JPH1073528A - 撮像機能付きフローサイトメータ - Google Patents

撮像機能付きフローサイトメータ

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JPH1073528A
JPH1073528A JP8248875A JP24887596A JPH1073528A JP H1073528 A JPH1073528 A JP H1073528A JP 8248875 A JP8248875 A JP 8248875A JP 24887596 A JP24887596 A JP 24887596A JP H1073528 A JPH1073528 A JP H1073528A
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JP
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light
sample
flow
cell
image
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JP8248875A
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English (en)
Inventor
Hideo Kususawa
英夫 楠澤
Fumio Kubota
文雄 久保田
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Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞を変形させることなく、その核部分をコ
ントラストよく撮像する。 【解決手段】 粒子含有試料を試料流に変換するシース
フローセルと、近赤外光で前記試料流を照明する近赤外
光源と、近赤外光で照明された試料流中の粒子を撮像す
る撮像器と、撮像された粒子像を画像処理する画像処理
部を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、撮像機能付きフ
ローサイトメータに関し、特に細胞などの粒子撮像する
ための撮像系を備えるフローサイトメータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、細胞の核部分を細胞質部分から弁
別して分析する方法として次のような方法が知られてい
る(例えば、特開平6−58926号公報参照)。つま
り、細胞をスライド上に定着して洗浄した後、特別な染
料で染色し、更に洗浄して余分な染料を除去し、これに
カバーグラスをかけて細胞標本を作成し、そして、作成
した標本に赤外線を照射して、細胞を撮像し、細胞像を
デジタル化してコンピュータで分析を行うようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このような分析方法においては、細胞標本の作成に手間
を要するばかりでなく、細胞がスライドとカバーグラス
とに挟まれて偏平化し、立体的な形状を有する細胞本来
の像を撮像することができないため、例えば、核部分の
直径やプロフィールのような情報を正しく得ることがで
きないという問題点がある。
【0004】この発明は、このような事情を考慮してな
されたもので、粒子を含有する試料流に近赤外光を照射
して撮像することにより、本来の立体的な形をした細胞
の核部分をコントラストよく撮像することが可能で、ま
たそれによって細胞の分析を高精度に行うことができる
撮像機能付きフローサイトメータを提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、粒子含有試
料を試料流に変換するシースフローセルと、近赤外光で
前記試料流を照明する近赤外光源と、近赤外光で照明さ
れた試料流中の粒子を撮像する撮像器と、撮像された粒
子像を画像処理する画像処理部を備えた撮像機能付きフ
ローサイトメータを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明のシースフローセルは、
粒子(細胞)を含む試料をシース液で包んで流すことに
より流体力学的効果によって細い試料液の流れを形成さ
せることのできるフローセルであり、これには従来公知
のものを用いることができる。
【0007】この発明の対象とする粒子は、血液や尿に
含まれる血球や細胞を主としているが、特に限定されな
い。
【0008】粒子を撮像するについて、粒子を照明する
光の波長が短いと、光が粒子表面及び内部において散乱
や吸収による減光が大きくなり、粒子内部を画像化する
ことができない。
【0009】逆に光の波長が長いと、粒子による減光
が少なくなる(粒子透過性が大きくなる)。水の吸光
度が増大する。画像分解能が低下する。これらのこと
により良好な画像が得られない。
【0010】よって、粒子内部をコントラストよく撮像
するために近赤外光源は、波長が720〜1500nm
の範囲にある近赤外光を試料流に照明するものであるこ
とが好ましい。具体的には、近赤外パルス半導体レーザ
(720〜980nm)、カラーセンターレーザ(60
0〜900nm)、色素レーザ(600〜1200n
m)、YAGレーザ(1.064μm)、YLFレーザ
(1.048μ)、又はTiサファイアレーザー(モー
ドロックタイプでキャビテイダンパー付)などにより構
成される。
【0011】粒子を撮像する撮像器には、一般的な2次
元画像を撮像するビデオカメラを使用してもよいが、そ
の場合には微弱な蛍光増を増幅するイメージインテンシ
ファイアを備えたものを用いることが好ましい。さら
に、そのイメージインテンシファイアにはシャッター手
段を備えてもよい。
【0012】画像処理部は、CPU、ROMおよびRA
Mからなるマイクロコンピュータによって構成すること
ができる。さらに、近赤外光源から試料流への光路中に
設けられ試料流を照明する近赤外光のコヒーレンシー
(可干渉性)を低下させる光学素子をさらに備え、コヒ
ーレンス長を粒子径と同程度又はそれ以下にすることが
好ましい。
【0013】コヒーレンシーを低下させる光学素子とし
ては、特開平7−134093号公報に記載されたもの
を使用することができる。
【0014】この発明は、試料流を可視光で照明する可
視光源と、可視光で照明された試料流中の粒子からの光
を検出する光検出素子と、試料流から光検出素子までの
光路中に設けられ可視光を光検出素子に入射せしめ近赤
外光を排除する第1光選択器と、試料流から撮像器まで
の光路中に設けられ近赤外光を撮像器に入射せしめ可視
光を排除する第2光選択器と、光検出素子から得られた
粒子信号に基づいて粒子を分析する粒子分析部をさらに
備えてもよい。第1光選択器と第2光選択器は1つの光
学素子で実現されていてもよく、別々の光学素子で実現
されていてもよい。
【0015】可視光源は、試料流に照明する光が400
〜700nmの波長を有することが好ましい。
【0016】また、近赤外光の波長が720〜1500
nm、可視光の波長が400〜700nmの場合には、
第1光選択器として700nmより短い波長を光検出素
子に入射せしめ、第2光選択器として700nmあるい
は720nmよりも長い波長を撮像器に入射せしめる光
学素子をそれぞれ使用すればよい。
【0017】
【実施例】この発明の実施例における光学系を図1に示
す。この実施例では、散乱光や蛍光を検出するための連
続発光光源1と、細胞像を撮像するためのパルス光源2
との2つの光源を設けている。光源1は可視光源、光源
2は近赤外光源である。
【0018】なお、光源1には、中心波長が488nm
の可視光を発するArレーザーを使用し、光源2には、
中心波長が780nmで、スペクトル幅が7nmの図3
に示すスペクトル特性を備えた近赤外光を発するパルス
レーザダイオードを使用している。
【0019】この2つの光源1、2からの連続可視光L
1とパルス近赤外光L2は、角型のシースフローセル3
(図1では紙面に垂直方向に試料流が流れる)に対して
互いに直交するように照射している。
【0020】この照射領域に細胞が流れてくると、その
細胞による前方散乱光が集光レンズ5によって集めら
れ、バンドパスフィルター6を介してフォトダイオード
からなる第1光検出器7で受光される(ビームストッパ
は図示しない)。細胞の側方散乱光は、コリメートレン
ズ8、ダイクロイックミラー9およびコンデンサレンズ
10を介して光電子増倍管からなる第2光検出器11で
受光、増倍される。
【0021】なお、第1光検出器7は波長選択された複
数の光をそれぞれ検出する複数の光検出素子を含んでも
よい。この場合、各光検出素子により、前方散乱光や前
方蛍光などを検出することができる。
【0022】同様に、第2光検出器10は波長選択され
た複数の光をそれぞれ検出する複数の光検出素子を含ん
でもよい。この場合、各光検出素子により、側方散乱光
や側方蛍光を検出することができる。
【0023】図2はこの実施形態の信号処理系の構成を
示し、第1よび第2光検出器7、11によってそれぞれ
検出された粒子信号、即ち、前方散乱光強度信号S1お
よび側方蛍光強度信号S2は、データ処理部100の粒
子分析部100aに入力され、各検出信号パルスの高さ
情報がA/D変換され、散乱光強度と蛍光強度の2つの
特徴パラメータが生成される。
【0024】撮像制御部100cは信号S1、S2がデ
ータ処理部100に入力されると同時又は所定時間後に
細胞を撮像するための発光トリガ信号Tsをパルス光源
2に対して供給する。
【0025】パルス光源2は、発光トリガ信号Tsによ
って一瞬だけ(25ナノ秒程度)発光するタイプの光源
であり、試料流の流速が数m/秒と高速であっても、流
れる粒子をブレ無く撮像することができる。
【0026】パルス光L2は図1に示すように、コヒー
レンス低下手段の一例であるカライドスコープ(マルチ
モード光ファイバーでも可能である)2aによってコリ
メートレンズ12へ導かれ、コールドミラー13を通過
してコンデンサレンズ14によって細く絞られて試料流
に照射される。
【0027】光ファイバー2aを介して照射することに
より、パルス光L2のコヒーレンシーが落ち、後述する
ように細胞の核部分の像をコントラスト良く撮像するこ
とができる。なお、光ファイバー2aには、コア−径8
00μm、長さ2m(住友電工株式会社製MKH−80
0)のものを用いている。
【0028】試料流を透過したパルス光は、コリメート
レンズ8によって平行光に変換されダイクロイックミラ
ー9に反射されて、コンデンサレンズ15とバンドパス
フィルター16を介してビデオカメラ17の受光面に結
像され、細胞の透過光像が撮像される。ビデオカメラ1
7からの画像信号Vsは図2に示す画像処理部100b
に渡され、ディジタル画像として記憶、保存される。
【0029】粒子分析部100aは、前方散乱光および
側方蛍光強度の特徴パラメータに基づいてスキャッタダ
ラム(2次元散布図)を生成し、その解析を行う。
【0030】なお、入力部200はキーボードやマウス
からなり、データ処理部100に対して各種の指令や条
件の設定などを行う。また、出力部300はCRTやプ
リンタからなり粒子分析部100aと画像分析部100
bで得られたスキャッタダラム、粒子像および解析結果
などを出力する。
【0031】ここで、波長488nmの光で励起され波
長500〜700nmの光として発せられる蛍光を検出
するために、500〜700nmの波長の光を透過させ
700nm以上の波長の光を反射するダイクロイークミ
ラー9を使用している。そして、波長780nm以上の
近赤外光画像を得るために、さらに、780nmの波長
の光を透過させるバンドパスフィルター16を使用して
いる。
【0032】従って、ビデオカメラ17には、可視光L
1(488nm)によって細胞から生じた側方の光は入
射しないので、ビデオカメラ17は光源1からの光の影
響を受けない良好な細胞画像を得ることができる。
【0033】同様に、第2検出器11にはダイクロイッ
クミラー9の作用により、可視光L1によって生じた側
方の光のみが入射するので、第2検出器11は、光源2
からの光の影響を受けない良好な粒子信号を得ることが
できる。
【0034】また、パンドパフルター6には、488n
mの波長の光を透過させるものを使用しているので、第
1光検出器7には、可視光L1によって生じた前方散乱
光のみが入射し、近赤外光L2によって生じた側方の光
は全く入射しないので、第1光検出器は光源2からの光
の影響を受けない良好な粒子信号を得ることができる。
【0035】試料流に含まれる細胞は球形に近い形状を
有するので、可視光を用いると、細胞表面及び細胞質部
分において散乱・吸収による減光により細胞内部を鮮明
に画像化することは難しい。しかし、近赤外領域の波長
の光については、細胞表面及び細胞質部分での減光が小
さいために内部を鮮明に画像化しやすい。
【0036】図4は、この実施例によって得られた細胞
画像の7つの例を示し、図5はその比較例(撮像用のパ
ルス光源2として波長が523nmの可視光源を使用し
たもの)として2つの細胞画像例を示している。
【0037】なお、この実施形態では、近赤外線を照射
する光源として赤外光パルスレーザーのような単色性の
高い光源を使用し、光学素子により、その光のコヒーレ
ンシーを低下させている。そのことにより、核部分の細
胞質部分に対する減光比を最適に調整し、それによって
核部分が鮮明に写った画像を得るようにしている(この
実施形態では、コヒーレンス長さを5〜6μmに設定し
ている)。
【0038】また、近赤外線光源を、波長帯域の広い赤
外線ランプと、波長幅を制限する狭帯域フィルターとで
代用することも可能である。
【0039】この実施形態では、図1に示すように、レ
ンズ12とレンズ14との間の光のコリメート領域に
は、赤外光を透過し可視光を反射するコールドミラー1
3が設けられている。従って、可視光L1によって照射
された細胞から生じる側方散乱光や側方蛍光の内、レン
ズ14側に入射したものは、コールドミラー13で反射
されて第2光検出器1へ導かれる。これによって、検出
される光の強度が増大し、とくに第2光検出器11の収
集効率が向上する。
【0040】なお、このようなコールドミラーをシース
フローセル3とレンズ14の間に設置することも可能で
あるが、この場合には、コールドミラーを凹面ミラーと
する必要がある上、その位置の設定が容易でない。
【0041】これに対して、この実施形態におけるコー
ルドミラー13は光路コリメート領域に設けられている
ので、平面ミラーを用いることができると共に、その位
置設定が容易である。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、細胞を変形させるこ
となくその核部分をコントラストよく撮像することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の光学系を示す構成図であ
る。
【図2】この発明の実施例の信号処理系を示す構成図で
ある。
【図3】この発明の実施例の光源のスペクトル特性図で
ある。
【図4】この発明の実施例によって得られた細胞画像例
(顕微鏡写真)である。
【図5】図4の画像に対する比較例を示す画像例(顕微
鏡写真)である。
【符号の説明】
1 連続発光光源 2 パルス光源 2a 光ファイバー 3 シースフローセル 4 コンデンサレンズ 5 集光レンズ 6 バンドパスフィルター 7 第1光検出器 8 コリメートレンズ 9 ダイクロイックミラー 10 コンデンサレンズ10 11 第2光検出器 12 コリメートレンズ 13 コールドミラー 14 コンデンサレンズ 15 コンデンサレンズ 16 バンドパスフィルター 17 ビデオカメラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子含有試料を試料流に変換するシース
    フローセルと、近赤外光で前記試料流を照明する近赤外
    光源と、近赤外光で照明された試料流中の粒子を撮像す
    る撮像器と、撮像された粒子像を画像処理する画像処理
    部を備えた撮像機能付きフローサイトメータ。
  2. 【請求項2】 近赤外光源は、720〜1500nmの
    波長の光を試料流に照明するものである請求項1記載の
    フローサイトメータ。
  3. 【請求項3】 試料流を照明する近赤外線は、コヒーレ
    ンス長が粒子径と同程度、又はそれ以下である請求項1
    記載のフローサイトメータ。
  4. 【請求項4】 近赤外光源が、パルスレーザーからなる
    請求項1記載のフローサイトメータ。
  5. 【請求項5】 試料流を可視光で照明する可視光源と、
    可視光で照明された試料流中の粒子からの光を検出する
    光検出素子と、試料流から光検出素子までの光路中に設
    けられ可視光を光検出素子に入射せしめて近赤外光を排
    除する第1光選択器と、試料流から撮像器までの光路中
    に設けられ近赤外光を撮像器に入射せしめ可視光を排除
    する第2光選択器と、光検出素子から得られた粒子信号
    に基づいて粒子を分析する粒子分析部とをさらに備えた
    請求項1記載のフローサイトメータ。
  6. 【請求項6】 可視光源は、400〜700nmの波長
    の光を試料流に照明するものである請求項5記載のフロ
    ーサイトメータ。
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