JPH1074021A - カラー画像形成装置 - Google Patents

カラー画像形成装置

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JPH1074021A
JPH1074021A JP8229957A JP22995796A JPH1074021A JP H1074021 A JPH1074021 A JP H1074021A JP 8229957 A JP8229957 A JP 8229957A JP 22995796 A JP22995796 A JP 22995796A JP H1074021 A JPH1074021 A JP H1074021A
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color image
polishing
organic
image forming
image
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JP8229957A
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English (en)
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Satoru Haneda
哲 羽根田
Hisayoshi Nagase
久喜 永瀬
Hiroyuki Tokimatsu
宏行 時松
Masayasu Onodera
正泰 小野寺
州太 ▲浜▼田
Shiyuuta Hamada
Shunei Miura
俊英 三浦
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Konica Minolta Inc
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像形成での感光体の疲労を十分にリ
フレッシュして常に良好な画像形成を実行可能とすると
ともに、感光体の寿命が徒に短縮されないカラー画像形
成装置を提供すること。 【解決手段】 有機感光体に複数のトナー像を重ね合わ
せた後、重ね合わせたトナー像を転写材に一括して転写
してカラー画像形成を実行可能なカラー画像形成装置に
おいて、有機感光体に当接してカラー画像形成時に0.
5〜5μm/104プリントの研磨速度で有機感光体を
研磨する研磨手段と、前記研磨手段を有機感光体に当接
する位置と当接しない位置に変位させる変移手段とを有
することを特徴とするカラー画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の画像形成装置で、有機感光体にトナー像
を重ね合わせてカラー画像を形成する電子写真方式のカ
ラー画像形成装置に関し、更に詳しくは有機感光体の周
辺に一つの像露光手段、帯電手段と複数の現像手段を配
置して有機感光体の複数回の回転によってトナー像を重
ねあわせる装置や、有機感光体の周辺に複数の帯電手
段、像露光手段と現像手段を配置して有機感光体の一回
転中にトナー像を重ね合わせる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カールソン法に基づく電子写真法におい
ては、像形成体表面に一様な帯電を付与し、像露光して
静電潜像を形成し、該潜像を現像してトナー像を形成
し、該トナー像を転写材上に転写、定着して画像が形成
される事が良く知られている。
【0003】転写後の像形成体は、クリーニング工程で
クリーニングされ、長期に亘り反復使用される。例えば
良好なクリーニングを達成する技術として、本出願人に
よる特開平6−195004号には、クリーニングブレ
ードで掻き取られたトナーを効率よく、漏れなく、回収
部材へと付着、搬送して回収できるようにしたトナーガ
イドローラが提案してある。このガイドローラは少なく
とも表面が連続多孔質体からなることを特徴とした。
【0004】ところで、像形成体はトナー像を形成する
行程で様々なダメージを受けて疲労する。前記特開平6
−195004号公報にはモノクロ画像形成に際して、
このガイドローラでの有機感光体の減耗量(以下研磨速
度とも言う事がある。)が5.0μm/105プリント
以下の条件で現像を行うと疲労した感光体がリフレッシ
ュされて、良好なモノクロ画像が得られることが開示さ
れている。
【0005】一方で、近年カラー画像を出力する事が可
能なカラー画像形成装置の需要が急速に延びている。例
えば、感光体上に異なる色のトナー像を重ね合わせて現
像してカラートナー像を形成するカラー画像形成装置が
知られている。このカラー画像形成装置ではフルカラー
のカラートナー像を得るのに、イエロー、マゼンダ、シ
アン、ブラックの各色トナーを感光体上に重ね合わせて
現像するので1ページ当たり4回の帯電工程を実行する
必要がある。
【0006】ところが、このカラー画像形成装置は色毎
に帯電工程を実行するのでモノクロ画像形成と比較して
感光体に与えるダメージが大きく感光体の疲労や劣化が
早い。また、4色のトナーが感光体に付着し、これをク
リーニングすることから感光体表面の汚れが残りやす
い。これらの問題は具体的にはオゾン劣化やトナーフィ
ルミング量の増大などによって生じるもので、有機感光
体はトナー像の形成を行うたびにこの種のダメージを受
ける。従って、疲労あるいは劣化した感光体をリフレッ
シュする技術が特に望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらカラー画
像形成装置では、感光体の減耗量を前記特開平6−19
5004号公報に開示された5.0μm/105プリン
ト以下の条件に設定して画像形成を行いつづけたとして
も、有機感光体の受けるダメージがモノクロ画像形成と
比較して大きいために、十分なレベルまではリフレッシ
ュが行われない事が問題であった。
【0008】また、カラー画像形成装置で有機感光体が
十分にリフレッシュされるまで研磨速度を上げると、良
好なカラー画像を得ることができる反面、感光体層が研
磨されすぎて感光体の寿命が短縮されてしまうことが問
題であった。
【0009】すなわち本願発明は、カラー画像形成での
感光体のダメージを十分にリフレッシュして常に良好な
画像形成を実行可能とするとともに、感光体の寿命が徒
に短縮されない研摩速度で有機感光体の研摩を行うカラ
ー画像形成装置を提供することを第一の目的とする。
【0010】また、感光体を複数回回転させ回転毎に異
なる色のトナー像を重ね合わせてカラートナー像を現像
したうえで、一括転写を行うカラー画像形成装置は、現
像中は研磨手段を当接解除しておかないと、トナー像を
擦り取ってしまう。感光体上のトナー像を擦り取ってし
まってはカラートナー像の現像が出来ない。そこで研磨
手段を所定のタイミングで当接解除し、再び復帰させる
ための機構を配置する事でトナー像を擦り取らないよう
にすることができる。この場合は、カラー画像形成装置
のサイズが大型化するという問題がある。更に、復帰動
作によって感光体と研磨手段が当接する瞬間に過大な圧
力が生じないようにしないと、感光体が所期の減耗量以
上に抉れて偏磨耗する可能性もある。これらの問題は、
機構の小型化や精密化によって解決することが可能であ
る。しかし、発生原因が無くなったわけではない。
【0011】そこで本願発明の第二の課題は、カラー画
像形成での感光体のダメージを十分にリフレッシュして
常に良好な画像形成を実行可能とするとともに、感光体
の寿命が徒に短縮されない事に加えて、研磨手段の当接
を解除する必要をなくしたカラー画像形成装置を提供す
ることである。
【0012】またカラー画像形成装置が、モノクロ画像
形成とカラー画像形成を切り換えて実行可能であると、
カラー画像形成に最適な研磨速度のままでモノクロ画像
形成を実行しつづければ、研摩速度がモノクロ画像に最
適な状態よりも高いために有機感光体が磨耗してしま
う。ところが、モノクロ画像形成に最適な研摩速度のま
までカラー画像形成を含む画像形成を実行しつづければ
研摩速度が低くてリフレッシュが不十分となる問題があ
る。
【0013】そこで本発明の第三の課題は、モノクロ画
像形成とカラー画像形成を切り換えて実行可能なカラー
画像形成装置で、カラー画像形成での感光体のダメージ
を十分にリフレッシュして常に良好な画像形成を実行可
能とするとともに、モノクロ画像形成の頻度に応じた感
光体の寿命の短縮の防止を目的とする
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の課題は、
回転する有機感光体の周縁に、帯電器と露光光学系と複
数の現像器とを配置し、有機感光体の一回転中に、前記
有機感光体に対し前記帯電器による帯電と前記露光光学
系による像露光と前記複数の現像器の内の一つによる現
像をおこなってトナー像を形成し、前記有機感光体を複
数回回転させて回転毎に異なる現像器でトナー像の形成
を順次繰り返すことにより、前記有機感光体に複数のト
ナー像を重ね合わせた後、重ね合わせたトナー像を転写
材に一括して転写してカラー画像形成を実行できるカラ
ー画像形成装置において、前記有機感光体に当接してカ
ラー画像形成時に0.5〜5μm/104プリントの研
磨速度で前記有機感光体を研磨する研磨手段と、前記研
磨手段を有機感光体に当接する位置と当接しない位置に
変位させる変位手段とを有することを特徴とするカラー
画像形成装置によって達成できる。
【0015】そして、有機感光体を複数回回転させてト
ナー像を重ね合わせてカラー画像形成を実行可能なカラ
ー画像形成装置であって、感光体のダメージを十分にリ
フレッシュして常に良好な画像形成を実行可能とすると
ともに、感光体の寿命が徒に短縮されない研摩速度で有
機感光体の研摩を行う事ができる。
【0016】また本発明の第二の課題は、回転する有機
感光体の周縁に、複数組の帯電器と露光光学系と現像器
とを配置し、有機感光体の一回転中に、前記有機感光体
に対し前記帯電器による帯電と前記露光光学系による像
露光と前記現像器による現像を行ってトナー像を形成す
ることを各組毎に順次繰り返すことにより、前記有機感
光体に複数のトナー像を重ね合わせた後、重ね合わせた
トナー像を転写材に一括して転写してカラー画像形成を
実行できるカラー画像形成装置において、前記有機感光
体に当接していてカラー画像形成時に0.5〜5μm/
104プリントの研磨速度で前記有機感光体を研磨する
研磨手段を有する事を特徴とするカラー画像形成装置に
よって達成できる。
【0017】このカラー画像形成装置は有機感光体の一
回転中にトナー像を重ね合わせてカラー画像形成を実行
しうる画像形成装置であって、感光体のダメージを十分
にリフレッシュして常に良好な画像形成を実行可能とす
るとともに、感光体の寿命が徒に短縮されない研摩速度
で有機感光体の研摩を行う事に加えて、研磨手段の当接
を解除する必要をなくすることができる。
【0018】これらのカラー画像形成装置で有機感光体
の研磨速度をカラー画像形成とモノクロ画像形成ではモ
ノクロ画像形成での研磨速度を前記カラー画像形成での
研磨速度よりも小さくしてもよい。
【0019】また、前記研磨速度を調節可能にすれば、
有機感光体での画像形成の履歴等に応じた研磨速度を選
択できる。
【0020】またこれらのカラー画像形成装置で研磨速
度を画像形成の実効プリント数に従って大きくすれば、
実効プリント数に従って疲労し易くなる有機感光体を十
分にリフレッシュできる。
【0021】またこれらのカラー画像形成装置でモノク
ロ画像形成での研磨速度を設定するときは実効プリント
数は全てモノクロ画像形成であったものとみなし、カラ
ー画像形成での研磨速度を設定するときは実効プリント
数は全てカラー画像形成であったものとみなし、実効プ
リント数が増加するのに従って研磨速度を増加させると
ともに、実効プリント数に対するカラー画像形成の研磨
速度がモノクロ画像形成の研磨速度より大きく設定すれ
ば、カラー画像形成とモノクロ画像形成のそれぞれに適
した研磨速度に設定できる。
【0022】またこれらのカラー画像形成装置でモノク
ロ画像形成での実効プリント数とカラー画像形成の実効
プリント数の累積に従って研磨速度を増加させるととも
に、カラー画像形成の実効プリント数の重みをモノクロ
画像形成の実効プリント数の重みよりも大きくして重み
付けを行ったうえで研磨速度の設定を行えば、有機感光
体での画像形成の履歴を正確に反映して研磨速度を設定
できる。
【0023】本願発明で研摩速度とは、うず電流タイプ
の膜厚計を用い、104コピー後の感光体膜厚研摩速度
をμm単位で測定したものである。
【0024】本願発明で実行プリント数とは、有機感光
体にダメージを与える様な動作の実行回数を、プリント
出力の回数で反映したものである。有機感光体に最もダ
メージを与えるのは帯電行程の実行だから、実行プリン
ト数としては有機感光体に形成されたモノクロ画像また
はカラー画像の数を採用する事が好ましい。しかし、計
数値は給紙不良の発生状況によって若干変動するので、
プリントアウトされたプリント数や転写されたプリント
数に従っても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本願の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0026】本発明の一実施の形態に係るカラー画像形
成装置の画像形成プロセス及び構成を図1により説明す
る。図1は、有機感光体の一回転中に複数のトナー像を
重ね合わせてカラートナー像をえるカラー画像形成装置
1の断面構成図である。図2は、像形成体の支持構造を
示す正面図であり、図3は、像形成体の支持構造を示す
断面図であり、図4は、像形成体ユニットの外観図であ
り、図5は、中間転写ベルトの支持構造を示す正面図で
あり、図6は、中間転写ベルトの支持構造を示す断面図
である。
【0027】図1によれば、ドラム状の像形成体である
有機感光体ドラム10は、例えば、透明アクリル樹脂な
どの透明部材によって形成される円筒状の透明樹脂基体
を内側に設け、透光性導電層及び有機感光体層(OP
C)を該基体の外周に形成したものであり、接地された
状態で図1の矢印で示す反時計方向に回転される。
【0028】本実施の形態では、感光体ドラムの光導電
体層において適切なコントラストを付与できる露光光量
を有していればよい。従って、本実施の形態における感
光体ドラムの透明樹脂基体の光透過率は、100%であ
る必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光が吸
収されるような特性であっても構わない。透明樹脂基体
の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチ
ルエステルモノマーを用い重合したものが、透明性、強
度、精度、表面性等において優れており好ましく用いら
れるが、その他一般光学部材などに使用されるフッ素、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、などの各種透明な樹脂が使用可能である。
【0029】また、露光光に対し透光性を有していれ
ば、着色していてもよい。これらの樹脂の屈折率はほぼ
1.5である。透光性導電層の成膜法としては、真空蒸
着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種C
VD法を用いて、インジウム・スズ・酸化物(IT
O)、アルミナ、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨ
ウ化銅や、Au、Ag、Ni、Al等からなる透光性を
維持した薄膜が用いられたり、浸漬塗工法、スプレー塗
布法等を用いて上記金属の微粒子とバインダー樹脂とか
らなる導電性樹脂等が用いられる。また、光導電体層と
しては、各種有機感光体層(OPC)が使用可能であ
る。
【0030】また、プラスチック材料モノマーを合成
し、重合させるための触媒を添加した後、円筒状の型に
注ぎ、側板にて密封して固定し、これを高速に回転させ
ると共に、適度に加熱することにより均一な重合を促進
させる。重合終了後は冷却し、得られた透明な樹脂基体
を型より取り出し、切断し、必要ならば仕上げ工程を経
てカラー画像形成装置の感光体ドラム用の透明樹脂基体
が製造される(遠心重合法)。
【0031】遠心重合法によって成型される透明なプラ
スチックの透明樹脂基体の素材としては、上記のごとく
メタクリル酸メチルエステルモノマーを用い重合したも
のが、透明性、強度、精度、表面性等において最も良い
が、その他ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
ブチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステルあるいは
ポリ塩化ビニル等、又はこれらの共重合体などが使用さ
れ得る。遠心重合法では真円度が成型に用いられる型で
決まるので、高精度の基体を得ることができる。また、
偏肉は重合時の回転ムラや粘度や重合時の加熱条件で変
化する。
【0032】上記の製造方法によって造られたプラスチ
ックの円筒状の透明樹脂基体を用いることにより、肉厚
が均一で、円筒状の基体の円筒度、真円度に優れた感光
体ドラムが提供される。
【0033】スコロトロン帯電器11Yないし11K
(以後単に帯電器11Yないし11Kという)は有機感
光体ドラム10の前述した有機感光体層に対し所定の電
位に保持されたグリッドと放電ワイヤによるコロナ放電
とによって帯電作用を行い、有機感光体ドラム10に対
し一様な電位を与える。
【0034】露光光学系12は像露光手段すなわち有機
感光体ドラム10の軸方向に配列したLEDと等倍結像
系であるセルフォックレンズとから構成されて、カラー
画像形成装置とは別体の画像読み取り装置によって読み
取られた各色の画像信号がメモリより順次取り出されて
前記の各露光光学系12にそれぞれ電気信号として入力
される。
【0035】前記の各露光光学系12は何れも光学系支
持手段として設けた支持部材20に取り付けられて前記
有機感光体ドラム10の基体内部に収容される。
【0036】現像器13Yないし13Kはイエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒色
(K)の各現像剤を収容する。各現像器はそれぞれ有機
感光体ドラム10の周面に対し所定の間隙を保って現像
領域において有機感光体ドラム10と同方向に回転する
現像スリーブ130を備えている。
【0037】前記の各現像器は、前述した帯電器11に
よる帯電,露光光学系12による像露光によって形成さ
れる有機感光体ドラム10上の静電潜像を現像バイアス
電圧の印加により非接触の状態で反転現像する。
【0038】原稿画像は本装置とは別体の画像読み取り
装置において、撮像素子により読み取られた画像あるい
はコンピュータで編集された画像を、Y,M,Cおよび
Kの各色別の画像信号として一旦メモリに記憶し格納さ
れる。
【0039】画像記録のスタートにより感光体駆動モー
タの始動により有機感光体ドラム10を反時計方向へと
回転し、同時に帯電器11(Y)の帯電作用により有機
感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0040】有機感光体ドラム10は電位を付与された
あと、前記の露光光学系12(Y)において第1の色信
号すなわちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信
号による露光が開始されドラムの回転走査によってその
表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応
する静電潜像を形成する。
【0041】前記の潜像は現像器13(Y)により現像
スリーブ上の現像剤が非接触の状態で反転現像され有機
感光体ドラム10の回転に応じイエロー(Y)のトナー
像が形成される。
【0042】次いで有機感光体ドラム10は前記イエロ
ー(Y)のトナー像の上にさらに帯電器11(M)の帯
電作用により電位を付与され、露光光学系12(M)の
第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信号に対応
する電気信号による露光が行われ、現像器13(M)に
よる非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)の
トナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が順次重ね合
わせて形成していく。
【0043】同様のプロセスにより帯電器11(C)、
露光光学系12(C)および現像器13(C)によって
さらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また帯電器11(K)、露光光学系12(K)およ
び現像器13(K)によって第4の色信号に対応する黒
色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、有機
感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーの
トナー像が形成される。
【0044】これ等各露光光学系による有機感光体ドラ
ム10の有機感光層に対する露光はドラムの内部より前
述した露光波長に対し透明の基体を通して行われる。従
って第2,第3および第4の色信号に対応する画像の露
光は何れも先に形成されたトナー像の影響を全く受ける
ことなく行われ、第1の色信号に対応する画像と同等の
静電潜像を形成することが可能となる。なお各露光光学
系12の発熱による有機感光体ドラム10内の温度の安
定化及び温度上昇の防止は、前記支持部材20に熱伝導
性の良好な材料を用い、低温の場合はヒータを用い、高
温の場合はヒートパイプを介して外部に放熱する等の措
置を講ずることにより支障のない程度迄抑制することが
できる。また各現像器による現像作用に際しては、それ
ぞれ現像スリーブ130に対し直流あるいはさらに交流
を加えた現像バイアスが印加され、現像器の収容する一
成分或いは二成分現像剤によるジャンピング現像が行わ
れて、透明電導層を接地する有機感光体ドラム10に対
して非接触の反転現像が行われるようになっている。
【0045】かくして有機感光体ドラム10の周面上に
形成されたカラーのトナー像は一旦中間転写手段として
設けた中間転写ベルト14の周面に転写される。
【0046】中間転写ベルト14は厚さ0.5mm〜
2.0mmの無端状のゴムベルトで、シリコンゴム或い
はウレタンゴムの108Ω・cm〜1012Ω・cmの抵
抗値をもつ半導電性基体と、ゴムの基体の外側にトナー
フィルミング防止層として厚さ5μm〜50μmのフッ
素コーティングを行った2層構成とされる。この層も同
様な半導電性が好ましい。ゴムベルト基体の代わりに厚
さ0.1mm〜0.5mmの半導電性のポリエステルや
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート等を使用することもできる。中間転写ベルト14が
ローラ14A,14B,14Cおよび14Dの間に張架
され、ローラ14Dに伝達される動力により有機感光体
ドラム10の周速度に同期して時計方向に循環して搬送
される。
【0047】前記の中間転写ベルト14はローラ14A
とローラ14Bの間のベルト面を有機感光体ドラム10
の周面に接し、一方、ローラ14Cの外周のベルト面を
転写部材である転写ローラ15に接していてそれぞれの
接点においてトナー像の転写域を形成している。
【0048】有機感光体ドラム10周面に付着した状態
にあるカラートナー像は、先ず前記の中間転写ベルト1
4との間の接点においてローラ14Bへのトナーと反対
極性のバイアス電圧の印加により順次中間転写ベルト1
4の周面側に転写される。すなわちドラム上のカラート
ナー像は接地したローラ14Aの案内によりトナーを散
らすことなく転写域へと搬送され、ローラ14Bに対す
る1kV〜2kVのバイアス電圧の印加によって中間転
写ベルト14側に効率良く転写される。
【0049】一方では給紙カセット(図示せず)の給紙
ローラ17の作動により転写紙Pが搬出されてタイミン
グローラ18に給送され、中間転写ベルト14上のカラ
ートナー像の搬送に同期して転写ローラ15の転写域へ
と給紙される。
【0050】転写ローラ15は前記中間転写ベルト14
の周速度に同期して反時計方向に回動されていて、給紙
された転写紙Pは転写ローラ15と前記の接地状態にあ
るローラ14Cの間のニップ部の形成する転写域におい
て中間転写ベルト14上のカラートナー像に密着され転
写ローラ15への1kV〜2kVのトナーと反対極性の
バイアス電圧の印加により順次カラートナー像は転写紙
P上に転写される。
【0051】カラートナー像の転写を受けた転写紙Pは
除電され、搬送板19を介して定着装置91に搬送さ
れ、熱ローラ91Aと圧着ローラ91Bとの間に挟着搬
送して加熱され、トナーを溶着して定着がなされたのち
排紙ローラ92を介して装置外部に排出される。
【0052】また、本実施の形態のカラー画像形成装置
は一回転中に有機感光体上にトナー像を重ね合わせるこ
とでカラートナー像を形成する。従って、中間転写手段
へのトナー像の転写終了後から第一の色信号による静電
潜像の形成の開始前までにクリーニングを実行するよう
にクリーニング装置100の位置を決めれば、トナー像
を擦りとる心配がない。
【0053】そこで、前述した有機感光体ドラム10お
よび中間転写ベルト14にはそれぞれクリーニング装置
100および140が設置され、それぞれの備えるブレ
ードが有機感光体の回転動作中は常時圧接されていて、
残留した付着トナーの除去がなされて周面は常に清浄な
状態に保たれている。
【0054】図2〜図4によれば、前記の支持部材20
は有機感光体ドラム10の回転支持軸30に固定された
前後一対の部材により構成されていて、各露光光学系1
2は、それぞれの両端部が楔状の貼付部材21を介し感
光面に対する距離が所定の位置関係になるよう調節され
て、接着により調節位置に固定されている。
【0055】一方有機感光体ドラム10は両端部に備え
るフランジ部材10Aおよび10Bがそれぞれ軸受Bを
介して前記の支持部材20に回動自在に支持されてい
て、フランジ部材10Bの備える歯車10Gの駆動によ
り固定状態にある回転支持軸30を回転中心として回動
される。
【0056】前記の回転支持軸30を中心とし有機感光
体ドラム10ならびに各露光光学系12が同軸上に一体
化されたユニット(像形成体ユニット)として構成され
る。
【0057】回転支持軸30が有機感光体ドラム10な
らびに各露光光学系12が一体化されたユニットを支持
した状態で、コの字状に形成して一体に接続された対称
形の前後の各ドラムサポート板40の間に軸受け支持さ
れている。
【0058】前記のドラムサポート板40は前後の接続
部に吊り下げ手段としてのレール部材50を設けてい
て、前記のレール部材50を装置本体の備えるガイド部
材60に挿入し係合して吊り下げ状態にすることにより
前記の回転支持軸30は、従って有機感光体ドラム10
ならびに各露光光学系12はほぼ所定の設定位置に置か
れる。
【0059】更に前記の回転支持軸30は正規の位置ま
で挿入されると、前述した吊り下げ状態から後方のドラ
ムサポート板40より突出する軸端部30Bが装置基板
としての後側板71の備える受座72に嵌合し、前方の
ドラムサポート板40より突出する軸端部30Aがドラ
ム支持基板80の備える受座81に対しテーパー嵌合す
るネジ部材82に支持されることにより、有機感光体ド
ラム10を正規の設定位置に正確に規制して歯車10G
を駆動側の歯車に噛合し、一方、各露光光学系12がさ
らに軸端部30Bの備える貫通ピンP1を前記の受座7
2に形成した断面計状V字型の溝に係合されることによ
り、装置本体に対する所定の角度位置に正確に規制され
固定状態となる。しかる後各光学系のリード線が前面側
の支持部材20の各窓20Aからドラムサポート板40
の切欠部40Aを経て電源部へと接続される。
【0060】前記のドラム支持基板80は、上下の各基
準穴H1が前方の装置基板としての前側板70の備える
一対の基準ピンP2に係合してその取付位置が決定され
た上で複数個所のネジ止メにより前側板70に固定され
るもので、さらに複数の窓80Aを開口していて前述し
た棒状をなす各帯電器11をドラム支持基板80の外部
より挿入して有機感光体ドラム10に対して所定の間隔
位置に設定すると共に電極を接続した状態でネジ止メに
より固定し支持している。
【0061】従って前記のドラム支持基板80は、各帯
電器11を前記の窓80Aを経て取り外した状態で前記
のネジ部材82を取り除くと複数個所のネジ止メを解除
するのみにして前側板70より分離される。
【0062】その状態から前記のドラムサポート板40
がガイド部材60の案内によりレール部材50をスライ
ドして引出され、有機感光体ドラム10ならびに各露光
光学系12を一体化した像形成体ユニットが水平方向に
移動し、装置基板としての前側板70の像形成体開口部
としての開口孔70Aより装置本体の外部へと取り出す
ことが可能となる。
【0063】前記のドラムサポート板40によって支持
された有機感光体ドラム10の装置本体への着脱操作の
開始に先立って、有機感光体ドラム10の周辺に配置さ
れる中間転写ベルト14ならびにブレードの各圧接作用
が事前に解除されているクリーニング装置100は、1
mm〜10mm程度退避状態とされており、また、有機
感光体ドラム10の周辺に配置される各現像器13は、
後述する有機感光体ドラム10の引出し方向と同方向に
現像器13を引出し可能な30mm〜50mm程度の位
置まで退避状態とされており、装着後再び圧接状態に後
帰されるものとする。
【0064】なお、前記のドラムサポート板40は、装
置本体からの取り外した後、図4に示す如くレール部材
50を下側にして感光体ドラム等が床面に接することの
ないようバランス良く置くことができるようにした置き
台として機能し、感光体面の保護にも利用される。
【0065】図5及び図6によれば、前記の各ローラ1
4Aないし14Dは前記の中間転写ベルト14をテンシ
ョンローラTの付勢により張架した状態で、コの字状に
形成して一体に接続された前後の各ベルトサポート板4
5の間に軸受け支持されている。
【0066】前記のベルトサポート板45は、さらにコ
の字状に形成して一体に接続された非対称形の前後の各
ベルト支持基板85の間に前記のクリーニング装置14
0と共に挟持して一体とされている。
【0067】前記の前方のベルト支持基板85は上下の
立上り部85Aに吊り下げ手段としての基準穴H2を設
け、一方後方のベルト支持基板85は背面に同じく吊り
下げ手段としての一対の基準ピンP4を備えていて、前
記の基準穴H2を前方の前側板70の備える基準ピンP
3に、一方前記の基準ピンP4を後方の装置基板として
の後側板71に設けた基準穴H3に係合した上ネジ止メ
して固定することにより中間転写ベルト14は所定の位
置に設定され、有機感光体ドラム10の周面に圧接して
有機感光体ドラム10から中間転写ベルト14へのトナ
ー像の転写を行う第1の転写域を構成し、さらに前記の
転写ローラ15の圧接により中間転写ベルト14から転
写材に対するトナー像の転写を行う第2の転写域が構成
される。
【0068】前記のベルト支持基板85は前後側板7
0,71に対し、アキュライドレール(商品名)と呼ば
れる2段階に伸縮可能の一対のガイドレール200を介
し装置本体の前面側に引き出し可能に支持されている。
【0069】ベルト支持基板85は、左右の側部に設け
たそれぞれ前後一対の案内板86が前記のガイドレール
200の可動部200Aを上下方向に摺動可能に挟持し
ていて、引き出し方向に対しては前記の可動部200A
を一体とするが、上下方向に対しては突当板87が可動
部200Aに突き当たる迄下降出来るように構成されて
いる。
【0070】前記のベルト支持基板85はネジ止メを解
除した上で装置本体の前面側に僅かに引き出す操作によ
り前述した各基準ピンと各基準穴の係合が解除されて僅
かに下方へとさがり、従って前記の各突当板87が前記
の可動部200Aに乗った状態でガイドレール200の
伸長作動により前側板70の像形成体開口部としての開
口孔70Aより装置本体の前面に大きく引き出される。
その結果中間転写ベルト14は有機感光体ドラム10の
周面より退避して圧接を解除した状態で引き出され、再
度の装着に当たってもガイドレール200の伸長状態か
らの復帰と各基準ピンのテーパ部の案内により僅かに上
方へと移動して有機感光体ドラム10への圧接状態への
復帰動作が自動的かつ確実に行われる。
【0071】従ってベルト支持基板85の極めて簡単な
着脱操作により有機感光体ドラム10は中間転写ベルト
14に干渉することなく取り出しが可能の状態となり、
さらにベルト支持基板85の引き出しにより搬送路に滞
留したジャム紙の取り出し処理や中間転写ベルト14の
交換、点検等のメンテナンスも容易に行えることとな
る。
【0072】なおベルト支持基板85は装置本体からの
引き出し操作に先立って中間転写ベルト14を張架する
ローラ14Cに対する前記の転写ローラの圧接作用を前
もって解除され、所定の設定位置への復帰後再び圧接状
態に置かれる。
【0073】現像手段の装置本体への着脱について図
7、図8及び図1を用いて説明する。図7は、現像手段
の装着状態を示す図であり、図8は、装置基板の開口部
を示す図である。
【0074】図7に示すように、有機感光体ドラム10
は両端のフランジ部材10B,10A(不図示)が軸受
Bを介して後側のドラムサポート板40に固定される回
転支持軸30に保持される両端の支持部材20に回動自
在に支持されるが、有機感光体ドラム10の両端にフラ
ンジ部材10B,10A(不図示)の圧入時の停止手段
としてのストッパ部101B,101A(不図示)を設
けてフランジ部材10B,10A(不図示)が圧入さ
れ、フランジ部材10B,10A(不図示)により有機
感光体ドラム10が保持される。
【0075】各現像器13が図7点線矢印にて示す有機
感光体ドラム10の中心軸方向であり有機感光体ドラム
10の引出し方向と、直交する図7実線矢印にて示す方
向に、前記退避位置より移動され、有機感光体ドラム1
0に当接される間隙保持手段としての、例えば厚み3m
m、外径20mmの円板状の突当てコロ131により、
現像スリーブ130が有機感光体ドラム10と所定の値
の間隙、例えば100μm〜1000μmをあけて非接
触に保たれて各現像器13が装着される。
【0076】また、後方のドラムサポート板40には、
その背面に前記の歯車10Gを駆動する駆動モータM1
ならびにその動力伝達手段すなわち歯車10Gの駆動系
G(T)が取り付け支持されており、駆動系G(T)の
駆動をうけて有機感光体ドラム10が回転される。有機
感光体ドラム10に設けられた歯車10Gと少なくとも
歯車10Gに結合する駆動系G(T)の最終歯車G1と
をハスバ歯車にて構成し、回転時に有機感光体ドラム1
0が矢印方向に押圧され、フランジ部材10B,10A
(不図示)と両端の支持部材20とに嵌込まれた軸受B
のスラスト方向の遊びを吸収し、一方向に押圧した状態
で回転される。これにより、両端の軸受Bの遊びによっ
て発生する、各露光光学系間の露光光の像形成体上での
位置ズレを防止し、高精度のレジスト合わせがなされた
良好な重ね合わせカラートナー像が形成される。
【0077】また、現像スリーブ130は有機感光体ド
ラム10の後側のフランジ部材10Bに設けられた歯車
10Gと結合する不図示の歯車により回転駆動される。
突当てコロ131は有機感光体ドラム10の回転により
従動回転される。
【0078】前述したように、有機感光体ドラム10の
周辺に配置される各現像器13が有機感光体ドラム10
の引出し方向と直交して略水平方向に30mm〜50m
m程度の位置まで退避状態とされるが、該退避位置より
図8に示すように装置基板としての前側板70に設けら
れた現像手段開口部としてのY、M、C、Kの開口孔7
0Bを通して各現像器13を略水平に有機感光体ドラム
10の引出し方向と同方向に引出し可能とする。装置基
板としての前側板70にはおおよそ板厚1.2mm〜3
mmの鉄材の鋼板を用いる。板厚が1.2mm未満であ
ると側板としての強度が保たれにくく、また、3mmを
越えると側板の孔開け、曲げ、絞り等の加工が困難とな
る。
【0079】有機感光体ドラム10の引出し用の開口孔
70Aと現像器13の開口孔70Bとの切欠端部の最近
接距離が、前側板70の前記板厚に応じて、少なくとも
5mm〜30mm以上離間した状態で形成されるので、
像形成体開口部としての開口孔70Aの周りの強度が保
たれる。板厚3mmに対しては5mm以上の間隔を、ま
た、板厚1.2mmに対しては30mm以上の間隔をと
ることが好ましい。
【0080】感光体ドラムの引出し用の開口孔と現像器
の開口孔とが離間した状態で形成されるので、装置基板
としての前側板に設けられた感光体ドラムの引出し用の
開口孔の周囲の強度が保たれ、従って、像形成体の駆動
時の駆動ムラによる複数の像露光手段よりの像露光光の
相互の位置ズレが生じにくい。また、像形成体開口部の
周りの強度が保たれた状態で現像手段を像形成体と同方
向に引出すことができる。
【0081】また、装置基板としての前側板70に現像
手段開口部を設けず、図1に矢印で示すように、各現像
器13を像形成体としての有機感光体ドラム10の中心
軸と直交する方向に前記退避位置より着脱することによ
り、像形成体開口部の周りの強度をさらに高めることが
できる。
【0082】次にクリーニング装置100について更に
詳細に説明する。
【0083】図1に示したクリーニング装置100で
は、構造が簡単でかつクリーニング特性に優れたクリー
ニングブレードと、本発明の条件を満たす研摩速度で有
機感光体を研摩する研摩ローラが一体的に組込まれる。
それによってクリーニング装置のコンパクト化及び長期
に亘る反復像形成に際し、高画質を安定して供給するこ
とが可能とされる。
【0084】加えて本実施の形態の研摩ローラは、トナ
ーガイド特性の特に優れた連続気孔多孔質体から成るの
で十分なクリーニング機能とトナー回収機能とが合わせ
て確保されている。
【0085】好ましい研摩ローラの例が図9に示され
る。該図中イは芯金で、ロは連続気孔多孔質体から成る
ローラ部材である。
【0086】研摩ローラ100bに用いる連続気孔多孔
質体を製造する方法としては、例えば特開昭58−18
9242号公報に記載されている。
【0087】即ち、前記連続気孔多孔質体の製法として
は、例えばポリウレタン等の高分子重合体を有機溶剤に
溶解し、この溶液にポリビニルアルコール、アルギン
酸、硫酸カルシウム等の気孔剤を加えて撹拌、脱泡し、
これを多孔質容器に入れて約50℃の温浴中に長時間浸
漬してゲル化させ、これを取り出して多量の水で前記気
孔剤を溶出し、加熱、乾燥する。このため連続した多数
の気孔を有する気孔体が形成され、耐摩耗性、トナー分
離性、トナーの搬送性、感光体との接触回転性、柔軟
性、紙粉除去性等の研摩ローラに不可欠な優れた特性が
付与される。
【0088】これに対して従来のポリウレタン等の独立
気孔発泡体の製法は、例えばポリオール、イソシアネー
ト化合物、反応促進剤、整泡剤等を加えて撹拌・発泡さ
せ、これを加熱整形するもので、多数の独立気泡体が内
蔵されたものとなる。
【0089】かかる独立気孔発泡体は気泡がクッション
の作用をして弾性を有しているが、耐摩耗性、トナーの
分離性、トナーの搬送性、感光体との接触回転性、紙粉
除去性等が悪く、かつ柔軟性も不充分である。そこで例
えば独立気孔発泡体に十分な柔軟性を与えるためには、
該発泡体の気泡を大きくする必要があり、その場合該発
泡体を研摩ローラとして使用するのに諸特性が不足し、
ローラ自体の耐久性が失われる外、気泡中にトナーが充
填され、前記ローラ表面のトナーをスクレーパ等で掻き
取った後も、トナーを内包したまま下方に回転され機内
にトナーを落下して汚染すると言う問題を生じていた。
【0090】本発明では微細な多数の気孔を有し、柔軟
性を有すると共に諸特性に優れていて耐久性が大なる連
続気孔多孔質体を用いることが更に好ましく、前記の製
法によって抜群の適性を有する研摩ローラを得たのであ
る。
【0091】研摩ローラに用いられる連続気孔多孔質体
に要請される好ましい特性としては、気孔率が50〜9
0%、より好ましくは60〜88%とされ、前記気孔率
が50%を下廻ると、弾性が不足し、硬くなりすぎて有
機感光体を損傷するようになり、かつ製造しにくくな
る。又気孔率が90%を上廻ると、変形率が大きすぎ、
圧接下の保存期間が長くなると永久変形も生ずるように
なり、回転中はトナーこぼれが大となり、またローラの
耐久性も悪くなる。
【0092】また気孔径は1〜50μm、より好ましく
は5〜20μmとされ、前記気孔径が1μmを下廻ると
研摩ローラの柔軟性が失われ、かつ製造コストの上昇を
招き、50μmを上廻ると研摩ローラの耐久性が悪くな
り、かつトナーが気孔中に充填され、トナーこぼれの原
因となる。
【0093】また比重は0.1〜0.4、好ましくは
0.15〜0.38とされ、前記比重が0.1を下廻る
と変形率が大きすぎ、かつ永久変形も生じ、耐久不足と
なり、0.4を上廻ると弾性不足となり、かつ硬度が大
きくなり、有機感光体を損傷するようになる。
【0094】また、アスカーC硬度は15〜50度とさ
れ、好ましくは20〜45度とされ、前記アスカーC硬
度が15度を下廻ると、前記研摩ローラが柔らかすぎて
回転むらを生じ易く、またスクレーパによるトナー掻き
取りが不十分となり、かつ耐久性が失われ、50度を上
廻ると硬度が大きすぎて有機感光体を損傷して該有機感
光体の寿命の低下を招く。
【0095】なお、研摩ローラ100bに用いられる連
続気孔多孔質体の特性を規定する気孔径はJISK64
02に基いて測定され、気孔率、pは前記多孔質体の全
容積に対する気孔の容積の百分率として測定され、以下
の式により計算される。
【0096】 p(%)=(W1−W2)/(W1−W3)×100 式中 W1:前記多孔質体の吸水時の重量 W2:前記多孔質体の乾燥時の重量 W3:前記多孔質体の水中における重量 また連続気孔多孔質体の比重は ASTM D−2406に基づいて測定される。(なお
前記比重は見掛の比重を表す)。
【0097】図1のカラー画像形成装置に組み込まれる
有機感光体ドラム10は有機光導電層を設けた有機感光
体である。即ち、有機感光体の場合は無機感光体とは異
なり、前記連続気孔多孔質体を表面に有する研摩ローラ
の効果が顕著に発揮される。前記感光層が比較的に軟質
とされるにもかかわらず、感光層の摩耗、損傷を伴なう
ことなく、円滑にクリーニングトナーを搬送して回収さ
れる。
【0098】次に前記図10により本発明に係るクリー
ニング装置の一例を説明する。本実施の形態のカラー画
像形成装置では既に図1を用いて説明したように重ね合
わせて現像されたカラートナー像が中間転写ベルト14
に転写されると感光体ドラム10は、クリーニング装置
100のクリーニングブレード100aによりクリーニ
ングされる。
【0099】クリーニングされたトナーは本発明の研磨
手段に係る研摩ローラー100bにより付着搬送され、
スクレーパ115を介して回収部材100dへと回収さ
れる。
【0100】図10において、前記連続気孔多孔質体を
少なくとも表面に有する研摩ローラ100bは、ローラ
支持ユニット111のフレーム部材112に取付けられ
たうえでクリーニングケース125に組み込まれて、有
機感光体ドラム10の周面に接し従動して反時計方向に
回転される。
【0101】即ち、前記フレーム部材112は、その左
右対称の位置に一対の側面部112aを形成していて、
それぞれに設けた長穴112bに、前記研摩ローラ10
0bの左右端の支軸100cに外嵌した軸受113を挿
通することにより研摩ローラ100bを回転可能となす
と同時に前記有機感光体ドラム10の周面の方向に移動
可能に支持している。
【0102】また前記軸受113は、前記側面部112
aの外側に突出した部分が外周に半円状の断面の溝を形
成したフランジ部となっていて、前記側面部112aの
前側縁の突起112cに両端を固定された引張バネ11
4が捲回して前記研摩ローラ100bを前記長穴112
bに沿って付勢するようになっている。かかる軸受11
3と引張バネ114による前記研摩ローラ100bの付
勢はその左右端においてバランス良く対称的に行われて
いるものとする。なお、本実施の形態のカラー画像形成
装置は有機感光体の一回転中にトナー像を重ね合わせて
カラー画像形成を行うので、有機感光体の回転中に研摩
ローラ100bを当接解除する必要はない。
【0103】さらに前記フレーム部材112はその後側
縁に折曲部112dを形成していて、スクレーパ115
の取付け固定を可能としており、後述する方法によって
フレーム部材112が前記クリーニングケース125に
取付けられた場合に、有機感光体ドラム10の周面によ
って押し戻された位置にある前記研摩ローラ100bの
周面をSUS板、リン青銅板、マイラープレート等の弾
性板から成る前記スクレーパ115の先端が所定の荷重
をもって前記研摩ローラ100bの回転作用を阻害なく
圧接できるような角度に設けられている。
【0104】かくして研摩ローラ100bは有機感光体
ドラム10に圧接し、感光体ドラムとの間に設けた動力
伝達ギア列によって、有機感光体ドラム10とは異なる
周速にて強制駆動されて、その下流に設けられたカム1
21で有機感光体ドラム10に圧接、離間可能とされた
クリーニングブレード100aにより掻き取られたトナ
ーを研摩ローラ100bにより付着搬送する機能を併せ
持つので、掻き取られたトナーは前記スクレーパ115
により掻き取られ、回収部材122へと送り込まれる。
なお、前記クリーニングブレード100aはカム121
を引張バネ123に抗して回転されることにより有機感
光体ドラム10に圧接、離間可能とされる。
【0105】ここで前記研摩ローラ100bは有機感光
体ドラム10に対して好ましくは、線荷重0.5〜50
g/cmで圧接され、圧接時のニップ幅が0.5〜4.
0mmで強制回転され、前記クリーニングブレード10
0aで掻き取られたクリーニングトナーを漏れなく付着
搬送し、スクレーパ115により容易に剥離され回収部
材122へと回収される。このように前記研摩ローラは
有機感光体を研磨によってリフレッシュするのみなら
ず、クリーニングによってトナーを円滑に回収可能とし
たり、紙粉等を除去する効果も有している。
【0106】なお、研摩速度を変更する必要があるとき
は、駆動モータの回転数を変更して研摩ローラ100b
の周速を変更する構成や、ベルト駆動ではプーリーの回
転比を変更する機構によって研摩ローラ100bの周速
を変更する構成にしても良い。
【0107】次に図11により本発明に係るクリーニン
グ装置の他の例を説明する。図中有機感光体ドラム10
は矢印方向に回転して、クリーニング装置100のクリ
ーニングケース125内には感光体上の残留トナーを掻
き取るクリーニングブレード100a及び掻き取られた
トナーを回収部材122へとガイドするための研摩ロー
ラ100bとが一体的にコンパクトに組み込まれてい
る。なお研摩ローラ100bは少なくともその表面が連
続気孔多孔質体からなる。
【0108】前記クリーニングブレード100aのホル
ダー65と研摩ローラ100bとは軸173を中心に回
動可能なアーム172の両端部に軸176と軸171と
によりそれぞれ支持されていて、前記軸176に結合し
た引張バネ114aの張力により同時に感光体面に圧接
できるように構成されている。引張バネ114aの一端
は軸176に結合した状態を図示してある。そして引張
バネ114aの図示せぬ一端はカム機構に結合されてい
て、カムの駆動に従って引張バネ114aの張力が変更
可能となっていて、引張バネ114aの張力が増せば有
機感光体ドラム10に対する研摩ローラ100bの当接
圧力が増す構成となっている。引張バネ114aの張力
が減れば有機感光体ドラム10に対する研摩ローラ10
0bの当接圧力が減る構成となっていて、圧接解除も可
能にしている。なお、研摩ローラ100bは軸171に
ボールベアリングの軸受けを介して支持されているの
で、アーム172が研摩ローラ100bの回転を拘束す
ることがない。
【0109】また研摩ローラ100bには、クリーニン
グケース125の下方内面に突出するスクレーパ支持部
77に固定されたスクレーパ115により摺擦されて前
記研摩ローラ100b上のクリーニングトナーが回収部
材122へと回収される。
【0110】また研摩速度を調節する機構は、引張バネ
114aに替えて他の構成を採用する事も可能である。
研摩ローラ110bの研摩速度を変更する手段の一例と
して、駆動モータから研摩ローラー100bに伝達ベル
トを掛け回し、有機感光体ドラム10に対して相対的に
異なる線速度で研摩ローラ100bを回転させ、相対的
な速度を駆動モータの調節によって変更する装置が挙げ
られる。
【0111】ここで前記研摩ローラ100bは図9
(a)の構成の連続気孔多孔質体を用いたものであっ
て、クリーニングトナーの回収特性が優れている。
【0112】次に本発明では前記構成の研摩ローラのう
ち、特に選択されたものとして図9(b)の導電性化さ
れた研摩ローラが提案される。図9(b)において、ロ
は芯金イの外周に設けられた連続気孔多孔質体から成る
ロール部で、ハは該ロール部に分散含有される導電材で
ある。前記導電材ハとしては、導電性カーボン、金属
粉、金属酸化物粉等を挙げることができ、前記導電性カ
ーボンとしては、例えばライオン社製ケッチエンブラッ
クEC、ケッチエンブラックECDJ−600、キャボ
ット社製バルカンXC−72、ブラックパールズ200
等が好ましく用いられる。
【0113】ところで、クリーニング装置では、クリー
ニングブレードによる有機感光体上の残留トナーのクリ
ーニングを行う工程と、クリーニングされたトナーを研
摩ローラにより円滑に回収部材へとガイド搬送する工程
とがあり、特に前記各工程で、有機感光体を摩耗損傷し
ないことが重要である。前記残留トナーは通常有機感光
体上へ静電的に吸着して搬送されるため、従来のクリー
ニング装置ではその分前記クリーニングブレードの有機
感光体への余分な圧接力が加えられ、それだけ有機感光
体を摩耗損傷する恐れがあった。
【0114】本実施の形態では、前記研摩ローラを導電
性とし、図9(b)に示すロール部ロを切換端子ニを介
してアースするか、ロール部ロを電源ホに連結して該ロ
ール部ロにトナーと同じ又は逆の極性の直流電圧・及び
/又は交流電圧を印加して、有機感光体に圧接すること
により、該有機感光体上の残留電荷を消去するようにし
ている。それによって、残留トナーの有機感光体への静
電的吸着力を弱め、クリーニングブレードによるクリー
ニング効果を大きくすると共に、弱い圧接力でのクリー
ニングを可能とし、有機感光体の摩耗、損傷の軽減を達
成するようにしている。
【0115】そこで前記導電性研摩ローラでは、図9
(b)のロール部ロの導電率σが10-9Ω-1cm-1
上、好ましくは10-8Ω-1cm-1〜10-1Ω-1cm-1
され、カーボン含有量としては、例えば5〜30wt%
とされる。前記研摩ローラは、フローティング状態、図
9(b)ニのアース状態又は図9(b)ホのバイアス電
圧印加状態のいづれの状態であってもよく、前記研摩ロ
ーラの導電率σが10-9Ω-1cm-1未満の場合は、研摩
ローラの導電性が不足し、特に前記アースとした場合、
有機感光体上の残留電荷のアースへの流出が不十分とな
り、又前記バイアス印加とした場合、有機感光体及びト
ナーの残留電荷の強制消去が不可能となる。
【0116】前記図9(b)の導電性研摩ローラは前記
図10、または図11のいずれのクリーニング装置10
0にも組込み可能であり、それによって低圧接のクリー
ニングブレードと協同して効果的な研摩速度でのクリー
ニングが達成され、長期に亘り、高画質の画像形成が可
能となる。
【0117】次に有機感光体について以下に説明する。
【0118】前記有機感光体の特徴は少なくともその表
面層にポリカーボネート又は該ポリカーボネートの構成
単位を含む共重合体をバインダー樹脂として含有する有
機感光体とした点にある。
【0119】前記有機感光体の層構成を図12に示し
た。L1は透光性を有する基体、L10は導電層、L2
0は電荷発生物質(CGM)を含有する電荷発生層(C
GL)、L30は電荷輸送物質(CTM)を含有する電
荷輸送層(CTL)、L40は導電層L10と感光層と
の接着、導電層から感光層への電荷の注入阻止、その他
画質調整等の機能を有する中間層である。なお感光層は
電荷発生層L20と電荷輸送層L30に機能分離した層
である。
【0120】前記導電層L10はバインダ樹脂100重
量部に対して例えばITO等の導電性微粒子を50〜2
00重量部を含有する混合液を用いて透明基体上に形成
する。バインダ樹脂としては前記感光層に用いられるバ
インダー樹脂の外、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコ
ール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カゼイン、澱粉等の有機高分子化合物をディップ塗
布、スプレー塗布等の方法により形成する。導電層L1
0の透明性を高めるためには、層を構成する白色微粒子
の大きさを、光散乱がほとんどないレイリー散乱(露光
波長の1/10以下の大きさの微粒子による散乱)領域
の600オングストローム以下に制御する事が望まし
い。導電層L10の構成材料として一次粒子径が600
オングストローム以下のITO等の導電性微粒子を用
い、かつ、中心細孔半径を200オングストローム以下
に制御することが導電層の均一性や塗布液の分散性から
好ましい。
【0121】前記中間層L40は、前記感光層に用いら
れるバインダー樹脂の外、ポリアミド樹脂、ポリビニル
アルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、カゼイン、澱粉等の有機高分子化合物をディッ
プ塗布、スプレー塗布等の方法等により0.01〜2μ
m厚に設けて形成される。なおこの中間層L40は省略
して導電層L10代えることもできる。
【0122】さらに中間層L40上にバインダ樹脂10
0重量部に対してCGM50〜2000重量部、CTM
0〜200重量部含有する乾燥膜厚0.05〜5μm厚
の電荷発生層L20を設け、該CGL上にバインダ樹脂
100重量部に対してCTMを30〜200重量部含有
する乾燥膜厚5〜40μmの電荷輸送層L30を形成し
て得られる。
【0123】キャリアの発生を担う電荷発生層L20
は、例えばモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色
素などのアゾ系色素、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イ
ミドなどのペリレン系色素、インジゴ、チオインジゴな
どのインジゴ系色素、アンスラキノン、ピレンキノン、
フラパンスロンなどの多環キノン類、キナクリドン系色
素、ビスベンゾイミダゾール系色素、インダスロン系色
素、スクエアリリウム系色素、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ピリ
リウム塩色素、チアピリリウム塩色素とポリカーボネー
トから形成される共晶錯体など、公知の各種のCGMを
適当なバインダー樹脂と共に溶剤中に溶解或いは分散
し、塗布することにより形成することができる。
【0124】キャリアの輸送を担う電荷輸送層L30
は、主鎖又は側鎖にアセトラセン、ピレン、フェナント
レン、ココネンなどの多環芳香族化合物を有する化合
物、又はインドール、カルバゾール、オキサゾール、イ
ソオキサゾール、チアゾール、トリアゾール、インダゾ
ール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリンなど
の含窒素芳香環を有する化合物、トリフェニルアミン骨
格、スチルベン骨格、ヒドラゾン骨格を有する化合物な
どのCTMを適当なバインダー樹脂と共に溶剤中に溶解
或いは分散し、塗布することにより形成することができ
る。
【0125】前記有機感光体において、その感光層の少
なくとも最上層を形成する電荷輸送層L30にはバイン
ダー樹脂としてポリカーボネート又は該ポリカーボネー
トの構成単位を含む共重合体が主成分として含有され
る。前記最上層のバインダー樹脂として前記ポリカーボ
ネート又はその共重合体と共に例えばポリエステル、ポ
リエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリビニルブ
チラール、ポリメタクリレート、エポキシ、ポリビニル
カルバゾール等の他の樹脂を含有せしめることができ
る。なお前記最上層に含有されるバインダー樹脂は、ポ
リカーボネートの構成単位と共に共重合される他樹脂の
構成成分の量又はポリカーボネートと共に混合される他
の樹脂の量を、バインダー樹脂中50重量%未満とされ
る。
【0126】前記有機感光体の少なくとも最上層に用い
られるポリカーボネートの構成単位としては、下記一般
式〔B1〕及び/又は一般式〔B2〕が用いられる。
【0127】
【化1】
【0128】(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、
炭素原子数1〜6の置換もしくは未置換のアルキル基、
又は置換もしくは未置換のアリール基を表し、R3及び
4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜6の置換もしくは未置換のアルキル基又は置換もしく
は未置換のアリール基を表し、l及びmはそれぞれ1〜
4の整数を表す。但しR1とR2はそれぞれ互いに結合し
て炭素原子数4〜10の炭化水素環を形成してもよ
い。)
【0129】
【化2】
【0130】(式中、R5及びR6はそれぞれ水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の置換もしくは未置換
のアルキル基又は置換もしくは未置換のアリール基を表
し、p及びqはそれぞれ1〜4の整数を表す。) 前記一般式〔B1〕の具体的化合物例としては以下のも
のが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0131】
【化3】
【0132】
【化4】
【0133】
【化5】
【0134】
【化6】
【0135】前記一般式〔B2〕の具体的化合物例とし
ては、以下のものが、挙げられるが本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0136】
【化7】
【0137】前記一般式〔B1〕又は一般式〔B2〕で示
されるポリカーボネートの構成単位は相互に共重合体を
形成してもよく又他の樹脂の構成単位と共重合してもよ
い。
【0138】前記のように少なくとも、その表面層にバ
インダー樹脂としてポリカーボネート又はその共重合体
を主成分として含有する有機感光体を用い、これを前記
図10,図11の本発明に特有のクリーニング装置を備
えた画像形成装置に組み込み、前記の方法で画像形成を
行った場合、クリーニング特性が更に向上すると共に前
記有機感光体の摩耗損傷がより一層顕著に軽減される。
従って、多数回に亘る像形成の繰返しの際、高画質が長
期に亘り安定して得られる等の利点を生ずる。また、研
摩ローラ100bは層構造の有機感光体の電荷輸送層L
30に当接して研摩を行う。これで電荷発生を研摩する
と画質の劣化が顕著に発生する事を避けることが可能で
ある。一方、電荷輸送層を研摩しても画質の劣化が顕著
に現れたりはしない。
【0139】次に研摩ローラ100bによる有機感光体
ドラム10の適正な研摩速度について説明する。
【0140】有機感光体ドラム10上にトナー像を重ね
合わせる図1や図16のカラー画像形成装置において
は、モノクロと比べて、或いは、一色ごとにクリーニン
グされる転写方式やタンデム方式のカラー画像形成装置
と比べて、帯電回数及びトナー付着量が約4倍と大きな
ものになっている。この事がオゾンやトナーフィルミン
グが大きい原因となっている。それ故に有機感光体の研
摩量を高めに設定する事が必要となる。
【0141】本願発明者らによる検討の結果、カラープ
リントの場合の研摩速度は0.5〜5μm/104枚が
適当であることが判った。研摩速度を5μm/104
上に設定して研摩すると有機感光体ドラム10の感光体
層の厚みが厚くなりすぎて十分の電位が行われなくなっ
てしまう。
【0142】一方研摩速度が0.5μm/104以下で
あると、オゾンによる感光体の親水化やトナーフィルミ
ングにより潜像形成が不良となる問題が生じる。
【0143】一方で、モノクロ画像形成の場合は、帯電
やトナー付着による感光体のダメージはカラー画像形成
と比較すれば少なく、1/2〜1/5に低減すれば良い
事が実験より判明している。それ故に有機感光体を不要
に研摩しないためには、モノクロ画像形成時の研摩速度
をカラー画像形成と比べて小さくすることが好ましい。
この研摩速度はカラー画像形成時の研摩速度に対して1
/2〜1/5が好ましい。
【0144】次に図13ないし図15を用いて、研摩ロ
ーラ100bによる有機感光体ドラム10の研摩速度を
変更する例について説明する。
【0145】図13は研摩速度を実効プリント数に従っ
て大きくする例を説明するフローチャートである。
【0146】カラー画像形成装置1は(図1参照)図示
せぬカウンターによって実効プリント数を計数する。本
実施の形態では感光体に最もストレスを与える帯電工程
の実行回数を反映するべく、実効プリント数として実際
にカラー画像形成装置1の有機感光体に形成されたモノ
クロ画像またはカラー画像の数を採用した。しかし、計
数値は給紙不良の発生状況によって若干変動するもの
の、プリントアウトされた数や転写された数に従っても
良い。また画像サイズに応じて実効プリント数の係数を
変更してもよい。
【0147】カラー画像形成装置1は画像形成の開始要
求を受けると、研摩ローラ100bの回転数を次の式1
によって決定する(ステップ1)。
【0148】m=a1×n+b (式1) 式中 n:実効プリント数の計数値 a1:回転数の増加係数 b:回転数の初期値 次に決定した回転数mに従って先に説明したとおり研摩
ローラ100b(図11参照)の回転数を調節する(ス
テップ2)。
【0149】回転数を設定すると有機感光体の研摩速度
が決まるので、設定した研摩速度で画像形成を実行する
(ステップ3)。
【0150】図14は、モノクロ画像の研摩速度とカラ
ー画像の研摩速度をそれぞれ別に決定する第二の例を示
すフローチャートである。次に図14を用いて第二の例
を説明する。
【0151】カラー画像形成装置1は画像形成の開始要
求を受けると、カラー画像形成の開始要求であるかモノ
クロ画像形成の開始要求であるかを判断する(ステップ
11)。
【0152】カラー画像形成であるときは回転数mcを
次式2によって決定する(ステップ12)。
【0153】mc=a2×n+b (式2) 式中 n:実効プリント数の計数値 a2:回転数の増加係数 b:回転数の初期値 次に決定した回転数mに従って研摩ローラ100b(図
11参照)の回転数を調節し(ステップ13)、設定し
た研摩速度で画像形成を実行する(ステップ14)。
【0154】一方モノクロ画像形成であるときは回転数
msを次式3によって決定する(ステップ15)。
【0155】ms=a3×n+b (式3) 式中 n:実効プリント数の計数値 a3:回転数増加係数 b:回転数の初期値 次に決定した回転数msに従って研摩ローラ100b
(図11参照)の回転数を調節し(ステップ16)、設
定した研摩速度で画像形成を実行する(ステップ1
7)。
【0156】図15はカラー画像形成の実行プリント数
の重みをモノクロとカラーで変える、即ちモノクロ画像
形成の実行プリント数の重みを小さくして研摩速度を決
定する第三の例を示すフローチャートである。次に図1
5を用いて第三の例を説明する。
【0157】カラー画像形成装置1は画像形成の開始要
求を受けると、回転数mを次式4によって決定する(ス
テップ21)。
【0158】f=a4×n1+a52+b (式4) 式中n1:モノクロ画像形成の実効プリント数の計数値 n2:カラー画像形成の実効プリント数の計数値 a4:カラー画像形成時の回転数の増加係数 a5:モノクロ画像形成時の回転数の増加係数 b:当接荷重の初期値 次に決定した回転数mに従って先に説明したとおり研摩
ローラ100b(図11参照)の回転数を調節する(ス
テップ22)。
【0159】当接荷重を設定すると有機感光体の研摩速
度が決まるので、設定した研摩速度で回転数を実行する
(ステップ23)。
【0160】なお、ステップ21で演算を行う際に、a
5はa4の1/2〜1/5倍程度に設定することがより好
ましい。
【0161】図13から図15のフローチャートで示し
た本実施の形態では研摩速度の調節をプリント毎に調節
する構成とした。しかし、本発明においては所定数をプ
リントする毎に調節する構成であっても良い。このばあ
いは、一例として実効プリントを100プリント実行す
る度に研摩速度の調節を実行する構成等考えられる。ま
た、この調節は画像形成中に行うと駆動ムラを引き起こ
すので画像形成中以外のタイミングで実行する事が好ま
しい。
【0162】また、本発明では研摩速度を調節する構成
としては、研摩ローラ100bの回転数に替えて、クリ
ーニングブレードの圧接力を変えて研摩速度を変更して
も良い。
【0163】また、有機感光体の研摩は現像剤にSiO
2等の研摩材を内添しても可能である。このばあいは、
研摩材の比率を実効プリントに従って増やすことで、研
摩速度を調節してもよい。また、いずれの方法であって
も他と組み合わせて研摩速度を調節することが可能であ
る。
【0164】次に本発明を有機感光体を複数回回転させ
て有機感光体上にトナー像を重ね合わせて現像するカラ
ー画像形成装置の例によって説明する。
【0165】図16は有機感光体上にトナー像を重ね合
わせて現像するカラー画像形成装置の一例としてのカラ
ープリンタの断面図である。本実施の形態のカラー画像
形成装置は第一の実施の形態のカラー画像形成装置とは
異なり、露光光学係12が有機感光体ドラムの外部より
像露光を行い、有機感光体の表面にカラートナー像を重
ね合わせてカラートナー像を得るのに、感光体を複数回
回転させるものである。しかし他の部分は共通点も多い
ので、共通する部材には共通の符号を付して説明する。
【0166】有機感光体ドラム10は先に例示したメタ
クリル酸メチルエステルモノマーを用いて重合した透明
樹脂基体上に有機感光体層(OPC)を形成したもので
あり、接地された状態で図16の矢印で示した時計方向
に回転される。
【0167】スコロトロン帯電器11は第一の実施の形
態同様に有機感光体ドラム10に対し一様な電位を与え
る。
【0168】露光光学系12は画像信号に従って有機感
光体ドラム10を走査露光して、一色目の色トナーの潜
像形成を行う。
【0169】現像器13はイエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C)および黒色(K)の各現像剤を収
容する。現像器13はそれぞれ有機感光体ドラム10の
周面に対し所定の間隙を保って現像領域において有機感
光体ドラム10と同方向に回転する現像スリーブ130
を備えている。
【0170】各現像器は、前述した帯電器11による帯
電,露光光学系12による像露光によって形成される有
機感光体ドラム10上の静電潜像を現像バイアス電圧の
印加により非接触の状態で反転現像する。
【0171】画像記録のスタートにより感光体駆動モー
タの始動により有機感光体ドラム10を時計方向へと回
転し、同時に帯電器11の帯電作用により有機感光体ド
ラム10に電位の付与が開始される。
【0172】有機感光体ドラム10は電位を付与された
あと、前記の露光光学系12において第1の色信号すな
わちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号によ
る露光が開始されドラムの回転走査によってその表面の
感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静
電潜像を形成する。
【0173】前記の潜像は現像器13(Y)により現像
スリーブ上の現像剤が非接触の状態で反転現像され有機
感光体ドラム10の回転に応じイエロー(Y)のトナー
像が形成される。
【0174】次いで有機感光体ドラム10の2回転目の
行程に入る。有機感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上にさらに帯電器11(M)の帯電
作用により電位を付与され、露光光学系12によって第
2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信号による露
光が行われ、現像器13(M)による非接触の反転現像
によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼン
タ(M)のトナー像が順次重ね合わせて形成していく。
【0175】同様のプロセスにより有機感光体ドラム1
0の3回転目に第3の色信号に対応するシアン(C)の
トナー像が現像器13(C)を用いて形成され、さらに
引き続いて4回転目に第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が現像器13(K)を用いて順次重ね
合わせて形成され、有機感光体ドラム10の4回転でそ
の周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0176】かくして有機感光体ドラム10の周面上に
形成されたカラーのトナー像は転写ローラ14aの作用
で転写紙Pに一括転写される。
【0177】転写紙Pカラーのトナー像を一括転写され
て、さらに分離電極15aの作用で有機感光体ドラム1
0から分離される。
【0178】クリーニング装置100bは、第一の実施
の形態と同じ構成とした。
【0179】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0180】実施例1 外径φ80mmの透明樹脂基体によるドラム基体上にポ
リアミド樹脂「ダイアミドX1874M」(ダイセルヒ
ュルズ社製)よりなる厚さ約0.1μmの中間層を設け
た。
【0181】次にCGMとして下記構造の顔料60gと
バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂〔エス
レック BX−1〕(積水化学工業社製)24gを3−
メチル−2−ブタノン3000mlに溶解した溶液をサ
ンドミル中で10時間分散し、得られた分散液を前記中
間層上に浸漬塗布し、十分乾燥して、約0.3μm厚の
CGLを形成した。
【0182】一方、下記構造のCTM340gとバイン
ダー樹脂として〔パンライト K−1300〕(帝人化
成社製)450gとを1,2−ジクロロエタン3000
mlに溶解し、得られた溶液を前記CGL上に浸漬塗布
し、温度80℃で1時間乾燥して厚さ20μmのCTL
を形成し、本実施例用テスト感光体を得た。
【0183】
【化8】
【0184】前記感光体とポリウレタン等の連続気孔多
孔質体又は独立気孔発泡体から成り、図9(a)の構成
の研摩ローラを組み込んだ図1のカラー画像形成装置の
改造機を用いて下記のようにしてカラー画像のプリント
テストを行った。但し研摩ローラ100bは従動ローラ
ではなく、有機感光体ドラム10に摺擦するように強制
駆動されるものを用いた。
【0185】即ち、テスト用として表1に示す7種類の
連続気孔多孔質体から成る研摩ローラを用い、比較テス
ト用として表1の独立気孔発泡体から成る3種類の研摩
ローラ、及び表1のNo.1と同じ構成の研摩ローラー
の感光体研摩速度の設定を変更したものを用い、クリー
ニングブレートは感光体に対して、カウンター方式で当
接するものとし、その当接荷重は、15.5g−f/c
mとされる。他方研摩ローラは感光体を摺擦するように
強制駆動され、当接荷重は、40.0g−f/cmと
し、RH60%、20℃で連続104回のコピーテスト
を行った。
【0186】尚、感光体ドラムの周速Vpc〔mm/s
ec〕と、それに伴う研摩ローラの周速VR〔mm/s
ec〕をそれぞれ測定し、従動性をVR/Vpcで表
す。
【0187】このテストで下記の4項目の特性を測定、
評価し、その結果を表2に示した。
【0188】ローラのトナーこぼれの測定法及び評価 104回コピー後、白画像をコピーしたときの該白画像
中のトナーこぼれによる黒点の有無を目視判定する。
【0189】イ)黒点が全くないとき「◎」 ロ)径0.5mm以上の黒点が5個以下のとき「○」 ハ)5個より多いとき、又は径0.5mmより大きい黒
点が1個以上あるとき「×」 と評価する。
【0190】感光体傷(Rmax)の測定法 表面粗さ計サーフコーダーSE−30H(小坂研究所
製)を用い、104コピー時の感光体の表面粗さを測定
し、Rmaxを表示する。
【0191】感光体研摩速度(μm/104)の測定
法 うず電流タイプの膜厚計を用い、104コピー後の感光
体膜厚研摩速度をμm単位で測定する。
【0192】ハーフトーン画質の測定法及び評価法 104コピー時のハーフトーン濃度0.2〜0.4の画
像の感光体の傷に基づく筋、濃度むらを目視判定し、 イ)黒筋、濃度むらがなく極めて良好を「◎」 ロ)黒筋、濃度むらが僅小で良好の範囲を「○」 ハ)濃度むら、黒筋が有り実用性に乏しいものを「×」 ニ)黒筋、濃度むらが顕著で全く不適格のものを「×
×」 と評価する。
【0193】
【表1】
【0194】
【表2】
【0195】表2より本テストでは、ローラ従動性、ロ
ーラトナーこぼれ、感光体傷、感光体研摩速度、ハーフ
トーン画質等いづれも優れていたが、比較テストでは前
記5項目の各特性の全てが悪く実用性がないことが分か
る。
【0196】又別に、33℃,RH80%の高温高湿の
条件下で5万回のカラーコピーテストを行った結果、本
発明の研摩ローラを用いたテストでは、紙粉による画像
流れの発生が認められなかったが、比較用の研摩ローラ
を用いたテストでは前記画像流れが顕著に認められた。
【0197】実施例2 実施例1の有機感光体を用い、この有機感光体と図9
(b)の構成を有する連続気孔多孔質体又は独立気孔発
泡体から成る研摩ローラを組み込んだ図1のカラー画像
形成装置の改造機を用いて下記のようにして像形成テス
トをおこなった。なお研摩ローラ100bは実施例1と
同じく強制駆動されるものである。
【0198】即ち、本発明テスト用として表3に示す6
種類の導電性又は非導電性の連続気孔多孔質体から成る
研摩ローラを用い、比較テストとして表3の導電性独立
気孔発泡体から成る2種類の研摩ローラ及び表3のロー
ラNo1の研摩ローラと同じ構成で感光体研摩速度を変
更したものを用い、かつ前記導電性とされた研摩ローラ
にバイアス電圧印加又は該研摩ローラを接地した他は実
施例1の場合と同様の条件下で連続104回のカラーコ
ピーテストを行った。
【0199】なお、本実施例は、研摩ローラを導電性と
し、該ローラに直流(DC)及び正弦波形の交流(A
C)のバイアス電圧印加又は接地としたことに基づくク
リーニングの圧接軽減に着目してテストを行った。即
ち、クリーニングブレードの当接荷重を変化し、それに
伴う感光体の傷、研摩速度の変化を測定し、かつハーフ
トーン画質の評価を行い、その結果を表4に示した。な
お測定法及び評価方法は実施例1と同様に行った。
【0200】
【表3】
【0201】
【表4】
【0202】なお、表4において有機感光体への研摩ロ
ーラ当接荷重は40.0g−f/cmとし、有機感光体
へのクリーニングブレードの当接荷重は、クリーニング
不良が発生しない最低ブレード荷重値、+1.0g−f
/cmに設定した。
【0203】表4より、本発明テストではいづれも10
4回カラーコピー時の感光層の研摩速度が少なく、ハー
フトーン画質も優れており、特に研摩ローラが導電性と
された場合にクリーニングブレードの感光体への当接荷
重を軽減することができ、それだけ感光層の研摩速度の
低減が計られて感光体の耐久性が増大し、長期に亘りハ
ーフトーン画質の優れた画像が得られることが分かる。
これに対して比較テストでは、いづれも感光体の研摩速
度が多く、ハーフトーン画質が悪く実用性のないことが
わかる。
【0204】実施例3 CTLのバインダー樹脂として例示化合物B1−7、B1
−2及びB2−1を構造単位とする粘度平均分子量約3
0,000の単独重合体から成る樹脂を、それぞれ用い
た他は実施例1と同様にしてNo.1、No.2及びN
o.3の感光体を得た。
【0205】なお、前記B1−7を構造単位とする樹脂
〔ユーピロンZ−300〕(三菱ガス化学社製)として
市販されている。
【0206】またCTLのバインダー樹脂として例示化
合物B1−1とB2−1とが80:20の重量比で共重合
した粘度平均分子量約39,000の共重合体から成る
樹脂を用いた他は実施例1と同様にしてNo.4の感光
体を得た。
【0207】次にCTLのバインダー樹脂として下記化
合物を構成単位とする粘度平均分子量約30,000の
単独重合体から成る樹脂を用いた他は実施例1と同様に
してNo.5の感光体を得た。
【0208】前記化合物の構造式を以下に示す。
【0209】
【化11】
【0210】前記各感光体と表5の各研摩ローラをそれ
ぞれ図1のカラー画像形成装置に組み込んだ改造機を用
い、実施例1と同様にして表6に示す104回カラーコ
ピーの各実写テストを行い、表6の5項目の測定及び評
価を行い、その結果を表6に示した。なお研摩ローラ1
00bは実施例1と同様に強制駆動されるものである。
【0211】
【表5】
【0212】
【表6】
【0213】表6から本発明テストはローラ従動性、ト
ナー汚れ等が少なく、感光体の摩耗、損傷が少なく高耐
久性であり、また感光体の上層であるCTLのバインダ
ー樹脂がポリカーボネートを主体としていることから、
特に高耐久性、高画質を達成できることが理解される。
これに対して、比較テストはいずれも感光体の摩耗、損
傷が大きく耐久性に乏しいことが理解される。
【0214】実施例4 実施例1の感光体と表1の各研摩ローラをそれぞれ図1
のカラー画像形成装置に組み込んだ改造機を用い、カラ
ー画像形成時の研摩速度とモノクロ画像形成時の研摩速
度を1000コピー毎に切り換えて表7に示す104
コピーの各実写テストを行い、表7の3項目の測定及び
評価を行い、その結果を表7に示した。なお研摩ローラ
100bは実施例1と同様に強制駆動されるものであ
る。
【0215】
【表7】
【0216】表7から本発明テストはモノクロ画像形成
での研摩速度をカラー画像形成での1/2〜1/5倍程
度に設定すると、特にローラ従動性、トナー汚れ等が少
なく、損傷が少なく高耐久性であり、また感光体の上層
であるCTLのバインダー樹脂がポリカーボネートを主
体としていることから、特に高耐久性、高画質を達成で
きることが理解される。これに対して、比較テストはい
ずれも感光体の摩耗、損傷が大きく耐久性に乏しいこと
が理解される。
【0217】実施例5 実施例1の感光体と表1の研摩ローラNo.1を図1の
カラー画像形成装置に組み込んだ改造機を用い、カラー
画像形成時の研摩速度を先に説明した式1に従って高め
つつ図13のフローチャートの制御を行って表8に示す
104回コピーの各実写テストを行い、表8の4項目の
測定及び評価を行い、その結果を表8に示した。なお研
摩ローラ100bは実施例1と同様に強制駆動されるも
のである。
【0218】
【表8】
【0219】表8から本発明テストはモノクロ画像形成
での研摩速度をカラー画像形成での1/2〜1/4倍程
度に設定するとローラ従動性、トナー汚れ等が少なく、
感光体の損傷が少なく高耐久性であり、また感光体の上
層であるCTLのバインダー樹脂がポリカーボネートを
主体としていることから、特に高耐久性、高画質を達成
できることが理解される。これに対して、比較テストは
いずれも感光体の摩耗、損傷が大きく耐久性に乏しいこ
とが理解される。
【0220】実施例6 実施例1の感光体と表1の研摩ローラNo.1を図1の
カラー画像形成装置に組み込んだ改造機を用い、カラー
画像形成時の研摩速度とモノクロ画像形成時の研摩速度
を先に説明した式2と式3に従って高めつつ図14のフ
ローチャートの制御を行って表9に示す104回コピー
の各実写テストを行い、表10の4項目の測定及び評価
を行い、その結果を表10に示した。なお研摩ローラ1
00bは実施例1と同様に強制駆動されるものである。
【0221】
【表9】
【0222】
【表10】
【0223】表10から本発明テストはモノクロ画像形
成時は実効プリント数はモノクロ画像であったものとみ
なし、カラー画像形成時は実効プリント数はカラー画像
であったものとみなして研摩速度を高める設定をすれ
ば、ローラ従動性、トナー汚れ等が少なく、感光体の損
傷が少なく高耐久性であり、また感光体の上層であるC
TLのバインダー樹脂がポリカーボネートを主体として
いることから、特に高耐久性、高画質を達成できること
が理解される。加えてカラー画像形成での研摩速度をモ
ノクロ画像形成での2倍程度に設定すると特に良い結果
が得られる。これに対して、比較テストはいずれも感光
体の摩耗、損傷が大きく耐久性に乏しいことが理解され
る。
【0224】実施例7 実施例1の感光体と表1の研摩ローラNo.1を図1の
カラー画像形成装置に組み込んだ改造機を用い、カラー
画像形成時の研摩速度とモノクロ画像形成時の研摩速度
を先に説明した式4に従って高めつつ図15のフローチ
ャートの制御を行って表11に示す104回コピーの各
実写テストを行い、表12の4項目の測定及び評価を行
い、その結果を表12に示した。なお研摩ローラ100
bは実施例1と同様に強制駆動されるものである。
【0225】
【表11】
【0226】
【表12】
【0227】表12から本発明テストはカラー画像形成
での実効プリント数の重みはモノクロ画像形成の実効プ
リント数の重みよりも大きくして重み付けを行った上で
研摩速度を高める設定をすれば、ローラ従動性、トナー
汚れ等が少なく、感光体の損傷が少なく高耐久性であ
り、また感光体の上層であるCTLのバインダー樹脂が
ポリカーボネートを主体としていることから、特に高耐
久性、高画質を達成できることが理解される。加えてカ
ラー画像形成での研摩速度をモノクロ画像形成での2倍
程度に設定すると特に良い結果が得られる。これに対し
て、比較テストはいずれも感光体の摩耗、損傷が大きく
耐久性に乏しいことが理解される。
【0228】
【発明の効果】本願発明に係るカラー画像形成装置によ
れば、感光体の疲労を十分にリフレッシュして常に良好
な画像形成を実行可能とするとともに、感光体の寿命が
徒に短縮されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】像形成体の支持構造を示す断面図である。
【図3】像形成体の支持構造を示す断面図である。
【図4】像形成体ユニットの外観図である。
【図5】中間転写ベルトの支持構造を示す断面図であ
る。
【図6】中間転写ベルトの支持構造を示す断面図であ
る。
【図7】現像手段の装着状態を示す図である。
【図8】装置基板の開口部を示す図である。
【図9】本発明の研摩ローラの例を示す断面図である。
【図10】本発明の研摩ローラを有するクリーニング装
置の一例を示す断面図。
【図11】本発明のクリーニング装置の他の例を示す断
面図。
【図12】本発明の感光体の層構成の例を示す断面図。
【図13】研摩速度を実効プリント数に従って大きくす
る例のフローチャート。
【図14】第二の例を示すフローチャート。
【図15】第三の例を示すフローチャート。
【図16】有機感光体上にトナー像を重ね合わせて現像
するカラープリンタの断面図。
【符号の説明】
10 有機感光体ドラム 10A,10B フランジ部材 11 帯電器 12 露光光学系 13 現像器 20 支持部材 30 回転支持軸 40 ドラムサポート板 70 前側板 70A,70B 開口孔 71 後側板 130 現像スリーブ 131 突当てコロ 122 回収部材 100 クリーニング装置 111 ローラ支持ユニット 100a クリーニングブレード 100b 研摩ローラ 112 フレーム部材 112a 側面部 L1 基体 L10 導電層 L20 電荷発生層 L30 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 正泰 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 ▲浜▼田 州太 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 三浦 俊英 東京都小金井市緑町5丁目14番14号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する有機感光体の周縁に、帯電器と
    露光光学系と複数の現像器とを配置し、有機感光体の一
    回転中に、前記有機感光体に対し前記帯電器による帯電
    と前記露光光学系による像露光と前記複数の現像器の内
    の一つによる現像をおこなってトナー像を形成し、前記
    有機感光体を複数回回転させて回転毎に異なる現像器で
    トナー像の形成を順次繰り返すことにより、前記有機感
    光体に複数のトナー像を重ね合わせた後、重ね合わせた
    トナー像を転写材に一括して転写してカラー画像形成を
    実行できるカラー画像形成装置において、 前記有機感光体に当接してカラー画像形成時に0.5〜
    5μm/104プリントの研磨速度で前記有機感光体を
    研磨する研磨手段と、 前記研磨手段を有機感光体に当接する位置と当接しない
    位置に変位させる変位手段とを有することを特徴とする
    カラー画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記画像形成装置は、前記カラー画像形
    成に加えて、前記有機感光体に対し前記帯電器による帯
    電と前記露光光学系による像露光と前記複数の現像器の
    内の一つによる現像をおこなうモノクロ画像形成も実行
    可能で、 モノクロ画像形成のときの研磨速度をカラー画像形成を
    行うときの前記研磨速度よりも小さくする事を特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 回転する有機感光体の周縁に、複数組の
    帯電器と露光光学系と現像器とを配置し、有機感光体の
    一回転中に、前記有機感光体に対し前記帯電器による帯
    電と前記露光光学系による像露光と前記現像器による現
    像を行ってトナー像を形成することを各組毎に順次繰り
    返すことにより、前記有機感光体に複数のトナー像を重
    ね合わせた後、重ね合わせたトナー像を転写材に一括し
    て転写してカラー画像形成を実行できるカラー画像形成
    装置において、 前記有機感光体に当接していてカラー画像形成時に0.
    5〜5μm/104プリントの研磨速度で前記有機感光
    体を研磨する研磨手段を有するカラー画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記画像形成装置は、前記カラー画像形
    成に加えて、前記有機感光体に対し前記複数組のうちの
    一つの帯電器による帯電と前記露光光学系による像露光
    と前記現像器の一つによる現像をおこなうモノクロ画像
    形成も実行可能で、 モノクロ画像形成のときの研磨速度をカラー画像形成を
    行うときの前記研磨速度よりも小さくする事を特徴とす
    る請求項3に記載のカラー画像形成装置。
  5. 【請求項5】 回転する有機感光体の周縁に、帯電器と
    露光光学系と複数の現像器とを配置し、有機感光体の一
    回転中に、前記有機感光体に対し前記帯電器による帯電
    と前記露光光学系による像露光と前記複数の現像器の内
    の一つによる現像をおこなってトナー像を形成し、前記
    有機感光体を複数回回転させて回転毎に異なる現像器で
    トナー像の形成を順次繰り返すことにより、前記有機感
    光体に複数のトナー像を重ね合わせた後、重ね合わせた
    トナー像を転写材に一括して転写してカラー画像形成を
    実行可能なカラー画像形成装置において、 前記有機感光体に当接して前記有機感光体を研磨する研
    磨速度を調節可能な研磨手段と、 前記研磨手段を有機感光体に当接する位置と当接しない
    位置に変位させる変位手段とを有することを特徴とする
    カラー画像形成装置。
  6. 【請求項6】 回転する有機感光体の周縁に、複数組の
    帯電器と露光光学系と現像器とを配置し、有機感光体の
    一回転中に、前記有機感光体に対し前記帯電器による帯
    電と前記露光光学系による像露光と前記現像器による現
    像を行ってトナー像の形成を順次繰り返すことにより、
    前記有機感光体に複数のトナー像を重ね合わせた後、重
    ね合わせたトナー像を転写材に一括して転写してカラー
    画像形成を実行可能なカラー画像形成装置において、 有機感光体に当接して有機感光体を研磨する研磨速度を
    調節可能な研磨手段を有するカラー画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記研磨速度を画像形成の実効プリント
    数に従って大きくする事を特徴とする請求項5または6
    に記載のカラー画像形成装置。
  8. 【請求項8】 モノクロ画像形成での研磨速度を設定す
    るときは実効プリント数は全てモノクロ画像形成であっ
    たものとみなし、 カラー画像形成での研磨速度を設定するときは実効プリ
    ント数は全てカラー画像形成であったものとみなし、 実効プリント数が増加するのに従って研磨速度を増加さ
    せるとともに、実効プリント数に対するカラー画像形成
    の研磨速度がモノクロ画像形成の研磨速度より大きく設
    定されている事を特徴とする請求項5、6、または7に
    記載のカラー画像形成装置。
  9. 【請求項9】 モノクロ画像形成での実効プリント数と
    カラー画像形成の実効プリント数の累積に従って研磨速
    度を増加させるとともに、 カラー画像形成の実効プリント数の重みをモノクロ画像
    形成の実効プリント数の重みよりも大きくして重み付け
    を行ったうえで研磨速度の設定を行う事を特徴とする請
    求項5、6、または7に記載のカラー画像形成装置。
JP8229957A 1996-08-30 1996-08-30 カラー画像形成装置 Pending JPH1074021A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8095043B2 (en) * 2007-03-09 2012-01-10 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming apparatus and method of abrading photoconductor of the apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8095043B2 (en) * 2007-03-09 2012-01-10 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming apparatus and method of abrading photoconductor of the apparatus

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