JPH1075817A - 化粧料の交換用中皿の収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 交換用中皿のための収納容器をＰＥＴ樹
脂を用いて製造するに適した構造とし、中皿を支障なく
挿着可能にして、再生ＰＥＴ樹脂を利用可能とするに好
適なる構造の収納容器を提供せんとするものである。 【解決手段】 化粧料を充填した交換用中皿を収納する
ための薄い合成樹脂製の収納容器であって、中皿を収納
する凹所を形成する側壁の内周面底部に沿って凹溝を環
状に凹設し、該側壁の対向する部分に中皿を取り出すた
めの切欠部を切り欠いで形成し、該切欠部の底部にブリ
ッジ状の連結壁を突設したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】この発明は、固形ファンデーショ
ン等の化粧料を充填した交換用中皿を収納する収納容器
の新規な構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、固形ファンデーション等の化粧料
を収納した中皿を交換自在としたコンパクト容器は公知
であり、かかるコンパクト容器のための交換用中皿は、
通常透明な合成樹脂製の収納容器に収納し、需用者に提
供されている。従来公知の交換用中皿の収納容器は、中
皿を取り出した後は廃棄処分されるため、簡単な構造を
有し安価な材料と製造コストで製造されており、一般的
にはスチロール樹脂などが用いられている。

【０００３】近年、ごみとして排出される合成樹脂の処
理が環境上の観点から大きな問題となってきており、樹
脂材料を再生して再使用することが強く要望されるよう
になっている。そこで、本発明者等は、飲料水等の容器
として多用され、比較的再生処理がすすんでいるポリエ
チレンテレフタレート（ＰＥＴ）樹脂を用いて交換用中
皿の収納容器を製造することを試みた。しかしながら、
ＰＥＴ樹脂を用いて真空成型法で収納容器を成形する
と、容器の角部が型どうりの形状に形成されず、大きな
アール形状となってしまうため、中皿を収納することが
出来ない問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、交換用中
皿のための収納容器をＰＥＴ樹脂を用いて製造するに適
した構造とし、中皿を支障なく挿着可能にして、再生Ｐ
ＥＴ樹脂を利用可能とするに好適なる構造の収納容器を
提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明が採った手段は、化粧料を充填した交換用中
皿を収納するための薄い合成樹脂製の収納容器であっ
て、中皿を収納する凹所を形成する側壁の内周面底部に
沿って凹溝を環状に凹設し、該側壁の対向する部分に中
皿を取り出すための切欠部を切り欠いで形成し、該切欠
部の底部にブリッジ状の連結壁を突設したことを特徴と
する。

【０００６】又、収納容器を、リサイクルされた再生Ｐ
ＥＴ樹脂で成形したことを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施の形態
を、以下に詳細に説明する。図において(１)は、この発
明にかかる収納容器であって、容器本体(２)と蓋体(３)
とからなり、両者は一側において折り曲げ自在なヒンジ
部(４)で一体に連結されている。容器本体(２)、蓋体
(３)並びにヒンジ部(４)は、透明で薄いＰＥＴ樹脂好ま
しくは再生ＰＥＴ樹脂で一体に真空成形される。図２に
示すように、容器本体(２)には化粧料を充填した交換用
中皿(５)を嵌合して収納するための凹所(６)が側壁(７)
で作出されており、蓋体(３)は該容器本体(２)の凹所を
構成する側壁(７)の外面に嵌合する皿形状を有する。

【０００８】側壁(７)の対向する壁部の一部は、嵌合し
た中皿を取り出すために切り欠がれて切欠部(８)に形成
される。そして、この切欠部(８)の底部には、底面から
若干立ち上がった連結壁(９)が形成され、切欠部(８)を
区画する対向した壁面をブリッジ状に連結している。こ
のブリッジ状の連結壁(９)により、容器本体(２)が、切
欠部(８)の位置で容易に湾曲したり、屈曲するのを抑制
出来るため、嵌合した蓋体(３)を開放するときの力で中
皿(５)が容器本体(２)から飛び出すのを防止することが
出来る。

【０００９】側壁(７)の内周面に沿って凹所(６)の底面
より若干低く形成された凹溝(10)が環状に形成される。
該凹溝(10)は、図７に示すように中皿(５)の底面周縁の
角部に対する逃げ空間を構成しており、中皿(５)を凹所
(６)内に支障なく嵌合して収納することを可能としてい
る。ＰＥＴ樹脂は、真空成形したとき成型用金型道理に
は成形することが出来ず、角(11)のアールが大きくなっ
てしまうため、図８に示すように、中皿の底面周縁の角
部がぶつかってしまい、凹所(６)内に中皿(５)を嵌合す
ることが出来ないという問題が生じていた。本発明は、
凹溝(10)により逃げ空間を形成して、角(11)のアールが
大きくなっても、中皿の角部がぶつからないようにし
て、中皿の嵌合を支障なく行い得るようにしたことを特
徴とする。

【００１０】ところで、このように逃げ空間となる凹溝
を側壁の内底部に沿って形成すると、容器本体(２)は対
向する切欠部(８)の位置で撓みやすくなる。このため、
互いに嵌合した容器本体(２)から蓋体(３)を開放すると
き、容器本体と蓋体とを互いに反対方向に引き剥がすよ
うに力を加えるが、この力により、容器本体が撓んで図
１０に示すように湾曲する。かかる湾曲により、収納さ
れた中皿が外方に押し出されて凹所から脱落し、充填さ
れた化粧料が割れたり、クラックが入ったりするおそれ
があった。本発明は、切欠部(８)の底部に形成したブリ
ッジ状の連結壁(９)により、容器本体(２)の撓みを抑制
し、中皿の飛び出しを防止するようにしたことを特徴と
する。

【００１１】

【発明の効果】この発明によれば、交換用中皿を収納す
る収納容器を、ＰＥＴ樹脂を用いて成形するに適した構
造としてあるので、リサイクルされた再生ＰＥＴ樹脂を
再使用することが出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる収納容器の外観斜視図

【図２】同開蓋状態の外観斜視図

【図３】同開蓋状態の平面図

【図４】同開蓋状態の正面図

【図５】図３Ａ−Ａ’線に沿った断面図

【図６】図３Ｂ−Ｂ’線に沿った断面図

【図７】この発明の凹溝の作用を示す断面図

【図８】凹溝がない場合の中皿の挿入を示す断面図

【図９】ブリッジ状連結壁の作用を示す正面図

【図１０】連結壁がない場合の容器本体の撓みを示す正
面図

【符号の説明】

(１)収納容器 (２)容器本体 (３)蓋体 (４)ヒンジ部 (５)中皿 (６)凹所 (７)側壁 (８)切欠部 (９)連結壁 (10)凹溝 (11)角

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村中 義生 大阪府八尾市東本町５丁目１番31号 ヤマ トエスロン株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料を充填した交換用中皿を収納するた
   めの薄い合成樹脂製の収納容器であって、中皿を収納す
   る凹所を形成する側壁の内周面底部に沿って凹溝を環状
   に凹設し、該側壁の対向する部分に中皿を取り出すため
   の切欠部を切り欠いで形成し、該切欠部の底部にブリッ
   ジ状の連結壁を突設したことを特徴とする化粧料の交換
   用中皿の収納容器。
2. 【請求項２】収納容器を、リサイクルされた再生ＰＥＴ
   樹脂で成形したことを特徴とする請求項１記載の収納容
   器。