JPH1073186A - 薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構 - Google Patents

薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構

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JPH1073186A
JPH1073186A JP24543896A JP24543896A JPH1073186A JP H1073186 A JPH1073186 A JP H1073186A JP 24543896 A JP24543896 A JP 24543896A JP 24543896 A JP24543896 A JP 24543896A JP H1073186 A JPH1073186 A JP H1073186A
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JP
Japan
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steel pipe
stainless steel
thin
joint body
pipe
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Application number
JP24543896A
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English (en)
Inventor
Akira Hachikawa
明良 蜂川
Masakazu Ishikawa
政和 石川
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Benkan Corp
Original Assignee
Benkan Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐孔食性を向上させ、継手本体と薄肉ステン
レス鋼管の接続を目視により確認でき、配管施工後の水
圧試験に於いて接続不完全を確実に発見でき、さらにシ
ール性能を向上させ、その上曲げ荷重に対する強度の向
上を図る。 【解決手段】 端部外周に環状凸部を形成した薄肉ステ
ンレス鋼管に外嵌し前記環状凸部を避ける嵌合部を備え
たナットの雌ねじ部を、継手本体の端部外周面の雄ねじ
に手回しで螺合して、雌ねじ部の先端に隣接する管状突
起を継手本体の雌ねじに隣接する環状溝に嵌着した色付
ストップリングの突起に当接し、さらに工具を用いてナ
ットを締め込んで、管状突起により色付ストップリング
の突起を押し潰すと共に、ナットの嵌合部内側面である
接当面にて継手本体の端部内側の奥端面が傾斜した大径
の切欠部に装入したプッシュリング、バックアップリン
グ、シールリングを押圧し、シールリングをある角度で
もって圧潰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉ステンレス鋼
管と管継手とを現場で簡単且つ確実に接続でき、しかも
接続が完全か否かを容易に確認することができることは
勿論のこと、シール性能を向上させ、さらに曲げ荷重に
対する強度向上を図った接続機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄肉ステンレス鋼管と継手とを現
場で簡単且つ確実に接続できる接続機構として、実公平
2−37015号公報に記載のものや、実公平3−15
897号公報に記載のものがある。前者の実公平2−3
7015号公報記載の接続機構は、図8に示すように薄
肉ステンレス鋼管1の端部を継手2の内部に挿入し、継
手2の端部外周に形成した雄ねじ7とナット3の雌ねじ
部9の雌ねじをナット3の継手当接面10が継手2の先
端に当接するまで螺入して、前記薄肉ステンレス鋼管1
の山型突起部5を継手2のテーパ部6a、ナット3の第
2切欠部11及びパッキン4によって挟圧固定し、更に
パッキン4を山型突起部5の傾斜面5a、パッキン嵌め
込み部6b及び継手当接面10に密着し、薄肉ステンレ
ス鋼管1内を流れる流体の漏洩を防止するものである。
このように薄肉ステンレス鋼管1の継手部分の拡管部
(冷間加工部)をパッキン4でシールする接続機構は、
薄肉ステンレス鋼管の拡管部とシール材との隙間腐食に
よる孔食の発生が懸念され、長期間の使用に耐え得ない
という問題が提起される。即ち、ステンレス鋼を冷間加
工すると、一般的には、冷間加工によって、マルテンサ
イトの生成や転位密度、格子欠陥などが増加し、耐孔食
性を低下させるからである(参考文献「ステンレス鋼便
覧」第3版ステンレス協会編P448〜P449孔食の
項に記載)。
【0003】また、後者の実公平3−15897号公報
記載の接続機構は、図9に示すように、前記接続機構に
於いて、更に継手2の外周に凸面12に着色を施した皿
バネ13を、ナット3の端面3aと継手2の外周中間に
設けた鍔14の端面15の間に位置するように外嵌した
もので、ナット3を継手当接面10が継手2の先端に当
接するまで螺入した時、皿バネ13がナット3の端面3
aと鍔14の端面15との間で圧縮されて密着し、凸面
12に着色した色表示が見えなくなり完全に締結される
ものである。このように皿バネ13を装着したことによ
って、ナット3の締め付け程度を容易に確認できて締め
付け不足又は締め忘れが一見して判断できるので、点検
が容易であると同時にこれらを防止することに役立てる
ことができるとある。しかし、このようにナットの締め
忘れ防止を目視確認することは、これの見落としによる
流体の漏洩事故の発生が懸念される。
【0004】一部に管継手は、配管施工終了後、配管を
水圧(又は空圧)試験し、継手部分からの水(又は空
気)の漏れの有無を調べ、水(又は空気)漏れがある場
合は継手の接続作業をやり直すようにしている。しか
し、前記の接続機構では、ナット3が手締め状態であっ
ても、継手2に装着したパッキン4と薄肉ステンレス鋼
管1とが当接して管内の流体がシールされる場合があ
る。この場合、水圧(又は空圧)試験を行っても水(又
は空気)漏れせず、接続不完全を発見できず、実働時薄
肉ステンレス鋼管1がすっぽ抜けることが懸念される。
【0005】このようなことから本出願人は、薄肉ステ
ンレス鋼管の耐孔食性の低い拡管部でシールすることな
く、薄肉ステンレス鋼管の軸方向にフラットな端部外周
でシールするようにして、耐用性を向上させることがで
き、また継手本体と薄肉ステンレス鋼管の接続を目視に
より確認できることは勿論のこと、配管施工後の水圧
(又は空圧)試験に於いて接続不完全を確実に発見でき
るようにした薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構
を出願した(特願平7−338185号)。
【0006】この特願平7−338185号の薄肉ステ
ンレス鋼管と管継手との接続機構は、図10に示すよう
に端部外周に環状凸部21を形成した薄肉ステンレス鋼
管20と、該薄肉ステンレス鋼管20を両端部に挿入す
る内径を有すると共に両端部外周面に雄ねじ部25を形
成した継手本体23と、該継手本体23と前記環状凸部
21を境に対向して前記薄肉ステンレス鋼管20に外嵌
する嵌合部39を有し且つ継手本体23の雄ねじ部25
に螺合する雌ねじ部37を有するナット36と、前記継
手本体23と前記薄肉ステンレス鋼管20との間に設け
るOリング31とから成る薄肉ステンレス鋼管と管継手
との接続機構に於いて、前記薄肉ステンレス鋼管20の
環状凸部21を断面円弧状となし、前記継手本体23の
雄ねじ部25の終端に隣接して環状溝26を設け、該環
状溝26内に、図11に示すように外周に等角度間隔に
前記ナット36の締め込みを手締めの際には妨げ、工具
による本締めの際には変形する突起27を有し外周の1
ヶ所が切断28された色付ストップリング29を嵌着
し、継手本体23の両端部内周面に図10、図13に示
すように大径の切欠部30を設け、この切欠部30の奥
端にOリング31を装入し、その手前にバックアップリ
ング32を装入し、さらにその手前に前記薄肉ステンレ
ス鋼管20の環状凸部21を避けるテーパ部33を内周
面の一部に有すると共に内周面に図12に示すように等
角度間隔に通路溝34を複数設けたすり割り且つ前記切
欠部30よりも大径のプッシュリング35を弾性的に装
入して基端を外部に突出し、前記ナット36の雌ねじ部
37の先端に隣接して前記色付ストップリング29の突
起27を変形させる管状突起38を設け、ナット36の
嵌合部内側面を前記プッシュリング35の外側面を押圧
する接当面40となし、ナット36の嵌合部内周面に前
記薄肉ステンレス鋼管20の環状凸部21を避けるテー
パ部41を設けて成り、前記ナット36の雌ねじ部37
を継手本体23の雄ねじ部25に手で締め込むと前記ス
トップリング29の突起27に衝突してナット36の回
転が停止され、ナット36の嵌合部内側面がプッシュリ
ング35の基端面を押圧せず、Oリング31が圧縮され
ずに薄肉ステンレス鋼管20と継手本体23との間はシ
ールされず、前記ナット36の雌ねじ部37を継手本体
23の雄ねじ部25にさらに工具によって締め込むこと
により、図13に示すようにナット36の管状突起38
により色付ストップリング29の突起27を押し潰して
色付ストップリング29全体を隠蔽すると共にナット3
6の嵌合部内側面の接当面40でプッシュリング35の
基端面を押圧し、バックアップリング32を介してOリ
ング31を圧縮して、薄肉ステンレス鋼管20の軸方向
にフラットな先端近傍外周面と継手本体23の切欠部3
0の奥端内面とに密着し、薄肉ステンレス鋼管20と継
手本体23との間をシールの上接続固定するようにした
ことを特徴とするものである。
【0007】ところで、かかる薄肉ステンレス鋼管と管
継手との接続機構でも図14の概略図に示すように継手
本体23の両側に接続固定した薄肉ステンレス鋼管20
の途中を、継手本体23を中心にして1000mmの間
隔位置で固定し、一方の薄肉ステンレス鋼管20の継手
本体23から1000mm離れた端をプラグ継手50に
て封緘し、他方の薄肉ステンレス鋼管20の継手本体2
3から1000mm離れた端に圧力計51及びバルブ5
2付圧力水供給管53を備えた上、薄肉ステンレス鋼管
20内に水圧をかけ、継手本体23の外周から垂直に押
し下げ荷重をかけて、地震等による管軸と直角方向の変
形に対するシール性を確認する水圧曲げ試験したとこ
ろ、押し下げ荷重140kgf、曲げ角度2.25°に
て水漏れを起こした。このように上記の薄肉ステンレス
鋼管と管継手との接続機構は、管軸と直角方向の変位に
対するシール性が不充分であり、且つ曲げ荷重に対する
強度が不充分であった。
【0008】そこで本発明者は、水圧曲げ試験時のシー
ル性能が不十分な点について究明した処、上記接続機構
では、Oリング31を平行に変形させて薄肉ステンレス
鋼管20の外周面に接触する為、接触面が少なく、しか
もOリング31の変形力だけでシールすることとなっ
て、シール性能が不十分となることが判った。また、曲
げ荷重に対する強度が不十分な点について究明した処、
継手本体23と接触する薄肉ステンレス鋼管20の長さ
が短かく、殆んどOリング31のみで曲げ荷重に耐えて
いる為、強度不十分であることが判った。その上、薄肉
ステンレス鋼管20の外径公差は、下記の表1に示すよ
うにサイズによって異なるが、30Su以上では±1%
ある。継手本体23の内周面24の内径は、薄肉ステン
レス鋼管20の最大公差1%以上となる必要がある。そ
のため、薄肉ステンレス鋼管20と継手本体23との組
立時、薄肉ステンレス鋼管20の直管部分の外周面と継
手本体23の内周面24との隙間が大きい為、曲げ荷重
に対する強度が低いことが判った。
【0009】
【表1】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の究明
した点に着目して、前記の薄肉ステンレス鋼管と管継手
との接続機構の水圧曲げ試験時のシール性能を向上さ
せ、且つ曲げ荷重に対する強度を向上させようとするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構の
1つは、上記の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機
構に於いて、継手本体の両端部内周面の切欠部の奥端面
を継手本体の軸中心線に向って前方に傾斜又は/及びバ
ックアップリングのシールリング接当面を継手本体の軸
中心線に向って後方に傾斜させたことを特徴とするもの
で、これによりシールリングを平行に圧潰することなく
ある角度でもって圧潰し、さらにその角度に沿って滑り
押し下げることができ、その結果薄肉ステンレス鋼管の
外周面を強くシールすることができると共に広いシール
面を確保することができ、シール性能が向上する。
【0012】本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手との
接続機構の他の1つは、上記構成となした薄肉ステンレ
ス鋼管と管継手との接続機構に於いて、継手本体に挿入
する薄肉ステンレス鋼管の環状凸部より前方の直管部分
の長さを、直管部分の外径寸法よりも19%以上長く形
成して、継手本体中央部内周面まで深く挿入するように
したことを特徴とするもので、これにより継手本体と薄
肉ステンレス鋼管との金属部分同士の接触により継手本
体の外周方向からの曲げ荷重に対する強度が向上し、シ
ールリングは曲げ荷重に耐える必要がなく、シールのみ
に専念することができ、水圧曲げ試験時のシール性能が
より向上する。
【0013】本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手との
接続機構のさらに他の1つは、上記構成となした他の1
つの薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構に於い
て、継手本体に挿入する薄肉ステンレス鋼管の環状凸部
より前方の直管部分外径を、先端近くまで鋼管サイズの
公差の最大径近傍に拡大したことを特徴とするもので、
これにより薄肉ステンレス鋼管の直管部分の外径の寸法
不均一が削減され、組立時の薄肉ステンレス鋼管の直管
部分の外周面と継手本体の内周面との隙間が減少し、継
手本体の外周方向からの曲げ荷重に対する強度が一層向
上する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の薄肉ステンレス鋼管と管
継手との接続機構の1つの実施形態を図1によって説明
する。図1に於いて、20は端部外周に断面円弧状の環
状凸部21を拡管加工により形成した薄肉ステンレス鋼
管である。23はSUS304製、もしくはSUS31
6製の継手本体で、この継手本体23は両端部内側24
が前記薄肉ステンレス鋼管20を挿入できる内径になさ
れると共に両端部外周面に雄ねじ部25が形成され、こ
の雄ねじ部25の終端に隣接して断面角形の環状溝26
が設けられている。この継手本体23の環状溝26内
に、外周に等角度間隔に本例の場合図2のa、bに示す
ように45度間隔に8個の外側方に水平に突出する薄板
状の突起27′を有し外周に切断個所28を1ケ所有す
る、例えば赤色を施した樹脂製のストップリング29′
が図1に示すように装着されている。継手本体23の両
端部内周面には大径の切欠部30が設けられ、この切欠
部30の奥端にゴム製のシールリング31が装入され、
その手前に樹脂製のバックアップリング32が装入さ
れ、さらにその手前に前記薄肉ステンレス鋼管20の環
状凸部21を避けるテーパ部33を内周面の一部に有す
ると共に内周面に図12に示されるように等角度に本例
の場合90度間隔に4個の通路溝34を設け且つすり割
りになすと共に前記切欠部30よりも大径になした樹脂
製のプッシュリング35が縮径の上弾性的に装入されて
基端が外部に突出している。従って、シールリング3
1、バックアップリング32はプッシュリング35によ
り切欠部30内に保持されている。36は継手本体23
の両端部外周面の雄ねじ部25に螺合する雌ねじ部37
を有するSUS304製、もしくはSUS316製のナ
ットで、雌ねじ部37の先端に隣接して前記ストップリ
ング29の突起27′を押し潰してストップリング29
全体を隠蔽する管状突起38が設けられている。このナ
ット36は前記継手本体23と前記環状凸部21を境に
対向して前記薄肉ステンレス鋼管20に外嵌する嵌合部
39を有し、この嵌合部39の内側面が前記プッシュリ
ング35の基端面を押圧する接当面40になされ、嵌合
部39の内周面に前記薄肉ステンレス鋼管20の環状凸
部21を避けるテーパ部41が設けられている。然し
て、前記継手本体23の両端部内周面の切欠部30の奥
端面30′は継手本体23の軸中心線Lに向って前方に
傾斜させてある。この傾斜角は、本例の場合、27度で
ある。
【0015】上記のように構成される実施形態の薄肉ス
テンレス鋼管と管継手との接続機構においては、先ず、
薄肉ステンレス鋼管20にナット36を嵌合部39にて
外嵌した上で、該鋼管20の一端にて一部管径を拡開す
る拡管加工に行って、断面円弧状の環状凸部21を形成
する。次に、継手本体23の両端部内周面の大径の切欠
部30に装入されたシールリング31、バックアップリ
ング32、プッシュリング35の内側に、薄肉ステンレ
ス鋼管20の端部を挿入し、先端が継手本体23両端部
内側24まで差し込む。次いで、鋼管20に外嵌したナ
ット36の雌ねじ部37を、継手本体23の両端部外周
面の雄ねじ部25に手回しで螺合して、図1に示すよう
に雌ねじ部37の先端に隣接する管状突起38を色付ス
トップリング29′に当接する。然る後、工具を用いて
ナット36を締め込んで、管状突起38により色付スト
ップリング29′の突起27′を図3に示すように押圧
すると、管状突起27′内で拘束されながら変形し、色
付ストップリング29′の外周上にたたみ込まれ、管状
突起27′に隠蔽されて色付ストップリング29′が見
えなくなる。この時ナット36の嵌合部39の内側面で
ある接当面40にてプッシュリング35の基端面が押圧
され、バックアップリング32を介してシールリング3
1が圧潰されて、鋼管20の軸方向にフラットな先端近
傍外周面と継手本体23の切欠部30の奥端面30′と
に密着され、鋼管20と継手本体23との間をシールの
上接続固定される。かくして鋼管20と継手本体23と
の接続部での流体の漏洩が確実に防止される。
【0016】上記の鋼管20と継手本体23との接続作
業に於いて、工具を用いてナット36を締め込んだ際、
鋼管20はシールリング31の圧縮にともなう接触摩擦
により一体となって継手本体23の軸方向にシールリン
グ31の圧縮距離だけ押入されるので、鋼管20の断面
円弧状の管状凸部21はプッシュリング35のテーパ部
33に当接せず、またナット36の管状突起38で色付
ストップリング29′の突起27′を押し潰したナット
36の締め込み終了時にも、ナット36の嵌合部39の
内周面のテーパ部41は鋼管20の断面円弧状の環状凸
部21に接触することはあっても押し潰すことはなく、
環状凸部21の円弧状断面を保持することになる。従っ
て、この環状凸部21は過大な流体圧がかかった場合、
ナット36の嵌合部39のテーパ部41との係合により
鋼管20のすっぽ抜け防止作用のみ果たすことになり、
耐孔食性の低い拡管部でシールすることがないので、接
続機構の耐用性が向上する。
【0017】また、上記の鋼管20と継手本体23との
接続作業に於いて、ナット36の締め込みが確実に行わ
れ接続されたかどうかは、色付ストップリング29′の
突起27′が図3に示すようにナット36の管状突起3
8により押し潰されて見えなくなることにより確認でき
る。
【0018】そして配管施工後、水圧(又は空圧)試験
を行って鋼管20と継手本体23との接続部のシール検
査を行うと、上記のように完全に接続された場合は、水
(空気)漏れしないが、万が一ナット36の締め忘れ等
の不備があった場合には、シールリング31と鋼管20
の端部外周面との間の隙間を通り、バックアップリング
32の内周側を通り、さらにプッシュリング35の内周
面の通路溝34を通り、鋼管20の環状凸部21の外周
面を通って外部に水(又は空気)が漏れるので、配管接
続の不備を発見でき、完全な配管接続を行うことができ
る。
【0019】然して、上記実施形態の薄肉ステンレス鋼
管と管継手との接続機構に於いては、継手本体23の両
端部内周面の切欠部30の奥端面30′を、継手本体2
3の軸中心線Lに向って前方に傾斜させてあるので、ナ
ット36を工具により本締めした際、シールリング31
は平行に圧潰されることはなく、傾斜した奥端面30′
の角度で圧潰され、さらにその傾斜角度に沿って滑り押
し下げられる結果、シールリング31の変形力と変形さ
せるための一定方向の力が薄肉ステンレス鋼管20の外
周面に向けられ、薄肉ステンレス鋼管20の外周面が強
くシールされると共に広いシール面が確保される。この
ことにより水圧曲げ試験時のシール性能が向上する。
【0020】上記実施形態に於いては、切欠部30の奥
端面30′を、継手本体23の軸中心線Lに向かって前
方に傾斜させているが、これに代えて図4に示すように
バックアップリング32のシールリング31に対する接
当面32′を、継手本体23の軸中心線Lに向って後方
に傾斜させてもよい。このようにすると、ナット36を
工具により本締めした際、シールリング31は平行に圧
潰されることはなく、傾斜したバックアップリング32
のシールリングに対する接当面32′の角度で圧潰さ
れ、さらにその傾斜角度に沿って押し下げられる結果、
上記実施形態と同様に水圧曲げ試験時のシール性能が向
上する。
【0021】さらに、図5に示すように切欠部30の奥
端面30′を継手本体23の軸中心線Lに向かって前方
に傾斜させると共に、バックアップリング32のシール
リング31に対する接当面32′を継手本体23の軸中
心線Lに向かって後方に傾斜させると、薄肉ステンレス
鋼管20の外周面がより強くシールされると共により広
いシール面が確保されて、水圧曲げ試験時のシール性能
が一層向上する。
【0022】上記の切欠部30の奥端面30′及びバッ
クアップリング32のシールリング31に対する接当面
32′の傾斜角度は、薄肉ステンレス鋼管20の挿入方
向を0°として傾斜面に沿って追従し易く、同一体積の
シールリング31を考えると、最も広いシール面を確保
できる角度から、シールリング31の変形量が最も少な
く耐久性のあるシール形式であって、なおかつシールリ
ング31に最大荷重をかけられ、シール性向上が可能な
角度であれば良い。好適には図15に示すように切欠部
30の奥端面30′の傾斜角度αは95〜135度がよ
く、バックアップリング32のシールリング31に対す
る接当面32′の角度βは45〜85度がよい。
【0023】次に本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手
との接続機構の他の1つの実施形態を図6によって説明
する。この実施形態は、図1に示す実施形態の接続機構
に於いて、継手本体23に挿入する薄肉ステンレス鋼管
20の環状凸部21より前方の直管部分20′の長さ
を、直管部分20′の外径寸法よりも19%以上長く形
成して、継手本体23の中央部内周面まで深く挿入する
ようにしたものである。直管部分20′の長さは、直管
外径がφ25mm〜φ65mmにおいて直管外径の19
%以上の長さとし、直管外径がφ20mm〜φ24mm
においては直管外径の25%以上の長さとし、直管外径
がφ13mm〜φ19mmにおいては直管外径の30%
以上の長さとすることが好ましい。このように直管部分
20′の長さを、直管部分20′の外径寸法よりも19
%以上長くしたことにより、継手本体23と薄肉ステン
レス鋼管20との金属部分同士の接触により継手本体2
3の外周方向からの曲げ荷重に対する強度が向上し、シ
ールリング31は曲げ荷重に耐える必要がなく、シール
のみに専念することができ、このことにより、水圧曲げ
試験時のシール性能がより向上する。
【0024】次いで、本発明の薄肉ステンレス鋼管と管
継手との接続機構のさらに他の1つの実施形態を図7に
よって説明する。この実施形態は、図6に示す実施形態
の接続機構に於いて、継手本体23に挿入する薄肉ステ
ンレス鋼管20の環状凸部21より前方の直管部分2
0′の外径を先端近くまで鋼管サイズの公差の最大径近
傍に拡大したもので、本例の場合、外径60.5mmの
薄肉ステンレス鋼管20の外径より0.5mm拡大した
ものである。これにより薄肉ステンレス鋼管20の直管
部分20′の外径の寸法不均一が削減され、組立時の薄
肉ステンレス鋼管20の直管部分20′の外周面と内径
61.4mmの継手本体23の内周面との隙間が減少
し、継手本体23の外周方向からの曲げ荷重に対する強
度が一層向上する。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の請求項
1の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構によれ
ば、薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続を確実に行う
ことができて流体が漏洩することがなく、しかもこの接
続は薄肉ステンレス鋼管の耐孔食性の低い拡管部でシー
ルすることなく、薄肉ステンレス鋼管の軸方向にフラッ
トな端部外周でシールリングを圧潰してシールするよう
にしたので、耐孔食性が向上する。また、管継手と薄肉
ステンレス鋼管との接続をナットの締め込みによる色付
ストップリングの突起の圧潰により色付ストップリング
全体が隠蔽されたことを目視することにより確認できる
ことは勿論のこと、配管施工後の水圧(又は空圧)試験
に於いて、配管接続が不備の場合、水(又は空気)が漏
れるようにしてあるので、接続不完全を確実に発見でき
て、完全な配管接続を行うことができる。さらに、シー
ルリングを平行に圧潰することなくある角度でもって圧
潰し、さらにその角度に沿って滑り押し下げることがで
きるので、薄肉ステンレス鋼管の外周面を強くシールす
ることができると共に広いシール面を確保することがで
き、水圧曲げ試験時のシール性能が向上する。
【0026】また、本発明の請求項2の薄肉ステンレス
鋼管と管継手との接続機構によれば、上記の効果を奏す
る外、継手本体と薄肉ステンレス鋼管との金属部分同士
の接触により継手本体の外周方向からの曲げ荷重に対す
る強度が向上し、シールリングは曲げ荷重に耐える必要
がなく、シールのみに専念することができ、水圧曲げ試
験時のシール性能がより向上する。
【0027】さらに、本発明の請求項3の薄肉ステンレ
ス鋼管と管継手との接続機構によれば、上記請求項1、
2の接続機構の効果を奏する外、薄肉ステンレス鋼管の
直管部分の外径の寸法不均一が削減され、組立時の薄肉
ステンレス鋼管の直管部分の外周面と継手本体の内周面
との隙間が減少し、継手本体の外周方向からの曲げ荷重
に対する強度が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手の接続機
構の1つの実施形態を示す要部縦断面図である。
【図2】図1の接続機構に於ける管継手の色付ストップ
リングを示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図
である。
【図3】図1の接続機構においてナットを締め込んで薄
肉ステンレス鋼管と管継手を接続した状態を示す要部縦
断面図である。
【図4】図1の接続機構におけるシールリングを圧潰す
る部材の形状変更例の1つを示す要部縦断面図である。
【図5】図1の接続機構におけるシールリングを圧潰す
る部材の形状変更例の他の1つを示す要部縦断面図であ
る。
【図6】本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続
機構の他の1つの実施形態を示す要部縦断面図である。
【図7】本発明の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続
機構のさらに他の1つの実施形態を示す要部縦断面図で
ある。
【図8】従来の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機
構の一例を示す要部縦断面図である。
【図9】従来の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機
構の他の例を示す要部縦断面図である。
【図10】本出願人の出願した特願平7−338185
号の薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構を示す要
部縦断面図である。
【図11】図10の接続機構における管継手の色付スト
ップリングを示す平面図である。
【図12】図10の接続機構における管継手のプッシュ
リングを示す平面図である。
【図13】図10の接続機構においてナットを締め込ん
で薄肉ステンレス鋼管と管継手を接続した状態を示す要
部縦断面図である。
【図14】接続した薄肉ステンレス鋼管と管継手とを水
圧曲げ試験を行う状態を示す概略図である。
【図15】本発明の接続機構における切欠部の奥端面の
傾斜角度とバックアップリングのシールリングに対する
接当面の傾斜角度を示す図である。
【符号の説明】
20 薄肉ステンレス鋼管 21 環状凸部 23 継手本体 24 両端部内側 25 雄ねじ部 26 環状溝 27′ 突起 28 切断個所 29′ 色付ストップリング 30 切欠部 30′ 切欠部の奥端面 31 シールリング 32 バックアップリング 32′ バックアップリングのシールリングに対する接
当面 33 テーパ部 34 通路溝 35 プッシュリング 36 ナット 37 雌ねじ部 38 管状突起 39 嵌合部 40 接当面 41 テーパ面 L 継手本体の軸中心線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部外周に拡管加工により環状凸部を形
    成した薄肉ステンレス鋼管と、該薄肉ステンレス鋼管を
    挿入する内径を有すると共に両端部外周面に雄ねじを形
    成した継手本体と、該継手本体と前記環状凸部を境に対
    向して前記薄肉ステンレス鋼管に外嵌する嵌合部を有し
    且つ継手本体の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有するナ
    ットと、前記継手本体と前記薄肉ステンレス鋼管の間に
    設けるシールリングとから成る薄肉ステンレス鋼管と管
    継手との接続機構であって、前記薄肉ステンレス鋼管の
    環状凸部を断面円弧状となし、前記継手本体の雄ねじ部
    の終端に隣接して環状溝を設け、該環状溝内に、外周に
    等角度間隔に前記ナットの締め込みを手締めの際には妨
    げ、工具による本締めの際には変形する突起を有し外周
    の1ケ所が切断された色付ストップリングを嵌着し、継
    手本体の両端部内周面に大径の切欠部を設け、この切欠
    部の奥端にシールリングを装入し、その手前にバックア
    ップリングを装入し、さらにその手前に前記薄肉ステン
    レス鋼管の環状凸部を避けるテーパ部を内周面の一部に
    有すると共に内周面に等角度間隔に通路溝を複数設けた
    すり割り且つ前記切欠部よりも大径のプッシュリングを
    弾性的に装入して基端を外部に突出し、本体の内周面中
    間には前記薄肉ステンレス鋼管の挿入量を規制する薄肉
    ステンレス鋼管よりも小径のストッパ部を設け、前記ナ
    ットの雌ねじ部の先端に隣接して前記色付ストップリン
    グの突起を変形させる管状突起を設け、ナットの嵌合部
    内側面を前記プッシュリングの外側面を押圧する接当面
    となし、ナットの嵌合部内周面に前記薄肉ステンレス鋼
    管の環状凸部を避けるテーパ部を設けて成り、前記ナッ
    トの雌ねじ部を継手本体の雄ねじ部に手で締め込むと前
    記ストップリングの突起に衝突してナットの回転が停止
    され、ナットの嵌合部内側面がプッシュリングの基端面
    を押圧せず、シールリングが圧縮されずに薄肉ステンレ
    ス鋼管と継手本体との間はシールされず、前記ナットの
    雌ねじ部を継手本体の雄ねじ部にさらに工具によって締
    め込むことにより、ナットの管状突起により色付ストッ
    プリングの突起を押し潰して色付ストップリング全体を
    隠蔽すると共にナットの嵌合部内側面の接当面でプッシ
    ュリングの基端面を押圧し、バックアップリングを介し
    てシールリングを圧縮して、薄肉ステンレス鋼管の軸方
    向にフラットな先端近傍外周面と継手本体の切欠部奥端
    内面とに密着し、薄肉ステンレス鋼管と継手本体との間
    をシールの上、接続固定するようにした薄肉ステンレス
    鋼管と管継手との接続機構に於いて、前記継手本体の両
    端部内周面の切欠部の奥端面を継手本体の軸中心線に向
    って前方に傾斜又は/及び前記バックアップリングのシ
    ールリング接当面を継手本体の軸中心線に向って後方に
    傾斜させたことを特徴とする薄肉ステンレス鋼管と管継
    手との接続機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄肉ステンレス鋼管と管
    継手との接続機構に於いて、継手本体に挿入する薄肉ス
    テンレス鋼管の環状凸部より前方の直管部分の長さを、
    直管部分の外径寸法よりも20%〜50%長く形成し
    て、継手本体中央部内周面まで深く挿入するようにした
    ことを特徴とする薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続
    機構。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄肉ステンレス鋼管と管
    継手との接続機構に於いて、継手本体に挿入する薄肉ス
    テンレス鋼管の環状凸部より前方の直管部分外径を、先
    端近くまで鋼管サイズの公差の最大径近傍に拡大したこ
    とを特徴とする薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機
    構。
JP24543896A 1996-08-29 1996-08-29 薄肉ステンレス鋼管と管継手との接続機構 Pending JPH1073186A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100424395C (zh) * 2006-10-15 2008-10-08 邓伟志 薄壁金属管道管接件
CN113692782A (zh) * 2019-04-15 2021-11-23 东芝能源系统株式会社 带电粒子加速器及其施工方法

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