JP3813667B2 - コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具及びそれを用いたコンタクトレンズの消毒方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具に係り、特に、優れた殺菌効果を発揮すると共に、眼に対する安全性をも充分に備えたコンタクトレンズ用洗浄乃至は消毒用具に関するものであり、また、それをコンタクトレンズ用消毒用具として用いた消毒方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、コンタクトレンズを装用していると、涙液や眼脂に由来する、蛋白質や脂質等の汚れがコンタクトレンズに付着する。そして、そのような汚れによって、装用感が悪化するばかりでなく、視力の低下や、更には結膜充血といった眼障害が惹起されることがある。また、コンタクトレンズを継続して使用する場合には、コンタクトレンズを目から外して保存している間に、コンタクトレンズ表面に付着した細菌等の微生物が増殖するおそれがあり、それらの微生物によっても、眼に対して感染症等の悪影響がもたらされることがある。
【0003】
そこで、コンタクトレンズを安全且つ快適に装用するためには、定期的に洗浄・消毒等の手入れを行なうことが必要となるが、そのようなコンタクトレンズの手入れの一般的な方法は、次のようなものである。先ず、目から外したコンタクトレンズを界面活性剤入りの洗浄剤で擦り洗いすることにより、コンタクトレンズに付着した脂質汚れを洗浄する。また、蛋白質汚れの除去も必要とする場合には、蛋白分解酵素を含有した洗浄剤に浸漬することにより、蛋白質の除去を行なう。その後、すすぎ液ですすいでから、保存液で満たしたケース内にコンタクトレンズを浸漬し、その状態で保存する、というものである。また、特に、含水性コンタクトレンズの手入れの場合には、そのような含水性コンタクトレンズの表面に対して微生物が付着、増殖し易いことから、上記の一般的な手入れの他に、更に、煮沸器具を用いて、コンタクトレンズを収容するケースごと、煮沸消毒をする必要がある。
【0004】
このように、コンタクトレンズに対する手入れの作業は煩雑であり、また、その手入れの為には、洗浄液、保存液、煮沸器具等、数種の液剤や器具を揃えなければならず、その使用や維持にかかる手間やコストは、コンタクトレンズの使用者にとって大きな負担となるものであった。
【0005】
そのような問題を解決するために、近年では、より簡便で、低コストなコンタクトレンズの手入れの方法として、保存液中に界面活性剤や蛋白除去剤、殺菌剤を添加することにより、液剤1つで、コンタクトレンズに必要な手入れを全て行ない得るようにした、コンタクトレンズ用液剤を用いる手入れの方法が、幾つか提案されている。そして、そのようなコンタクトレンズ用液剤を用いた手入れの方法における消毒処理には、上記のような煮沸器具を必要とする熱消毒法ではなく、消毒剤を用いた化学消毒法が採用されているところから、従来の様に、専用の器具を用いた、長い処理時間を要する煮沸操作が不要とされるのであり、これによって、コンタクトレンズの手入れに対する使用者の手間が大幅に改善されるのである。
【0006】
化学消毒効果をもつ殺菌剤として用いられると同時に、保存剤としても用いられる、この様なコンタクトレンズ用液剤には、その特性として、高い殺菌効果を持つものであることが必要とされるのは勿論のこと、その液剤中にコンタクトレンズが長時間浸漬せしめられることから、眼に対する毒性の低いものであることも必要とされている。
【0007】
ところで、現在上市されているコンタクトレンズ用化学消毒剤に用いられている殺菌剤には、チメロサール、クロルヘキシジン、第四級アンモニウム塩類(例として塩化ベンザルコニウム)等が使用されている。例えば、特開昭52−109953号公報、特開昭62−153217号公報、特開昭63−59960号公報等においては、塩化ベンザルコニウムを0.001〜0.2%の範囲で使用する、コンタクトレンズ殺菌剤やコンタクトレンズ用剤、また、クロルヘキシジンを0.01〜0.05%の範囲で使用するソフトコンタクトレンズ消毒剤が提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの方法は簡便な取扱いである一方、殺菌剤がコンタクトレンズを介して、眼の中に取り込まれるため、決して好ましいものであるとは言えなかったのである。実際、最近では、そのような殺菌剤がアレルギー増感剤として働き、眼に害を及ぼすといった事例や、それらの殺菌剤を長期に亘って使用するうちに、コンタクトレンズに殺菌剤が吸着・蓄積され、そしてその高濃度に凝縮された殺菌剤が、コンタクトレンズの装用中に放出されることにより、或いは高濃度に殺菌剤が吸着したコンタクトレンズと直接接触することにより、角膜障害が惹起される等の可能性があることが、報告されている(「日本コンタクトレンズ学会誌」1992年出版No.34:267−276、277−282、同1993年出版No.35:219−225、同1994年出版No.36:57−61、同1995年出版No.37:35−39、154−157)ことからも、これらの薬剤及びこれらの薬剤を用いた取扱い方法が適切であるとは言えなかったのである。
【0009】
また、従来のコンタクトレンズ用消毒剤の殆どは、液剤の形態をとるものであったが、そのようなコンタクトレンズ用液剤は、簡便性において劣り、使用の際にこぼしてしまったり、液剤によって手指を濡らすことが避けられない等の煩わしさがあり、更には、そのような液剤を用いた消毒処理を行なう場所も、洗面所等の、濡れることが前提とされている場所に制限されてしまうのである。このように、コンタクトレンズの消毒処理に際して、液剤を用いるが故に生じる不便さがあり、そのことを考慮した、更に簡便なコンタクトレンズの手入れ方法が、強く望まれているのである。
【0010】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、高い安全性を確保しながらも、十分な殺菌効果を発現し、なお且つ取扱いの簡便なコンタクトレンズの洗浄乃至は消毒用具を提供することにあり、また、それを消毒用具として用いた消毒方法を提供することにある。
【0011】
【解決手段】
そして、本発明は、上記の如き課題を解決するために、少なくともコンタクトレンズが接触せしめられる処理部を、殺菌剤が固定化せしめられてなる、吸水性を有する固形の軟性物質にて構成したことを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具を、その要旨とするものであり、また、吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤を固定化せしめてなる消毒処理部を有し、該固定化された殺菌剤にて、該軟性物質の表面に接触、保持されるコンタクトレンズの消毒を行なうようにしたことを特徴とするコンタクトレンズ用消毒用具をも、その要旨とするものである。
【0012】
このように、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具乃至は消毒用具にあっては、軟性物質に対して固定化された殺菌剤によって、該用具の処理部表面やコンタクトレンズ表面に付着した細菌等を死滅せしめることが出来る一方、そのような殺菌剤が軟性物質に対して固定化されているところから、軟性物質から遊離することがなく、そのために眼に対して有害な作用をもたらす恐れのある殺菌剤は、コンタクトレンズに吸着、蓄積されることがないのである。従って、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具にあっては、その使用後においても細菌等の繁殖がなく、それ故に極めて衛生的に繰り返し使用され得るものであることは勿論、そのようなコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具にて洗浄処理や消毒処理が施されたコンタクトレンズにあっては、コンタクトレンズに殺菌剤が吸着、蓄積されることがないことから、装用時に眼の中で殺菌剤がコンタクトレンズから放出されるようなことがなく、眼に対する障害も、何等惹起されることがないのであり、これにより、安全なコンタクトレンズの洗浄・消毒処理を行なうことが出来るのである。
【0013】
しかも、洗浄処理や消毒処理の際に、洗浄・消毒用具として、固形状態において、取り扱うことが出来ることとなるところから、従来のように、液剤であるが故に生じていた不都合が悉く回避され得、以て簡便性乃至は利便性が著しく向上せしめられ得たのである。即ち、使用時に液剤をこぼす等して、手元を汚してしまうといったことや、液剤をこぼしてしまう恐れがあるために、洗浄・消毒処理に細心の注意を払う必要があるとか、洗浄・消毒処理を行なう場所が制限されるといったことが、全くなくなるのである。
【0014】
なお、このような本発明に従うコンタクトレンズ用の洗浄・消毒用具にあっては、有利には、コンタクトレンズの載置面を有する第一の部材と、該載置面に対応した形状を有する第二の部材とを含み、そして、それら第一及び第二の部材の少なくともコンタクトレンズ接触部位が前記軟性物質にて形成されている構成が採用される。このように、コンタクトレンズの洗浄・消毒用具が、コンタクトレンズの載置面を有する第一の部材と、該載置面に対応した形状を有する第二の部材とに分離して構成され、更にコンタクトレンズの接触部位が殺菌剤を固定化せしめた軟性物質にて形成されていることから、それら第一及び第二の部材間に処理されるべきコンタクトレンズを挾持せしめることによって、コンタクトレンズの全面に対して一度に洗浄処理や消毒処理を施すことが可能となるのであり、より一層、簡便な洗浄処理や消毒処理が実現され得るのである。
【0015】
また、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具の好ましい態様の一つによれば、前記軟性物質は、ポリアクリル酸若しくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール及び再生セルロースからなる群より選ばれることとなる。これらの軟性物質においては、殺菌剤を有利に固定化することが可能であるために、眼に対して安全な洗浄・消毒処理を行ない得る洗浄・消毒用具を容易に提供することが出来ると共に、充分な吸水性及び保水力をも有しているために、含水性コンタクトレンズに対しても安定した処理を行なうことが出来る特徴を発揮する。また、軟らかく、変形し易い含水性コンタクトレンズを保持、或いは挾持するにあたっても、それらの軟性物質の硬度が充分に低いために、そのような含水性コンタクトレンズに対して、傷等のダメージを与えることがないのである。
【0016】
さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具の別の好ましい態様においては、前記殺菌剤としては、グアニジン系殺菌剤または第四アンモニウム塩系殺菌剤が用いられることとなる。これらの殺菌剤は、軟性物質に対して容易に固定化することが出来、なお且つ軟性物質から遊離することがない。また、これらの殺菌剤は、広い抗菌スペクトルを有する殺菌剤であることから、高い殺菌効果が期待出来るのである。
【0017】
ところで、本発明に従うコンタクトレンズの消毒方法は、上述の如き構成の用具を消毒用具として用いるところに特徴を有するものであって、その要旨とするところは、吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤を固定化せしめてなる消毒処理部を有する消毒用具を用い、該消毒用具の少なくとも消毒処理部に湿潤剤を含有せしめた状態下において、該消毒処理部にコンタクトレンズの消毒されるべき表面を接触せしめて保持するようにしたことにある。このように、消毒用具の消毒処理部に湿潤剤を含有せしめることによって、かかる消毒処理部とコンタクトレンズとの接触が効果的に為され得、また湿潤剤を介して殺菌剤と細菌等との接触する機会が増すことにもなり、以てより効果的な消毒処理が行なわれ得るのである。
【0018】
また、かかる本発明に従うコンタクトレンズの消毒方法の好ましい態様の一つにおいては、前記湿潤剤には、緩衝液が用いられ、更に好ましい態様においては、前記湿潤剤として、界面活性剤を含む緩衝液が用いられることとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
要するに、本発明は、吸水性を有する軟性物質に所定の殺菌剤を固定化したものにて少なくとも処理部を構成してなる洗浄・消毒用具を用いて、コンタクトレンズの洗浄や消毒を行なうようにしたものであり、また、そのような洗浄・消毒用具の少なくとも処理部に適当な湿潤剤を含浸させて湿潤せしめた状態下で、コンタクトレンズを接触せしめ、一定時間保持することで、簡便且つ安全に、コンタクトレンズの消毒を行なうことを、その趣旨とするものである。
【0020】
ここにおいて、かかる本発明に用いられる吸水性を有する軟性物質は、高い消毒効果と同時に、高い安全性をも併せ持たせるために、所定の殺菌剤が化学的に乃至は物理的に固定化せしめられ得て、それを容易に脱落させないものであることが必要である。また、コンタクトレンズに直接に接触せしめられるものであるところから、コンタクトレンズに対して傷等のダメージを与えないような低い硬度を有するものであることが好ましく、更に、含水性コンタクトレンズを安定に保つことが出来るように、保水力を有するものであることが好ましい。それらの条件を満たし、本発明に用いるに好適な軟性物質としては、具体的には、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、再生セルロース等を挙げることが出来る。なかでも、ポリビニルアルコールやポリビニルホルマールは、殺菌剤を均一に固定化させ易いところから、本発明においては、好適に用いられることとなる。また、そのような軟性物質は、有利には、多孔質形態のものとして用いられるのである。
【0021】
そして、上記のような吸水性を有する軟性物質に対して、殺菌剤を化学的乃至は物理的に固定化する方法としては、固定化処理の後において該殺菌剤が容易に脱落することなく、該軟性物質に保持されることとなるならば、如何なる手法をも採用可能であるが、その好ましい固定化の方法の一つを挙げるならば、加熱によって固定化する方法があり、具体的には、以下の手順により行なわれることとなる。先ず、殺菌剤を適当な濃度に希釈する。この場合、その濃度としては、特に限定するものではないが、好ましくは10ppm〜10000ppm、更に好ましくは10〜5000ppm程度とされる。そして、そこへ、前記した所定の軟性物質を浸漬して、一定時間放置する。この放置時間についても、特に限定されるものではないが、好ましくは10分〜8時間程度、更に好ましくは30分〜4時間程度である。この放置の後、そのままの状態で使用することも可能であるが、望ましくは、一般に、過剰の殺菌剤溶液を除去した該軟性物質を乾燥させるか、又は85℃までの温度に加熱して、乾燥させる。そして、この一連の操作によって、軟性物質に対して殺菌剤が固定化されることとなるのである。
【0022】
また、かかる加熱による方法以外の固定化方法としては、カップリング剤を用いた方法も採用することが出来、例えば、シランカップリング剤を用いて、軟性物質に対して殺菌剤を化学的に結合せしめることが可能である。
【0023】
なお、上記の如き本発明における固定化による軟性物質と殺菌剤との間の結合の形態については、未だ充分な解明が為されていないが、何れにしても、固定化処理の後、軟性物質から殺菌剤の脱落が容易に惹起されなければ、どのような形態であっても、何等差支えない。例えば、イオン結合でもよいが、好ましくは、より強固な結合である共有結合が、軟性物質と殺菌剤との間に形成されるように為されることが望ましいのである。
【0024】
一方、本発明に用いるに適した殺菌剤は、広い抗菌スペクトルを有するものであって、吸水性を有する軟性物質に対して容易に固定化させることが出来、また固定化させた後は、該軟性物質から遊離しないものであることが望ましく、そのような特性を有するものであれば、如何なるものをも、好適に用いることが出来る。それらの中でも好ましい殺菌剤としては、第四アンモニウム塩系殺菌剤、グアニジン系殺菌剤があり、特に、グアニジン系の殺菌剤及びそれに結合剤(基)を導入したものが好ましい。その具体的な例としては、クロルヘキシジン及びそれに結合剤(基)を導入したもの、1,17−ジグアニジノ−9−アザ−ヘプタデカン、或いはポリヘキサメチレンビグアニジン及びそれに結合剤(基)を導入したもの等を、挙げることが出来る。
【0025】
そして、このような所定の殺菌剤が少なくとも処理部に固定化されてなるコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具を用いて、コンタクトレンズの表面を擦るようにすれば、該コンタクトレンズの表面に対する洗浄処理が効果的に施され得るのである。しかも、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具においては、その使用後に細菌等が付着、残留していた場合にも、軟性物質に固定化された殺菌剤の作用によって、それら細菌等が死滅せしめられることとなり、該洗浄・消毒用具の保管中における、細菌の繁殖が阻害乃至は抑制されることとなる。従って、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・処理用具は、常に、清潔な状態に保たれるのであり、衛生的に良好な状態で、繰り返し使用され得るのである。
【0026】
ところで、本発明に従うコンタクトレンズの洗浄・消毒方法にあっては、上記の如き吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤を固定化せしめてなる処理部を有する洗浄・消毒用具を用いて、それに湿潤剤を含有せしめた状態下で、該洗浄・消毒用具の処理部(軟性物質)にコンタクトレンズの処理されるべき表面を接触させることによって、行なわれるものであり、それによって、高い安全性と十分な殺菌効果を発現しながら、簡便な洗浄・消毒処理を行なうことが可能となるのである。
【0027】
より具体的には、先ず、眼からコンタクトレンズを外し、必要があれば、湿潤剤または適当な保存剤でコンタクトレンズをすすぐ一方、少なくとも洗浄・消毒用具の処理部を構成する軟性物質に対して、湿潤剤を充分に、例えば飽和状態となるまで浸み込ませておき、そのような状態にした軟性物質に、該コンタクトレンズを一定時間接触させて擦り或いは保持することにより、コンタクトレンズに対して所定の洗浄乃至は消毒が行なわれるのである。なお、ここで用いられる軟性物質の形状としては、有形物であって、消毒処理されるべきコンタクトレンズに対して接触せしめることが可能なものであれば、シート状を初めとする、どの様な形状のものでも、採用することが可能である。
【0028】
本発明に従う洗浄・消毒用具の少なくとも処理部を構成する軟性物質の形状の中でも、特に、コンタクトレンズの載置面を有する第一の部材と、該載置面に対応した形状を有する第二の部材とを与える形状が、好適に採用されるのである。けだし、このような2部材間においてコンタクトレンズが挾持されることによって、殺菌剤が固定化された軟性物質による該コンタクトレンズに対する接触、保持が、該コンタクトレンズの全面に対して一挙に行なわれ得ることとなり、以て該コンタクトレンズの全面に対して一度に洗浄・消毒処理を施すことが可能となるのである。従って、より簡便な洗浄乃至は消毒を行ない得ることとなるのである。
【0029】
また、そのような本発明に従う洗浄・消毒用具の形状の一例が、図1乃至図3に示されており、そこにおいて、図1は、第一の部材たる、受部2の形状の一例を示している。かかる受部2は、全体が吸水性を有する軟性物質により構成されていると共に、その上面に、コンタクトレンズの載置面となる略球面状乃至楕円面状の凹部4が消毒処理部として設けられており、全体として直方体形状の外形を呈する部材とされている。なお、該受部2の上面に設けられた、コンタクトレンズの載置面となる球面状乃至は楕円面状の凹部4の半径は、一般的なコンタクトレンズの曲率半径に対応した大きさであればよく、特に規定されるものではないが、一般に7.0〜9.5mm程度、好ましくは、7.5〜9.0mm程度とされる。また、受部2の厚さについては、洗浄・消毒処理操作が容易に行なわれ得て、凹部4の深さが充分にとれる厚さと為されておればよく、特に限定されることはない。
【0030】
一方、図2は、第二の部材たる、蓋部6の形状の一例を示したものである。この蓋部6も、前記受部2と同様に、全体が吸水性を有する軟性物質により構成されており、その外形も、前記受部2と同様に直方体形状とされているが、その厚みは、該受部2の厚みと比べて、幾分、薄くされている。該蓋部6の、該受部2に対向する面には、該受部2に設けられた凹部4に対応した形状の略球面状乃至は楕円面状の突部8が、消毒処理部として形成されている。この半球状乃至は楕円球状の突部8の半径は、該受部2に設けられた凹部4の半径よりも、若干小さく形成されており、具体的には、該凹部4の半径よりも、0.1mm程度小さい半径とされている。但し、これらの半径の差は、凹部4と突部8との間でコンタクトレンズが挾持されることを考慮して設定されるべきものであり、この具体例に限定されるものではないことは言うまでもないところである。
【0031】
そして、このような洗浄・消毒用具の使用時における形態は、図3のようになる。即ち、受部2と蓋部6とを合わせたコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具10に対して、湿潤剤を充分に、例えば、飽和状態となるまで浸み込ませた後、該受部2の凹部4が上面にくるように該受部2を設置し、該凹部4の中央部に、洗浄・消毒処理されるべきコンタクトレンズ12を、その凸面が該受部2の該凹部4と対向するように載置する。そして更に、前記蓋部6の突部8が、該受部2の該凹部4と対向するようにして、該受部2及び該コンタクトレンズ12に重ねて載置されるのである。この様に、コンタクトレンズに対して、コンタクトレンズの両面から、殺菌剤の固定化せしめられた軟性物質が接触、擦過・保持されることにより、コンタクトレンズの全面に対する洗浄・消毒処理が極めて簡便に行なわれ得ることとなるのである。
【0032】
さらに、本発明に従う洗浄・消毒用具の使用時における形態の他の例を、図4に示す。ここにおいて、コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具14は、前記具体例と同様に、第一の部材たる受部16及び第二の部材たる蓋部18の、2部材により構成されるものであるが、それら受部16及び蓋部18は、ぞれぞれ、プラスチック等の硬質の素材にて形成された受部側基部20及び蓋部側基部22の各コンタクトレンズ挾持面に対して、殺菌剤を固定化せしめた吸水性を有する軟性物質よりなる、シート状の受部側処理部24及び蓋部側処理部26が貼着せしめられることにより、構成されている。このように、本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具においては、消毒処理部として、少なくともコンタクトレンズとの接触部位が軟性物質で形成されておればよいのである。
【0033】
なお、本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具の形状は、このような図面に例示のものに何等限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加えられ得ることは言うまでもないところである。例えば図4の例は、硬質素材により形成される、受部側基部20及び蓋部側基部22の、それぞれのコンタクトレンズ挾持面に対してのみ、シート状の軟性物質が貼着せしめられたものであったが、該シート状の軟性物質が、受部側基部20及び蓋部側基部22の対向する面全面に亘って貼着されたものであっても、何等差し支えない。
【0034】
また、受部に設けられる載置面の形状についても、図にあるように、半球状乃至は楕円球状に限られるものではなく、球面の一部、或いは円錐台形状の凹部等でもよく、それら載置面の形状に対応するようにされた突部の形状と、軟性物質の柔軟性とを利用することにより、コンタクトレンズと軟性物質との接触、保持が充分に行なわれ得るものであれば、どの様な形状でも採用し得る。また、図の例とは逆に、受部の上面に突部を設け、蓋部の下面に凹部を設けた形状にすることも可能である。更には、受部及び蓋部の外形形状についても、特に規定されるものではなく、図では底面が正方形形状とされた、全体として直方体形状のものを例示しているが、他にも、例えば、底面が円形形状とされた、全体として円柱形状のもの等を採用することも、何等差し支えない。また、第一の部材と第二の部材との2部材間に連結部を設けることにより、両部材を一体と為し、それによって、より操作性を高めた構成とされたものでも良い。更には、一般にコンタクトレンズは2枚を1組として使用されることから、それら2枚1組のコンタクトレンズに対して一度に消毒処理を行なうことが出来る構成、例えば、2組の受部と蓋部の組み合わせを以て1つのコンタクトレンズ用消毒用具とされた構成等を採用することも可能である。
【0035】
ところで、本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具を使用する際に用いられる湿潤剤としては、軟性物質に固定された殺菌剤を遊離させることがなく、またレンズに対しても悪影響を与えないものであれば、どのようなものでも使用可能であり、例えば、精製水、蒸留水、生理食塩水等が用いられ得るものであるが、特に好ましくは、緩衝液が用いられる。そのような緩衝液としては、従来より公知のものが何れも用いられ得、例えば、ホウ酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、トリス緩衝液、リン酸塩緩衝液等が挙げられるが、特に、ホウ酸塩緩衝液が好ましく、それによって、より優れた消毒効果を得ることが出来る。
【0036】
そして、そのような湿潤剤として用いられる緩衝液には、更に、界面活性剤が含有せしめられることが望ましい。その一例として、酸化プロピレンを重合させたポリプロピレングリコールを親油基としてその両端に酸化エチレンを親水基として付加重合させたブロックポリマー型非イオン界面活性剤で、プルロニックP123、プルロニックP85、PEP−101、プルロニックF68、プルロニックF127などがある。また、特に、エーテル型非イオン界面活性剤の如き界面活性剤を組み合わせた場合には、相加的に、或いは相剰的に高い殺菌効果を得ることが出来るのである。なお、そのようなエーテル型非イオン界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルでは、ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(7.5)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等を挙げることが出来、またポリオキシエチレンアルキルエーテルでは、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル等の、湿潤剤・浸透剤的働きをする活性剤を挙げることが出来る。また、界面活性剤は一般に洗浄効果を有するものであるところから、界面活性剤の添加によって、コンタクトレンズの洗浄も同時に行なうことが出来るようになる。
【0037】
なお、上記の如く、洗浄効果を有する界面活性剤を緩衝液中に含有せしめた場合には、以下のような操作を、本発明に従う消毒処理の前や途中、或いは後に導入することで、コンタクトレンズに対する消毒処理と共に、洗浄処理をも同時に、且つ簡便に行なうことが出来ることとなる。即ち、その洗浄処理は、本発明に従う消毒方法と同様な状態、例えばコンタクトレンズを前述の如き消毒用具10の受部2と蓋部6との間に挾持し、それら2部材間に接触、保持させた状態において、該蓋部6を該受部2に対して相対的に回転、摺動させることにより、行なわれるものである。この操作によって、コンタクトレンズ表面が、軟性物質よりなる消毒用具10(具体的には受部2及び蓋部6)との接触部分にて擦られることとなり、従来の手指による擦り洗いと同等、或いはそれ以上の洗浄効果が得られるのである。
【0038】
また、湿潤剤に含有せしめられるその他の成分としては、上記のものの他に、キレート剤、等張化剤、防腐剤、殺菌剤等が挙げられ、それらは、生体に対して安全であり且つコンタクトレンズの素材に対して悪影響を与えないものであれば、従来より公知の如何なるものも用いることが出来、それらを、必要に応じて、本発明の効果を損なわない量的範囲において湿潤剤に組み合わせることも可能である。具体的には、キレート剤としては、エデト酸ナトリウム、トリヒドロキシメチルアミノメタン等があり、また、等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム等を用いることが出来る。更に、防腐剤としては、パラベン、塩基性チッ素、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、グアニジン系防腐剤、第四アンモニウム塩系防腐剤等が挙げられ、また殺菌剤としては、グルコン酸クロルヘキシジン、チメロサール等を挙げることが出来る。
【0039】
そして、上記のような本発明に用いる湿潤剤を調製するにあたっては、特殊な方法を必要とせず、通常の水溶液を調製する場合と同様に、所定量の精製水中に各成分を溶解させることにより、容易に得られるものである。また、得られた湿潤剤に対して、必要に応じて無菌濾過等の滅菌処理を施すことも可能である。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0041】
実施例 1
軟性物質としての、ポリアクリル酸共重合体不織布、ポリビニルホルマールスポンジ、セルローススポンジの3種類の適性を確認するために、それぞれの材料を用いて、コンタクトレンズ用消毒用具を、次の手順に従って準備した。即ち、先ず、軟性物質として、ポリアクリル酸共重合体不織布、ポリビニルホルマールスポンジ、またはセルローススポンジを用いて、図1〜3に示される如き受部2及び、蓋部6の2部材からなる消毒用具10を形成し、そしてそれら受部2、蓋部6に対して、蒸留水で30分間の煮沸操作を2回繰り返した。次に、かかる消毒用具10を、1000ppmの濃度に調整された、殺菌剤溶液としてのポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩(PHMB)溶液に1時間浸漬し、その後、消毒用具10を構成する該軟性物質から過剰の殺菌剤溶液を取り除き、そして75℃に加熱して、該消毒用具10を構成する軟性物質を乾燥せしめることにより、かかる軟性物質に対する殺菌剤の固定化を行なった。更に、実験に再現性を持たせるために、該殺菌剤が固定化されて乾燥せしめられた軟性物質(消毒用具10)に対して、蒸留水300mLを用いた10分間の超音波洗浄操作を、毎回蒸留水を交換しながら、4回繰り返した。その後、再び75℃で乾燥させたものを検体とした。
【0042】
一方、かかる殺菌剤の固定された消毒用具10による消毒操作の施される供試レンズ12を、次の手順に従って準備した。即ち、生理食塩水を用いて、供試菌としての大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739)を105 cfu/mL〜106 cfu/mL含む菌液を調製した後、そこへ、ソフトコンタクトレンズ(メニコンソフトMA;株式会社メニコン)を浸漬することにより、該コンタクトレンズ表面に前記供試菌を付着せしめて、供試レンズ12とした。
【0043】
そして、前記の手法により得られた乾燥状態の検体(10)をそれぞれ用いて、供試レンズ12に対して、以下のように消毒処理を行なった。先ず、湿潤剤として生理食塩水を用い、かかる湿潤剤を検体に充分に浸み込ませた状態とした後に、受部2の凹所4と蓋部6の突部8とで供試レンズ12を挾持し、消毒用具10と供試レンズ12を充分に接触せしめた状態とした。そして、そのままの状態で、25℃の恒温器内で4時間保管することにより、供試レンズ12に対する消毒処理を行なった。
【0044】
そして、消毒処理前の供試レンズ12表面における大腸菌の生菌数と、消毒処理後の供試レンズ12表面における大腸菌の生菌数とから、消毒処理による大腸菌の減少率を求め、その結果を、下記表1に示した。
【0045】
【0046】
上記の結果より、本発明例1〜3に係るコンタクトレンズ用消毒用具を用いた場合には、何れの場合も、高い殺菌効果があることが分かった。
【0047】
実施例 2
殺菌剤としての、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、グルコン酸クロルヘキシジンのシラン結合型(CHG−Si)、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩(PHMB)の適性を確認するために、それぞれを、実施例1と同様にして、軟性物質であるポリビニルホルマール(PVF)に固定せしめることにより、それぞれの検体を作製した。
【0048】
上記のようにして得られた乾燥状態の検体をそれぞれ用いて、実施例1と同様の手順に従って準備された供試レンズに対して、消毒処理を行なった。その方法は、実施例1と同様である。
【0049】
そして、消毒処理前の供試レンズにおける大腸菌の吸着数と、消毒処理後の供試レンズにおける大腸菌の生菌数とから、それぞれ消毒処理による大腸菌の減少率を求め、その結果を、下記表2に示した。
【0050】
【0051】
上記の結果より、本発明例4〜6に係るコンタクトレンズ用消毒用具を用いた場合には、何れの場合も、高い殺菌効果があることが分かる。
【0052】
実施例 3
シート状に形成された、殺菌剤を固定化した軟性物質の殺菌効力を確認するために、以下のような実験を行なった。まず、殺菌剤の固定化された、シート状の軟性物質を得るために、軟性物質としてはポリビニルホルマール(PVF)を用い、また殺菌剤としてはPHMBを用い、実施例1と同様の手順に従って、殺菌剤を固定化したPVFを作製し、それを2×20×50mmのシート状に切断することにより、本発明例7に係るPVFシートを得た。また、殺菌剤を固定化していないPVFも、同様のシート状となるように切断し、比較例1のPVFシートを得た。
【0053】
一方で、供試菌として、大腸菌(E.C.;Escherichia coli ATCC 8739)、緑膿菌(P.a.;Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027)、黄色ブドウ球菌(S.a.;Staphylococcus aureus ATCC 6538P)の3種の菌をそれぞれに含む菌液を調整し、それぞれの菌液を、上記本発明例7及び比較例1のPVFシートに2.5mLずつ付着させた後、各PVFシートを25℃の温度下で2時間保管した。その後、各PVFシートから菌液を回収し、その中に含まれる生菌数を測定した。その結果を、下記表3に示す。また、菌液を回収した後のそれぞれのシートを、SCDLP(ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80:不活化剤)含有ブイヨン培地中に浸すことにより、各PVFシート内の残存菌の有無の確認を行なった。その結果を、下記表4に示す。
【0054】
単位:cfu/mL
【0055】
【0056】
上記の結果より、本発明に従う、殺菌剤を固定化せしめられた吸水性を有する固形の軟性物質は、シート状にして用いられた場合においても、高い殺菌効果を有するものであることが分かる。
【0057】
実施例 4
殺菌剤(PHMB)を固定化した軟性物質(PVF)と、殺菌剤(PHMB)が固定化されていない(未固定)の軟性物質(PVF)との間の、殺菌効力の有為差を確認し、更に湿潤剤として、生理食塩水またはそれにホウ酸塩緩衝液を加えたものを用いることによる殺菌効果への影響を確認するために、表5に示される軟性物質、殺菌剤及び湿潤剤の組み合わせを用いて、以下の殺菌効果試験を行なった。
【0058】
先ず、供試レンズを、供試菌として大腸菌(E.c.;Escherichia coli ATCC 8739)、緑膿菌(P.a.;Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027)、黄色ブドウ球菌(S.a.;Staphylococcus aureus ATCC 6538P)の3種の菌を用い、実施例1と同様の手順に従って準備した。また、コンタクトレンズ用消毒用具の検体を、本発明例8及び本発明例9の検体については、軟性物質、殺菌剤のそれぞれについて、表5の組み合わせを用いて、実施例1と同様の手順に従って準備した。更に、比較例2及び比較例3の検体については、軟性物質を殺菌剤に浸漬せずに加熱、乾燥し、殺菌剤の固定化が行なわれていない検体として得た。
【0059】
次いで、上記のようにして得られた乾燥状態の検体をそれぞれ用いて、供試レンズに対して、消毒処理を行なった。その方法は実施例1と同様であるが、本発明例8及び比較例2については、湿潤剤として生理食塩水が用いられ、本発明例9及び比較例3については、湿潤剤としてホウ酸塩緩衝液が用いられた。
【0060】
そして、消毒処理前の供試レンズにおける各供試菌の生菌数と、消毒処理後の供試レンズにおける各供試菌の生菌数とから、消毒処理による各供試菌の減少率を求め、その結果を併せて表5に示した。
【0061】
【0062】
これらの結果より、殺菌剤を固定化したコンタクトレンズ用消毒用具を用いることで、効果的な消毒を行なうことが可能となり、更に、湿潤剤にホウ酸塩緩衝液を用いることで、その効果をより高いものにすることが出来ることが確認された。
【0063】
実施例 5
本発明に係るコンタクトレンズ用消毒用具の安全性の確認を、軟性物質からの殺菌剤の遊離の有無を確認することにより行なうべく、先ず、コンタクトレンズ用消毒用具の検体を、軟性物質としてポリビニルホルマールを用い、また殺菌剤としてポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩を用いて、実施例1と同様の手順に従って調製し、更にこの得られた検体に対して、蒸留水を飽和状態になるように含ませたものを、本発明例10として用意した。
【0064】
一方、比較のために、軟性物質のポリビニルホルマールを、殺菌剤のポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩に浸漬せしめることなく、また殺菌剤の固定化を行なわずに、単に乾燥せしめることによって、検体を用意し、そしてそれを、本発明例10と同様に、蒸留水を飽和状態になるように含ませて、それを比較例4とした。
【0065】
これら得られた各検体を、それぞれ、シャーレ内に密封することにより水分の蒸発を防止した状態で、25℃で5時間放置した。その後に、それぞれの検体から回収した蒸留水を、試験液とした。
【0066】
そして、それぞれの試験液中におけるポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩の存在の有無を、分光光度計を用いて、236nm付近の吸収の有無について観察することによって確認したところ、本発明例10の試験液からも、比較例4の試験液からも、236nm付近の吸収は認められなかった。この結果より、軟性物質に対して固定化された殺菌剤が、湿潤剤中に遊離するようなことはなく、よって消毒処理を施されるコンタクトレンズに吸着されることもないことから、本発明に従う消毒方法により、高い安全性が確保され得ることが確認出来た。
【0067】
実施例 6
本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具の安全性を、動物細胞に対する増殖阻害率を測定することにより、確認するために、先ず、実施例5と同様にして本発明例10及び比較例4の検体から回収した蒸留水を、試験液として用意する一方、現在、海外で上市され評価されている、一液で洗浄・消毒・保存・装用時の点眼が行ない得る液剤(ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩を0.5μg/mL含む、洗浄・消毒・保存液)を、比較例5の試験液として用意した。
【0068】
次いで、96wellマイクロプレートに組織培養した単層のマウス繊維芽細胞に、それぞれの試験液、及び対照としてのCa2+,Mg2+不含リン酸緩衝溶液〔PBS(−)〕を、培地に対して10%の割合となるように加えた。それらのマイクロプレートを37℃の5%CO2 インキュベーター内にて3日間培養した後、蛋白定量法(Lowry法:J.Biol.Chem., 193,265,1951)により、増殖した細胞量を蛋白量として650nmでの吸光度(OD)を測定し、下記の計算式に従って細胞に対する増殖阻害率を求めた。その結果を、下記表6に示す。
【0069】
【0070】
この結果から、本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具は、現在海外の市場に出回り、評価されている液剤を遙に凌ぐ、高い安全性を有していることが確認された。
【0071】
実施例 7
本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具を高温下において長期間保存したものを用いて、以下の如き殺菌効果試験を行なうことにより、長期安定性の確認を行なった。
【0072】
先ず、供試菌として、大腸菌(E.c.;Escherichia coli ATCC 8739)、緑膿菌(P.a.;Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027)、黄色ブドウ球菌(S.a.;Staphylococcus aureus ATCC 6538P)の3種の菌を用いて、実施例1と同様の手順に従って、供試レンズを準備した。また、コンタクトレンズ用消毒用具の検体は、実施例4と同様にして、殺菌剤(PHMB)を固定化した軟性物質(PVF)の検体と、殺菌剤(PHMB)を未固定の軟性物質(PVF)の検体とを用意した。そして、殺菌剤を固定化しなかった検体を比較例6とする一方、殺菌剤を固定化した検体については、更に、50℃の温度条件下において60日間保存したところで、本発明例11とした。
【0073】
次いで、上記のようにして得られた乾燥状態の検体のそれぞれを用いて、供試レンズに対する消毒処理を、湿潤剤として実施例4における(生理食塩水+ホウ酸塩緩衝液)を用いて、実施例1と同様に施した。
【0074】
そして、消毒処理前の供試レンズ表面における各供試菌の生菌数と、消毒処理後の供試レンズにおける各供試菌の生菌数とから、消毒処理による各供試菌の減少率を求め、その結果を、下記表7に示した。
【0075】
【0076】
この結果より、本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具は、長期間の過酷な条件下で保存された後にも、高い殺菌効力を維持し得ることが確認された。
【0077】
実施例 8
本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具の洗浄効果を確認するために、以下のように洗浄効果試験を行なった。
【0078】
先ず、かかる洗浄効果試験に用いるために、ソルビタンモノオレイン酸エステル:6w/v%、ヒマシ油:16w/v%、ラノリン:35w/v%、オレイン酸:5w/v%、ソルビタントリオレイン酸エステル:4w/v%、セチルアルコール:2w/v%、コレステロール:2w/v%、及び酢酸コレステロール:30w/v%を溶解し、攪拌によって均一化された人工脂質液2.5部と、生理食塩水97.5部とを混合して、人工脂質溶液を調製した。そして、供試レンズをして用意したソフトコンタクトレンズ(メニコンソフトMA:株式会社メニコン)の表面に、前記人工脂質溶液を5μLずつ、レンズ両面に均一に付着させて、人工脂質汚れ付着レンズを得た。
【0079】
一方で、コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具の検体を、軟性物質としてはPVFを、殺菌剤としてはPHMBを用いる組み合わせにより、実施例1と同様にして準備した。そして、該検体に、エーテル型非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(10)ノニルフェニルエーテルを0.5%含む、ホウ酸塩緩衝液よりなる湿潤剤を、充分に含ませた。その後、実施例1と同様に、受部の凹所と蓋部の突部との間に前記人工脂質汚れ付着レンズを挾持することにより、洗浄・消毒用具に対して充分にコンタクトレンズを接触せしめた後、該蓋部と該受部を、それぞれ左右に回転させ、互いに摺動せしめることによるコンタクトレンズに対する洗浄処理を、10秒間行なった。
【0080】
かかる洗浄処理の後、コンタクトレンズの外観を観察したところ、コンタクトレンズに付着せしめられた人工脂質汚れは、完全に除去されていた。この結果からも明らかなように、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具にあっては、その優れた殺菌作用に加えて、優れた洗浄作用も有しているのである。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明より明らかな如く、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具は、軟性物質に対して殺菌剤が固定化せしめられた消毒処理部にコンタクトレンズを接触、保持することにより、消毒処理を行なうようにされていることから、コンタクトレンズに対して、殺菌効果の高い殺菌剤によって消毒処理を施すことが出来る一方、その殺菌剤が軟性物質に対して固定化されていることから、その消毒処理によって、眼に対して有害な物質である殺菌成分が、コンタクトレンズに吸着、蓄積されるようなことがなく、眼に対する安全性が極めて有利に改善されているのである。
【0082】
また、その消毒処理に際し、従来のように液剤を用いるのではなく、消毒用具として固体の部材を使用するものであるところから、消毒処理の際に液剤をこぼして手元を汚してしまうような不都合が回避され、簡便な消毒処理を行ない得るのであり、また、そのような消毒処理を行なう場所についても、洗面所等に限られることがなくなるのである。しかも、本発明に従う消毒用具は、化学消毒法を採用したものであって、熱消毒法の煮沸器具のように、電源等を使用する必要のないものであることからも、消毒処理を行なう場所が限定されることがなく、消毒処理の簡便性乃至は利便性が著しく向上され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具の受部の一例を示し、(a)はその断面説明図であり、(b)はその平面図である。
【図2】本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具の蓋部の一例を示し、(a)はその断面説明図であり、(b)はその底面図である。
【図3】本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具の一例の使用形態を示す断面説明図である。
【図4】本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具の他の例の使用形態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
2,16 受部
4 凹部
6,18 蓋部
8 突部
10,14 コンタクトレンズ用消毒用具
12 コンタクトレンズ
20 受部側基部
22 蓋部側基部
24 受部側処理部
26 蓋部側処理部
Claims (8)
- 少なくともコンタクトレンズが接触せしめられる処理部を、殺菌剤が固定化せしめられてなる吸水性を有する固形の軟性物質にて構成した用具であって、固定化の方法が(a)軟性物質を殺菌剤含有溶液に浸漬し、乾燥、加熱により殺菌剤を固定化するか、もしくは(b)軟性物質にシランカップリング剤を用いて殺菌剤を固定化することを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具。
- コンタクトレンズの載置面を有する第一の部材と、該載置面に対応した形状を有する第二の部材とを含み、それら第一及び第二の部材の少なくともコンタクトレンズ接触部位が前記軟性物質にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具。
- 前記軟性物質が、ポリアクリル酸若しくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール及び再生セルロースからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具。
- 前記殺菌剤が、グアニジン系殺菌剤または第四アンモニウム塩系殺菌剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具。
- 吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤を固定化せしめたコンタクトレンズ用具の製造方法であって、(a)殺菌剤含有溶液に軟性物質を10分〜8時間浸漬した後、(b)過剰の殺菌剤溶液を除去し、次いで(c)85℃までの温度に加熱して乾燥することを特徴とする、殺菌剤を固定化したコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具の製造方法。
- 請求項1記載のコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具を用いて、該消毒用具の少なくとも消毒処理部に湿潤剤を含有せしめた状態下において、該消毒処理部にコンタクトレンズの消毒されるべき表面を接触せしめて、保持することを特徴とするコンタクトレンズの消毒方法。
- 前記湿潤剤が、緩衝液であることを特徴とする請求項6に記載のコンタクトレンズの消毒方法。
- 前記湿潤剤が、界面活性剤を含む緩衝液であることを特徴とする請求項6に記載のコンタクトレンズの消毒方法。
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