JPH107603A - ハイドロフルオロカーボン類の製造方法 - Google Patents
ハイドロフルオロカーボン類の製造方法Info
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- JPH107603A JPH107603A JP16350996A JP16350996A JPH107603A JP H107603 A JPH107603 A JP H107603A JP 16350996 A JP16350996 A JP 16350996A JP 16350996 A JP16350996 A JP 16350996A JP H107603 A JPH107603 A JP H107603A
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Abstract
ラフルオロエタンとペンタフルオロエタンとを同時に効
率よく製造する方法を得る。 【解決手段】 第一反応器1で、トリクロロエチレンと
テトラクロロエチレンとをそれぞれHFと反応させて、
中間体に富む第一生成物(15)を生成させ、第二反応
器2で、この第一生成物(15)の一部とHFとを反応
させて、1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペン
タフルオロエタンとを含む第二生成物(17)を生成さ
せ、これら双方の反応器から得られる生成物を合流した
合流生成物(18)を第一蒸留塔3で蒸留し、塔頂から
1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペンタフルオ
ロエタンとを含む第一塔頂留分(19)を溜出させる。
Description
用な1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3−
CH2F、以下、「HFC−134a」と記す)とペン
タフルオロエタン(CF3−CHF2、以下、「HFC−
125」と記す)とを同時に効率よく製造する方法に関
する。
類(CFC)による成層圏のオゾン層破壊が深刻な問題
として提起され、その使用が国際的に禁止されるに至っ
た。更に、クロロジフルオロメタン(CHClF2、通
称「HCFC−22」)などのハイドロクロロフルオロ
カーボン類(HCFC)も、クロロフルオロカーボン類
に比べればオゾン破壊係数は小さいものの、使用量が増
大すればオゾン層を破壊する可能性も高まることから、
その生産及び使用が規制の対象とされている。このた
め、オゾン層に影響を及ぼすことなくHCFC−22使
用の空調装置などにそのまま置換して使用できる代替品
の開発が国際的に強く求められている。
は、オゾン破壊係数がゼロであり、規制の対象とされて
いない。そこでこれらの化合物の中から、HCFC−2
2の代替品を見いだすことが望まれているが、単一成分
では対応が困難であり、複数成分の混合物でこの要望に
対応する検討が進められている。この内の有望な成分と
して、HFC−134aとHFC−125とが挙げられ
ている。
エチレン(CHCl=CCl2、以下、「TCE」と記
す)とHFとから、二段気相反応によって製造される。
すなわち、先ず第一反応器で、下記の式1に示すよう
に、TCEとHFとを反応させて中間体である1,1,
1−トリフルオロ−2−クロロエタン(CF3−CH2C
l、以下、「HCFC−133a」と記す)を含む中間
生成物を生成させ、次いで第二反応器で、下記の式2に
示すように、HCFC−133aとHFとを反応させて
目的物であるHFC−134aを含む生成物を得てい
る。
CF3−CH2Cl + 2HCl 式2: CF3−CH2Cl + HF → CF3−CH2
F + HCl
チレン(CCl2=CCl2、以下、「PCE」と記す)
とHFとから、二段気相反応によって製造される。すな
わち、先ず第一反応器で、下記の式3,式4に示すよう
に、PCEとHFとを反応させて、中間体である1,1
−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(CHC
l2−CF3、以下、「HCFC−123」と記す)およ
び/または1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオ
ロエタン(CHClF−CF3、以下、「HCFC−1
24」と記す)に富む中間生成物を生成させ、次いで第
二反応器で、式5,式6に示すように、それぞれの中間
体をHFと反応させて、目的物であるHFC−125を
含む生成物を得ている。
CHCl2−CF3 + 2HCl 式4: CCl2=CCl2 + 4HF → CHClF−
CF3 + 3HCl 式5: CHCl2−CF3 + 2HF → CF3−CH
F2 + 2HCl 式6: CHClF−CF3 + HF → CF3−CH
F2 + HCl
に関しては米国特許第5276223号など、HFC−
125の製造方法に関しては特開平6−247883号
公報などが知られている。
ン類を同時に製造する方法も提案されている。例えば、
WO95/15937号には、HCFC−133aをH
Fと反応させてHFC−134aを生成させ、このHF
C−134aの存在下に塩化メチレンおよびTCEをH
Fと反応させる方法が記載されている。特表平7−50
7787号公報には、例えばTCEとHFとを反応させ
てHCFC−133a(CF3−CH2Cl)を生成さ
せ、次いでこのHCFC−133aとHFとを反応させ
てHFC−134aを生成させる工程中に、例えばHC
FC−123(CHCl2−CF3)および/またはHC
FC−124(CHClF−CF3)を添加することに
よってHFC−134aとともにHFC−125を生成
させる方法が記載されている。また、特開平8−270
46号公報には、例えば、第一反応器でHCFC−13
3aとHCFC−123とHFとを反応させ、この生成
物にPCEを混合して第二反応器に供給し、第一反応器
とは異なる反応条件で反応させることによって、HFC
−134aとHFC−125とを含む生成物を得てい
る。
の方法によっても、汎用的な素材であるTCEとPCE
とを用いて、HFC−134aとHFC−125とを同
時に製造することはできなかった。その理由は、前記の
式1〜式6で示す反応の条件が、それぞれ大きく異なる
ことに由来する。すなわち、HFC−134aの製造に
関して、好ましい反応条件の例を示せば、式1で示す第
一反応は、圧力0.4MPa、温度250℃、HF/T
CEのモル比10の条件下で進行する。式2で示す第二
反応は、圧力0.4MPa、温度350℃、HF/HC
FC−133aのモル比6の条件下で進行する。
ましい反応条件の例を示せば、式3,式4で示す第一反
応は、圧力0.4MPa、温度300℃、HF/PCE
のモル比10の条件下で進行する。式5,式6で示す第
二反応は、圧力0.4MPa、温度340℃、HF/H
CFC−123のモル比8の条件下で進行する。従っ
て、TCEとPCEとの混合系を用いて、効率よくHF
C−134aとHFC−125とを同時に製造すること
は困難であった。
れたものであり、従ってその目的は、TCEとPCEと
の混合系を用い、簡単な装置で効率よくHFC−134
aとHFC−125とを同時に製造する方法を提供する
ことにある。
めに本発明は、請求項1において、第一反応器で、TC
EとPCEとをそれぞれHFと反応させて、中間体であ
るHCFC−133a、HCFC−123および/また
はHCFC−124に富む第一生成物を生成させ、第二
反応器で、この第一生成物の一部とHFとを反応させ
て、HFC−134aとHFC−125とを含む第二生
成物を生成させ、これら双方の反応器から得られる生成
物を合流して、HFC−134aとHFC−125とを
含む合流生成物を得るハイドロフルオロカーボン類の製
造方法を提供する。
分離方法によりHFC−134aとHFC−125とに
富む混合物を回収することができる。第一の分離方法
は、合流生成物を第一蒸留塔に供給して蒸留し、塔頂か
らHFC−134aと、HFC−125と、反応によっ
て副生したHClとを含む第一塔頂留分を溜出させる方
法である。この第一塔頂留分は、更に第二蒸留塔に供給
して蒸留し、この第二蒸留塔の塔頂からHClを主成分
とする留分を溜出させれば、塔底からHFC−134a
とHFC−125とに富む混合物を回収することができ
る。
その少なくとも一部を、前記の第一反応器および第二反
応器にそれぞれ分別して供給することが好ましい。この
際、合流生成物を第一蒸留塔の中段より上部に設けられ
た供給段に供給し、この供給段より下段に設けられたサ
イドカット段から、前記中間体に富む成分をガスとして
溜出させて第二反応器に供給し、かつTCE、PCEお
よびHFに富む第一蒸留塔の塔底液は、第一反応器に供
給することが好ましい。
−125とに富む混合物を回収する第二の分離方法は、
前記合流生成物を脱酸塔に供給して蒸留し、塔頂から反
応によって副生したHClを主成分とする留分を溜出さ
せ、塔底から、HFC−134aとHFC−125とを
含む脱酸塔塔底液を回収する方法である。この脱酸塔塔
底液を第一蒸留塔に供給して蒸留すれば、塔頂からHF
C−134aとHFC−125とに富む混合物を回収す
ることができる。
その少なくとも一部を、前記の第一反応器および第二反
応器にそれぞれ分別して供給することが好ましい。この
際、前記脱酸塔塔底液の少なくとも一部を、第一蒸留塔
の中段より上部に設けられた供給段に供給し、この供給
段より下段に設けられたサイドカット段から、前記中間
体に富む成分をガスとして溜出させて第二反応器に供給
し、かつTCE、PCEおよびHFに富む第一蒸留塔の
塔底液は、第一反応器に供給することが好ましい。
供給するTCEとPCEとの混合割合は、TCEが70
モル%以上とすることが好ましい。また、第一反応器と
第二反応器の反応圧力は、いずれも大気圧から0.6M
Paの範囲内とすることが好ましい。更に、第一蒸留塔
の塔内圧力は、大気圧から2MPaの範囲内とすること
が好ましい。
例により図面を用いて説明する。 (実施例1)図1は、本発明の好ましい一実施例を示し
ている。図1に示す製造工程は、概略、触媒が充填され
た気相反応装置である第一反応器1、触媒が充填された
気相反応装置である第二反応器2、第一蒸留塔3および
第二蒸留塔4から構成されている。
(12)とPCE(13)とがHF(11)と共に、ラ
イン14から第一反応器1に気相で導入される。第一反
応器1では、前記の式1、式3および/または式4に従
って、主として中間体のHCFC−133a、HCFC
−123および/またはHCFC−124と、反応副生
物であるHClとを含む第一生成物(15)が生成す
る。
明するように、第二反応器2において第一生成物の一部
とHFとを反応させて得られた、HFC−134aとH
FC−125とを含む第二生成物(17)と合流され、
HFC−134aとHFC−125とを含む合流生成物
(18)として次の分離工程に送られる。
流生成物(18)は、第一蒸留塔3の中段より上部の供
給段24に供給される。合流生成物(18)は、第一蒸
留塔3で蒸留され、塔頂からはHFC−134aと、H
FC−125と、HClとを含む第一塔頂留分(19)
が溜出する。
留塔4の中間段に供給され蒸留される。この第二蒸留塔
4の塔頂からは、HClを主成分とし少量のHFC−1
25を含む第二塔頂留分(21)が溜出され、塔底から
は、目的物であるHFC−134aとHFC−125と
に富む混合物(22)が回収される。
なくとも一部が、第一蒸留塔3の供給段24より下方に
設けられたサイドカット段25から、中間体に富むサイ
ドカット(16a)としてガス状で溜出される。このサ
イドカット(16a)は、供給源から供給されるHF
(11)と混合され、ライン16から第二反応器2に供
給される。第二反応器2では、前記の式2、式5および
/または式6に従う反応によって、主としてHFC−1
34a、HFC−125およびHClを含む第二生成物
(17)が生成する。
第一生成物(15)と合流され、合流生成物(18)と
して前記の分離工程に送られる。従って、この合流生成
物(18)は、主として第一反応器1からの中間体HC
FC−133a、HCFC−123および/またはHC
FC−124と、主として第二反応器からの目的物HF
C−134aおよびHFC−125と、副生物HCl
と、未反応原料HFとを含んだものとなっている。
サイドカット段25からは、中間体HCFC−133
a、HCFC−123および/またはHCFC−124
とHFとに富んだサイドカット(16a)が、ガスとし
て溜出する。サイドカット(16a)は、前記のよう
に、反応好適量の原料HF(11)が追加されてライン
16から第二反応器2に供給される。
TCE、PCEおよびHFに富んだ第一塔底液(20)
が得られる。この第一塔底液(20)は、反応好適量の
原料TCE(12)、PCE(13)およびHF(1
1)と合流されて、第一反応原料(14)として第一反
応器1に循環される。また、例えば図1のライン28で
示すように、第一塔底液(20)の組成によっては、そ
の一部を第二反応器2に供給してもよい。
反応器ごとに生成物の分離工程を設ける必要がなく、こ
れら反応器の生成物が一括して第一蒸留塔3で蒸留さ
れ、目的物であるHFC−134aとHFC−125と
を含む反応生成物が第一塔頂留分(19)として回収さ
れると共に、残分が、中間体に富むサイドカット(16
a)と未反応原料に富む第一塔底液(20)とに分離さ
れ、それぞれが第二反応器2および第一反応器1に循環
されるので、連続運転における工程条件が安定し、工程
管理が容易になり、設備が単純化され、またエネルギー
原単位も従来の製法に比して低くなる。
の大気圧下における沸点は以下のとうりである。 PCE 121.0℃ TCE 86.6℃ HCFC−123 27.1℃ HF 19.5℃ HCFC−133a 6.1℃ HCFC−124 −12.0℃ HFC−134a −26.5℃ HFC−125 −48.5℃ HCl −84.9℃
生成物(18)は、前掲物質の全てを含んでいる。従っ
て、この合流生成物(18)から、効率よく目的物であ
るHFC−134aとHFC−125とを分離すると共
に、残余の未反応物も分離して、中間体は第二反応器
に、原料のTCEとPCEは第一反応器に循環させる条
件が求められる。この際、HFは第一反応および第二反
応のいずれの原料ともなるので、双方に適宜配分して循
環されてもよい。
との間、HCFC−123とHFとの間、およびHCF
C−124とHFとの間に、それぞれ最低共沸関係が存
在することを利用して本発明に到達した。これらの最低
共沸混合物は、例えば圧力0.408MPaにおいて、
以下の混合比と共沸点とを有する。
段からこれら、最低共沸混合物(A)(B)(C)の気
相を取り出せば、この気相成分は、純度の高いHCFC
−133a、HCFC−123およびHCFC−124
とHFとの混合物であるから、第二反応原料として好適
に使用できるようになる。
部の供給段24にガスまたは液体またはガス/液混相と
して合流生成物(18)を供給して、条件を調節して蒸
留すれば、塔頂からは、沸点が十分に低いHFC−13
4a、HFC−125、およびHClに富む第一塔頂留
分(19)を溜出させ、供給段24より下段のサイドカ
ット段25からは、それぞれが第二反応器への供給原料
となる前記の(A)共沸混合物の気相成分、(B)共沸
混合物の気相成分および/または(C)共沸混合物の気
相成分を溜出させ、かつ塔底からは、第一反応器への供
給原料となるTCE、PCEおよびHFに富む第一塔底
液(20)を取り出すことができる。
例1の方法に従った運転例を示す。 (運転例1)第一反応器1には、HF(11)と[TC
E(12)+PCE(13)]とを、HF/[TCE+
PCE]のモル比を6として供給した。運転条件は、圧
力0.35MPa、温度300℃とした。第二反応器2
には、HF(11)と中間体[HCFC−133a+H
CFC−123+HCFC−124]とを、HF/中間
体のモル比を4として供給した。運転条件は、圧力0.
35MPa、温度320℃とした。
した。このときの各段部の温度は、 塔頂 約 0℃ サイドカット段 約46℃ 塔底 約89℃ であった。
/hr)としたときの、工程各ラインにおけるそれぞれ
の成分の流量および各成分の重量割合(重量%)を表1
に示す。
る。 第一塔頂留分(19)は、目的物であるHFC−13
4a、HFC−125とHClとを含んでいる。これを
第二蒸留塔で脱HClすることによって、目的物である
HFC−134aとHFC−125とを含み、HClを
含まない第二塔底液(22)が得られる。 第二塔頂留分(21)はHClが主成分であるが、共
沸分のHFC−125が含まれる。 サイドカット(16a)は、中間体のHCFC−13
3a、HCFC−123およびHCFC−124とHF
とからなり、第二反応器2の反応原料として好適に使用
できる。 第一塔底液(20)は、HFが主成分であり、中間体
成分をほとんど含まないので、第一反応器1の供給原料
として好適に循環できる。 以上のように、この実施例によれば、反応器2基、蒸
留塔2基を用いることで、効率よく、HFC−134a
とHFC−125とを同時に製造することができる。
物(A)、共沸混合物(B)および共沸混合物(C)の
気相成分を同一のサイドカット段25から溜出させるよ
うにしたが、蒸留塔内の気液平衡関係を安定させるため
に必要なら、サイドカット段を2段または3段に分けて
もよい。この場合も、それぞれのサイドカット段から溜
出したガス成分は、合流して第二反応器2に供給する。
生成物であるHFC−134aとHFC−125とHC
lとに富むものであり、これらは第二蒸留塔4で蒸留さ
れる。このとき、HFC−134aとHClとは共沸混
合物を形成しないが、HFC−125とHClとの間に
は最低共沸関係が存在する。この最低共沸混合物は、例
えば圧力0.615MPaにおいて、以下の混合比を有
する。 混合物 モル比 (D)HCl/HFC−125 98.8/1.2
て、この最低共沸混合物を塔頂から溜出させるようにす
れば、第二塔底液(22)にHClが含まれることはな
いが、塔頂留分(21)には少量のHFC−125が含
まれることになる。この塔頂留分(21)に含まれるH
FC−125は、図示しない精製工程においてHClか
ら分離され、回収される。
C−134a、HFC−125の他に、中間体および原
料HFを含んでいる。従って、例えば精製工程5におい
て、公知の分離技術によって、製品となるHFC−13
4aおよびHFC−125を回収すると共に、分離され
た中間体は、第二反応原料として循環し、分離された原
料HFは、第一反応および/または第二反応の原料とし
て循環することが好ましい。
供給するTCEとPCEとの混合割合は、TCEが70
モル%以上とすることが好ましい。これは、下記の式7
および式8からわかるように、PCEの反応(式8)の
場合に、TCEの反応(式7)の場合よりHClが1モ
ル多く副生することによる。 式7: CHCl=CCl2 + 4HF → CF3−CH2
F + 3HCl 式8: CCl2=CCl2 + 5HF → CF3−CH
F2 + 4HCl このため、原料組成中のPCE濃度が30モル%より高
くなると、副生HClが増えるために系の圧力が上昇
し、収率の低下、触媒寿命の低下などの原因となり、ま
た設備の耐圧性の観点からも好ましくない影響を及ぼす
可能性が生じるからである。
第二反応器の反応圧力は、いずれも大気圧から0.6M
Paの範囲内とすることが好ましい。大気圧より低い減
圧系にすることは実際上意味がなく、0.6MPaを越
えると、特にHFC−134aの収率が低下するので好
ましくない。従って、第一反応および第二反応は、実質
的に大気圧下に行うことが更に好ましい。
留塔の塔内圧力は、大気圧から2MPaの範囲内とする
ことが好ましい。大気圧より低くするためには減圧系の
設備が必要となり、2MPaを越えると、高圧系の設備
が必要となるので好ましくない。
例を示している。この実施例2に示す方法は、分離工程
のみが実施例1のそれと異なっている。従って、図2に
おいて、実施例1の場合と同様な機能を有する装置やラ
インは、同一符号を付してその説明を省略または簡略化
する。
同様な第一反応器1、第二反応器2、第一蒸留塔3、お
よび実施例1の第二蒸留塔4に代えて用いられる脱酸塔
6から構成されている。
(12)とPCE(13)とがHF(11)と共に、ラ
イン14から第一反応器1に導入され、主として中間体
のHCFC−133a、HCFC−123および/また
はHCFC−124と、反応副生物であるHClとを含
む第一生成物(15)が生成される。
分の一部とHFとが反応され、HFC−134aとHF
C−125とを含む第二生成物(17)が生成される。
そして前記の第一生成物(15)とこの第二生成物(1
7)とが合流されて、HFC−134aとHFC−12
5とを含む合流生成物(18)とされ、次の分離工程に
送られる。
流生成物(18)は、先ず脱酸塔6の中間段に供給され
蒸留される。このとき塔頂からは、反応副生物であるH
Clを主成分とし、このHClと共沸する少量のHFC
−125を含む脱酸塔塔頂留分(31)が溜出され、塔
底からは、中間体と、HFC−134aと、HFC−1
25とを含む脱酸塔塔底液(32)が取り出される。
中段より上部の供給段24に供給され、第一蒸留塔3で
蒸留されて、塔頂留分として、目的物であるHFC−1
34aとHFC−125とに富む混合物(33)が回収
される。
なくとも一部が、第一蒸留塔3のサイドカット段25か
ら、中間体に富むサイドカット(16a)としてガス状
で溜出され、供給源から供給されるHF(11)と共
に、ライン16から第二反応器2に供給される。この第
二反応器2では、主としてHFC−134a、HFC−
125およびHClを含む第二生成物(17)が生成
し、前記のように第一生成物(15)と合流され、合流
生成物(18)として脱酸塔6に供給される。
TCE、PCEおよびHFに富んだ第一塔底液(20)
が抜き出され、反応好適量の原料TCE(12)、PC
E(13)およびHF(11)と合流されて、第一反応
原料(14)として第一反応器1に循環される。
施例1の場合と同様に、連続運転における工程条件が安
定し、工程管理が容易になり、設備が単純化され、また
エネルギー原単位も従来の製法に比して低くなるばかり
でなく、分離工程の初期の段階において、他の成分と沸
点差が大きいHClが、脱酸塔6により除去されるの
で、第一蒸留塔3における蒸留条件の設定が容易とな
り、蒸留による分離効率を更に向上させることができ
る。
に示した第一反応器1、第二反応器2、および第一蒸留
塔3の運転条件は実施例1の運転条件と同様にして運転
実験を行った。合流生成物(18)の流量を100(k
g/hr)としたときの、各工程ラインにおけるそれぞ
れの成分の流量および各成分の重量割合(重量%)を表
2に示す。
る。 実施例2の方法では、目的物であるHFC−134a
とHFC−125とを、HClを含まない状態で第一塔
頂留分(33)として回収することができる。この第一
塔頂留分(33)はガスとして精製工程(5)に供給で
きるので取扱い上有利である。 脱酸塔塔頂留分(31)はHClが主成分であるが、
共沸分のHFC−125を含んでいる。 実施例2の方法によっても、反応器2基、蒸留塔2基
を用いることで、効率よく、HFC−134aとHFC
−125とを同時に製造することができる。
ハイドロフルオロカーボン類の製造方法は、請求項1に
おいて、第一反応器によって中間体を生成し、この中間
体の一部を第二反応器によってHFC−134aとHF
C−125とを含む第二生成物とし、双方の反応器から
得られる生成物を合流してHFC−134aとHFC−
125とを含む合流生成物を得るものであるので、反応
条件が異なるTCE,PCEとHFとの反応を同時に円
滑に進行させることができる。
塔に供給して蒸留し、塔頂からHFC−134aと、H
FC−125と、反応副生物であるHClとを含む第一
塔頂留分を溜出させるものであるので、目的物であるH
FC−134aとHFC−125との混合物が容易に得
られる。
少なくとも一部を、前記のそれぞれの反応器に分別して
供給すれば、蒸留工程が簡略化され、工程経費が大幅に
削減できるばかりでなく、工程ロスが軽減され、エネル
ギー原単位も節減できるなど、多くの利点がある。
塔に供給して蒸留し、塔底から、HClを含まず、HF
C−134aとHFC−125とを含む脱酸塔塔底液を
回収するものであるので、後工程における蒸留分離の効
率を更に向上させることができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 トリクロロエチレンとテトラクロロエチ
レンとをそれぞれHFと反応させて、1,1,1,2−
テトラフルオロエタンとペンタフルオロエタンとを製造
するに際して、 第一反応器で、トリクロロエチレンとテトラクロロエチ
レンとをそれぞれHFと反応させて、中間体である1,
1,1−トリフルオロ−2−クロロエタン、1,1−ジ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタンおよび/また
は1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン
に富む第一生成物を生成させ、 第二反応器で、この第一生成物の一部とHFとを反応さ
せて、1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペンタ
フルオロエタンとを含む第二生成物を生成させ、 これら双方の反応器から得られる生成物を合流して、
1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペンタフルオ
ロエタンとを含む合流生成物を得ることを特徴とするハ
イドロフルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項2】 前記合流生成物を第一蒸留塔に供給して
蒸留し、塔頂から1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ンと、ペンタフルオロエタンと、反応によって副生した
HClとを含む第一塔頂留分を溜出させることを特徴と
する請求項1に記載のハイドロフルオロカーボン類の製
造方法。 - 【請求項3】 前記第一塔頂留分を第二蒸留塔に供給し
て蒸留し、この第二蒸留塔の塔頂からHClを主成分と
する留分を溜出させ、塔底から1,1,1,2−テトラ
フルオロエタンとペンタフルオロエタンとに富む混合物
を回収することを特徴とする請求項2に記載のハイドロ
フルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項4】 前記第一蒸留塔の非塔頂留分の少なくと
も一部を、前記の第一反応器および第二反応器にそれぞ
れ分別して供給することを特徴とする請求項2に記載の
ハイドロフルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項5】 前記の合流生成物を第一蒸留塔の中段よ
り上部に設けられた供給段に供給し、この供給段より下
段に設けられたサイドカット段から、前記中間体に富む
成分をガスとして溜出させて第二反応器に供給し、かつ
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンおよびHF
に富む第一蒸留塔の塔底液を第一反応器に供給すること
を特徴とする請求項4に記載のハイドロフルオロカーボ
ン類の製造方法。 - 【請求項6】 前記合流生成物を脱酸塔に供給して蒸留
し、塔頂から反応によって副生したHClを主成分とす
る留分を溜出させ、塔底から、1,1,1,2−テトラ
フルオロエタンとペンタフルオロエタンとを含む脱酸塔
塔底液を回収することを特徴とする請求項1に記載のハ
イドロフルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項7】 前記脱酸塔塔底液を第一蒸留塔に供給し
て蒸留し、塔頂から1,1,1,2−テトラフルオロエ
タンとペンタフルオロエタンとを含む第一塔頂留分を溜
出させることを特徴とする請求項6に記載のハイドロフ
ルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項8】 前記第一蒸留塔の非塔頂留分の少なくと
も一部を、前記の第一反応器および第二反応器にそれぞ
れ分別して供給することを特徴とする請求項7に記載の
ハイドロフルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項9】 前記脱酸塔塔底液の少なくとも一部を、
第一蒸留塔の中段より上部に設けられた供給段に供給
し、この供給段より下段に設けられたサイドカット段か
ら、前記中間体に富む成分をガスとして溜出させて第二
反応器に供給し、かつトリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレンおよびHFに富む第一蒸留塔の塔底液を第一
反応器に供給することを特徴とする請求項8に記載のハ
イドロフルオロカーボン類の製造方法。 - 【請求項10】 第一反応器に供給するトリクロロエチ
レンとテトラクロロエチレンとの混合割合を、トリクロ
ロエチレンが70モル%以上とすることを特徴とする請
求項1に記載のハイドロフルオロカーボン類の製造方
法。 - 【請求項11】 第一反応器と第二反応器の反応圧力
を、いずれも大気圧から0.6MPaの範囲内とするこ
とを特徴とする請求項1に記載のハイドロフルオロカー
ボン類の製造方法。 - 【請求項12】 第一蒸留塔の塔内圧力を大気圧から2
MPaの範囲内とすることを特徴とする請求項2または
請求項7に記載のハイドロフルオロカーボン類の製造方
法。
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JP16350996A JP3816148B2 (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | ハイドロフルオロカーボン類の製造方法 |
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JPH107603A true JPH107603A (ja) | 1998-01-13 |
JP3816148B2 JP3816148B2 (ja) | 2006-08-30 |
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JP16350996A Expired - Lifetime JP3816148B2 (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | ハイドロフルオロカーボン類の製造方法 |
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JP (1) | JP3816148B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003004445A3 (en) * | 2001-07-06 | 2003-08-28 | Showa Denko Kk | Method for purifying tetrachloroethylene and process for producing hydrofluorocarbons |
JP2003286207A (ja) * | 2002-03-26 | 2003-10-10 | Showa Denko Kk | ハイドロフルオロカーボンの製造方法 |
JP2003313146A (ja) * | 2002-04-19 | 2003-11-06 | Showa Denko Kk | ハイドロフルオロカーボンの製造方法 |
CN100338001C (zh) * | 2004-11-17 | 2007-09-19 | 浙江莹光化工有限公司 | 一种同时制备1,1,1,2-四氟乙烷和五氟乙烷的方法 |
-
1996
- 1996-06-24 JP JP16350996A patent/JP3816148B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003004445A3 (en) * | 2001-07-06 | 2003-08-28 | Showa Denko Kk | Method for purifying tetrachloroethylene and process for producing hydrofluorocarbons |
CN1315765C (zh) * | 2001-07-06 | 2007-05-16 | 昭和电工株式会社 | 纯化四氯乙烯的方法和生产氢氟烃的方法 |
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CN100338001C (zh) * | 2004-11-17 | 2007-09-19 | 浙江莹光化工有限公司 | 一种同时制备1,1,1,2-四氟乙烷和五氟乙烷的方法 |
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