JPH1071190A - コンタクトレンズ用液剤 - Google Patents

コンタクトレンズ用液剤

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JPH1071190A
JPH1071190A JP8230176A JP23017696A JPH1071190A JP H1071190 A JPH1071190 A JP H1071190A JP 8230176 A JP8230176 A JP 8230176A JP 23017696 A JP23017696 A JP 23017696A JP H1071190 A JPH1071190 A JP H1071190A
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JP
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contact lens
solution
carboxylic acid
contact lenses
present
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JP8230176A
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Makoto Sugiura
誠 杉浦
Keiko Ibaraki
敬子 茨木
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Tomey Technology Corp
Original Assignee
Tomey Technology Corp
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L12/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising contact lenses; Accessories therefor
    • A61L12/08Methods or apparatus for disinfecting or sterilising contact lenses; Accessories therefor using chemical substances
    • A61L12/14Organic compounds not covered by groups A61L12/10 or A61L12/12
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
    • A61L2/16Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor using chemical substances
    • A61L2/18Liquid substances or solutions comprising solids or dissolved gases

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な殺菌効力を有しながらも、眼に対する
毒性が低く、安全に使用することができるコンタクトレ
ンズ用液剤を提供する。 【解決手段】 コンタクトレンズ用液剤の防腐若しくは
殺菌有効成分として、下記化1: 【化1】 〔式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R
2 は炭素数1〜18のアルキレン基を示し、AはNa、
K又はHを示し、XはH又は−R3 COOB基(但し、
3 は炭素数1〜18のアルキレン基であり、BはN
a、K又はHである)を示す〕にて表されるカルボン酸
型アミンを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、コンタクトレンズ用液剤に係
り、特に、優れた防腐乃至は殺菌効果を発揮すると共
に、眼に対する安全性をも充分に備えたコンタクトレン
ズ用液剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、コンタクトレンズを装用している
と、涙液や眼脂に由来する、蛋白質や脂質等の汚れがコ
ンタクトレンズに付着する。そして、そのような汚れに
よって、装用感が悪化するばかりでなく、視力の低下
や、更には結膜充血といった眼障害が惹起されることが
ある。また、コンタクトレンズを継続して使用する場合
には、コンタクトレンズを目から外して保存している間
に、コンタクトレンズ表面に付着した細菌等の微生物が
増殖するおそれがあり、それらの微生物によっても、眼
に対して感染症等の悪影響がもたらされることがある。
【0003】そこで、コンタクトレンズを安全且つ快適
に装用するためには、定期的に洗浄・消毒等の手入れを
行なうことが必要となるが、そのようなコンタクトレン
ズの手入れの一般的な方法は、次のようなものである。
先ず、目から外したコンタクトレンズを界面活性剤入り
の洗浄剤で擦り洗いすることにより、コンタクトレンズ
に付着した脂質汚れを洗浄する。また、蛋白質汚れの除
去も必要とする場合には、蛋白分解酵素を含有した洗浄
剤に浸漬することにより、蛋白質の除去を行なう。その
後、すすぎ液ですすいでから、保存液で満たしたケース
内にコンタクトレンズを浸漬し、その状態で保存する、
というものである。また、特に、含水性コンタクトレン
ズの手入れの場合には、そのような含水性コンタクトレ
ンズの表面に対して微生物が付着、増殖し易いことか
ら、上記の一般的な手入れの他に、更に、煮沸器具を用
いて、コンタクトレンズを収容するケースごと、煮沸消
毒をする必要がある。
【0004】このように、コンタクトレンズに対する手
入れの作業は煩雑であり、また、その手入れの為には、
洗浄液、保存液、煮沸器具等、数種の液剤や器具を揃え
なければならず、その使用や維持にかかる手間やコスト
は、コンタクトレンズの使用者にとって大きな負担とな
るものであった。
【0005】そのような問題を解決するために、近年で
は、より簡便で、低コストなコンタクトレンズの手入れ
の方法として、保存液中に、界面活性剤や蛋白除去剤、
殺菌剤を添加することにより、液剤1本で、コンタクト
レンズに必要な手入れを全て行ない得るようにした、コ
ンタクトレンズ用液剤を用いる手入れの方法が、幾つか
提案されている。そして、そのようなコンタクトレンズ
用液剤を用いた手入れの方法における消毒処理には、上
記のような煮沸器具を必要とする熱消毒法ではなく、消
毒剤を用いた化学消毒法が採用されているところから、
従来の様に、専用の器具を用いた煮沸操作が不要とされ
るのであり、これによって、使用者のコンタクトレンズ
の手入れに対する手間が大幅に改善されるのである。
【0006】化学消毒効果をもつ殺菌剤として用いられ
ると同時に、保存剤としても用いられる、この様なコン
タクトレンズ用液剤には、その特性として、高い殺菌効
果を持つものであることが必要とされるのは勿論のこ
と、その液剤中にコンタクトレンズが長時間浸漬せしめ
られることから、眼に対する毒性の低いものであること
も必要とされている。
【0007】ところで、現在上市されているコンタクト
レンズ用化学消毒剤に用いられている殺菌剤には、チメ
ロサール、クロルヘキシジン、第4級アンモニウム塩類
(例として塩化ベンザルコニウム)等が使用されてい
る。例えば、特開昭52−109953号公報、特開昭
62−153217号公報、特開昭63−59960号
公報等においては、塩化ベンザルコニウムを0.001
〜0.2%の範囲で使用する、コンタクトレンズ殺菌剤
やコンタクトレンズ用剤、また、クロルヘキシジンを
0.01〜0.05%の範囲で使用するソフトコンタク
トレンズ用消毒剤が提案されている。
【0008】しかしながら、そのような殺菌剤がアレル
ギー増感剤として働き、眼に害を及ぼすといった事例
が、報告されている。その他にも、それらの殺菌剤を長
期に亘って使用するうちに、コンタクトレンズに殺菌剤
が吸着・蓄積され、そしてその高濃度に凝縮された殺菌
剤が、コンタクトレンズの装用中に放出されることによ
り、或いは、高濃度に殺菌剤が吸着したレンズと直接接
触することにより、角膜障害が惹起される等の可能性が
あることも、報告されている(「日本コンタクトレンズ
学会誌」34:267−276、277−282、19
92、35:219−225、1993、36:57−
61、1994、37:35−39、154−157、
1995)。
【0009】一方で、そのような危険を回避するため
に、眼に対する安全性を重視して、殺菌剤の使用濃度を
低く抑えることも考えられるが、そうした場合には、当
然、殺菌作用が低下することは免れないのであり、その
結果、十分な殺菌効果が得られず、コンタクトレンズに
対する微生物による汚染が懸念されるのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、十分な殺菌効力を有しながらも、眼に対する毒
性が低く、安全に使用出来るコンタクトレンズ用液剤を
提供することにある。
【0011】
【解決手段】そして、上記の如き課題を解決するため
に、本発明者等は、コンタクトレンズ用液剤における殺
菌剤について鋭意研究を重ねた結果、従来より、シャン
プー基剤等として知られている所定のカルボン酸型アミ
ンが、眼に対する毒性が低く、コンタクトレンズ用液剤
の防腐・殺菌成分として使用するに充分な安全性を持つ
ものであることを知見したのであり、そして更に検討を
進めた結果、かかるカルボン酸型アミンを、防腐・殺菌
剤としてコンタクトレンズ用液剤に含有せしめれば、コ
ンタクトレンズ用液剤として使用するに充分な殺菌効果
と安全性とを兼ね備たものとなることを見出し、本発明
を完成するに至ったのである。
【0012】すなわち、本発明は、上記の如き課題を解
決するために、下記化2:
【化2】 〔式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R
2 は炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Aは、N
a、K又はHを示し、XはH又は−R3 COOB基(但
し、R3 は炭素数1〜18のアルキレン基であり、Bは
Na、K又はHである)を示す〕にて表されるカルボン
酸型アミンを、防腐若しくは殺菌有効成分として含有す
るコンタクトレンズ用液剤を、その要旨とするものであ
る。
【0013】このように、本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤にあっては、所定のカルボン酸型アミンを防腐
若しくは殺菌のための有効成分として含有するものであ
ることから、その特徴として、幅広い抗菌スペクトルを
有する殺菌作用を持つものであり、しかも、眼に対する
毒性が極めて低いので、使用者の角膜に対して悪影響を
及ぼさず、これによって、優れた防腐・殺菌効果と高い
安全性を併せ持つ特長を発揮するものである。
【0014】しかも、そのようなカルボン酸型アミンは
両性界面活性剤でもあることから、液剤中に他種の殺菌
剤を添加する場合や、または洗浄成分として界面活性剤
を添加する場合においても、それら殺菌剤や界面活性剤
がアニオン性、非イオン性、カチオン性の何れの性状で
あっても、互いの効果を相殺することなく、その使用を
可能ならしめるものであり、従って、添加する殺菌剤及
び界面活性剤に対する選択の幅が著しく拡がる利点を有
している。
【0015】なお、かかる本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤にあっては、有利には、前記カルボン酸型アミ
ンが、0.01ppm以上500ppm未満の濃度にお
いて含有せしめられることとなる。このように、比較的
低い濃度でも、充分に殺菌効果が得られることから、低
濃度で使用することが出来、その場合、人体に対する影
響も更に低く抑えられ得るのである。
【0016】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤の好ましい態様の一つによれば、水素イオン濃度が、
pH5.0〜pH9.0の範囲とされるのであり、そし
て、この範囲にコンタクトレンズ用液剤の水素イオン濃
度を安定せしめるために、ホウ酸塩緩衝剤が、更に含有
せしめられることとなる。このホウ酸塩緩衝剤の更なる
含有によって、pHの安定性が向上せしめられるのは勿
論のこと、特に、カルボン酸型アミンの濃度が低濃度の
場合において、ホウ酸塩緩衝剤を含有しないものに比し
て、高い殺菌効果が得られるのであり、更に一層優れた
安全性をもったコンタクトレンズ用液剤が得られるので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】要するに、本発明は、殺菌効果と
眼に対する安全性に優れた、所定の構造(化2)を有す
るカルボン酸型アミンを、コンタクトレンズ用液剤の防
腐乃至は殺菌成分として用いることを特徴とするもので
あり、また、そのようなコンタクトレンズに対する手入
れを簡便に行ない得るコンタクトレンズ用液剤を得るこ
とを、その目的とするものである。
【0018】ところで、本発明に従うコンタクトレンズ
用液剤に用いられる、前記化2にて表されるカルボン酸
型アミンは、従来より、弱酸性シャンプー、コンディシ
ョニングシャンプー、及びカチオニックシャンプー等の
基剤等として、或いはエアゾールやクレンジングクリー
ム等の起泡剤等として用いられてきたものである。その
ような前記化2にて表されるカルボン酸型アミンにおい
ては、R1 は、炭素数6〜18のアルキル基とされ、好
ましくは炭素数8〜12のアルキル基が選択される。ま
た、R2 は、炭素数1〜18のアルキレン基とされ、好
ましくは炭素数2〜8のアルキレン基が選択される。更
に、Aは、Na、H、及びKの中から選ばれ、またXと
しては、H又は−R3 COOB基が選ばれる。ここで、
3 は炭素数1〜18のアルキレン基とされ、好ましく
は炭素数2〜8のアルキレン基が選択されるのであり、
またBはNa、K及びHの中から選ばれることとなる。
そして、このように規定されたものが、本発明に従うコ
ンタクトレンズ用液剤の殺菌成分として好適に用いられ
るのである。
【0019】そして、このカルボン酸型アミンとして
は、具体的には、例えば、前記化2において、R1 が炭
素数12のアルキル基とされ、且つR2 が炭素数2のア
ルキレン基とされ、AがHとされた、ラウリルアミノプ
ロピオン酸があり、また、R1が炭素数12のアルキル
基とされ、且つR2 及びR3 が、炭素数2のアルキレン
基とされ、AがHとされ、且つBがNaとされた、ラウ
リルアミノジプロピオン酸ナトリウムがある。更に、そ
れらの他にも、オクチルアミノプロピオン酸、オクチル
アミノジプロピオン酸ナトリウム、2−オクチルアミノ
プロピオン酸、2−オクチルアミノジプロピオン酸ナト
リウム、ノニルアミノプロピオン酸、ノニルアミノジプ
ロピオン酸ナトリウム、デシルアミノプロピオン酸、デ
シルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ウンデシルアミ
ノプロピオン酸、ウンデシルアミノジプロピオン酸ナト
リウム等を挙げることが出来る。そして、本発明におい
ては、これらカルボン酸型アミンの1種若しくは2種以
上が組み合わされて、用いられることとなるのである。
【0020】なお、このようなカルボン酸型アミンの中
でも特に好ましいものは、ラウリルアミノプロピオン酸
である。このラウリルアミノプロピオン酸を含有する商
品は既に市販されており、例えば「デリファット151
C」の名称にて、ヘンケル白水株式会社から、シャンプ
ー基剤として市販されている。更に、この商品は、化粧
品種別許可基準(JCIB)IV−407に収載されてい
るものであり、安全性の高い物質でもある。本発明にあ
っては、そのようなものを好適に利用することが出来る
のである。
【0021】また、上記のカルボン酸型アミンは、その
使用濃度が0.01ppm以上500ppm未満の範囲
で有効な効果を示し、そして好ましくは、0.1ppm
〜100ppmの範囲で用いることにより、特に有効な
防腐乃至は殺菌効果を示す。けだし、かかるカルボン酸
型アミンの濃度が0.01ppmよりも低くなると、目
的とする充分な防腐・殺菌効果が得られ難くなるからで
あり、またその濃度が500ppm以上と、高くなる
と、人体に対して悪影響を及ぼすおそれが生じるからで
ある。
【0022】さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤を使用するに適したpHの値としては、5.0〜
9.0の範囲が効果的である。けだし、かかるpHの値
が5.0よりも低い場合や9.0よりも高い場合には、
眼に対する刺激の原因となり、障害を惹起するおそれが
あるからである。
【0023】そして、そのようなコンタクトレンズ用液
剤のpHを、有効に且つ眼に対して安全な範囲に保つた
めには、一般に、少なくとも1種の緩衝剤が添加される
のであるが、この緩衝剤としては、従来から公知の各種
のものの中から適宜に選択されて用いられることとな
る。具体的には、ホウ酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、ト
リス緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤等が挙げられ、中でも、
ホウ酸塩緩衝剤との組み合わせで用いられることによ
り、前記したカルボン酸型アミンの濃度を低くしても、
有効な殺菌効果が得られることから、特に望ましい。な
お、かかる緩衝剤の配合割合は、一般に、0.05〜
3.0w/v%とされ、好ましくは0.1〜1.5w/
v%とされる。けだし、緩衝剤の濃度が、0.05w/
v%より低い場合には、コンタクトレンズ用液剤のpH
を一定に保つことが難しくなるからであり、また、3.
0w/v%より高くても、pHの安定性がより向上せし
められるというわけではないからである。
【0024】さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤にあっては、コンタクトレンズに付着した眼脂等の
汚れの除去効果を向上させるために、所定の界面活性剤
が有利に添加、含有せしめられることとなる。この界面
活性剤は、生体への安全性が高く、またコンタクトレン
ズの素材への影響がないものであれば、従来から公知の
如何なるものも採用され得るものである。特に、本発明
では、殺菌成分であるカルボン酸型アミンが両性物質で
あることから、アニオン性、カチオン性、両性、非イオ
ン性の各種界面活性剤のいずれを選択することも可能で
ある。
【0025】また、本発明においては、更に高い殺菌効
果を得るために、他の殺菌剤と併用することも可能であ
る。そのようなカルボン酸型アミンとの併用が可能な殺
菌剤としては、具体的には、カチオン性界面活性剤でも
あるグアニジン系殺菌剤、第4アンモニウム塩系殺菌
剤、チアゾリン系殺菌剤、両性界面活性剤でもあるグリ
シン系殺菌剤等が挙げられ、これらの殺菌剤と組み合わ
されることにより、それぞれの殺菌剤による殺菌効果が
相剰的に高められ、殺菌成分として前記カルボン酸型ア
ミンを単独で用いた場合よりも、より一層優れた殺菌効
果を引き出すことが出来る。
【0026】また、その他の添加成分として、キレート
剤、増粘剤、等張化剤、蛋白除去剤等も挙げられ、それ
らは、生体に対して安全であり且つコンタクトレンズの
素材に対して悪影響を与えないものであれば、従来より
公知の如何なるものも用いることが出来、それらを、必
要に応じて、カルボン酸型アミンの殺菌効果を阻害しな
い量的範囲において組み合わせて、コンタクトレンズ用
液剤中に含有せしめることも可能である。具体的には、
その含有せしめられるキレート剤としては、エデト酸ナ
トリウム、トリヒドロキシメチルアミノメタン等があ
り、増粘剤としては、プロピレングリコール、ヒドロキ
シメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、増粘多糖
類等が挙げられる。また、本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤をすすぎ液として、又は保存液として用いる場
合には、眼に対する刺激を和らげるために、等張化剤を
用いることが望ましく、その場合には、一般に150〜
400mOsm程度、好ましくは200〜350mOs
m程度の浸透圧に調製される。そのような等張化剤とし
ては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウ
ム等を用いることが出来る。更に、蛋白質汚れに対する
洗浄効果を持たせたい場合には、セリンプロテアーゼ、
チオールプロテアーゼ、金属プロテアーゼ、カルボキシ
ルプロテアーゼ等の蛋白除去剤(蛋白分解酵素)の中か
ら、適宜選択して含有せしめることが可能である。
【0027】ところで、本発明に従うカルボン酸型アミ
ンを含有するコンタクトレンズ用液剤を調製するにあた
っては、特殊な方法を必要とせず、通常の水溶液を調製
する場合と同様に、所定量の滅菌精製水中に各成分を溶
解させることにより、容易に得られるものである。ま
た、そのようにして得られるコンタクトレンズ用液剤は
澄明であり、必要に応じて無菌濾過等を行なうことも出
来る。
【0028】そして、以上のようにして得られた本発明
に従うコンタクトレンズ用液剤を用いて、コンタクトレ
ンズの手入れを行なうに際しては、具体的には、下記の
ような手法に従って行なわれることとなる。先ず、眼か
ら外したコンタクトレンズに対して、本発明に従うコン
タクトレンズ用液剤を数滴、滴下し、その後、かかるコ
ンタクトレンズを親指と人指し指の間、或いは掌の上に
保持しながら、数十秒間、擦り洗いする。次いで、かか
るコンタクトレンズ用液剤を用いて、コンタクトレンズ
をすすいだ後、該コンタクトレンズ用液剤で満たした保
存ケース中に10分から24時間、好ましくは30分か
ら4時間浸漬することにより、保存消毒を行なうのであ
る。但し、これは、あくまでも例示であって、本発明の
液剤を用いたコンタクトレンズの手入れの方法は、上記
に限定されるものではないことが理解されるべきであ
る。
【0029】そして、上記の一連の操作によって、従来
のように煮沸器具等の特別な器具を用いることなく、コ
ンタクトレンズを、効果的に、且つ簡便に消毒すること
が出来ることとなったのである。また、それと同時に、
殺菌成分であるカルボン酸型アミンが眼に対して高い安
全性を持つことから、コンタクトレンズを上記コンタク
トレンズ用液剤に長時間浸漬する場合においても、眼に
対する障害を惹起するようなことがなく、安全にコンタ
クトレンズの消毒処理が出来るのである。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0031】実施例 1 ─殺菌効果試験:pHの影響─ 供試菌として緑膿菌(P.a.;Pseudomonas aeruginosa A
TCC 9027)を用い、ソイビーンカゼイン培地で35℃×
24時間培養したものを、生理食塩水にて懸濁して、1
8 cfu/mLの供試菌液となるように調製した。
【0032】一方、本発明例1〜3及び比較例1〜3の
各種のコンタクトレンズ用液剤を、下記表1に示される
成分組成において調製すると共に、そのpHを調整し
た。次いで、この調製された各種コンタクトレンズ用液
剤の10mLを、それぞれ、別の滅菌済み試験管に取
り、そこへ、上記の供試菌液の0.05mLを加えた。
その後、それら各種の供試菌液配合液を、23℃の恒温
槽中にて保管し、そして該配合液の調製から4時間後、
及び24時間後に各配合液の一定量を取り出し、それぞ
れの配合液について、滅菌済み生理食塩水を用いて希釈
し、混釈平板法によって生菌数を調べた。この混釈平板
法における培養には、ソイビーン・カゼイン培地を用い
て35℃×3日間の条件で培養を行なう方法を採用し
た。
【0033】上記の方法により、接種直後の生菌数と、
配合液の調製から4時間後、及び24時間後の生菌数と
から、それぞれの時点での菌の減少率を求め、その結果
を併せて表1に示した。なお、ラウリルアミノプロピオ
ン酸としては、「デリファット151C」(ヘンケル白
水株式会社製)を用いた。以下の実施例についても同様
に、ラウリルアミノプロピオン酸として、「デリファッ
ト151C」を用いている。
【0034】
【0035】上記の結果より、本発明例1〜3に係るコ
ンタクトレンズ用液剤を用いた場合には、比較例1〜3
のコンタクトレンズ用液剤と比較して、何れのpHにお
いても高い殺菌効果があることが分かる。
【0036】実施例 2 ─増殖阻害効果試験:他の殺菌剤との組み合わせによる
影響─ カルボン酸型アミンに他の殺菌剤を組み合わせた場合
の、細菌に対する増殖阻害効果を調べた。
【0037】日本化学療法学会のMIC測定法に準じ
て、以下の様にして、菌の増殖の有無を観察した。即
ち、緑膿菌(P.a.)及び黄色ブドウ球菌(S.a.;Staphy
lococcusaureus ATCC 6538 )を用い、それぞれを、ソ
イビーンカゼイン培地にて35℃×24時間培養したも
のを生理食塩水にて懸濁し、107 cfu/mLの供試
菌液となるように調製した。
【0038】続いて、下記表2〜5に示される成分組成
となるように、カルボン酸型アミンであるラウリルアミ
ノプロピオン酸に対して、4級アンモニウム塩系殺菌剤
であるヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、又はグ
リシン系殺菌剤であるアルキルアミノエチルグリシン塩
酸塩を組み合わせた試験溶液を、ミューラーヒントン培
地で調製し、その試験溶液1mLに対して、前記供試菌
液を0.01mL加え、35℃×24時間培養した後、
菌の増殖の有無を観察した。その結果を、P.a.に対する
効果については表2、3に示し、またS.a.に対する効果
については表4、5に示した。なお、評価の基準は、下
記の通りである。 +++:菌の増殖による濁りが著しく観察された。 ++:菌の増殖による濁りが観察された。 +:菌の増殖による濁りが僅かに観察された。 −:菌の増殖が観察されなかった。
【0039】ここで、ラウリルアミノプロピオン酸とし
ては「デリファット151C」(ヘンケル白水株式会社
製)を、また、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩
としては「PB−300」(日本油脂製)、アルキルア
ミノエチルグリシン塩酸塩としては「テゴ−51」(日
本商事製)を使用した。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】上記の結果より、カルボン酸型アミンを他
の殺菌剤と組み合わせた場合には、それぞれを単独で使
用する場合よりも、菌の発育を完全に抑えるか、或いは
増殖を遅らせることが可能であることを見出した。
【0045】実施例 3 ─殺菌効果試験:緩衝剤の影響─ 下記の処方に従い、ホウ酸塩緩衝剤(BBS)及びトリ
ス緩衝剤(TRIS)を調製し、それら2種類の緩衝剤
及び精製水(NBS)を用いて、ラウリルアミノプロピ
オン酸の濃度が100ppm、50ppm、25pp
m、12.5ppm、及び0ppmとなるように調製し
たコンタクトレンズ用液剤を準備し、それぞれについて
の殺菌効果を調べた。
【0046】─ホウ酸塩緩衝剤の成分─ ホウ酸・・・・・・・・・・・・・・・・0.64% ホウ砂・・・・・・・・・・・・・・・・0.47% 塩化ナトリウム・・・・・・・・・・・・0.49% ─トリス緩衝剤の成分─ 2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール・・・0.061% 塩化ナトリウム・・・・・・・・・・・・0.59 % 塩酸・・・・・・・・・・・・・・・・・適 量
【0047】供試菌として黄色ブドウ球菌(S.a.)、セ
ラチア・マルセッセンス(S.m.;Serratia marcescens
ATCC13880 )、カンジダ・アルビカンス(C.a.;Candid
a albicans ATCC 10231 )を用い、S.a.についてはソイ
ビーンカゼイン培地で35℃×24時間培養したもの
を、またS.m.についてはソイビーンカゼイン培地で30
℃×24時間培養したものを、更にC.a.についてはブド
ウ糖ペプトン培地で23℃×48時間培養したものを用
いて、それぞれ生理食塩水に懸濁し、106 〜107
fu/mLの供試菌液となるように調製した。
【0048】続いて、各緩衝液で2倍階段希釈した試験
溶液1mLに供試菌液を0.01mL加え、23℃のイ
ンキュベーター内に保管した。これにより、供試菌を1
5〜106 cfu/mLとした。そして、4時間後に
各々の一定量を取り出し、平板塗末法を用いて生菌数を
調べた。培養条件は、ソイビーンカゼイン培地にて、S.
a.が35℃×3日間、S.m.が30℃×3日間、C.a.が2
3℃×5日間とした。上記の方法に従って得られた、培
養後の増殖状態をそれぞれの菌について観察し、以下の
判定基準に従って判定した。その判定結果を、S.a.につ
いては表6に、S.m.については表7に、C.a.については
表8に示す。 ++++:104 cfu/mL以上 +++:103 〜104 cfu/mL ++:102 〜103 cfu/mL +:10〜102 cfu/mL −:10cfu/mL以下
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】上記の結果により、緩衝剤と組み合わせる
ことによって殺菌効果がより高くなることが分かるので
あり、特に、ホウ酸塩緩衝剤との組み合わせによるもの
が、より有効に殺菌効果が発揮されるようになることが
分かる。
【0053】実施例 4 ─殺菌効果試験:真菌に対する効果─ 供試菌にアスペルギルス・ニガー(A.n.;Aspergillus
niger ATCC 16404)及びカンジダ・アルビカンス(C.
a.)を用いた。そして、A.n.は、ブドウ糖ペプトン培地
で23℃×7日間培養したものを、ポリソルベート80
を0.05%含む生理食塩水に懸濁した後、滅菌ポリプ
ロピレン製綿にて濾過することにより得た胞子懸濁液を
108 cfu/mLとなるように調製したものを、供試
菌液とした。また、C.a.については、実施例3と同様に
して、108 cfu/mLの供試菌液を調製した。
【0054】次いで、本発明例4、5及び比較例4のコ
ンタクトレンズ用液剤を、下記表9に示される成分組成
となるように調製した。また、下記表10に示す、現在
上市されている他社製のソフトコンタクトレンズ用化学
消毒剤を比較例5〜7のコンタクトレンズ用液剤として
用意した。
【0055】上記で用意した各コンタクトレンズ用液剤
と供試菌液を用いて、実施例1と同様にして、それらの
配合液を調製し、それを23℃の恒温槽中に保管し、そ
して該配合液の調製から2時間後、及び4時間後に各試
験液の一定量を取り出し、実施例1と同様にして、生菌
数を調べた。但し、この時の培養条件は、ブドウ糖ペプ
トン培地にて、23℃×5日間であった。
【0056】上記の方法により、接種直後の生菌数と、
配合液の調製から2時間後、及び4時間後の生菌数とか
ら、それぞれの時点での菌の減少率を求め、その結果を
表11に示した。
【0057】
【0058】
【0059】 ─:未実施
【0060】上記の結果より、本発明例4、5に係るコ
ンタクトレンズ用液剤を用いた場合には、現在上市され
ている他社のコンタクトレンズ用化学消毒剤と比較し
て、かなり高い殺菌効果があることが分かる。
【0061】実施例 5 ─殺菌効果試験:低濃度におけるホウ酸塩緩衝剤の影響
─ 下記表12に示される成分組成に調製された、本発明例
6〜8及び比較例8のコンタクトレンズ用液剤につい
て、緑膿菌(P.a.)を用いた殺菌効果試験を、実施例1
と同様にして行なった。そして、接種直後の生菌数と、
配合液の調製から4時間後、及び24時間後の生菌数と
から、緑膿菌の減少率を求め、その結果を表12に併せ
て示した。
【0062】
【0063】上記の結果より、本発明に係るコンタクト
レンズ用液剤にホウ酸塩緩衝剤を含有させた場合には、
カルボン酸型アミンの濃度が低いものであっても、充分
な殺菌効果を得ることが出来ることが分かる。
【0064】実施例 6 ─細胞毒性試験:ソフトコンタクトレンズへの影響─ 本発明例のコンタクトレンズ用液剤を用いて、以下のよ
うに細胞毒性試験を行ない、安全性に対する評価を行な
った。
【0065】先ず、実施例5で用いた、本発明例6、7
に係るコンタクトレンズ用液剤と、クロルヘキシジンの
0.05%水溶液からなるコンタクトレンズ用液剤(比
較例9)とを、それぞれ試験液として用意した。各試験
液2.0mL中に、それぞれ1枚ずつソフトコンタクト
レンズ(メニコンソフト72:株式会社メニコン製)を
18時間浸漬して、それらを供試レンズとして用意し
た。
【0066】一方、37℃のCO2 インキュベーター内
において3日間培養したL−929細胞を、トリプシン
/EDTA溶液を用いてフラスコから剥がし、MEMイ
ーグル培地を用いて、約2×105 cell/mLの細
胞浮遊液とした。この細胞浮遊液を、60mm×15m
mのシャーレに4.5mLずつまき、再び、37℃のC
2 インキュベーター内で48時間培養した。その後、
古い培地を捨て、ここに重層用寒天培地を4.5mL流
し、固まったことを確認した後、更に、ニュートラルレ
ッド溶液を加え、37℃のCO2 インキュベーター内で
1時間培養した後、余分なニュートラルレッド溶液を捨
てた。そして、その上に、前記供試レンズを乗せ、その
まま、37℃のCO2 インキュベーター内で48時間培
養した後、下記の方法に従って、毒性の評価を行なっ
た。
【0067】毒性の評価は、死細胞による退色ゾーンの
大きさと、レンズ直下に位置した細胞の融解の程度を観
察することにより、行なった。退色ゾーンについては、
その大きさを肉眼により観察し、細胞の融解の程度につ
いては、その割合を倒立顕微鏡を用いて観察した。評価
の基準を下記表13に示し、それに従う観察結果を下記
表14に示す。
【0068】
【0069】
【0070】その結果、本発明例6、7に係るコンタク
トレンズ用液剤の何れにおいても、細胞の退色及び融解
の観察が皆無であったことから、それら本発明例の液剤
については、細胞に対する毒性が認められず、眼に対し
て安全性の高いものであることが確認された。これに対
して、比較例9で用いたクロルヘキシジンに代表される
ような、従来から用いられている殺菌剤には、細胞に対
する毒性が認められ、眼に対して必ずしも安全とは言え
ないものであった。
【0071】実施例 7 ─洗浄効果試験─ 下記表15に示されるような本発明例9、10のコンタ
クトレンズ用液剤について、以下のようにして、洗浄効
果確認試験を行なった。なお、2−アルキル−N−カル
ボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム
ベタインは両性界面活性剤である。
【0072】先ず、かかる洗浄効果確認試験に用いるた
めに、ソルビタンモノオレイン酸エステル:6w/v
%、ヒマシ油:16w/v%、ラノリン:35w/v
%、オレイン酸:5w/v%、ソルビタントリオレイン
酸エステル:4w/v%、セチルアルコール:2w/v
%、コレステロール:2w/v%、及び酢酸コレステロ
ール:30w/v%を溶解し、攪拌によって均一化され
た人工脂質液2.5部と、生理食塩水97.5部とを混
合して、人工脂質溶液を調製した。
【0073】ハードコンタクトレンズ(メニコンスーパ
ーEX:株式会社メニコン製)を供試レンズとして用意
し、その表面に前記人工脂質溶液を5μLずつ、レンズ
両面に均一に付着させて、人工脂質汚れ付着レンズを得
た。そして、この得られた人工脂質汚れ付着レンズを掌
に取り、これに試験溶液をコンタクトレンズの片面あた
り3滴(1枚あたり6滴)滴下し、指先で5秒間擦るこ
とにより、コンタクトレンズの洗浄処理を行なった。
【0074】
【表15】
【0075】かかる洗浄処理の後、コンタクトレンズの
外観を観察したところ、コンタクトレンズに付着せしめ
られた人工脂質汚れは、何れのレンズにおいても完全に
除去されていた。この結果からも明らかなように、本発
明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、その優れ
た殺菌作用に加えて、優れた洗浄作用も有しているので
ある。
【0076】なお、以上の実施例の結果は、安全性の面
からも、殺菌効力の面からも、本発明に従うカルボン酸
型アミン含有のコンタクトレンズ用液剤が、従来の殺菌
剤を用いたコンタクトレンズ用液剤よりも優れているこ
とを示している。
【0077】
【発明の効果】以上の説明より明らかな如く、本発明に
従うコンタクトレンズ用液剤では、殺菌成分としてカル
ボン酸型アミンを用いていることにより、他の殺菌剤を
使用したコンタクトレンズ用液剤と比較して、殺菌剤の
濃度を低く抑えた場合においても、高い殺菌効果が得ら
れることから、殺菌効果に優れたものであると言える。
また、眼に対する安全性の面においても、従来より用い
られているものと比較して、有利に優れているのであ
る。この様に、安全であることと、更には優れた洗浄効
果も併せ持つことから、本発明に従うコンタクトレンズ
用液剤1つで、ソフトコンタクトレンズ及びハードコン
タクトレンズの何れに対しても、洗浄、消毒、すすぎ、
保存の各処理が施され得、また、消毒処理として化学消
毒法を採用しているところから、煮沸器具等を必要とし
ないのであって、コンタクトレンズの手入れにおける使
用者の負担を極力抑えることが出来るのである。
【0078】また、このカルボン酸型アミンは両性物質
であるところから、両性、アニオン性、非イオン性、カ
チオン性の何れの界面活性剤や殺菌剤とも組み合わせる
ことが可能であり、その選択の幅が拡がるのである。そ
して、そのような他の殺菌剤との組み合わせ方によって
は、それぞれの殺菌剤の持つ殺菌効果を互いに高め合
い、より有効な殺菌効果を発揮せしめ得ることとなるの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1: 【化1】 〔式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R
    2 は炭素数1〜18のアルキレン基を示し、AはNa、
    K又はHを示し、XはH又は−R3 COOB基(但し、
    3 は炭素数1〜18のアルキレン基であり、BはN
    a、K又はHである)を示す〕にて表されるカルボン酸
    型アミンを、防腐若しくは殺菌有効成分として含有する
    コンタクトレンズ用液剤。
  2. 【請求項2】 前記カルボン酸型アミンが、0.01p
    pm以上500ppm未満の濃度において含有されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ
    用液剤。
  3. 【請求項3】 水素イオン濃度が、pH5.0〜pH
    9.0の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載のコンタクトレンズ用液剤。
  4. 【請求項4】 ホウ酸塩緩衝剤を更に含有していること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコ
    ンタクトレンズ用液剤。
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