチームを吹き込ん
で水温を90℃まで上昇させ,複合繊維を収縮させて最大
直径5〜7mmの球状をした吸着材を得た。
【0053】得られた吸着材を生物処理用担体として用
い,直径75mm×高さ 250mmのアクリル製円筒に高さ 230
mmまで充填した。次いで,硝化菌を含有した培養液を上
記樹脂筒に通液し,1日間循環運転することにより,硝
化菌を生物処理用担体に固定した。次いで,被処理水と
して,塩化アンモニウム19.2mg/リットル,リン酸二水
素ナトリウム13.0mg/リットル,炭酸水素ナトリウム15
0mg/リットル,硫酸マグネシウム・7水和物12.5mg/リ
ットル,塩化カリウム1.0mg/リットルを工場用水に添加
した人工模擬廃水(アンモニア性窒素濃度5mg/リット
ル)を用い,この廃水を上記の樹脂筒に下方から通液し
た。通液速度は1リットル/h,水温は10〜15度に調整
し,3カ月間の連続運転を行った。また,比較例1とし
て,生物処理用担体として直径10mmの球状多孔質セラミ
ックスを用いる以外は,実施例8と同様にして処理を行
った。
【0054】運転開始からの経過日数毎に,処理水のア
ンモニア性窒素濃度を測定し,除去率を算出した。アン
モニア性窒素の除去率を表1に示す。なお,アンモニア
性窒素はセントラル科学社製の窒素メーターHC−70
7N型を用いて測定した。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように,実施例8では,
20日間経過後から安定した除去率が得られたが,比較例
1では,安定した除去率が得られるのに40日間を要して
おり,実施例8では,比較例1に比較してアンモニア性
窒素の除去率が短期間で上昇し,しかも高い除去率が得
られた。
【0057】実施例9 直径17ミクロン,繊維長10mm,平均細孔直径8Å,比表
面積1500m2/gのピッチ系活性炭素繊維 50gと,単糸繊度
が15デニールで,繊維長10mmのポリエステル系芯鞘型複
合未延伸繊維(芯部:PET,鞘部:酸成分としてイソ
フタル酸を40モル%共重合させたPET)50gとを容量5
リットルの揺動皿型混合機に投入し,アーム回転速度 3
00回/分で回転させた。約20分間回転を続けた結果,多
数の楕円状の繊維塊が生成した。得られた活性炭素繊維
含有の塊状物を混合機から取り出し,熱風乾燥機により
140℃で3分間熱処理し, ポリエステル繊維を溶融させ
て最大直径8〜13mmの楕円状をした生物処理用担体を得
た。
【0058】得られた生物処理用担体を,直径 150mm×
高さ1600mmのアクリル製円筒に高さ1000mmまで充填し
た。なお,上記アクリル製円筒の下部には,散気管を設
けた。被処理水としてBOD100mg/リットル,COD50
mg/リットルの食品産業廃水二次処理水を用い,この廃
水を上記の樹脂筒に下方から通液した。滞留時間を1時
間に調整し,6カ月間の連続運転を実施したが,処理水
のBODとCODは共に10mg/リットル以下に抑えら
れ,かつ,1〜2週間に1回の空気逆洗を行うことによ
り,トラブルなく安定した運転ができた。
【0059】実施例10 直径17ミクロンで繊維長5mmの活性炭繊維 400gを,撹
拌槽内の水 100リットル中に分散させ,パドル型の羽根
を持つ撹拌機で撹拌を続けた。約4時間撹拌を続け多数
の球状の塊が生成した。そこに,繊度6デニールで繊維
長5mmのポリエステル系サイドバイサイド型複合未延伸
繊維(PET/酸成分として5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を5モル%共重合させたPET) 600gを加
え,撹拌を続けた。さらに約8時間撹拌を続け,活性炭
繊維の繊維塊を包括するような形で球状の塊を生成し
た。その後,撹拌槽内の水を90℃まで上昇させ,複合未
延伸繊維を収縮させて直径4〜6mmの球状をした吸着材
を得た。
【0060】得られた吸着材を生物処理用担体として用
い,この生物処理用担体を直径 150mm×高さ1600mmのア
クリル製活性汚泥槽に5リットル添加し,活性汚泥槽下
部に散気管を設けて曝気を行った。被処理水としてBO
D1500mg/リットル,COD1000mg/リットルのプラス
チック製造廃水を用い,この廃水を上記の活性汚泥槽に
通液した。滞留時間を24時間に調整し,6カ月間の連続
運転を実施したが,処理水のBOD, CODは共に300m
g/リットル以下に抑えられ,トラブルなく安定した運転
ができた。
【0061】
【発明の効果】本発明の吸着材は,取り扱いが極めて容
易で, そのままの形状で吸着塔内に充填するだけで使用
することが可能であり, また,吸着速度が速く,さら
に, 使用中に活性炭素繊維が脱落することがない。した
がって,本発明の吸着材は,水の浄化用吸着材として,
例えば上水道処理,工業廃水の高度処理あるいは下水処
理の高度処理等に広く適用することができ,特に水道水
の浄化において,トリハロメタンあるいはその前駆物質
といわれるフミン酸などの微量有機物の除去に好適に用
いることができる。また,本発明の吸着材は,気体の浄
化用吸着材として,例えば悪臭物質の吸着除去に極めて
有用である。さらに,本発明の吸着材は,生物活性炭の
機能と,形状の優位性を生かした生物処理用担体とし
て,例えば上水道処理,工業廃水あるいは下水処理の一
次処理又は高度処理,下水処理施設から発生する悪臭の
生物脱臭に極めて有用である。また,本発明の吸着材の
製造方法によれば,上記の利点を有する吸着材を安定し
て効率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる混合機の一実施態様である外殻
回転筒型混合機の概略説明図である。
【図2】本発明で用いる混合機の他の実施態様である揺
動皿型混合機の概略説明図である。
【符号の説明】
1 混合槽 2 塊状体 3 混合槽上部の開口部 4 混合槽の下部 5 揺動板 6 固定軸 7 アーム 8 回転軸 9 固定軸上部の蓋 10 固定軸の下端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 浩一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 河内 昭典 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭素繊維と熱可塑性合成繊維とから
    なる複数本の繊維長0.5〜50mmの混合繊維が最大直径3
    〜 100mmの塊状に絡まりあい,活性炭素繊維10〜90重量
    %と熱可塑性合成繊維90〜10重量%とを含有してなる吸
    着材。
  2. 【請求項2】 活性炭素繊維10〜90重量%と熱可塑性合
    成繊維90〜10重量%とを含有した繊維長0.5〜50mmの混
    合繊維群を液体中に分散させ,分散液を撹拌して複数本
    の繊維が互いに絡み合った複数の塊状体にした後,塊状
    体を熱処理することを特徴とする吸着材の製造方法。
  3. 【請求項3】 繊維長0.5〜50mmの活性炭素繊維10〜90
    重量部を液体中に分散させ,分散液を撹拌して複数本の
    繊維が互いに絡み合った複数の塊状体にした後,前記分
    散液中に繊維長0.5〜50mmの熱可塑性合成繊維90〜10重
    量部を投入して前記塊状体の表面に熱可塑性合成繊維を
    絡み合わせた後,熱処理することを特徴とする吸着材の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 活性炭素繊維10〜90重量%と熱可塑性合
    成繊維90〜10重量%とを含有した繊維長0.5〜50mmの混
    合繊維群を回転及び/又は揺動する内壁面を有する混合
    機に投入し,混合機を回転及び/又は揺動させて複数本
    の繊維が互いに絡み合った複数の塊状体にした後,塊状
    体を熱処理することを特徴とする吸着材の製造方法。
  5. 【請求項5】 繊維長0.5〜50mmの活性炭素繊維10〜90
    重量部を回転及び/又は揺動する内壁面を有する混合機
    に投入し,混合機を回転及び/又は揺動させて複数本の
    繊維が互いに絡み合った複数の塊状体にした後,前記混
    合機中に繊維長0.5〜50mmの熱可塑性合成繊維90〜10重
    量部を投入して前記塊状体の表面に熱可塑性合成繊維を
    絡み合わせた後,熱処理することを特徴とする吸着材の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の吸着材に生物膜を形成さ
    せ,次いで,この吸着材を処理槽に充填するか処理槽に
    添加した後,あるいは請求項1記載の吸着材を処理槽に
    充填するか処理槽に添加した後,生物膜を形成させなが
    ら,被処理水を前記吸着材に接触させることを特徴とす
    る水処理方法。
JP8016426A 1995-11-21 1996-02-01 吸着材とその製造方法及び水処理方法 Pending JPH09234365A (ja)

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JP7-340289 1995-12-27
JP34028995 1995-12-27
JP7-302453 1995-12-27
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149267A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Unitika Ltd 有機ハロゲン系化合物除去フィルター
DE102010011787A1 (de) * 2010-03-17 2011-09-22 Ostthüringische Materialprüfgesellschaft Für Textil Und Kunststoffe Mbh Eigenstabiles Filtermaterial
CN102491498A (zh) * 2011-12-16 2012-06-13 北京化工大学 生态碳纤维复合材料、其制备方法以及包括其的污水处理反应器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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DE102010011787A1 (de) * 2010-03-17 2011-09-22 Ostthüringische Materialprüfgesellschaft Für Textil Und Kunststoffe Mbh Eigenstabiles Filtermaterial
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