JPH1069603A - 磁気カード及び磁気カード不正防止方法 - Google Patents

磁気カード及び磁気カード不正防止方法

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JPH1069603A
JPH1069603A JP8326458A JP32645896A JPH1069603A JP H1069603 A JPH1069603 A JP H1069603A JP 8326458 A JP8326458 A JP 8326458A JP 32645896 A JP32645896 A JP 32645896A JP H1069603 A JPH1069603 A JP H1069603A
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card
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JP8326458A
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Shinji Furukawa
伸治 古川
Nobuyoshi Yano
暢芳 矢野
Isamu Ogasawara
勇 小笠原
Toshiyuki Hirano
俊幸 平野
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作で情報を修正不可能な状態で記録
することができ、偽造や変造が困難な磁気カード及びそ
の不正防止方法を提供する。 【解決手段】 カード基体1に設けられた磁気ストライ
プ部2によって磁気記録再生機能を有する磁気カードに
おいて、大バルクハウゼン反転特性を有する材料5が大
バルクハウゼン反転を示し得るために必要な限界長さ以
上の長さでカード基体に設置されており、使用時に前記
大バルクハウゼン反転特性を有する材料5が分断された
場合に、分断された前記大バルクハウゼン反転特性を有
する材料5が前記磁気ストライプ部2の磁気情報に対応
した情報を記録できる機能を有してなることを特徴とす
る磁気カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データの書き換え
が不可能なため、偽造や変造に対して安全性の高い磁気
カード及びその不正防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クレッジットカードやプリペイドカー
ド、乗車券などの用途に、磁気記録を利用したカードが
盛んに用いられている。これらの磁気カードは、酸化鉄
などの磁性体粉末を塗料に混練し、プラスティックフィ
ルムや紙などの基材に印刷して作製されている。そし
て、電磁誘導型磁気ヘッドでストライプ状に情報を記録
し、再生される。このように、磁気カード及びそのシス
テム自体は、ビデオやオーディオ、コンピューターなど
ですでに一般的に用いられてきた技術であり、カードも
リーダライター装置も安価で取り扱いが簡便であったた
めに急速に普及した。
【0003】しかし、近年、その簡便性が逆に災いし
て、偽造や変造などの不正な使用が深刻な社会問題とな
っている。特に、プリペイドカードにおいては、使用済
みのカードを変造して再び使用する犯罪が多発してい
る。前述したように、磁気カードは磁性体塗膜に磁気ヘ
ッドで記録する極めてシンプルなプロセスで使用される
ため、そのコードさえ解析されれば実に容易に複製され
てしまうという問題があった。近年になり、記録を困難
にするために1000Oe以上の高保磁力の材料が用い
られるようになってきたが、これとてカードのリーダラ
イター装置そのものを利用すれば容易に変造が可能であ
る。そこで、カードに記録されている情報、例えば使用
量に応じてパンチ穴を開けていく方式が採用されたが、
他の同種のカードを材料にしてパンチ穴を埋め合わせた
り、パンチ穴の部分を切断して他の同種のカードを貼り
合わせると、新品のものと判別できないという問題があ
った。このように、現状のカードシステムでは変造に対
する根本的な打開策が得られていないために、記録内容
を暗号化してそれを煩雑に変更するといったことで当面
対処していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、これらの磁気
カードに偽造不能な情報を加えてセキュリティーを確保
することが急務となり、すでに幾つかのタイプの磁気カ
ードが提案されている。例えば特開平7−201098
号公報には、磁性体塗膜からなる通常の磁気記録層の他
に光磁気記録層が設けられた磁気カードが開示されてお
り、この光磁気記録層にセキュリティー情報を書き込む
というものである。光磁気記録層を形成するには非常に
高価で大がかりな装置が必要なために偽造されることが
ないと記載されている。しかし、この方式の磁気カード
ではカードの製造コスト自体も非常に高いものになって
しまう上に、複雑な専用のリーダライター装置を必要と
するといった問題もあった。
【0005】また、特開平7−257078号公報に
は、パンチ穴を開ける領域において、塗膜中の磁性体粉
末の種類や含有率を変えて保磁力を変化させることで固
定信号が記録された磁気カードが提案されている。磁性
体粉末の含有比は、例えば印刷直後の未乾燥状態で、磁
気ヘッドで局部領域に強力な磁界を印加し、粉末を集中
させたり配向を変えることにより変化させることができ
る。そして、乾燥固化すると、これらの状態を変えるこ
とができないため、書き換え不可能な情報が記録され
る。この方式の情報記録は、ビットパターン間での磁気
特性の違いが大きいほど明確に判別可能となり、いわゆ
るSN比が向上する。しかし、磁性粉末を集中させたり
配向を変えるだけでは、微細で明瞭なビットパターンを
形成することは困難であった。そして、何よりも磁性粉
末を分散させた塗料は、比較的簡単に製造できることか
ら、偽造に対する抑止力としては十分とは言えないもの
であった。
【0006】一方、特公平5−25151号公報及び特
開平7−14244号公報にはマチウシ効果を有するア
モルファス磁歪合金を備えた磁気カードが開示され、こ
のような材料が特殊で一般には入手しにくいために、偽
造対策として有効であることが示されている。しかし、
マチウシ効果は交番磁界が印加された際に材料の両端間
にパルス電圧が誘起される現象であり、カードリーダー
にこれら材料と接触して電圧を検出するための手段を備
える必要があり、装置が複雑になり、またカード表面の
汚れや接触不良などによって電圧の検出が不安定になる
などの問題があり、実際には実用されてはいない。
【0007】また、特開平6−84029号公報及び特
開平6−143883号公報には、大バルクハウゼン効
果を有するアモルファス磁歪合金を備えたカードが、デ
ータ・キャリア装置及び情報記録媒体として開示され、
このような材料もまた特殊で一般には入手しにくいため
に、偽造対策として有効であることが示されている。大
バルクハウゼン反転とは、磁壁が何らかの原因でピン止
めされていて動けず磁化が変化しなかったものが、臨界
磁界でピンがはずれると一気に磁壁が瞬間移動して磁化
ジャンプが発生する現象のことであり、その急激な磁気
パルスは材料の近傍に設置されたコイルなどに誘導電圧
パルスとして検出される。現在、磁気カードは偽造以上
にむしろ不正使用や変造が問題になっており、そのため
には磁気ストライプに記録した情報、例えばテレフォン
カードなどでは残り度数の情報が正規なものか改ざんさ
れたものかを判定するために、第三者には修正不可能な
照合用の情報が記録されなければならず、大バルクハウ
ゼン反転材料といえどもただ単に設置しただけではその
目的を達成することはできない。
【0008】特開平6−84029号公報に記載のデー
タ・キャリア装置は、近傍に設置されたバイアス用磁性
体により静磁界を印加することで、大バルクハウゼン反
転による磁気パルスを変化させ、情報を記録するという
ものであるが、このような磁気バイアスによるもので
は、従来の改ざん方法と同様に、バイアス用磁性体の着
磁量を変更することにより容易に書き換えられてしまう
問題があった。また、特開平6−143883号公報に
記載の情報記録媒体は、アモルファス磁歪合金の一部を
レーザーなどで加熱結晶化させてその部分の大バルクハ
ウゼン特性を消失させることで情報を記録せしめたもの
であるが、アモルファス磁歪合金の結晶化温度は一般に
400℃以上もあり、プラスティックなどのカードに埋
没させたこれら材料をプラスティック基体の損傷なしに
加熱することは事実上不可能であり、あらかじめ単独の
状態で熱加工を加えた材料をカードに埋め込んで固定情
報として利用する以外の用途に用いることは困難なた
め、実施された例はなかった。本発明は、簡単な操作で
情報を修正不可能な状態で記録することができ、偽造や
変造が困難な磁気カード及びその不正防止方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するものであって、その第1の発明の要旨は、カ
ード基体に設けられた磁気ストライプ部によって磁気記
録再生機能を有する磁気カードにおいて、大バルクハウ
ゼン反転特性を有する材料が大バルクハウゼン反転を示
し得るために必要な限界長さ以上の長さでカード基体に
設置されており、使用時に前記大バルクハウゼン反転特
性を有する材料が分断された場合に、分断された前記大
バルクハウゼン反転特性を有する材料が前記磁気ストラ
イプ部の磁気情報に対応した情報を記録できる機能を有
してなることを特徴とする磁気カードである。また、第
2の発明の要旨は、前期磁気カードの使用時に、前記磁
気ストライプ部の磁気情報に応じて大バルクハウゼン反
転特性を有する材料を分断し、分断することにより変化
する磁気パルス信号を照合用の情報として前記磁気スト
ライプ部の磁気情報と比較してその磁気カードの真偽判
定を行うことを特徴とする磁気カード不正防止方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の磁気カードは、磁気情報を記録するための磁気
ストライプ部が設けられていることが必要である。磁気
ストライプ部の媒体としては、一般的に用いられる磁性
体粉末を混練した塗料を好適に用いることができるが、
蒸着やその他の方法で成膜されたFeやCo基の合金あ
るいは化合物の薄膜であってもよい。カード基体として
は、従来から磁気カード材料として一般的に用いられて
いる、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、塩化ビニールなどのプ
ラスティックフィルムや紙などを用いることができる
が、耐水性や耐久性を考慮するとプラスティックフィル
ムが特に望ましい。また、カード基体としては、1枚の
厚いものを用いてもよいが、複数のフィルムを用いたい
わゆる合わせフィルムの形態を取ってもよい。このとき
の加工としては、ラミネート、熱ラミネート、パウチ、
プレスなどにより実施される。
【0011】本発明の磁気カードにおいては、大バルク
ハウゼン反転特性を有する材料(以下、大バルクハウゼ
ン反転材料という。)が大バルクハウゼン反転を示し得
るために必要な限界長さ以上の長さで前記カード基体に
設置されていることが必要である。大バルクハウゼン反
転材料は一般には入手困難であるため、磁気カードを容
易に偽造することができない。大バルクハウゼン反転材
料は、カード基体の磁気ストライプ部が形成されている
面と同じ面に形成されていてもよいし、反対の面であっ
てもよく、リーダライター装置の構造などに応じて適宜
選択すればよい。大バルクハウゼン反転材料としては、
例えば、非晶質や結晶質の金属からなる細線、薄帯又は
薄膜を用いることができる。特に、非晶質細線は非常に
良好な大バルクハウゼン反転特性を有する上に、伸線加
工などにより直径数μmの細いものまで得ることがで
き、カードに設置することが容易であることから好まし
い。
【0012】例えば、細線状の大バルクハウゼン反転材
料は、大バルクハウゼン反転を示し得るために必要な限
界長さ以上の長さでカード基体に設置される。一般的な
磁気カードの形状は、規格によって定められており、そ
の長さ以上の大バルクハウゼン反転材料をカード基体に
設置することは困難である。一方、細線では、大バルク
ハウゼン反転を示し得るために必要な限界長さは細線の
線径と比例しているため、本発明において細線状の大バ
ルクハウゼン反転材料を用いる場合、ある特定の線径よ
り細い材料を用いることが好ましい。しかし、過度に細
い材料では、細線の機械的強度が不足してカードを製造
することが困難になったり、磁化反転量が小さいために
信号強度が十分でなくなる場合がある。本発明の磁気カ
ードに用いる細線状の大バルクハウゼン反転材料の好ま
しい線径を以下に図を用いて説明する。
【0013】図1は、CoFeSiB系〔具体的には、
合金組成がCo39Fe39Si7 15(数字は原子%を示
す)〕である非晶質金属細線が大バルクハウゼン反転を
示すために必要な限界長さと線径との関係を示してい
る。一般的なカードの形状は、例えばテレフォンカード
の場合では、長辺の長さが約85mm、短辺の長さが約
56mmであるから、この場合、85mm以下の長さの
細線を用いることが好ましい。そして、長さ85mm以
下で大バルクハウゼン反転を示すためには、図1から、
細線の線径が150μm以下であればよいことが分か
る。また、カードの短辺に大バルクハウゼン材料を設置
する場合には、その長さが56mm以下であることが好
ましく、この場合には線径が100μm以下であること
が好ましい。さらに、カードの一部の領域に細線を複数
本並べる場合、例えば、テレフォンカードにおいてパン
チ穴を形成する領域にカードの挿入方向と垂直に細線を
並べるような場合、細線はカードの一部領域に限定して
設置されることが好ましい。この領域とは、多くの場
合、長さが概ね20mm以内である。したがって、細線
の長さが20mm以下で大バルクハウゼン反転を示すた
めには、図1より、大バルクハウゼン反転材料の線径は
30μm以下が好ましいことが分かる。一方、線径が1
0μm未満になると細線が肉眼で確認することが困難に
なり、簡単に切断されやすくなる。以上より、本発明に
用いられる細線状の大バルクハウゼン反転材料の線径と
しては、概ね10〜150μmであることが好ましく、
より好ましくは、15〜30μmである。このように、
線径の小さな細線は、カードに埋め込んだ際に凹凸を生
じにくく、使用者にその存在を認識させることがないた
め、セキュリティー機能をさらに高める点からも好まし
いものである。なお、図1はCo39Fe39Si7
15(原子%)組成の非晶質金属細線の結果であるが、合
金組成が変化してもその傾向は図1と概ね同様であり、
上述したような線径の好適な範囲は非晶質金属細線全般
的に適用することができる。
【0014】一方、金属薄膜は、カードの基体に薄膜を
直接形成することができ、カードを安価に製造すること
ができるため、好ましい形態の一つである。薄膜の厚み
としては、0.1〜5μmであることが好ましく、0.
2〜1μmであることがさらに好ましい。また、金属薄
帯は、その厚みが10〜50μmであることが好まし
く、15〜30μmであることがさらに好ましい。しか
し、金属薄帯の場合、伸線加工が困難なため、100μ
m以下に幅を細くすることが難しく、記録量を増やすた
めに多くの本数を埋め込むようなときには、細線に比べ
て扱い難い場合がある。
【0015】これらの材料の具体的な合金組成として
は、例えば、非晶質材料では、Co、Fe、Niを主構
成元素として、Si、Al、P、B、Cなどの半金属元
素あるいはZr、Nb、Taなどの元素が添加された合
金が特に好適である。また、結晶質材料では、FeS
i、NiFe、FeCoVなどの合金が好適である。非
晶質合金細線では、特にFeSiB、FePC、CoF
eSiB系が好適であり、非晶質合金薄膜では前記細線
と同じ系に加えてFeC、NiFeパーマロイなどの系
が好適であり、非晶質合金薄帯ではCoFeSiB系が
好適である。また、同じCoFeSiB非晶質系でも、
細線や薄膜では磁歪を有するFeを多く含む組成が好適
であるのに対して、薄帯では磁歪の極めて小さなCoの
量の多い組成が好適である。なお、これらの材料は回転
液中紡糸法、単ロール法などのいわゆる液相急冷凝固技
術、蒸着やスパッタリングなどの気相急冷技術、湿式メ
ッキ技術、あるいは一般的な鋳造と伸線技術などにより
製造されるが、製造後に熱処理を施すことは良好な大バ
ルクハウゼン特性を得るために有効であり、その際に張
力や一方向磁界を印加することは特に有効である。
【0016】これらの大バルクハウゼン反転材料は、そ
の形態に応じてそれぞれ適当な方法でカード基体に設置
される。例えば、細線や薄帯の場合は、プラスティック
フィルムなどのカード基体に粘着材を利用して埋め込む
ことができる。このとき、粘着材の厚みを大バルクハウ
ゼン反転材料の厚みや直径と同じ程度あるいはそれ以上
にすると、大バルクハウゼン反転材料は粘着層に埋没し
た状態で固定され、不必要な応力による大バルクハウゼ
ン反転特性の劣化を避けることができる。本発明に用い
られる大バルクハウゼン反転材料は、前述したように、
細線で概ね直径10〜150μm、薄帯で厚み10〜5
0μm程度のものが好ましいため、粘着材の厚みとして
は数μmから200μm、特に10〜50μm程度であ
ることが好ましい。また、カード基体にエンボス加工な
どで予め溝を形成しておいて、大バルクハウゼン反転材
料を収容できるようにしてもよい。この場合の溝の深さ
は使用する大バルクハウゼン反転材料の厚みよりも若干
大きいことが好ましい。一方、大バルクハウゼン反転材
料が薄膜である場合には、上記の方法の他に、カード基
体自体に直接薄膜を形成することができる。この場合に
は、応力を回避するためのエンボス加工などは特に必要
でなく、磁気カードを安価に製造する上で有効である。
【0017】本発明の磁気カードは、使用時に大バルク
ハウゼン反転材料が分断された場合に、分断された大バ
ルクハウゼン反転材料が磁気ストライプ部の磁気情報に
対応した情報を記録できる機能を有していることが必要
である。大バルクハウゼン反転材料が分断されることに
より、交番する磁界が印加された際にその大バルクハウ
ゼン反転材料が発生する磁気パルス信号が変化し、この
変化した磁気パルス信号が修正不可能な記録情報とな
る。
【0018】以下、図面を参照しつつ本発明の磁気カー
ドを具体的に説明する。図2は本発明の磁気カードの一
例を示す平面図及び断面図であり、これは現在一般的に
利用されているテレフォンカードの規格と類似の仕様に
合わせて構成した場合の一例である。図中、1はカード
基体であり、例えばポリエチレンテレフタレートからな
る。カード基体1の全面には磁気塗料が塗布され、磁気
ストライプ部2に磁気情報が記録される。3はこれまで
残り度数の記録のためにパンチ穴4が開けられていた部
分であり、大バルクハウゼン反転材料5は例えばこの部
分に収容される。従来通り、磁気ストライプ部2の記録
情報に対応するようにパンチ穴が開けられ、光センサに
よってその個数や位置の情報が検出されるが、さらに、
磁気ヘッドや検出コイルなどの磁気検出手段により大バ
ルクハウゼン反転材料5が発生する磁気パルス信号が検
出される。すなわち、本発明の磁気カードには、磁気ス
トライプ部2の磁気情報に対応してパンチ穴が開けられ
る際に、大バルクハウゼン反転材料5がカード基体とと
もに分断されるように大バルクハウゼン反転材料5が配
置されており、分断されることによって大バルクハウゼ
ン反転材料が発生する磁気パルス信号が変化し、この変
化した磁気パルス信号が修正不可能な情報となる。これ
が修正不可能となるのは、大バルクハウゼン反転材料が
一旦切断されると、その後埋め合わせたり、繋いだりし
ても特性を復活させることができないからである。図2
は、分断手段として通常のパンチを用いた場合のもので
あるが、パンチ穴の場合、分断の間隔が粗くなって大バ
ルクハウゼン反転材料に記録し得る情報が少なくなるこ
とも考えられる。この点を考慮して、カッターなどで大
バルクハウゼン反転材料を直線的に分断する方が良い場
合もある。なお、図2の断面図において、6は磁気隠蔽
層、7は印刷層、8は保護用トップコート層である。
【0019】図3は、本発明の磁気カードの別の例を示
す平面図及び断面図であり、これは、いわゆるクレジッ
トカードとして利用されている仕様に合わせて構成した
場合の一例である。9はカード基体であり、例えば塩化
ビニールなどの樹脂からなる。カード基体9には溝10
が形成され、大バルクハウゼン反転材料16はその中に
収容される。カード基体9には、磁気情報の記録再生の
ために磁気ストライプ部12が設けられ、さらに必要に
応じて光学的なセキュリティ手段であるホログラム印刷
13が施される。図3の断面図において、11は塩化ビ
ニールなどで構成される保護用フィルム、14はカード
の印刷層、15は保護用トップコート層である。この場
合でも、磁気ストライプ部12に記録された情報に対応
して大バルクハウゼン反転材料16が分断され、分断さ
れることによって変化した磁気パルス信号が修正不可能
な情報となる。なお、本発明の磁気カードは、これらの
例に限定されるものではなく、その他の種々の規格に合
わせて構成することが可能である。
【0020】次に、本発明の磁気カードを用いた不正防
止方法について説明する。本発明においては、前記磁気
カードの使用時に磁気ストライプ部の磁気情報に応じて
大バルクハウゼン反転材料を分断し、分断することによ
り変化する磁気パルス信号を照合用の情報として磁気ス
トライプ部の磁気情報と比較してその真偽判定を行う。
前記磁気パルス信号とは、大バルクハウゼン反転材料が
大バルクハウゼン反転して瞬間的に磁化反転することに
より、周りの空間に放射するパルス状の磁気エネルギー
のことである。このとき、材料に大バルクハウゼン反転
を起こさせるためには、ある臨界値以上の強さの磁界
(以下、スイッチング磁界という。)が材料全体に印加
されていることが望まれる。これは、例えば、リーダラ
イター装置のカードスロット部に励磁用のコイルを設置
して交番磁界を印加することで達成される。そして、材
料が発生した磁気パルス信号は、近接させた磁気検出
器、例えば磁気ヘッドや検出コイルにより検出される。
前述のように、大バルクハウゼン反転材料を分断するこ
とにより、大バルクハウゼン反転材料が発生する磁気パ
ルス信号が変化する。具体的には、大バルクハウゼン反
転特性を有する材料を分断することにより、例えば、磁
気検出器に発生した電圧パルスの振幅、個数又は電圧パ
ルスの発生する時間的な位置が変化する。そして、この
ような変化として検出される情報を照合用の情報として
磁気ストライプ部の磁気情報と比較して磁気カードの真
偽判定を行う。
【0021】以下、本発明の磁気カードにおいて、大バ
ルクハウゼン反転材料が分断されることによって変化す
る特性及びこれを検出する手段について、具体的に説明
する。まず、大バルクハウゼン反転材料よりも十分長い
検出コイルを設置して、この材料が周りの空間に発した
シグナル全体を検知する場合について説明する。大バル
クハウゼン反転材料を大バルクハウゼン反転に必要な限
界長さより短い長さずつ端から次第に分断していき、残
存する材料の長さが短くなると、次第にコイルに発生す
る電圧パルスの振幅が低下し、限界長さ以下になるとつ
いには大バルクハウゼン反転を示さなくなって電圧パル
ス波形は消失する。このような変化は、検出コイルに発
生した電圧パルス波形、特に振幅の変化を測定すること
により検出することができる。また、残存する材料が短
くなると、スイッチング磁界も減少する。この変化は、
カードに印加する励磁界の周波数を一定にしてこれをク
ロックとして使用すれば、電圧パルスの発生する時間的
な位置の変化として検出することができる。すなわち、
以上の場合では、残存する材料の長さにより情報を記録
することができ、その情報は検出コイルに発生した電圧
パルスの振幅又は電圧パルスの発生する時間的な位置の
変化として検出することができる。
【0022】一方、分断する長さを限界長さよりも長く
して、分断されたそれぞれの部分がともに大バルクハウ
ゼン反転を示すようにした場合には、コイルに複数の電
圧パルスが発生する。したがって、この電圧パルスの個
数によって分断した数を知ることができる。すなわち、
この場合では、分断した数により情報を記録することが
でき、その情報は検出コイルに発生する電圧パルスの個
数の変化として検出することができる。
【0023】以上は、大バルクハウゼン反転材料をただ
1つ使った例であるが、大バルクハウゼン反転特性を有
する材料を複数用いることにより、さらに複雑な情報を
記録することができる。例えば、大バルクハウゼン反転
材料を複数個(例えば10個)カードに埋め込み、これ
らの材料が発生する電圧パルスの個数をモニターする方
法があげられる。つまり、使用度数などの情報に応じ
て、所定個数の大バルクハウゼン反転特性を有する材料
を限界長さより短く分断することで大バルクハウゼン反
転の発生を抑え、分断されずに残存している材料の個数
を、磁気検出器に発生した電圧パルスの個数により知る
ことができる。つまり、分断した大バルハウゼン反転材
料の個数により情報を記録することでき、その情報は検
知コイルに発生する電圧パルスの個数の変化として検出
することができる。
【0024】一方、大バルクハウゼン反転材料では、加
工条件などによってそのスイッチング磁界を制御するこ
とができる。このことを利用すれば、スイッチング磁界
の異なるいくつかの材料を組み合わせて、さらに複雑な
情報を記録することができる。一定周波数の励磁界を印
加した場合、それぞれの材料が大バルクハウゼン反転し
て電圧パルスが発生する時間的な位置はスイッチング磁
界により決定される。すなわち、発生する電圧パルス
が、カード内の大バルクハウゼン反転材料のうち、どれ
によるものかを特定することができる。つまり、スイッ
チング磁界の異なる大バルクハウゼン反転材料をいくつ
か並べておき、記録する情報に応じて一定の規則に律っ
た位置の材料を分断することに決めておけば、分断する
材料の個数のみにより情報を記録する場合に比べてカー
ドが処理できる情報の量は飛躍的に増大し、例えば、ス
イッチング磁界の異なる5種類の大バルクハウゼン反転
材料からなる磁気カードでは、2の5乗(=32通り)
の情報を記録することができる。すなわち、この場合で
は、分断する大バルクハウゼン反転材料の位置及びその
個数により情報を記録することができ、その情報は検出
コイルに電圧パルスが発生する時間的な位置の変化及び
電圧パルスの個数の変化として検出することができる。
【0025】次に、磁気ヘッドを磁気検出器として使用
し、大バルクハウゼン反転材料列のシグナルを順に読み
取るようにした場合について説明する。通常、磁気スト
ライプ部の磁気材料は、磁気カードがスロットから差し
込まれてリーダー内を一定速度で移動する間に、固定さ
れた磁気ヘッドにより情報が読み取られる。そこで、こ
の磁気ヘッドを磁気検出器として使用し、大バルクハウ
ゼン反転材料列のシグナルを順に読み取るようにした場
合には、磁気ヘッドには大バルクハウゼン反転材料の並
びに応じた電圧パルスが順々に発生する。カードは一定
速度で移動しているため、どの大バルクハウゼン反転材
料が分断されたかは、電圧パルスが発生する時間的な位
置によって特定することができる。すなわち、記録する
情報に応じて大バルクハウゼン反転材料列の特定の位置
を分断することに決めておけば、同じ材料からなりスイ
ッチング磁界が変わらない大バルクハウゼン反転材料を
用いても、高度な情報処理が可能となる。つまり、この
場合においても、分断する大バルクハウゼン反転材料の
位置及びその個数により情報を記録することができ、そ
の情報は、磁気検出器に電圧パルスが発生する時間的な
位置の変化及び電圧パルスの個数の変化として検出する
ことができる。
【0026】以上の例は1つの磁気検出器によって信号
を検出する場合について説明したが、大バルクハウゼン
反転材料を複数列並べてそれぞれの列の磁気検出器によ
り信号を検出すると、信号の組み合わせは飛躍的に増
え、さらに複雑な情報を記録できる。このような磁気検
出器としては、例えばマルチトラックの磁気ヘッドを用
いることができ、複数本の磁気ストライプを用いるもの
では、ストライプ記録部の延長の位置に大バルクハウゼ
ン反転材料の列を並べることで、ストライプの情報とと
もに大バルクハウゼン反転材料による信号の処理を同時
に行うこともできる。以上、本発明の磁気カードにおい
て、大バルクハウゼン反転材料が分断されることによっ
て変化する特性及びこの変化を検出する方法について、
いくつかの例をあげて説明したが、これらを併用するこ
とも可能であるし、また、分断により変化する特性も前
記したものに限定されるものではない。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。 実施例1 線径30μmφで長さ50mmのCo39Fe39Si7
15(数字は原子%を表す。)非晶質金属細線を、粘着材
の塗布された厚さ25μmのPETフィルム2枚の間に
挟んで固定し、さらに厚さ100μmのPETフィルム
2枚で挟んでパウチ処理して、カード状の試料を得た。
この試料を、長さ300mm、巻数560ターンの励磁
コイル及び長さ100mm、巻数640ターンの検出コ
イル(補償コイル付き)の中央に挿入した。励磁コイル
には、電源(HP−3324Aシンセサイズド・ファン
クション・スウィープ・ジェネレーター、ヒューレット
パッカード社製)から交流電流を供給し、60Hz、1
Oeの正弦波磁界を発生させた。検出コイルには、オシ
ロスコープ(HP−54110デジタイジング・オシロ
スコープ、ヒューレットパッカード社製)をつなぎ、試
料の磁化反転により検出コイルに発生した電圧パルス波
形を測定した。
【0028】図4は、この非晶質金属細線を長さ50m
mから順次端から5mmずつ分断した時に検出コイルに
発生した電圧パルスの振幅変化を表している。電圧の振
幅は、細線を分断してその長さが短くなるにつれて単調
に減少した。残った細線の長さが10mmより短くなる
と、大バルクハウゼン反転が消失し、急峻な磁気パルス
は観察されなくなった。なお、細線及びPET基材は切
り捨てないで、細線の所定部分を単に切断するだけに留
めたため、5mmずつに分断された細線も検出コイルの
中に存在したが、使用した細線が大バルクハウゼン反転
するために必要な限界長さは約10mmであったため、
5mmずつに分断された細線は大バルクハウゼン反転せ
ず、また、これらは反磁界が大きいためにコイルにほと
んど電圧を誘導しなかった。したがって、ここで発生し
た電圧パルスは大バルクハウゼン反転の限界長よりも長
い部分が発生するものであった。図4からも明らかなよ
うに、大バルクハウゼン反転材料の長さと電圧パルスの
振幅との間には、明瞭な対応が見られた。すなわち、大
バルクハウゼン反転材料を分断することで、残存する材
料の長さにより情報を記録することができ、その情報は
検出コイルに発生する電圧パルスの振幅の変化として検
出することができた。
【0029】実施例2 線径30μmφで長さ20mmのCo39Fe39Si7
15(数字は原子%を表す。)非晶質金属細線を、粘着材
の塗布された厚さ25μmのPETフィルム2枚の間に
挟んで固定し、さらに厚さ100μmのPETフィルム
2枚で挟んでパウチ処理して、カード状の試料を得た。
この試料を、長さ300mm、巻数560ターンの励磁
コイル、長さ15mm、巻数570ターンの検出コイル
(補償コイル付き)の中央に挿入した。励磁コイルに
は、電源(HP−3324Aシンセサイズド・ファンク
ション・スウィープ・ジェネレーター、ヒューレットパ
ッカード社製)から交流電流を供給し、60Hz、1O
eの正弦波磁界を発生させた。検出コイルには、オシロ
スコープ(HP−54110デジタイジング・オシロス
コープ、ヒューレットパッカード社製)をつなぎ、試料
の磁化反転により検出コイルに発生した電圧パルス波形
を測定した。
【0030】図5は、この非晶質金属細線を長さ20m
mから順次端から少しずつ切断した時のスイッチング磁
界の変化を表している。スイッチング磁界は、細線を切
断してその長さが短くなるにつれて単調に減少し、細線
の長さが10mmより短くなると、大バルクハウゼン反
転が消失した。このように、大バルクハウゼン反転材料
の長さとスイッチング磁界との間には、明瞭な対応が見
られた。励磁は60Hzの一定周波数で行っており、こ
の信号をクロックとして使用することで、スイッチング
磁界の変化は直ちに電圧パルスの発生する時間的な位置
の変化として捉えることができた。すなわち、大バルク
ハウゼン反転材料を分断することで、残存する材料の長
さにより情報を記録することができ、その情報は検出コ
イルに発生する電圧パルスの時間的な位置の変化として
検出することができた。
【0031】実施例3 実施例1で用いた非晶質金属細線と同じ細線(長さ50
mm)と同じ測定装置を用い、分断によって分割される
細線の長さがともに限界長さよりも長くなるように、細
線を分断した場合の電圧パルス波形を測定した。図6の
(a)は分断前(細線の数:1)、(b)は材料の中央
部を1mmの間隔を開けて分断したとき(2本の細線に
分割)、(c)は(b)の細線のうちの1本の細線の中
央部をさらに1mmの間隔を開けて分断したとき(3本
の細線に分割)、(d)は(C)の細線のうち、もう1
本の細線(長い方の細線)の中央部をさらに1mmの間
隔を開けて分断したとき(4本の細線に分割)の電圧パ
ルス波形をそれぞれ示す。図6から明らかなように、分
断する毎にパルスの数が増え、その個数が分断した細線
の数に一致することが分かる。すなわち、大バルクハウ
ゼン反転材料を分断することで、分断した細線の数によ
り情報を記録することができ、その情報は検出コイルに
発生する電圧パルスの個数として検出することができ
た。
【0032】実施例4 実施例1で用いた非晶質金属細線と同じ細線を長さ15
mmにして、5mmの間隔をおいて平行に11本並べた
カード状試料を作製した。この試料を、コイルの長手方
向と細線の長手方向が一致するようにして、長さ300
mm、巻数560ターンの励磁コイル及び長さ15m
m、巻数527ターンの検出コイル(補償コイル付き)
の中央に挿入した。実施例1と同様に、60Hz、1O
eの正弦波磁界を励磁コイルに発生させ、試料の磁化反
転により検出コイルに発生した電圧パルス波形を測定し
た。図7の(a)は細線を分断する前(分断されていな
い細線の数:11本)、(b)は4本の金属細線の中央
部を分断した時(分断されていない細線の数:7本)、
(c)は7本の金属細線の中央部を分断した時(分断さ
れていない細線の数:4本)の電圧パルス波形を表して
いる。分断前には11個あった電圧パルスの数が、分断
する毎に減少する様子が明瞭に観察される。細線及びP
ET基材は実施例1と同様に切り捨てなかったため、分
断された細線もコイル内に同時に存在していたが、ほと
んど電圧を誘導しないために電圧パルスは検出されなか
った。
【0033】表1に、分断した細線の数、分断しなかっ
た細線の数、コイルで検出された電圧パルスの個数を示
す。
【0034】
【表1】
【0035】表1からも明らかなように、分断しなかっ
た細線の数、つまり、大バルクハウゼン反転の限界長さ
以上の細線の数と、電圧パルスの個数との間には明瞭な
対応が見られた。すなわち、大バルクハウゼン反転材料
を分断することで、所定長さ以上の大バルクハウゼン反
転材料の数により情報を記録することができ、その情報
は電圧パルスの個数として検出することができた。
【0036】実施例5 Co39Fe39Si7 15(数字は原子%を表す。)非晶
質金属細線の熱処理条件を変えることにより、スイッチ
ング磁界の異なる5種類の細線を作製した。スイッチン
グ磁界は小さい順に、0.7Oe、1.1Oe、1.7
Oe、2.2Oe、3.4Oeであった。これらの細線
を長さ15mmにし、5mmの間隔をおいて平行に5本
並べてカード状試料を作製した。そして、実施例4と同
じ装置により、励磁コイルに60Hz、4Oeの三角波
磁界を発生させ、試料の磁化反転により検出コイルに発
生した電圧パルス波形を測定した。図8の(a)は分断
する前であり、(b)から(e)は5本の金属細線のう
ち、それぞれ種類の違う1本の中央部を分断した時の電
圧パルス波形を表している。種類の違う細線を1本分断
すると、分断前の5個のパルスのうちの所定の位置の電
圧パルスが1個消失した(図中で×印を入れた位置)。
これは、励磁界がそれぞれの細線の固有のスイッチング
磁界に達した瞬間に電圧パルスが発生するためであり、
電圧パルスの時間的な位置をモニターすることでどの細
線が分断されたかを知ることができる。このようにし
て、切断数も含めた組み合わせによって、2の5乗通り
(=32通り)の情報を記録することができた。すなわ
ち、大バルクハウゼン反転材料を分断することで所定長
さ以上の大バルクハウゼン反転材料の数と分断した材料
の種類(位置)により情報を記録することができ、その
情報は検出コイルに発生する電圧パルスの個数及びその
時間的な位置の変化として検出することができた。
【0037】実施例6 はじめに、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム(厚み125μm)上に、顔料として球状SiO2
と炭酸カルシウムを含んだ水溶性インク(大阪印刷イン
キ社製)を用いて、短辺15mm、長辺60mmの長方
形の中に短辺1mm、長辺50mmの開口部分が間隔を
2mm開けて4本並ぶようなパターンで、厚みが17μ
mとなるように、スクリーン印刷した。次に、特開平4
−218905号公報に開示されている、ターゲット下
部に磁石を配置し、その磁束をヨークにより導いてター
ゲット上に高密度のプラズマが発生できるようにしたD
Cマグネトロンスパッタリング装置により、膜厚0.5
μmのCo51Fe26Si1013(数字は原子%を表す)
組成の非晶質薄膜を、スクリーン印刷されたPETフィ
ルムの上に作製した。フィルムは水洗により水溶性イン
クとその上に堆積した薄膜が除去され、短辺1mm、長
辺50mmの4本の細長い薄膜が得られた。
【0038】このようにして得られた4本の細長い薄膜
の集合体からなるカード状試料を、交流B−Hトレーサ
ー(AC,BH−100K、検出コイル幅10mm、理
研電子社製)にセットして三角波励磁し、検出コイルに
発生した電圧パルス波形をXYプロッターに記録した。
励磁は、20Hz、0.5Oeで行った。図9の(a)
は、薄膜を分断する前であり(分断されなかった薄膜の
数:4本)、(b)から(e)はそれぞれ1本、2本、
3本、4本ずつ薄膜を分断した時の電圧パルス波形であ
る。図9から明らかなように、切断前には4個観察され
た電圧パルスが、分断する毎に1個ずつ消失し、分断さ
れなかった薄膜の数と電圧パルスの個数は一致した。す
なわち、大バルクハウゼン反転薄膜材料を分断すること
で、所定長さ以上の大バルクハウゼン反転材料の数とし
て情報を記録することができ、その情報は検出コイルに
発生する電圧パルスの個数として検出することができ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の磁気カードは、情報を修正不可
能な状態で記録することができ、偽造や変造が困難で高
い安全性を有するものである。また、本発明の磁気カー
ド不正防止方法によれば、包含する大バルクハウゼン反
転材料を分断するという簡単な操作で情報を修正不可能
な状態で記録することができ、分断により変化した磁気
パルス信号を照合用の情報として真偽判定することによ
り、簡単に偽造、変造カードを発見することでき、カー
ドの不正使用を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CoFeSiB系非晶質金属細線が大バルクハ
ウゼン反転を示すために必要な限界長さと線径の関係を
示す図である。
【図2】本発明の磁気カードの一例を示す平面図と断面
図である。
【図3】本発明の磁気カードの別の例を示す平面図と断
面図である。
【図4】実施例1で作製した大バルクハウゼン反転材料
を含むカード状試料を限界長さよりも短い長さで端から
順に分断した時に、残存する大バルクハウゼン反転材料
の長さと、検出コイルに発生した電圧パルスの振幅との
関係を示す図である。
【図5】実施例2で作製した大バルクハウゼン反転材料
を含むカード状試料を限界長さよりも短い長さで端から
順に分断した時に、残存する大バルクハウゼン反転材料
の長さと、スイッチング磁界との関係を示す図である。
【図6】実施例3で作製した大バルクハウゼン反転材料
を含むカード状試料を限界長さよりも長い長さで分断し
た時に、検出コイルに発生する電圧パルス波形の変化を
示す図である。
【図7】本発明の磁気カードの一部分であり、実施例4
で作製した11本の大バルクハウゼン反転材料を含むカ
ード状試料を分断した時に、検出コイルに発生する電圧
パルス波形の変化を示す図である。
【図8】実施例5で作製したスイッチング磁界が互いに
異なる5本の大バルクハウゼン反転材料を含むカード状
試料を分断した時に、検出コイルに発生する電圧パルス
波形の変化を示す図である。
【図9】実施例6で作製した4本の大バルクハウゼン反
転材料を含むカード状試料を切断した時に、検出コイル
に発生する電圧パルス波形の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 カード基体 2 磁気ストライプ部 3 残り度数の表示領域 4 パンチ穴 5 大バルクハウゼン反転材料 6 磁気隠蔽層 7 印刷層 8 保護用トップコート層 9 カード基体 10 溝 11 保護用フィルム 12 磁気ストライプ部 13 ホログラム印刷 14 印刷層 15 保護用トップコート層 16 大バルクハウゼン反転材料
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/80 G06K 19/00 R (72)発明者 平野 俊幸 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード基体に設けられた磁気ストライプ
    部によって磁気記録再生機能を有する磁気カードにおい
    て、大バルクハウゼン反転特性を有する材料が大バルク
    ハウゼン反転を示し得るために必要な限界長さ以上の長
    さでカード基体に設置されており、使用時に前記大バル
    クハウゼン反転特性を有する材料が分断された場合に、
    分断された前記大バルクハウゼン反転特性を有する材料
    が前記磁気ストライプ部の磁気情報に対応した情報を記
    録できる機能を有してなることを特徴とする磁気カー
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気カードの使用時に、
    前記磁気ストライプ部の磁気情報に応じて大バルクハウ
    ゼン反転特性を有する材料を分断し、分断することによ
    り変化する磁気パルス信号を照合用の情報として前記磁
    気ストライプ部の磁気情報と比較してその磁気カードの
    真偽判定を行うことを特徴とする磁気カード不正防止方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の照合用の情報が、磁気カ
    ードの近傍に設置された磁気検出器に発生した電圧パル
    スの振幅又は個数の変化として検出される情報あるいは
    磁気カードの近傍に設置された磁気検出器に電圧パルス
    が発生する時間的な位置の変化として検出される情報で
    ある請求項2記載の磁気カード不正防止方法。
JP8326458A 1996-06-17 1996-12-06 磁気カード及び磁気カード不正防止方法 Pending JPH1069603A (ja)

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JP15521496 1996-06-17
JP8-155214 1996-06-17
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006268109A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Fuji Xerox Co Ltd 磁性ワイヤー
JP2021529526A (ja) * 2018-06-29 2021-11-04 深▲ゼン▼御煙実業有限公司Shenzhen Yuyan Industrial Limited エアロゾル発生製品、装置およびシステム

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