JPH10744A - 剥離フィルムの製造方法 - Google Patents

剥離フィルムの製造方法

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JPH10744A
JPH10744A JP15581396A JP15581396A JPH10744A JP H10744 A JPH10744 A JP H10744A JP 15581396 A JP15581396 A JP 15581396A JP 15581396 A JP15581396 A JP 15581396A JP H10744 A JPH10744 A JP H10744A
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JP
Japan
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film
acid
polyolefin
layer
antistatic
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JP15581396A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Tanaka
慎介 田中
Kiyonori Kawamura
潔則 河村
Kenji Shimizu
謙治 清水
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電防止機能が付与されかつ、シリコーン樹脂
の硬化体よりなる剥離層を有し、該剥離層からのシリコ
ーンの背面転写がなく、ラベルを積層した際の、該ラベ
ルの印刷適性に優れた剥離フィルムを提供する。 【解決手段】ポリオレフィンフィルムの片面に多価アル
コールの脂肪酸エステルよりなる帯電防止剤を含有する
ポリオレフィン系樹脂よりなる帯電防止層を形成せし
め、該層の反対面にコロナ処理を施したうえ、無用剤型
シリコーン樹脂塗布し、加熱、硬化することにより剥離
フィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンフ
ィルムよりなる剥離フィルムの新規な製造方法に関す
る。詳しくは、剥離層を構成するシリコーン樹脂による
後工程での影響、特に、該剥離層にラベル用フィルムを
粘着層を介して積層後の印刷工程で該ラベル用フィルム
への印刷時、印刷トビの発生を極めて効果的に防止する
ことができる剥離フィルムの製造方法である。
【0002】
【従来の技術】剥離フィルムは、粘着テープ、タックラ
ベル等(以下、ラベルという)の粘着層と張り合わさ
れ、該粘着層を保護するものである。上記剥離フィルム
は、基材となるフィルムの片面にシリコーン樹脂よりな
る剥離層を形成したものが一般的である。
【0003】近年、剥離フィルムの軽量化、耐水性の付
与等を目的として、上記基材フィルムとして、ポリオレ
フィンフィルムの使用が試みられている。
【0004】一方、剥離フィルムにラベルを保持した製
品の製造方法は、基材フィルムの片面に剥離層を形成す
る剥離フィルム製造工程、該剥離フィルムの剥離層に粘
着層を介してラベル用フィルムを積層するラベル積層工
程、および積層されたラベルの表面に印刷処理を施す印
刷工程よりなる。これらの工程を工業的に実施する場
合、基材フィルムとして連続フィルムを使用するため、
各工程間のフィルムの移動は、一旦ロールに巻き取って
行われ、次工程で該ロールからフィルムを引き出してそ
れぞれの処理が行われる。
【0005】具体的には、剥離フィルム製造工程では、
基材フィルムのロールより基材フィルムを引き出し、片
面に剥離層を形成した後、ロールに巻き取り、該ロール
を次のラベル積層工程に移し、該ロールより、剥離フィ
ルムを引き出し、その剥離層に粘着層を介してラベル用
フィルムを積層した後、再度ロールに巻き取り、更に、
該ロールを次の印刷工程に移し、該ロールより、ラベル
用フィルムを積層した剥離フィルムを引き出し、該ラベ
ルの表面に印刷処理を施すことが行われている。
【0006】従来、上記剥離フィルムの製造において、
剥離層は、ポリメチルハイドロジェンシロキサンを芳香
族溶剤や脂肪族溶剤もしくはその混合物に溶解した溶液
とビニル基を有するポリジメチルシロキサンを芳香族溶
剤や脂肪族溶剤もしくはその混合物に溶解した溶液との
混合物を用い白金を主成分とする触媒を添加し該混合物
の溶液よりなる溶剤型シリコーン樹脂を、基材上に必要
に応じた厚みにて塗工し加熱することで付加重合せしめ
て形成されていた。
【0007】また、基材のポリオレフィンフィルムは、
帯電し易く、帯電によるフィルム同士のブロッキング、
ゴミの付着による印刷不良、金属との摩擦によるスベリ
不良等の問題を有するため、かかる帯電を防止する目的
で、上記剥離層が形成される面の反対面に帯電防止剤を
含有した帯電防止層が形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように、帯電防止層を形成したポリオレフィンフィル
ムをロールに巻き取ったロールを引き出し、シリコーン
樹脂を塗布、硬化させて剥離層を形成した場合、該シリ
コーン樹脂の硬化が十分でないという現象が生じる。
【0009】そのため、剥離フィルムをロールに巻き取
った際に、剥離層の裏面にシリコーン樹脂が転写され、
次の工程でこれにラベルを積層しロールに巻き取ったと
き、該ラベル表面に上記シリコーン樹脂が更に転写され
る結果、印刷工程において、該シリコーン樹脂による印
刷トビが発生するという問題を有していた。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、帯電防止層を形成
したポリオレフィンフィルムをロールに巻き取った状態
で、帯電防止剤が帯電防止層の反対面のポリオレフィン
フィルム表面に転写され、該帯電防止剤がシリコーン樹
脂の硬化を阻害することによるとの知見を得た。
【0011】そして、更に研究を重ねた結果、帯電防止
層として特定の帯電防止剤を使用し、且つシリコーン樹
脂として無溶剤型シリコーン樹脂を使用して製造された
剥離フィルムは、帯電防止剤による硬化の阻害を極めて
受け難く、シリコーン樹脂が十分に硬化した剥離層が形
成できること、そして、その後、ロールに巻き取り、ロ
ールからの取り出し処理を繰り返して処理工程を重ねて
も、シリコーン樹脂の他面への転写が、殆ど無く、特
に、ラベルへの印刷時の印刷トビも効果的に防止し得る
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、多価アルコールの脂肪酸
エステルよりなる帯電防止剤を含有するポリオレフィン
系樹脂よりなる帯電防止層を片面に有するポリオレフィ
ンフィルムの該帯電防止層の反対面に無溶剤型シリコー
ン樹脂を塗付し、硬化せしめて剥離層を形成することを
特徴とする剥離フィルムの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、基材を構成する
ポリオレフィンフィルムは、特に帯電性が問題となるポ
リオレフィン系樹脂よりなる。代表的なポリオレフィン
系樹脂を例示すれば、α−オレフィンの単独重合体、ま
たは、2種類以上のαーオレフィンのランダム共重合体
やブロック重合体が挙げられる。該α−オレフィンを具
体的に例示すると、エチレン、プロピレン,1−ブテ
ン,1−ペンテン、1ーヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1ーノネン、1−デセン、1−ドデセン、3
−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が
挙げられこれらの重合体は融点を持つ結晶性重合体であ
ることが好ましい。
【0014】なかでもフィルムの弾性率を保持するた
め、即ち、フィルムにコシを与えるという観点からプロ
ピレンの重合体単位を80モル(mol)%以上含む、
結晶性のプロピレン系重合体が好適に用いられる。もち
ろん、これらα−オレフィンからなるポリオレフィン系
樹脂は、上記単独重合体、ランダム共重合体、ブロック
共重合体をそれぞれブレンドして用いることもできる。
【0015】上記ポリオレフィン系樹脂のメルトフロ−
レート(MFR)は、特に制限されるものではないが、
例えば結晶性ポリプロピレン樹脂のMFRは50以下で
あることが好ましく、20以下であることが更に好まし
い。MFRが50を越えるとフィルム製膜時にネックイ
ンが大きくなる等の成形トラブルが発生したり、さらに
は成形されたフィルムの物性も低下する傾向があり好ま
しくない。
【0016】また、上記ポリオレフィンフィルムは、無
延伸もしくは一軸以上に延伸されていても差し支えな
い。また、該ポリオレフィンフィルムは、2層以上のフ
ィルムを積層して構成されていても良い。この場合、各
層は、それぞれの層を構成するポリプロピレン系樹脂が
同一でも良いし、異なる性状の結晶性ポリプロピレン系
樹脂であっても良い。また、ポリプロピレン系樹脂が同
一の場合、添加剤の量あるいは種類、処理の有無によっ
て層構成を替えた態様も含まれる。
【0017】上記ポリオレフィンフィルムの厚みは特に
制限されないが、一般に、1〜274μm、好ましくは
10〜200μmである。
【0018】上記のポリプロピレンフィルムの製造方法
は、公知の方法が制限なく採用される。例えば、ポリオ
レフィン系樹脂として結晶性ポリプロピレン樹脂を用い
た無延伸フィルムの製造方法を例示して説明すると、押
出機、Tダイ、冷却装置、引き取り機、および巻取り機
から構成された加工装置を使用し、結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、Tダイから
冷却装置上に押し出し、冷却固化することによりポリプ
ロピレン無延伸フィルムが成形され、これを巻取り機に
より巻き取ることによって、一般に製造される。
【0019】また、延伸フィルムの製造方法を具体的に
説明する。延伸倍率は特に制限されるものではないが、
一般的には一軸延伸の場合1.1倍〜10倍の縦延伸倍
率が採用される。また二軸延伸フィルムの場合は4.0
〜10倍の範囲で縦延伸した後に、テンター内で4〜1
5倍横延伸が採用される。
【0020】ポリオレフィンとして結晶性ポリプロピレ
ン樹脂を用いた場合の二軸延伸フィルムの製造方法は、
公知の方法を何等制限なく採用することができる。例え
ば、テンター法による逐次二軸延伸法によって延伸フィ
ルムを製造する方法を示すと、結晶性ポリプロピレン樹
脂をTダイ法、インフレーション法等でシートあるいは
フィルムを成形した後、縦延伸装置に供給し、加熱ロー
ル温度120〜170℃で4〜10倍縦延伸し、つづい
てテンターでテンター温度130〜180℃で4〜15
倍横延伸する方法であり、さらに、必要に応じて横方向
に0〜25%の緩和を許しながら80〜180℃で熱処
理する方法を挙げることができる。もちろん、これらの
延伸の後に再び延伸してもよく、また縦延伸において多
段延伸、圧延等の延伸法を組み合わせることができる。
また、一軸のみの延伸によっても延伸フィルムとするこ
とができる。この際の延伸倍率は1.1〜10倍の範囲
で延伸するのが一般的である。
【0021】本発明において、上述したポリオレフィン
フィルムの片面には、多価アルコールの脂肪酸エステル
よりなる帯電防止剤を含有するポリオレフィン系樹脂よ
りなる帯電防止層が形成される。
【0022】上記帯電防止層を構成するポリオレフィン
系樹脂の材質は、前記した種類のものが特に制限なく使
用される。
【0023】また、上記多価アルコールの脂肪酸エステ
ルの原料となる多価アルコールは、脂肪族炭化水素に水
酸基が2個以上結合したものが一般に使用され、この場
合、該脂肪族炭化水素は直鎖状、分岐状、または、環状
で構成されていてもよく、また、構成する炭素−炭素結
合の間を異種原子によって橋架けされていても差し支え
ない。上記多価アルコール化合物としては、グリセリ
ン、ソルビタン、これらの誘導体などが代表的である。
【0024】また、多価アルコールの脂肪酸エステルの
原料となる脂肪酸としては、公知の脂肪酸が特に制限な
く使用される。一般には、アルキル脂肪酸またはアルキ
ル脂肪酸クロライドが使用される。かかるアルキル脂肪
酸のアルキル基は、炭素数が1以上30以下でありそれ
ぞれの炭素は、直鎖状に繋がっていてもよいし分岐を含
んでいても良い。さらに該炭素鎖には部分的に不飽和結
合を含む場合もあるが、本発明の効果を阻害しない限
り、制限無く用いることができる。アルキル脂肪酸を具
体的に例示すれば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレロ
酸、ピバリン酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、ヘ
プタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウ
ンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン
酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、
ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン
酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、モロクチン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、
エイコサペンタエン酸、ベヘニン酸、エルシン酸、ドコ
サペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン
酸、セラコレン酸等のアルキル脂肪酸もしくは、該アル
キル脂肪酸クロライドが挙げられる。
【0025】そして、多価アルコールの脂肪酸エステル
は、上記の多価アルコールと脂肪酸エステルとを反応せ
しめて得ることができる。
【0026】本発明において、好適な多価アルコールの
脂肪酸エステルを例示すれば、ラウリル酸モノグリセリ
ド、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリ
セリド、ミリスチン酸モノグリセリド、パルミチン酸モ
ノグリセリド、アラキジン酸モノグリセリド、リノール
酸モノグリセリド、ソルビタンモノラウリル酸エステ
ル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタン
モノオレイン酸エステル、ソルビタンモノミリスチン酸
エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソル
ビタンモノアラキジン酸エステル、ソルビタンモノリノ
ール酸エステル等が挙げられる。
【0027】尚、多価アルコールの脂肪酸エステルより
なる帯電防止剤には、製造工程上、生成或いは添加され
る、多価アルコールのジエステルや、分散剤、ブリード
促進剤を含む場合があるが、本発明の効果を阻害しない
限り、かかる成分が存在していても差し支えない。ま
た、上記の帯電防止剤は天然物に由来する原料を用いる
場合もあるが原料の由来に制限されるものではない。
【0028】また、本発明において、ポリオレフィンフ
ィルムの片面に帯電防止層を形成する方法は、公知の方
法を制限なく用いることができる。その具体例として
は、マルチマニホールド法、やフィ−ドブロック法によ
る共押出法、インラインラミネート法、ドライレミネー
ト法が掲げられる。即ち、帯電防止剤を含有するポリオ
レフィン系樹脂を上記方法により、ポリオレフィンフィ
ルムに積層すればよい。
【0029】本発明において、帯電防止層を構成するポ
リオレフィン系樹脂中の多価アルコールの脂肪酸エステ
ルよりなる帯電防止剤の含有割合は特に制限されない
が、一般には、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、0.01〜1.0重量部であり、好ましくは、
0.1〜0.8重量部、更に好ましくは0.2〜0.6
重量部である。該帯電防止剤の割合がが0.01重量部
未満の場合は、帯電防止機能は発現しない。また1.0
重量部より多く含まれる場合は、それ以上の帯電防止機
能の発現は期待できずコスト的にも意味がない。さらに
は、一度フィルムからブリードアウトした多価アルコー
ルの脂肪酸エステルがフィルム表面で凝集を起こし、帯
電防止機能を損なうような場合も想定され好ましくな
い。本発明において、帯電防止層が存在する反対面のポ
リオレフィンフィルムの表面には、必要に応じてコロナ
放電処理を施すことができる。この際、該コロナ放電処
理によってこの表面は濡れ性が向上し、後の工程を有利
にさせる場合がある。従って、コロナ放電処理された表
面は濡れ指数が、31mN/m〜54mN/mの範囲と
なる。
【0030】上記帯電防止層の厚みは、前記ポリオレフ
ィンフィルムの厚みによって最適な厚みが異なるため一
概に限定されるものではないが、一般には、該ポリオレ
フィンフィルムの厚みの1/2以下であり、好ましくは
1/3以下、更に好ましくは1/5以下である。
【0031】上記帯電防止層を片面に有するポリオレフ
ィンフィルムは、ロールに巻いて次の剥離層を形成する
工程に送られ、該工程において、該ロールよりフィルム
を取り出し、該帯電防止層が存在する面の反対面にシリ
コーン樹脂よりなる剥離層が形成される。
【0032】本発明の剥離フィルム製造方法の他の特徴
は、上記シリコーン樹脂として、無溶剤型シリコーン樹
脂の硬化体よりなる剥離層を形成することにある。即
ち、本発明においては、帯電防止剤として多価アルコー
ルの脂肪酸エステルを使用し、且つ剥離層を無溶剤型の
シリコーン樹脂を硬化させて形成することによって、該
剥離層のシリコーン樹脂の硬化が、帯電防止剤の影響を
受けず、極めて高率で行われるため、印刷工程に至るま
での未硬化のシリコーン樹脂の転写が防止でき、該工程
での印刷時にラベルへの印刷性が極めて良好となるとい
う効果を発揮する。これに対して、剥離層の形成に、芳
香族溶剤もしくは脂肪族溶剤またはこれらの混合物の希
釈されたシリコーン薬剤を用いた場合には、剥離処理を
施したフィルムを重ね合わせたりロールとして保存する
際、剥離処理を施した面の裏面にシリコ−ンが転写して
後の工程、特に印刷工程において印刷インキとびが発生
する。
【0033】本発明において、無溶剤型シリコーン樹脂
は公知ものが制限なく使用される。上記無溶媒型シリコ
ーン樹脂の代表的なものを具体的に例示すれば、両末
端、或いは、両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直鎖
状メチルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェン
ポリシロキサンの混合物に白金触媒を添加した該組成
物、両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直鎖状メチル
ビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロ
キサンの混合物に白金触媒を添加した該組成物等が挙げ
られる。
【0034】上記無溶剤型シリコーン樹脂のポリオレフ
ィンフィルムへの塗布方法は、公知の方法がなんら制限
なく採用される。例えば、刷毛塗り法、流延塗布法、メ
イヤーバー法、ダイレクトグラビヤ法、リバースグラビ
ヤ法、エアナイフコ−ト法、オフセットグラビヤ法、3
本ロールコーター法、4本ロールコーター法、5本ロー
ルコーター法、ドクターブレード法、コンマコーター法
などが採用される。
【0035】また、無溶剤型シリコーン樹脂の硬化は、
熱により重合せしめる方法が一般的である。
【0036】本発明において、剥離層の厚みは特に制限
されないが、一般には、ポリオレフィンフィルム1m2
あたり、0.05g〜5.0g(dry)好ましくは
0.1g〜3.0g(dry)の厚みである。
【0037】上記の方法により、多価アルコールの脂肪
酸エステルよりなる帯電防止剤を含有するポリオレフィ
ンより構成される帯電防止層を片面に有し、該帯電防止
層の反対面に無溶剤型シリコーン樹脂の硬化体よりなる
剥離層が形成されたポリオレフィンフィルムよりなる剥
離フィルムが得られる。
【0038】本発明において剥離フィルムを構成するポ
リオレフィンフィルム、帯電防止層には、本発明の効果
を阻害しない限りの量の添加剤、例えば、滑剤、熱安定
剤、光安定剤、塩素捕捉剤、染料、顔料、無機フィラ
ー、アンチブロッキング剤、目ヤニ防止剤、等が添加さ
れていても差し支えない。
【0039】本発明の方法によってえられた剥離フィル
ムには、ロールに巻き取った後、該ロールを次のラベル
積層工程に移し、該ロールより、剥離フィルムを引き出
し、その剥離層に粘着層を介してラベル用フィルムを積
層した後、再度ロールに巻き取り、更に、該ロールを次
の印刷工程に移し、該ロールより、ラベル用フィルムを
積層した剥離フィルムを引き出し、該ラベルの表面に印
刷処理を施すという公知の操作を特に制限なく行うこと
ができる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の方法によってえられる剥離フィルムは、帯電防止機
能が付与され、帯電によるフィルム同士のブロッキン
グ、ゴミの付着による印刷不良、金属との摩擦によって
生じるスベリ不良等が改善され、かつ、剥離層を形成す
るシリコーン樹脂の硬化が極めて十分行われるため、剥
離フィルムをロールに巻き取って保存する場合のよう
に、剥離層と帯電防止層とが接する状態となっても、該
帯電防止層に剥離層からのシリコーンの転写がなく、後
の工程で該転写したシリコーンが更に転写されて、ラベ
ル印刷工程においてインクはじきによる印刷トビ等が発
生するという問題を極めて効果的に防止することができ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0042】(物性の評価) 〈剥離強度〉JIS K 6854に準じて剥離処理
後、40℃24時間エージングした後、測定した。
【0043】〈シリコンの背面転写〉剥離処理を施した
フィルムの剥離処理面に予めメタノールで洗浄し清浄化
したポリエチレンテレフタレートフィルムを乗せ室温に
て100Kg/cm2プレスし30分置き、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上の油性マジックインキのか
すれを見た。マジックインキのかすれが有るものをシリ
コンの裏面転写有りとし、評価した。
【0044】〈帯電防止性能(表面固有抵抗)〉JIS
K 6911に準じてフィルム製膜後、40℃24時
間エージングした後、測定した。
【0045】実施例1 (原料樹脂の調整)メルトフローレート7.0の結晶性
ホモポリプロピレン100重量部に対して、酸化防止剤
として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを
0.1重量部、塩素捕捉剤としてステアリン酸カルシウ
ムを0.1重量部を加えた樹脂組成物をヘンシェルミキ
サーにて5分間撹拌混合した後、60mmφ押出造粒機
を用い230℃にて造粒し、原料ペレットAとした。
【0046】メルトフローレート7.0の結晶性ホモポ
リプロピレン100重量部に対して、酸化防止剤として
2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを0.1重
量部、塩素捕捉剤としてステアリン酸カルシウムを0.
1重量部、帯電防止剤としてラウリル酸モノグリセリド
を0.2重量部を加えた樹脂組成物をヘンシェルミキサ
ーにて5分間撹拌混合した後、60mmφ押出造粒機を
用い230℃にて造粒し、原料ペレットBとした。
【0047】(フィルムの作成)得られた結晶性ホモポ
リプロピレン樹脂組成物ペレットを用いて以下の方法で
フィルムを作成した。
【0048】スクリュー径75mmφの中心層用押出機
及びスクリュー径50mmφの表層用副押出機2台から
なり、マルチマニホールド方式のTダイを有する3種3
層共押出装置を用いてキャストフィルムを作成した。
【0049】即ち、中心層用主押出機にペレットAを表
層用押出機の1つにはペレットAをもう一台の表層用押
出機にペレットBを供給し、樹脂温度230℃で押出2
5℃の冷却ロールを通してA/A/B構成でそれぞれの
厚みがA層36μm、B層及びC層がそれぞれ12μm
の3種3層共押出フィルムを得た。
【0050】引き続き表層A側の表面濡れ指数が42m
N/mとなるようにコロナ放電処理を施してキャストフ
ィルムを得た。
【0051】該フィルムをロールに巻き取り、40℃
で、24時間エージングした後、フィルムのB層側の帯
電防止性を測定した。
【0052】(剥離処理)上記ロールに巻き取られたキ
ャストフィルムのコロナ処理面に無溶剤型シリコーン樹
脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製LTC10
53L100重量部にLTC1100MCATを10重量
部を配合した溶液)を明製作所製印刷適性試験機RI−
1を用いて塗工し、イナートオーブン中で120℃、6
0秒の条件にて硬化させた。この剥離性を付与したキャ
ストフィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
【0053】実施例2〜9 表1に示した帯電防止剤と配合量にてペレットBを作成
し、用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果を
表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】実施例10〜14 表2に示した帯電防止剤と配合量にてペレットBを作成
し、用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果を
表2に示した。
【0056】比較例1〜5 表2に示した帯電防止剤と配合量にてペレットBを作成
し、用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果を
表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】比較例6〜9 表3に示した帯電防止剤と配合量にてペレットBを作成
し、実施例1に示した方法でキャストフィルムを作成
し、実施例と同様にして、ロールに巻き取り、エー人具
処理、コロナ放電処理を施した後、得られたキャストフ
ィルムのコロナ処理面に溶剤型シリコーン樹脂(東レ・
ダウコーニング・シリコーン社製LTC760A、10
0重量部、SRX212CAT、0.9重量部、SD72
00、0.1重量部をトルエン500mlに溶解した溶
液)をメイヤーバー5番を用いて塗布した。塗布したフ
ィルムをイナートオブンを用いて、120℃、90秒に
て硬化させた。この剥離性を付与したフィルムの物性を
評価した結果を表3に示した。
【0059】
【表3】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】また、多価アルコールの脂肪酸エステルの
原料となる脂肪酸としては、公知の脂肪酸が特に制限な
く使用される。一般には、脂肪酸または脂肪酸クロライ
ドが使用される。かかる脂肪酸のアルキル基は、炭素数
が1以上30以下でありそれぞれの炭素は、直鎖状に繋
がっていてもよいし分岐を含んでいても良い。さらに該
炭素鎖には部分的に不飽和結合を含む場合もあるが、本
発明の効果を阻害しない限り、制限無く用いることがで
きる。脂肪酸を具体的に例示すれば、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、バレロ酸、ピバリン酸、吉草酸、イソ吉草
酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ジン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、モロクチン酸、エイコセン酸、
アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘニン酸、エ
ルシン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、
リグノセリン酸、セラコレン酸等の脂肪酸もしくは、
肪酸クロライドが挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】また、本発明において、ポリオレフィンフ
ィルムの片面に帯電防止層を形成する方法は、公知の方
法を制限なく用いることができる。その具体例として
は、マルチマニホールド法、やフィ−ドブロック法によ
る共押出法、インラインラミネート法、ドライラミネー
ト法が掲げられる。即ち、帯電防止剤を含有するポリオ
レフィン系樹脂を上記方法により、ポリオレフィンフィ
ルムに積層すればよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】本発明において、帯電防止層を構成するポ
リオレフィン系樹脂中の多価アルコールの脂肪酸エステ
ルよりなる帯電防止剤の含有割合は特に制限されない
が、一般には、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、0.01〜1.0重量部であり、好ましくは、
0.1〜0.8重量部、更に好ましくは0.2〜0.6
重量部である。該帯電防止剤の割合が0.01重量部未
満の場合は、帯電防止機能は発現しない。また1.0重
量部より多く含まれる場合は、それ以上の帯電防止機能
の発現は期待できずコスト的にも意味がない。さらに
は、一度フィルムからブリードアウトした多価アルコー
ルの脂肪酸エステルがフィルム表面で凝集を起こし、帯
電防止機能を損なうような場合も想定され好ましくな
い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】比較例6〜9 表3に示した帯電防止剤と配合量にてペレットBを作成
し、実施例1に示した方法でキャストフィルムを作成
し、実施例と同様にして、ロールに巻き取り、エージン
グ処理、コロナ放電処理を施した後、得られたキャスト
フィルムのコロナ処理面に溶剤型シリコーン樹脂(東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製LTC760A、1
00重量部、SRX212CAT、0.9重量部、SD7
200、0.1重量部をトルエン500mlに溶解した
溶液)をメイヤーバー5番を用いて塗布した。塗布した
フィルムをイナートオブンを用いて、120℃、90秒
にて硬化させた。この剥離性を付与したフィルムの物性
を評価した結果を表3に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00 C08L 23/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコールの脂肪酸エステルよりな
    る帯電防止剤を含有するポリオレフィン系樹脂よりなる
    帯電防止層を片面に有するポリオレフィンフィルムの該
    帯電防止層の反対面に無溶剤型シリコーン樹脂を塗付
    し、硬化せしめて剥離層を形成することを特徴とする剥
    離フィルムの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4685765A (en) * 1983-05-05 1987-08-11 Bicc Public Limited Company Optical fibre joint
US4721087A (en) * 1986-04-18 1988-01-26 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Fuel supply control apparatus for internal combustion engine
JP2007090849A (ja) * 2005-09-01 2007-04-12 Tohcello Co Ltd 離型フィルム
JP2010149296A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Riken Vitamin Co Ltd 帯電防止性積層フィルム
JP2015044935A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 日本ポリエチレン株式会社 押出ラミネート用樹脂組成物、その積層体、及びこれを用いた食品包装袋

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