JPH1072850A - 油圧ショベル - Google Patents

油圧ショベル

Info

Publication number
JPH1072850A
JPH1072850A JP12540497A JP12540497A JPH1072850A JP H1072850 A JPH1072850 A JP H1072850A JP 12540497 A JP12540497 A JP 12540497A JP 12540497 A JP12540497 A JP 12540497A JP H1072850 A JPH1072850 A JP H1072850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
arm
cylinder
operation lever
hydraulic pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12540497A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Taji
浩 田路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco Construction Machinery Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Yutani Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Yutani Heavy Industries Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP12540497A priority Critical patent/JPH1072850A/ja
Publication of JPH1072850A publication Critical patent/JPH1072850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水平引き作業に際して、ブーム用操作レバー及
びアーム油操作レバーの高度な操作技術を必要とせず
に、バケットの地面への食い込みあるいは地面からの浮
き上がりを回避しつつ、該水平引き作業を、容易に円滑
に行うことができる油圧ショベルを提供する。 【解決手段】ブームの上昇側への操作レバー10の操作
量に応じたパイロット圧Pbとアームの引き込み側への
操作レバー12の操作量に応じたパイロット圧Paとを
それぞれ検出する圧力センサ36,37を設け、水平引
き作業時にPa>Pbであるとき、アーム用シリンダ6
への圧油の流量を操作レバー10の操作量に応じた流量
に減量させるアーム用シリンダ減速手段44と、Pa<
Pbであるとき、ブーム用シリンダ5への圧油の流量を
操作レバー12の操作量に応じた流量に減量するブーム
用シリンダ減速43とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルに関
する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルにあっては、車両に搭載し
た油圧ポンプからブーム用シリンダやアーム用シリンダ
等の各種アクチュエータへの圧油の供給路に、それぞれ
各アクチュエータに対応させてスプール弁(方向切換
弁)を設け、これらのスプール弁に、それぞれ各アクチ
ュエータに対応する操作レバーの操作量に応じたパイロ
ット圧を付与して各スプール弁を駆動する(各スプール
弁の変位量を各操作レバーの操作量に応じたものとす
る)ことにより、各操作レバーの操作量に応じた流量の
圧油を各アクチュエータに供給せしめ、これによって、
各シリンダを各操作レバーの操作量に応じた作動速度で
作動せしめるようにしたものが一般に知られている。
【0003】尚、この種の油圧ショベルにあっては、前
記油圧ポンプは定容量型のものを使用する場合と可変容
量型のものを使用する場合とがあり、可変容量型のもの
を使用するものでは、例えばブーム用シリンダとアーム
用シリンダとに各別の油圧ポンプから圧油を供給するよ
うにすると共に、各油圧ポンプの吐出流量をそれぞれブ
ーム用操作レバーやアーム用操作レバーの操作量に応じ
た吐出流量に制御する。
【0004】また、この種の油圧ショベルでは、ブーム
用シリンダとアーム用シリンダとで各別の油圧ポンプか
ら圧油を供給するようにしたものもあり、このような油
圧ショベルでは、ブーム用操作レバーを操作したとき
に、ブーム用シリンダに、これに対応する油圧ポンプ
(以下、第1油圧ポンプという)から前述の如くブーム
用スプール弁を介して圧油を供給せしめると共に、アー
ム用シリンダに対応する油圧ポンプ(以下、第2油圧ポ
ンプという)の吐出圧油を前記第1油圧ポンプの吐出圧
油に合流させてブーム用シリンダに供給せしめ、これに
より、積み込み作業等に際して、ブームを比較的高速で
作動させることができるようにしたものが知られてい
る。
【0005】この場合、前記第1及び第2の油圧ポンプ
として可変容量型の油圧ポンプを用い、その吐出流量を
各操作レバーの操作量に応じて制御するものでは、上記
の合流に際しては、前記第2油圧ポンプは、アーム操作
レバーの操作に応じてアーム用シリンダに圧油を供給す
るのに加えて、ブーム用シリンダにも圧油を供給する必
要があることから、該第2油圧ポンプの吐出流量をブー
ム用操作レバーの操作に応じて増量せしめる。また、上
記の合流を行わしめる機構にあっては、通常、前記第2
の油圧ポンプからブーム用シリンダへの油通路を開通・
遮断自在に設けられたブーム合流弁と、前記アーム用シ
リンダの作動を停止する前記アーム用操作レバーの中立
位置に対応する前記アーム用スプール弁の中立状態で前
記第2の油圧ポンプの吐出圧油を作動油タンクに回収す
るための油通路を開通・遮断自在に設けられたカット弁
とを具備し、そのブーム合流弁を開通側に作動せしめる
と共に、カット弁を遮断側に作動せしめることにより前
記第2の油圧ポンプの吐出圧油を前記第1の油圧ポンプ
の吐出圧油に合流させてブーム用シリンダに供給する。
【0006】さらに、この種の油圧ショベルでは、例え
ばアーム用シリンダの伸長側への動作時(アームの引き
込み側への動作時)のキャビテーションの発生の防止、
アーム用シリンダのロッド側油室から排出される圧油の
有効利用、アーム用シリンダの作動速度の向上等のため
に、アーム用シリンダのロッド側油室から排出される圧
油ボトム側油室に還流させる再生回路を備えたものも一
般に知られている。
【0007】ところで、油圧ショベルにあっては、アー
ムの先端部に備えたバケットを水平方向に引いて地なら
しを行う場合には(以下、このような作業を水平引き作
業という)、ブームを上昇側に作動させつつアームを引
き込み側に作動させるようにブーム用操作レバー及びア
ーム用操作レバーを操作する。そして、この場合、ブー
ム用シリンダ及びアーム用シリンダにそれぞれ対応する
ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーをそれぞれ
ブームの上昇側及びアームの引き込み側に同じ操作量で
操作することによって(このときブーム用スプール弁に
付与されるパイロット圧とアーム用スプール弁に付与さ
れるパイロット圧とはある所定の比率(例えば1:1)
となる)、バケットが手前側に水平方向に移動するよう
にブーム用シリンダ及びアーム用シリンダが作動して、
上記水平引き作業が行われるようになっている。
【0008】しかしながら、このような従来の油圧ショ
ベルでは、前記水平引き作業を行うために、ブーム用操
作レバー及びアーム用操作レバーをそれぞれブームの上
昇側及びアームの引き込み側に同じ操作量で操作するこ
とは熟練を要し、一般には、ブーム用操作レバー及びア
ーム用操作レバーを上記のように操作することは困難で
ある。
【0009】このため、ブーム用操作レバー及びアーム
用操作レバーのいずれか一方の操作量が他方よりも大き
なものとなる状態が生じて、アームの引き込み側へのア
ーム用シリンダの作動速度がブームの上昇側へのブーム
用シリンダの作動速度に対して速過ぎたり、逆に、遅過
ぎたりする事態が生じやすい。
【0010】例えば、ブームの動作時に、前記第1及び
第2油圧ポンプの両者の吐出圧油を合流させてブーム用
シリンダに供給する油圧ショベルでは、作業内容によら
ずにブームの動作時にはブーム用操作レバーの幅広い操
作範囲で上記の合流を行うようにしているため、前記水
平引き作業に際して、ブーム用操作レバーの操作量の僅
かな増加でブームの上昇側へのブーム用シリンダの作動
速度がアームの引き込み側へのアーム用シリンダの作動
速度に対して速過ぎるものとなり易い。
【0011】また、上記のような合流を行わない場合で
あっても、前記水平引き作業のためにブーム用シリンダ
の作動速度とアーム用シリンダの作動速度とを確実に整
合させるようにブーム用操作レバー及びアーム用操作レ
バーの両者を操作することはある程度の熟練を要し、ブ
ーム用シリンダの作動速度とアーム用シリンダの作動速
度とのいずれか一方が他方に対して速過ぎたり、遅過ぎ
たりするという事態を生じることが多々ある。
【0012】そして、アーム用シリンダの作動速度がブ
ーム用シリンダの作動速度に対して速過ぎる場合には、
アームの先端が地面に向かって下降し勝手となるため、
バケットが地面に食い込んで、地ならしを行うべき地面
を荒らしてしまうという不都合を生じる。
【0013】また、アーム用シリンダの作動速度がブー
ム用シリンダの作動速度に対して遅過ぎる場合には、ア
ームの先端が上昇し勝手となって、バケットが地面から
浮き上がるため、地面が荒らされることはないものの、
この状態では、地ならしを行うことができない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、バケットを水平方向に引いて地ならしを行う水平
引き作業に際して、ブーム用操作レバー及びアーム油操
作レバーの高度な操作技術を必要とせずに、バケットの
地面への食い込みあるいは地面からの浮き上がりを回避
しつつ、該水平引き作業を、容易に円滑に行うことがで
きる油圧ショベルを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の油圧ショベルの第1の態様(請求項1に
記載の発明。以下、第1発明という)は、油圧ポンプか
らブーム用シリンダ及びアーム用シリンダへのそれぞれ
の圧油の供給路に設けられたブーム用スプール弁及びア
ーム用スプール弁をそれぞれブーム用操作レバー及びア
ーム用操作レバーの操作量に応じて駆動することによ
り、前記ブーム用シリンダ及びアーム用シリンダに各操
作レバーの操作量に応じた流量の圧油を前記油圧ポンプ
から供給して、該ブーム用シリンダ及びアーム用シリン
ダを各操作レバーの操作量に応じた作動速度で作動させ
る油圧ショベルにおいて、前記ブーム用操作レバーのブ
ームの上昇側への操作量を示すデータを検出するブーム
側操作データ検出手段と、前記アーム用操作レバーのア
ームの引き込み側への操作量を示すデータを検出するア
ーム側操作データ検出手段と、該ブーム用操作レバー及
びアーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びア
ームの引き込み側に同時に操作されている状態で、前記
アーム側操作データ検出手段の検出値が前記ブーム側操
作データ検出手段の検出値に対して所定割合以上大きい
とき、前記アーム用シリンダに供給する圧油の流量を前
記ブーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量せし
めるアーム用シリンダ減速手段とを備えたことを特徴と
する。
【0016】かかる第1発明によれば、前記ブーム用操
作レバー及びアーム用操作レバーをそれぞれブームの上
昇側及びアームの引き込み側に同時に操作して、水平引
き作業を行う際に、アーム用操作レバーの操作量がブー
ム用操作レバーの操作量に対して大きくて、前記アーム
側操作データ検出手段の検出値が前記ブーム側操作デー
タ検出手段の検出値に対して所定割合以上大きい場合に
は、前記アーム用シリンダの作動速度がブーム用シリン
ダの作動速度に対して速くなり過ぎて、アームの先端部
のバケットが地面に食い込もうとするものの、前記アー
ム用シリンダ減速手段によって、アーム用シリンダへの
圧油の流量がブーム用操作レバーの操作量に応じた流量
に減量される。従って、前記アーム用シリンダには、ア
ーム用操作レバーの操作量をブーム用操作レバーの操作
量と同じにした場合と同等の流量の圧油が供給される。
これにより、アーム用シリンダの作動速度がブーム用シ
リンダの作動速度に対して速くなり過ぎるような事態が
解消され、バケットが地面に食い込むような事態が防止
される。そして、このようにアーム用操作レバーの操作
量がブーム用操作レバーの操作量に対して大きくても、
バケットが地面に食い込むのが防止されるため、バケッ
トの地面への食い込みを防止しつつ水平引き作業を行う
に際しては、アーム用操作レバー及びブーム用操作レバ
ーの従来のような高度な操作技術を必要としない。
【0017】よって、前記第1発明の油圧ショベルによ
れば、バケットを水平方向に引いて地ならしを行う水平
引き作業に際して、ブーム用操作レバー及びアーム油操
作レバーの高度な操作技術を必要とせずに、特にバケッ
トの地面への食い込みを防止することができ、該水平引
き作業を、地面を荒らすことなく容易に行うことができ
る。
【0018】かかる第1発明の油圧ショベルにあって
は、前記アーム用スプール弁が、前記アーム用操作レバ
ーの操作量に応じたパイロット圧を付与することにより
該アーム用操作レバーの操作量に応じた流量の圧油を前
記アーム用シリンダに供給可能な状態に駆動されるスプ
ール弁である場合には、前記アーム用シリンダ減速手段
は、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーが
それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
に操作されている状態で、前記アーム側操作データ検出
手段の検出値が前記ブーム側操作データ検出手段の検出
値に対して所定割合以上大きいとき、前記アーム用スプ
ール弁に付与するパイロット圧を前記ブーム用操作レバ
ーの操作量に応じたパイロット圧に減圧せしめることに
より前記アーム用シリンダに供給する圧油の流量を前記
ブーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量せしめ
る(請求項2に記載の発明。以下、第2発明という)。
【0019】これによれば、水平引き作業に際して、ア
ーム用操作レバーの操作量がブーム用操作レバーの操作
量に対して大きくて、アーム用シリンダの作動速度がブ
ーム用シリンダの作動速度に対して速くなり過ぎるよう
な場合に、前記アーム用スプール弁に付与するパイロッ
ト圧を前記ブーム用操作レバーの操作量に応じたパイロ
ット圧に減圧せしめることで、該アーム用スプール弁の
作動状態が、アーム用操作レバーの操作量をブーム用操
作レバーの操作量と同じにした場合と同等の作動状態と
なる。これにより、アーム用シリンダへの圧油の流量が
ブーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量され
て、アーム用シリンダの作動速度がブーム用シリンダの
作動速度に整合した速度に減速されることとなる。
【0020】また、このような第1発明又は第2発明の
油圧ショベルでは、さらに、前記ブーム用操作レバー及
びアーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びア
ームの引き込み側に同時に操作されている状態で、前記
ブーム側操作データ検出手段の検出値が前記アーム側操
作データ検出手段の検出値に対して所定割合以上大きい
とき、前記ブーム用シリンダに供給する圧油の流量を前
記アーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量せし
めるブーム用シリンダ減速手段を備えることが好ましい
(請求項3に記載の発明。以下、第3発明という)。
【0021】このような第3発明の油圧ショベルによれ
ば、水平引き作業を行う際に、ブーム用操作レバーの操
作量がアーム用操作レバーの操作量に対して大きくて、
前記ブーム側操作データ検出手段の検出値が前記アーム
側操作データ検出手段の検出値に対して所定割合以上大
きい場合には、前記ブーム用シリンダの作動速度がアー
ム用シリンダの作動速度に対して速くなり過ぎて、バケ
ットが地面から浮き上がろうとするものの、前記ブーム
用シリンダ減速手段によって、前記ブーム用シリンダへ
の圧油の流量がアーム用操作レバーの操作量に応じた流
量に減量される。従って、前述のようにアーム用シリン
ダへの圧油の流量を減量する場合と同様に、ブーム用シ
リンダには、ブーム用操作レバーの操作量をアーム用操
作レバーの操作量と同じにした場合と同等の流量の圧油
が供給される。これにより、ブーム用シリンダの作動速
度がアーム用シリンダの作動速度に対して速くなり過ぎ
るような事態が解消されて、バケットが地面から浮き上
がるような事態も防止される。そして、このようにブー
ム用操作レバーの操作量がアーム用操作レバーの操作量
に対して大きくても、バケットが地面から浮き上がるの
が防止されるため、その浮き上がりを防止しつつ水平引
き作業を行うに際しては、アーム用操作レバー及びブー
ム用操作レバーの従来のような高度な操作技術を必要と
しない。
【0022】よって、上記のようにブーム用シリンダ減
速手段をさらに備えた第3発明の油圧ショベルによれ
ば、ブーム用操作レバー及びアーム油操作レバーの高度
な操作技術を必要とせずに、バケットの地面への食い込
みだけでなく、地面からの浮き上がりをも防止すること
ができ、該水平引き作業を確実に円滑且つ容易に行うこ
とができる。
【0023】かかる第3発明の油圧ショベルでは、前記
ブーム用スプール弁が、前記ブーム用操作レバーの操作
量に応じたパイロット圧を付与することにより該ブーム
用操作レバーの操作量に応じた流量の圧油を前記ブーム
用シリンダに供給可能な状態に駆動されるスプール弁で
ある場合には、前記ブーム用シリンダ減速手段は、前記
ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれぞれ
ブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操作さ
れている状態で、前記ブーム側操作データ検出手段の検
出値が前記アーム側操作データ検出手段の検出値に対し
て所定割合以上大きいとき、前記ブーム用スプール弁に
付与するパイロット圧を前記アーム用操作レバーの操作
量に応じたパイロット圧に減圧せしめることにより前記
ブーム用シリンダに供給する圧油の流量を前記アーム用
操作レバーの操作量に応じた流量に減量せしめる(請求
項4に記載の発明。以下、第4発明という)。
【0024】これによれば、水平引き作業に際して、前
記第2発明の場合と逆に、ブーム用操作レバーの操作量
がアーム用操作レバーの操作量に対して大きくて、ブー
ム用シリンダの作動速度がアーム用シリンダの作動速度
に対して速くなり過ぎるような場合に、前記ブーム用ス
プール弁に付与するパイロット圧を前記アーム用操作レ
バーの操作量に応じたパイロット圧に減圧せしめること
で、該ブーム用スプール弁の作動状態が、ブーム用操作
レバーの操作量をアーム用操作レバーの操作量と同じに
した場合と同等の作動状態となる。これにより、ブーム
用シリンダへの圧油の流量がアーム用操作レバーの操作
量に応じた流量に減量されて、ブーム用シリンダの作動
速度がアーム用シリンダの作動速度に整合した速度に減
速されることとなる。
【0025】ところで、前記油圧ポンプが、前記ブーム
用シリンダ及びアーム用シリンダに対応して各別に設け
られた可変容量型油圧ポンプであり、各油圧ポンプの吐
出流量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用
操作レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制御手
段を備えた油圧ショベルにあっては、前述の第1発明や
第2発明の油圧ショベルのようにバケットの食い込みを
防止するために、アーム用シリンダへの圧油の流量を減
量する場合に、アーム用シリンダに対応する油圧ポンプ
の吐出流量をアーム用操作レバーの現在の操作量に応じ
た吐出流量に制御したままだと、該油圧ポンプの吐出流
量とアーム用シリンダに供給する圧油の流量とが整合せ
ず、アーム用シリンダの挙動が不安定なものとなる虞れ
がある。
【0026】そこで、前記油圧ポンプが、前記ブーム用
シリンダ及びアーム用シリンダに対応して各別に設けら
れた可変容量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプ
の吐出流量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアー
ム用操作レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制
御手段を備えた前記第1発明又は第2発明の油圧ショベ
ルにあっては、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込
み側に同時に操作されている状態で、前記アーム側操作
データ検出手段の検出値が前記ブーム側操作データ検出
手段の検出値に対して所定割合以上大きいとき、前記ア
ーム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出流量を前記
ブーム用操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せ
しめる手段を前記油圧ポンプ制御手段に具備する(請求
項5に記載の発明。以下、第5発明という)。
【0027】このような第5発明の油圧ショベルによれ
ば、バケットの食い込みを防止するために、前記アーム
用シリンダ減速手段によってアーム用シリンダに供給す
る圧油の流量を減量する場合には、同時に、前記油圧ポ
ンプ制御手段によって、前記アーム用シリンダに対応す
る油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用操作レバーの操
作量に応じた吐出流量に減量せしめるので、該油圧ポン
プの吐出流量とアーム用シリンダに供給する圧油の流量
とが整合し、アーム用シリンダの挙動を安定なものとす
ることができる。このような第5発明の油圧ショベルで
は、さらに、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み
側に同時に操作されている状態で、前記ブーム側操作デ
ータ検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手
段の検出値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブー
ム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出流量を前記ア
ーム用操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せし
める手段を前記油圧ポンプ制御手段に具備することが好
ましい(請求項6に記載の発明。以下、第6発明とい
う)。
【0028】このような第6発明の油圧ショベルによれ
ば、水平引き作業を行う際に、ブーム用操作レバーの操
作量がアーム用操作レバーの操作量に対して大きくて、
前記ブーム側操作データ検出手段の検出値が前記アーム
側操作データ検出手段の検出値に対して所定割合以上大
きい場合には、ブーム用シリンダに対応する油圧ポンプ
の吐出流量が前記アーム用操作レバーの操作量に応じた
吐出流量に減量されることとなる。そして、このとき、
前記第1発明や第2発明のようにブーム用シリンダに供
給する圧油の流量を積極的に減量せずとも、ブーム用シ
リンダに対応する油圧ポンプの吐出流量がブーム用操作
レバーの操作量に対して少なめなものとなると共に、ブ
ームは自重により下降し勝手なので、ブームの上昇が抑
制される。これにより、前記第3発明や第4発明の場合
と同様に、水平引き作業に際して、ブーム用操作レバー
及びアーム用操作レバーの高度な操作技術を必要とせず
に、バケットの浮き上がりを防止することができる。
【0029】また、前述のように、アーム用シリンダ減
速手段に加えてブーム用シリンダ減速手段を備えた前記
第3発明又は第4発明の油圧ショベルにおいて、前記油
圧ポンプが、前記ブーム用シリンダ及びアーム用シリン
ダに対応して各別に設けられた可変容量型油圧ポンプで
あると共に、各油圧ポンプの吐出流量をそれぞれ前記ブ
ーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作量に応
じて制御する油圧ポンプ制御手段を備えた場合にあって
は、前記第5発明の場合と同様の理由により、前記ブー
ム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれぞれブー
ムの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操作されて
いる状態で、前記アーム側操作データ検出手段の検出値
が前記ブーム側操作データ検出手段の検出値に対して所
定割合以上大きいとき、前記アーム用シリンダに対応す
る油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用操作レバーの操
作量に応じた吐出流量に減量せしめると共に、前記ブー
ム側操作データ検出手段の検出値が前記アーム側操作デ
ータ検出手段の検出値に対して所定割合以上大きいと
き、前記ブーム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出
流量を前記アーム用操作レバーの操作量に応じた吐出流
量に減量せしめる手段を前記油圧ポンプ制御手段に具備
することが好ましい(請求項7に記載の発明。以下、第
7発明という)。
【0030】このような第7発明の油圧ショベルによれ
ば、バケットの食い込みを防止するために、前記アーム
用シリンダ減速手段によってアーム用シリンダに供給す
る圧油の流量を減量する場合には、同時に、前記油圧ポ
ンプ制御手段によって、前記アーム用シリンダに対応す
る油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用操作レバーの操
作量に応じた吐出流量に減量せしめ、逆に、バケットの
浮き上がりを防止するために、前記ブーム用シリンダ減
速手段によってブーム用シリンダに供給する圧油の流量
を減量する場合には、同時に、前記油圧ポンプ制御手段
によって、前記ブーム用シリンダに対応する油圧ポンプ
の吐出流量を前記アーム用操作レバーの操作量に応じた
吐出流量に減量せしめるので、上記の各シリンダに供給
する圧油の流量の減量に際して、各油圧ポンプの吐出流
量と各シリンダへの圧油の流量とが整合して、アーム用
シリンダ及びブーム用シリンダの両者の挙動を安定なも
のとすることができる。
【0031】また、本発明の油圧ショベルの第2の態様
(請求項8に記載の発明。以下、第8発明という)は、
前記の目的、特に水平引き作業時のバケットの浮き上が
りを防止するために、油圧ポンプからブーム用シリンダ
及びアーム用シリンダへのそれぞれの圧油の供給路に設
けられたブーム用スプール弁及びアーム用スプール弁を
それぞれブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの
操作量に応じて駆動することにより、前記ブーム用シリ
ンダ及びアーム用シリンダに各操作レバーの操作量に応
じた流量の圧油を前記油圧ポンプから供給して、該ブー
ム用シリンダ及びアーム用シリンダを各操作レバーの操
作量に応じた作動速度で作動させる油圧ショベルにおい
て、前記ブーム用操作レバーのブームの上昇側への操作
量を示すデータを検出するブーム側操作データ検出手段
と、前記アーム用操作レバーのアームの引き込み側への
操作量を示すデータを検出するアーム側操作データ検出
手段と、該ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバー
がそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同
時に操作されている状態で、前記ブーム側操作データ検
出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手段の検
出値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブーム用シ
リンダに供給する圧油の流量を前記アーム用操作レバー
の操作量に応じた流量に減量せしめるブーム用シリンダ
減速手段とを備えたことを特徴とする。
【0032】このような第8発明の油圧ショベルによれ
ば、前記第3発明の場合と同様に、水平引き作業を行う
際に、ブーム用操作レバーの操作量がアーム用操作レバ
ーの操作量に対して大きくて、前記ブーム側操作データ
検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手段の
検出値に対して所定割合以上大きい場合には、前記ブー
ム側減圧手段によって、前記ブーム用シリンダに供給す
る圧油の流量がアーム用操作レバーの操作量に応じた流
量に減量されるため、ブーム用シリンダの作動速度がア
ーム用シリンダの作動速度に対して速くなり過ぎるよう
な事態が回避され、ひいてはバケットが地面から浮き上
がるような事態が防止される。従って、ブーム用操作レ
バーやアーム用操作レバーの高度な操作技術を必要とせ
ずに、バケットの浮き上がりを防止しつつ水平引き作業
を行うことができる。
【0033】尚、かかる第8発明の油圧ショベルで、前
記ブーム用スプール弁が、前記ブーム用操作レバーの操
作量に応じたパイロット圧を付与することにより該ブー
ム用操作レバーの操作量に応じた流量の圧油を前記ブー
ム用シリンダに供給可能な状態に駆動されるスプール弁
である場合には、前記第4発明の場合と同様に、前記ブ
ーム用シリンダ減速手段は、前記ブーム用操作レバー及
びアーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びア
ームの引き込み側に同時に操作されている状態で、前記
ブーム側操作データ検出手段の検出値が前記アーム側操
作データ検出手段の検出値に対して所定割合以上大きい
とき、前記ブーム用スプール弁に付与するパイロット圧
を前記アーム用操作レバーの操作量に応じたパイロット
圧に減圧せしめることにより前記ブーム用シリンダに供
給する圧油の流量を前記アーム用操作レバーの操作量に
応じた流量に減量せしめることができる(請求項9に記
載の発明。以下第9発明という)。
【0034】また、前記第8発明又は第9発明の油圧シ
ョベルで、前記油圧ポンプが、前記ブーム用シリンダ及
びアーム用シリンダに対応して各別に設けられた可変容
量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプの吐出流量
をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レ
バーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制御手段を備
えた場合にあっては、前記第5発明と同様に、前記ブー
ム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれぞれブー
ムの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操作されて
いる状態で、前記ブーム側操作データ検出手段の検出値
が前記アーム側操作データ検出手段の検出値に対して所
定割合以上大きいとき、前記ブーム用シリンダに対応す
る油圧ポンプの吐出流量を前記アーム用操作レバーの操
作量に応じた吐出流量に減量せしめる手段を前記油圧ポ
ンプ制御手段に具備することが好ましい(請求項10に
記載の発明。以下、第10発明という)。これにより、
前記第5発明と同様に、前記ブーム用シリンダ減量手段
によって、ブーム用シリンダに供給する圧油の流量を減
量する場合には、同時に、前記油圧ポンプ制御手段によ
って、前記ブーム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐
出流量を前記アーム用操作レバーの操作量に応じた吐出
流量に減量せしめるので、該油圧ポンプの吐出流量とブ
ーム用シリンダに供給する圧油の流量とが整合し、ブー
ム用シリンダの挙動を安定なものとすることができる。
【0035】また、本発明の油圧ショベルの第3の態様
(請求項11に記載の発明。以下、第11発明という)
は、前記第8発明と同様に水平引き作業時のバケットの
浮き上がりを防止するために、ブーム用シリンダに圧油
を供給する第1の可変容量型油圧ポンプと、アーム用シ
リンダに圧油を供給する第2の可変容量型油圧ポンプ
と、前記第1の可変容量型油圧ポンプから前記ブーム用
シリンダへの圧油の供給路に設けられたブーム用スプー
ル弁と、前記第2の可変容量型油圧ポンプから前記アー
ム用シリンダへの圧油の供給路に設けられたアーム用ス
プール弁とを具備し、前記ブーム用スプール弁及びアー
ム用スプール弁をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及び
アーム用操作レバーの操作量に応じて駆動すると共に、
前記第1及び第2の可変容量型油圧ポンプの吐出流量を
それぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバ
ーの操作量に応じて制御することにより、前記ブーム用
シリンダ及びアーム用シリンダに各操作レバーの操作量
に応じた流量の圧油を前記油圧ポンプから供給して、該
ブーム用シリンダ及びアーム用シリンダを各操作レバー
の操作量に応じた作動速度で作動させる油圧ショベルに
おいて、前記ブーム用操作レバーのブームの上昇側への
操作量を示すデータを検出するブーム側操作データ検出
手段と、前記アーム用操作レバーのアームの引き込み側
への操作量を示すデータを検出するアーム側操作データ
検出手段と、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み
側に同時に操作されている状態で、前記ブーム側操作デ
ータ検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手
段の検出値に対して所定割合以上大きいとき、前記第1
の可変容量型油圧ポンプの吐出流量を前記アーム用操作
レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せしめる油圧ポ
ンプ制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0036】このような第11発明の油圧ショベルによ
れば、前記第6発明の場合と同様に、水平引き作業を行
う際に、ブーム用操作レバーの操作量がアーム用操作レ
バーの操作量に対して大きくて、前記ブーム側操作デー
タ検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手段
の検出値に対して所定割合以上大きい場合には、ブーム
用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出流量が前記アー
ム用操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量される
こととなるため、ブーム用シリンダに対応する油圧ポン
プの吐出流量がブーム用操作レバーの操作量に対して少
なめなものとなると共に、ブームは自重により下降し勝
手なので、ブームの上昇が抑制される。これにより、水
平引き作業に際して、ブーム用操作レバー及びアーム用
操作レバーの高度な操作技術を必要とせずに、バケット
の浮き上がりを防止することができる。
【0037】また、前述した第1発明や第2発明の油圧
ショベルでは、前記アーム用シリンダ減速手段による前
記アーム用シリンダへの圧油の流量の減量制御を所定の
操作により禁止する制御禁止手段を備えることが好まし
く(請求項12に記載の発明。以下、第12発明とい
う)、前記第8発明や第9発明の油圧ショベルでは、前
記ブーム用シリンダ減速手段による前記ブーム用シリン
ダへの圧油の流量の減量制御を所定の操作により禁止す
る制御禁止手段を備えることが好ましい(請求項13に
記載の発明。以下、第13発明という)。さらに、前記
第11発明の油圧ショベルでは、前記油圧ポンプ制御手
段による前記第1の可変容量型油圧ポンプの吐出流量の
減量制御を所定の操作により禁止する制御禁止手段を備
えることが好ましい(請求項14に記載の発明。以下、
第14発明という)。
【0038】すなわち、前記ブーム用操作レバー及びア
ーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアーム
の引き込み側に同時に操作される場合は、水平引き作業
以外の作業でもあり得る。そして、水平引き作業以外の
作業では、前述のように水平引き作業を円滑に行うため
のアーム用シリンダ減速手段や、ブーム用シリンダ減速
手段、あるいは油圧ポンプ制御手段による制御を行わず
に、通常どおりに、ブーム用シリンダやアーム用シリン
ダに圧油を供給することが好ましい。
【0039】そこで、前記第12乃至第14発明のよう
に、水平引き作業のための制御を所定の操作(例えばス
イッチ操作等)により禁止する制御禁止手段を備えて、
水平引き作業以外の作業で、ブーム用操作レバー及びア
ーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアーム
の引き込み側に同時に操作する場合に、上記の所定の操
作を行うことで、油圧ショベルの通常的な動作で作業を
行うことができる。
【0040】尚、このような制御禁止手段を備える場
合、例えば前記第3発明や第4発明では、前記アーム用
シリンダ減速手段による前記アーム用シリンダへの圧油
の流量の減量制御を所定の操作により禁止することに加
えて、前記ブーム用シリンダへの圧油の流量の減量制御
も禁止し、また、前記第5発明や第6発明、第7発明あ
るいは第10発明では、さらに前記油圧ポンプ制御手段
による油圧ポンプの吐出流量の減量制御も禁止すること
はもちろんである。
【0041】また、前記ブーム側操作データ検出手段や
アーム側操作データ検出手段は各操作レバーの操作量そ
のものをポテンショメータ等を用いて検出するようにし
てもよく、あるいは、例えば各操作レバーの操作量に応
じたパイロット圧を前記の各スプール弁に付与する場合
には、該パイロット圧を各操作レバーの操作量を示すデ
ータとして検出するようにしてもよい。
【0042】次に、本発明の油圧ショベルの第4の態様
(請求項15に記載の発明。以下、第15発明という)
は、前記の目的を達成するために、油圧ポンプからブー
ム用シリンダ及びアーム用シリンダへのそれぞれの圧油
の供給路に設けられたブーム用スプール弁及びアーム用
スプール弁をそれぞれブーム用操作レバー及びアーム用
操作レバーの操作量に応じて駆動することにより、前記
ブーム用シリンダ及びアーム用シリンダに各操作レバー
の操作量に応じた流量の圧油を前記油圧ポンプから供給
して、該ブーム用シリンダ及びアーム用シリンダを各操
作レバーの操作量に応じた作動速度で作動させる油圧シ
ョベルにおいて、アームの引き込み側への前記アーム用
シリンダの作動時に該アーム用シリンダのロッド側油室
から排出される圧油の管路にその通路面積を制御可能に
設けられた可変絞りと、前記ブーム用操作レバー及びア
ーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアーム
の引き込み側に同時に操作されている状態で、前記可変
絞りを前記ブーム用操作レバーの操作量に応じて制御す
る可変絞り制御手段とを備え、該可変絞り制御手段は、
前記ブーム用操作レバーの操作量が小さい程、前記可変
絞りの通路面積を小さくするよう該可変絞りを制御する
ことを特徴とする。
【0043】かかる第15発明の油圧ショベルによれ
ば、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーを
それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
に操作して、水平引き作業を行う際に、アーム用操作レ
バーの操作量がブーム用操作レバーの操作量に対して大
きくなると、該ブーム用操作レバーの操作量に応じて駆
動される前記アーム用スプール弁が前記油圧ポンプから
アーム用シリンダのボトム側油室への圧流の流量を増加
させて、アーム用シリンダの作動速度を増速させるよう
に作動する。しかるに、このとき、アーム用シリンダの
ロッド側油室から排出される圧油の管路に設けられた前
記可変絞りは、アーム用操作レバーの操作量よりも小さ
いブーム用操作レバーの操作量に応じて制御されるた
め、該可変絞りの通路面積は、アーム用操作レバーの操
作量に応じた通路面積には増大せず、アーム用操作レバ
ーの操作量に比して小さなブーム用操作レバーの操作量
に対応した比較的小さな通路面積に制御されることとな
る。このため、アーム用操作レバーの操作量がブーム用
操作レバーの操作量に対して大きくなっても、アーム用
シリンダのロッド側油室からの圧油の排出が抑制され、
これにより、アーム用シリンダのアームの引き込み側へ
の作動速度がブーム用シリンダのブームの上昇側への作
動速度に対して速過ぎることとなるような事態が回避さ
れ、従って、アームの先端部のバケットが地面に食い込
むような事態が防止される。
【0044】よって、第15発明の油圧ショベルによれ
ば、バケットを水平方向に引いて地ならしを行う水平引
き作業に際して、アーム用操作レバーの操作量がブーム
用操作レバーの操作量に対して大きくなっても、バケッ
トが地面に食い込む事態が防止されるので、ブーム用操
作レバー及びアーム用操作レバーの高度な操作技術を必
要とすることなく、バケットの地面への食い込みを防止
することができ、該水平引き作業を、地面を荒らすこと
なく容易且つ円滑に行うことができる。
【0045】かかる第15発明の油圧ショベルにおい
て、前記油圧ポンプが、前記ブーム用シリンダ及びアー
ム用シリンダに対応して各別に設けられた可変容量型油
圧ポンプであり、各油圧ポンプの吐出流量をそれぞれ前
記ブーム用操作レバーの及びアーム用操作レバーの操作
量に応じて制御する油圧ポンプ制御手段を備えた油圧シ
ョベルにあっては、バケットの食い込みを防止するため
に前記可変絞りを前述のようにブーム用操作レバーの操
作量に対応したパイロット圧に応じて制御したとき、ア
ーム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出流量をアー
ム用操作レバーの現在の操作量に応じた吐出流量に制御
したままだと、該油圧ポンプの吐出流量とアーム用シリ
ンダの作動速度とが整合せず、アーム用シリンダの挙動
が不安定なものとなる虞れがある。
【0046】そこで、前記油圧ポンプが、前記ブーム用
シリンダ及びアーム用シリンダに対応して各別に設けら
れた可変容量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプ
の吐出流量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアー
ム用操作レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制
御手段を備えた場合には、さらに、前記ブーム用操作レ
バー及びアーム用操作レバーがそれぞれブームの上昇側
及びアームの引き込み側に同時に操作されている状態
で、前記アーム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出
流量を前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバー
の操作量のうちいずれか低い方の操作量に応じた吐出流
量に制御する手段を前記油圧ポンプ制御手段に具備する
(請求項16に記載の発明。以下、第16発明とい
う)。
【0047】このような第16発明の油圧ショベルによ
れば、前記水平引き作業に際して、アーム用操作レバー
の操作量がブーム用操作レバーの操作量に対して大きく
なった場合には、前述の可変絞りの制御によってアーム
用シリンダの作動速度がブーム用シリンダの作動速度に
対して速くなり過ぎるのが抑制されると同時に、アーム
用シリンダに圧油を供給する油圧ポンプの吐出流量がア
ーム用操作レバーの操作量よりも小さいブーム用操作レ
バーの操作量に応じた吐出流量に制御されるため、その
吐出流量がアーム用シリンダの作動速度に整合したもの
となり、アーム用シリンダの挙動を安定なものとするこ
とができる。
【0048】また、上記のように油圧ポンプを可変容量
型油圧ポンプにより構成した第16発明の油圧ショベル
では、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバー
がそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同
時に操作されている状態で、前記各操作レバーの操作量
の変化に対する前記各可変容量型油圧ポンプの吐出流量
の変化量の特性を前記油圧ポンプ制御手段に複数種類切
換自在に設定するポンプゲイン設定手段を備え、該油圧
ポンプ制御手段は、該ポンプゲイン設定手段により設定
された前記特性に従って前記各可変容量型油圧ポンプの
吐出流量を制御する(請求項17に記載の発明。以下、
第17発明という)。
【0049】さらに、前記第15乃至第17発明の油圧
ショベルでは、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込
み側に同時に操作されている状態で、前記ブーム用操作
レバーの操作量の変化に対する前記可変絞りの通路面積
の変化量の特性を前記可変絞り制御手段に複数種類切換
自在に設定する可変絞りゲイン設定手段を備え、該可変
絞り制御手段は、該可変絞りゲイン設定手段により設定
された前記特性に従って前記可変絞りの通路面積を制御
する(請求項18に記載の発明。以下、第18発明とい
う)。
【0050】このような第17発明や第17発明の油圧
ショベルによれば、水平引き作業に際して、前記ブーム
用操作レバーの操作量の変化に対する前記可変絞りの通
路面積の変化量の特性や、前記各操作レバーの操作量の
変化に対する前記各可変容量型油圧ポンプの吐出流量の
変化量の特性を前記可変絞りゲイン設定手段やポンプゲ
イン設定手段により、適宜、複数種類に切換・設定する
ことが可能となり、作業者の好みや作業形態等に適合し
たブーム用シリンダやアーム用シリンダの挙動で水平引
き作業を行うことができる。
【0051】また、前述のような第15乃至第18発明
の油圧ショベルでは、前記アームの引き込み側への前記
アーム用シリンダの作動時に該アーム用シリンダのロッ
ド側油室から排出される圧油を該アーム用シリンダのボ
トム側油室に還流せしめる再生回路を備えている場合に
は、前記可変絞りを該再生回路に設ける(請求項19に
記載の発明。以下、第19発明という)。
【0052】すなわち、前記再生回路を備えたもので
は、アームの引き込み側への前記アーム用シリンダの作
動時にアーム用シリンダのロッド側油室から排出される
圧油が該アーム用シリンダのボトム側油室に還流するた
め、該アーム用シリンダの作動速度が増速しやすいが、
前記可変絞りを該再生回路に設けてその通路面積を前述
のように制御することで、水平引き作業時にアーム用シ
リンダの作動速度がブーム用シンダの作動速度に対して
速くなり過ぎてバケットが地面に食い込むような事態を
効果的に防止することができる。
【0053】また、前記第15乃至第19発明の油圧シ
ョベルでは、前記可変絞り制御手段による前記可変絞り
の通路面積の制御を所定の操作により禁止する制御禁止
手段を備えることが好ましい(請求項20に記載の発
明。以下、第20発明という)。
【0054】このような第20発明の油圧ショベルによ
れば、前記第12乃至第14発明の場合と同様に、水平
引き作業以外の作業時に、前記所定の操作を行うこと
で、油圧ショベルの通常的な動作で作業を行うことがで
きる。
【0055】次に、本発明の油圧ショベルの第5の態様
(請求項21に記載の発明。以下、第21発明という)
は、ブーム用シリンダにブーム用操作レバーの操作に応
じて作動するブーム用スプール弁を介して圧油を供給せ
しめる第1の油圧ポンプと、アーム用シリンダにアーム
用操作レバーの操作に応じて作動するアーム用スプール
弁を介して圧油を供給せしめる第2の油圧ポンプと、前
記ブーム用シリンダの作動時に前記第2の油圧ポンプの
吐出圧油を前記ブーム用操作レバーの操作に応じて前記
第1の油圧ポンプの吐出圧油に合流させて該ブーム用シ
リンダに供給せしめるブーム合流手段とを備えた油圧シ
ョベルにおいて、前記ブーム用操作レバー及びアーム用
操作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き
込み側に同時に操作されたとき、前記ブーム合流手段に
よる圧油の合流作動の開始タイミングを少なくとも前記
ブーム用操作レバーのみが操作された場合よりも遅延せ
しめる合流遅延手段を備えたことを特徴とする。
【0056】かかる第21発明の油圧ショベルによれ
ば、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーを
それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
に操作して、水平引き作業を行う際に、前記合流遅延手
段によって、前記ブーム合流手段による圧油の合流作動
の開始タイミングを前記ブーム用操作レバーのみが操作
された場合よりも遅延せしめるので、ブーム用操作レバ
ーを通常的な場合よりも大きな操作量で操作しなけれ
ば、前記第1の油圧ポンプの吐出圧油に前記第2の油圧
ポンプの吐出圧油を合流させてブーム用シリンダに供給
する作動が行われないこととなる。そして、この非合流
状態では、ブーム用シリンダには、前記第1の油圧ポン
プのみから圧油が供給されるため、ブーム用操作レバー
の操作量が多少変化しても、ブームの上昇側へのブーム
用シリンダの作動速度が急変することはない。従って、
ブーム用シリンダの作動速度の調整が容易なブーム用操
作レバーの操作範囲が通常の場合よりも広がり、これに
より、水平引き作業を行う上で、ブームの上昇側へのブ
ーム用シリンダの作動速度を、アームの引き込み側への
アーム用シリンダの作動速度に整合させ易くなる。
【0057】よって、第21発明の油圧ショベルによれ
ば、バケットを水平方向に引いて地ならしを行う水平引
き作業を、ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバー
の高度な操作技術を必要とせずに容易に円滑に行うこと
ができる。
【0058】かかる第21発明の油圧ショベルにおい
て、前記ブーム合流手段が、前記第2の油圧ポンプから
前記ブーム用シリンダへの油通路を開通・遮断自在に設
けられたブーム合流弁と、前記アーム用操作レバーの中
立位置に対応する前記アーム用スプール弁の中立状態で
前記第2の油圧ポンプの吐出圧油を作動油タンクに回収
するための油通路を開通・遮断自在に設けられたカット
弁とを具備すると共に、前記ブーム用シリンダの作動時
の合流に際して、前記ブーム合流弁の開通作動及び前記
カット弁の遮断作動を前記ブーム用操作レバーの操作に
応じて行わしめることにより前記第2の油圧ポンプの吐
出圧油を前記第1の油圧ポンプの吐出圧油に合流させて
該ブーム用シリンダに供給せしめる場合には、前記合流
遅延手段は、前記ブーム合流弁の開通作動及び前記カッ
ト弁の遮断作動のうち、少なくともいずれか一方を前記
ブーム用操作レバーのみが操作された場合よりも遅延せ
しめる(請求項22に記載の発明。以下、第22発明と
いう)。
【0059】このような第22発明の油圧ショベルによ
れば、前記ブーム合流弁の開通作動を前記ブーム用操作
レバーのみが操作された場合よりも遅延せしめること
で、その開通作動が行われるまでの間は、第2の油圧ポ
ンプからブーム用シリンダへの油通路が遮断されるた
め、前記ブーム用シリンダへの圧油の合流作動の開始タ
イミングを通常の場合よりも遅延せしめることができ、
また、前記カット弁の遮断作動を遅延せしめることで、
その遮断作動が行われるまでの間、第2の油圧ポンプの
吐出圧油は前記作動油タンクに流れるため、前記ブーム
用シリンダへの圧油の合流作動の開始タイミングを通常
の場合よりも遅延せしめることができる。従って、水平
引き作業に際してのブーム用シリンダへの圧油の合流作
動の開始タイミングの遅延を容易に行うことができる。
尚、この場合、前記ブーム合流弁の開通作動と、カット
弁の遮断作動との両者を遅延させてもよい。
【0060】次に、本発明の油圧ショベルの第7の態様
(請求項23に記載の発明。以下、第23発明という)
は、前記の目的を達成するために、ブーム用シリンダに
ブーム用操作レバーの操作に応じて作動するブーム用ス
プール弁を介して圧油を供給せしめる第1の油圧ポンプ
と、アーム用シリンダにアーム用操作レバーの操作に応
じて作動するアーム用スプール弁を介して圧油を供給せ
しめる第2の油圧ポンプと、前記ブーム用シリンダの作
動時に前記第2の油圧ポンプの吐出圧油を前記ブーム用
操作レバーの操作に応じて前記第1の油圧ポンプの吐出
圧油に合流させて該ブーム用シリンダに供給せしめるブ
ーム合流手段と、前記各操作レバーの操作時に前記各可
変容量型油圧ポンプの吐出流量を各操作レバーの操作量
に応じた吐出流量に制御すると共に前記合流時には前記
第2の可変容量型油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用
操作レバーの操作量に応じた流量分、増量せしめる油圧
ポンプ制御手段とを備えた油圧ショベルにおいて、前記
ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれぞれ
ブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操作さ
れたとき、前記油圧ポンプ制御手段による前記ブーム用
操作レバーの操作に応じた前記第2の可変容量型油圧ポ
ンプの吐出流量の増量開始タイミングを少なくとも前記
ブーム用操作レバーのみが操作された場合よりも遅延せ
しめるポンプ増量遅延手段を備えたことを特徴とする。
【0061】かかる第23発明の油圧ショベルによれ
ば、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーを
それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
に操作して、水平引き作業を行う際に、前記ブーム合流
手段は、通常の場合と同様に前記第2の油圧ポンプの吐
出圧油を前記ブーム用操作レバーの操作に応じて前記第
1の可変容量型油圧ポンプの吐出圧油に合流させて該ブ
ーム用シリンダに供給せしめるように作動するのである
が、前記ポンプ増量遅延手段によって、前記油圧ポンプ
制御手段による前記ブーム用操作レバーの操作に応じた
前記第2の可変容量型油圧ポンプの吐出流量の増量開始
タイミングを前記ブーム用操作レバーのみが操作された
場合よりも遅延せしめるので、ブーム用操作レバーを通
常的な場合よりも大きな操作量で操作しなければ、前記
第2の可変容量型油圧ポンプからブーム用シリンダへの
圧油の流量が通常的な場合よりも不足気味となる。そし
て、この状態では、ブーム用シリンダに供給される圧油
の大部分は前記第1の油圧ポンプから供給されるものと
なるため、ブーム用操作レバーの操作量が多少変化して
も、ブームの上昇側へのブーム用シリンダの作動速度が
急変しにくくなる。従って、ブーム用シリンダの作動速
度を調整が容易なブーム用操作レバーの操作範囲が通常
の場合よりも広がり、これにより、水平引き作業を行う
上で、ブームの上昇側へのブーム用シリンダの作動速度
を、アームの引き込み側へのアーム用シリンダの作動速
度に整合させ易くなる。
【0062】よって、第23発明の油圧ショベルによれ
ば、前記第21発明の油圧ショベルと同様に、バケット
を水平方向に引いて地ならしを行う水平引き作業を、ブ
ーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの高度な操作
技術を必要とせずに容易に円滑に行うことができる。
【0063】かかる第23発明油圧ショベルでは、より
好ましくは、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み
側に同時に操作されたとき、前記ポンプ増量遅延手段に
よる前記第2の可変容量型油圧ポンプの吐出流量の増量
開始タイミングの遅延に合わせて、前記ブーム合流手段
による圧油の合流作動の開始タイミングを前記ブーム用
操作レバーのみが操作された場合よりも遅延せしめる合
流遅延手段を備える(請求項24に記載の発明。以下第
24発明という)。
【0064】このような第24発明の油圧ショベルによ
れば、前記ポンプ増量遅延手段による前記第2の可変容
量型油圧ポンプの吐出流量の増量開始タイミングの遅延
によって、ブーム用シリンダの作動速度の調整が容易に
なることに加えて、前記第21発明と全く同様に前記合
流遅延手段による合流作動の開始タイミングの遅延によ
ってもブーム用シリンダの作動速度の調整が容易となる
ため、水平引き作業を行う際のブームの上昇側へのブー
ム用シリンダの作動速度を、アームの引き込み側へのア
ーム用シリンダの作動速度により確実に整合させ易くな
る。従って、バケットを水平方向に引いて地ならしを行
う水平引き作業を、より容易に円滑に行うことができ
る。
【0065】この場合、前記ブーム合流手段が、前記第
2の油圧ポンプから前記ブーム用シリンダへの油通路を
開通・遮断自在に設けられたブーム合流弁と、前記アー
ム用操作レバーの中立位置に対応する前記アーム用スプ
ール弁の中立状態で前記第2の油圧ポンプの吐出圧油を
作動油タンクに回収するための油通路を開通・遮断自在
に設けられたカット弁とを具備すると共に、前記ブーム
用シリンダの作動時の合流に際して、前記ブーム合流弁
の開通作動及び前記カット弁の遮断作動を前記ブーム用
操作レバーの操作に応じて行わしめることにより前記第
2の油圧ポンプの吐出圧油を前記第1の油圧ポンプの吐
出圧油に合流させて該ブーム用シリンダに供給せしめる
ときには、前述の第22発明と同様に、前記合流遅延手
段によって、前記ブーム合流弁の開通作動及び前記カッ
ト弁の遮断作動のうち、少なくともいずれか一方を前記
ブーム用操作レバーのみが操作された場合よりも遅延せ
しめることで、水平引き作業に際してのブーム用シリン
ダへの圧油の合流作動の開始タイミングの遅延を容易に
行うことができる(請求項25に記載の発明。以下、第
25発明という)。
【0066】また、前記第21発明の油圧ショベルで
は、前記合流遅延手段による前記合流作動の開始タイミ
ングの遅延を所定の操作により禁止する制御禁止手段を
備えることが好ましく(請求項26に記載の発明。以下
第26発明という)、また、前記第23発明の油圧ショ
ベルでは、前記ポンプ増量遅延手段による前記第2の可
変容量型油圧ポンプの吐出流量の増量開始タイミングの
遅延を所定の操作により禁止する制御禁止手段を備える
ことが好ましい(請求項27に記載の発明。以下第27
発明という)。
【0067】このような第26及び第27発明の油圧シ
ョベルによれば、前記第12乃至第14発明の場合と同
様に、水平引き作業以外の作業時に、前記所定の操作を
行うことで、油圧ショベルの通常的な動作で作業を行う
ことができる。
【0068】尚、このように制御禁止手段を備える場
合、前記第24発明のように油圧ポンプの増量開始タイ
ミングの遅延と、合流作動の開始タイミングの遅延とを
併用する場合には、それらの両者の遅延作動を前記所定
の操作によって禁止する。
【0069】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を図1乃
至図6を参照して説明する。この第1の実施形態は、前
記第1乃至第5発明、並びに第7乃至第10発明に対応
するものである。
【0070】図1を参照して、本実施形態の油圧ショベ
ルは、車体1の前部からブーム2が上下方向に揺動自在
に延設され、このブーム2の先端部からアーム3が前後
方向に揺動自在に延設され、このアーム3の先端部にバ
ケット4が前後方向に揺動自在に取り付けられている。
そして、ブーム2は、その後部と車体1との間に伸縮自
在に設けられたブーム用シリンダ5によって駆動され、
アーム3は、その後端部とブーム3との間に伸縮自在に
設けられたアーム用シリンダ6によって駆動され、バケ
ット4は、これとアーム3との間に伸縮自在に設けられ
たバケット用リンダ7によって駆動されるようになって
いる。尚、ブーム用シリンダ5は、ブーム2の両側に一
つずつ対となって備えられている。
【0071】この油圧ショベルによって、例えば地面G
を地ならしする水平引き作業を行う場合には、バケット
4を地面Gに接触させた状態で、アーム3の先端部のバ
ケット4を車体1側に向かって水平方向に移動させるよ
うに、一対のブーム用シリンダ5の伸長動作によってブ
ーム2を上昇させつつ、アーム用シリンダ6の伸長動作
によってアーム3を車体1に向かって引き込む側に作動
させる。
【0072】車体1には、ブーム用シリンダ5及びアー
ム用シリンダ6を作動させるために、図2に示すような
油圧制御装置が搭載されている。
【0073】同図2において、この油圧制御装置は、二
つの可変容量型油圧ポンプ8,9と、ブーム2の操作を
行うためのブーム用操作レバー10を具備したリモコン
弁装置11と、アーム3の操作を行うためのアーム用操
作レバー12を具備したリモコン弁装置13とを備えて
いる。
【0074】油圧ポンプ8は、その吐出ポートから導出
された管路14(圧油の供給路)が、ブーム用シリンダ
5,5のボトム側油室5a,5aに通じる管路15及び
該シリンダ5,5のロッド側油室5b,5bに通じる管
路16にブーム用スプール弁17を介して接続され、作
動油タンク18から吸入した圧油を、ブーム用スプール
弁17を介してブーム用シリンダ5,5のボトム側油室
5a,5aまたはロッド側油室5b,5bに供給可能と
している。
【0075】同様に、油圧ポンプ9は、その吐出ポート
から導出された管路19(圧油の供給路)が、アーム用
シリンダ6のボトム側油室6aに通じる管路20及び該
シリンダ6のロッド側油室6bに通じる管路21にアー
ム用スプール弁22を介して接続され、作動油タンク1
8から吸入した圧油を、アーム用スプール弁22を介し
てアーム用シリンダ6のボトム側油室6aまたはロッド
側油室6bに供給可能としている。
【0076】これらの油圧ポンプ8,9は、その傾転角
をそれぞれレギュレータ23,24を介して調整するこ
とで、吐出流量を制御可能とされている。各レギュレー
タ23,24は、そのパイロットポートが、油圧ポンプ
8,9とは別に備えられたパイロットポンプ25の吐出
ポートに、それぞれ電磁比例弁26,27を途中に設け
たパイロット管路28,29を介して接続されており、
該パイロットポンプ25から電磁比例弁26,27を介
して付与されるパイロット圧に応じて各油圧ポンプ8,
9の傾転角を調整するようにしている。この場合、各電
磁比例弁26,27は、その通電量(通電電流)に比例
した二次圧をパイロットポンプ25の吐出圧油から生成
し、それを各レギュレータ23,24のパイロットポー
トに付与する。また、各電磁比例弁26,27は、それ
への通電を遮断した状態では、各レギュレータ23,2
4のパイロットポートを作動油タンク18に開放する。
【0077】前記ブーム用スプール弁17は、その図示
しないスプールの変位によって、油圧ポンプ8とブーム
用シリンダ5,5との間を遮断してブーム用シリンダ
5,5を停止状態に保持するA位置(中立位置)と、油
圧ポンプ8をブーム用シリンダ5,5のボトム側油室5
a,5aに連通して該ボトム側油室5a,5aに圧油を
供給せしめ、ブーム用シリンダ5,5をその伸長側(ブ
ーム2の上昇側)に作動せしめるB位置と、油圧ポンプ
8をブーム用シリンダ5,5のロッド側油室5b,5b
に連通して該ロッド側油室5b,5bに圧油を供給せし
め、ブーム用シリンダ5,5をその短縮側(ブーム2の
下降側)に作動せしめるC位置とに切換自在とされてい
る。このブーム用スプール弁17には、二つのパイロッ
トポート17a,17bが備えられ、これらのパイロッ
トポート17a,17bにパイロット圧を付与しない状
態では、A位置(中立位置)に保持されると共に、パイ
ロットポート17a又は17bにパイロット圧を付与す
ることで、それぞれB位置側、C位置側に駆動されるよ
うになっている。この場合、B位置側又はC位置側で
は、それぞれパイロットポート17a,17bへのパイ
ロット圧に応じたスプールの変位によって、該パイロッ
ト圧に応じた流量の圧油を油圧ポンプ8からブーム用シ
リンダ5,5のボトム側油室5a,5a又はロッド側油
室5b,5bに供給可能としている。同様に、前記アー
ム用スプール弁22は、油圧ポンプ9とアーム用シリン
ダ6との間を遮断してアーム用シリンダ6を停止状態に
保持するD位置(中立位置)と、油圧ポンプ9をアーム
用シリンダ6のボトム側油室6aに連通・接続して該ボ
トム側油室6aに圧油を供給せしめ、アーム用シリンダ
6をその伸長側(アーム3の引き込み側)に作動せめる
E位置と、油圧ポンプ9をアーム用シリンダ6のロッド
側油室6bに連通して該ロッド側油室6bに圧油を供給
せしめ、アーム用シリンダ6をその短縮側(アーム3の
押し込み側)に作動せしめるF位置とに切換自在とさ
れ、該スプール弁22に設けられたパイロットポート2
2a,22bにパイロット圧を付与することで、それぞ
れD位置からE位置側、F位置側に駆動されるようにな
っている。そして、E位置側、F位置側では、それぞれ
対応するパイロットポート22a,22bへのパイロッ
ト圧に応じた流量の圧油を油圧ポンプ9からアーム用シ
リンダ6のボトム側油室6a、ロッド側油室6bに供給
可能としている。
【0078】前記リモコン弁装置11は、ブーム用スプ
ール弁17を前述のように駆動するためのパイロット圧
を、ブーム用操作レバー10の操作方向及びその操作量
に応じて生成するものであり、電磁比例弁30を途中に
設けたパイロット管路31を介してブーム用スプール弁
17のパイロットポート17aに接続されていると共
に、パイロット管路32を介してブーム用スプール弁1
7のパイロットポート17bに接続されている。この場
合、ブーム用操作レバー10は、ブーム2を上昇させる
場合には、例えば矢印a方向に揺動操作し、ブーム2を
下降させる場合には、矢印b方向に揺動操作するように
なっている。そして、リモコン弁装置11は、図3に示
すように、ブーム2の上昇側にブーム用操作レバー10
を操作したときには(矢印a方向への操作)、その操作
量に応じた(操作量に比例した)パイロット圧を電磁比
例弁30の入口側でパイロット管路31に生成し、ブー
ム2の下降側にブーム用操作レバー10を操作したとき
には(矢印b方向への操作)、その操作量に応じた(操
作量に比例した)パイロット圧をパイロット管路32に
生成する。
【0079】同様に、リモコン弁装置13は、アーム用
スプール弁22を駆動するためのパイロット圧をブーム
用操作レバー12の操作方向及びその操作量に応じて生
成するものであり、電磁比例弁33を途中に設けたパイ
ロット管路34を介してアーム用スプール弁22のパイ
ロットポート22aに接続されていると共に、パイロッ
ト管路35を介してアーム用スプール弁22のパイロッ
トポート22bに接続されている。そして、アーム用操
作レバー12は、アーム3を引き込み側(図1の車体1
に接近する側)に作動させる場合には、例えば矢印c方
向に揺動操作し、アーム3を押し込み側(図1の車体1
から離反する側)に作動させる場合には、矢印d方向に
揺動操作するようになっており、リモコン弁装置13
は、アーム3の引き込み側にアーム用操作レバー12を
操作したときには(矢印c方向への操作)、その操作量
に比例したパイロット圧を電磁比例弁33の上流側でパ
イロット管路34に生成し、アーム3の押し込み側にア
ーム用操作レバー12を操作したときには(矢印d方向
への操作)、その操作量に比例したパイロット圧をパイ
ロット管路35に生成する(図3参照)。
【0080】尚、前記電磁比例弁30,33は、それぞ
れその入口側でリモコン弁装置11,13によってパイ
ロット管路31,34に生成されたパイロット圧から通
電量(通電電流)に比例した二次圧を生成し、それをそ
れぞれブーム用スプール弁17のパイロットポート17
a及びアーム用スプール弁22のパイロットポート22
aに付与し、その通電を遮断した状態では、各スプール
弁17,22のパイロットポート17a,22aを作動
油タンク18に開放する。
【0081】また、各リモコン弁装置11,13は、そ
れぞれブーム2の上昇側でのブーム用操作レバー10の
操作量及びアーム3の引き込み側でのアーム用操作レバ
ー12の操作量が同じであれば、同じ大きさのパイロッ
ト圧を生成するようにしている。
【0082】一方、図2の油圧制御装置は、前述の構成
の他にさらに、ブーム2の上昇側でのブーム用操作レバ
ー10の操作量に応じてリモコン弁装置11により生成
されるパイロット圧Pbを検出するブーム側圧力センサ
36(ブーム側操作データ検出手段)と、アーム3の引
き込み側でのアーム用操作レバー12の操作量に応じて
リモコン弁装置13により生成されるパイロット圧Pa
を検出するアーム側圧力センサ37(アーム側操作デー
タ検出手段)と、前記各電磁比例弁26,27,30,
33を通電制御するコントローラ38と、各操作レバー
10,12の操作量に応じた各電磁比例弁26,27,
30,33のゲイン(操作レバー10,12の操作量の
変化に対する各電磁比例弁26,27,30,33の二
次圧の変化度合い)をコントローラ38に設定するため
のゲイン設定スイッチ39とを具備している。ゲイン設
定スイッチ39は、その操作位置を“MAX”位置と
“MIN”位置との間で複数段階に切換可能としてい
る。
【0083】各圧力センサ36,37は、それぞれ電磁
比例弁30,33の入口側でパイロット管路31,34
に接続され、それぞれの管路31,34で検出されるパ
イロット圧Pb,Paに応じた信号をコントローラ38
に出力する。
【0084】コントローラ38は、マイクロコンピュー
タ等を用いて構成されたものであり、その機能的構成と
して、ブーム側比例弁制御部40、アーム側比例弁制御
部41及びポンプ用比例弁制御部42を備えている。
【0085】ブーム側比例弁制御部40及びアーム側比
例弁制御部41は、それぞれ電磁比例弁30,33を通
電制御するものであり、基本的には、各圧力センサ3
6,37で検出されるパイロット圧Pb,Paによりそ
れぞれ示されるブーム2の上昇側でのブーム用操作レバ
ー10の操作量(パイロット圧Pb)及びアーム3の引
き込み側でのアーム用操作レバー12の操作量(パイロ
ット圧Pa)に比例した二次圧を生成せしめるように電
磁比例弁30,33を通電制御する(図4参照)。この
場合、図4に示すように、各操作レバー10,12の操
作量に対する各電磁比例弁30,33の二次圧のゲイン
特性は、ゲイン設定スイッチ39によって複数種類に設
定可能とされ、例えばゲイン設定スイッチ39の操作位
置が“MAX”であるときには、図4の直線pの傾きで
示すようなゲイン特性で各電磁比例弁30,33を通電
制御し、ゲイン設定スイッチ39の操作位置が“MI
N”であるときには、図4の直線qの傾き(<直線pの
傾き)で示すようなゲイン特性で各電磁比例弁30,3
3を通電制御するようにしている。そして、ゲイン設定
スイッチ39の操作位置が“MAX”と“MIN”の中
間位置であるときには、ゲイン設定スイッチ39の操作
位置に応じてゲイン特性を直線p,qの間の傾きで段階
的に変化させて設定し、そのゲイン特性に従って各電磁
比例弁30,33を通電制御するようにしている。ここ
で、ゲイン設定スイッチ39の“MAX”位置に対応す
るゲイン特性(直線p)では、各リモコン弁装置11,
13により生成されたパイロット圧Pb,Paをそのま
ま電磁比例弁30,33の二次圧(=スプール弁17,
22のパイロットポート17a,22aに付与するパイ
ロット圧)として生成するように各電磁比例弁30,3
3を通電制御するようにしている。
【0086】尚、ブーム側比例弁制御部40及びアーム
側比例弁制御部41は、ブーム2の上昇側でのブーム用
操作レバー10の操作とアーム3の引き込み側でのアー
ム用操作レバー12の操作とが同時に行われている場合
(前記水平引き作業の場合)に、圧力センサ36,37
で検出されるパイロット圧Pb,Paの大小関係に応じ
て、電磁比例弁30,33の二次圧を図4の特性で定ま
る二次圧に対して適宜減圧するようにしているのである
が、これについては後述する。
【0087】ポンプ用比例弁制御部42は、油圧ポンプ
8,9の吐出流量を制御するために電磁比例弁26,2
7を通電制御するものであり、基本的には、図5に示す
ようにブーム用操作レバー10の操作量及びアーム用操
作レバー12の操作量に応じた二次圧(レギュレータ2
3,24に付与するパイロット圧)を生成せしめるよう
に、換言すれば、油圧ポンプ8,9の吐出流量がそれぞ
れブーム用操作レバー10の操作量及びアーム用操作レ
バー12の操作量に応じた吐出流量となるようにように
制御する。この場合、電磁比例弁30,33の場合と同
様に、各操作レバー10,12の操作量に対する各電磁
比例弁30,33の二次圧(各油圧ポンプ8,9の吐出
流量)のゲイン特性は、前記ゲイン設定スイッチ39に
よって複数種類に設定可能とされている。図5の実線
r,sで示すゲイン特性は、それぞれゲイン設定スイッ
チ39の操作位置が“MAX”、“MIN”である場合
に対応するものであり、ゲイン設定スイッチ39の操作
位置が“MAX”と“MIN”の中間位置であるときに
は、ゲイン設定スイッチ39の操作位置に応じてゲイン
特性を実線r,sの間の傾きで段階的に変化させて設定
する。そして、ポンプ用比例弁制御部42は、ゲイン設
定スイッチ39の操作位置に対応したゲイン特性に従っ
て、各操作レバー10,12の操作量に応じた各電磁比
例弁26,27の二次圧を制御して、各油圧ポンプ8,
9の吐出流量を制御するようにしている。
【0088】尚、ポンプ用比例弁制御部42は、ブーム
側比例弁制御部40及びアーム側比例弁制御部41と同
様に、ブーム2の上昇側でのブーム用操作レバー10の
操作とアーム3の引き込み側でのアーム用操作レバー1
2の操作とが同時に行われている場合(前記水平引き作
業の場合)に、圧力センサ36,37で検出されるパイ
ロット圧Pb,Paの大小関係に応じて、電磁比例弁2
6,27の二次圧を図5の特性で定まる二次圧に対して
適宜減圧する(油圧ポンプ8,9の吐出流量を減量す
る)ようにしているのであるが、これについては後述す
る。
【0089】また、本発明の構成に対応させると、前記
ブーム側比例弁制御部40は電磁比例弁30と併せてブ
ーム用シリンダ減速手段43を構成し、前記アーム側比
例弁制御部41は電磁比例弁33と併せてアーム用シリ
ンダ減速手段44を構成し、ポンプ用比例弁制御部42
は電磁比例弁26,27と併せて油圧ポンプ制御手段4
5を構成するものである。
【0090】次に、本実施形態の油圧ショベルの作動
(特に水平引き作業時の作動)を図6を参照しつつ説明
する。
【0091】本実施形態の油圧ショベルによって、水平
引き作業を行う場合には、運転者はバケット4を地面G
に接触させた状態で、ブーム用操作レバー10及びアー
ム用操作レバー12をそれぞれブーム2の上昇側(図2
の矢印a方向)及びアーム3の引き込み側(図2の矢印
c方向)に同時に操作し、また、基本的には、それらの
操作レバー10,12の操作量が概ね同じになるように
操作する。
【0092】このとき、コントローラ38は、図6のフ
ローチャートに示すような処理を所定のサイクルタイム
毎に行う。
【0093】すなわち、コントローラ38は、まず、水
平引き作業が行われていることを確認するために、前記
圧力センサ36,37により検出されるパイロット圧P
b,Paがそれぞれ所定値以上であるか否かを判断する
(STEP1)。この場合、水平引き作業中は、ブーム
用操作レバー10がブーム2の上昇側に操作されると同
時に、アーム用操作レバー12がアーム3の引き込み側
に操作されているので、それらの操作レバー10,12
の操作によって、各リモコン弁装置11,13がそれぞ
れパイロット管路31,34に生成するパイロット圧P
b,Paはいずれも所定値以上となり(STEP1でY
ES)、この場合には、コントローラ38は、圧力セン
サ36,37から与えられるパイロット圧Pb,Paの
大小関係、換言すれば、ブーム2の上昇側でのブーム用
操作レバー10の操作量とアーム3の引き込み側でのア
ーム用操作レバー12の操作量との大小関係を比較判断
する(STEP2)。
【0094】このとき、Pb=Paである場合、換言す
れば、ブーム用操作レバー10とアーム用操作レバー1
2とが同じ操作量で操作されている場合には、前記ブー
ム側比例弁制御部40及びアーム側比例弁制御部41
が、前記ゲイン設定スイッチ39の操作位置に対応する
ゲイン特性(図4参照)に従って、それぞれ電磁比例弁
30,33をパイロット圧Pb,Paにより示される各
操作レバー10,12の操作量に応じた二次圧を生ぜし
めるように通電制御し、同様に、前記ポンプ用比例弁制
御部42が、前記ゲイン設定スイッチ39の操作位置に
対応するゲイン特性(図5参照)に従って、電磁比例弁
26,27をそれぞれ各操作レバー10,12の操作量
に応じた二次圧を生ぜしめるように通電制御する(ST
EP3)。
【0095】上記のような電磁比例弁30,33の制御
によって、ブーム用スプール弁17のパイロットポート
17a及びアーム用スプール弁22のパイロットポート
22aに、それぞれブーム用操作レバー10及びアーム
用操作レバー12の操作量に応じた同じ大きさのパイロ
ット圧(≦Pb,Pa)が付与され、各スプール弁1
7,22が、該パイロット圧に応じたスプール(図示し
ない)の変位で、それぞれB位置側及びE位置側に駆動
される。同時に、上記のような電磁比例弁26,27の
制御によって、油圧ポンプ8,9のレギュレータ23,
24にそれぞれブーム用操作レバー10及びアーム用操
作レバー12の操作量に応じた同じ大きさのパイロット
圧が付与され、各油圧ポンプ8,9の吐出流量が各操作
レバー10,12の操作量に応じた吐出流量に制御され
る。
【0096】これにより、ブーム用シリンダ5,5及び
アーム用シリンダ6は、各操作レバー10,12の同じ
操作量に対応した流量の圧油が供給されて、その操作量
に対応した作動速度でブーム2の上昇側(シリンダ5,
5の伸長側)及びアーム3の引き込み側(シリンダ6の
伸長側)に作動し、このとき、アーム3の先端部のバケ
ット4が車体1に接近するようにして水平方向に移動し
て、地面Gの地ならしが行われる。
【0097】また、前記STEP2において、Pb<P
aである場合、換言すれば、アーム用操作レバー12の
操作量がブーム用操作レバー10の操作量よりも大きい
場合には、仮に前記STEP3のように各電磁比例弁3
0,33,26,27を制御すると、アーム用スプール
弁22のパイロットポート22aに付与されるパイロッ
ト圧がブーム用スプール弁17のパイロットポート17
aに付与されるパイロット圧に比して高くなる。このた
め、アーム用シリンダ6のボトム側油室6aにアーム用
スプール弁22を介して供給される圧油の流量が、ブー
ム用シリンダ5のボトム側油室5aにブーム用スプール
弁17を介して供給される圧油の流量に対して多くなり
過ぎて、アーム3の引き込み側へのアーム用シリンダ6
の作動速度がブーム2の上昇側へのブーム用シリンダ
5,5の作動速度に対して速くなり過ぎ、アーム3の先
端部のバケット4が地面Gに食い込んで、そのままでは
地面が荒らされることとなる。
【0098】しかるに、本実施形態の油圧ショベルで
は、前記STEP2において、Pb<Paである場合に
は、コントローラ38は、前記ブーム側比例弁制御部4
0及びポンプ用比例弁制御部42によって、それぞれ電
磁比例弁30,26を前記STEP3と同様にパイロッ
ト圧Pbにより示されるブーム用操作レバー10の操作
量に応じた二次圧を生ぜしめるように制御する一方、前
記アーム側比例弁制御部41によって、電磁比例弁33
をパイロット圧Pbにより示されるブーム用操作レバー
10の操作量(<アーム用操作レバー12の操作量)に
応じた二次圧を生ぜしめるように制御すると同時に、ポ
ンプ用比例弁制御部42によって、電磁比例弁27をも
パイロット圧Pbにより示されるブーム用操作レバー1
0の操作量に応じた二次圧を生ぜしめるように制御する
(STEP4)。
【0099】具体的には、例えば図4を参照して、前記
ゲイン設定スイッチ39の操作位置が“MAX”である
とし、今現在の各操作レバー10,12の操作量がそれ
ぞれSb,Sa(Sb<Sa)であるとすると、本来、
各操作レバー10,12の操作量Sb,Saに応じて電
磁比例弁30,33に生ぜしめるべき二次圧(パイロッ
トポート17a,22aに付与するパイロット圧)は、
それぞれPib,Pia(Pib<Pia)であるが、この場
合、アーム側比例弁制御部41は、あたかもアーム用操
作レバー12がブーム用操作レバー10の操作量Sbと
同じ操作量で操作されたかのようにして、電磁比例弁3
3の二次圧を、本来の操作量Saに対応した二次圧Pia
に対して、操作量Sbに相当する二次圧Pibに減圧する
ように電磁比例弁33を制御する(電磁比例弁33への
通電量を減少させる)。
【0100】同様に、図5を参照して、ポンプ用比例弁
制御部42は、あたかもアーム用操作レバー12がブー
ム用操作レバー10の操作量Sbと同じ操作量で操作さ
れたかのようにして、油圧ポンプ9の吐出流量を規定す
る電磁比例弁27の二次圧を、本来の操作量Saに対応
した二次圧Pjaに対して、操作量Sbに相当する二次圧
Pjbに減圧するように電磁比例弁27を制御する。
【0101】これにより、アーム用操作レバー12の操
作量がブーム用操作レバー10の操作量よりも大きい場
合でも、あたかもアーム用操作レバー12がブーム用操
作レバー10と同じ操作量に操作されているかのように
して、本来のアーム用操作レバー12の操作量に対応し
たパイロット圧よりも小さなパイロット圧でアーム用ス
プール弁22が駆動されるため、アーム用シリンダ6の
ボトム側油室6aに供給される圧油の流量が減量され
て、水平引き作業を行う上でアーム用シリンダ6の作動
速度がブーム用シリンダ5,5の作動速度に対して整合
したものとなる。また、同時に、アーム用シリンダ6に
圧油を供給する油圧ポンプ9の吐出流量も、あたかもア
ーム用操作レバー12がブーム用操作レバー10と同じ
操作量に操作されているかのようにして制御されるた
め、その吐出流量がアーム用シリンダ6の作動速度に整
合したものとなり、アーム用シリンダ6の安定した挙動
を確保することができる。
【0102】従って、アーム用操作レバー12の操作量
がブーム用操作レバー10の操作量よりも大きい場合で
も、地面Gを荒らす(バケット4が地面に食い込む)こ
となく、円滑に水平引き作業を行って、地面Gの地なら
しを行うことができる。
【0103】次に、前記STEP2において、Pb>P
aである場合、換言すれば、ブーム用操作レバー10の
操作量がアーム用操作レバー12の操作量よりも大きい
場合には、仮に前記STEP3のように各電磁比例弁3
0,33,26,27を制御すると、ブーム用スプール
弁17のパイロットポート17aに付与されるパイロッ
ト圧がアーム用スプール弁22のパイロットポート22
aに付与されるパイロット圧に比して高くなる。このた
め、ブーム用シリンダ5のボトム側油室5aにブーム用
スプール弁17を介して供給される圧油の流量が、アー
ム用シリンダ6のボトム側油室6aにアーム用スプール
弁22を介して供給される圧油の流量に対して多くなり
過ぎて、ブーム2の上昇側へのブーム用シリンダ5,5
の作動速度がアーム3の引き込み側へのアーム用シリン
ダ6の作動速度に対して速くなり過ぎ、アーム3の先端
部のバケット4が地面Gから浮上して、そのままでは地
面Gの地ならしが行われないこととなる。
【0104】しかるに、本実施形態の油圧ショベルで
は、前記STEP2において、Pb>Paである場合に
は、コントローラ38は、前記STEP4の場合(Pb
<Pa)と逆に、前記アーム側比例弁制御部41及びポ
ンプ用比例弁制御部42によって、それぞれ電磁比例弁
33,27をパイロット圧Paにより示されるアーム用
操作レバー12の操作量に応じた二次圧を生ぜしめるよ
うに制御する一方、前記ブーム側比例弁制御部40によ
って、電磁比例弁30をパイロット圧Paにより示され
るアーム用操作レバー12の操作量(<ブーム用操作レ
バー10の操作量)に応じた二次圧を生ぜしめるように
制御すると同時に、ポンプ用比例弁制御部42によっ
て、電磁比例弁26をもパイロット圧Paにより示され
るアーム用操作レバー12の操作量に応じた二次圧を生
ぜしめるように制御する(STEP5)。
【0105】これにより、前記STEP4の場合(Pb
<Pa)と同様に、ブーム用操作レバー10の操作量が
アーム用操作レバー12の操作量よりも大きい場合で
も、あたかもブーム用操作レバー10がアーム用操作レ
バー12と同じ操作量に操作されているかのようにし
て、本来のブーム用操作レバー10の操作量に対応した
パイロット圧よりも小さなパイロット圧でブーム用スプ
ール弁17が駆動されるため、ブーム用シリンダ5のボ
トム側油室5aに供給される圧油の流量が減量されて、
水平引き作業を行う上でブーム用シリンダ5,5の作動
速度がアーム用シリンダ6の作動速度に対して整合した
ものとなる。また、同時に、ブーム用シリンダ5,5に
圧油を供給する油圧ポンプ8の吐出流量も、あたかもブ
ーム用操作レバー10がアーム用操作レバー12と同じ
操作量に操作されているかのようにして制御されるた
め、その吐出流量がブーム用シリンダ5,5の作動速度
に整合したものとなり、ブーム用シリンダ5,5の安定
した挙動を確保することができる。
【0106】従って、ブーム用操作レバー10の操作量
がアーム用操作レバー12の操作量よりも大きい場合で
も、バケット4の地面Gからの浮上を防止しつつ円滑に
水平引き作業を行って、地面Gの地ならしを行うことが
できる。
【0107】このように、本実施形態の油圧ショベルに
よれば、水平引き作業を行う際に、ブーム用操作レバー
10及びアーム用操作レバー12の操作量を必ずしも同
じにするように操作せずとも、それらの操作量を概略的
に同程度に操作するだけで、確実に、バケット4を地面
Gに接触させつつ水平引き作業を行うことができ、地面
Gの地ならしを容易に行うことができる。
【0108】尚、本実施形態では、前述のように、各電
磁比例弁26,27,30,33のゲイン特性をゲイン
設定スイッチ39によって複数種類に設定可能としてい
るため、運転者の好みや作業形態に合わせて、水平引き
作業を行うことができる。例えば、ゲイン設定スイッチ
39の操作位置を“MAX”に設定すれば、各操作レバ
ー10,12の操作に対して、ブーム用シリンダ5,5
及びアーム用シリンダ6を幅広い作動速度で作動させる
ことができる。また、ゲイン設定スイッチ39の操作位
置を“MIN”に設定すれば、各操作レバー10,12
の操作量の変化に対するブーム用シリンダ5,5及びア
ーム用シリンダ6の作動速度の変化が小さいため、ブー
ム用シリンダ5,5及びアーム用シリンダ6の所望の作
動速度を確実に得ることができる。
【0109】また、前記STEP1において、前記圧力
センサ36,37により検出されるパイロット圧Pb,
Paのいずれかが所定値未満である場合、例えばブーム
2のみを上昇側に作動させたり、アーム3のみを引き込
み側に作動させる場合には、前記STEP3の処理が行
われ、各電磁比例弁26,27,30,33は、図4及
び図5のゲイン特性に従って、ブーム用操作レバー10
やアーム用操作レバー12の実際の操作量に応じて制御
される。
【0110】次に、以上説明した第1の実施形態を基礎
とした本発明の第2の実施形態を図7を参照して説明す
る。この実施形態は、前記第12及び第13発明に対応
するものである。尚、本実施形態の説明では、前記第1
の実施形態のものと同一構成部分については、第1の実
施形態と同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0111】図7を参照して、本実施形態では、前記第
1の実施形態で説明したような水平引き作業のための制
御を行うか否かを前記コントローラ38に対して設定す
る操作スイッチ46(制御禁止手段)を備え、他の構成
は前記第1の実施形態と全く同一したものである。この
場合、操作スイッチ46をON位置に操作すると、水平
引き作業のための制御を行うことが前記コントローラ3
8に設定され、操作スイッチ46をOFF位置に操作す
ると、水平引き作業のための制御を行わない(禁止す
る)ことがコントローラ38に設定される。
【0112】そして、本実施形態の油圧ショベルでは、
操作スイッチ46をON位置に操作した場合における作
動は前記第1の実施形態と全く同一であるが、操作スイ
ッチ46をOFF位置に操作した場合には、コントロー
ラ38は、前記圧力センサ36,37から与えられるパ
イロット圧Pb,Paの大小関係、すなわち、ブーム2
の上昇側でのブーム用操作レバー10の操作量とアーム
3の引き込み側でのアーム用操作レバー12の操作量と
の大小関係にかかわらず、前記図6のSTEP3に示し
た処理を行う。
【0113】これにより、ブーム用スプール弁17及び
アーム用スプール弁22へのパイロット圧の減圧制御
(各シリンダ5,6に供給する圧油の減量制御)や、油
圧ポンプ8,9の吐出流量の減量制御が行われなくなっ
て、各スプール弁17,22は、それぞれに対応した操
作レバー10,12の操作量に応じたパイロット圧によ
り駆動されると共に、各油圧ポンプ8,9の吐出流量
は、それぞれに対応した操作レバー10,12の操作量
に応じて制御されることとなる。従って、ブーム用シリ
ンダ5及びアーム用シリンダ6は、それぞれ通常的に、
操作レバー10,12の操作量に応じた作動速度で動作
することとなる。
【0114】このような本実施形態の油圧ショベルによ
れば、例えば水平引き作業以外の作業で、ブーム2を上
昇側に作動させ、また、アーム3を引き込み側に作動さ
せる場合に、前記操作スイッチ46をOFF位置に操作
すれば、ブーム用シリンダ5やアーム用シリンダ13の
通常的な作動で作業を行うことができる。
【0115】尚、以上、説明した第1及び第2の実施形
態の油圧ショベルでは、可変容量型の油圧ポンプ8,9
を備えたものを示したが、ブーム用シリンダ5,5やア
ーム用シリンダ6の油圧ポンプとして、定容量型の油圧
ポンプを使用するものについても本発明を適用すること
ができることはもちろんである。この場合には、水平引
き作業に際して(第2の実施形態では、さらに操作スイ
ッチ46をON位置に操作した場合)、ブーム用スプー
ル弁17やアーム用スプール弁22に付与するパイロッ
ト圧を第1及び第2の実施形態と同様に制御すればよ
い。
【0116】また、前記第1及び第2の実施形態では、
ブーム用操作レバー10の操作量がアーム用操作レバー
12の操作量よりも大きい場合(Pb>Paの場合)に
は、ブーム用スプール弁17に付与するパイロット圧を
減圧制御すると共に、油圧ポンプ8の吐出流量を減量制
御し、また、アーム用操作レバー12の操作量がブーム
用操作レバー10の操作量よりも大きい場合(Pa>P
bの場合)には、アーム用スプール弁22に付与するパ
イロット圧を減圧制御すると共に、油圧ポンプ9の吐出
流量を減量制御するようにしたが、特にバケット4の地
面への食い込みを防止する上では、アーム用操作レバー
12の操作量がブーム用操作レバー10の操作量よりも
大きい場合(Pb<Paの場合)にのみ、前記第1及び
第2の実施形態と同様に、アーム用スプール弁22への
パイロット圧や油圧ポンプ9の吐出流量を制御し、ブー
ム用操作レバー10の操作量がアーム用操作レバー12
の操作量よりも大きい場合には、本実施形態のようなブ
ーム用スプール弁17へのパイロット圧の減圧制御や、
油圧ポンプ8の吐出流量の減量制御を行わない(該パイ
ロット圧や吐出流量を単にブーム用操作レバー10の実
際の操作量に応じたものとする)ようにしてもよい。
【0117】また、上記と逆に、バケット4の地面から
の浮き上がりを防止する上では、ブーム用操作レバー1
0の操作量がアーム用操作レバー12の操作量よりも大
きい場合(Pa<Pbの場合)にのみ、前記第1及び第
2の実施形態と同様に、ブーム用スプール弁17へのパ
イロット圧や油圧ポンプ8の吐出流量を制御し、アーム
用操作レバー12の操作量がブーム用操作レバー10の
操作量よりも大きい場合には、本実施形態のようなアー
ム用スプール弁22へのパイロット圧の減圧制御や、油
圧ポンプ9の吐出流量の減量制御を行わない(該パイロ
ット圧や吐出流量を単にアーム用操作レバー12の実際
の操作量に応じたものとする)ようにしてもよい。
【0118】さらに、水平引き作業時のバケット4の浮
き上がりを防止するためには、ブーム用操作レバー10
の操作量がアーム用操作レバー12の操作量よりも大き
い場合(Pb>Paの場合)に、ブーム用スプール弁1
7へのパイロット圧の減圧制御は行わず、油圧ポンプ8
の吐出流量のみを減量制御するようにしてもよい(これ
は、前記第6及び第11発明に対応する)。このように
すると、ブーム用操作レバー10の操作量がアーム用操
作レバー12の操作量よりも大きい場合には、ブーム用
操作レバー10の操作量に対応したブーム用スプール弁
17の作動状態に対して、油圧ポンプ8の吐出流量が少
なめなものとなるので、ブーム2はその自重によって下
降傾向となり、これによって、バケット4が地面Gから
浮上してしまうのを防止することができる。尚、この場
合、前記第2の実施形態のように操作スイッチ46を備
えた場合では、該操作スイッチ46をOFF位置に操作
したとき、上記のような油圧ポンプ8の吐出流量の減量
制御を行わないようにする(これは、前記第14発明に
対応する)。
【0119】また、前記第1及び第2の実施形態では、
ブーム側操作データ検出手段及びアーム側操作データ検
出手段を、圧力センサ36,37により構成し、それら
の圧力センサ36,37により検出されるパイロット圧
に基づき水平引き作業のための制御を行うようにした
が、ブーム用操作レバー10やアーム用操作レバー12
の操作量を例えばポテンショメータ等により直接的に検
出し、それらの操作量の検出値に基づき、水平引き作業
のための制御を行うようにしてもよい。この場合には、
圧力センサ36,37の検出値の代わりに、各操作レバ
ー10,12の操作量の検出値をコントローラ38に与
えればよい。
【0120】また、前記第1及び第2の実施形態では、
水平引き作業時に、ブーム用スプール弁17及びアーム
用スプール弁22に同じパイロット圧(1:1の比率の
パイロット圧)を付与することで、ブーム用シリンダ5
及びアーム用シリンダ13の作動速度が互いに整合する
ものを示したが、例えばブーム用操作レバー10とアー
ム用操作レバー12とをそれぞれブーム2の上昇側及び
アーム3の引き込み側に同じ操作量で操作したとき、ブ
ーム用スプール弁17及びアーム用スプール弁22に異
なる比率(例えば2:1)のパイロット圧を付与するこ
とで、ブーム用シリンダ5及びアーム用シリンダ13の
作動速度が互いに整合するようにすることも可能であ
る。この場合、例えばブーム用操作レバー10とアーム
用操作レバー12とが同じ操作量であるときにブーム用
スプール弁17に付与するパイロット圧をアーム用スプ
ール弁22に付与するパイロット圧の2倍としたとき、
前記圧力センサ37の検出圧Paが圧力センサ36の検
出圧Pbの1/2倍よりも大きい場合に、アーム用スプ
ール弁22に付与するパイロット圧をブーム用操作レバ
ー10の操作量に応じたパイロット圧(これはゲイン設
定スイッチ39が“MAX”位置であるとき、Pb/
2)に減圧すると共に、油圧ポンプ9の吐出流量をブー
ム用操作レバー10の操作量に応じた吐出流量に減量す
ることで、バケット4の地面Gへの食い込みを防止する
ことができる。また、同様に、前記圧力センサ36の検
出圧Pbが圧力センサ37の検出圧Paの2倍よりも大
きい場合に、ブーム用スプール弁17に付与するパイロ
ット圧をアーム用操作レバー12の操作量に応じたパイ
ロット圧(これはゲイン設定スイッチ39が“MAX”
位置であるとき、2Pa)に減圧すると共に、油圧ポン
プ8の吐出流量をアーム用操作レバー12の操作量に応
じた吐出流量に減量することで、バケット4の地面Gか
らの浮き上がりを防止することができる。
【0121】次に、本発明の第3の実施形態を図8乃至
図11を参照して説明する。この第3の実施形態は、前
記第15発明から第19発明に対応するものである。
尚、本実施形態の油圧ショベルの全体構成は、前記第1
の実施形態で説明した図1のものと同一であるので、該
全体構成については、説明を省略する。
【0122】本実施形態の油圧ショベルでは、車体1に
は、ブーム用シリンダ5及びアーム用シリンダ6を作動
させるために、図8に示すような油圧制御装置が搭載さ
れている。
【0123】同図8において、この油圧制御装置は、二
つの可変容量型油圧ポンプ48,49と、ブーム2の操
作を行うためのブーム用操作レバー50を具備したリモ
コン弁装置51と、アーム3の操作を行うためのアーム
用操作レバー52を具備したリモコン弁装置53とを備
えている。
【0124】油圧ポンプ48は、その吐出ポートから導
出された管路54(圧油の供給路)が、ブーム用シリン
ダ5,5のボトム側油室5a,5aに通じる管路55及
び該シリンダ5,5のロッド側油室5b,5bに通じる
管路56にブーム用スプール弁57を介して接続され、
作動油タンク58から吸入した圧油を、ブーム用スプー
ル弁57を介してブーム用シリンダ5,5のボトム側油
室5a,5aまたはロッド側油室5b,5bに供給可能
としている。
【0125】同様に、油圧ポンプ49は、その吐出ポー
トから導出された管路59(圧油の供給路)が、アーム
用シリンダ6のボトム側油室6aに通じる管路60及び
該シリンダ6のロッド側油室6bに通じる管路61にア
ーム用スプール弁62を介して接続され、作動油タンク
48から吸入した圧油を、アーム用スプール弁62を介
してアーム用シリンダ6のボトム側油室6aまたはロッ
ド側油室6bに供給可能としている。
【0126】これらの油圧ポンプ48,49は、その傾
転角をそれぞれレギュレータ63,64を介して調整す
ることで、吐出流量を制御可能とされている。各レギュ
レータ63,64は、そのパイロットポートが、油圧ポ
ンプ48,49とは別に備えられたパイロットポンプ6
5の吐出ポートに、それぞれ電磁比例弁66,67を途
中に設けたパイロット管路68,69を介して接続され
ており、該パイロットポンプ65から電磁比例弁66,
67を介して付与されるパイロット圧に応じて各油圧ポ
ンプ48,49の傾転角を調整するようにしている。こ
の場合、各電磁比例弁66,67は、その通電量(通電
電流)に比例した二次圧をパイロットポンプ65の吐出
圧油から生成し、それを各レギュレータ63,64のパ
イロットポートに付与する。また、各電磁比例弁66,
67は、それへの通電を遮断した状態では、各レギュレ
ータ63,64のパイロットポートを作動油タンク58
に開放する。
【0127】前記ブーム用スプール弁57は、その図示
しないスプールの変位によって、油圧ポンプ48とブー
ム用シリンダ5,5との間を遮断してブーム用シリンダ
5,5を停止状態に保持するA位置(中立位置)と、油
圧ポンプ48をブーム用シリンダ5,5のボトム側油室
5a,5aに連通して該ボトム側油室5a,5aに圧油
を供給せしめ、ブーム用シリンダ5,5をその伸長側
(ブーム2の上昇側)に作動せしめるB位置と、油圧ポ
ンプ48をブーム用シリンダ5,5のロッド側油室5
b,5bに連通して該ロッド側油室5b,5bに圧油を
供給せしめ、ブーム用シリンダ5,5をその短縮側(ブ
ーム2の下降側)に作動せしめるC位置とに切換自在と
されている。このブーム用スプール弁57には、二つの
パイロットポート57a,57bが備えられ、これらの
パイロットポート57a,57bにパイロット圧を付与
しない状態では、A位置(中立位置)に保持されると共
に、パイロットポート57a又は57bにパイロット圧
を付与することで、それぞれB位置側、C位置側に駆動
されるようになっている。この場合、B位置側又はC位
置側では、それぞれパイロットポート57a,57bへ
のパイロット圧に応じたスプールの変位によって、該パ
イロット圧に応じた流量の圧油を油圧ポンプ48からブ
ーム用シリンダ5,5のボトム側油室5a,5a又はロ
ッド側油室5b,5bに供給可能としている。
【0128】同様に、前記アーム用スプール弁62は、
その図示しないスプールの変位によって、油圧ポンプ4
9とアーム用シリンダ6との間を遮断してアーム用シリ
ンダ6を停止状態に保持するD位置(中立位置)と、油
圧ポンプ49をアーム用シリンダ6のボトム側油室6a
に連通・接続して該ボトム側油室6aに圧油を供給せし
め、アーム用シリンダ6をその伸長側(アーム3の引き
込み側)に作動せめるE位置と、油圧ポンプ49をアー
ム用シリンダ6のロッド側油室6bに連通して該ロッド
側油室6bに圧油を供給せしめ、アーム用シリンダ6を
その短縮側(アーム3の押し込み側)に作動せめるF位
置とに切換自在とされ、該スプール弁62に設けられた
パイロットポート62a,62bにパイロット圧を付与
することで、それぞれD位置からE位置側、F位置側に
駆動されるようになっている。そして、E位置側、F位
置側では、それぞれ対応するパイロットポート22a,
22bへのパイロット圧に応じた流量の圧油を油圧ポン
プ49からアーム用シリンダ6のボトム側油室6a、ロ
ッド側油室6bに供給可能としている。
【0129】このアーム用スプール弁62は、そのE位
置では、アーム用シリンダ6のロッド側油室6bを以下
に説明する再生回路70に連通・接続するようにしてい
る。
【0130】該再生回路70は、再生用スプール弁71
を用いて構成されており、この再生用スプール弁71
は、アーム用スプール弁62のE位置において、アーム
用シリンダ6のロッド側油室6bを、通路面積が可変の
可変絞り72及び一定の通路面積の絞り73を順に介し
て作動油タンク58に連通させる油通路74と、この油
通路74の両絞り72,74の間の箇所からチェック弁
75を介して導出されてE位置のアーム用スプール弁6
2を介してアーム用シリンダ6のボトム側油室6aに連
通する油通路76とを具備している。これにより、アー
ム用スプール弁62のE位置では、アーム用シリンダ6
のロッド側油室6bから排出される圧油の一部を油通路
74を介して作動油タンク58に流しつつ、残部を該油
通路74の可変絞り72、チェック弁75及び油通路7
6を介してアーム用シリンダ6のボトム側油室6aに還
流せしめるようにしている。
【0131】この場合、再生用スプール弁71の可変絞
り72は、該スプール弁71に備えたパイロットポート
71aに付与されるパイロット圧に応じた図示しないス
プールの変位によって、通路面積が連続的に変化するよ
うになっており、パイロットポート71aに付与される
パイロット圧を付与しない状態では、可変絞り72の通
路面積は所定の最小面積で、該パイロット圧が大きくな
るに従って、可変絞り72の通路面積が所定の最大面積
(本実施形態では絞りの無い状態)まで大きくなるよう
になっている。そして、再生用スプール弁71のパイロ
ットポート71aは、電磁比例弁77を途中に設けたパ
イロット管路78を介して前記パイロットポンプ65の
吐出ポートに接続されており、該パイロットポンプ65
から電磁比例弁77を介して前記可変絞り72の通路面
積を制御するためのパイロット圧が付与されるようにな
っている。ここで、該電磁比例弁77は、前記電磁比例
弁66,67と同様に、通電量に比例した二次圧をパイ
ロットポンプ65の吐出圧油から生成するもので、その
生成した二次圧をパイロット圧として再生用スプール弁
71のパイロットポート71aに付与し、通電を遮断し
た状態では、該パイロットポート71aを作動油タンク
58に開放する。
【0132】前記リモコン弁装置51は、ブーム用スプ
ール弁57を前述のように駆動するためのパイロット圧
を、ブーム用操作レバー50の操作方向及びその操作量
に応じて生成するものであり、ブーム用スプール弁57
のパイロットポート57a,57bにそれぞれパイロッ
ト管路79,80を介して接続されている。この場合、
ブーム用操作レバー50は、ブーム2を上昇させる場合
には、例えば矢印a方向に揺動操作し、ブーム2を下降
させる場合には、矢印b方向に揺動操作するようになっ
ている。そして、リモコン弁装置51は、ブーム2の上
昇側にブーム用操作レバー50を操作したときには(矢
印a方向への操作)、その操作量に応じた(操作量に比
例した)パイロット圧をパイロット管路79に生成し、
ブーム2の下降側にブーム用操作レバー10を操作した
ときには(矢印b方向への操作)、その操作量に応じた
(操作量に比例した)パイロット圧をパイロット管路8
0に生成する。
【0133】同様に、リモコン弁装置53は、アーム用
スプール弁62を駆動するためのパイロット圧をブーム
用操作レバー52の操作方向及びその操作量に応じて生
成するものであり、アーム用スプール弁62のパイロッ
トポート62a,62bにそれぞれパイロット管路8
1,82を介して接続されている。そして、アーム用操
作レバー52は、アーム3を引き込み側(図1の車体1
に接近する側)に作動させる場合には、例えば矢印c方
向に揺動操作し、アーム3を押し込み側(図1の車体1
から離反する側)に作動させる場合には、矢印d方向に
揺動操作するようになっており、リモコン弁装置53
は、アーム3の引き込み側にアーム用操作レバー52を
操作したときには(矢印c方向への操作)、その操作量
に比例したパイロット圧をパイロット管路81に生成
し、アーム3の押し込み側にアーム用操作レバー52を
操作したときには(矢印d方向への操作)、その操作量
に比例したパイロット圧をパイロット管路82に生成す
る。
【0134】尚、各リモコン弁装置51,53は、それ
ぞれブーム2の上昇側でのブーム用操作レバー50の操
作量及びアーム3の引き込み側でのアーム用操作レバー
52の操作量が同じであれば、同じ大きさのパイロット
圧を生成するようにしている。
【0135】一方、図2の油圧制御装置は、前述の構成
の他にさらに、ブーム2の上昇側でのブーム用操作レバ
ー50の操作量に応じてリモコン弁装置51により生成
されるパイロット圧Pbを検出するブーム側圧力センサ
83と、アーム3の引き込み側でのアーム用操作レバー
52の操作量に応じてリモコン弁装置53により生成さ
れるパイロット圧Paを検出するアーム側圧力センサ8
4と、前記各電磁比例弁66,67,77を通電制御す
るコントローラ85と、各操作レバー50,52の操作
量に応じた各電磁比例弁66,67,77のゲイン(操
作レバー50,52の操作量の変化に対する各電磁比例
弁66,67,77の二次圧の変化度合い)をコントロ
ーラ85に設定するためのゲイン設定スイッチ86とを
具備している。ゲイン設定スイッチ86は、本発明の構
成に対応して、ポンプゲイン設定手段及び可変絞りゲイ
ン設定手段の両者を構成するもので、その操作位置を
“MAX”位置と“MIN”位置との間で複数段階に切
換可能としている。
【0136】各圧力センサ83,84は、それぞれパイ
ロット管路79,81に接続され、それぞれの管路7
9,81で検出されるパイロット圧Pb,Paに応じた
信号をコントローラ85に出力する。
【0137】コントローラ85は、マイクロコンピュー
タ等を用いて構成されたものであり、その機能的構成と
して、再生用比例弁制御部87及びポンプ用比例弁制御
部88を備えている。
【0138】再生用比例弁制御部87は、電磁比例弁7
7を通電制御するものであり、圧力センサ83で検出さ
れるパイロット圧Pbに比例した二次圧、換言すれば該
パイロット圧Pbにより示されるブーム2の上昇側での
ブーム用操作レバー50の操作量に比例した二次圧を生
成せしめるように電磁比例弁77を通電制御する(図9
参照)。この場合、図9に示すように、パイロット圧P
b(ブーム用操作レバー50の操作量)に対する電磁比
例弁77の二次圧のゲイン特性(再生用スプール弁71
の可変絞り72の通路面積のゲイン特性)は、ゲイン設
定スイッチ86によって複数種類に設定可能とされ、例
えばゲイン設定スイッチ86の操作位置が“MAX”で
あるときには、図9の直線pの傾きで示すようなゲイン
特性で電磁比例弁77を通電制御し、ゲイン設定スイッ
チ86の操作位置が“MIN”であるときには、図9の
直線qの傾き(<直線pの傾き)で示すようなゲイン特
性で電磁比例弁77を通電制御するようにしている。そ
して、ゲイン設定スイッチ86の操作位置が“MAX”
と“MIN”の中間位置であるときには、ゲイン設定ス
イッチ86の操作位置に応じてゲイン特性を直線p,q
の間の傾きで段階的に変化させて設定し、そのゲイン特
性に従って電磁比例弁77を通電制御するようにしてい
る。
【0139】尚、再生用比例弁制御部87は、ブーム2
の上昇側でのブーム用操作レバー50の操作とアーム3
の引き込み側でのアーム用操作レバー52の操作とが同
時に行われている場合(前記水平引き作業の場合)に、
上記のゲイン特性に従って電磁比例弁77を通電制御す
るようにしており、この他の場合、例えばアーム用操作
レバー52のみが操作されている状態では、電磁比例弁
77の二次圧を最大とするように、換言すれば、再生用
スプール弁71の可変絞り72の通路面積を最大とする
ように電磁比例弁77を通電制御する。
【0140】ポンプ用比例弁制御部88は、油圧ポンプ
48,49の吐出流量を制御するために電磁比例弁6
6,67を通電制御するものであり、基本的には、図1
0に示すようにブーム用操作レバー50の操作量及びア
ーム用操作レバー52の操作量に応じた二次圧(レギュ
レータ63,64に付与するパイロット圧)を生成せし
めるように、換言すれば、油圧ポンプ48,49の吐出
流量がブーム用操作レバー50の操作量及びアーム用操
作レバー52の操作量に応じた吐出流量となるようによ
うに制御する。この場合、電磁比例弁77の場合と同様
に、各操作レバー50,52の操作量に対する各電磁比
例弁66,67の二次圧(各油圧ポンプ48,49の吐
出流量)のゲイン特性は、前記ゲイン設定スイッチ86
によって複数種類に設定可能とされている。図10の実
線r,sで示すゲイン特性は、それぞれゲイン設定スイ
ッチ86の操作位置が“MAX”、“MIN”である場
合に対応するものであり、ゲイン設定スイッチ86の操
作位置が“MAX”と“MIN”の中間位置であるとき
には、ゲイン設定スイッチ86の操作位置に応じてゲイ
ン特性を実線r,sの間の傾きで段階的に変化させて設
定する。そして、ポンプ用比例弁制御部88は、ゲイン
設定スイッチ86の操作位置に対応したゲイン特性に従
って、各操作レバー50,52の操作量に応じた各電磁
比例弁66,67の二次圧を制御して、各油圧ポンプ4
8,49の吐出流量を制御するようにしている。
【0141】尚、ポンプ用比例弁制御部82は、ブーム
2の上昇側でのブーム用操作レバー50の操作とアーム
3の引き込み側でのアーム用操作レバー52の操作とが
同時に行われている場合(前記水平引き作業の場合)に
は、油圧ポンプ49側の電磁比例弁67については、圧
力センサ76,77で検出されるパイロット圧Pb,P
aによりそれぞれ示されるブーム用操作レバー50の操
作量及びアーム用操作レバー52の操作量のうち、いず
れか低い方の操作量に基づき、電磁比例弁67を通電制
御するようにしている。
【0142】また、本発明の構成に対応させると、前記
再生用比例弁制御部87は電磁比例弁77と併せて可変
絞り制御手段89を構成し、ポンプ用比例弁制御部82
は電磁比例弁66,67と併せて油圧ポンプ制御手段9
0を構成するものである。
【0143】次に、本実施形態の油圧ショベルの作動
(特に水平引き作業時の作動)を説明する。
【0144】本実施形態の油圧ショベルによって、水平
引き作業を行う場合には、運転者はバケット4を地面G
に接触させた状態で、ブーム用操作レバー50及びアー
ム用操作レバー52をそれぞれブーム2の上昇側(図8
の矢印a方向)及びアーム3の引き込み側(図8の矢印
c方向)に同時に操作し、また、基本的には、それらの
操作レバー50,52の操作量が概ね同じになるように
操作する。
【0145】このとき、ブーム用スプール弁57及びア
ーム用スプール弁62は、それぞれそのパイロットポー
ト57a,62aに各操作レバー50,52の操作量に
応じた(操作量に比例した)パイロット圧が付与され
て、それぞれブーム用シリンダ5,5のボトム側油室5
a,5a及びアーム用シリンダ6のボトム側油室6aに
各操作レバー50,52の操作量に応じた流量の圧油を
供給し得るように図8のB位置側及びE位置側に駆動さ
れる。
【0146】また、これと並行して、コントローラ85
は、図11のフローチャートに示すような処理を所定の
サイクルタイム毎に行っている。
【0147】すなわち、コントローラ85は、まず、水
平引き作業が行われていることを確認するために、前記
圧力センサ83,84により検出されるパイロット圧P
b,Paがそれぞれ所定値以上であるか否かを判断する
(STEP1,2)。この場合、水平引き作業中は、ブ
ーム用操作レバー50がブーム2の上昇側に操作される
と同時に、アーム用操作レバー52がアーム3の引き込
み側に操作されているので、それらの操作レバー50,
52の操作によって、各リモコン弁装置51,53がそ
れぞれパイロット管路79,81に生成するパイロット
圧Pb,Paはいずれも所定値以上となり(STEP
1,2でYES)、この場合には、コントローラ85の
再生用比例弁制御部87は、前記再生用スプール弁71
に対応する電磁比例弁77を、前記ゲイン設定スイッチ
86の操作位置に対応するゲイン特性(図9参照)に従
って、リモコン弁装置51側のパイロット圧Pbに応じ
た二次圧を生ぜしめるように通電制御する(STEP
3)。
【0148】このような電磁比例弁77の制御によっ
て、再生用スプール弁71のパイロットポート71a
に、パイロット圧Pbに応じた、換言すれば、ブーム用
操作レバー50の操作量に応じたパイロット圧が付与さ
れ、該再生用スプール弁71の可変絞り72の通路面積
が図9のゲイン特性に従ってブーム用操作レバー50の
操作量に対応した通路面積に制御される。
【0149】さらに、コントローラ85のポンプ用比例
弁制御部88は、圧力センサ83,84により検出され
るパイロット圧Pb,Paの大小関係を比較し(STE
P4)、Pb<Paである場合には、換言すれば、アー
ム用操作レバー52の操作量がブーム用操作レバー50
の操作量よりも大きい場合には、ブーム用シリンダ5,
5に圧油を供給する油圧ポンプ48に対応する電磁比例
弁66を、前記ゲイン設定スイッチ86の操作位置に対
応するゲイン特性(図10参照)に従って、ブーム用操
作レバー50の操作量(パイロット圧Pb)に応じた二
次圧を生ぜしめるように通電制御すると同時に、アーム
用シリンダ6に圧油を供給する油圧ポンプ49に対応す
る電磁比例弁67を、図10のゲイン特性に従って、ブ
ーム用操作レバー50の操作量(パイロット圧Pb)に
応じた二次圧を生ぜしめるように通電制御する(STE
P5)。
【0150】ここで、STEP5における電磁比例弁6
7の制御について図10を参照して具体的に説明する
と、例えば、今現在のアーム用操作レバー52及びブー
ム用操作レバー50の操作量がそれぞれSa,Sb(S
a>Sb)であるとし、ゲイン設定スイッチ86の操作
位置が“MAX”であるとした場合、アーム用操作レバ
ー52の操作量Saに対応して電磁比例弁67に生ぜし
めるべき二次圧は、本来同図10の“Pja”であるが、
STEP5での電磁比例弁67の制御によって、電磁比
例弁67に生ぜしめる二次圧は、アーム用操作レバー5
2の実際の操作量Saよりも小さい操作量Sbに対応す
る二次圧Pjb(<Pja)に制御される。すなわち、上記
STEP5の処理では、コントローラ85は、アーム用
操作レバー52の現在の操作量が、あたかも、ブーム用
操作レバー50の操作量(これはアーム用操作レバー5
2の実際の操作量よりも小さい)と同一であるかのよう
にして、それに対応した二次圧(レギュレータ64への
パイロット圧)を生ぜしめるように電磁比例弁67を通
電制御する。
【0151】一方、前記STEP4でPb≧Paである
場合には、換言すれば、アーム用操作レバー52の操作
量がブーム用操作レバー50の操作量と同じか、それよ
りもよりも大きい場合には、ポンプ用比例弁制御部88
は、各電磁比例弁66,67を図10のゲイン特性に従
って、それぞれブーム用操作レバー50の操作量(パイ
ロット圧Pb)及びアーム用操作レバー52の操作量
(パイロット圧Pa)に応じた二次圧を生ぜしめるよう
に通電制御する(STEP6)。
【0152】上記のようなSTEP5,6の電磁比例弁
66,67の制御によって、油圧ポンプ48側のレギュ
レータ63のパイロットポートには、通常通り、ブーム
用操作レバー50の操作量に応じたパイロット圧が電磁
比例弁66から付与され、該レギュレータ63により油
圧ポンプ48の吐出流量がブーム用操作レバー50の操
作量に応じた吐出流量に制御される。また、油圧ポンプ
49側のレギュレータ64のパイロットポートには、ブ
ーム用操作レバー50の操作量及びアーム用操作レバー
52の操作量のうち、いずれか低い方の操作量に応じた
パイロット圧が電磁比例弁67から付与され、該レギュ
レータ64により油圧ポンプ49の吐出流量がブーム用
操作レバー50の操作量及びアーム用操作レバー52の
操作量のうち低い方の操作量に応じた吐出流量に制御さ
れる。
【0153】尚、アーム3の引き込み側へのアーム用操
作レバー52の操作が行われていない場合には(STE
P1でNO)、コントローラ85は、前記STEP6の
制御を行い、油圧ポンプ48,49の吐出流量をそれぞ
れブーム用操作レバー50及びアーム用操作レバー52
の操作量に対応した吐出流量に制御する。
【0154】また、アーム3の引き込み側へのアーム用
操作レバー52の操作が行われ、ブーム2の上昇側への
ブーム用操作レバー50の操作が行われていない場合に
は(STEP1でYES、且つSTEP2でNO)、コ
ントローラ85は、再生用比例弁制御部87により電磁
比例弁77への通電量を最大として、再生用スプール弁
71の可変絞り72の通路面積を最大とし(STEP
7)、さらに前記STEP6の制御を行って、油圧ポン
プ48,49の吐出流量をそれぞれブーム用操作レバー
50及びアーム用操作レバー52の操作量に対応した吐
出流量に制御する。
【0155】以上のような作動によって、水平引き作業
の際には、アーム用操作レバー52の操作量がブーム用
操作レバー50の操作量よりも大きくなると、アーム用
スプール弁62がアーム3の引き込み側へのアーム用シ
リンダ6の作動速度をブーム2の上昇側でのブーム用シ
リンダ5,5の作動速度に対して増速させる側(ブーム
用シリンダ5,5への圧油の流量を増量させる側)に作
動するものの、このとき、アーム用シリンダ6のロッド
側油室6bから排出される圧油が前記再生回路70を介
してボトム側油室6aに還流する過程で通る前記可変絞
り72の通路面積が、アーム用操作レバー52の実際の
操作量よりも小さいブーム用操作レバー50の操作量に
対応した小さめの通路面積に制御されるため、アーム用
シリンダ6のロッド側油室6bからの圧油の排出が制限
を受ける。このため、アーム3の引き込み側(アーム用
シリンダ6の伸長側)へのアーム用シリンダ6の作動速
度の増速が抑制され、これにより、アーム3の先端部の
バケット4が地面Gに食い込んでしまうような事態が防
止される。
【0156】また、このとき、アーム用シリンダ6に圧
油を供給する油圧ポンプ49の吐出流量は、アーム用操
作レバー52の実際の操作量よりも小さいブーム用操作
レバー50の操作量に対応した吐出流量に制御されるの
で、アーム用シリンダ6への圧油の供給量が上記のよう
に増速を抑制されるアーム用シリンダ6の実際の作動速
度に整合したものとなり、アーム用シリンダ6の安定し
た挙動を確保することができる。
【0157】従って、アーム用操作レバー52の操作量
をブーム用操作レバー50の操作量に比して多少大きく
操作しても、バケット4が地面Gに食い込むで該地面G
を荒らしてしまうことがないため、両操作レバー50,
52の高度な操作技術を要することなく、円滑に水平引
き作業を行って、地ならしを行うことができる。
【0158】また、本実施形態では、前述のように、各
電磁比例弁66,67,77のゲイン特性をゲイン設定
スイッチ86によって複数種類に設定可能とし、換言す
れば、各操作レバー50,52の操作量の変化に対する
可変絞り72の通路面積の変化量や油圧ポンプ48,4
9の吐出流量の変化量の特性をゲイン設定スイッチ86
によって複数種類に設定可能としているため、運転者の
好みや作業形態に合わせて、水平引き作業を行うことが
できる。例えば、ゲイン設定スイッチ86の操作位置を
“MAX”に設定すれば、各操作レバー50,52の操
作に対して、ブーム用シリンダ5,5及びアーム用シリ
ンダ6を幅広い作動速度で作動させることができる。ま
た、ゲイン設定スイッチ86の操作位置を“MIN”に
設定すれば、各操作レバー50,52の操作量の変化に
対するブーム用シリンダ5,5及びアーム用シリンダ6
の作動速度の変化が小さくなるため、ブーム用シリンダ
5,5及びアーム用シリンダ6の所望の作動速度を確実
に得ることができる。
【0159】尚、以上説明した本実施形態の油圧ショベ
ルでは、可変容量型の油圧ポンプ48,49を備えたも
のを示したが、ブーム用シリンダ5,5やアーム用シリ
ンダ6の油圧ポンプとして、定容量型の油圧ポンプを使
用するものについても本発明を適用することができるこ
とはもちろんである。この場合には、再生用スプール弁
71に付与するパイロット圧を本実施形態と同様に制御
するだけでよい。
【0160】また、本実施形態では、再生用スプール弁
71として、パイロット圧が大きくなるに従って可変絞
り72の通路面積が大きくなるものを示したが、これと
逆にパイロット圧が大きくなるに従って可変絞りの通路
面積が小さくなるような再生用スプール弁を使用しても
よい。この場合には、ブーム用操作レバー50の操作量
(パイロット圧Pb)が大きくなるに従って、再生用ス
プール弁に付与するパイロット圧を小さくすればよい。
【0161】また、本実施形態では、アーム用シリンダ
6のロッド側油室6bから排出される圧油をボトム側油
室6aに還流させる再生回路70を備え、この再生回路
70に可変絞り72を設けたものを示したが、このよう
な再生回路を具備せず、アーム用シリンダ6のロッド側
油室6bから排出される圧油を作動油タンク18に回収
するような油圧ショベルについても本発明を適用するこ
とができる。この場合には、アーム用シリンダ6のロッ
ド側油室6bから作動油タンク18への管路に、可変絞
りを設け、この可変絞りの通路面積を本実施形態と同様
に制御すればよい。
【0162】また、本実施形態において、前述のような
可変絞り70の制御を行うか否かをコントローラ45に
設定する操作スイッチ91(制御禁止手段)を図8に仮
想線で示すように設けて、該操作スイッチ91のON位
置では、可変絞り70の制御を前述の通り行い、該操作
スイッチ91のOFF位置では、可変絞り70の制御を
行わない(例えば可変絞り70の通路面積を最大面積に
保持する)ようにしてもよい(これは前記第20発明に
対応する)。このようにすることで、水平引き作業以外
の作業で、ブーム2を上昇させつつアーム3を引き込み
側に作動させる場合に、操作スイッチ91をOFF位置
に操作することで、通常的な油圧ショベルの運転を行う
ことができる。
【0163】次に、本発明の第4の実施形態を図12乃
至図16を参照して説明する。この第4の実施形態は、
前記第21発明、第22発明、第24発明及び第25発
明に対応するものである。尚、本実施形態の油圧ショベ
ルの全体構成は、前記第1の実施形態で説明した図1の
ものと同一であるので、該全体構成については、説明を
省略する。
【0164】本実施形態の油圧ショベルでは、車体1に
は、ブーム用シリンダ5及びアーム用シリンダ6を作動
させるために、図12に示すような油圧制御装置が搭載
されている。
【0165】同図12において、この油圧制御装置装置
は、二つの可変容量型油圧ポンプ98,99と、ブーム
2の操作を行うためのブーム用操作レバー100を具備
したリモコン弁装置101と、アーム3の操作を行うた
めのアーム用操作レバー102を具備したリモコン弁装
置103とを備えている。
【0166】油圧ポンプ98は、その吐出ポートから導
出された管路104が、ブーム用シリンダ5,5のボト
ム側油室5a,5aに通じる管路105及び該シリンダ
5,5のロッド側油室5b,5bに通じる管路106に
ブーム用スプール弁107を介して接続され、作動油タ
ンク108から吸入した圧油を、ブーム用スプール弁1
07を介してブーム用シリンダ5,5のボトム側油室5
a,5aまたはロッド側油室5b,5bに供給可能とし
ている。
【0167】同様に、油圧ポンプ9は、その吐出ポート
から導出された管路109が、アーム用シリンダ6のボ
トム側油室6aに通じる管路110及び該シリンダ6の
ロッド側油室6bに通じる管路111にアーム用スプー
ル弁112を介して接続され、作動油タンク108から
吸入した圧油を、アーム用スプール弁112を介してア
ーム用シリンダ6のボトム側油室6aまたはロッド側油
室6bに供給可能としている。
【0168】これらの油圧ポンプ98,99は、その傾
転角をそれぞれレギュレータ装置113,114を介し
て調整することで、吐出流量を制御可能とされている。
各レギュレータ装置113,114は、後述するコント
ローラ133から与えられる吐出流量の指示信号に従っ
て、油圧により各油圧ポンプ98,99の傾転角を調整
するようにしている。
【0169】前記ブーム用スプール弁107は、その図
示しないスプールの変位によって、油圧ポンプ98とブ
ーム用シリンダ5,5との間を遮断してブーム用シリン
ダ5,5を停止状態に保持するA位置(中立位置)と、
油圧ポンプ98をブーム用シリンダ5,5のボトム側油
室5a,5aに連通して該ボトム側油室5a,5aに圧
油を供給せしめ、ブーム用シリンダ5,5をその伸長側
(ブーム2の上昇側)に作動せしめるB位置と、油圧ポ
ンプ98をブーム用シリンダ5,5のロッド側油室5
b,5bに連通して該ロッド側油室5b,5bに圧油を
供給せしめ、ブーム用シリンダ5,5をその短縮側(ブ
ーム2の下降側)に作動せしめるC位置とに切換自在と
されている。このブーム用スプール弁107には、二つ
のパイロットポート107a,107bが備えられ、こ
れらのパイロットポート107a,107bにパイロッ
ト圧を付与しない状態では、A位置(中立位置)に保持
されると共に、パイロットポート107a又は107b
にパイロット圧を付与することで、それぞれB位置側、
C位置側に駆動されるようになっている。この場合、B
位置側又はC位置側では、それぞれパイロットポート1
07a,107bへのパイロット圧に応じたスプールの
変位によって、該パイロット圧に応じた流量の圧油を油
圧ポンプ98からブーム用シリンダ5,5のボトム側油
室5a,5a又はロッド側油室5b,5bに供給可能と
している。
【0170】尚、ブーム用スプール弁107は、その中
立位置(A位置)では、油圧ポンプ98の吐出圧油を作
動油タンク108に回収すべく、前記管路104を作動
油タンク108に通じる管路115に開通せしめるよう
にしている。
【0171】同様に、前記アーム用スプール弁112
は、その図示しないスプールの変位によって、油圧ポン
プ99とアーム用シリンダ6との間を遮断してアーム用
シリンダ6を停止状態に保持するD位置(中立位置)
と、油圧ポンプ99をアーム用シリンダ6のボトム側油
室6aに連通・接続して該ボトム側油室6aに圧油を供
給せしめ、アーム用シリンダ6をその伸長側(アーム3
の引き込み側)に作動せめるE位置と、油圧ポンプ99
をアーム用シリンダ6のロッド側油室6bに連通して該
ロッド側油室6bに圧油を供給せしめ、アーム用シリン
ダ6をその短縮側(アーム3の押し込み側)に作動せめ
るF位置とに切換自在とされ、該スプール弁112に設
けられたパイロットポート112a,112bにパイロ
ット圧を付与することで、それぞれD位置からE位置
側、F位置側に駆動されるようになっている。そして、
E位置側、F位置側では、それぞれ対応するパイロット
ポート112a,112bへのパイロット圧に応じた流
量の圧油を油圧ポンプ99からアーム用シリンダ6のボ
トム側油室6a、ロッド側油室6bに供給可能としてい
る。また、アーム用スプール弁112は、その中立位置
(D位置)では、油圧ポンプ98の吐出圧油を作動油タ
ンク108に回収すべく、前記管路109を、作動油タ
ンク108に後述するカット弁125を介して通じる管
路116に開通せしめるようにしている。
【0172】前記リモコン弁装置101は、ブーム用ス
プール弁107を前述のように駆動するためのパイロッ
ト圧を、ブーム用操作レバー100の操作方向及びその
操作量に応じて生成するものであり、ブーム用スプール
弁107のパイロットポート107a,107bにそれ
ぞれパイロット管路117,118を介して接続されて
いる。この場合、ブーム用操作レバー100は、ブーム
2を上昇させる場合には、例えば矢印a方向に揺動操作
し、ブーム2を下降させる場合には、矢印b方向に揺動
操作するようになっている。そして、リモコン弁装置1
01は、ブーム2の上昇側にブーム用操作レバー100
を操作したときには(矢印a方向への操作)、その操作
量に応じた(操作量に比例した)パイロット圧をパイロ
ット管路117に生成し、ブーム2の下降側にブーム用
操作レバー100を操作したときには(矢印b方向への
操作)、その操作量に応じた(操作量に比例した)パイ
ロット圧をパイロット管路118に生成する。
【0173】同様に、リモコン弁装置103は、アーム
用スプール弁112を駆動するためのパイロット圧をブ
ーム用操作レバー102の操作方向及びその操作量に応
じて生成するものであり、アーム用スプール弁112の
パイロットポート112a,112bにそれぞれパイロ
ット管路119,120を介して接続されている。そし
て、アーム用操作レバー102は、アーム3を引き込み
側(図1の車体1に接近する側)に作動させる場合に
は、例えば矢印c方向に揺動操作し、アーム3を押し込
み側(図1の車体1から離反する側)に作動させる場合
には、矢印d方向に揺動操作するようになっており、リ
モコン弁装置103は、アーム3の引き込み側にアーム
用操作レバー102を操作したときには(矢印c方向へ
の操作)、その操作量に比例したパイロット圧をパイロ
ット管路119に生成し、アーム3の押し込み側にアー
ム用操作レバー102を操作したときには(矢印d方向
への操作)、その操作量に比例したパイロット圧をパイ
ロット管路120に生成する。 また、図12の油圧制
御装置は、ブーム用シリンダ5,5の伸長作動時(ブー
ム2の上昇動作時)に油圧ポンプ99の吐出圧油を油圧
ポンプ98の吐出圧油に合流してブーム用シリンダ5,
5のボトム側油室5aに供給するために、次のようなブ
ーム合流機構121を具備している。
【0174】このブーム合流機構121は、油圧ポンプ
99の吐出ポートに接続された前記管路109から分岐
されてブーム用シリンダ5,5のボトム側油室5aに通
じる前記管路105に合流・接続された合流管路122
と、該合流管路122にその上流側から順次設けられた
ブーム合流弁123及びチェック弁124と、アーム用
スプール弁112の中立位置(D位置)で油圧ポンプ9
9の吐出圧油を作動油タンク108に回収するための前
記管路116に設けられたカット弁125とを備えてい
る。
【0175】ブーム合流弁123は、合流管路122を
開通・遮断するためのスプール弁であり、常時は合流管
路122を遮断する位置に付勢され、該ブーム合流弁1
23に備えたパイロットポート123aにパイロット圧
を付与することにより、そのパイロット圧に応じた図示
しないスプールの変位によって、合流管路122を開通
するようにしている。そして、このブーム合流弁123
のパイロットポート123aは、前記油圧ポンプ98,
99とは別に備えたパイロットポンプ126の吐出ポー
トに、電磁比例弁127を途中に設けたパイロット管路
128を介して接続され、該パイロットポンプ126か
ら電磁比例弁127を介してパイロット圧が付与される
ようになっている。ここで、電磁比例弁127は、通電
量に比例した二次圧をパイロットポンプ126の吐出圧
油から生成するもので、その生成した二次圧をパイロッ
ト圧としてブーム合流弁122のパイロットポート12
2aに付与し、通電を遮断した状態では、該パイロット
ポート122aを作動油タンク108に開放する。
【0176】カット弁125は、前記管路116を開通
・遮断するためのスプール弁であり、常時は管路116
を全開状態で開通する位置に付勢され、該カット弁12
5に備えたパイロットポート125aにパイロット圧を
付与することにより、そのパイロット圧に応じた図示し
ないスプールの変位によって、管路116を遮断する側
に作動する。そして、このカット弁125のパイロット
ポート125aは、電磁比例弁129を途中に設けたパ
イロット管路130を介して前記パイロットポンプ12
6の吐出ポートに接続され、該パイロットポンプ126
から電磁比例弁129を介してパイロット圧が付与され
るようになっている。ここで、電磁比例弁129は、電
磁比例弁127と同様に通電量に比例した二次圧をパイ
ロットポンプ126の吐出圧油から生成するもので、そ
の生成した二次圧をパイロット圧としてカット弁125
のパイロットポート125aに付与し、通電を遮断した
状態では、該パイロットポート125aを作動油タンク
108に開放する。
【0177】尚、チェック弁124は、合流時に圧油が
ブーム用シリンダ5,5側から油圧ポンプ9側に逆流す
るのを防止するためのものである。
【0178】一方、図2の油圧制御装置は、前述の構成
の他にさらに、ブーム2の上昇側でのブーム用操作レバ
ー100の操作量に応じてリモコン弁装置101により
生成されるパイロット圧Pbを検出するブーム側圧力セ
ンサ131と、アーム3の引き込み側でのアーム用操作
レバー102の操作量に応じてリモコン弁装置103に
より生成されるパイロット圧Paを検出するアーム側圧
力センサ132と、前記各電磁比例弁127,129や
レギュレータ装置113,114を制御するコントロー
ラ133とを具備している。
【0179】各圧力センサ131,132は、それぞれ
パイロット管路117,119に接続され、それぞれの
管路117,119で検出されるパイロット圧Pb,P
aに応じた信号を各操作レバー100,102の操作量
を示す信号としてコントローラ133に出力する。
【0180】コントローラ133は、マイクロコンピュ
ータ等を用いて構成されたものであり、その機能的構成
として、比例弁制御部134、合流指令部135、増量
指令部136、アーム側ポンプ制御部137及びブーム
側ポンプ制御部138を具備する。
【0181】比例弁制御部134は、前記電磁比例弁1
27,129を通電制御するもので、合流指令部135
により後述するように指示される特性に従って、圧力セ
ンサ131で検出されるパイロット圧Pbにより示され
るブーム2の上昇側でのブーム用操作レバー100の操
作量に応じた二次圧を生成せしめるように各電磁比例弁
127,129を通電制御する。尚、この比例弁制御部
134は、前記ブーム合流機構121と併せてブーム合
流手段139を構成するものである。
【0182】合流指令部135は、パイロット圧Pbに
より示されるブーム用操作レバー100の操作量に応じ
て各電磁比例弁127,129により生ぜしめるべき二
次圧、すなわち、ブーム合流弁123のパイロットポー
ト123a及びカット弁125のパイロットポート12
5aに付与すべきパイロット圧の特性を比例弁制御部1
34に指示するもので、基本的には、図13及び図14
に実線p1 ,p2 で示すように、ブーム用操作レバー1
00の所定の操作量S1 に相当するパイロット圧Pb=
Pb1からブーム用操作レバー100の操作量に比例させ
て各電磁比例弁127,129の二次圧を増加させるよ
うな特性(以下、この特性を比例弁通常特性という)で
各電磁比例弁127,129に生ぜしめるべき二次圧を
比例弁制御部134に指示を与える。
【0183】但し、合流指令部135は、圧力センサ1
31,132でそれぞれ検出されるパイロット圧Pb,
Paが所定値以上であるとき、それによりブーム2の上
昇側でのブーム用操作レバー100の操作とアーム3の
引き込み側でのアーム用操作レバー102の操作とが同
時に行われて、水平引き作業が行われていることを把握
するようにしており、この場合には、図13及び図14
に破線q1 ,q2 で示すように、ブーム用操作レバー1
00の前記所定操作量S1 よりも大きい所定の操作量S
2 (パイロット圧Pb=Pb2)から前記比例弁通常特性
と同じ傾きでブーム用操作レバー100の操作量に比例
させて各電磁比例弁127,129の二次圧を増加させ
るような特性(以下、この特性を比例弁遅延特性とい
う)で各電磁比例弁127,129に生ぜしめるべき二
次圧を比例弁制御部134に指示を与える。
【0184】尚、この合流指令部135は、本発明の構
成に対応して合流遅延手段を構成するものである。
【0185】ブーム側ポンプ制御部138は、油圧ポン
プ98の吐出流量をレギュレータ装置113を介して制
御するものであり、図15に示すような特性でブーム2
の上昇側でのブーム用操作レバー100の操作量(パイ
ロット圧Pb)に応じた吐出流量に油圧ポンプ98をレ
ギュレータ装置113を介して制御する。尚、ブーム側
ポンプ制御部138は、ブーム2の下降側でのブーム用
操作レバー100の操作時にも、同様の特性で油圧ポン
プ98の吐出流量をブーム用操作レバー100の操作量
に応じた吐出流量にレギュレータ装置113を介して制
御する。
【0186】アーム側ポンプ制御部137は、油圧ポン
プ99の吐出流量をレギュレータ装置114を介して制
御するものであり、基本的には、ブーム側ポンプ制御部
138と同様に、アーム用操作レバー102の操作時に
図16に示すような特性でアーム用操作レバー102の
操作量に応じた吐出流量に油圧ポンプ99をレギュレー
タ装置114を介して制御する。また、アーム側ポンプ
制御部138は、油圧ポンプ99の吐出圧油を油圧ポン
プ98の吐出圧油に合流させてブーム用シリンダ5,5
に供給する際には、増量指令部136により後述するよ
うに指示される特性に従って、油圧ポンプ99の吐出流
量を該油圧ポンプ99の最大吐出流量を上限として増量
せしめるように油圧ポンプ99をレギュレータ装置11
4を介して制御する。
【0187】増量指令部136は、ブーム2の上昇側で
のブーム用操作レバー100の操作時に上記の合流を行
うために、パイロット圧Pbにより示されるブーム用操
作レバー100の操作量に応じた油圧ポンプ99の吐出
流量の増量分の特性をアーム側ポンプ制御部137に指
示するものであり、基本的には、図17に実線rで示す
ように、ブーム用操作レバー100の前記所定操作量S
1 (図13及び図14参照)に相当するパイロット圧P
b=Pb1からブーム用操作レバー100の操作量に比例
させて油圧ポンプ99の吐出流量を増加させるような特
性(以下、この特性をポンプ増量通常特性という)でブ
ーム用操作レバー100の操作量(パイロット圧Pb)
に応じた油圧ポンプ99の吐出流量の増量分をアーム側
ポンプ制御部137に指示する。
【0188】但し、増量指令部136は、前記合流指令
部135と同様に圧力センサ131,132でそれぞれ
検出されるパイロット圧Pb,Paに基づき、ブーム2
の上昇側でのブーム用操作レバー100の操作とアーム
3の引き込み側でのアーム用操作レバー102の操作と
が同時に行われて、水平引き作業が行われていることを
把握するようにしており、この場合には、図17に破線
sで示すように、ブーム用操作レバー100の前記所定
操作量S2 (>S1 )から前記ポンプ増量通常特性と同
じ傾きでブーム用操作レバー100の操作量に比例させ
て油圧ポンプ99の吐出流量を増加させるような特性
(以下、この特性をポンプ増量遅延特性という)でブー
ム用操作レバー100の操作量(パイロット圧Pb)に
応じた油圧ポンプ99の吐出流量の増量分をアーム側ポ
ンプ制御部137に指示する。
【0189】尚、この増量指令部136は、本発明の構
成に対応して増量遅延手段を構成するものである。
【0190】また、ブーム側ポンプ制御部138及びア
ーム側ポンプ制御部137は、レギュレータ装置11
3,114と併せて油圧ポンプ制御手段140を構成す
るものである。
【0191】次に、本実施形態の油圧ショベルの作動を
説明する。
【0192】まず、ブーム用操作レバー100をブーム
2の上昇側に操作した場合(併せてアーム用操作レバー
102をアーム3の引き込み側に操作した場合を除く)
の基本的作動を説明する。
【0193】ブーム2を上昇させるべくブーム用操作レ
バー102を図12の矢印a方向に操作すると、その操
作量に比例したパイロット圧Pbがリモコン弁装置10
1によりパイロット管路117に生成され、そのパイロ
ット圧Pbがブーム用スプール弁107のパイロットポ
ート107aに付与される。このとき、ブーム用スプー
ル弁107は、その図示しないスプールのパイロット圧
Pbに応じた変位を伴ってB位置側に切り換わり、油圧
ポンプ98側の管路104がブーム用シリンダ5,5の
ボトム側油室5aに通じる管路105にブーム用スプー
ル弁107を介して連通する。同時に、コントローラ1
33のブーム側ポンプ制御部138は、圧力センサ13
1で検出されるパイロット圧Pbによってブーム用操作
レバー100の操作量を把握し、前記図15に示す特性
に従って油圧ポンプ98の吐出流量をブーム用操作レバ
ー100の操作量に対応した吐出流量にレギュレータ装
置113を介して制御する。これにより、ブーム用シリ
ンダ5,5のボトム側油室5aには、油圧ポンプ98か
らブーム用操作レバー100の操作量に応じた流量の圧
油が供給されて、該操作量に応じた作動速度で伸長し、
ブーム2の上昇動作が開始される。
【0194】さらに、ブーム用操作レバー100の操作
量をブーム2の上昇側に増加させ、その操作量が前記所
定操作用S1 (図13及び図14参照)に達すると、コ
ントローラ133の合流指令部135は、図13及び図
14の実線p1 ,p2 で示した前記比例弁通常特性に従
って、前記ブーム合流弁123及びカット弁125のパ
イロットポート123a,125aにブーム用操作レバ
ー100の操作量に比例したパイロット圧を付与せしめ
るように比例弁制御部134に指示し、その指示に従っ
て該比例弁制御部134は各電磁比例弁127,129
を通電制御する。これにより、ブーム合流弁123にあ
っては、その図示しないスプールが付与されるパイロッ
ト圧に応じて、換言すればブーム用操作レバー100の
操作量に応じて開通側に変位し、前記合流管路122を
操作レバー100の操作量に応じた通路面積で開通す
る。同様に、カット弁125にあっては、ブーム用操作
レバー100の操作量に応じて前記管路116を遮断す
る側に作動する。
【0195】また、これと並行して、コントローラ13
3の増量指令部136は、図17に実線rで示した前記
ポンプ増量通常特性に従って、油圧ポンプ99の吐出流
量をブーム用操作レバー100の操作量に比例させて増
量せしめるようにアーム側ポンプ制御部137に指示
し、その指示に従って該アーム側ポンプ制御部137は
油圧ポンプ99の吐出流量をレギュレータ装置114を
介して増量制御する。
【0196】これにより、油圧ポンプ99の吐出圧油
が、油圧ポンプ98から前述の如くブーム用シリンダ
5,5のボトム側油室5aに供給される圧油に合流管路
122を介して合流して該ボトム側油室5aに供給され
る。従って、ブーム用シリンダ5,5には、両油圧ポン
プ98,99から圧油が供給されることとなって、その
供給流量が増加し、ブーム用シリンダ5,5の作動速度
が速くなる(ブーム2の上昇速度が速くなる)。尚、こ
の場合、ブーム用シリンダ5,5に油圧ポンプ99から
実際に圧油が供給されるようになるタイミングは、ブー
ム用シリンダ5,5の負荷に依存し、一般には、ブーム
用操作レバー100の操作量が前記所定操作量S1 に達
した時点よりも遅れる。
【0197】次に、水平引き作業を行う場合の作動を説
明する。
【0198】水平引き作業を行う場合には、運転者はバ
ケット4を地面Gに接触させた状態で、ブーム用操作レ
バー100及びアーム用操作レバー102をそれぞれブ
ーム2の上昇側(図12の矢印a方向)及びアーム3の
引き込み側(図12の矢印c方向)に同時に操作し、ま
た、基本的には、それらの操作レバー100,102の
操作量が概ね同じになるように操作する。
【0199】このとき、ブーム用スプール弁107及び
アーム用スプール弁112は、それぞれリモコン弁装置
101,103によって、パイロットポート107a,
112aに各操作レバー100,102の操作量に比例
したパイロット圧Pb,Paが付与されて、それぞれブ
ーム用シリンダ5,5のボトム側油室5a,5a及びア
ーム用シリンダ6のボトム側油室6aに各操作レバー1
00,102の操作量に応じた流量の圧油を供給し得る
ように図12のB位置側及びE位置側に駆動される。
【0200】また、これと並行して、コントローラ13
3のブーム側ポンプ制御部138は、前述の場合と同様
に、前記図15に示す特性に従って油圧ポンプ98の吐
出流量をブーム用操作レバー100の操作量に対応した
吐出流量にレギュレータ装置113を介して制御する。
同様に、アーム側ポンプ制御部137は、前記図16に
示す特性に従って油圧ポンプ99の吐出流量をアーム用
操作レバー102の操作量に対応した吐出流量にレギュ
レータ装置114を介して制御する。
【0201】これにより、ブーム用シリンダ5,5のボ
トム側油室5a及びアーム用シリンダ6のボトム側油室
6aには、それぞれ油圧ポンプ98,99から各操作レ
バー100,102の操作量に応じた流量の圧油が供給
されて、該操作量に応じた作動速度で伸長し、ブーム2
の上昇動作及びアーム3の引き込み動作による水平引き
作業が開始される。
【0202】一方、このとき、圧力センサ131,13
2でそれぞれ検出されるパイロット圧Pb,Paが共に
所定値以上となることで、コントローラ133は、水平
引き作業が行われていることを把握しており、この場合
には、コントローラ133の合流指令部135は前記図
13及び図14の破線q1 ,q2 で示した比例弁遅延特
性に従って比例弁制御部134に前述したような合流作
動の指示を与え、また、増量指令部136は、図17の
破線sで示した前記ポンプ増量遅延特性に従ってアーム
側ポンプ制御部137に前述したような増量作動の指示
を与える。
【0203】このため、水平引き作業に際しては、比例
弁制御部134は、ブーム用操作レバー100の操作量
が前記所定操作量S1 よりも大きな操作量S2 まで増加
された時点から、前述の通常の場合と同様に、ブーム用
操作レバー100の操作量に応じてブーム合流弁123
及びカット弁125をそれぞれ開通側及び遮断側に作動
させるように電磁比例弁127,129を制御する。同
様に、アーム側ポンプ制御部137は、ブーム用操作レ
バー100の操作量が大きな操作量S2 まで増加された
時点から、前述の通常の場合と同様に、ブーム用操作レ
バー100の操作量に応じて油圧ポンプ99の吐出流量
を増量せしめるように油圧ポンプ99の吐出流量を制御
する。
【0204】従って、水平引き作業時にあっては、ブー
ム用操作レバー100の操作量が通常の場合の操作量S
1 よりも大きな操作量S2 に達した後に、ブーム用シリ
ンダ5,5への油圧ポンプ99の吐出圧油の合流が開始
されることとなり、その合流作動は水平引き作業以外の
通常の場合よりも、ブーム用操作レバー100の操作量
の変化幅ΔS=S2 −S1 分、遅れて開始することとな
る。
【0205】このような作動により、水平引き作業に際
しては、ブーム用操作レバー100の操作に応じた合流
作動が通常の場合よりも遅れることで、ブーム用シリン
ダ5,5及びアーム用シリンダ6がそれぞれ各別の油圧
ポンプ98,99の吐出圧油のみにより作動する各操作
レバー100,102の操作範囲が通常の場合よりも広
がり、換言すれば、ブーム用シリンダ5,5及びアーム
用シリンダ6の両者を比較的低速で作動させ得る各操作
レバー100,102の操作範囲が通常の場合よりも広
がる。このため、水平引き作業を行う上で必要な、ブー
ム用シリンダ5,5及びアーム用シリンダ6の作動速度
の整合のための各操作レバー100,102の操作が比
較的容易なものとなり、水平引き作業を従来に比して容
易に行うことができる。
【0206】また、ブーム用操作レバー100を前記操
作量S2 以上に操作すれば、通常の場合と同様に前述の
合流作動が行われるので、必要に応じて、ブーム用シリ
ンダ5,5の素早い作動速度を得ることもできる。
【0207】尚、以上説明した実施形態では、水平引き
作業に際して、ブーム用操作レバー100の操作に応じ
たブーム合流機構121のブーム合流弁123及びカッ
ト弁125の両者の作動を、ブーム2のみの上昇時等、
通常の場合よりも遅延させるようにしたが、ブーム合流
弁123及びカット弁125のうちのいずれか一方のみ
の作動を遅延させるようにしてもよい。
【0208】また、本実施形態では、油圧ポンプ98,
99として可変容量型のものを使用したが、定容量型の
油圧ポンプを使用してもよく、この場合には、ブーム合
流機構121のブーム合流弁及びカット弁の両者、ある
いはいずれか一方の作動を本実施形態と同様に遅延させ
るようにすればよい。
【0209】また、本実施形態では、ブーム合流機構1
21のブーム合流弁123及びカット弁125の両者の
作動の遅延に加えて、油圧ポンプ99の吐出流量の増量
作動を遅延させるようにしたが、ブーム合流機構121
のブーム合流弁123及びカット弁125の両者の作動
の遅延は行わず(ブーム合流弁123及びカット弁12
5を通常の場合と同様に作動させる)、油圧ポンプ99
の吐出流量の増量作動の遅延のみを行うようにしてもよ
い(これは、前記第23発明に対応する)。このように
した場合には、合流作動に際して、ブーム合流弁123
及びカット弁125は、前記所定操作量S1 からそれぞ
れ開通側及び遮断側に作動するものの、その時点では、
前記図17の破線sのポンプ増量遅延特性に従って、油
圧ポンプ99の吐出流量の増量は行われないため、ブー
ム用シリンダ5,5に油圧ポンプ99から供給される圧
油の流量が不足気味となり、従って、ブーム用シリンダ
5,5の作動速度は、ブーム合流弁123及びカット弁
125の上記の作動にかかわらず、さほど速くならな
い。このため、このような状態では、ブーム用シリンダ
5,5の作動速度をブーム用操作レバー100の操作に
よって、容易にアーム用シリンダ6の作動速度に整合さ
せることができ、水平引き作業を容易に行うことができ
る。
【0210】また、本実施形態では、図13、図14、
図17に示した前記比例弁遅延特性やポンプ増量遅延特
性において、ブーム用操作レバー100の操作量に対す
る上限値(MAX)や変化度合い(傾き)を比例弁通常
特性やポンプ増量通常特性と同じようにしたが、比例弁
遅延特性やポンプ増量遅延特性の上限値を比例弁通常特
性やポンプ増量通常特性よりも低くしたり、比例弁遅延
特性やポンプ増量遅延特性変化度合いを比例弁通常特性
やポンプ増量通常特性よりも小さくするようにしてもよ
い。
【0211】また、本実施形態において、前述のような
合流作動の遅延制御を行うか否かをコントローラ133
に設定する操作スイッチ141(制御禁止手段)を図1
2に仮想線で示すように設けて、該操作スイッチ141
のON位置では、合流作動の遅延制御を前述の通り行
い、該操作スイッチ141のOFF位置では、合流作動
の遅延制御を行わない(ブーム合流弁123、カット弁
125及び油圧ポンプ99を通常の場合と同様に作動さ
せる)ようにしてもよい(これは前記第26発明に対応
する)。このようにすることで、水平引き作業以外の作
業で、ブーム2を上昇させつつアーム3を引き込み側に
作動させる場合に、操作スイッチ141をOFF位置に
操作することで、通常的な油圧ショベルの運転を行うこ
とができる。
【0212】尚、前述のようにブーム合流機構121の
ブーム合流弁123及びカット弁125の両者の作動の
遅延は行わず、油圧ポンプ99の吐出流量の増量作動の
遅延のみを行うようにした場合において、上記のような
操作スイッチ141を備えたときには、該操作スイッチ
141のOFF位置で、油圧ポンプ99の吐出流量の増
量作動の遅延を行わないようにする(これは前記第27
発明に対応する)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧ショベルの一実施形態の全体的側
面図。
【図2】本発明の第1の実施形態で図1の油圧ショベル
に備えた油圧制御装置のシステム構成図。
【図3】図2の油圧制御装置の作動を説明するための線
図。
【図4】図2の油圧制御装置の作動を説明するための線
図。
【図5】図2の油圧制御装置の作動を説明するための線
図。
【図6】図2の油圧制御装置の作動を説明するためのフ
ローチャート。
【図7】本発明の第2の実施形態で図1の油圧ショベル
に備えた油圧制御装置のシステム構成図。
【図8】本発明の第3の実施形態で図1の油圧ショベル
に備えた油圧制御装置のシステム構成図。
【図9】図8の油圧制御装置の作動を説明するための線
図。
【図10】図8の油圧制御装置の作動を説明するための
線図。
【図11】図8の油圧制御装置の作動を説明するための
フローチャート。
【図12】本発明の第4の実施形態で図1の油圧ショベ
ルに備えた油圧制御装置のシステム構成図。
【図13】図12の油圧制御装置の作動を説明するため
の線図。
【図14】図12の油圧制御装置の作動を説明するため
の線図。
【図15】図12の油圧制御装置の作動を説明するため
の線図。
【図16】図12の油圧制御装置の作動を説明するため
の線図。
【図17】図12の油圧制御装置の作動を説明するため
の線図。
【符号の説明】
5…ブーム用シリンダ、6…アーム用シリンダ、8,
9,48,49,98,99…油圧ポンプ、10,5
0,100…ブーム用操作レバー、12,52,102
…アーム用操作レバー、17,57,107…ブーム用
スプール弁、22,62,112…アーム用スプール
弁、36,37…圧力センサ(操作量データ検出手
段)、43…ブーム用シリンダ減速手段、44…アーム
用シリンダ減速手段、45,90,140…油圧ポンプ
制御手段、70…再生回路、72…可変絞り、86…ゲ
イン設定スイッチ(ゲイン設定手段)、89…可変絞り
制御手段、123…ブーム合流弁、125…カット弁、
135…合流指令部(合流遅延手段)、136…増量指
令部(ポンプ増量遅延手段)、139…ブーム合流手
段、46,91,141…操作スイッチ(制御禁止手
段)。

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧ポンプからブーム用シリンダ及びアー
    ム用シリンダへのそれぞれの圧油の供給路に設けられた
    ブーム用スプール弁及びアーム用スプール弁をそれぞれ
    ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作量に
    応じて駆動することにより、前記ブーム用シリンダ及び
    アーム用シリンダに各操作レバーの操作量に応じた流量
    の圧油を前記油圧ポンプから供給して、該ブーム用シリ
    ンダ及びアーム用シリンダを各操作レバーの操作量に応
    じた作動速度で作動させる油圧ショベルにおいて、 前記ブーム用操作レバーのブームの上昇側への操作量を
    示すデータを検出するブーム側操作データ検出手段と、 前記アーム用操作レバーのアームの引き込み側への操作
    量を示すデータを検出するアーム側操作データ検出手段
    と、 該ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれぞ
    れブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操作
    されている状態で、前記アーム側操作データ検出手段の
    検出値が前記ブーム側操作データ検出手段の検出値に対
    して所定割合以上大きいとき、前記アーム用シリンダに
    供給する圧油の流量を前記ブーム用操作レバーの操作量
    に応じた流量に減量せしめるアーム用シリンダ減速手段
    とを備えたことを特徴とする油圧ショベル。
  2. 【請求項2】前記アーム用スプール弁は、前記アーム用
    操作レバーの操作量に応じたパイロット圧を付与するこ
    とにより該アーム用操作レバーの操作量に応じた流量の
    圧油を前記アーム用シリンダに供給可能な状態に駆動さ
    れるスプール弁であり、前記アーム用シリンダ減速手段
    は、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーが
    それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
    に操作されている状態で、前記アーム側操作データ検出
    手段の検出値が前記ブーム側操作データ検出手段の検出
    値に対して所定割合以上大きいとき、前記アーム用スプ
    ール弁に付与するパイロット圧を前記ブーム用操作レバ
    ーの操作量に応じたパイロット圧に減圧せしめることに
    より前記アーム用シリンダに供給する圧油の流量を前記
    ブーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量せしめ
    ることを特徴とする請求項1記載の油圧ショベル。
  3. 【請求項3】前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
    レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み
    側に同時に操作されている状態で、前記ブーム側操作デ
    ータ検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手
    段の検出値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブー
    ム用シリンダに供給する圧油の流量を前記アーム用操作
    レバーの操作量に応じた流量に減量せしめるブーム用シ
    リンダ減速手段を備えたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の油圧ショベル。
  4. 【請求項4】前記ブーム用スプール弁は、前記ブーム用
    操作レバーの操作量に応じたパイロット圧を付与するこ
    とにより該ブーム用操作レバーの操作量に応じた流量の
    圧油を前記ブーム用シリンダに供給可能な状態に駆動さ
    れるスプール弁であり、前記ブーム用シリンダ減速手段
    は、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーが
    それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
    に操作されている状態で、前記ブーム側操作データ検出
    手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手段の検出
    値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブーム用スプ
    ール弁に付与するパイロット圧を前記アーム用操作レバ
    ーの操作量に応じたパイロット圧に減圧せしめることに
    より前記ブーム用シリンダに供給する圧油の流量を前記
    アーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量せしめ
    ることを特徴とする請求項3記載の油圧ショベル。
  5. 【請求項5】前記油圧ポンプは、前記ブーム用シリンダ
    及びアーム用シリンダに対応して各別に設けられた可変
    容量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプの吐出流
    量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
    レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制御手段を
    備え、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバー
    がそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同
    時に操作されている状態で、前記アーム側操作データ検
    出手段の検出値が前記ブーム側操作データ検出手段の検
    出値に対して所定割合以上大きいとき、前記アーム用シ
    リンダに対応する油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用
    操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せしめる手
    段を前記油圧ポンプ制御手段に具備したことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の油圧ショベル。
  6. 【請求項6】前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
    レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み
    側に同時に操作されている状態で、前記ブーム側操作デ
    ータ検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手
    段の検出値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブー
    ム用シリンダに対応する油圧ポンプの吐出流量を前記ア
    ーム用操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せし
    める手段を前記油圧ポンプ制御手段に具備したことを特
    徴とする請求項5記載の油圧ショベル。
  7. 【請求項7】前記油圧ポンプは、前記ブーム用シリンダ
    及びアーム用シリンダに対応して各別に設けられた可変
    容量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプの吐出流
    量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作
    レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制御手段を
    備え、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバー
    がそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同
    時に操作されている状態で、前記アーム側操作データ検
    出手段の検出値が前記ブーム側操作データ検出手段の検
    出値に対して所定割合以上大きいとき、前記アーム用シ
    リンダに対応する油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用
    操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せしめると
    共に、前記ブーム側操作データ検出手段の検出値が前記
    アーム側操作データ検出手段の検出値に対して所定割合
    以上大きいとき、前記ブーム用シリンダに対応する油圧
    ポンプの吐出流量を前記アーム用操作レバーの操作量に
    応じた吐出流量に減量せしめる手段を前記油圧ポンプ制
    御手段に具備したことを特徴とする請求項3又は4記載
    の油圧ショベル。
  8. 【請求項8】油圧ポンプからブーム用シリンダ及びアー
    ム用シリンダへのそれぞれの圧油の供給路に設けられた
    ブーム用スプール弁及びアーム用スプール弁をそれぞれ
    ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作量に
    応じて駆動することにより、前記ブーム用シリンダ及び
    アーム用シリンダに各操作レバーの操作量に応じた流量
    の圧油を前記油圧ポンプから供給して、該ブーム用シリ
    ンダ及びアーム用シリンダを各操作レバーの操作量に応
    じた作動速度で作動させる油圧ショベルにおいて、 前記ブーム用操作レバーのブームの上昇側への操作量を
    示すデータを検出するブーム側操作データ検出手段と、 前記アーム用操作レバーのアームの引き込み側への操作
    量を示すデータを検出するアーム側操作データ検出手段
    と、 該ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれぞ
    れブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操作
    されている状態で、前記ブーム側操作データ検出手段の
    検出値が前記アーム側操作データ検出手段の検出値に対
    して所定割合以上大きいとき、前記ブーム用シリンダに
    供給する圧油の流量を前記アーム用操作レバーの操作量
    に応じた流量に減量せしめるブーム用シリンダ減速手段
    とを備えたことを特徴とする油圧ショベル。
  9. 【請求項9】前記ブーム用スプール弁は、前記ブーム用
    操作レバーの操作量に応じたパイロット圧を付与するこ
    とにより該ブーム用操作レバーの操作量に応じた流量の
    圧油を前記ブーム用シリンダに供給可能な状態に駆動さ
    れるスプール弁であり、前記ブーム用シリンダ減速手段
    は、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーが
    それぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時
    に操作されている状態で、前記ブーム側操作データ検出
    手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手段の検出
    値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブーム用スプ
    ール弁に付与するパイロット圧を前記アーム用操作レバ
    ーの操作量に応じたパイロット圧に減圧せしめることに
    より前記ブーム用シリンダに供給する圧油の流量を前記
    アーム用操作レバーの操作量に応じた流量に減量せしめ
    ることを特徴とする請求項8記載の油圧ショベル。
  10. 【請求項10】前記油圧ポンプは、前記ブーム用シリン
    ダ及びアーム用シリンダに対応して各別に設けられた可
    変容量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプの吐出
    流量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
    作レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制御手段
    を備え、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバ
    ーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に
    同時に操作されている状態で、前記ブーム側操作データ
    検出手段の検出値が前記アーム側操作データ検出手段の
    検出値に対して所定割合以上大きいとき、前記ブーム用
    シリンダに対応する油圧ポンプの吐出流量を前記アーム
    用操作レバーの操作量に応じた吐出流量に減量せしめる
    手段を前記油圧ポンプ制御手段に具備したことを特徴と
    する請求項8又は9記載の油圧ショベル。
  11. 【請求項11】ブーム用シリンダに圧油を供給する第1
    の可変容量型油圧ポンプと、アーム用シリンダに圧油を
    供給する第2の可変容量型油圧ポンプと、前記第1の可
    変容量型油圧ポンプから前記ブーム用シリンダへの圧油
    の供給路に設けられたブーム用スプール弁と、前記第2
    の可変容量型油圧ポンプから前記アーム用シリンダへの
    圧油の供給路に設けられたアーム用スプール弁とを具備
    し、前記ブーム用スプール弁及びアーム用スプール弁を
    それぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバ
    ーの操作量に応じて駆動すると共に、前記第1及び第2
    の可変容量型油圧ポンプの吐出流量をそれぞれ前記ブー
    ム用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作量に応じ
    て制御することにより、前記ブーム用シリンダ及びアー
    ム用シリンダに各操作レバーの操作量に応じた流量の圧
    油を前記油圧ポンプから供給して、該ブーム用シリンダ
    及びアーム用シリンダを各操作レバーの操作量に応じた
    作動速度で作動させる油圧ショベルにおいて、 前記ブーム用操作レバーのブームの上昇側への操作量を
    示すデータを検出するブーム側操作データ検出手段と、 前記アーム用操作レバーのアームの引き込み側への操作
    量を示すデータを検出するアーム側操作データ検出手段
    と、 前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれ
    ぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操
    作されている状態で、前記ブーム側操作データ検出手段
    の検出値が前記アーム側操作データ検出手段の検出値に
    対して所定割合以上大きいとき、前記第1の可変容量型
    油圧ポンプの吐出流量を前記アーム用操作レバーの操作
    量に応じた吐出流量に減量せしめる油圧ポンプ制御手段
    とを備えたことを特徴とする油圧ショベル。
  12. 【請求項12】前記アーム用シリンダ減速手段による前
    記アーム用シリンダへの圧油の流量の減量制御を所定の
    操作により禁止する制御禁止手段を備えたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の油圧ショベル。
  13. 【請求項13】前記ブーム用シリンダ減速手段による前
    記ブーム用シリンダへの圧油の流量の減量制御を所定の
    操作により禁止する制御禁止手段を備えたことを特徴と
    する請求項8又は9記載の油圧ショベル。
  14. 【請求項14】前記油圧ポンプ制御手段による前記第1
    の可変容量型油圧ポンプの吐出流量の減量制御を所定の
    操作により禁止する制御禁止手段を備えたことを特徴と
    する請求項11記載の油圧ショベル。
  15. 【請求項15】油圧ポンプからブーム用シリンダ及びア
    ーム用シリンダへのそれぞれの圧油の供給路に設けられ
    たブーム用スプール弁及びアーム用スプール弁をそれぞ
    れブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作量
    に応じて駆動することにより、前記ブーム用シリンダ及
    びアーム用シリンダに各操作レバーの操作量に応じた流
    量の圧油を前記油圧ポンプから供給して、該ブーム用シ
    リンダ及びアーム用シリンダを各操作レバーの操作量に
    応じた作動速度で作動させる油圧ショベルにおいて、 アームの引き込み側への前記アーム用シリンダの作動時
    に該アーム用シリンダのロッド側油室から排出される圧
    油の管路にその通路面積を制御可能に設けられた可変絞
    りと、 前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれ
    ぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操
    作されている状態で、前記可変絞りを前記ブーム用操作
    レバーの操作量に応じて制御する可変絞り制御手段とを
    備え、 該可変絞り制御手段は、前記ブーム用操作レバーの操作
    量が小さい程、前記可変絞りの通路面積を小さくするよ
    う該可変絞りを制御することを特徴とする油圧ショベ
    ル。
  16. 【請求項16】前記油圧ポンプは、前記ブーム用シリン
    ダ及びアーム用シリンダに対応して各別に設けられた可
    変容量型油圧ポンプであると共に、各油圧ポンプの吐出
    流量をそれぞれ前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
    作レバーの操作量に応じて制御する油圧ポンプ制御手段
    を備え、前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバ
    ーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に
    同時に操作されている状態で、前記アーム用シリンダに
    対応する油圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用操作レバ
    ー及びアーム用操作レバーの操作量のうちいずれか低い
    方の操作量に応じた吐出流量に制御する手段を前記油圧
    ポンプ制御手段に具備したことを特徴とする請求項15
    記載の油圧ショベル。
  17. 【請求項17】前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
    作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込
    み側に同時に操作されている状態で、前記各操作レバー
    の操作量の変化に対する前記各可変容量型油圧ポンプの
    吐出流量の変化量の特性を前記油圧ポンプ制御手段に複
    数種類切換自在に設定するポンプゲイン設定手段を備
    え、該油圧ポンプ制御手段は、該ポンプゲイン設定手段
    により設定された前記特性に従って前記各可変容量型油
    圧ポンプの吐出流量を制御することを特徴とする請求項
    16記載の油圧制御装置。
  18. 【請求項18】前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
    作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込
    み側に同時に操作されている状態で、前記ブーム用操作
    レバーの操作量の変化に対する前記可変絞りの通路面積
    の変化量の特性を複数種類、前記可変絞り制御手段に切
    換自在に設定する可変絞りゲイン設定手段を備え、該可
    変絞り制御手段は、該可変絞りゲイン設定手段により設
    定された前記特性に従って前記可変絞りの通路面積を制
    御することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか
    に記載の油圧ショベル。
  19. 【請求項19】前記アームの引き込み側への前記アーム
    用シリンダの作動時に該アーム用シリンダのロッド側油
    室から排出される圧油を該アーム用シリンダのボトム側
    油室に還流せしめる再生回路を備え、前記可変絞りを該
    再生回路に設けたことを特徴とする請求項15乃至18
    のいずれかに記載の油圧ショベル。
  20. 【請求項20】前記可変絞り制御手段による前記可変絞
    りの通路面積の制御を所定の操作により禁止する制御禁
    止手段を備えたことを特徴とする請求項15乃至19の
    いずれかに記載の油圧ショベル。
  21. 【請求項21】ブーム用シリンダにブーム用操作レバー
    の操作に応じて作動するブーム用スプール弁を介して圧
    油を供給せしめる第1の油圧ポンプと、アーム用シリン
    ダにアーム用操作レバーの操作に応じて作動するアーム
    用スプール弁を介して圧油を供給せしめる第2の油圧ポ
    ンプと、前記ブーム用シリンダの作動時に前記第2の油
    圧ポンプの吐出圧油を前記ブーム用操作レバーの操作に
    応じて前記第1の油圧ポンプの吐出圧油に合流させて該
    ブーム用シリンダに供給せしめるブーム合流手段とを備
    えた油圧ショベルにおいて、 前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれ
    ぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操
    作されたとき、前記ブーム合流手段による圧油の合流作
    動の開始タイミングを少なくとも前記ブーム用操作レバ
    ーのみが操作された場合よりも遅延せしめる合流遅延手
    段を備えたことを特徴とする油圧ショベル。
  22. 【請求項22】前記ブーム合流手段は、前記第2の油圧
    ポンプから前記ブーム用シリンダへの油通路を開通・遮
    断自在に設けられたブーム合流弁と、前記アーム用操作
    レバーの中立位置に対応する前記アーム用スプール弁の
    中立状態で前記第2の油圧ポンプの吐出圧油を作動油タ
    ンクに回収するための油通路を開通・遮断自在に設けら
    れたカット弁とを具備すると共に、前記ブーム用シリン
    ダの作動時の合流に際して、前記ブーム合流弁の開通作
    動及び前記カット弁の遮断作動を前記ブーム用操作レバ
    ーの操作に応じて行わしめることにより前記第2の油圧
    ポンプの吐出圧油を前記第1の油圧ポンプの吐出圧油に
    合流させて該ブーム用シリンダに供給せしめ、 前記合流遅延手段は、前記ブーム合流弁の開通作動及び
    前記カット弁の遮断作動のうち、少なくともいずれか一
    方を前記ブーム用操作レバーのみが操作された場合より
    も遅延せしめることを特徴とする請求項21記載の油圧
    ショベル。
  23. 【請求項23】ブーム用シリンダにブーム用操作レバー
    の操作に応じて作動するブーム用スプール弁を介して圧
    油を供給せしめる第1の油圧ポンプと、アーム用シリン
    ダにアーム用操作レバーの操作に応じて作動するアーム
    用スプール弁を介して圧油を供給せしめる第2の油圧ポ
    ンプと、前記ブーム用シリンダの作動時に前記第2の油
    圧ポンプの吐出圧油を前記ブーム用操作レバーの操作に
    応じて前記第1の油圧ポンプの吐出圧油に合流させて該
    ブーム用シリンダに供給せしめるブーム合流手段と、前
    記各操作レバーの操作時に前記各可変容量型油圧ポンプ
    の吐出流量を各操作レバーの操作量に応じた吐出流量に
    制御すると共に前記合流時には前記第2の可変容量型油
    圧ポンプの吐出流量を前記ブーム用操作レバーの操作量
    に応じた流量分、増量せしめる油圧ポンプ制御手段とを
    備えた油圧ショベルにおいて、 前記ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーがそれ
    ぞれブームの上昇側及びアームの引き込み側に同時に操
    作されたとき、前記油圧ポンプ制御手段による前記ブー
    ム用操作レバーの操作に応じた前記第2の可変容量型油
    圧ポンプの吐出流量の増量開始タイミングを少なくとも
    前記ブーム用操作レバーのみが操作された場合よりも遅
    延せしめるポンプ増量遅延手段を備えたことを特徴とす
    る油圧ショベル。
  24. 【請求項24】前記ブーム用操作レバー及びアーム用操
    作レバーがそれぞれブームの上昇側及びアームの引き込
    み側に同時に操作されたとき、前記ポンプ増量遅延手段
    による前記第2の可変容量型油圧ポンプの吐出流量の増
    量開始タイミングの遅延に合わせて、前記ブーム合流手
    段による圧油の合流作動の開始タイミングを前記ブーム
    用操作レバーのみが操作された場合よりも遅延せしめる
    合流遅延手段を備えたことを特徴とする請求項23記載
    の油圧ショベル。
  25. 【請求項25】前記ブーム合流手段は、前記第2の油圧
    ポンプから前記ブーム用シリンダへの油通路を開通・遮
    断自在に設けられたブーム合流弁と、前記アーム用操作
    レバーの中立位置に対応する前記アーム用スプール弁の
    中立状態で前記第2の油圧ポンプの吐出圧油を作動油タ
    ンクに回収するための油通路を開通・遮断自在に設けら
    れたカット弁とを具備すると共に、前記ブーム用シリン
    ダの作動時の合流に際して、前記ブーム合流弁の開通作
    動及び前記カット弁の遮断作動を前記ブーム用操作レバ
    ーの操作に応じて行わしめることにより前記第2の油圧
    ポンプの吐出圧油を前記第1の油圧ポンプの吐出圧油に
    合流させて該ブーム用シリンダに供給せしめ、 前記合流遅延手段は、前記ブーム合流弁の開通作動及び
    前記カット弁の遮断作動のうち、少なくともいずれか一
    方を前記ブーム用操作レバーのみが操作された場合より
    も遅延せしめることを特徴とする請求項24記載の油圧
    ショベル。
  26. 【請求項26】前記合流遅延手段による前記合流作動の
    開始タイミングの遅延を所定の操作により禁止する制御
    禁止手段を備えたことを特徴とする請求項21記載の油
    圧ショベル。
  27. 【請求項27】前記ポンプ増量遅延手段による前記第2
    の可変容量型油圧ポンプの吐出流量の増量開始タイミン
    グの遅延を所定の操作により禁止する制御禁止手段を備
    えたことを特徴とする請求項23記載の油圧ショベル。
JP12540497A 1996-06-11 1997-05-15 油圧ショベル Pending JPH1072850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12540497A JPH1072850A (ja) 1996-06-11 1997-05-15 油圧ショベル

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14895196 1996-06-11
JP15088496 1996-06-12
JP8-176740 1996-07-05
JP8-150884 1996-07-05
JP17674096 1996-07-05
JP8-148951 1996-07-05
JP12540497A JPH1072850A (ja) 1996-06-11 1997-05-15 油圧ショベル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1072850A true JPH1072850A (ja) 1998-03-17

Family

ID=27471111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12540497A Pending JPH1072850A (ja) 1996-06-11 1997-05-15 油圧ショベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1072850A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005273443A (ja) * 2004-03-22 2005-10-06 Volvo Construction Equipment Holding Sweden Ab ジョイスティックを用いた重装備走行制御方法
JP2006029468A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 流体圧制御装置
JP2006070970A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械の油圧制御回路
WO2008001511A1 (fr) * 2006-06-29 2008-01-03 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Contrôleur de valve
JP2011153466A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Hitachi Constr Mach Co Ltd 作業機械の油圧駆動装置
JP2013181287A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd 建設機械
CN106337846A (zh) * 2016-10-12 2017-01-18 中南大学 可实现顺序夹桩的压桩机夹桩液压系统和控制方法及夹桩顺序控制阀
KR20180024695A (ko) * 2016-08-31 2018-03-08 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 제어 시스템 및 건설기계의 제어 방법
WO2018048291A1 (ko) * 2016-09-12 2018-03-15 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 제어 시스템 및 건설기계의 제어 방법
WO2018199069A1 (ja) * 2017-04-28 2018-11-01 株式会社小松製作所 作業機械および作業機械の制御方法
WO2019220954A1 (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 川崎重工業株式会社 油圧ショベル駆動システム
JP2020169707A (ja) * 2019-04-05 2020-10-15 株式会社竹内製作所 作業用車両の作動制御装置
JP2020169708A (ja) * 2019-04-05 2020-10-15 株式会社竹内製作所 作業用車両の作動制御装置
WO2021114669A1 (zh) * 2019-12-13 2021-06-17 山河智能装备股份有限公司 一种动臂液压系统
WO2022209920A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 日立建機株式会社 作業機械

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005273443A (ja) * 2004-03-22 2005-10-06 Volvo Construction Equipment Holding Sweden Ab ジョイスティックを用いた重装備走行制御方法
JP2006029468A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 流体圧制御装置
JP2006070970A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械の油圧制御回路
WO2008001511A1 (fr) * 2006-06-29 2008-01-03 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Contrôleur de valve
JP2008008049A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 弁制御装置
US7926411B2 (en) 2006-06-29 2011-04-19 Caterpillar S.A.R.L. Valve control unit
JP2011153466A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Hitachi Constr Mach Co Ltd 作業機械の油圧駆動装置
JP2013181287A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd 建設機械
WO2018044099A1 (ko) * 2016-08-31 2018-03-08 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 제어 시스템 및 건설기계의 제어 방법
KR20180024695A (ko) * 2016-08-31 2018-03-08 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 제어 시스템 및 건설기계의 제어 방법
US10982691B2 (en) 2016-08-31 2021-04-20 Doosan Infracore Co., Ltd. System and method for controlling construction machine
US11105348B2 (en) 2016-09-12 2021-08-31 Doosan Infracore Co., Ltd. System for controlling construction machinery and method for controlling construction machinery
WO2018048291A1 (ko) * 2016-09-12 2018-03-15 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 제어 시스템 및 건설기계의 제어 방법
CN106337846A (zh) * 2016-10-12 2017-01-18 中南大学 可实现顺序夹桩的压桩机夹桩液压系统和控制方法及夹桩顺序控制阀
WO2018199069A1 (ja) * 2017-04-28 2018-11-01 株式会社小松製作所 作業機械および作業機械の制御方法
JP2018188831A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 株式会社小松製作所 作業機械および作業機械の制御方法
US11408146B2 (en) 2017-04-28 2022-08-09 Komatsu Ltd. Work machine and method for controlling the same
WO2019220954A1 (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 川崎重工業株式会社 油圧ショベル駆動システム
JP2020169707A (ja) * 2019-04-05 2020-10-15 株式会社竹内製作所 作業用車両の作動制御装置
JP2020169708A (ja) * 2019-04-05 2020-10-15 株式会社竹内製作所 作業用車両の作動制御装置
US11643793B2 (en) 2019-04-05 2023-05-09 Takeuchi Mfg. Co., Ltd. Operation control device for working vehicle
WO2021114669A1 (zh) * 2019-12-13 2021-06-17 山河智能装备股份有限公司 一种动臂液压系统
WO2022209920A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 日立建機株式会社 作業機械

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5388787B2 (ja) 作業機械の油圧システム
JP3183815B2 (ja) 油圧ショベルの油圧回路
KR101887276B1 (ko) 건설 기계의 유압 제어 장치
US8340875B1 (en) Lift system implementing velocity-based feedforward control
JP5130353B2 (ja) 建設機械の旋回駆動制御システム
US9879405B2 (en) Hydraulic driving system
US6050090A (en) Control apparatus for hydraulic excavator
JP2000170212A (ja) 作業機械の油圧制御装置
JPH1072850A (ja) 油圧ショベル
KR101144396B1 (ko) 굴삭기의 선회복합작업용 유압제어장치
KR20120123109A (ko) 유압 작업기
WO2014103273A1 (ja) 油圧制御装置及びこれを備えた建設機械
WO2013175699A1 (ja) 建設機械のブーム駆動装置
JP2010230039A (ja) 流体圧回路
JP6231917B2 (ja) 油圧ショベル駆動システム
JP2010286074A (ja) 作業機械の油圧制御装置及びこれを備えた作業機械
JP2011226491A (ja) 油圧ショベルの旋回油圧回路
WO2020170540A1 (ja) 作業機械
JP7001574B2 (ja) 建設機械
JP5342293B2 (ja) 建設機械の油圧回路
JPH09203087A (ja) 建設機械
JP6591370B2 (ja) 建設機械の油圧制御装置
JP2001105956A (ja) ダンプトラックのボディ操作装置
JP2008180203A (ja) 制御装置
JP7338292B2 (ja) 建設機械の油圧制御装置