JPH1070236A - 水冷式半導体素子スタック - Google Patents
水冷式半導体素子スタックInfo
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- JPH1070236A JPH1070236A JP22357296A JP22357296A JPH1070236A JP H1070236 A JPH1070236 A JP H1070236A JP 22357296 A JP22357296 A JP 22357296A JP 22357296 A JP22357296 A JP 22357296A JP H1070236 A JPH1070236 A JP H1070236A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】複数個の電力用半導体素子と、各半導体素子の
両側に配した電極板と、電極板の間に介挿してその内部
に冷却水を流す板状の冷却体と、冷却体と電極板との間
に介在させた絶縁物とを積み重ね、且つ半導体素子相互
間を直列に導電接続して構成した水冷式半導体素子スタ
ックにおいて、熱的アンバランスの無い、組立て性の良
い半導体素子スタックを提供する。 【解決手段】両側に高伝熱性の絶縁板24を介して冷却
体25を包む形の箱状をした一体構成物の電極板21と
する。冷却体25の側方には電極板21との間に空間を
設け、また電極板21の端面22は、半導体素子の電極
が接触する接触面23の外周と平行になるようにする。
箱状電極板の角部を切り欠いたり、半導体素子の電極が
接触する接触面の周囲に溝を設けることも良い。
両側に配した電極板と、電極板の間に介挿してその内部
に冷却水を流す板状の冷却体と、冷却体と電極板との間
に介在させた絶縁物とを積み重ね、且つ半導体素子相互
間を直列に導電接続して構成した水冷式半導体素子スタ
ックにおいて、熱的アンバランスの無い、組立て性の良
い半導体素子スタックを提供する。 【解決手段】両側に高伝熱性の絶縁板24を介して冷却
体25を包む形の箱状をした一体構成物の電極板21と
する。冷却体25の側方には電極板21との間に空間を
設け、また電極板21の端面22は、半導体素子の電極
が接触する接触面23の外周と平行になるようにする。
箱状電極板の角部を切り欠いたり、半導体素子の電極が
接触する接触面の周囲に溝を設けることも良い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電鉄用車両の主変
換装置等に適用する平型半導体素子を用いた水冷式の半
導体素子スタックに関する。
換装置等に適用する平型半導体素子を用いた水冷式の半
導体素子スタックに関する。
【0002】
【従来の技術】電鉄用車両に搭載する電力変換装置とし
て、サイリスタなどの電力用半導体素子と水冷式のヒー
トシンク(冷却体)とを組み合わせてスタックを組み、
これを閉鎖型の箱体に収納して車両の床下に設置するよ
うにした構成のものが多く採用されている。
て、サイリスタなどの電力用半導体素子と水冷式のヒー
トシンク(冷却体)とを組み合わせてスタックを組み、
これを閉鎖型の箱体に収納して車両の床下に設置するよ
うにした構成のものが多く採用されている。
【0003】ここで、従来における水冷式半導体素子ス
タック1の組立構成の一例を図4に示す。図において、
9は平型半導体素子(例えばサイリスタ)である。その
平型半導体素子9の両側に、電極板11、セラミックス
等の伝熱性の高い絶縁板14、板状の金属製の冷却体1
5からなる冷却ブロック10を配してある。これらの部
品を図示のように積み重ねてスタック1を組立てた上
で、図示されない締めつけ機構で加圧締結し、さらに、
各平型半導体素子9を直列接続するように、冷却体15
の外方を迂回して各電極板14の相互間が、別部品の接
続バー16と締結ねじ17により連結されている。冷却
体15には入口管15a、出口管15bを通じて内部に
冷却水(不凍液)5を流す。
タック1の組立構成の一例を図4に示す。図において、
9は平型半導体素子(例えばサイリスタ)である。その
平型半導体素子9の両側に、電極板11、セラミックス
等の伝熱性の高い絶縁板14、板状の金属製の冷却体1
5からなる冷却ブロック10を配してある。これらの部
品を図示のように積み重ねてスタック1を組立てた上
で、図示されない締めつけ機構で加圧締結し、さらに、
各平型半導体素子9を直列接続するように、冷却体15
の外方を迂回して各電極板14の相互間が、別部品の接
続バー16と締結ねじ17により連結されている。冷却
体15には入口管15a、出口管15bを通じて内部に
冷却水(不凍液)5を流す。
【0004】かかる構成により、通電時に半導体素子9
に発生した損失熱は、電極板11、絶縁板14を経て、
冷却体15に伝熱し、外部の放熱器(熱交換器)と冷却
体15との間に循環通流する冷却水5を熱媒体として系
外に放熱される。なお、半導体素子9と接触している電
極板11と冷却体15との間に絶縁板14が介在してい
るので、冷却体15を流れる冷却水5を介して半導体素
子9が電気的に短絡されることは無い。
に発生した損失熱は、電極板11、絶縁板14を経て、
冷却体15に伝熱し、外部の放熱器(熱交換器)と冷却
体15との間に循環通流する冷却水5を熱媒体として系
外に放熱される。なお、半導体素子9と接触している電
極板11と冷却体15との間に絶縁板14が介在してい
るので、冷却体15を流れる冷却水5を介して半導体素
子9が電気的に短絡されることは無い。
【0005】図6に平型半導体素子を示す。平型半導体
素子9の内部は、絶縁ケース6内に複数の半導体素子チ
ップ7を碁盤目状に配置し並列回路を構成している。そ
して両面に冷却面を兼ねた電極面8を加圧接合して全体
を形成している。電鉄用主変換装置に用いられる平型半
導体素子は、車両の高速化により2000V、1000
A以上の大容量で、形状も大型のものが使用され、さら
に低騒音化を図るため、キャリア周波数は1000Hz
以上の高周波で使用される方向にある。
素子9の内部は、絶縁ケース6内に複数の半導体素子チ
ップ7を碁盤目状に配置し並列回路を構成している。そ
して両面に冷却面を兼ねた電極面8を加圧接合して全体
を形成している。電鉄用主変換装置に用いられる平型半
導体素子は、車両の高速化により2000V、1000
A以上の大容量で、形状も大型のものが使用され、さら
に低騒音化を図るため、キャリア周波数は1000Hz
以上の高周波で使用される方向にある。
【0006】この状況下において、以下のような問題が
生じている。図4に示した従来の電極板の構成では、平
型半導体素子内の各半導体素子チップの配置において配
線距離が異なり(例えば、図6の半導体素子チップ7a
と7b)配線抵抗が異なるため、定常通電時において半
導体素子チップ7に配線抵抗による電流アンバランスが
生じ、半導体素子チップ7の発熱に不均一が発生する。
生じている。図4に示した従来の電極板の構成では、平
型半導体素子内の各半導体素子チップの配置において配
線距離が異なり(例えば、図6の半導体素子チップ7a
と7b)配線抵抗が異なるため、定常通電時において半
導体素子チップ7に配線抵抗による電流アンバランスが
生じ、半導体素子チップ7の発熱に不均一が発生する。
【0007】また、配線距離の違いは配線内部の自己イ
ンダクタンスの違いとなり、高周波でスイッチングを繰
り返す半導体素子チップ7の電流の応答時間のアンバラ
ンスとなる。この結果、半導体素子チップ7の総電流投
入時間の不均一により半導体素子チップ7の寿命のアン
バランスが生じることになる。この問題に対して、特願
平8−62385号において図5に示すような冷却ブロ
ック20を有する水冷式半導体素子スタックが考案され
ている。
ンダクタンスの違いとなり、高周波でスイッチングを繰
り返す半導体素子チップ7の電流の応答時間のアンバラ
ンスとなる。この結果、半導体素子チップ7の総電流投
入時間の不均一により半導体素子チップ7の寿命のアン
バランスが生じることになる。この問題に対して、特願
平8−62385号において図5に示すような冷却ブロ
ック20を有する水冷式半導体素子スタックが考案され
ている。
【0008】図5(a)は、その水冷式半導体素子スタ
ックの冷却ブロック20の部品構成図である。図5
(a)において、内部に冷却水(不凍液)5を流すよう
にした、板状の金属製の冷却体25の両側に絶縁板24
を配しているのは図4の例と同じであるが、左右一対の
電極板21が冷却体25を包囲するような屈曲部を持
ち、その屈曲部の間に架け渡した配線バー兼用の連結板
26を締結ねじ27で固定するようになっている。
ックの冷却ブロック20の部品構成図である。図5
(a)において、内部に冷却水(不凍液)5を流すよう
にした、板状の金属製の冷却体25の両側に絶縁板24
を配しているのは図4の例と同じであるが、左右一対の
電極板21が冷却体25を包囲するような屈曲部を持
ち、その屈曲部の間に架け渡した配線バー兼用の連結板
26を締結ねじ27で固定するようになっている。
【0009】図5(b)は組立て後の断面図であるが、
組立て後さらに電極板21、連結板26、冷却体25と
の部品間に残る隙間には、絶縁性の注型樹脂28を充填
している。このような屈曲部をもつ電極板21を用い、
連結板26で接続することにより、先の図6の半導体素
子チップ7bは7aとほぼ等価な位置になり、先の配線
抵抗のアンバランス、インダクタンスのアンバランスは
大幅に低減された。
組立て後さらに電極板21、連結板26、冷却体25と
の部品間に残る隙間には、絶縁性の注型樹脂28を充填
している。このような屈曲部をもつ電極板21を用い、
連結板26で接続することにより、先の図6の半導体素
子チップ7bは7aとほぼ等価な位置になり、先の配線
抵抗のアンバランス、インダクタンスのアンバランスは
大幅に低減された。
【0010】最新の動向によれば、従来の金属製の冷却
体の代わりとして、伝熱性の高いセラミックス(例えば
チッ化アルミニウム)を材料に用いた冷却体を使用して
冷却水(不凍液)を流す構成として、前述した冷却構成
から絶縁板を削除した構成例も報告されている。
体の代わりとして、伝熱性の高いセラミックス(例えば
チッ化アルミニウム)を材料に用いた冷却体を使用して
冷却水(不凍液)を流す構成として、前述した冷却構成
から絶縁板を削除した構成例も報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】電鉄用主変換装置は屋
外で使用されるため、電極板周囲の温度環境は−15〜
100℃前後と大きく変動する。そのとき、図5に示し
た電極板の構成では、電極板21で絶縁板24と冷却体
25をはさみ、注型樹脂28で冷却体との隙間を埋めて
一体化しているため、使用温度の変化により温度膨張係
数が異なる冷却体、絶縁板、樹脂がそれぞれに熱膨張或
いは収縮する。その結果、電極板に局部応力が発生して
反りが生じたり、各接触面において隙間が生じたりして
接触面において圧力分布が発生し、接触熱抵抗のアンバ
ランスから半導体素子表面で局部発熱が起こることがあ
る。
外で使用されるため、電極板周囲の温度環境は−15〜
100℃前後と大きく変動する。そのとき、図5に示し
た電極板の構成では、電極板21で絶縁板24と冷却体
25をはさみ、注型樹脂28で冷却体との隙間を埋めて
一体化しているため、使用温度の変化により温度膨張係
数が異なる冷却体、絶縁板、樹脂がそれぞれに熱膨張或
いは収縮する。その結果、電極板に局部応力が発生して
反りが生じたり、各接触面において隙間が生じたりして
接触面において圧力分布が発生し、接触熱抵抗のアンバ
ランスから半導体素子表面で局部発熱が起こることがあ
る。
【0012】また、図5に示した電極板は、部品点数が
多く、組立工数も多くかかるため、数10個の平型半導
体素子を用いる電鉄用主変換装置全体では、コストアッ
プの要因となっている。以上の問題に鑑み本発明の目的
は、電流アンバランス、不均一接触等に起因する熱的な
不均一の改善され、かつ組立ての容易な半導体素子スタ
ックを提供することにある。
多く、組立工数も多くかかるため、数10個の平型半導
体素子を用いる電鉄用主変換装置全体では、コストアッ
プの要因となっている。以上の問題に鑑み本発明の目的
は、電流アンバランス、不均一接触等に起因する熱的な
不均一の改善され、かつ組立ての容易な半導体素子スタ
ックを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、複数個の電力用平型半導体素子と、各半導体
素子の両側に配した電極板と、電極板の間に介挿してそ
の内部に冷却水を流す板状の冷却体と、冷却体と電極板
との間に介在させた絶縁物とを積み重ね、かつ半導体素
子の相互間を直列に導電接続して構成した水冷式半導体
素子スタックにおいて、前記電極板が、冷却体を包む箱
状の一体構成物であり、その電極板と平型半導体素子と
を交互に積み重ねたものとする。
本発明は、複数個の電力用平型半導体素子と、各半導体
素子の両側に配した電極板と、電極板の間に介挿してそ
の内部に冷却水を流す板状の冷却体と、冷却体と電極板
との間に介在させた絶縁物とを積み重ね、かつ半導体素
子の相互間を直列に導電接続して構成した水冷式半導体
素子スタックにおいて、前記電極板が、冷却体を包む箱
状の一体構成物であり、その電極板と平型半導体素子と
を交互に積み重ねたものとする。
【0014】そのようにすれば、電極板外周と冷却体外
周の間には空間が生じるため、温度変化による冷却体や
絶縁板の厚さの変位による応力を吸収し、電極板と平型
半導体素子の接触面に影響を生じさせず冷却効果が低下
しない。また、電極板の周縁が、平型半導体素子の電極
が接触する接触部の外周と平行であるものとする。
周の間には空間が生じるため、温度変化による冷却体や
絶縁板の厚さの変位による応力を吸収し、電極板と平型
半導体素子の接触面に影響を生じさせず冷却効果が低下
しない。また、電極板の周縁が、平型半導体素子の電極
が接触する接触部の外周と平行であるものとする。
【0015】そのようにすれば、平型半導体素子内部の
各半導体素子チップの配線距離がほぼ均一となり、配線
抵抗やインダクタンスが要因となる電流アンバランスや
応答時間のアンバランスが低減され、局部発熱を防止す
る。更に、箱状の電極板の少なくとも一面に、冷却体を
挿入する開口部を有するものとする。
各半導体素子チップの配線距離がほぼ均一となり、配線
抵抗やインダクタンスが要因となる電流アンバランスや
応答時間のアンバランスが低減され、局部発熱を防止す
る。更に、箱状の電極板の少なくとも一面に、冷却体を
挿入する開口部を有するものとする。
【0016】そのようにすれば、絶縁板を挟んで冷却体
を開口部から挿入するだけで、冷却ブロックのくみたて
ができる。特に、箱状の電極板の冷却体挿入部と反対側
の両角を切り欠くとよい。そのようにすれば、平型半導
体素子と接する面に対して垂直面が各々独立するため、
垂直面同士での応力集中や歪みがなくなり、電極板と平
型半導体素子の接触面の場所による接触圧力のアンバラ
ンスを防止する。また、電極板の大きさをより小型にで
きる。
を開口部から挿入するだけで、冷却ブロックのくみたて
ができる。特に、箱状の電極板の冷却体挿入部と反対側
の両角を切り欠くとよい。そのようにすれば、平型半導
体素子と接する面に対して垂直面が各々独立するため、
垂直面同士での応力集中や歪みがなくなり、電極板と平
型半導体素子の接触面の場所による接触圧力のアンバラ
ンスを防止する。また、電極板の大きさをより小型にで
きる。
【0017】また、電極板の平型半導体素子の電極が接
触する接触部と、電極板の周縁との間に溝を設けること
もよい。そのようにすれば、温度変化による冷却体や絶
縁板の厚さの変位による応力を溝で吸収し、電極板と平
型半導体素子の接触面の場所による接触圧力のアンバラ
ンスを防止する。そして、電極板の大きさをより小型に
できる。
触する接触部と、電極板の周縁との間に溝を設けること
もよい。そのようにすれば、温度変化による冷却体や絶
縁板の厚さの変位による応力を溝で吸収し、電極板と平
型半導体素子の接触面の場所による接触圧力のアンバラ
ンスを防止する。そして、電極板の大きさをより小型に
できる。
【0018】電極板の材質としては銅を用い、箱状に加
工した後焼鈍を行い表面に金属メッキを施したものとす
る。そのようにすれば、電極板内の残留応力や歪みを除
去し、材料の硬度が低くなるため、温度変化による冷却
体や絶縁板の厚さの変位応力を吸収し易く、電極板と平
型半導体素子の接触面の場所による接触圧力のアンバラ
ンスを防止する。
工した後焼鈍を行い表面に金属メッキを施したものとす
る。そのようにすれば、電極板内の残留応力や歪みを除
去し、材料の硬度が低くなるため、温度変化による冷却
体や絶縁板の厚さの変位応力を吸収し易く、電極板と平
型半導体素子の接触面の場所による接触圧力のアンバラ
ンスを防止する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 [実施例1]図1は、本発明第一の実施例の半導体素子
スタックの冷却ブロック30の斜視図である。
づいて説明する。 [実施例1]図1は、本発明第一の実施例の半導体素子
スタックの冷却ブロック30の斜視図である。
【0020】冷却体35が両側に絶縁板34を挟んで箱
状の電極板31に挿入されている。33は半導体素子の
電極が接する接触面である。冷却体35には、冷却水の
入口管35aと出口管35bとが取り付けられている。
電極板31の製造方法としては、材料は電気伝導および
熱伝導に優れる銅を用い、例えば平板をプレス加工等の
手段によって箱型に成形する。成形した電極板を炉に入
れ、所定の温度になるまで加熱する。このときの温度
は、例えば、使用材料が銅の場合、600〜700℃で
ある。材料全体が所定の温度に達した後、炉より取り出
し室温になるまでさまし、加熱時に生じた電極板表面の
酸化膜を除去し、ニッケルによる金属メッキを施す。
状の電極板31に挿入されている。33は半導体素子の
電極が接する接触面である。冷却体35には、冷却水の
入口管35aと出口管35bとが取り付けられている。
電極板31の製造方法としては、材料は電気伝導および
熱伝導に優れる銅を用い、例えば平板をプレス加工等の
手段によって箱型に成形する。成形した電極板を炉に入
れ、所定の温度になるまで加熱する。このときの温度
は、例えば、使用材料が銅の場合、600〜700℃で
ある。材料全体が所定の温度に達した後、炉より取り出
し室温になるまでさまし、加熱時に生じた電極板表面の
酸化膜を除去し、ニッケルによる金属メッキを施す。
【0021】電極板31の板厚は、流れる電流のキャリ
ア周波数により決定されるが、1000〜2000Hz
の範囲においては、2〜3mmである。電極板31の内
寸は、厚さ方向は絶縁板34を挟んだ冷却体35を挿入
する際に支障のない程度で十分で、スタック組立時に、
加圧することで固定される。なお組立時には、電極板3
1、絶縁板34、冷却体35の各接触面には、接触熱抵
抗を低減するために熱伝導グリースを塗布するとよい。
ア周波数により決定されるが、1000〜2000Hz
の範囲においては、2〜3mmである。電極板31の内
寸は、厚さ方向は絶縁板34を挟んだ冷却体35を挿入
する際に支障のない程度で十分で、スタック組立時に、
加圧することで固定される。なお組立時には、電極板3
1、絶縁板34、冷却体35の各接触面には、接触熱抵
抗を低減するために熱伝導グリースを塗布するとよい。
【0022】冷却体35の側方は、電極31との間に約
10mmの空間が残されていて、電極板31の接触面3
3部分が半導体素子の電極で押されたとき、その部分が
不均一な変形をしないようになっている。また、電極板
31の端面32は、半導体素子電極接触面33の外周と
平行になっている。以上のような箱状の電極板を用いる
ことによって、温度環境の大きな変動があった場合の電
極板と冷却体との不均一接触の問題は低減された。しか
も、図5に示した従来の電極板と比較して、部品点数が
少なく構成が単純化されていて、組立ても絶縁板を挟ん
で冷却体を挿入するだけであり、組立工数が約70%と
大幅な削減が可能になった。
10mmの空間が残されていて、電極板31の接触面3
3部分が半導体素子の電極で押されたとき、その部分が
不均一な変形をしないようになっている。また、電極板
31の端面32は、半導体素子電極接触面33の外周と
平行になっている。以上のような箱状の電極板を用いる
ことによって、温度環境の大きな変動があった場合の電
極板と冷却体との不均一接触の問題は低減された。しか
も、図5に示した従来の電極板と比較して、部品点数が
少なく構成が単純化されていて、組立ても絶縁板を挟ん
で冷却体を挿入するだけであり、組立工数が約70%と
大幅な削減が可能になった。
【0023】勿論、平型半導体素子内部の各半導体素子
チップに対する配線距離がほぼ均一となり、配線抵抗や
インダクタンスが要因となる電流アンバランスや応答時
間のアンバランスが低減されている。なお、電極板31
の材質としては、電気、熱伝導性に優れたアルミニウム
でもよい。 [実施例2]図2(a)は、本発明第二の実施例の半導
体素子スタックの電極板41の斜視図である。
チップに対する配線距離がほぼ均一となり、配線抵抗や
インダクタンスが要因となる電流アンバランスや応答時
間のアンバランスが低減されている。なお、電極板31
の材質としては、電気、熱伝導性に優れたアルミニウム
でもよい。 [実施例2]図2(a)は、本発明第二の実施例の半導
体素子スタックの電極板41の斜視図である。
【0024】この例では、電極板41はやはり箱型をし
ているが、その角部が切り取られた形をしている。他の
特質はほぼ実施例1と同じである。47は接合線であ
る。電極板41の端面42は、半導体素子電極との接触
面43の外周と平行でいずれも均等距離を保つ大きさで
ある。半導体装素子スタックに組立てた際、半導体素子
の電極と接触して接触面43が加圧されたとき、電極板
が箱状であると、角部には二方向の引っ張り力が働き、
複雑な変形をする。図のように角部を切り取った電極板
41にすることによって、半導体素子の電極が接触する
接触面43部分にはほぼ一方向の引っ張り力だけが働く
ので、変形が単純になり均一な接触が得られる。
ているが、その角部が切り取られた形をしている。他の
特質はほぼ実施例1と同じである。47は接合線であ
る。電極板41の端面42は、半導体素子電極との接触
面43の外周と平行でいずれも均等距離を保つ大きさで
ある。半導体装素子スタックに組立てた際、半導体素子
の電極と接触して接触面43が加圧されたとき、電極板
が箱状であると、角部には二方向の引っ張り力が働き、
複雑な変形をする。図のように角部を切り取った電極板
41にすることによって、半導体素子の電極が接触する
接触面43部分にはほぼ一方向の引っ張り力だけが働く
ので、変形が単純になり均一な接触が得られる。
【0025】図2(b)は実施例2の電極板を作製する
ための材料の展開図である。銅もしくはアルミニウムの
板を図の形状に裁断し、折曲線46にそって折り曲げ、
接合線47に沿ってティグ溶接等の手段により接合すれ
ば、同図(a)のような箱状の電極板41が作製でき
る。この実施例2の電極板41は材料が少なくてすみ、
かつ加工が容易である。 [実施例3]図3は、本発明第三の実施例の半導体素子
スタックの電極板51の斜視図である。
ための材料の展開図である。銅もしくはアルミニウムの
板を図の形状に裁断し、折曲線46にそって折り曲げ、
接合線47に沿ってティグ溶接等の手段により接合すれ
ば、同図(a)のような箱状の電極板41が作製でき
る。この実施例2の電極板41は材料が少なくてすみ、
かつ加工が容易である。 [実施例3]図3は、本発明第三の実施例の半導体素子
スタックの電極板51の斜視図である。
【0026】電極板51の半導体素子電極接触面53の
外側に、幅5mm、深さ2mm程度の溝58が設けられ
ている。この溝58により、応力を吸収して端面52の
影響等による不均一変形を免れることができる。接触面
53部分は平面を保ち、絶縁板や半導体素子の電極と、
より一層均一な接触をするようになる。また、冷却体が
絶縁性のセラミックスからなるものの場合にも、本発明
は適用できる。
外側に、幅5mm、深さ2mm程度の溝58が設けられ
ている。この溝58により、応力を吸収して端面52の
影響等による不均一変形を免れることができる。接触面
53部分は平面を保ち、絶縁板や半導体素子の電極と、
より一層均一な接触をするようになる。また、冷却体が
絶縁性のセラミックスからなるものの場合にも、本発明
は適用できる。
【0027】[発明の効果]以上説明したように本発明
の構成によれば、次記の効果を奏する。 1)半導体素子と組み合わせてスタックを構成する冷却
ブロックにおいて、箱状の電極板を用いることにより、
温度変化による冷却体や絶縁板の厚さの変位による応力
を吸収し、温度環境の大きな変動があった場合の電極板
と冷却体との不均一接触の問題は低減される。
の構成によれば、次記の効果を奏する。 1)半導体素子と組み合わせてスタックを構成する冷却
ブロックにおいて、箱状の電極板を用いることにより、
温度変化による冷却体や絶縁板の厚さの変位による応力
を吸収し、温度環境の大きな変動があった場合の電極板
と冷却体との不均一接触の問題は低減される。
【0028】2)箱状の電極板を用いることにより、そ
の電極板中に絶縁板を挟んで水冷式の冷却体を挿入する
だけで構成できる。そのため、スタックの組立て工程で
は、半導体装素子と、冷却ブロックとを単に交互に重ね
合わせるだけで堅固な半導体素子スタックを組立て構成
できて、製造および組立て工数が大幅に削減される。 3)平型半導体素子内部の各半導体素子チップに対する
配線距離がほぼ均一となり、配線抵抗やインダクタンス
が要因となる電流アンバランスや応答時間のアンバラン
スが低減される。この結果、局部発熱や半導体素子の信
頼性低下を防止する。
の電極板中に絶縁板を挟んで水冷式の冷却体を挿入する
だけで構成できる。そのため、スタックの組立て工程で
は、半導体装素子と、冷却ブロックとを単に交互に重ね
合わせるだけで堅固な半導体素子スタックを組立て構成
できて、製造および組立て工数が大幅に削減される。 3)平型半導体素子内部の各半導体素子チップに対する
配線距離がほぼ均一となり、配線抵抗やインダクタンス
が要因となる電流アンバランスや応答時間のアンバラン
スが低減される。この結果、局部発熱や半導体素子の信
頼性低下を防止する。
【0029】4)更に箱状電極板の角部を切り欠き、或
いは溝を設ける等すれば、電極板の寸法を小型にでき、
車両用主変換装置全体の小型軽量化に貢献できる。
いは溝を設ける等すれば、電極板の寸法を小型にでき、
車両用主変換装置全体の小型軽量化に貢献できる。
【図1】本発明第一の実施例の平型半導体素子スタック
の電極板部分の斜視図。
の電極板部分の斜視図。
【図2】(a)は本発明第二の実施例の電極板の斜視
図、(b)はその展開図
図、(b)はその展開図
【図3】本発明第三の実施例の電極板の斜視図。
【図4】従来の平型半導体素子スタックの構成図。
【図5】(a)は、異なる平型半導体素子スタックの電
極板の部品構成図、(b)は組立て後の断面図。
極板の部品構成図、(b)は組立て後の断面図。
【図6】平型半導体素子の構成図。
1 半導体素子スタック 5 冷却水 6 絶縁ケース 7、7a、7b 半導体素子チップ 8 半導体素子の電極 9 平型半導体素子 10、20、30 冷却ブロック 11、21、31、41、51 電極板 14、24、34 絶縁板 15、25、35 冷却体 15a、25a、35a 冷却水入口管 15b、25b、35b 冷却水出口管 16 接続バー 26 連結板 27 締結ねじ 28 注型樹脂 32、42、52 電極板端面 33、43、53 接触面 46 折り線 47 接合線 58 溝
Claims (6)
- 【請求項1】複数個の電力用平型半導体素子と、各半導
体素子の両側に配した電極板と、電極板の間に介挿して
その内部に冷却水を流す板状の冷却体と、冷却体と電極
板との間に介在させた絶縁物とを積み重ね、かつ半導体
素子の相互間を直列に導電接続して構成した水冷式半導
体素子スタックにおいて、前記電極板が、冷却体を包む
箱状の一体構成物であり、その電極板と平型半導体素子
とを交互に積み重ねてスタック構成したことを特徴とす
る水冷式半導体素子スタック。 - 【請求項2】電極板の周縁が、平型半導体素子の電極が
接触する接触部の外周と平行であることを特徴とする請
求項1記載の水冷式半導体素子スタック。 - 【請求項3】箱状の電極板の少なくとも一面に、冷却体
を挿入する開口部を有することを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の水冷式半導体素子スタック。 - 【請求項4】箱状の電極板の冷却体挿入部と反対側の両
角を切り欠いたことを特徴とする請求項3記載の水冷式
半導体素子スタック。 - 【請求項5】電極板の平型半導体素子の電極が接触する
接触部と、電極板の周縁との間に溝を設けたことを特徴
とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水冷式半導
体素子スタック。 - 【請求項6】電極板の材質が銅またはアルミニウムであ
り、箱状に加工した後焼鈍を行い、表面に金属メッキを
施されていることを特徴とする水冷式半導体素子スタッ
ク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22357296A JPH1070236A (ja) | 1996-08-26 | 1996-08-26 | 水冷式半導体素子スタック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22357296A JPH1070236A (ja) | 1996-08-26 | 1996-08-26 | 水冷式半導体素子スタック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1070236A true JPH1070236A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16800272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22357296A Pending JPH1070236A (ja) | 1996-08-26 | 1996-08-26 | 水冷式半導体素子スタック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1070236A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016045184A1 (zh) * | 2014-09-24 | 2016-03-31 | 中国北车集团大连机车研究所有限公司 | 牵引变流器冷却单元 |
-
1996
- 1996-08-26 JP JP22357296A patent/JPH1070236A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016045184A1 (zh) * | 2014-09-24 | 2016-03-31 | 中国北车集团大连机车研究所有限公司 | 牵引变流器冷却单元 |
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