JPH1069089A - 平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用原版

Info

Publication number
JPH1069089A
JPH1069089A JP8226748A JP22674896A JPH1069089A JP H1069089 A JPH1069089 A JP H1069089A JP 8226748 A JP8226748 A JP 8226748A JP 22674896 A JP22674896 A JP 22674896A JP H1069089 A JPH1069089 A JP H1069089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
layer
printing plate
compound
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8226748A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsushi Kitatani
克司 北谷
Fumikazu Kobayashi
史和 小林
Haruo Nakanishi
治雄 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8226748A priority Critical patent/JPH1069089A/ja
Publication of JPH1069089A publication Critical patent/JPH1069089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の処理装置や印刷装置をそのまま利用で
きる、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版
可能で画像露光後現像処理を要しない平版印刷版用原版
を提供する。 【解決手段】 親水化処理されたアルミニウム支持体上
に、水溶性ポリマー、赤外線を吸収し発熱する化合物、
熱若しくは光により酸を発生する化合物、及び酸により
架橋する化合物を含む第一の層を設け、前記第一の層上
に、ノボラック樹脂、赤外線を吸収し発熱する化合物、
熱若しくは光により酸を発生する化合物、及び酸により
架橋する化合物を含む第二の層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用原版に
関するものであり、特にディジタル信号に基づいて赤外
線レーザを操作することにより直接製版可能な平版印刷
版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータのディジタルデータ
から直接製版するシステムとしては、 電子写真法によるもの、青色又は緑色を発光するレ
ーザを用い露光する光重合系によるもの、銀塩を感光
性樹脂上に積層したもの、銀塩拡散転写法によるもの
等が提案されている。
【0003】しかしながら、の電子写真法を用いるも
のは、帯電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑で
あり、装置が複雑で大がかりなものになる。また、の
光重合系によるものでは、青色や緑色の光に対して高感
度な印刷版を使用するため、明室での取扱いが難しくな
る。、の方法では、銀塩を使用するため現像等の処
理が煩雑になる、処理廃液中に銀が含まれる等の欠点が
ある。
【0004】一方、近年におけるレーザの発展は目ざま
しく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を
放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小
型のものが容易に入手できるようになっている。コンピ
ュータ等のディジタルデータから直接製版する際の記録
光源として、これらのレーザは非常に有用である。しか
し、実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が
760nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線
レーザでは画像記録できない。このため、赤外線レーザ
で記録可能な材料が望まれている。
【0005】このような赤外線レーザで記録可能な記録
材料として、特開昭56−69193号には、レゾール
型フェノール樹脂及びカーボンブラックを含む感熱記録
材料が開示され、特開平7−20629号には、オニウ
ム塩、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、及び赤外線吸収
剤より成る記録材料が記載されている。
【0006】また、特開平7−271029号には、ハ
ロアルキル置換されたS−トリアジン、レゾール樹脂、
ノボラック樹脂、及び赤外線吸収剤より成る記録材料が
記載されている。
【0007】しかしながら、これらの印刷版の製造に
は、露光工程の後に、支持体表面の上に設けられた感光
層を画像状に除去するための湿式による現像工程や現像
処理された印刷版を水洗水で水洗したり、界面活性剤等
を含有するリンス液、アラビアガム、澱粉誘導体を含む
不感脂化液で処理する後処理工程が含まれる。
【0008】一方、近年、製版、印刷業界では製版作業
の合理化が進められており、上記のような複雑な湿式現
像処理を必要とせず、露光後にそのまま印刷に使用でき
る印刷版用原版が望まれている。
【0009】画像露光後に現像処理を要しない印刷版用
原版については、例えば、US5,258,263号
に、露光領域で硬化又は不溶化が促進される感光性親水
層と感光性疎水性層とを支持体上に積層した平版印刷プ
レートが開示されている。しかし、露光光源として炭素
アーク灯、キセノンランプ等の通常の光源が用いられて
おり、かつ感光層として通常の光重合系が用いられてい
るため、この公報に記載された印刷プレートをそのまま
レーザ記録に使用することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、赤外線を放射する固体レーザ又は半導体レーザを用
いて記録することにより、コンピュータ等のディジタル
データから直接製版可能であり、かつ画像露光後湿式現
像処理やこすり等の特別な処理を必要とせず、廃材を生
じることがないネガ型平版印刷版用原版を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、親水化処理
されたアルミニウム支持体上に、水溶性ポリマー、赤外
線を吸収し発熱する化合物、熱若しくは光により酸を発
生する化合物、及び酸により架橋する化合物を含む第一
の層を設け、前記第一の層上に、ノボラック樹脂、赤外
線を吸収し発熱する化合物、熱若しくは光により酸を発
生する化合物、及び酸により架橋する化合物を含む第二
の層を設けてなる平版印刷版用原版を用いることにより
達成された。
【0012】本発明の平版印刷版用原版が印刷機上での
現像を容易にする理由は必ずしも明らかではないが、次
のように推論する。印刷機上での現像は、湿し水が親水
性支持体と感光層との界面に浸透し、支持体から感光層
が剥離することにより起こると考えられる。本発明の平
版印刷版用原版によれば、未露光部では、湿し水が浸透
しやすく、水溶性ポリマーを含む第一の層は湿し水によ
り膨潤し、支持体から剥離されやすくなる。一方、露光
部では赤外線の吸収により熱が発生し、発生した熱によ
り酸が発生して、この酸によって第一の層及び第二の層
に含まれた酸により架橋する化合物が架橋して、両層が
強固に固着され、これにより湿し水の浸透が妨げられ、
第一の層及び第二の層で構成された感光層が支持体上に
残ると考えられる。本発明においては、第二の層に水溶
性ポリマーを入れると着肉性が劣化するため好ましくな
い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [水溶性ポリマー]本発明の平版印刷版用原版の第一の
層に使用される水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリ
エーテルポリオール結着剤を挙げることができる。好適
なポリエーテルポリオールとしては、ポリアルキレンエ
ーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオール
及びテトロール、例えば、ポリアルキレンエーテルグリ
セロール及びポリアルキレンエーテルペンタエリトリト
ールを含む、非分枝鎖及び分枝鎖のポリエーテルポリオ
ールがある。
【0014】ポリエーテルポリオール結着剤には、単独
重合体及びブロック共重合体のような共重合体が含まれ
る。
【0015】特に好ましい水溶性ポリマーとしては、分
子量400〜50,000のポリエチレングリコールを
挙げることができる。
【0016】これらのポリマーは適当な溶媒に溶解、分
散又は乳濁させて支持体に塗布することができる。
【0017】水溶性ポリマーの第一の層中の含有率は、
5〜80重量%、好ましくは10〜75重量%、特に好
ましくは20〜70重量%である。水溶性ポリマーの第
一の層中の含有率が5重量%未満だと印刷機上での所望
の現像性が得られず、水溶性ポリマーの第一の層中の含
有率が80重量%を越えると印刷時の耐久性の点で好ま
しくない。
【0018】第一の層は一般的には薄層であることが望
ましいが、その厚さは変化させることができる。厚すぎ
るとインキの着肉性を劣化される恐れがあり、薄すぎる
と印刷機上での現像性を損なう。第一の層はの厚さは、
好ましくは0.1〜2μmであり、より好ましくは0.
2〜0.5μmである。
【0019】上記ポリマーを溶解する水は好ましい態様
では、湿し水である。 [赤外線を吸収し発熱する化合物(以下、赤外線吸収剤
という)]本発明の平版印刷版用原版の第一の層及び第
二の層に使用される赤外線吸収剤は、波長760nmか
ら1200nmの赤外線を有効に吸収する染料又は顔料
である。好ましくは、波長760nmから1200nm
に吸収極大を有する染料又は顔料である。
【0020】染料としては、市販の染料及び例えば「染
料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の
文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0021】好ましい染料としては、例えば、特開昭5
8−125246号、特開昭59−84356号、特開
昭59−202829号、特開昭60−78787号等
に記載されているシアニン染料、特開昭58−1736
96号、特開昭58−181690号、特開昭58−1
94595号等に記載されているメチン染料、特開昭5
8−112793号、特開昭58−224793号、特
開昭59−48187号、特開昭59−73996号、
特開昭60−52940号、特開昭60−63744号
等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−1
12792号等に記載されているスクワリリウム色素、
英国特許第434,875号記載のシアニン染料等を挙
げることができる。
【0022】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外線吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国
特許第3,881,924号記載の置換されたアリール
ベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−14264
5号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメ
チンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、
同58−220143号、同59−41363号、同5
9−84248号、同59−84249号、同59−1
46063号、同59−146061号に記載されてい
るピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記
載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に
記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−1
3514号、同5−19702号に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。
【0023】また、染料の好ましい別の例として米国特
許第4,756,993号に式(I)、(II)として記
載されている近赤外線吸収染料を挙げることができる。
【0024】これらの染料のうち特に好ましいものとし
ては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム
塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
【0025】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料で赤外から近赤外域に吸収を
持つものが利用できる。
【0026】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、
青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、
ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性ア
ゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ
顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、
ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、
アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍
光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックで
ある。
【0027】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤
を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップ
リング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を
顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面
処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。
【0028】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点
で好ましくなく、また、10μmを越えると画像記録層
の均一性の点で好ましくない。
【0029】顔料を分散する方法としては、インク製造
やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用でき
る。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アト
ライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ
ンペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダ
イナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げら
れる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1
986年刊)に記載がある。
【0030】これらの赤外線吸収剤は、平版印刷版用原
版の全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5
〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10
重量%の割合で平版印刷版用原版中に添加することがで
きる。赤外線吸収剤の添加量が0.01重量%未満であ
ると感度が低くなり、また50重量%を越えると印刷時
非画像部に汚れが発生する。また機上現像を容易にし、
印刷機を汚染しないという観点からは、赤外線吸収剤と
して染料を用いることが望ましい。 [熱若しくは光により酸を発生する化合物]本発明の平
版印刷版用原版の第一の層及び第二の層に使用される熱
若しくは光により酸を発生する化合物としては、光カチ
オン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素
類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用さ
れている公知の光により酸を発生する化合物及びそれら
の混合物等を挙げることができ、これらを適宜選択して
使用することができる。
【0031】例えば、S.I.Schlesinger, Photogr. Sci.
Eng., 18,387(1974) 、T.S.Bal etal., Polymer, 21,4
23(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,06
9,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140,140 号等に記
載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al., Macromolecu
les, 17,2468(1984)、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Con
f. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct(1988) 、米国
特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホ
ニウム塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10
(6),1307(1977) 、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1
988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049
号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-29
6,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et
al., PolymerJ. 17, 73(1985)、J.V.Crivello et al.,
J.Org. Chem., 43,3055(1978)、W.R.Watt et al., J.Po
lymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J.
V.Crivello et al., Polymer Bull., 14,279(1985)、J.
V.Crivello et al., Macromolecules, 14(5), 1141(198
1)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 17,2877(1979) 、欧州特許第370,693 号、米
国特許第3,902,114 号、欧州特許第233,567 号、同297,
443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同41
0,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,44
4 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,
604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム
塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 13
07(1977)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Pol
ymer Chem. Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウ
ム塩、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing
ASIA,p478, Tokyo, Oct(1988) 等に記載のアルソニウ
ム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815 号、特公昭
46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特
開昭60-239736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169
837 号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開
昭63-70243号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロ
ゲン化合物、K.Meier et al., J.Rad. Curing, 13(4),2
6(1986) 、T.P.Gill et al., Inorg. Chem., 19,3007(1
980)、D.Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(189
6)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲ
ン化物、S.Hayase et al., J.Polymer Sci., 25,753(19
87) 、E.Reichman et al., J.PolymerSci., Poliymer C
hem. Ed., 23,1(1985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Photoche
m., 36, 85, 39, 317(1987) 、B.Amit et al., Tetrahe
dron Lett., (24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al.,
J.Chem. Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins et al., J.C
hem. Soc., Perkin I,1695(1975) 、M. Rudinstein et
al., Tetrahedron Lett.,(17), 1445(1975)、J.W.Walke
r et al., J. Am. Chem. Soc., 110,7170(1988)、S.C.B
usman et al., J. Imaging Technol., 11(4), (1985)
、H.M.Houlihan etal., Macromolecules, 21,2001(198
8)、P.M.Collins et al., J.Chem. Soc., Chem. Commu
n., 532(1972)、S.Hayase et al., Macromolecules, 1
8,1799(1985),E.Reichmanis et al., J.Electrochem. S
oc., Solid State Sci. Technol., 130(6) 、F.M.Houli
han et al., Macromolecules, 21,2001(1988)、欧州特
許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,
851 号、同0,388,343 号、米国特許第3,901,710 号、同
4,181,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022
号等に記載の0-ニトロベンジル型保護基を有する光酸発
生剤、TUNOOKA et al., Polymer Preprints Japan, 35
(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing, 13(4) 、W.J.M
ijs et al., Coating Technol., 55(697), 45(1983), A
kzo、H.Adachi et al., Polymer Preprints, Japan, 37
(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672
号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,55
4 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-181
43号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載の
イミノスルホネート等に代表される光分解してスルホン
酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0032】また、熱若しくは光により酸を発生する基
若しくは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化
合物、例えば、M.E.Woodhouse et al., J. Am. Chem. S
oc.,104, 5586(1982)、S.P.Pappas et al., J.Imaging
Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et al., Makromo
l. Chem. Rapid Commun., 9,625(1988) 、Y.Yamada et
al., Makromol, Chem. 152, 153,163(1972) 、J.V.Criv
ello et al., J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 1
7,3845(1979) 、米国特許第3,849,137 号、独国特許第3
914407 、特開昭63-26653号、特開昭55-164824 号、特
開昭62-69263号、特開昭63-14603号、特開昭63-163452
号、特開昭62-153853 号、特開昭63-146029 号等に記載
の化合物を用いることができる。
【0033】さらに、V.N.R.Pillai, Synthesis, (1),1
(1980)、A. Abad et al., Tetrahedron Lett., (47)455
5(1971) 、D.H.R.Barton et al., J.Chem. Soc., (C),
329(1970) 、米国特許第3,779,778 号、欧州特許第126,
712 号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用す
ることができる。
【0034】上記熱若しくは光により酸を発生する化合
物の中で、特に有効に用いられるものを以下に示す。 (1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG
1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG
2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0035】
【化1】
【0036】式中、R1 は置換若しくは無置換のアリー
ル基又はアルケニル基、R2 は置換若しくは置換のアリ
ール基、アルケニル基又はアルキル基、又は−CY3
示す。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。
【0037】具体的には以下の化合物を挙げることがで
きるがこれらに限定されるものではない。
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】(2)下記の一般式(PAG3)で表され
るヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表される
スルホニウム塩。
【0041】
【化4】
【0042】式中、Ar1 及びAr2 は各々独立に置換
又は無置換のアリール基を示す。好ましい置換基として
は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、
アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基
及びハロゲン原子が挙げられる。
【0043】R3 、R4 及びR5 は各々独立に、置換若
しくは無置換のアルキル基又はアリール基を示す。好ま
しくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のア
ルキル基及びそれらの置換誘導体である。好ましい置換
基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアル
コキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カル
ボキシル基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子であり、
アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カ
ルボキシル基、アルコキシカルボニル基である。
【0044】Z- は対アニオンを示し、例えば、B
4 、AsF6 - 、PF6 - 、SbF6 - 、Si
6 2- 、ClO4 - 、CF3 SO3 - 等のパーフルオロ
アルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼン
スルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニ
オン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラ
キノンスルホン酸アニオン、9,10−ジメトキシアン
トラセン−2−スルホン酸アニオン、スルホン酸基含有
染料等を挙げることができるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0045】また、R3 、R4 及びR5 のうちの2つ並
びにAr1 及びAr2 はそれぞれの単結合又は置換基を
介して結合してもよい。
【0046】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】一般式(PAG3)又は(PAG4)で示
される上記オニウム塩は公知であり、例えば、J.W.Knap
czyk et al., J. Am. Chem. Soc., 91,145(1969)、A.L.
Maycok et al., J.Org. Chem., 35,2532,(1970) 、E.Go
ethas et al., Bull. Soc. Chem. Belg., 73,546,(196
4) 、H.M.Leicester 、J. Ame. Chem. Soc., 51,3587(1
929) 、J.V.Crivello et al., J.Polym. Chem. Ed., 1
8,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号及び同4,247,47
3 号、特開昭53-101,331号等に記載の方法により合成す
ることができる。 (3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘
導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネ
ート誘導体。
【0050】
【化7】
【0051】式中、Ar3 及びAr4 は各々独立に置換
又は無置換のアリール基を示す。R 6 は置換若しくは無
置換のアルキル基又はアリール基を示す。Aは置換若し
くは無置換のアルキレン基、アルケニレン基又はアリー
レン基を示す。
【0052】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化8】
【0054】
【化9】
【0055】これら熱若しくは光により酸を発生する化
合物の添加量は、平版印刷版用原版の全固形分を基準と
して通常0.001〜40重量%の範囲で用いられ、好
ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.
1〜5重量%の範囲で使用される。 [酸により架橋する化合物]本発明の平版印刷版用原版
の第一の層及び第二の層に使用される酸により架橋する
化合物としては、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチ
ル基、若しくはアルコキシメチル基でポリ置換されてい
る芳香族化合物及び複素環化合物が挙げられるが、その
中でも好ましい例としてレゾール樹脂が挙げられる。
【0056】本発明に使用可能なレゾール樹脂は、フェ
ノール類とアルデヒド類を塩基性条件下で縮合させた樹
脂である。
【0057】好ましいレゾール樹脂としては、例えば、
フェノールとホルムアルデヒドから得られるレゾール樹
脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるレ
ゾール樹脂、ビスフェノールAとホルムアルデヒドから
得られるレゾール樹脂、4,4’−ビスフェノールとホ
ルムアルデヒドから得られるレゾール樹脂、GB第2,
082,339号に開示されたレゾール樹脂等が挙げら
れる。
【0058】これらのレゾール樹脂は、重量平均分子量
が500〜100,000で数平均分子量が200〜5
0,000のものが好ましい。
【0059】他の好ましい例としては、EP−A第0,
212,482号に開示されているアルコキシメチル又
はオキシラニルメチル基で置換された芳香族化合物、E
P−A第0,133,216号、DE−A第3,63
4,671号、DE第3,711,264号に開示され
た単量体及びオリゴマーメラミン−ホルムアルデヒド縮
合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第
0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合
物等がある。
【0060】さらに他の好ましい例は、例えば、少なく
とも2個の遊離N−ヒドロキシメチル、N−アルコキシ
メチル又はN−アシルオキシメチル基を有するメラミン
−ホルムアルデヒド誘導体である。このなかでは、N−
アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
【0061】また、低分子量又はオリゴマーシラノール
は、ケイ素含有架橋剤として使用できる。これらの例
は、ジメチル−及びジフェニル−シランジオール、並び
に既に予備縮合され且つこれらの単位を含有するオリゴ
マーであり、例えば、EP−A第0,377,155号
に開示されたものを使用できる。
【0062】アルコキシメチル基でポリ置換された芳香
族化合物及び複素環化合物のなかでは、ヒドロキシル基
に隣接する位置にアルコキシメチル基を有し、且つその
アルコキシメチル基のアルコキシ基が炭素数18以下の
レゾール樹脂を好ましい例として挙げることができ、特
に好ましい例として、下記一般式(1)〜(4)の化合
物を挙げることができる。
【0063】
【化10】
【0064】
【化11】
【0065】式中L1 〜L8 は同じであっても異なって
いてもよく、メトキシメチル、エトキシメチル等のよう
に炭素数18以下のアルコキシ基で置換された、アルコ
キシメチル基を示す。
【0066】これらは架橋効率が高く、耐刷性を向上さ
せることができる点で好ましい。上記の熱により架橋す
る化合物は、1種類のみで使用してもよいし、2種類以
上を組み合わせて使用してもよい。
【0067】本発明において、酸により架橋する化合物
は平版印刷版用原版の全固形分中、5〜80重量%、好
ましくは10〜75重量%、特に好ましくは20〜70
重量%の添加量で用いられる。酸により架橋する化合物
の添加量が5重量%未満であると感光層の耐久性が悪化
し、また、80重量%を越えると保存時の安定性の点で
好ましくない。 [ノボラック樹脂]本発明の平版印刷版用原版の第二の
層に使用されるノボラック樹脂は、フェノール類とアル
デヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂である。好まし
いノボラック樹脂としては、例えば、フェノールとホル
ムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾ
ールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、
p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラ
ック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得ら
れるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアル
デヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合ク
レゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹
脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又はm
−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよ
い)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラッ
ク樹脂等が挙げられる。これらのノボラック樹脂は、重
量平均分子量が800〜200,000で数平均分子量
が400〜60,000のものが好ましい。また、これ
らのノボラック樹脂は1種類のみで使用してもよいし、
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0068】本発明において、これらのノボラック樹脂
は平版印刷版用原版の全固形分中、5〜90重量%、好
ましくは10〜85重量%、特に好ましくは20〜80
重量%の添加量で用いられる。ノボラック樹脂の添加量
が5重量%未満であると感光層の耐久性が悪化し、ま
た、90重量%を越えると感度及び耐久性の両面で好ま
しくない。 [その他の成分]本発明では、前記成分の他、必要に応
じて種々の化合物を第一の層及び/又は第二の層に添加
してもよい。
【0069】例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料
を画像の着色剤として使用することができる。
【0070】具体的にはオイルイエロー♯101、オイ
ルイエロー♯103、オイルピンク♯312、オイルグ
リーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー♯60
3、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイル
ブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)
製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレッ
ト(CI42555)、メチルバイオレット(CI42
535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI1
45170B)、マラカイトグリーン(CI4200
0)、メチレンブルー(CI52015)等、又は特開
昭62−293247号に記載されている染料を挙げる
ことができる。
【0071】このような染料の添加量は、平版印刷版用
原版の全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合で
ある。
【0072】さらに本発明の平版印刷版用原版中には必
要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加
えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリ
コール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチ
ル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸ト
リオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アク
リル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が
用いられる。
【0073】本発明の平版印刷版用原版は、通常上記各
成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すること
により製造することができる。ここで使用する溶媒とし
ては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メト
キシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテー
ト、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキ
シエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
メチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、
水等を挙げることができるがこれに限定されるものでは
ない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶
媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好
ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得
られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異
なるが、平版印刷版用原版についていえば一般的に0.
5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法として
は、種々の方法を用いることができるが、例えば、バー
コーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくな
るにつれて、見かけの感度は大になるが、感光層膜の皮
膜特性は低下する。
【0074】本発明における平版印刷版用原版中には、
塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭6
2−170950号に記載されているようなフッ素系界
面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、
平版印刷版用原版の全固形分中0.01〜1重量%、さ
らに好ましくは0.05〜0.5重量%である。 [支持体]本発明に使用される支持体としては、親水化
処理されたアルミニウム板を用いる。好適なアルミニウ
ム板は、純アルミニウム板、及びアルミニウムを主成分
とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにアルミ
ニウムがラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフ
ィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素に
は、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金
中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発
明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウム
であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造
が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよ
い。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、
その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用
の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができ
る。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ
0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm
〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.8mm
である。
【0075】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための、例えば、界
面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂
処理が行われる。
【0076】アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化
学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械
的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラス
ト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることがで
きる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸若しく
は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。
また、特開昭54−63902号に開示されているよう
に両者を組み合わせた方法も利用することができる。
【0077】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高める
ために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極
酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜
を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫
酸、リン酸、蓚酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いら
れる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適
宜決められる。
【0078】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。
【0079】陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 より少
ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像
部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが
付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0080】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面は親水化処理が施される。本発明に使用される親水
化処理としては、米国特許第2,714,066号、同
第3,181,461号、第3,280,734号及び
第3,902,734号に開示されているようなアルカ
リ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法
がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウ
ム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に
特公昭36−22063号に開示されたフッ化ジルコン
酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第
4,158,461号、同第4,689,272号に開
示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方
法等が用いられる。以上のようにして、本発明の平版印
刷版用原版を作成することができる。この平版印刷版用
原版は、波長760nmから1200nmの赤外線を放
射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光され
る。レーザとしてはヒートモードレーザとして使用する
ことのできる大出力レーザが好ましい。ここで、ヒート
モードレーザとは、近赤外〜赤外光を発振し、感光材料
を、光熱変換物質(赤外線吸収剤)の存在下、所望の温
度まで加熱することができる出力を持つレーザをいう。
本発明においてはレーザ照射工程と印刷工程の間に加熱
処理を行うことが好ましい。加熱処理の条件は、80℃
〜150℃の範囲内で10秒〜5分間行うことが好まし
い。この加熱処理により、レーザ照射時、記録に必要な
レーザエネルギーを減少させることができる。
【0081】このような処理によって得られた平版印刷
版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用
いられる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質
1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、
ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁
液を用いてその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。
この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒
間浸漬してエッチングを行い水洗後、さらに2%HNO
3 により20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て
表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの
板を7%H2 SO4 を電解液として電流密度15A/d
2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた。その後
70℃の珪酸ソーダ2.5%水溶液に1分間浸漬後、水
洗乾燥した。
【0083】このようにして準備された支持体の上に下
記組成物を塗布乾燥し、第一の層を設けた。第一の層の
乾燥後の重量は0.4g/m2 であった。第一層組成物 ・ポリエチレングリコール(分子量6000) 1g ・4−(p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) アミノフェニル)−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン 0.1g ・赤外線吸収剤(商品名:NK−2014、 日本感光色素研究所(株)製) 0.1g ・ビスフェノールAとホルムアルデヒドから得られる レゾール樹脂(重量平均分子量1600) 1g ・オクチルフェノキシポリエトキシエタノール25%水溶液 (商品名:トリトン(Triton)X−100、 ローム&ハース社製) 0.05g ・メチルエチルケトン 20g ・メチルアルコール 7g ・水 5g さらに、このアルミニウム板に下記組成物を塗布し、1
00℃で2分間乾燥して第二の層を設け、ネガ型感光性
平版印刷版用原版を得た。第二の層の乾燥後の重量は
2.0g/m2 であった。第二層組成物 ・4−(p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) アミノフェニル)−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン 0.1g ・クレゾールとホルムアルデヒドから得られる ノボラック樹脂(メタ:パラ比=8:2、 重量平均分子量5800) 1.2g ・ビスフェノールAとホルムアルデヒドから得られる レゾール樹脂(重量平均分子量1600) 1.0g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを 1−ナフタレン−スルホン酸にした染料 0.05g ・赤外線吸収剤(商品名:NK−2014、 日本感光色素研究所(株)製) 0.1g ・メガファックF−177(フッ素系界面活性剤、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.06g ・メチルエチルケトン 20g ・メチルアルコール 7g 得られたネガ型平版印刷版用原版を、ヒートモードレー
ザとしての半導体レーザ(波長825mm、ビーム径:
1/e2 =6μm)を用い、線速度8m/secで版面
出力110mWに調節し、露光した。露光後140℃で
30秒間加熱処理した後それ以上の処理をせずに直接三
菱ダイヤ製の印刷機(1F−2)に装着し、市販の湿し
水あり印刷システム用のインキにて上質紙に印刷した。
この印刷版は線巾10μmの細線を解像でき、非画像部
に汚れのない良好な印刷物が6万5千枚得られた。 (実施例2)架橋剤の合成 1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]−4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル]ベンゼン20gを水酸化カリウム水溶液
(10%)100mlに溶解させた。この反応液にホル
マリン(37%)60mlを室温で攪拌しながら1時間
かけて滴下した。反応液を室温にてさらに6時間攪拌し
た後、硫酸水溶液中に投入し、晶析させた。得られたペ
ースト状沈澱をよく水洗した後、メタノール30mlを
用いて再結晶することにより、白色粉末を得た。収量は
20gであった。
【0084】得られた化合物は、NMRにより1−[α
−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]ベンゼンのヘキサメチロール化物であることがわか
った。逆相HPLC(カラム:Shimpac CLC−ODS
(島津製作所製)、溶媒:メタノール/水=60/40
→90/10)によるヘキサメチロール化物の純度は9
2%であった。
【0085】このヘキサメチロール化合物20gをメタ
ノール1000mlに加温溶解させ、濃硫酸1mlを加
え12時間加熱還流した。反応液を冷却後、炭酸カリウ
ム2gを加え、さらに攪拌後、濃縮し、酢酸エチル30
0mlを加え、水洗、乾燥後、溶媒を留去し、白色固体
を得た。収量は22gであった。
【0086】得られた化合物は、NMRにより1−[α
−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]ベンゼンのヘキサメトキシメチル化物であることが
わかった。逆相HPLC(カラム:Shimpac CLC−O
DS(島津製作所製)、溶媒:メタノール/水=60/
40→90/10)によるヘキサメトキシメチル化物の
純度は90%であった。
【0087】実施例1において、架橋剤を上記にて合成
したヘキサメトキシメチル化合物に、酸を発生する化合
物をジフェニルヨードニウム p−トルエンスルホネー
トに置き換える他は実施例1と同様の操作をしてネガ型
感光性平版印刷版用原版を得た。
【0088】この平版印刷版用原版に実施例1と同様の
レーザ露光、加熱処理を施した後直接印刷機に装着し、
印刷した。実施例1同様非画像部に汚れのない良好な印
刷物が7万枚得られた。 (実施例3)実施例1において、レーザ露光を版面出力
200mWに調節し、露光後加熱処理を行わない他は実
施例1と同様にして印刷を行った。実施例1と同様、非
画像部に汚れのない良好な印刷物が6万枚得られた。 (比較例1)実施例1において、第一の層を省いた第二
の層のみの一層構成の平版印刷版用原版を作成した。実
施例1と同様のレーザ描画、後加熱、印刷を行ったが非
画像部が除去されず、印刷物が得られなかった。
【0089】
【発明の効果】本発明は、赤外線レーザにより直接製版
可能であり、画像露光後湿式現像処理やこすり等の特別
な処理を必要とせず、廃材を生じることなく、しかも通
常の湿し水あり印刷用のインクを使用でき、保存時の安
定性に優れ、かつ印刷時の耐印性が良好である平版印刷
用原版を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水化処理されたアルミニウム支持体上
    に、 水溶性ポリマー、赤外線を吸収し発熱する化合物、熱若
    しくは光により酸を発生する化合物、及び酸により架橋
    する化合物を含む第一の層を設け、 前記第一の層上に、ノボラック樹脂、赤外線を吸収し発
    熱する化合物、熱若しくは光により酸を発生する化合
    物、及び酸により架橋する化合物を含む第二の層を設け
    てなる平版印刷版用原版。
JP8226748A 1996-08-28 1996-08-28 平版印刷版用原版 Pending JPH1069089A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8226748A JPH1069089A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 平版印刷版用原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8226748A JPH1069089A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 平版印刷版用原版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1069089A true JPH1069089A (ja) 1998-03-10

Family

ID=16849999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8226748A Pending JPH1069089A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 平版印刷版用原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1069089A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1031414A1 (en) * 1999-02-22 2000-08-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lithographic printing plate precursor
US6528237B1 (en) * 1997-12-09 2003-03-04 Agfa-Gevaert Heat sensitive non-ablatable wasteless imaging element for providing a lithographic printing plate with a difference in dye density between the image and non image areas
EP3032334A1 (en) 2014-12-08 2016-06-15 Agfa Graphics Nv A system for reducing ablation debris

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6528237B1 (en) * 1997-12-09 2003-03-04 Agfa-Gevaert Heat sensitive non-ablatable wasteless imaging element for providing a lithographic printing plate with a difference in dye density between the image and non image areas
EP1031414A1 (en) * 1999-02-22 2000-08-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lithographic printing plate precursor
US6509132B1 (en) 1999-02-22 2003-01-21 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lithographic printing plate precursor
EP3032334A1 (en) 2014-12-08 2016-06-15 Agfa Graphics Nv A system for reducing ablation debris

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5786125A (en) Light-sensitive lithographic printing plate requiring no fountain solution
JP3810538B2 (ja) ポジ型画像形成材料
JP3645362B2 (ja) ネガ型画像記録材料
US6905803B2 (en) Lithographic printing plate precursor
EP0750230B1 (en) Negative type photosensitive compositions
JP3831054B2 (ja) 平版印刷版原版
JP3779446B2 (ja) 輻射線感応性平版印刷版
JPH1069089A (ja) 平版印刷版用原版
JP3754170B2 (ja) 平版印刷用原版
JPH11119421A (ja) レーザ直描型平版印刷版材料
JP3754172B2 (ja) 平版印刷版原版
JP3980151B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3853910B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JPH11157238A (ja) 平版印刷版用原版
JPH10282664A (ja) ネガ型平版印刷材料の製造方法
JP3842363B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP2003063164A (ja) 平版印刷用原版
JPH11216964A (ja) レーザ直描型平版印刷版材料
JPH10230582A (ja) 平版印刷版用原版
JP3902306B2 (ja) 平版印刷用原版
JP2001047754A (ja) 輻射線感応性平版印刷用原板
JPH10123701A (ja) ネガ型画像記録材料
JPH11216965A (ja) ネガ型画像記録材料
JPH11277928A (ja) 平版印刷原版
JPH09222731A (ja) ネガ型画像記録材料