JP3625543B2 - 抗菌剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は抗菌剤に関するものである。さらに詳しくは、水、香粧品、樹脂、塗料等に添加してこれらに抗菌性を付与し、あるいは砂、セラミックス粉末等に担持せしめて種々の抗菌性製品を得ることのできる抗菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、清潔志向が高まるにつれて抗菌性を付与した製品、例えば抗菌性繊維を用いた靴下、肌着、カーテン、抗菌性樹脂を用いた歯ブラシ、電話機、食器乾燥機、洗濯機、便座、ペン等の様々な製品が現れてきている。これらの抗菌性を有する製品は、抗菌剤をそのままあるいは塗料に抗菌剤を配合したものを被処理物に塗布し、または合成樹脂に抗菌剤を配合し種々の製品に加工して得られる。
【0003】
古くから銀、銅などの金属あるいはその化合物は殺菌性を有することが知られており、近年抗菌剤にこれらの金属を用いた例が報告されている。これらの抗菌剤としては、例えば銀、銅などの金属又はその化合物を活性炭、セラミックス、ガラス、ゼオライト等の担体に担持せしめた無機系抗菌剤、金属粉末を分散した多孔質プラスチックを用いるもの(特開昭55−89336)、金属を吸着したキレート樹脂を用いるもの(特公昭63−11076)、N−長鎖アシルアミノ酸の金属塩を用いるもの(特開平3−181403)等の有機系抗菌剤を用いるものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来知られているこれらの抗菌剤は、種々の欠点があった。例えば無機系の抗菌剤は、液状で用いる場合、液体に添加してもすぐに分離して効果を発揮し難い。さらに合成樹脂や塗料等に用いる場合には効果が発現し難いので多量に添加しなければならず、そのため合成樹脂や塗料等の物性を低下させるという問題点があった。また金属を分散した多孔質プラスチックや金属を吸着したキレート樹脂は、カラムに充填して水と接触し殺菌する用途には効果を発揮するが、基材を多孔質にして金属と水との接触率を高めているため、これを合成樹脂や塗料等に配合して用いようとしても、孔が塞がれてしまい効果を発揮し難く、また水系以外の用途には適していなかった。一方N−長鎖アシルアミノ酸の金属塩を用いるものは、液体に用いる場合に溶解性を高めるためにアンモニア水等の溶媒を必要とし、この液体あるいはこれを含有せしめた塗料は作業環境を低下させる問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の点に着目し行ったもので、溶剤等の特別な助剤を要すること無く水等の液体に分散又は可溶化し、合成樹脂、塗料との相溶性も良く、これらに良好な抗菌性を付与することのできる抗菌剤、およびこれを含有する抗菌性樹脂、抗菌性塗料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、アルキルアミノアルキレンカルボン酸の特定な金属塩のエチレンオキサイド付加体が、溶剤等の特別な助剤を要すること無く水等の液体に分散又は可溶化し、合成樹脂、塗料との相溶性も良く、これらに良好な抗菌性を付与することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
即ち、本発明は、下記化2で表されるアルキルアミノアルキレンカルボン酸の金属塩のエチレンオキサイド付加体を用いる抗菌剤である。
【0008】
【化2】
Figure 0003625543
【0009】
本発明に用いる化2で表されるアルキルアミノアルキレンカルボン酸の金属塩のエチレンオキサイド付加体としては、炭素数が8〜22のアルキルアミンに、アルキレンカルボン酸基を導入し、金属塩として得られたものに、所定量のエチレンオキサイドを付加して得られたものが挙げられる。
【0010】
上記アルキルアミンとしては、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミン等の飽和脂肪族アミン及び、オレイルアミン等の不飽和脂肪族アミンが挙げられ、これらのアルキルアミンは脂肪酸とアンモニアとの脱水反応によってニトリル化合物を得、さらに接触還元反応を行い合成して得られるアルキルアミン、あるいは市販のものを用いることができる。その炭素数は8〜22のものが、水等の液体に分散又は可溶化し、合成樹脂、塗料との相溶性に優れるアルキルアミノアルキレンカルボン酸の金属塩のエチレンオキサイド付加体が得られて好ましい。アルキルアミノアルキレンカルボン酸の金属塩のエチレンオキサイド付加体が炭素数が8未満のアルキルアミンから得られたものであると、親水性が高く、抗菌剤が水等に接触した時に溶出され易く、効果が現れ難く、また炭素数が22を越えるアルキルアミンから得られたものであると水等への溶解性が低下し、水系の溶液とし難く、効果も現れ難くなり好ましくない。
【0011】
アルキレンカルボン酸基としては、酢酸基(化2式中、m=1)及び又はプロピオン酸基(化2式中、m=2)が挙げられ、酢酸基を導入する方法としては、アルキルアミンにモノクロル酢酸ナトリウムを反応する方法が挙げられ、プロピオン酸基を導入する方法としては、アルキルアミンに、エステル基又はニトリル基を有する不飽和性単量体を付加した後、エステル基又はニトリル基を加水分解する方法が挙げられる。
【0012】
アルキルアミンにモノクロル酢酸ナトリウムを反応する方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリの存在下、水又は溶媒中、アルキルアミンに、モノクロル酢酸ナトリウムを添加し、50〜100℃で1〜20時間反応する方法が挙げられる。この反応において、アルカリの添加は、必要な量の全てを一度に添加しても良いが、必要な量を約2回に分け、反応を始める時と、反応後のPHが9以下になった時の、二度に渡って添加することが好ましく、こうすることにより、アミノ基へのモノクロル酢酸ソーダの付加反応を順調に行うことができる。
【0013】
また、アルキルアミンにエステル基又はニトリル基を有する不飽和性単量体を付加する方法としては、溶媒の存在下、又は不存在下に、アルキルアミンに、該不飽和性単量体を添加し、50〜150℃で1〜10時間反応して単量体を付加した後、これにアルカリ、もしくは酸の水溶液を加え、50〜150℃で1〜10時間反応して、単量体により導入されたエステル基またはニトリル基の加水分解を行う方法が挙げられる。加水分解に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、酸としては塩酸、硫酸等が挙げられる。
【0014】
上記単量体のうち、エステル結合を有するものとしては、アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、エステル基を構成するアルキル基は炭素数1〜6が好ましい。またニトリル基を有するものとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】
このようにしてアルキルアミノアルキレンカルボン酸またはそのアルカリ金属塩が得られるが、アルキレンカルボン酸塩基を1ケ導入した化合物にエチレンオキサイドを付加することにより、(ポリ)オキシエチレン基が導入される
【0016】
エチレンオキサイドを付加する場合には、アルキルアミノアルキレンカルボン酸のカルボン酸基がアルカリ金属塩であることが好ましい。アルキルアミノアルキレンカルボン酸をアルカリ金属塩にするには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いて中和することで、カルボン酸基を容易にアルカリ金属塩とすることができる。
【0017】
アルキルアミノアルキレンカルボン酸アルカリ金属塩にエチレンオキサイドを付加する反応は、常法に従って行うことができ、例えば水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコラート等の触媒の存在下、又は不存在下、アルキルアミノアルキレンカルボン酸アルカリ金属塩に50〜200℃でエチレンオキサイドを付加して行うことができる。アルキルアミノアルキレンカルボン酸アルカリ金属塩に付加せしめるエチレンオキサイドの量は、アルキルアミノアルキレンカルボン酸アルカリ金属塩1モルに対して50モル以下のものが水等の液体に分散又は可溶化し、合成樹脂、塗料等との相溶性に優れ、良好な抗菌性を付与することができる。50モルを越えてエチレンオサイドを付加したものは、抗菌効果が現れ難くなる。
【0018】
アルキルアミノアルキレンカルボン酸のエチレンオキサイド付加体は、カルボン酸基鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀又は金塩となっていることにより、良好な抗菌性発揮される。カルボン酸基をこれらの金属塩基にする方法としては、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀又は金を含む水溶性無機化合物等を用い、アルキルアミノアルキレンカルボン酸が酸型の場合中和反応を行い、またアルカリ塩型の場合複分解反応を行い、次いで必要により脱塩を行って、それぞれ用いた水溶性無機金属化合物の塩とすることができる。鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀又は金を含む水溶性無機化合物としては、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀又は金それぞれの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等が挙げられる。
【0019】
本発明はこのようにして得られるアルキルアミノアルキレンカルボン酸の金属塩のエチレンオキサイド付加体を抗菌剤として用いるものであり、本発明の抗菌剤は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、枯草菌等の菌類、カンジダ菌、黒色酵母菌等の酵母菌類、ツチアオカビ、アカカビ、アオカビ、クロコウジカビ、クモノスカビ等の真菌類等に対する抗菌性を有する。
【0020】
本発明の抗菌剤は、優れた抗菌性を有し、かつ水溶性及び塗料、合成樹脂との相溶性に優れ、水に溶解して水系に用いる方法、香粧品、塗料等に添加して用いる方法、担体に担持せしめて用いる方法、合成樹脂に含有せしめて用いる方法等により種々の製品に抗菌性を付与することができる。
【0021】
例えば水系に用いる場合には、プール、水槽、池、風呂、クーラント水等の水に、本発明の抗菌剤を直接加えて溶解もしくは分散するか、抗菌剤を水または必要により水に溶剤を加えて調製した水溶液を前記の水に加え、これらの水を殺菌し、又は水中での藻の発生を防ぐことができる。水系に用いる場合の抗菌剤の添加量は、0.0001〜0.1重量%程度が好ましい。
【0022】
また香粧品等に添加して用いる場合、シャンプー、リンス、化粧料、ローション、クリーム等の香粧品等を構成する界面活性剤、気泡安定剤、増粘剤、コンディショニング剤、パール化剤等の基剤に本発明の抗菌剤を1〜50重量部配合すると、これら香粧品に抗菌性を付与することができ、特にシャンプーやリンスに用いると抗菌性とともにフケの発生を防止することができ好ましい。
【0023】
塗料に添加して用いる場合には、脂肪酸、エポキシ樹脂、ビニルエステル、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の基剤に本発明の抗菌剤を0.1〜10重量%添加して抗菌性を有する塗料とし、建築物、水中構造物、船舶、住宅などの壁装材料に用いて、これらの塗装面に抗菌性を付与することができる。
【0024】
担体に担持せしめて用いる場合には、本発明の抗菌剤を砂、セラミック粒子、ガラス粒子等の表面に塗布し、必要により乾燥してこれらの被処理物に抗菌性を付与せしめ、また抗菌剤の水溶液を紙、布、皮革、壁装材料、魚網等に含浸せしめ、必要により乾燥してこれらの被処理物に抗菌性を付与することができる。担体に担持せしめて用いる場合の抗菌剤の添加量は、被処理物に対し0.1〜10重量%が好ましい。
【0025】
合成樹脂に含有せしめて用いる場合には、本発明の抗菌剤を合成樹脂に練り込んで、抗菌性を有する樹脂とし、これをフィルム、シート、プレート、繊維、あるいは種々の形状に成形して衣料、文房具、玩具、プラスチック製品、包装材料等の抗菌性を有する生活用品、衛生材料を得ることができる。抗菌剤を合成樹脂に練り込む方法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形、ロール成形等の通常の成形方法が挙げられ、合成樹脂に練り込む抗菌剤の量は、合成樹脂に対し0.1〜10重量%が好ましい。
【0026】
前記合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−4−メチルペンテン、アイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、メタクリル樹脂、エチレン酢ビ共重合樹脂、エチレン塩ビ共重合樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、あるいはこれらの共重合樹脂等の各種合成樹脂等が挙げられる。
【0027】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されない。以下「%」は「重量%」を表す。
【実施例】
【0028】
・抗菌剤の調製
抗菌剤は以下のようにアルキルアミンに酢酸ナトリウム基又はプロピオン酸ナトリウム基を導入した後、エチレンオキサイドを付加し、次いで無機塩を用いて複分解反応を行い所定の金属塩としたものを用いた。実施例、比較例に用いた抗菌剤の製造法を以下に、その組成を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003625543
【0030】
・酢酸基の導入反応条件
モノクロル酢酸ナトリウムの20%水溶液に、アルキルアミンと所定量の半分の量の水酸化ナトリウム40%水溶液を加えて、80℃で2時間反応後、さらに残りの量の苛性ソーダ40%水溶液を加えて5時間反応して、アルキルアミンに酢酸ナトリウム基を導入し、導入後減圧下に脱水した。
【0031】
・プロピオン酸基の導入条件
アルキルアミンに、液温を80℃に保ちながら所定量のアクリル酸メチルを1〜4時間で滴下し、同温度で5時間反応を行った。次いで反応混合物を90℃に加熱し、付加したアクリル酸メチルの1倍モル量の苛性ソーダを40%水溶液にて2時間かけて滴下し、滴下後、同温度で2時間熟成して、アルキルアミンにプロピオン酸ナトリウム基を導入し、導入後減圧下に脱水した。
【0032】
・エチレンオキサイドの付加条件
酢酸ナトリウム基又はプロピオン酸ナトリウム基を導入したアルキルアミンに、水酸化ナトリウムの存在下、120〜130℃で所定量のエチレンオキサイドを徐々に加えて付加反応を行った。
【0033】
・複分解反応
酢酸ナトリウム基又はプロピオン酸ナトリウム基およびエチレンオキサイドを導入したアルキルアミンを、その20%水溶液とし、この水溶液に塩化亜鉛、硫酸銅又は硝酸銀の20%水溶液を加え、50〜100℃で1〜4時間反応後、生成した沈殿を濾過し、乾燥して、当該金属塩を得た。
【0034】
実施例1
表1に示す抗菌剤の0.5%水溶液を調製し、この水溶液300mlに10gの布(カナキン3号)を浸漬して含浸させ、75〜85℃で乾燥して、約0.5%の抗菌剤を塗布した処理布を得、この処理布を用いて抗菌性試験を行った。抗菌剤で処理した布の抗菌性試験方法を以下に、その試験結果を表2に示した。
【0035】
【表2】
Figure 0003625543
【0036】
・抗菌性試験方法
AATCC Test Method 90(ハロー法)に準拠し、細菌類については約10万個の菌体を含む肉エキス寒天培地20ml(直径9cm)を用い、その中央表面に試料を載せ、37℃で24時間培養した後、菌に対する阻止帯形成の有無を観察し、以下の基準に従って抗菌性を評価した。
○:明瞭な阻止帯の形成が認められる。
△:阻止帯の形成が認められる。
×:阻止帯の形成が認められない。
なお、真菌類については約10万個の胞子を含むポテト−蔗糖寒天培地を用い、培養は25℃で一週間行った。
【0037】
実施例2
表1に示す抗菌剤の溶液(MIBK−トルエン2:1混合溶剤の3%溶液)20mlを、砂100gに添加し、混合後90〜120℃で6時間乾燥して、抗菌剤を0.1%塗布した砂を得た。得られた抗菌剤で処理した砂を用いて表3に示す細菌に対する抗菌性試験を行った。抗菌剤で処理した砂の抗菌性試験方法を以下に、その試験結果を表3に示した。
【0038】
【表3】
Figure 0003625543
【0039】
・抗菌剤処理砂の抗菌性試験方法
滅菌した容量30mlのポリビン(径25mm)に抗菌剤で処理した砂6mlを入れ、これに菌液(大腸菌約10万個/1ml)1mlを添加し、常温で24時間静置後、リン酸緩衝液で砂を洗浄し、菌数測定用培地(栄研化学株式会社製、標準寒天培地)を用いる寒天平板混釈法(36℃、24時間)により、洗浄液中の生菌数を測定した。アカカビについては菌数約10万個/1mlの菌液1mlを用い、同様に抗菌試験を行い、培地にポテト−蔗糖寒天培地を用い、25℃で一週間培養して洗浄液中の生菌数を測定した。
【0040】
実施例3
表1に示す抗菌剤をABS樹脂(トヨラック500、東レ株式会社製)に対し1.0%加え、均一に混合後、サーモプラスチック工業株式会社製30mm単軸押出成形機にて抗菌剤を配合したペレットを作製し、次いでこれを東洋機械金属株式会社製30t射出成形機にて220〜240℃で、厚さ2.5mm×30mmφの円形プレートに成形して抗菌剤を含有する樹脂を調製し、これを用いて実施例1と同様に抗菌性試験を行いその結果を表4に示した。
【0041】
【表4】
Figure 0003625543
【0042】
実施例4
ポリ塩化ビニル共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル85:15共重合体)13部に、タルク5部、ステアリン酸アルミニウム5部及び表1に示す抗菌剤(MIBK−キシレン2:1混合溶剤の20%溶液)100部を配合して抗菌剤を含有する塗料を製造し、この塗料を用いて円形鉄板(厚さ5mm×30mmφ)の表面に1回当りの膜厚が30μとなるように2回塗ったものを試料とし、これを用いて実施例1と同様に抗菌性試験を行い、その結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
Figure 0003625543
【0044】
実施例5
表1に示す抗菌剤を用いて次に示す組成に配合してシャンプーを調整し、洗髪試験を行い洗髪性能を試験した。その結果を表6に示す。前記複分解反応を行う前のアルカリ金属塩を用いて同様に調製したシャンプー、ピリチオン亜鉛を配合した市販シャンプーについても、同様に洗髪試験を行い洗髪性能を評価し、その結果を表6に示す。
【0045】
【表6】
Figure 0003625543
【0046】
・シャンプーの配合比
抗菌剤 5部
アルキルエーテル硫酸塩 10部
ヤシ脂肪酸アミドエーテル硫酸塩 10部
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 5部
アルカノールアミド 3部
エチレングリコールジステアレート 1部
水 66部
【0047】
・シャンプーの洗髪試験方法
上記の組成に配合したシャンプーを用い、パネラー10人、試料5ミリリットルを用いた洗髪を3回行い、フケの発生状況及び濯ぎ時の濯ぎ性、脱脂感、ぬめり感、洗い上がり時のさっぱり感を以下の評価基準に従って評価した。
【0048】
・フケの発生状況の評価基準
○:フケの発生がない。
△:フケの発生がほとんどない。
×:フケの発生がある。
【0049】
・濯ぎ性及び脱脂感の評価基準
○:(濯ぎ性、脱脂感)が良好。
△:(濯ぎ性、脱脂感)が普通。
×:(濯ぎ性、脱脂感)が不良。
【0050】
・ぬめり感の評価基準
○:ぬめり感なし。
△:ややぬめり感あり。
×:ぬめり感あり。
【0051】
・さっぱり感の評価基準
○:ぬめり感がなくさっぱりしている。
△:ぬめり感が少しあり、ややさっぱり感が少ない。
×:さっぱり感がない。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の抗菌剤は、アルキルアミノアルキレンカルボン酸の特定の金属塩のエチレンオキサイド付加体を用いるもので、従来知られている抗菌剤と比べて、抗菌性に優れると共に、親水性に優れ水溶液として水系の抗菌剤として用いることができ、また塗料、合成樹脂等との相溶性が良く、これらに添加して抗菌性塗料、抗菌性樹脂等として用いることができ、セラミックス等の担体に担持せしめて種々の製品に抗菌性を付与することができる等の効果を発揮する。

Claims (1)

  1. 下記化1で表されるアルキルアミノアルキレンカルボン酸の金属塩のエチレンオキサイド付加体を用いることを特徴とする抗菌剤。
    Figure 0003625543
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