JPH1072034A - 嵌合型パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易であり、溶接などでサイズの固定
化並びにフラックスの洗浄を必要とせず、簡単に組み立
てられ、これによりサイズを自由に変更可能な金属製パ
レットの提供。 【解決手段】 断面が長方形中空状の脚材の少なくとも
一方の側面（１ａ、２ａ）に、デッキボード４の嵌合部
材と嵌合した時、その上面がデッキボードの上面４ｂと
同一断面になる高さに嵌合部材（１４、１５）が設けら
れた押出材による脚材１及び断面長方形中空状のデッキ
ボード４の少なくとも一方の側面４ｄに、脚材の嵌合部
材と嵌合した時その上面が脚材の上面と同一平面になる
高さに嵌合部材が設けられた押出材によるデッキボード
４からなり、デッキボードの少なくとも両端に脚材を設
けた嵌合型パレット。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種製品の貯蔵、
工場内の移動、長距離の輸送など、広い範囲において用
いられている金属製パレットの改良に関する。特に溶接
を必要とせず、溶接に使用したフラックスの除去洗浄の
ための洗浄液の水抜き穴の必要がなく、簡単に組み立て
られ、また必要に応じてそのサイズの変更も可能な嵌合
型金属製パレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】パレットは、フォークリフトトラックを
用いることにより、各種製品の工場内の移動などの短距
離の運搬、コンテナーなどに積み込みに用いて長距離の
輸送、あるいは倉庫へ貯蔵するための積み荷台などに使
用され、製品の移動や貯蔵の効率向上に大きく貢献して
いる。このパレットには、古くは木製のものが主体であ
ったが、強度の問題、腐るなどの問題があるところか
ら、軽量であり、剛性や強度も適度にある合成樹脂やア
ルミニウム合金などの軽金属を材質に用いたパレットな
どが多数使用されるようになってきた。

【０００３】従来の金属製パレットは、図５及び図６に
示されているように、脚材の外側壁（１）に上方垂直延
長部（１ａ）が設けられた左右のけた（２）（右桁図示
省略）を左右の桁（２）に渡されかつ横断面ほぼ横長方
形中空状で内部に長さ方向に伸びた複数の垂直補強壁
（３）を有する所要数のデッキボード（４）を備えてお
り、各デッキボード（４）の両端開口部が左右のけた
（２）の外側壁上方垂直延長部（１ａ）により塞がれた
状態で各デッキボード（４）と左右のけた（２）が溶接
（５）、（６）せられたおり、そしてけた（２）及びデ
ッキボード（４）にアルミニウム押出形材がそのまま使
用せられている。そして、各側壁（７）とこれに隣り合
う補強壁（３）の間、及び補強壁（３）同士の間におい
て、各デッキボード（４）の底壁（８）の洗浄水抜き穴
（９）が開けられたものが主として用いられていた。こ
のように脚材とデッキボードは溶接されているため、溶
接後、溶接時に使用されたフラックスを洗浄除去する必
要がある。このためフラックスを洗浄した時デッキボー
ドの中空部内面にフラックスを含んだ洗浄液がまったく
残留せず、したがってフラックスによる腐食のおそれの
ない金属製パレットを製造するため多くの形式のパレッ
トが提案されていた。（例えば実公平７−５２０２０号
公報）しかしこれらの多くの提案されている金属パレッ
トは、すべてが溶接によるものであり、目的に応じてそ
のサイズの変更することは不可能であるため、目的に応
じた適切なサイズのパレットをすべてそろえておく必要
があった。

【０００４】しかしパレットが溶接によって製造される
かぎり、フラックスの洗浄は必要であるばかりでなく、
パレット自体の大きさも固定化されるため、使用する製
品のサイズに合わせた適切なサイズのパレットを準備し
ない限り運搬、輸送、貯蔵の効率を向上させることは困
難であり、逆にパレットのサイズを多数そろえておくこ
とにより、その保存場所、固定費などの問題があって、
パレットの使用が貯蔵、運搬などの効率化を大きくの阻
害することがさえ生じてくることがある。したがって最
小個数のパレットを準備するだけで、各種のサイズ製品
の運搬、貯蔵に使用可能なパレットの要求にこたえられ
るサイズを調節できるパレットの開発が要望されてき
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造が容易
であり、溶接などでサイズの固定化並びにフラックスの
洗浄を必要とせず、簡単に組み立てられ、これによりサ
イズを自由に変更可能な金属製パレットの開発を目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、（１）（ａ）
断面が長方形中空状の脚材の少なくとも一方の側面に、
デッキボードの嵌合部材と嵌合した時、その上面がデッ
キボードの上面と同一平面になる高さに嵌合部材が設け
られた押出材による脚材、（ｂ）断面長方形中空状のデ
ッキボードの少なくとも一方の側面に、脚材の嵌合部材
と嵌合した時その上面が脚材の上面と同一平面になる高
さに嵌合部材が設けられた、押出材によるデッキボード
からなり、デッキボードの少なくとも両端に脚材を設け
た嵌合型パレット、 （２）嵌合型パレットの中間部において、脚材の両側面
に嵌合部材が設けられた脚材の少なくともひとつを用い
て、少なくとも２つのデッキボードを嵌合させ、結合し
た（１）記載の嵌合型パレット、及び （３）脚材とデッキボードの嵌合部材を嵌合したとき、
両者の嵌合部の空間部に結合用ピン材を用いて固定化し
た（１）〜（２）のいずれかに記載の嵌合型パレットを
開発することにより上記の目的を達成した。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明のパレットに使用する材料
としては、脚材、デッキボードは軽量で強度のあるアル
ミニウム系合金が主として用いられる。形状的には脚材
等及びデッキボードに設ける結合部材が押出成形が可能
な形を選択し、パレットのサイズに合わせて脚材等及び
デッキボードの押出材を適正な長さに切断するだけで良
く、コスト的に有利なパレットを製造できる。また脚材
とデッキボードの結合を固定化するために用いる結合用
ピン材は、強度があり弾性の高い鋼材が有効である。

【０００８】以下図面を参照して本発明を具体的に説明
する。なおこれらに示されたものはひとつの具体例であ
り、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更したものも
当然本発明に含むものである。図１（ａ）は、パレット
の端部に使用する端部脚材（１）であり、図１（ｂ）は
パレットの中間に使用する中間脚材（２）である。（以
下、端部脚材と中間脚材の両者を一括して脚材等とい
う。） 該脚材等の側壁［（１ａ）及び（２ａ）］の上部には、
デッキボード（４）と結合した時に、脚材上面板［（１
ｃ）、（２ｃ）］とデッキ上面板（４ｂ）とが同一平面
になる高さに両者を結合するような高さに上部嵌合部
（１４）及び下部押え（１５）が設けられており、脚材
底板［（１ｂ）、（２ｂ）］及び脚材側壁［（１ａ）、
（２ａ）］によってその下部が構成されている。これら
の脚材は押出成形により製造できる形状のものであれば
その形状は相当の変更が可能であり、例えば脚材とデッ
キボードの結合部材は、押出成形できるものであって、
結合が容易であり、かつその結合によって脚材等とデッ
キボードが固定化可能な形状のものであれば良く、かつ
それらの結合部材のそれぞれを脚材とデッキボードに入
れ替えたものであっても構わない。

【０００９】パレットの両端面には、端部脚材（１）を
用いてパレット側面に凹凸がないようにすることが好ま
しい。なお中間脚材（２）は、脚材の上部の両側壁（２
ａ）、（２ａ）に結合部材（１４）、（１５）を備えて
おり、その両面にデッキボード（４）を結合可能な機能
を有しており、デッキボードを複数連結して広い面積の
パレットの組み立てをする時に用いる。

【００１０】図２にはデッキボード（４）を示す。デッ
キボードはデッキ上面板（４ｂ），デッキ底面板（４
ｃ）、デッキ側壁（４ｄ）からなっており、内部にはデ
ッキボードの強度を増すために補強壁（４ａ）を設けた
押出材である。更に側壁には、脚材などとの結合のた
め、デッキボード上部押え（１１）、デッキボード下部
押え（１２）などを有して、脚材の結合部材と結合し、
パレットを形成する。なお脚材等の脚材上面板［（１
ｃ）、（２ｃ）］及びデッキボード上面板（４ｂ）は荷
物の滑り防止のための処置を施した表面（例えば、その
表面に押出方向に沿った細かい凹凸を設ける、あるいは
ゴムなどの滑り防止材を貼るなど。）であってよい。

【００１１】なお単に脚材などとデッキボードを結合し
ただけでは固定化が不十分な場合には、結合用ピン材
（１６）を用いて結合を強化することも効果がある。こ
の結合用ピン材は、結合を強固にできれば良いのである
から形式は問わないが、例えば、脚材などとデッキボー
ドの結合部に両者を貫通したねじ穴を設けておき、結合
部の上からボルトをねじ込む、あるいは図３に示すよう
にパレットの嵌合部全長にわたり結合用ピン材を強制挿
入し、結合部を固定化するなどの手段により、両者の結
合を強固にすることが好ましい。このようにすることに
より、パレットのデッキ面がフラットで透き間のない表
面が形成できる。

【００１２】このように構成されたパレットの各部品
は、アルミニウム合金などの材料を押し出すことにより
簡単に製造することができ、、またこの形式の結合方式
を採るため溶接が不要であり、フラックスによる腐食に
危険がないので耐食性向上のための洗浄が不要である。
また嵌合部材による結合方式を採るため、部品（脚材と
デッキボード）を簡単に組み立てるだけで良く、またパ
レットのサイズも押出材の長さを適切な長さに切断する
と共に中間脚材を用いることによりパレットの幅の変更
も可能であり、使用に適切なサイズのパレット多数準備
しなくとも、中間脚材を用いその幅を自由に調節するこ
とにより、パレットのサイズの変更も可能になってい
る。

【００１３】

【実施例】図１及び図２に示すような断面形状を有する
脚材として、高さ（脚材上面板から脚材底板までの高
さ）１２５ｍｍ、幅４０ｍｍ、厚さ２ｍｍのアルミニウ
ム合金材を押出し、長さ１０００ｍｍに切断し、コーナ
ーを丸めて脚材などを成形した。また図２に示すような
断面形状を有するデッキボードとして、幅（両方の上部
押えの外側幅）４５２ｍｍ、上面板の厚さ１．５ｍｍ、
底面板の厚さ１．２ｍｍ、側壁厚さ１．８ｍｍ、補強壁
の厚さ１．０ｍｍ×１０のものを押出し、デッキボード
として長さ１０００ｍｍに切断し、コーナーを丸めて成
形した。これらの端部脚材×２、中間脚材×１及びデッ
キボード×２を組み立て、嵌合部の空間部に結合用ピン
材を用いて固定化することにより、幅１０２４ｍｍ、奥
行き１０００ｍｍの金属製嵌合型パレットを製造した。
また更に端部脚材×２、中間脚材×２及びデッキボード
×３を組み立てて、各嵌合部にボルトで固定化すること
により幅１５１６ｍｍ、奥行き１０００ｍｍの金属製嵌
合型パレットを製造した。これらの両者は、電気部品を
包装した段ボールはこの輸送に使用したところ軽量で強
度があり極めて使用に便利であった。

【００１４】

【発明の効果】本発明の嵌合型金属製パレットは、脚材
等及びデッキボードの押出による成形が容易であり、ま
たその接続にも単にその両者を嵌合組み立てるだけです
むので、溶接が不要であり、フラックスによる腐食の危
険がないため製造後の洗浄が不要である。特に中間脚材
とデッキボードを余分に準備するだけでこれらを使用す
ることにより、幅の異なるパレットを組み立てられるの
で、使用目的に応じて適正なサイズのパレットを多数準
備することが不要になり、経費の節減にも大いに寄与す
るところである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は、パレット端部用の脚材であり、
図１（ｂ）はパレットの中間用の脚材のそれぞれの１例
を示す。

【図２】図２は本発明のパレットに使用するデッキボー
ドの１例である。

【図３】図３は、脚材とデッキボードを結合した結合部
の拡大図である。

【符号の説明】

１ 端部脚材 １ａ 脚材側壁 １ｂ 脚材底板 １ｃ 脚材上面板 ２ 中間脚材 ２ａ 脚材側壁 ２ｂ 脚材底板 ２ｃ 脚材上面板 ４ デッキボード ４ａ 補強壁 ４ｂ デッキボード上面板 ４ｃ デッキボード底面板 ４ｄ デッキボード側壁 １１ デッキボード上部押え １２ デッキボード下部押え １４ 脚材上部嵌合部 １５ 脚材下部押え １６ 嵌合部用ピン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）断面が長方形中空状の脚材の少な
   くとも一方の側面に、デッキボードの嵌合部材と嵌合し
   た時、その上面がデッキボードの上面と同一平面になる
   高さに嵌合部材が設けられた押出材による脚材、（ｂ）
   断面長方形中空状のデッキボードの少なくとも一方の側
   面に、脚材の嵌合部材と嵌合した時その上面が脚材の上
   面と同一平面になる高さに嵌合部材が設けられた、押出
   材によるデッキボードからなり、デッキボードの少なく
   とも両端に脚材を設けたことを特徴とする嵌合型パレッ
   ト。
2. 【請求項２】 嵌合型パレットの中間部において、脚材
   の両側面に嵌合部材が設けられた脚材の少なくともひと
   つを用いて、少なくとも２つのデッキボードを嵌合さ
   せ、結合した請求項１記載の嵌合型パレット。
3. 【請求項３】 脚材とデッキボードの嵌合部材を嵌合し
   たとき、両者の嵌合部の空間部に結合用ピン材を用いて
   固定化した請求項１〜２のいずれかに記載の嵌合型パレ
   ット。