JPH08770B2 - 眼科用組成物 - Google Patents

眼科用組成物

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JPH08770B2
JPH08770B2 JP29770785A JP29770785A JPH08770B2 JP H08770 B2 JPH08770 B2 JP H08770B2 JP 29770785 A JP29770785 A JP 29770785A JP 29770785 A JP29770785 A JP 29770785A JP H08770 B2 JPH08770 B2 JP H08770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ソフトコンタクトレンズやハードコンタク
トレンズの用剤に使用できる有用な眼科用組成物に関す
るものである。
従来の技術 塩化ベンザルコニウムは従来から眼科用組成物の殺
菌、抗菌成分として用いられているが、それは天然脂肪
類から得られる脂肪酸の混合物を原料として製造された
ものであって、式 [C6H5CH2N(CH32R]Cl で示すことができるが、その式中のRは炭素数8ないし
18のアルキル基の混合物であった。このような混合組成
物は、時として眼に対する刺激性を示すことがあり、ま
た、ソフトコンタクトレンズ用剤として使用する場合に
はソフトコンタクトレンズ中に多量に吸着されて容易に
は放出されず、それに基づく眼刺激性のため実用に供し
得ないという欠点を有している。
発明が解決しようとする問題点 塩化ベンザルコニウムは、きわめて優れた殺菌剤,抗
菌剤であるが、天然脂肪類から得られる脂肪酸の混合物
を原料として製造される塩化ベンザルコニウムを眼科用
組成物として使用した場合にみられる眼刺激性を、その
殺菌性,抗菌性をそこなうことなくやわらげて、眼科領
域におけるより広範囲な適用を可能とする手段が本発明
によって提供される。とりわけ、塩化ベンザルコニウム
は殺菌剤または抗菌剤として極めて有効なことが知られ
ているにもかかわらず、ソフトコンタクトレンズに対し
ては、その吸着性のゆえに実用化され得ない現状の解決
が望まれていた。本発明は塩化ベンザルコニウムのソフ
トコンタクトレンズ用剤としての安全かつ有効な適用を
はじめ、他のコンタクトレンズ用剤,眼科用殺菌剤,抗
菌剤,点眼剤等,眼科領域への広範囲な適用を可能なら
しめようとするものである。
問題点を解決するための手段 本発明は式[C6H5CH2N(CH32R]Cl(式中Rはアルキ
ル基を示す。)で示される塩化ベンザルコニウムであっ
て、その85%以上が炭素数10ないし12のアルキル基であ
る塩化ベンザルコニウムを含有することを特徴とするコ
ンタクトレンズと接触しうる用途に使用するための眼科
用組成物である。以下、本発明を詳細に説明する。
一般に殺菌剤または抗菌剤として使用されている塩化
ベンザルコニウムは、式 [C6H5CH2N(CH32R]Cl で示され、RはC8H17〜C18H37のアルキル基であるが、
その原料として天然油脂類の脂肪酸が用いられるため、
Rは通常これらの混合組成となる。
本発明者らは、各種の塩化ベンザルコニウムを個別に
合成し、それぞれにつき詳細に実験を行った結果、Rで
示されるアルキル基の炭素数が10ないし12あるいはこれ
らの2以上の混合物が、すぐれた殺菌作用を示し、しか
もソフトコンタクトレンズへの吸着が小さく、かつ眼刺
激性を有しないという特異的な性質を持っていることを
見出した。本発明において用いられる塩化ベンザルコニ
ウムは、上記の式中Rで示されるアルキル基の炭素数10
ないし12のものが用いられるが、とりわけ10および/ま
たは12のものが製造も容易であり、有利に用いられる。
本発明の塩化ベンザルコニウムは、炭素数10ないし12の
第一アミンをメチル化してジメチルアルキルアミンと
し、ついで塩化ベンジルで第四アンモニウム塩とするこ
とにより製造され、また、炭素数10ないし12の脂肪族ニ
トリルをメチルアミンの存在下に還元しても製造され
る。
上式中Rが炭素数7以下の塩化ベンザルコニウムは、
微生物に対する殺菌作用が弱いため所期の目的を達成し
えず、一方上式中Rの炭素数が12を超えるアルキル基で
ある塩化ベンザルコニウムは、ソフトコンタクトレンズ
に対する吸着性が大きく、しかも一旦吸着された後の放
出性が小さいという点で、適当でない。また、Rが炭素
数10ないし12のアルキル基である塩化ベンザルコニウム
と、Rが炭素数7以下または12を超えるアルキル基であ
る塩化ベンザルコニウムとの混合物も、殺菌作用が不足
し、あるいはソフトコンタクトレンズに対する吸着性が
大きいので、やはり本発明の目的には適していない。側
鎖Rが炭素数10ないし12のアルキル基である塩化ベンザ
ルコニウムは、それぞれ単独に用いてもよく、またそれ
らの2種以上を混合して用いてもよい。これらの塩化ベ
ンザルコニウムは、その製造に用いられる原料の純度に
よっては側鎖Rの炭素数が12を超えるものを混入するこ
ともありうるが、側鎖Rが炭素数が10ないし12のものを
85%以上、このましくは90%以上、さらにこのましくは
95%以上含むものである必要がある。側鎖Rの炭素数10
ないし12のものが85%未満の場合には眼刺激性等のこの
もしくない副作用を起こすことがある。
本発明の眼科用組成物は、側鎖Rが炭素数10ないし12
のアルキル基である上述の塩化ベンザルコニウムを一般
に眼科用剤に使用される水性溶液に溶解することにより
調製される。水性溶液中における塩化ベンザルコニウム
の濃度はRの種類,使用形態により異なるが、一般的に
は、0.0005〜1%,このましくは0.001〜0.2%程度とす
るのが望ましい。
本発明における眼科用組成物には、コンタクトレンズ
の殺菌剤,保存剤,洗浄剤,ウェッティング剤,点眼
剤,又はコンタクトレンズを扱う時の手洗い用洗浄剤等
が含まれる。
本発明における眼科用組成物には、通常、緩衝剤,等
張化剤を含有させておくと、その液性の安定化,等張化
等の面から好ましい。緩衝剤は上述の塩化ベンザルコニ
ウムの水性溶液のpHが約4〜10,好ましくは5〜8の範
囲となるように用いられる。緩衝剤としては、酸とその
塩,塩基とその塩を常法により、所望のpHとなるように
組み合わせて用いることでき、たとえばホウ酸,ホウ
砂,クエン酸,クエン酸ナトリウム,酒石酸,酒石酸ナ
トリウム,グルコン酸,グルコン酸ナトリウム酸,酢
酸,酢酸ナトリウム,各種アミノ酸,リン酸,リン酸一
水素ナトリウム,リン酸二水素ナトリウム,各種アミノ
酸等の組み合せが挙げられる。緩衝剤の使用濃度は、本
発明の組成物の水溶液が上述のpH範囲を保ち得るように
適宜に選択すればよいが、たとえば0.1〜5%である。
次に、等張化剤としては水溶性で眼にたいし刺激性な
どの悪影響を示さないものであれば、特に限定なく使用
し得る。たとえば塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化
カルシウム,グリセリンなどが挙げられる。等張化剤は
本眼科用組成物が直接眼粘膜と接触するように使用され
る場合はその使用時の浸透圧が約0.5〜2.0(対生理食塩
水浸透圧比)となるような濃度で用いられる。
本発明における眼科用組成物には、本発明の目的に反
しない限り、公知の殺菌剤、抗菌剤、洗浄剤、界面活性
剤、キレート剤、粘稠剤、湿潤剤、眼科用薬剤などを含
有させてもよい。
ここでいう、界面活性剤は、非イオン界面活性剤がこ
のましく、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,
ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル,オ
キシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー,ポリ
オキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル縮合物,多価アルコール脂肪酸部分エステル,ポリオ
キシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル,ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン化
ひまし油、脂肪酸ジエタノールアミド、トリエタノール
アミン脂肪酸部分エステル等である。
殺菌または抗菌剤としては、たとえば、塩化ベンゼト
ニウム、クロルヘキシジン塩,ソルビン酸及びその塩、
チメロサール,クロロブタノール,フェネチルアルコー
ル,パラベン類などが挙げられる。
キレート剤としては、たとえば、エデト酸ナトリウ
ム,クエン酸ナトリウム,縮合リン酸ナトリウムなどが
ある。
粘稠剤としては、たとえばヒドロキシエチルセルロー
ズ,メチルセルローズ,ポリビニルアルコール,ポリビ
ニルピロリドンなどがある。
湿潤剤としては、たとえばグリセリン,ポリエチレン
グリコール,プロピレングリコールなどを加えることが
できる。
本発明の眼科用組成物をたとえばソフトコンタクトレ
ンズの滅菌液として用いる時は、装用後のソフトコンタ
クトレンズをこの滅菌液に一晩ないしそれ以上の時間浸
漬するだけで良好な滅菌効果が認められる。
本発明の眼科用組成物はソフトコンタクトレンズの殺
菌剤または抗菌剤として有用であり、またハードコンタ
クトレンズの殺菌液としても用いることができる。その
ほかコンタクトレンズのウェッティング液、あるいは点
眼剤としても用いることができる。
作用 本発明の眼科用組成物はその中に含まれるRが炭素数
10ないし12のアルキル基である塩化ベンザルコニウムに
より、室温においても種々の微生物を死滅さすことがで
きる。また、コンタクトレンズへの吸着量も少なく、眼
刺激性を示すこともないので、眼科領域において広範囲
に利用されうる。
実験例 次に実験例をあげて、本発明の効果をさらに詳細に説
明する。
使用薬剤 式[C6H5CH2N(CH32R]Clで示され、式中Rが炭素
数8、10、12、14、16、18のアルキル基である塩化ベン
ザルコニウムの各含量がA表に示されるとおりの6種類
の塩化ベンザルコニウムを準備した。また20%クロルヘ
キシジンジグルコネート水溶液をも併せて準備した。以
下、これらの殺菌剤を順にR−8、R−10、R−12、R
−14、R−16、R−18、CDGと称することにする。
〔1〕殺菌効果の測定実験 試料の調製 R−8、R−10、R−12の適当量を正確に秤り、滅菌
精製水で希釈して、下記の濃度の液を調製し、試料とし
た。
R−8 0.005% 0.01% 0.0015% R−10 0.005% 0.01% 0.0015% R−12 0.005% 0.01% − 試験菌 次の3種の菌を用いた。
スタフィロコッカス・アウレウス Staphylococcus aureus ATCC 6538 シュードモナス・アエルギノサ Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027 アスペルギルス・ニガー Aspergillus niger NHL 588 培 地 細菌では、SCD寒天培地(Soybean−Casein DigestAga
r)(大五栄養化学株式会社)とSCD寒天培地にポリソル
ベート80(和光純薬工業株式会社)0.7%、レシチン
(和光純薬工業株式会社)0.1%を添加したSCDLP寒天培
地を用いた。
真菌には、GP寒天培地(Glucose Pepton Agar)(大
五栄養化学株式会社)とGP寒天培地にポリソルベート80
0.7%、レシチン0.1%を添加したGPLP寒天培地を用い
た。
試験菌液の調製 細菌は、SCD寒天斜面培地で30〜35℃で24時間培養し
た後、斜面培地表面に増殖した菌体を滅菌生理食塩液に
懸濁し、さらに滅菌生理食塩液を用いて約108〜109CFU/
mlに希釈したものを試験菌液とした。
A.nigerは、GP寒天斜面培地で20〜25℃で1週間培養
した後、斜面培地表面に形成された胞子を滅菌生理食塩
液に懸濁し、さらに滅菌生理食塩液を用いて約107〜108
CFU/mlに希釈したものを試験菌液とした。
測定方法および結果 滅菌した共栓付き試験管(18×180mm)3個に試料を
分注し、試験菌液を各々別々に0.1mlづつ接種した。接
種後の試料は20〜25℃の条件下におき、経時的に試料中
の試験菌の生存菌数をSCDLP寒天培地、GPLP寒天培地を
用いた寒天平板法により計測した。
結果を第1〜8表に示す。
(第1〜8表参照) 第1〜8表から、R−12が最も殺菌効果がすぐれてお
り、ついでR−10、R−8の順に殺菌効果がすぐれてい
ることがわかる。
この結果から、殺菌性の点でR−8は弱く、R−10お
よびR−12がソフトコンタクトレンズ用剤または点眼剤
の殺菌剤および抗菌剤に適していることがわかる。
〔2〕眼刺激性試験 試料の調製 a)0.01% R−8〜R−14溶液の調製 R−8、R−10、R−12、及びR−14の0.01g(計算
量)を各々別々に秤り、蒸留水を加えて溶かし、それぞ
れにリン酸一水素ナトリウム(Na2HPO4・12H2O)0.18g
および塩化ナトリウム(NaCl)0.8gを加えて溶かした
後、1N−塩酸でpH7.0に調整し、さらに蒸留水を加えて
全量を100mlとした。
実験方法 体重約2.0kgの雄性白色家兎の外眼部の観察を改良Dra
ize法〔福井成行,池本文彦:現在の臨床,,277(197
0)〕および角膜フルオレッセイン染色によって行い、
異常のないことを確かめたうえで試験に用いた。
この観察の30分後にR−10〜R−14の0.01%濃度の溶
液を1回100μマイクロピペットにより15分間隔で9
回、各試験物質1つの濃度につき3眼ずつ家兎眼へ点眼
した。なお対照として基剤溶液(上記試料から薬剤を除
いた溶液)を用いた。最終点眼の30分後に外眼部の観察
を改良Draize法および角膜フルオレッセイン染色によっ
て行った。
(同一家兎に同一試験物質を点眼しないようにした。) 結 果 a)R−8 点眼30分、24時間後とも肉眼による観察では全く障害
はなく、角膜フルオレッセイン染色でも染色斑はほとん
ど認められなかった。
b)R−10 点眼30分、24時間後とも肉眼による観察では全く障害
はなく、角膜フルオレッセイン染色でも染色斑はほとん
ど認められなかった。
c)R−12 点眼30分、24時間後とも肉眼による観察では全く障害
はなく、角膜フルオレッセイン染色でも染色斑はほとん
ど認められなかった。
d)R−14 点眼30分後に眼瞼および球結膜発赤、結膜浮腫の傾
向、分泌物が認められた。角膜フルオレッセインでは染
色斑も認められた。24時間後では肉眼による観察ではほ
とんど障害はなかったが、フルオレッセイン染色では染
色斑が認められた。
e)基剤溶液 点眼30分、24時間後とも肉眼による観察では全く障害
はなく、角膜フルオレッセイン染色でも染色斑はほとん
ど認められなかった。
上記の結果から、本発明の眼科用組成物は、眼刺激性
が小さく、この点においてもコンタクトレンズ用剤、あ
るいは点眼液として適していることがわかる。
〔3〕吸着性および放出性試験 試料の調製 a)0.01%および0.005% R−8〜R−18溶液の調製 R−8、R−10、R−12、R−14、R−16及びR−18
の0.01g(計算量)または0.005g(計算量)を各々別々
に秤り、蒸留水を加えて溶かし、それぞれにリン酸一水
素ナトリウム(Na2HPO4・12H2O)0.18gおよび塩化ナト
リウム(NaCl)0.8gを加えて溶かした後、1N−塩酸でpH
7.0に調整し、さらに蒸留水を加えて全量を100mlとし
た。
b)0.01%および0.005% CDG溶液の調製 20% CDG液0.05mlまたは0.025mlを生理食塩液100mlに
加えた。
測定法 高速液体クロマトグラフィーを使用して吸着量の測定
を行った。
吸着実験方法および結果 5mlの蓋付きガラスビンに0.01% R−8〜R−18溶液
およびCDG溶液を各々5mlずつ入れ、これらにソフトコン
タクトレンズ(主材質:ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)を1枚ずつ浸漬し、振とう機を用いて室温で24時間
振とうした。さらに、同様の操作を1回行った。
これら3回の浸漬においてレンズを取り出した後の溶
液中のR−8〜R−18溶液およびCDG量を測定し、その
減少した量をソフトコンタクトレンズ吸着量とした。結
果を第10表に示す。
(第10表参照) 第10表からも明らかなように、3回の浸漬におけるR
−8〜R−18の全吸着量は、対照であるCDGが1.21であ
るのに対し、R−8では0.14mg、R−10では0.38mg、R
−12では0.88mgと吸着量が小さかった。これに対し、対
照であるR−14では1.38mgであり、R−16では3回目の
浸漬においてレンズ表面に結晶の析出が見られ、R−18
では1回目の浸漬において 早くもレンズ表面に結晶が析出した。
この結果から、吸着量の点ではR−8、R−10および
R−12がソフトコンタクトレンズ用剤の目的に適してい
ることがわかる。
放出実験方法および結果 ソフトコンタクトレンズに対して少なく吸着量を示し
た0.01% R−8〜R−12および対照としてのCDGを用
い、次のようにして放出実験を行った。
5mlの蓋付きガラスビンにR−8〜R−12溶液およびC
DG溶液を各々5mlづつ入れ、これらにソフトコンタクト
レンズ(主材質:ポリヒドロキシエチルメタクリレー
ト)を1枚ずつ浸漬し、振とう機を用いて室温で24時間
振とうした。振とう後、レンズを取り出し、各々新たな
溶液5mlに浸漬し、室温で24時間振とうした。さらに、
同様の操作を2回行い、R−8〜R−12およびCDGを吸
着させた。
このレンズを取り出し、0.005%R−8〜R−12およ
びCDG溶液に浸漬し、室温で24時間振とうした。
振とう後、レンズを取り出して生理食塩液5mlに浸漬
し、室温で24時間振とうした。
それぞれの0.005%溶液および生理食塩液中のR−8
〜R−12およびCDG量を測定し、その増加した量をソフ
トコンタクトレンズ放出量とし、減少した量をソフトコ
ンタクトレンズ吸着量とした。なお、ソフトコンタクト
レンズの吸着量は、それぞれの0.01%溶液の減少量より
求めた。
結果を第11表に示す。
(第11表参照) 第11表からも明らかにように、レンズに吸着したR−
8(0.14mg、0.16mg)、R−10(0.47mg、0.52mg)はそ
れぞれの0.005%溶液に放出され、すでに0.005%溶液の
吸着平衡に達していた。一方、R−12(1.19mg、1.20m
g)、CDG(1.54mg、1.65mg)ではさらに吸着が起り、0.
005%溶液の吸着平衡に対していなかった。しかし、R
−12の吸着量は、CDGより小さかった。このことからR
−12はCDGよりもソフトコンタクトレンズに吸着しにく
いことがわかる。
次に、生理食塩液への放出では、R−8、R−10、 R−12、CDGの全てで放出が見られ、その放出率はR−
8が最も大きく、以下R−10、R−12、CDGの順に低く
なっていった。
この結果から、放出性の点でもR−8、R−10および
R−12がソフトコンタクトレンズ用コールド滅菌液の目
的に適していることがわかる。
各種ソフトコンタクトレンズに対するR−10の吸着実験
方法および結果 5mlの蓋付きガラスビンに0.01%R−10溶液5mlずつ入
れ、次の第12表に示した11種のソフトコンタクトレンズ
を1枚づつ浸漬し、振とう機を用いて室温で24時間振と
うした。振とう後、レンズを取り出し、それぞれの溶液
中のR−10を測定して、その減少した量をソフトコンタ
クトレンズ吸着量とした。
結果を第3表に示す。
(第12表参照) 第3表から、各種ソフトコンタクトレンズに対 するR−10の吸着率および吸着量は、ポリメチルメタク
リレートおよびポリビニルピロリドンを主材とした高含
水率レンズでは小さく、一方、ヒドロキシエチルメタク
リレートを主材とした低含水率レンズでは、高含水率レ
ンズに比しては大きいことがわかる。もっとも、低含水
率レンズの場合でも吸着量は0.16〜0.35mg程度であっ
た。
この結果から、本発明の組成物は、ソフトコンタクト
レンズの種類を問わず、殺菌剤の吸着量が小さいことが
わかる。
以下、本発明の実施例を示す。
実施例1 R−12 0.01 塩化ナトリウム 0.8 エデト酸ナトリウム 0.02 リン酸二水素ナトリウム 0.18 前記の成分(数字は水溶液100ml中における重量%と
する。以下同じ)を精製水100ml中に入れ、充分に混合
撹拌し、溶解させて、水溶液として、水酸化ナトリウム
を用いて、pH7.2に調整し、無菌的にろ過して、コンタ
クトレンズの滅菌剤、保存液とした。
実施例2 R−12 0.005 R−10 0.005 塩化ナトリウム 0.7 エデト酸ナトリウム 0.02 ホウ酸 0.5 実施例1と同様に処理して、コンタクトレンズの滅菌
剤、保存剤とした。
実施例3 R−10 0.01 ヒドロキシエチルセルロース 0.3 塩化ナトリウム 0.7 ホウ酸 0.4 ポリソルベート80 1 上記の成分を精製水100ml中に入れ、撹拌しながら70
゜以上加熱溶解し、室温まで冷却した後、水酸化ナトリ
ウムでpH7.2に調製し、コンタクトレンズ洗浄液とし
た。
実施例4 R−10 0.01 ポリビニルアルコール 2 ヒドロキシエチルセルロース 0.3 塩化ナトリウム 0.9 上記の成分を精製水100ml中に入れ、撹拌しながら70
゜以上加熱溶解し、室温まで冷却した後、水酸化ナトリ
ウムでpH6.5に調製し、コンタクトレンズのウェッティ
ング剤とした。
参考例5 R−8 0.005 R−10 0.005 塩化カリウム 0.15 塩化ナトリウム 0.5 ホウ酸 0.7 ポリビニルピロリドン 0.2 実施例1と同様に処理して、点眼剤とした 発明の効果 本発明の眼科用組成物は、すぐれた殺菌作用を示すこ
と、コンタクトレンズへの吸着が小さいこと、また一旦
レンズに吸着された殺菌成分も、このレンズを生理食塩
液などに浸漬すれば容易に放出されること、眼刺激性を
有しないことなどの特質を兼ね備えている。
従って、本発明の眼科用組成物を用いれば、種々の微
生物を室温で死滅または増殖を阻止させることができ、
しかも該組成物は眼に障害を与えないので、眼科領域に
おける広範囲な利用が可能である。
本発明の眼科用組成物はソフトコンタクトレンズ用剤
として特に有用であり、ハードコンタクトレンズ用剤と
して、あるいは点眼液、コンタクトレンズを扱うときの
手洗い用洗浄剤としても有利に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式[C6H5CH2N(CH32R]Cl(式中Rはア
    ルキル基を示す。)で示される塩化ベンザルコニウムで
    あって、その85%以上が炭素数10ないし12のアルキル基
    である塩化ベンザルコニウムを含有することを特徴とす
    るコンタクトレンズと接触しうる用途に使用するための
    眼科用組成物。
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