JPH1074003A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH1074003A
JPH1074003A JP22990996A JP22990996A JPH1074003A JP H1074003 A JPH1074003 A JP H1074003A JP 22990996 A JP22990996 A JP 22990996A JP 22990996 A JP22990996 A JP 22990996A JP H1074003 A JPH1074003 A JP H1074003A
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JP
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heat
rotator
fixing device
heating
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Withdrawn
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JP22990996A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kato
剛 加藤
Keigo Tange
啓吾 丹下
Yusuke Morigami
祐介 森上
Tetsuro Ito
哲朗 伊藤
Taizo Onishi
泰造 大西
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良く加熱できると共に発生した熱の利用
効率も高くきわめて省エネルギな定着装置を提供する。 【解決手段】 ホルダ12のニップ部23の位置に、当
該ホルダ12の長手方向に沿って、金属スリーブ11に
接触する当接部31が設けられており、該当接部31を
例えば気泡あるいは空気層を含む耐熱性を有する部材か
ら構成することによって、きわめて著しい断熱効果を奏
し、ホルダ12へ散逸する熱の低減が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機
の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式の複写機などには、搬送され
る記録媒体である記録材上に転写されたトナー像(未定
着画像)のトナー(現像剤)を、熱によって融解して当
該記録材上に融着させる定着装置が設けられている。
【0003】この定着装置においては、待機時には加熱
をせずにプリント時にのみ加熱し、待機時の加熱を止め
ることによって省エネルギ化を図ったものがいくつか提
案されている。プリント時にのみ加熱となるようにする
には、現像剤以外、あるいは記録材以外の余計なものを
加熱しないのが望ましいが、実際にはこれらの加熱対象
物以外のものも加熱せざるをえない。また、記録材への
熱伝達効率を考えるとローラによる接触加熱方式がよい
が、ローラは所定の熱容量を有するものであるため、プ
リント時になって加熱を開始すると、ある程度の待機時
間が必要となり不便である。
【0004】そこで、薄肉のスリーブ、あるいはベルト
のような薄肉回転体を加熱媒体として定着する方法が提
案されたが、加熱媒体自らの剛性が低いので、剛体のロ
ーラのように記録材に圧接させることができず、安定し
て記録材を挟持搬送させることが困難であった。
【0005】これに対し、薄肉回転体の内面に、加圧ロ
ーラに向けて圧接する部材を設けるようにした技術が提
案されている(特開平2−154285号公報および特
開平3−129373号公報参照)。また、薄肉のスリ
ーブを急速に加熱する方式として、金属スリーブの内側
に電磁誘導加熱源を備えた誘導加熱方式の定着装置もあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2−154285号公報に開示された技術は、加熱
抵抗体を発熱させ、定着フィルムを介して記録材上の現
像剤を定着するものであって、加熱抵抗体そのものが所
定の熱容量を有し、また定着フィルムが熱抵抗となるた
めに、加熱効率が良好でない。
【0007】また、上記特開平3−129373号公報
に開示されたものや誘導加熱方式の定着装置は、薄肉回
転体そのものが加熱されるので効率が良いものの、薄肉
回転体の内面を加圧ローラに向けて圧接する部材がどう
しても必要であり、かかる押圧部材を薄肉回転体の内面
に接触させることになる。したがって、スリーブで発生
した熱が押圧部材の接触により、そこから散逸してしま
い、熱の利用効率が低下するという問題があった。
【0008】一方で、装置のウォームアップを短縮し、
省エネルギ化を図るためには、薄肉回転体のフレキシブ
ルな特性を利用し、記録材との接触時間を長く、つまり
記録材の挟持が行われるニップ部の搬送方向の幅(ニッ
プ幅)を広げることにより、定着温度の低下を実現させ
ることが考えられる。ところが、そのためには押圧部材
の薄肉回転体に対する圧接範囲を広げることで、対向す
る加圧ローラとの間でニップ部を形成する必要があり、
このことは、前述したような折角発生した熱の押圧部材
からの散逸を助長するという相反した結果を招くことと
なる。
【0009】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、本発明の目的は、効率
良く加熱できると共に発生した熱の利用効率も高くきわ
めて省エネルギな定着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載の発明は、発熱すると共に回転可能に設けら
れる発熱回転体と、前記発熱回転体を内側から押圧する
押圧部材と、前記押圧部材に対向して回転可能に設けら
れる加圧回転体とを有し、前記発熱回転体と前記加圧回
転体との間に記録材を搬送させることにより現像剤を前
記記録材に定着させる定着装置において、前記押圧部材
の前記発熱回転体に接触する当接部は、気泡あるいは空
気層を含む耐熱性を有する部材から構成されることを特
徴とする。この発明にあっては、当接部に気泡あるいは
空気層が存在するため、樹脂固体などに比べてきわめて
著しい断熱効果を奏することにより、押圧部材へ散逸す
る熱を最大限に抑制することが可能となる。したがっ
て、発熱回転体を効率良く加熱できるだけでなく、発生
した熱の大部分を現像剤の記録材上への定着に使用でき
るので熱の利用効率が大幅に向上することとなる。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1記載の定着装置において、前記当接部は、発泡させ
た耐熱弾性材、耐熱フェルト材、耐熱ブラシ材および耐
熱多孔質体からなる群より選択されたいずれか1つであ
ることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、上記請求
項1記載の定着装置において、前記当接部の表面には、
良摺動性かつ耐熱性を有する表層が形成されていること
を特徴とする。この発明にあっては、発熱回転体との摩
擦係数が低く滑らかに摺動接触することにより該発熱回
転体の回転安定性が確保されることになると共に、摩耗
による劣化が防止される。
【0013】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置において、前
記当接部の表面硬度は、前記加圧回転体の表面硬度より
小さいことを特徴とする。この発明にあっては、発熱回
転体は加圧回転体の外周面の曲率に沿って曲がることと
なるため、定着後の記録材の発熱回転体からの分離が良
好になるだけでなく、幅広いニップ部が確保されるの
で、当接部の断熱効果による熱の散逸防止に加え、記録
材への伝熱効率が上がり定着温度を低く設定することが
でき、定着効率の一層の向上が図られる。
【0014】また、請求項5に記載の発明は、金属層を
含み、発熱すると共に回転可能に設けられる発熱回転体
と、前記発熱回転体と摺動し、該発熱回転体を内側から
押圧する固定された押圧部材と、前記押圧部材に対向し
て回転可能に設けられる加圧回転体とを有し、前記発熱
回転体と前記加圧回転体との間に記録材を搬送させるこ
とにより現像剤を前記記録材に定着させる定着装置にお
いて、前記押圧部材の前記発熱回転体に接触する当接部
は、記録材搬送方向中央近傍に該発熱回転体の内方にへ
こんだ凹部を少なくとも1つ以上有する曲面形状を呈す
ることを特徴とする。この発明にあっては、発熱回転体
と押圧部材との接触面は、凹部の両側のみになるので、
ニップ幅を広げても押圧部材への接触伝熱が少なく、熱
の利用効率が向上する。しかも、前記接触面は曲面であ
ることから、金属層を含む発熱回転体を無理に屈曲させ
ることがなく、発熱回転体の金属疲労が低減される。さ
らに、押圧部材を発熱回転体の内面に摺動接触させるこ
とにより、回転接触させることによって押圧部材全体に
熱が散逸して熱の利用効率が低下するような事態が防止
される。
【0015】また、請求項6に記載の発明は、上記請求
項5記載の定着装置において、前記当接部の表に面は、
良摺動性かつ耐熱性を有する表層が形成されていること
を特徴とする。この発明にあっては、発熱回転体および
押圧部材間の摺動性が必要に応じて十分確保される。
【0016】また、請求項7に記載の発明は、金属層を
含み、発熱すると共に回転可能に設けられる発熱回転体
と、前記発熱回転体と摺動し、該発熱回転体を内側から
押圧する固定された押圧部材と、前記押圧部材に対向し
て回転可能に設けられる加圧回転体とを有し、前記発熱
回転体と前記加圧回転体との間に記録材を搬送させるこ
とにより現像剤を前記記録材に定着させる定着装置にお
いて、前記押圧部材の前記発熱回転体に接触する位置
に、曲面形状を呈する薄肉の金属板部材を備えた当接部
を設け、該金属板部材と前記押圧部材との間に空隙を形
成したことを特徴とする。この発明にあっては、押圧部
材の強度不足が補われると共に、空隙の形成により押圧
部材への接触伝熱が抑えられる。また誘導加熱方式の場
合には、金属板部材が発熱することにより加熱効率が向
上する。
【0017】また、請求項8に記載の発明は、発熱する
と共に回転可能に設けられる発熱回転体と、前記発熱回
転体と摺動し、該発熱回転体を内側から押圧する固定さ
れた押圧部材と、前記押圧部材に対向して回転可能に設
けられる加圧回転体とを有し、前記発熱回転体と前記加
圧回転体との間に記録材を搬送させることにより現像剤
を前記記録材に定着させる定着装置において、前記押圧
部材の前記発熱回転体に接触する位置に、潤滑剤を含浸
させた断熱性を有する当接部を設けたことを特徴とす
る。この発明にあっては、押圧部材への伝熱の抑制と、
押圧部材および発熱回転体の安定した摺動性との双方が
同時に確保される。
【0018】また、請求項9に記載の発明は、上記請求
項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置において、前
記発熱回転体を誘導加熱する電磁誘導加熱源を有するこ
とを特徴とする。この発明にあっては、例えば発熱抵抗
層をスリーブに備えたもののように電極を接触させる必
要が全く無く、断熱性がきわめて良好となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1に係
る定着装置の軸直角断面図、図2は同定着装置の要部拡
大図である。
【0020】図1に示す定着装置は、搬送される記録媒
体である記録材14上に形成された未定着画像の現像剤
を誘導加熱された金属スリーブ11の熱によって融解し
て当該記録材14上に定着させる誘導加熱方式のもので
ある。図示のように、この定着装置は、高周波磁界を生
じるコイル・アセンブリ10と、コイル・アセンブリ1
0によって発熱すると共に回転可能に設けられる金属ス
リーブ11(発熱回転体に相当する)と、金属スリーブ
11と摺動接触し該金属スリーブ11の内側から押圧す
る固定されたホルダ12(押圧部材に相当する)と、ホ
ルダ12に対向して回転可能に設けられる加圧ローラ1
3(加圧回転体に相当する)とを有する。加圧ローラ1
3は図1中矢印a方向に回転され、金属スリーブ11
は、加圧ローラ13とホルダ12との間に挟持され、加
圧ローラ13の回転に伴って従動回転する。
【0021】未定着のトナー像が転写されている記録材
14は、図1中矢印bで示すように左方向から搬送さ
れ、記録材14を挟持するニップ部23に向けて送り込
まれる。そして記録材14は、加熱された金属スリーブ
11の熱と、加圧ローラ13から作用する圧力とが加え
られながら、ニップ部23を搬送される。これにより、
未定着トナーが定着され、記録材14上には定着トナー
像が形成される。ニップ部23を通過した記録材14
は、先端部が金属スリーブ11の表面に当接する分離爪
15により金属スリーブ11から分離され、図1中右方
向に搬送される。この記録材14は、図示しない排紙ロ
ーラによって搬送され、排紙トレイ上に排出される。
【0022】前記金属スリーブ11は、可撓性を有する
薄肉の中空金属導体からなり、例えばニッケル、鉄、S
US430などの金属層を含んでいる。金属スリーブ1
1の外周表面には、フッ素樹脂をコーティングして、耐
熱性の離型層が形成されている。金属スリーブ11の金
属層の厚みは、20μm〜60μmである。
【0023】金属スリーブ11の内部には、当該金属ス
リーブ11に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール
発熱させるために、高周波磁界を生じるコイル・アセン
ブリ10が配設されている。このコイル・アセンブリ1
0は、ホルダ12の内部に保持されている。ホルダ12
は、図示しない定着ユニットフレームに固定され非回転
となっている。
【0024】コイル・アセンブリ10は、磁性材からな
るコア16と、コア16を挿入するための通孔が形成さ
れたボビン17と、このボビン17の周囲に銅線を巻回
して形成され金属スリーブ11に誘導電流を誘起させて
加熱する誘導コイル18とを有する。ボビン17は、コ
ア16と誘導コイル18とを絶縁する絶縁部として機能
している。そして、コイル・アセンブリ10は、ボビン
17とは別体に形成された前記ホルダ12内に、外部に
露呈しないように収納されている。
【0025】ホルダ12、ボビン17および分離爪15
は、耐熱絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形
成されている。
【0026】加圧ローラ13は、軸芯19と、当該軸芯
19の周囲に形成された表面離型性耐熱ゴム層であるシ
リコンゴム層20とから構成されている。
【0027】金属スリーブ11の上方には、当該金属ス
リーブ11の温度を検出する温度センサ21が設けられ
ている。この温度センサ21は、金属スリーブ11を隔
てて誘導コイル18に向かい合うように、金属スリーブ
11の表面に圧接している。温度センサ21は、例え
ば、サーミスタより構成され、このサーミスタで金属ス
リーブ11の温度を検出しつつ、金属スリーブ11の温
度が最適温度となるように誘導コイル18への通電が制
御される。
【0028】金属スリーブ11の上方にはさらに、温度
異常上昇時の安全機構として、サーモスタット22が設
けられている。このサーモスタット22は、金属スリー
ブ11の表面に接触しており、予め設定された温度にな
ると接点を開放して誘導コイル18への通電を切断し、
金属スリーブ11が所定温度以上の高温となることを防
止している。
【0029】本実施の形態1のホルダ12には、特に、
ニップ部23の位置に、当該ホルダ12の長手方向(軸
方向)に沿って、金属スリーブ11に接触する当接部3
1が設けられており、該当接部31は、気泡あるいは空
気層を含む耐熱性を有する部材から構成されている。
【0030】ホルダ12には、定着のための高温時の圧
接力に対し曲げ変形を起こさない耐熱性樹脂やガラスな
どが一般に使用されるが、樹脂のような低熱伝導率を有
する材料であっても、直接接触することによってかなり
の熱が金属スリーブ11から奪われるのが現状であり、
このホルダ12が大きな熱容量を持つほど奪われる熱が
大きく、ウォームアップ時間に影響する。また、ホルダ
12が冷えているときは、記録材への伝熱効率が低下す
るため、プリント初期には大きな電力が必要となること
から、できるだけ低い最大使用電力にて現像剤を記録材
に定着させるには、ホルダ12へ奪われる熱を可能な限
り低減する必要がある。
【0031】かかる観点より本実施の形態1は、ホルダ
12に、気泡あるいは空気層を含む耐熱性を有する部材
から構成した当接部31を設け、樹脂固体などに比べて
きわめて著しい断熱効果を奏することにより、ホルダ1
2へ散逸する熱の低減を図ったものである。また、金属
スリーブ11を誘導加熱する電磁誘導加熱源としての誘
導コイル18を用いているので、発熱抵抗層をスリーブ
に備えたものに比べて電極を接触させる必要が全く無
く、断熱性がきわめて良好となっている。さらに、ホル
ダ12を金属スリーブ11の内面に摺動接触させること
で、回転接触させることによりホルダ12全体に熱が散
逸して熱の利用効率が低下するような事態の防止が図ら
れている。
【0032】当接部31は、図2に示すように、ホルダ
12の表面に形成される長手方向の溝に嵌挿されて耐熱
性のある接着剤などにより固定されるが、確実に固定で
きれば固定方法は任意である。この当接部31は、ホル
ダ12の長手方向に沿う寸法と同じ長さを有する比較的
長尺の形態が好ましいが、良好な押圧を実現し得る範囲
内で、比較的短いものをホルダ12の長手方向に沿って
複数個配置した形態でもよい。
【0033】当接部31を構成する部材としては、発泡
させた耐熱弾性材が適しており、具体的には、発泡スポ
ンジゴムや発泡シリコンゴムなどが使用される。この場
合に、当接部31の表面硬度は、加圧ローラ13の表面
硬度より小さくなるように設定するのが好ましい。この
ように当接部31の材料等を適宜選択して表面硬度を設
定すれば、金属スリーブ11は加圧ローラ13の外周面
の曲率に沿って曲がることとなるため、定着後の記録材
14の金属スリーブ11からの分離が良好になるだけで
なく、幅広いニップ部を確保することができるので、当
接部31の断熱効果による熱の散逸防止に加え、記録材
14への伝熱効率が上がり定着温度を低く設定すること
ができ、定着効率の一層の向上を図ることができる。
【0034】次に、実施の形態1の定着装置の作用を説
明する。
【0035】誘導コイル18に高周波電流を通電する
と、金属スリーブ11は磁性金属からなるので高周波誘
導電流が誘起されて発熱する。しかも誘導加熱方式は発
熱効率が高く、金属スリーブ11を薄肉に形成して低熱
容量化をも図っているので、金属スリーブ11は高速で
昇温する。このため、予熱時間の短縮および消費電力の
低減が図られる この金属スリーブ11は、加圧ローラ13とホルダ12
との間に挟持され、加圧ローラ13の圧接により駆動力
を得て該加圧ローラ13の回転に伴って従動回転する。
未定着のトナー像が転写されている記録材14は、これ
ら金属スリーブ11と加圧ローラ13との間のニップ部
23に向けて送り込まれ、加熱された金属スリーブ11
の熱と加圧ローラ13から作用する圧力とが加えられな
がらニップ部23を搬送されることにより、トナーが記
録材14上に定着される。
【0036】ここで、加熱された金属スリーブ11の熱
は、上記のように記録材14に加えられるほか、金属ス
リーブ11の内面に押圧するホルダ12にも伝わろうと
するが、ホルダ12への断熱手段として、ホルダ12
に、気泡あるいは空気層を含む耐熱性を有する部材から
構成した当接部31が設けられているので、樹脂固体な
どに比べてきわめて著しい断熱効果を奏することによ
り、ホルダ12へ散逸する熱を最大限に抑制することが
可能となる。
【0037】このように、実施の形態1によれば、効率
良く加熱できるだけでなく、発生した熱の大部分をトナ
ー像の記録材14上への定着に使用できるので熱の利用
効率が大幅に向上することとなり、このため、きわめて
高い省エネルギ化を達成することが可能となる。
【0038】なお、当接部31を構成する部材は上記の
ものに限定されるものではなく、例えば図3に示すよう
に、耐熱フェルト材を使用したものでもよく、具体的に
は例えばポリアミド系繊維やガラス繊維などを含むフェ
ルトが該当する。
【0039】また例えば、図4に示すような耐熱ブラシ
材や、図5に示すような多孔質セラミックスなどの耐熱
多孔質体を使用することも可能である。
【0040】さらに当接部31は、図5に示すように、
その表面に、良摺動性かつ耐熱性を有する表層32を形
成してもよい。この表層としては、例えばポリ4フッ化
エチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素
樹脂(PFA)あるいはポリイミド(PI)などの材質
からなる層が適している。このようにすれば、金属スリ
ーブ11との摩擦係数が低く滑らかに摺動接触すること
により該金属スリーブ11の回転安定性が確保されるこ
とになると共に、摩耗による劣化を防止することがで
き、長寿命化を図ることができる。
【0041】一方、潤滑剤を含浸させた断熱性を有する
当接部31とすることも可能である。具体的には、グリ
スやオイル等の潤滑剤を含浸させたフェルトあるいは弾
性材が該当する。これは、金属スリーブ11の回転をス
ムーズにするための潤滑剤供給機能を断熱材に持たせた
ものであり、このように構成すれば、ホルダ12への伝
熱の抑制と、ホルダ12および金属スリーブ11の安定
した摺動性との双方を同時に確保することができる。
【0042】図6は本発明の実施の形態2に係る定着装
置の要部拡大図であり、実施の形態1と共通している部
材には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。こ
の実施の形態2は、実施の形態1と同様に金属スリーブ
11を用いた誘導加熱方式の定着装置であるが、ホルダ
12の金属スリーブ11に接触する当接部31は、記録
材搬送方向中央近傍に該金属スリーブ11の内方に向け
てへこんだ凹部31aを有する曲面形状を呈している点
で、ホルダ12の表面に長手方向に別部品として固定さ
れている実施の形態1と相違している。
【0043】実施の形態2は、ホルダ12を曲面状にへ
こませ、加圧ローラ13がホルダ12の方向へ金属スリ
ーブ11を圧接してもホルダ12および金属スリーブ1
1間に空間を持たせることにより、ホルダ12への伝熱
の抑制を図ったものである。また、凹部31aを利用し
てグリスやオイル等の潤滑剤(図7の斜線ハッチングで
示す部分参照)を塗布することにより、金属スリーブ1
1の摩耗劣化の低減と、該金属スリーブ11の回転安定
化とを図ることが可能となる。
【0044】この実施の形態2によれば、金属スリーブ
11とホルダ12との接触面は、凹部31aの両側のみ
になるので、ニップ幅を広げてもホルダ12への接触伝
熱を少なくすることができ、熱の利用効率が向上する。
しかも、金属スリーブ11とホルダ12との接触面は曲
面であることから、金属層を含むスリーブを無理に屈曲
させることがなく、金属スリーブ11の金属疲労を低減
でき長寿命化が図られる。また、別部品を追加する必要
がないので低コストとなる。
【0045】なお、当接部31は、図7に示すように、
その表面に、良摺動性かつ耐熱性を有する表層32を形
成してもよい。この表層としては、例えばPTFE、P
FAあるいはPIなどの材質からなる耐熱フィルムある
いは耐熱シートを被覆することが考えられる。このよう
にすれば、金属スリーブ11およびホルダ12間の摺動
性を必要に応じて十分確保することが可能である。
【0046】また、前記凹部31aは、図8に示すよう
に、一つに限られず複数設けることができる。ニップ幅
をできる限り広くとろうとすると、加圧ローラ13が小
径の硬いローラの場合、凹部31aはニップ幅に応じて
深くしてやらなければならないが、凹部31aの深さを
増すことは金属スリーブ11を内側(凹部の深さ方向)
へ大きく曲げることになって該金属スリーブ11の内部
応力の増大を招くという問題が生じる。これに対し、例
えば凹部の中央に凸部31bを設け、すなわち二つの凹
部31a,31aを形成することにより、金属スリーブ
11が余計に曲げられないように支持することができ、
したがって金属スリーブ11の内部応力の低減を図りつ
つ、ニップ幅を広くすることができる。
【0047】図9は本発明の実施の形態3に係る定着装
置の要部拡大図であり、実施の形態1と共通している部
材には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。こ
の実施の形態3も、実施の形態1と同様に金属スリーブ
11を用いた誘導加熱方式の定着装置であるが、ホルダ
12の金属スリーブ11に接触する位置に、断面略W字
状の曲面形状を呈する薄肉の金属板部材33を備えた当
接部31を設け、該金属板部材33とホルダ12との間
に空隙33aを形成したた点で、実施の形態1と相違し
ている。
【0048】この実施の形態3によれば、ホルダ12の
強度不足を補うことができると共に、空隙33aの形成
によりホルダ12への接触伝熱を抑えることが可能とな
る。また特に誘導加熱方式の場合には、金属板部材33
が発熱することにより加熱効率を向上させることができ
る。なお、金属板部材33の表面には、良摺動性かつ耐
熱性を有する表層を被覆するのが望ましい。また、金属
板部材33の中央の凹部や端部近傍にグリスやオイル等
の潤滑剤を塗布してもよいことは上記実施の形態2と同
様である。
【0049】なお、以上説明した実施の形態は、本発明
を限定するために記載されたものではなく、種々変更が
可能である。例えば上述した実施の形態1〜3では、誘
導加熱方式の定着装置について説明したが、本発明はこ
れに限られず、断熱性が若干劣るものの例えば発熱抵抗
層を含む薄肉回転体を有する定着装置に適用することも
可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着装置
によれば、発熱回転体を効率良く加熱できるだけでな
く、発生した熱の大部分を現像剤の記録材上への定着に
使用できるので熱の利用効率が大幅に向上することとな
り、このため、きわめて高い省エネルギ化を達成するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る定着装置の軸直
角断面図である。
【図2】 当接部に発泡させた耐熱弾性材を使用した同
定着装置の要部拡大図である。
【図3】 当接部に耐熱フェルト材を使用した場合の定
着装置の要部拡大図である。
【図4】 当接部に耐熱耐熱ブラシ材を使用した場合の
定着装置の要部拡大図である。
【図5】 当接部に耐熱多孔質体を使用した場合の定着
装置の要部拡大図である。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る定着装置の要部
拡大図である。
【図7】 当接部の表面に良摺動性かつ耐熱性を有する
表層を形成した場合の定着装置の要部拡大図である。
【図8】 凹部を複数設けた場合の定着装置の要部拡大
図である。
【図9】 本発明の実施の形態3に係る定着装置の要部
拡大図である。
【符号の説明】
11…金属スリーブ(発熱回転体)、 12…ホルダ(押圧部材)、 13…加圧ローラ(加圧回転体)、 14…記録材、 18…誘導コイル(電磁誘導加熱源) 23…ニップ部、 31…当接部、 31a…凹部、 32…表層、 33…金属板部材 33a…空隙。
フロントページの続き (72)発明者 森上 祐介 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 伊藤 哲朗 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 大西 泰造 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱すると共に回転可能に設けられる発
    熱回転体と、 前記発熱回転体を内側から押圧する押圧部材と、 前記押圧部材に対向して回転可能に設けられる加圧回転
    体とを有し、 前記発熱回転体と前記加圧回転体との間に記録材を搬送
    させることにより現像剤を前記記録材に定着させる定着
    装置において、 前記押圧部材の前記発熱回転体に接触する当接部は、気
    泡あるいは空気層を含む耐熱性を有する部材から構成さ
    れることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記当接部は、発泡させた耐熱弾性材、
    耐熱フェルト材、耐熱ブラシ材および耐熱多孔質体から
    なる群より選択されたいずれか1つであることを特徴と
    する請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記当接部の表面には、良摺動性かつ耐
    熱性を有する表層が形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記当接部の表面硬度は、前記加圧回転
    体の表面硬度より小さいことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 金属層を含み、発熱すると共に回転可能
    に設けられる発熱回転体と、 前記発熱回転体と摺動し、該発熱回転体を内側から押圧
    する固定された押圧部材と、 前記押圧部材に対向して回転可能に設けられる加圧回転
    体とを有し、 前記発熱回転体と前記加圧回転体との間に記録材を搬送
    させることにより現像剤を前記記録材に定着させる定着
    装置において、 前記押圧部材の前記発熱回転体に接触する当接部は、記
    録材搬送方向中央近傍に該発熱回転体の内方にへこんだ
    凹部を少なくとも1つ以上有する曲面形状を呈すること
    を特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 前記当接部の表に面は、良摺動性かつ耐
    熱性を有する表層が形成されていることを特徴とする請
    求項5記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 金属層を含み、発熱すると共に回転可能
    に設けられる発熱回転体と、 前記発熱回転体と摺動し、該発熱回転体を内側から押圧
    する固定された押圧部材と、 前記押圧部材に対向して回転可能に設けられる加圧回転
    体とを有し、 前記発熱回転体と前記加圧回転体との間に記録材を搬送
    させることにより現像剤を前記記録材に定着させる定着
    装置において、 前記押圧部材の前記発熱回転体に接触する位置に、曲面
    形状を呈する薄肉の金属板部材を備えた当接部を設け、
    該金属板部材と前記押圧部材との間に空隙を形成したこ
    とを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 発熱すると共に回転可能に設けられる発
    熱回転体と、 前記発熱回転体と摺動し、該発熱回転体を内側から押圧
    する固定された押圧部材と、 前記押圧部材に対向して回転可能に設けられる加圧回転
    体とを有し、 前記発熱回転体と前記加圧回転体との間に記録材を搬送
    させることにより現像剤を前記記録材に定着させる定着
    装置において、 前記押圧部材の前記発熱回転体に接触する位置に、潤滑
    剤を含浸させた断熱性を有する当接部を設けたことを特
    徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 前記発熱回転体を誘導加熱する電磁誘導
    加熱源を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載の定着装置。
JP22990996A 1996-08-30 1996-08-30 定着装置 Withdrawn JPH1074003A (ja)

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JP22990996A JPH1074003A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 定着装置
US08/919,106 US5870660A (en) 1996-08-30 1997-08-28 Heating device

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002148983A (ja) * 2000-11-10 2002-05-22 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2005221533A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2007279671A (ja) * 2006-03-14 2007-10-25 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2015087464A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 富士ゼロックス株式会社 押圧部材、定着装置及び画像形成装置
JP2017026735A (ja) * 2015-07-21 2017-02-02 キヤノン株式会社 定着装置

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