JPH1072516A - 混練型ポリウレタンの製造方法及びポリウレタンエラストマの製造方法並びにポリウレタン成形部材 - Google Patents

混練型ポリウレタンの製造方法及びポリウレタンエラストマの製造方法並びにポリウレタン成形部材

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JPH1072516A
JPH1072516A JP8337507A JP33750796A JPH1072516A JP H1072516 A JPH1072516 A JP H1072516A JP 8337507 A JP8337507 A JP 8337507A JP 33750796 A JP33750796 A JP 33750796A JP H1072516 A JPH1072516 A JP H1072516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐加水分解性に優れ、機械的強度も良好な混
練型ポリウレタン及びそれを用いたポリウレタン成形体
を提供する。 【解決手段】 下記式で表されるポリ−ε−カプロラク
トン系ジオールであって、当該ポリ−ε−カプロラクト
ン系ジオールにおけるカプロラクトン連鎖の平均値が所
定の数に調整され、且つ当該ポリ−ε−カプロラクトン
系ジオールの分子量分布Mw/Mnが1.0〜1.5で
あるポリ−ε−カプロラクトン系ジオールを製造するス
テップと、前記ポリ−ε−カプロラクトンとジイソシア
ネートとを反応させることにより結晶性が制限され且つ
ゴム状弾性を有するポリウレタンを製造するステップと
を有する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン本来
の強度を保持したまま、耐加水分解性を大幅に向上させ
たポリエステル系の混練型ポリウレタンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンエラストマは、その成形法
により、注型タイプ、混練タイプ、熱可塑タイプなどに
分類される。この中で、各種特性が優れるという面か
ら、注型タイプのものが一般的に用いられている。一
方、混練タイプのものは、ロール、プレスなどの一般の
ゴム加工設備を用いることができるという利点がある。
【0003】注型タイプ及び熱可塑性タイプのポリウレ
タンは、熱可塑性エラストマのようなセグメント化エラ
ストマの代表的なものとして知られており、ゴム弾性と
耐摩耗性および強度との両者を兼ね備えたものである。
かかるポリウレタンの中で特に強度、耐摩耗性等の特性
が重視される場合には、エチレングリコールアジペート
あるいはブチレングリコールアジペート、ヘキサンジオ
ールアジペート、カプロラクトンなどの結晶性のある長
鎖ポリオールからなるソフトセグメントと、ポリイソシ
アネートと短鎖のポリオール・ポリアミンとからなるハ
ードセグメントとからなり、このハードセグメントがソ
フトセグメントの結晶化を阻害する構造を有する。すな
わち、通常状態ではハードセグメントによりソフトセグ
メントの末端がランダムに固定されているためにソフト
セグメントの結晶化が阻害されてアモルファスな高分子
鎖となり、全体としてゴム弾性を示すが、過度の変形状
態ではランダムに固定されたソフトセグメントが配向結
晶性を示すようになっている。従って、ポリウレタン
は、このように通常状態と過度の変形状態とでソフトセ
グメント部分の結晶状態が変化するので、耐摩耗性およ
び強度が良好なものである。このように注型タイプ及び
熱可塑性タイプのポリウレタンには、高結晶性のポリオ
ールを用いることが可能である。
【0004】一方、混練型ポリウレタンは、注型タイプ
あるいは熱可塑性タイプのポリウレタンのハードセグメ
ントを有さないエラストマであるので、高結晶性のポリ
オールを用いると、低温状態、あるいは常温においても
結晶化を起こしてゴム弾性を示さなくなる。このように
混練型ポリウレタンの設計手法では、通常状態で高結晶
性のポリオールを使用することができないので、側鎖を
導入したり、ランダム重合させたりして結晶性を低下さ
せたポリオールを設計する手法が採られている。従っ
て、現在まで実用化されたポリオールは、ポリエステル
系としては、ポリエチレンプロピレンアジペート、およ
びポリエチレンブチレンアジペート等、ポリエーテル系
としては、テトラヒドロフラン(THF)−アルキルグ
リシジルエーテルマコポリマ等の、ランダム共重合の手
法を用いて構造規則性を乱すことにより結晶性を低下さ
せたポリオールである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、混練型ポリウレ
タンは、ポリエステル系ポリウレタンとポリエーテル系
ポリウレタンとに大別されるが、一般的に、ポリエステ
ル系は耐加水分解性が低く、ポリエーテル系は耐熱老化
性が劣るという問題がある。ここで、エーテル系の耐熱
老化性が劣るという問題はどちらかというと本質的な問
題であるが、エステル系の耐加水分解性は、エステル基
の濃度を下げることにより比較的容易に改善することが
できる。しかしながら、エステル系ポリウレタンにおい
て、エステル基の濃度を下げるために、1,4−ブチレ
ンアジペート、1,6−ヘキサンアジペートなどの直鎖
の長鎖ジオールアジペートを用いると、結晶性が高くな
って混練型ポリウレタンとしては、特に低温下では使用
できず、使用範囲が広い実用的なものは得られない。ポ
リ−ε−カプロラクトンも耐加水分解性ポリウレタンの
原料として、注型タイプまたは熱可塑性タイプのポリウ
レタンでは一般的に用いられているが、高結晶性のため
に混練タイプでは使用できない。また、エステル基の濃
度を下げて結晶性を低下させるためにメチル基等の側鎖
をもつ長鎖ジオールを単独もしくは共重合させることも
一般的に行われている。例えば、3−メチル−1,5−
ペンタンジオールアジペートを単独で用いる場合、ある
いはヘキサンジオールとネオペンチルグリコールとのコ
ポリエステルを用いた場合には、低温での結晶化の問題
がなく、耐加水分解性に優れたエラストマが得られる
が、ポリウレタン本来の耐摩耗性等の機械的強度が得ら
れないという問題がある。また、アジピン酸以外の2塩
基酸を用いた場合も同様である。このように、従来にお
いては、低温での結晶化の問題を改善するために、ポリ
オールの構造規則性をランダムに乱すという手段が用い
られていたため、過度に変形された状態においても結晶
化が阻害されて配向結晶化生じにくく、ポリウレタン本
来の機械的強度を得ることができない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、ポリエ
ステル系の混練型ポリウレタンにおいて、耐加水分解性
に優れ、低温においての結晶化の問題もなく、耐摩耗性
などの機械的特性に優れたものを得ることができる混練
型ポリウレタンの製造方法を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の第1の態
様は、下記式で表されるポリ−ε−カプロラクトン系ジ
オールであって、当該ポリ−ε−カプロラクトン系ジオ
ールにおけるカプロラクトン連鎖の平均値が所定の数に
調整され、且つ当該ポリ−ε−カプロラクトン系ジオー
ルの分子量分布Mw/Mnが1.0〜1.5であるポリ
−ε−カプロラクトン系ジオールを製造するステップ
と、前記ポリ−ε−カプロラクトンとジイソシアネート
とを反応させることにより結晶性が制限され且つゴム状
弾性を有するポリウレタンを製造するステップとを有す
ることを特徴とするポリウレタンの製造方法にある。
【0008】
【化3】
【0009】(ここで、[ ]内はカプロラクトン連鎖
部を示し、mおよびnが連鎖の数を示し、R1は重合開
始剤R1(OH)2に由来する) 本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ポリ
−ε−カプロラクトンジオールの分子量分布Mw/Mn
が1.0〜1.3であることを特徴とする混練型ポリウ
レタンの製造方法にある。
【0010】本発明の第3の態様は、第1または2の態
様において、前記ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール
の重合開始剤R1(OH)2が、炭素数が2〜12の直鎖
グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオールなどの炭素数12以下の側鎖
を有するジオール類;および3−アリルオキシ−1,2
−プロパンジオールなどの炭素数12以下の不飽和基を
有するジオール類からなる群から選択される少なくとも
一種であり、前記カプロラクトン連鎖の平均値が3〜6
の範囲にあることを特徴とする混練型ポリウレタンの製
造方法にある。
【0011】本発明の第4の態様は、第3の態様におい
て、前記ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール重合開始
剤R1(OH)2が、炭素数が2〜12の直鎖グリコール
類でメチル基などの側鎖を含まないものからなる群から
選択される少なくとも一種であることを特徴とする混練
型ポリウレタンの製造方法にある。
【0012】本発明の第5の態様は、第1または2の態
様において、前記ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール
の重合開始剤R1(OH)2が、1,4−ビス(ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、パラキシレングリコールなどの
芳香族環を含むジオール類、シクロヘキサンジオール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類から
なる群から選択される少なくとも一種であり、前記カプ
ロラクトン連鎖の平均値が4〜8であることを特徴とす
る混練型ポリウレタンの製造方法にある。
【0013】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記ポリオールが、前記ポリ−ε−カ
プロラクトン系ジオールを含む長鎖ジオールの他に、鎖
延長剤を含むことを特徴とする混練型ポリウレタンの製
造方法にある。
【0014】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記混練型ポリウレタンのガラス転移
温度Tgが、−20℃以下であることを特徴とする混練
型ポリウレタンの製造方法にある。
【0015】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記ジイソシアネートが、2,6−ト
ルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレ
ンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフ
ェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)から
選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする混練型
ポリウレタンの製造方法にある。
【0016】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、前記ポリ−ε−カプロラクトン系ジオ
ールが、下記式で示されるスズ触媒を用いて130℃以
下の反応条件で製造することを特徴とする混練型ポリウ
レタンの製造方法にある。
【0017】
【化4】
【0018】(ここで、R2は、水素、アルキル基また
はアリール基、Xは水酸基、アルコキシド基またはフッ
素以外のハロゲンを示す) 本発明の第10の態様は、第1〜9の何れかの態様に記
載の混練型ポリウレタンを製造するステップと、この混
練型ポリウレタンを硬化剤を用いて架橋・成形してポリ
ウレタンエラストマとすることを特徴とするポリウレタ
ンエラストマの製造方法にある。
【0019】本発明の第11の態様は、第10の態様に
おいて、前記硬化剤が、有機過酸化物、硫黄、有機含窒
素化合物およびイソシアネート化合物から選ばれた少な
くとも一種であることを特徴とするポリウレタンエラス
トマの製造方法にある。
【0020】本発明の第12の態様は、第1〜9の何れ
かの態様の混練型ポリウレタンを製造方法により製造さ
れた混練型ポリウレタンと、硬化剤とを用いて架橋・成
形してなることを特徴とするポリウレタン成形部材にあ
る。
【0021】本発明の第13の態様は、第10の態様に
おいて、前記硬化剤が、有機過酸化物、硫黄、有機含窒
素化合物およびイソシアネート化合物から選ばれた少な
くとも一種であることを特徴とするポリウレタン成形部
材にある。
【0022】本発明の製造方法は、従来の製造方法とは
全く異なり、カプロラクトン連鎖の数およびその分子量
分布を制御することにより、従来においては結晶性が強
すぎて使用不可能とされていたモノマであるε−カプロ
ラクトンを用いたポリウレタン鎖を設計することができ
るものであり、所望の特性を有するポリウレタンを得る
自由度を向上するものである。すなわち、カプロラクト
ンの連鎖の平均値の数およびその分子量分布を制御する
ことにより、このカプロラクトン連鎖に結合する結合ユ
ニットの影響により当該ε−カプロラクトンをの結晶化
が阻害されるようになる。ここで、結合ユニットは、ε
−カプロラクトンの開環付加の開始剤に由来するものお
よび両末端のウレタン結合ユニットである。また、この
ように調製されたポリウレタンは、エラストマとして単
独で用いるためには、ガラス転移温度が−20℃以下で
あるのが好適である。なお、可塑剤あるいは他成分等の
添加により、実質的なTgを下げて使用できることは周
知なことである。
【0023】また、かかる本発明方法を用いれば、ε−
カプロラクトンモノマから構成される結晶性のオリゴマ
の分子構造自体を制御することにより、ウレタンを形成
したときの結晶性とアモルファス性とを可逆的に制御
し、通常環境における変形状態では結晶化が阻害されて
ゴム状弾性体として作用し、過度の変形状態では結晶性
が発現するようにするという高性能または高機能エラス
トマの調製が可能となる。
【0024】なお、例えば、ポリウレタンに関しては、
分子量分布の狭いポリカプロラクトンポリオールを用い
たポリウレタンが、例えば、特公昭63−39007号
公報に開示されているが、従来品に比べて弾性回復力に
優れたポリウレタンを開発するものである。また、分子
量分布の狭いポリオールが、例えば、特公平3−562
51号公報および特開平7−292083号公報、さら
に特開昭63−196623号公報に開示されている
が、これも従来にはない新規なポリオールを提供すると
いうものである。
【0025】すなわち、従来、例えば、ポリオールの分
子量および分子量分布を適正範囲に制御して、これをジ
イソシアネートと反応させると、ポリオールの結晶性が
制御できるという知見は全く皆無である。
【0026】本発明は、ポリε−カプロラクトン系ポリ
オールについて言えば、所定のε−カプロラクトン連鎖
以上の分子が含まれると、その部分全体が結晶化してし
まい、また、所定の分子量以下の分子が多くなると、ガ
ラス転移温度Tgが低くならなず、所望のゴム状弾性が
得られないという知見に基づくものである。
【0027】本発明方法は、従来のように、エステル基
の濃度を下げるためにメチル基などの側鎖を有するもの
を共重合させて結晶性を低下させるものと異なるので、
耐摩耗性などの機械的特性が低下することがない。これ
は、伸張時に、より速やかに結晶化できるためと考えら
れる。
【0028】すなわち、本発明では、メチル基などの側
鎖を有さない開始剤を用いても結晶性モノマの結晶性が
制限でき且つ耐加水分解性を向上することができる。換
言すると、側鎖を有さない開始剤を用いると、耐加水分
解性が向上すると共に非常に機械的特性にも優れたポリ
エステル系ポリウレタンを得ることができ、また、側鎖
を有する開始剤を用いても、側鎖を有さない開始剤を用
いた場合より機械的特性が低下するが、耐加水分解性に
優れたポリε−カプロラクトンユニットからなる混練型
ポリウレタンを得ることができる。
【0029】本発明で用いる混練型ポリウレタンとは、
長鎖ポリオールとジイソシアネートとを反応することに
より得ることができるものである。
【0030】ここで本発明で用いるポリオールは、ポリ
−ε−カプロラクトン系ジオールを主成分として用い
る。ここで、ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールと
は、活性水素を有する重合開始剤の存在下に、ε−カプ
ロラクトンを開環重合して得られるものであり、上記式
(I)で示すことができ、本発明では、その中で、カプ
ロラクトン連鎖の平均値(下記mおよびnの平均値)が
所定の範囲で、且つそのカプロラクトン連鎖部分の分子
量分布Mw/Mnが1.0〜1.5、好ましくは1.0
〜1.3という極めて限定されたのものを用いる。
【0031】このように本発明で用いるポリ−ε−カプ
ロラクトン系ジオールのカプロラクトン連鎖の平均を所
定の範囲、例えば、3〜6とするのは、カプロラクトン
連鎖部とポリウレタン結合とからなる本発明の混練型ポ
リウレタンにおいて、強いストレスを受けていない通常
状態では、本来結晶性の強いカプロラクトン連鎖部がウ
レタン結合を構成するイソシアネートユニットと上記式
におけるR1との影響で非晶質状態となって全体として
非晶質状態を維持して弾性を示すが、引張りなどの力を
受け破壊に至る非通常状態では、カプロラクトン連鎖部
が本来の配向結晶性を示して強度に寄与するという可逆
的な状態を維持するためである。
【0032】また、カプロラクトン連鎖部分の分子量分
布Mw/Mnを1.0〜1.5、好ましくは1.0〜
1.3とするのは、カプロラクトン連鎖の数が所定範囲
を大きい方に外れるものの量を制限する趣旨である。す
なわち、カプロラクトン連鎖が、R1によっても異なる
が、例えば、6または8より大きくなると、ストレスを
受けた状態、特に低温下で保管された状態において結晶
化し易くなり、この部分で結晶化が始まると、カプロラ
クトン連鎖が例えば3〜6または4〜8の部分も結晶化
し易くなってしまうからである。この低温結晶化はエラ
ストマーとしての粘弾性、高摩擦係数等の機能に重大な
欠陥となり使用環境および保管環境が大幅に制限される
という欠点を有する。
【0033】一方、カプロラクトン連鎖が小さい場合に
はTgが高くなり、エラストマとして良好なゴム状弾性
を示すことができない。このように良好なゴム状弾性を
示すことができない範囲は上述した式のR1の種類によ
っても異なり、R1が例えば脂肪族のジオール類由来の
場合には連鎖が2以下になると好ましくなく、R1が例
えば芳香族環等を含むジオール類由来の場合には連鎖が
3以下が好ましくない。また、エラストマとしてのTg
は可塑剤等の添加によって調整できるので、用途によ
り、低連鎖を選択することもできる。
【0034】ところで、例えば、特開平2−628号公
報には、分子量分布が狭いラクトン重合体が開示されて
おり、ウレタン原料として有用である点も示唆されてい
る。しかしながら、かかる従来技術はラクトン重合体の
粘度を低下させてその取り扱い性を向上させることを目
指しており、本発明の技術を示唆するものではない。ま
た、ウレタン原料に有益であるとの記載も、従来の技術
水準からすれば、注型ポリウレタンまたは熱可塑性ポリ
ウレタンの原料として用いるということを意味している
ことは言うまでもない。また、特開昭63−19662
3号公報に分子量分布の狭いラクトンの製造方法が開示
されているが、これも同様な趣旨であり、本発明の技術
を示唆するものではない。
【0035】イソシアネートおよび鎖延長剤からなるハ
ードセグメントと、ポリオールソフトセグメントとから
なる注型または熱可塑性ポリウレタンのポリオール原料
としては、ε−カプロラクトン重合体などの結晶性の高
い原料も使用できると考えられていたが、ジイソシアネ
ートで連結されたポリオールからなる混練型ポリウレタ
ンのポリオール原料には、結晶性の高いものは使用でき
ず、分岐鎖または共重合成分を導入することにより結晶
性を小さくしたポリオールのみが使用できると考えられ
てきた。従って、当業者にとっては、結晶性の高いラク
トン重合体を混練型ポリウレタンの原料とする発想を、
低温での長期使用を加味した実用レベルで具体化する手
段は生まれることはなく、従来より混練型ポリウレタン
のポリオール原料とされていたのは、エチレンプロピレ
ングリコールアジペートあるいはエチレンブチレンアジ
ペートなどのごく限られたポリオールのみであった。
【0036】本発明はこのような従来の技術常識を完全
に打ち破るものであり、上述したように本発明では、カ
プロラクトン連鎖部分の連鎖の数を調整することによっ
て、本来結晶性の高いポリ−ε−カプロラクトン系ポリ
オールの連鎖部分の結晶化を、ウレタン結合を構成する
イソシアネートユニットと上記式のR1との影響により
防止し且つ弾性を有する混練型ポリウレタンを得るもの
である。
【0037】本発明では、ポリ−ε−カプロラクトン系
ジオールを形成する重合開始剤、すなわち上記R1を構
成するもととなる化合物は、活性水素を有して開環重合
後にジオールを形成するものであれば特に限定されず、
ジオール類、ジアミン類が利用できる。しかしながら、
本発明の効果を顕著に発揮するためには、重合開始剤と
して分子量分布を有さないもの、すなわち短鎖開始剤を
用いるのが好ましい。かかる短鎖開始剤を用いて形成さ
れたポリ−ε−カプロラクトン系ジオールは、例えば、
1の分子量が500以下のものとして定義できる。ま
たは、ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール全体の分子
量が800〜1500のものとして定義できる。
【0038】また、かかる開始剤は、上述したようにカ
プロラクトン連鎖部分の結晶性に影響を与える。したが
って、R1が例えば直鎖の炭化水素の場合には、上述し
たカプロラクトン連鎖の平均値を3〜6に制御する必要
があるが、R1が例えば芳香族環、脂肪族環等の立体障
害の大きい開始剤由来のものでありカプロラクトン連鎖
部分の結晶性への影響が大きい場合には、カプロラクト
ン連鎖の平均値を4〜8に制御すればよい。すなわち、
本発明では、重合開始剤の種類に応じてカプロラクトン
連鎖の平均値を適宜、所定の値に制御するようにする。
【0039】本発明で用いることができる短鎖開始剤の
例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,4−ブチレングリコールなどの主鎖の
元素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグリ
コール、3−メチル−1,5ペンタンジオールなどの炭
素数12以下の側鎖を有するジオール類;3−アリルオ
キシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数12以下
の不飽和基を有するジオール類;および、1,4−ビス
(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキシレングリコ
ールなどの芳香族環を含む炭素数20以下のジオール
類、シクロへキサンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環式ジオール類などを挙げることができる。
これらの短鎖開始剤は、勿論、二種以上混合して用いて
もよい。
【0040】本発明で用いるポリ−ε−カプロラクトン
系ジオールを形成するためには、ε−カプロラクトンお
よび重合開始剤の他、触媒の選定が重要となる。分子量
分布を狭く規制できる触媒としては、ハロゲンまたは有
機酸根を含有する金属化合物触媒を用いるのが好まし
く、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン化第一
スズ等、または上述した式(II)に示すスズ系触媒を例示
できる。
【0041】本発明で用いて好適な分子量分布が狭く制
限されたポリ−ε−カプロラクトンは、特に、上記一般
式(II)に示すスズ系触媒、例えば、モノブチルスズオキ
サイドあるいはフッ素を除くハロゲン化スズを用いて、
好ましくは130℃以下という低温条件化で重合するこ
とにより製造するのが好ましい。このようにモノブチル
スズオキサイドあるいはフッ素を除くハロゲン化スズを
用いると、100〜200℃の温度でも分子量分布が
1.0〜1.3と単分散のポリ−ε−カプロラクトンを
得ることができ、重合の進行と共に結晶化が起こる可能
性が低く、無溶媒下での実施が可能である。これに対
し、例えば、上述した特開昭63−196623号公報
の技術は、従来の100〜200℃という反応温度に対
して、触媒に無機酸触媒を用いて100℃以下でラクト
ンを開環重合させることにより分子量分布Mw/Mnが
1.0〜1.2と非常に単分散なラクトン重合体を得る
ものである。このような比較的低温での塊重合では、重
合の進行と共に結晶化が起こりやすくなるので、ベンゼ
ン、トルエンのような不活性有機溶媒下に反応を実施す
るのが好ましいとされているが、重合反応終了液から脱
溶媒する工程または溶媒回収工程が必要となり、これが
工業化の難点となる場合がある。
【0042】本発明では、ポリオールの主成分として、
長鎖ポリオールである上述した特定のポリ−ε−カプロ
ラクトン系ジオールを用いるが、この他、本発明の目的
を損なわない範囲で、一般に用いられる長鎖ポリオール
および鎖長延長剤を用いることができる。一般に用いら
れる長鎖ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオー
ルおよびポリエーテル系ポリオールの何れを用いてもよ
く、また、これらをブレンド共重合したものあるいは一
部を変性したものなどでもよい。また、鎖延長剤として
は、例えば、エチレングリコール、チオジエタノール、
プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの主鎖
の元素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグ
リコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなど
の炭素数12以下の側鎖を有するジオール類;3−アリ
ルオキシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数12
以下の不飽和基を有するジオール類;および、1,4−
ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキシレング
リコールなどの芳香族環を含む炭素数20以下のジオー
ル類およびこれらの水素添加物などを挙げることがで
き、さらに補助的に、トリメチロールなどのトリオール
類、あるいはステアリルアルコール、ヒドロキシエチル
アクリレートなども用いることができる。
【0043】なお、本発明方法で得られたポリウレタン
を硫黄で架橋する場合には、常法に従い、不飽和結合を
有する化合物を、開始剤の一部、または鎖長延長剤とし
て用いる。
【0044】また、このようなポリオールと反応して本
発明のポリウレタンを形成するためのポリイソシアネー
トとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TD
I)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPD
I)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(ND
I)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソ
シアネート(TODI)等を挙げることができる。特に
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)を含むポリイソシアネートを用いた場合過酸化物架
橋の架橋点として作用することが知られているため好適
である。
【0045】ポリオールとジイソシアネートとの配合割
合は、一般的なものでよく、例えば、ジオールの水酸基
などの活性水素とイソシアネート基とがほぼ等モルとな
るように配合する。例えば、水酸基価(OHv:KOH
mg/g)112の場合、ジオール100重量部に対し
てMDIを25重量部、OHv94の場合、ジオール1
00重量部に対してMDIを20.8重量部、OHv7
5の場合、ジオール100重量部に対してMDIを1
6.7重量部である。
【0046】本発明の混練型ポリウレタンは、硬化剤を
混練して熱硬化(架橋)する。かかる硬化剤として、一
般の合成ゴム用の有機過酸化物、硫黄、有機含硫黄化合
物、イソシアネートなどを挙げることができる。ここ
で、一般的には有機過酸化物を用い、有機過酸化物とし
ては、例えば、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなど
を挙げることができる。有機過酸化物の配合量は、ポリ
オール及びイソシアネートの合計100重量部に対して
0.5〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部程度
である。また、硫黄、有機含硫黄化合物を硬化剤として
用いることができるのは、上述した重合開始剤または鎖
延長剤が不飽和結合を有している場合であり、例えば、
3−アリル−1,2−プロパンジオールの場合である。
ここで、有機含硫黄化合物としては、TMTD(テトラ
メチルチウラムジスルフィド)、TETD(テトラエチ
ルチウラムジスルフィド)、DPTT(ジペンタメチレ
ンチウラムテトラスルフィド)などのチウラム系加硫促
進剤、4,4’−ジチオモルホリンなどを挙げることが
できる。
【0047】なお、このように混練・硬化する際には、
一般的に用いられている添加剤、すなわち、カーボンブ
ラック、シリカ等の補強材、ワックス等の粘着防止剤、
ジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤などを用い
ることができる。
【0048】また、本発明のポリウレタンには、通常通
りにポリカルボジイミドなどの加水分解防止剤をポリウ
レタン100重量部に対して、0.2〜3重量%程度用
いてもよい。本発明のポリウレタン部材は、耐加水分解
性が従来の熱硬化性混練型ポリウレタンの2倍程度ある
いはそれ以上に向上しているので、従来と同等に加水分
解防止剤を用いると、その分だけ耐加水分解性が向上す
るが、従来と同程度の加水分解性とするためには、その
添加量を約20%〜50%程度に低下することができ
る。加水分解防止剤は一般に高価であるので、コストダ
ウンに大きく寄与することができる。
【0049】混練型ポリウレタンの反応条件は、一般的
には、70℃〜150℃で、30分〜10時間であり、
その後、必要により、40℃〜120℃で、6〜48時
間程度熟成する。また、熱硬化条件は、硬化剤として有
機過酸化物を用いる場合には使用する有機過酸化物の分
解特性により求めるが、通常は150〜180℃で3〜
60分の条件に設定するのが好適である。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施の形態によ
り詳細に説明する。
【0051】(ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールの
製造例1)重合開始剤としてのエチレングリコールと、
ε−カプロラクトンとを表1に示す重量部ずつ用い、触
媒としてSnCl2またはTBTを存在させて適宜反応
することにより、各種ポリ−ε−カプロラクトン系ジオ
ールを製造した。
【0052】ここで、実施例1〜4および比較例1〜3
のグループ(グループAという)は、分子量分布が1.
4程度と狭いものであり、比較例4〜10のグループ
(グループBという)は分子量分布が2.2と従来の通
常の範囲のものである。表1には、各反応の触媒使用量
および反応温度、ε−カプロラクトン連鎖の数の設計値
および計算値、平均分子量の設計値および実測値、およ
び分子量分布(Mw/Mn)をそれぞれ示す。
【0053】なお、平均分子量は、ポリオールの水酸基
価をJIS K1557の6.4に準じて測定し、次式
により求めた値である。
【0054】 分子量=56.1×N×1000/水酸基価 N:開始剤の官能基数 また、分子量分布は、以下の条件により、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。
【0055】
【0056】
【表1】
【0057】(混練型ポリウレタン製造例1)上述のよ
うに製造した各ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール
と、等モルの4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)とを100℃で5時間それぞれ反応さ
せ、各種混練型ポリウレタンを得た。
【0058】これらの混練型ポリウレタンのアモルファ
ス高分子鎖としての特性を判断するために、各混練型ポ
リウレタンのガラス転移点Tgおよび低温保管による安
定性を調査した。低温保管における安定性は、−15
℃、5℃、および25℃における柔軟性から判定した。
これらの結果を表2に示す。
【0059】ポリ−ε−カプロラクトンポリオールの分
子量分布が狭いグループAおよび分子量分布の広いグル
ープBの何れにおいても、ε−カプロラクトンの平均連
鎖の数が増大するに従い、結晶性が増大していることが
観察された。また、分子量分布を狭くしたグループAで
は、グループBと比較して、アモルファス状態を維持で
きる温度範囲が広くなることが明らかとなった。
【0060】
【表2】
【0061】(架橋ポリウレタンの製造例1)上述した
各実施例及び比較例の混練型ポリウレタン100重量部
に、それぞれ架橋剤ジクミルパーオキサイド(日本油脂
(株)製;パークミルD(商品名))1.5重量部を添
加してオープンロールにて混練した後、160℃で20
分間プレス成形を行い、各種架橋エラストマを得た。
【0062】(物性測定)各実施例および比較例の成形
物を用い、JIS K6253に準じて、硬度(Hs:
JIS Aスケール)、JIS K6255(ISO4
662に準拠)に準じて、反発弾性(Rb:%)、JI
S K6251(ISO37に準拠)に準じて、引張強
さ(Tb:MPa)および伸び(Eb:%)、およびJ
IS K6252(ISO34準拠)に準じて、切込み
無アングル形試験片を用いて引裂強さ(Tr:N/m
m)を測定した。なお、初期硬度は、60℃で30分間
熱処理し、23℃で3時間放置した後に測定した。この
結果を表3に示す。また、各温度で3日間放置後の硬度
をそれぞれ測定した。この結果も表3に示す。さらに、
サンプル3、4、9、10について−20℃〜60℃で
の反発弾性の温度依存性を測定した。この結果を図1に
示す。
【0063】また、各架橋エラストマについて、各温度
で3日間放置した後の硬度から、結晶化による硬度が上
昇する現象(コールド・ハードニング)を観察したとこ
ろ、従来注型エラストマ用として好適に用いられていた
分子量1500(平均連鎖数6)のポリ−ε−カプロラ
クトンを用いたものは、常温でさえ硬度上昇を示してい
ることがわかった。また、平均連鎖数を3以下に低下さ
せても3以下のものを使用したエラストマでは結晶性が
みられなくなるが、常温近傍においても物性の温度依存
性が大きくなり、エラストマとして不具合を生じる。一
方、分子量分布を狭くしたポリ−ε−カプロラクトンを
使用すると、硬度上昇を防ぎつつ温度依存性の少ないエ
ラストマが得られることがわかった。
【0064】これらの事実から、結晶化による硬度上昇
はラクトンモノマの連鎖数に依存すると考えられ、逆
に、所定以上に連鎖が増加すると、結晶性が増大してエ
ラストマにおけるアモルファス高分子鎖としての不具合
が生じると考えられる。また、連鎖の平均値が所定数未
満(例えば、3未満)では、アモルファス高分子鎖にお
けるウレタン基の濃度が上昇するため、ガラス転位点が
高くなり、温度依存性に不具合が生じる。従って、結晶
化を押さえつつエラストマとして実用的な低いガラス転
位点(例えば、−20℃以下)を得るためには、ε−カ
プロラクトンの連鎖の分布を極めて高度に規制すること
が有用である。さらに、結晶化するのはε−カプロラク
トン連鎖部であるとの知見から、ラクトン連鎖部の両側
に結晶化を規制する分子を選択的に配置することによ
り、従来困難であった結晶性の微調整が可能と考えられ
る。
【0065】
【表3】
【0066】(ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールの
製造例2)表5に示すように、重合開始剤としてのエチ
レングリコールと、ε−カプロラクトンとを用い、触媒
および反応温度を変化させて、各種ポリ−ε−カプロラ
クトン系ジオールを製造した。
【0067】ここで、実施例5〜7および比較例11、
12のグループCはε−カプロラクトン平均連鎖の数を
6として分子量分布を1.15〜2.13の間で変化さ
せたものであり、実施例8〜10及び比較例13、14
のグループDは、ε−カプロラクトンの平均連鎖の数を
5として分子量分布を1.18〜2.21の間で変化さ
せたものである。
【0068】表4には、各反応の触媒使用量および反応
温度、ε−カプロラクトン連鎖の数の設計値および計算
値、平均分子量の設計値および実測値、および分子量分
布(Mw/Mn)をそれぞれ示す。
【0069】
【表4】
【0070】(混練型ポリウレタン製造例2)上述した
製造例1と同様に、た各ポリ−ε−カプロラクトン系ジ
オールと、等モルの4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)とを100℃で5時間それぞれ反
応させ、各種混練型ポリウレタンを得た。
【0071】これらの混練型ポリウレタンのアモルファ
ス高分子鎖としての特性を判断するために、各混練型ポ
リウレタンのガラス転移点Tgおよび低温保管における
安定性を調査した。低温保管における安定性は、−15
℃、5℃、および25℃における柔軟性から判定した。
これらの結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】(架橋ポリウレタンの製造例2)上述した
製造例2の各混練型ポリウレタンを用いて、製造例1と
同様に各種架橋ポリウレタンを得た。また、各架橋ポリ
ウレタンについて同様に物性試験を行った。これらの結
果を表6に示す。
【0074】架橋ポリウレタンの硬度の変化より、原料
ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールの分子量分布がエ
ラストマの低温結晶化による硬度上昇(コールド・ハー
ドニング)に大きく影響しており、極めて分子量分布の
狭いポリオールを用いることにより、低温結晶性が調整
された混練型エラストマを提供できることがわかった。
本発明は、カプロラクトン連鎖の分布を示すポリオール
の分子量分布が1.5以下、好ましくは1.3以下の単
分散に近いポリオールを用いることにより、最大の効果
を得ることができる。すなわち、結晶性が制御された条
件で平均連鎖数をより大きくすることができるため、ゴ
ム状弾性体として実用的なガラス転移点を得ることが可
能となり、従来では両立できないと考えられていた高結
晶性ユニットからなるアモルファスなエラストマを、汎
用のゴム設備を用いて製造することが可能となる。ここ
でいうゴム状弾性体として実用的なガラス転移点とは、
例えば、−20℃と定義することができる。ガラス転移
点が−20℃以上となると、通常起こり得る低温環境下
(0℃)において常温でのゴム弾性が維持できなくなる
からである。
【0075】
【表6】
【0076】(ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールの
製造例3)表9に示すように、重合開始剤として、1,
4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,5−ペンタ
ンジオール(1,5−PD)、1,6−ヘキサンジオー
ル(1,6−HD)、ノナンジオール(ND)、ネオペ
ンチルグリコール(NPG)、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール(3MPG)、シクロヘキサンジメタノ
ール(CHDM)、パラキシレングリコール(PX
G)、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
(BHEB)、およびBPE−2(三洋化成工業(株)
製、商品名:ビスフェノールAの両端にエチレンオキサ
イドが1モルずつ付加したもの)を用い、ε−カプロラ
クトンと所定の条件下で反応させて、実施例11〜53
の各種ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールを製造し
た。なお、反応は全て窒素気流下で行い、残存カプロラ
クトンモノマがガスクロマトグラフィで1%以下になる
まで熟成した。
【0077】表7には、各反応の触媒使用量および反応
温度、ε−カプロラクトン連鎖の数の設計値および計算
値、平均分子量の設計値および実測値、および分子量分
布(Mw/Mn)をそれぞれ示す。
【0078】
【表7】 表7において、MBTOはモノブチルスズオキサイド、
TBTはテトラブチルチタネートである。
【0079】(混練型ポリウレタン製造例3)上述した
製造例1と同様に、各ポリ−ε−カプロラクトン系ジオ
ールと、等モルの4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)とを100℃で5時間それぞれ反応
させ、各種混練型ポリウレタンを得た。
【0080】これらの混練型ポリウレタンのアモルファ
ス高分子鎖としての特性を判断するために、各混練型ポ
リウレタンのガラス転移点Tgおよび相対結晶性を判定
した。なお、ここで、相対結晶性は、−10℃で10時
間保持後の融解熱量を示差走査カロリーメータ(DS
C)により測定し、これを天然ゴムと比較して、弱い
(弱)、中位(中)、強い(強)で表した。これらの結
果を表8に示す。なお、DSCの測定及び解析は以下の
機器で行った。
【0081】[測定]示差走査熱量計 DSC620
0:セイコー電子工業(株)製 [解析]熱分析、レオロジーシステム EXSTAR6
000:セイコー電子工業(株)製 この結果、開始剤の種類や平均連鎖数という単純なパラ
メータの設定により結晶性が微妙に制御できることが明
らかとなった。
【0082】架橋エラストマの結晶性は、架橋構造や添
加剤によってある程度調整することが可能であるが、少
なくとも常温(20℃)で使用するためには、相対結晶
性が強のレベルでは結晶化による不具合が生じる可能性
があり、使用困難である。従って、開始剤として脂肪族
のジオールを用いた系では平均連鎖を6以下にする必要
がある。言い換えれば、平均連鎖が7以上だと、室温で
も結晶化が起こり、エラストマにおける高分子鎖として
使用することが困難となる。また、開始剤がメチル基の
側鎖を有する場合には、結晶性が低下するが強度も大き
く低下する。一方、メチル基ではなくベンゼン環やシク
ロヘキサン環などの平面的に嵩高い置換基を導入する
と、適度に結晶性が緩和され、同時に伸張時には配向結
晶性を示して高強度のエラストマが得られる。このよう
に環状構造を導入した場合は、結晶性が緩和されるた
め、ラクトンの平均連鎖の数は8程度まで使用可能であ
る。しかしながら、環状構造の導入によりガラス転移点
も上昇してしまうため、Tgを−20℃以下とするため
には、平均連鎖の数を4以上にするのが望ましい。
【0083】
【表8】
【0084】(架橋ポリウレタンの製造例3)上述した
製造例の実施例10,13,18,23,25,28,
33,37,42,46および50の各混練型ポリウレ
タンを用いて、上述したとおり各種架橋ポリウレタンを
得た。各種架橋エラストマについて、JIS K625
3に準じて、硬度(Hs:JIS Aスケール)、JI
S K6255(ISO4662に準拠)に準じて、反
発弾性(Rb:%)、JIS K6251(ISO37
に準拠)に準じて、引張強さ(Tb:MPa)および伸
び(Eb:%)、およびJIS K6252(ISO3
4準拠)に準じて、切込み無アングル形試験片を用いて
引裂強さ(Tr:N/mm)を測定した。なお、初期硬
度は、60℃で30分間熱処理し、23℃で3時間放置
した後に測定した。この結果を表9に示す。
【0085】
【表9】
【0086】(結晶性についての比較試験)分子量分布
の狭いグループAの実施例3,4および分子量分布が広
いグループの比較例7,8について、以下のように結晶
性を比較した。 1.示差走査カロリーメータ(DSC)の測定による、
架橋前のアモルファス高分子鎖の結晶性の測定 各サンプルの−10℃で所定時間保持後における融解挙
動をDSCにより測定した結果を図2〜図5に示す。ま
た、比較のため、天然ゴム(NR)の測定結果を図6に
示す。
【0087】分子量分布の広いグループBのサンプル1
1及び12では、分子量分布の狭いグループAのサンプ
ル4及び5に比べて結晶化が速いことが観察される。ま
た、カプロラクトンの平均連鎖数5のものは6のものと
比較して結晶化が遅くなることが認められる。これよ
り、分子量を狭くしたオリゴマを用いることにより結晶
性の微調整が平均連鎖数の設定により可能となることが
明らかとなった。 2.広角X線回折(WAXD)の測定結果による架橋エ
ラストマの結晶性の比較 各サンプルのWAXDの測定結果を図7〜図10に示
す。試料は厚さ1mm、幅3mmに加工したシートと
し、伸張率を可変して測定した。測定温度は22℃であ
る。 なお、WAXDの測定はライガーフレックス(理
学電気(株)製)で、出力40kV、27.5mAでの
条件で行った。
【0088】分子量分布の広いグループBの比較例7及
び8では未伸張においても結晶化による回折ピークが観
察される。ここで観察される2θ約21°のピークはポ
リ−ε-カプロラクトンのピーク位置と一致しているこ
とから架橋エラストマの伸張結晶化はカプロラクトン連
鎖の結晶に起因するものと推定される。
【0089】一方、分子量分布の狭いグループAの実施
例3及び4では未伸張および低伸張領域ではアモルファ
ス状態を示しておりその低いガラス転移温度からゴム状
弾性体となりえることが推定される。さらに伸張率を高
めると結晶化が認められる。これは通常エラストマとし
て使用される変形状態ではゴム状弾性体でありながら、
摩耗、破断等過度の変形状態では配向結晶化を起こすこ
とを示している。しかも、結晶性の程度はカプロラクト
ンの平均連鎖で微妙に調整することができる。
【0090】(比較例15〜18)エチレングリコール
ブタンジオールコアジペート(EG:BG=1:1)
(比較例15)、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルアジペート(比較例16)、ネオペンチルグリコール
アジペート・カプロラクトン共重合体(NPG/AA:
CL=1:2)(比較例17)をそれぞれ調製した。ま
た、市販のエステル系ミラブルウレタン(スミパン64
0S:商品名:住友バイエルウレタン社製)を比較例1
8とした。
【0091】(加水分解性試験)上述した実施例10,
11,33,38,42および比較例13、15〜18
の架橋エラストマの成形物をそれぞれ用い、85℃で水
中に放置したときの硬度(JIS A)変化を測定し
た。この結果を図11に示す。また、各架橋エラストマ
について、JIS K6253に準じて、硬度(Hs:
JIS Aスケール)、JIS K6255(ISO4
662に準拠)に準じて、反発弾性(Rb:%)、JI
S K6251(ISO37に準拠)に準じて、引張強
さ(Tb:MPa)および伸び(Eb:%)、およびJ
IS K6262(ISO815準拠)に準じて、70
℃で22時間の条件で永久圧縮歪み(Cs:%)を測定
した。この結果をポリオールの組成及びポリオールの性
質、及び混練型ポリウレタンのガラス転移点Tgと共に
表10に示す。
【0092】
【表10】
【0093】これらの結果より、本発明のミラブルウレ
タンを用いた各実施例の成形物は、従来のミラブルウレ
タンを用いた比較例15および18の成形品と比較して
耐加水分解性が非常に優れていることがわかった。ま
た、比較例16および17は、メチル基からなる側鎖を
導入することにより結晶性を低下させたものであるので
耐加水分解性は良好であるが、この場合には、伸張時に
も配向結晶性を示し難いためポリウレタン本来の高物性
を得ることはできない。しかしながら、実施例の成形品
では、伸張時には配向結晶性を示してポリウレタン本来
の高物性が得られることがわかった。
【0094】
【発明の効果】以上本発明のポリウレタンは、従来の一
般のゴム加工設備を用いて製造することができる混練型
ポリウレタンであるが、ポリ−ε−カプロラクトン系ジ
オールを主成分とし、当該ポリ−εカプロラクトン系ジ
オールにおけるε−カプロラクトン連鎖の平均値が所定
の範囲にあり、当該ポリ−ε−カプロラクトン系ジオー
ルの分子量分布Mw/Mnが1.5以下である特定のポ
リオールを用いることにより、低温時においても結晶化
を起こすことなく、卓越した機械的強度を発現し且つ耐
加水分解性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反発弾性の温度依存性を示す図である。
【図2】実施例3のDSCの測定結果を示す図である。
【図3】比較例7のDSCの測定結果を示す図である。
【図4】実施例4のDSCの測定結果を示す図である。
【図5】比較例8のDSCの測定結果を示す図である。
【図6】天然ゴムのDSCの測定結果を示す図である。
【図7】実施例3のWAXDの測定結果を示す図であ
る。
【図8】比較例7のWAXDの測定結果を示す図であ
る。
【図9】実施例4のWAXDの測定結果を示す図であ
る。
【図10】比較例8のWAXDの測定結果を示す図であ
る。
【図11】加水分解性の試験結果を示す図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で表されるポリ−ε−カプロラク
    トン系ジオールであって、当該ポリ−ε−カプロラクト
    ン系ジオールにおけるカプロラクトン連鎖の平均値が所
    定の数に調整され、且つ当該ポリ−ε−カプロラクトン
    系ジオールの分子量分布Mw/Mnが1.0〜1.5で
    あるポリ−ε−カプロラクトン系ジオールを製造するス
    テップと、前記ポリ−ε−カプロラクトンとジイソシア
    ネートとを反応させることにより結晶性が制限され且つ
    ゴム状弾性を有するポリウレタンを製造するステップと
    を有することを特徴とするポリウレタンの製造方法。 【化1】 (ここで、[ ]内はカプロラクトン連鎖部を示し、m
    およびnが連鎖の数を示し、R1は重合開始剤R1(O
    H)2に由来する)
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ポリ−ε−カプ
    ロラクトンジオールの分子量分布Mw/Mnが1.0〜
    1.3であることを特徴とする混練型ポリウレタンの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記ポリ−
    ε−カプロラクトン系ジオールの重合開始剤R1(O
    H)2が、炭素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペ
    ンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
    ールなどの炭素数12以下の側鎖を有するジオール類;
    および3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールな
    どの炭素数12以下の不飽和基を有するジオール類から
    なる群から選択される少なくとも一種であり、前記カプ
    ロラクトン連鎖の平均値が3〜6の範囲にあることを特
    徴とする混練型ポリウレタンの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ポリ−ε−カプ
    ロラクトン系ジオール重合開始剤R1(OH)2が、炭素
    数が2〜12の直鎖グリコール類でメチル基などの側鎖
    を含まないものからなる群から選択される少なくとも一
    種であることを特徴とする混練型ポリウレタンの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、前記ポリ−
    ε−カプロラクトン系ジオールの重合開始剤R1(O
    H)2が、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
    ン、パラキシレングリコールなどの芳香族環を含むジオ
    ール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ
    タノール等の脂環式ジオール類からなる群から選択され
    る少なくとも一種であり、前記カプロラクトン連鎖の平
    均値が4〜8であることを特徴とする混練型ポリウレタ
    ンの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ポ
    リオールが、前記ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール
    を含む長鎖ジオールの他に、鎖延長剤を含むことを特徴
    とする混練型ポリウレタンの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記混
    練型ポリウレタンのガラス転移温度Tgが、−20℃以
    下であることを特徴とする混練型ポリウレタンの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記ジ
    イソシアネートが、2,6−トルエンジイソシアネート
    (TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
    ート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(P
    PDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(ND
    I)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイ
    ソシアネート(TODI)から選ばれる少なくとも一種
    であることを特徴とする混練型ポリウレタンの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記ポ
    リ−ε−カプロラクトン系ジオールが、下記式で示され
    るスズ触媒を用いて130℃以下の反応条件で製造する
    ことを特徴とする混練型ポリウレタンの製造方法。 【化2】 (ここで、R2は、水素、アルキル基またはアリール
    基、Xは水酸基、アルコキシド基またはフッ素以外のハ
    ロゲンを示す)
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載の混練型
    ポリウレタンを製造するステップと、この混練型ポリウ
    レタンを硬化剤を用いて架橋・成形してポリウレタンエ
    ラストマとすることを特徴とするポリウレタンエラスト
    マの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記硬化剤が、
    有機過酸化物、硫黄、有機含窒素化合物およびイソシア
    ネート化合物から選ばれた少なくとも一種であることを
    特徴とするポリウレタンエラストマの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9の何れかに記載の混練型
    ポリウレタンを製造方法により製造された混練型ポリウ
    レタンと、硬化剤とを用いて架橋・成形してなることを
    特徴とするポリウレタン成形部材。
  13. 【請求項13】 請求項10において、前記硬化剤が、
    有機過酸化物、硫黄、有機含窒素化合物およびイソシア
    ネート化合物から選ばれた少なくとも一種であることを
    特徴とするポリウレタン成形部材。
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WO2007020879A1 (ja) 2005-08-17 2007-02-22 Asahi Glass Company, Limited ポリエステルエーテルポリ(モノ)オールの製造方法
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