JPH106668A - 光カード - Google Patents

光カード

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JPH106668A
JPH106668A JP17871996A JP17871996A JPH106668A JP H106668 A JPH106668 A JP H106668A JP 17871996 A JP17871996 A JP 17871996A JP 17871996 A JP17871996 A JP 17871996A JP H106668 A JPH106668 A JP H106668A
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card
optical
layer
diffraction structure
optical recording
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Withdrawn
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JP17871996A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kubota
毅 久保田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥がれたり傷ついたりしない耐久性のあるホ
ログラムや回折格子等の光回折構造を、光記録読取り面
と同一面側からでも観察できる様に光カードに設ける。 【解決手段】 トラックパターン3を有する透明基材2
の表側面に表面硬化層1、内側面に光記録層4が積層さ
れた光記録部材5が、接着剤層6を介してカード基材7
と積層されてなる光カード100において、光記録部材
とカード基材との間に光回折構造8を設けた構成とす
る。光回折構造8は粘着剤や接着剤等による接着剤層9
で光記録部材5又はカード基材7に固定した後、光記録
部材とカード基材とを接着剤層6で積層接着してカード
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカー
ド、キャッシュカード、医療カード等として使用され得
る光カードに関する。特に、ホログラム等の光回折構造
を備えた光カードに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、クレジットカード、キャッシュカ
ード、医療カード等として、各種の光カードが開発され
ている。一方、磁気カード、ICカード等の各種カード
に対して、その偽造防止策に光回折構造を設けたカード
も使用されている。そして、光カードに対しても光回折
構造を設けたものが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホログ
ラム等の光回折構造を光カードに設ける場合、光記録層
の読取り側表面は表面硬化層が設けられているため、接
着性の問題があった。従って、従来は光回折構造は表面
硬化層が形成されていない側の面、すなわち読取り面の
反対面に設けることしかできなかった。したがって、カ
ードの表面側から光回折構造を観察できる様にする場合
は、光記録層の読取り面はカードの裏面側とする形態と
するか、また逆に、光記録層の読取り面をカード表面側
とする場合は、光回折構造の観察面はカード裏面側とす
る形態しかなかった。この様に、光記録層の読取り面
と、光回折構造の観察面とは、両方ともカード表側面或
裏側面と同一面とすることができなかった。このため、
カードのデザイン上の制約を伴うものであった。この様
な問題が発生するのは、図5に例示する様に、光カード
200の表側面の最表層にある表面硬化層1は、耐擦傷
性は有するが、該層上に他のものを接着させる事を前提
とした接着性は考慮されておらず、光学的特性等の為に
添加するシリコーンオイル等のレベリング剤により、接
着性はむしろ悪かったからである。すなわち、従来の光
カード200は図5に例示の如く、読取り面となる表側
面から、表面硬化層1、透明基材2、トラックパターン
3を有するトラックパターン層2a、光記録層4からな
る光記録部材5が、接着剤層6を介してカード基材7と
積層された構成となっている。
【0004】このような構成の光カード200は、例え
ば次のようにして製造される。すなわち、先ず、ポリカ
ーボネート等の複屈折が少ない樹脂シートを透明基材2
として用い、この表側面に表面硬化層1としてアクリル
系紫外線硬化性樹脂のハードコート層を塗工形成し、ま
た内側面には紫外線硬化性樹脂を塗工形成してトラック
パターン3を有するトラックパターン層2aとして、さ
らにトラックパターン層2aの上に、テルル系等の金属
光記録材料等による光記録層4をスパッタリング等で形
成して、透明基材2の表側面に表面硬化層1、裏側面に
トラックパターン3及び光記録層4を有する光記録部材
5とする。そして、この光記録部材5と、塩化ビニル樹
脂シート等からなるカード基材7とを、接着剤層6を介
して積層する。なお、透明基材2にトラックパターンを
有する様にするには、図5の様にトラックパターン層2
aを設けて該トラックパターン層2aに形成する所謂2
P法の他に、透明基材2をインジェクション法、キャス
ティング法等の1P法で形成すればトラックパターン層
2aは不要で、透明基材2に直接にトラックパターン3
が形成されたものとなる。
【0005】以上の様に、従来の光カードでは表面硬化
層の接着性の悪さから、光記録層の読取り面側と同一面
側から観察できる形態で光回折構造を設けることができ
なかった。そこで、本発明の課題は、表面硬化層を持つ
光カードに対しても、接着性の問題が起きない様にし
て、同一面側からでも観察できる光回折構造をカードに
備えさせることである。
【0006】上記課題を解決する為に本発明の光カード
は、トラックパターン3を内側面に有する透明基材2の
表側面に表面硬化層1、さらに内側面に光記録層4が積
層された光記録部材5が、接着剤層6を介してカード基
材7と積層されてなる光カードにおいて、光記録部材5
とカード基材7との間に光回折構造8を有する構成とし
た。この結果、光回折構造は、光記録層の読取り面と同
一面としてカードの表側面からでも観察でき、しかもカ
ード表側面の表面硬化層上ではなくカードの層内部に内
蔵されているので、接着性の問題も解消し、更に層内部
にあるので偽造防止にも効果的とした。カード内部に光
回折構造を有する構成は、具体的には、光記録部材5と
カード基材7とを接着剤6で積層する際に、光回折構造
8を光記録部材5に、或いはカード基材7に固定してか
ら積層する構成とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の光カードの実施の形態を説明する。図1は本発明の
光カード100の一形態を示す断面図、図2は本発明の
光カード100の一形態の斜視図、また、図3及び図4
は本発明の光カード100の他の形態を示す断面図であ
る。
【0008】本発明の光カード100は、図面に示す如
く、透明基材2とカード基材7との層間に光回折構造8
を設けた点に特徴がある。図1の形態の光記録部材5と
しては、透明基材2の表側面の全面に表面硬化層1が積
層され、該透明基材2の裏側面の全面にはトラックパタ
ーン層2aが積層され、トラックパターン層2aの裏側
面の一部にトラックパターン3が形成され、さらに、ト
ラックパターン層2aの該トラックパターン3を覆う様
に該トラックパターン層2aの一部に光記録層4が積層
された構成である。一方、カード基材7は光記録部材5
と同一サイズで、その接着面となる内側面の一部に、光
回折構造8が接着剤層9を介して固定され、この光回折
構造8が固定されたカード基材7と、光記録部材5と
が、光回折構造8を内部になる様に接着剤層6を介して
全面で積層した構成の光カードである。光回折構造8
は、接着剤層9でもカード基材7と密着固定し、また接
着剤層6で透明基材2のトラックパターン層2a(図1
の形態ではトラックパターン層2aがあり、且つ透明基
材2の裏側面全面に積層されている為)とも密着固定し
た構成でもある。
【0009】図2に、本発明の光カードをカード表側面
から見た外観を斜視図で示す。同図の如く、本発明の光
カード100では、カード表側面に光記録部20を有
し、同じカード表側面から観察できる光回折構造30を
有する。
【0010】次に、本発明の光カードの他の形態の一例
を図3の断面図で示す。図3に示す光カード100で
は、図1とは逆に、光回折構造8がカード基材7側では
なく、光記録部材5側に固定され、光回折構造8が固定
された光記録部材5と、カード基材7とを、接着剤層6
で積層した構成のものである。図1と図3の光カードの
構成の違いは、光記録部材5とカード基材7とを接着剤
層6で積層する前に、光回折構造8を光記録部材5又は
カード基材7の何方に最初に固定しておくかの違いに基
づく層構成の差である。すなわち、図3の形態の光カー
ドでは、光記録部材5の裏側面で光記録層4が形成され
ていないトラックパターン層2aの一部に、光回折構造
8が接着剤層9を介して固定され、この光回折構造8が
固定された光記録部材5と、同一サイズのカード基材7
とが、光回折構造8を内部になる様に接着剤層6を介し
て全面で積層した構成のものである。光回折構造8は、
接着剤層9で透明基材2のトラックパターン層2a(図
3の形態ではトラックパターン層2aがあり、且つ透明
基材2の裏側面全面に積層されている為)と密着固定
し、また接着剤層6でもカード基材7と密着固定した構
成でもある。なお、図3の場合は、光回折構造をカード
表面側から観察する為には、光記録部材5の裏面に形成
された光回折構造8を裏から観察することになるので、
光回折構造の像は逆像で形成しておく。
【0011】また、既に従来技術でも述べた様に、本発
明の光カードでは、トラックパターン3は、トラックパ
ターン層2aを設けずに、透明基材2が直接有する構成
でも良く、図4に示す断面図は、この様な構成の本発明
の光カード100の一形態を示す。すなわち、図4の構
成では、光カード100は、透明基材2の裏側面の一部
に直接、トラックパターン3が形成され、該トラックパ
ターン3を覆う様に、透明基材2の裏側面の一部に光記
録層4が形成され、一方、透明基材2の表側面には表面
硬化層1が形成されたものが光記録部材5を構成する。
また、カード基材7の接着面となる内側面の一部には、
光記録部材5の光記録層4に積層時に重ならない位置に
光回折構造8が接着剤層9で固定され、光回折構造8が
固定されたカード基材7と、上記光記録部材5とが、該
光回折構造8を内側にする様に全面を接着剤層6で積層
された構成のものである。
【0012】なお、光回折構造8を、光記録部材5の透
明基材2或いはトラックパターン層2a、或いはカード
基材7に設けるには、転写シートによる転写、或いはラ
ベルによる貼着等で行えば良い。したがって、光回折構
造8の固定用の接着剤は、感熱型の接着剤、或いは感圧
型の粘着剤等が使用される。従って、上記した各図面の
接着剤層9は、場合により粘着剤でもあるし粘着剤でな
い接着剤でもある。このように、本発明の光カードで
は、光回折構造は光記録部材或いはカード基材の内側面
に形成しておくので、光回折構造はカード基材7及び光
記録部材の透明基材2等によって表裏両面が保護される
ために、光回折構造の強度は最終利用環境を考えた耐擦
傷性等は考慮する必要がなく、この点では転写法は好ま
しい形成方法の一つである。
【0013】次に、本発明の光カードの各構成要素につ
いて説明する。
【0014】先ず、透明基材2としては、複屈折、透明
性等の光学的特性、また機械的強度等の特性を満たする
もであれば、特に限定されるものではなく、従来公知の
各種材料が使用できる。例えば、ポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合
体(AS)、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロースプロピオネ
ート(CP)、セルロースアセテートブチレート(CA
B)等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂等であ
る。なかでも、複屈折、透明性、機械的強度等の点で、
厚さ400μm程度のポリカーボネート(PC)樹脂の
シートは好ましい材料の一つである。
【0015】次に、表面硬化層1としては、例えば、ア
クリル系、メラミン系、シリコーン系等の紫外線硬化性
樹脂によるハードコード剤が好ましくは使用される。ま
た、本発明では、この表面硬化層1上に光回折構造を接
着形成する必要がないので、表面硬化層として、ブリー
ド等により表面接着性が低下する、シリコーンオイル等
のレベリング剤を気にせずに用いることができる。従っ
て、表面硬化層の表面平滑性を出すために添加するレベ
リング剤には従来公知の通常のものをそのまま使用する
ことができる。
【0016】トラックパターン3は、従来公知の方法に
よって、トラックパターン層2aを設けて該トラックパ
ターン層2aに形成する2P法、或いは透明基材2に直
接トラックパターン3を形成する、インジェクション
法、キャスティング法等によって形成される。なお、2
P法で用いる、トラックパターン層2aとしては、アク
リル系等の紫外線硬化性樹脂等が使用される。なお、本
発明でいう、トラックパターンを有する透明基材とは、
透明基材2に直接にトラックパターンが形成されている
場合の他に、透明基材2に設けられたトラックパターン
層2aとしてトラックパターン3を有する構成も含む。
【0017】光記録層4としては、読出し専用(RO
M)型、追記(DRAW)型、消去書込み型(E−DR
AW)型等の種々の光記録方式に応じた各種材料が使用
される。例えば、光記録方式が、追記(DRAW)型の
場合には、テルル、ビスマス、アルミニウム等の低融点
金属及びその合金からなる無機系材料、或いはアントラ
キノン系、ナフトキノン系、トリフェニルメタン系、カ
ルボシアニン系、メロシアニン系、キサンテン系、アゾ
系、アジン系、チアジン系、オキサジン系、フタロシア
ニン系等の有機色素を含む有機染料が一般に使用され
る。また、光記録方式がROM型であれば、アルミニウ
ム等の高反射性金属が使用される。なお、このような光
記録層4は、例えばマスクを介したスパッタリング等の
方法によって形成される。
【0018】次に、カード基材7としては、例えば、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリカーボ
ネート、ABS、ポリプロピレン等の樹脂シートが通常
は用いられる。これらは、1種又は2種以上の樹脂を組
み合わせて、単層又は多層の積層体として用いられる。
例えば、ポリ塩化ビニルのシートを用いる場合には、
0.05/0.20/0.05mm、0.05/0.2
4/0.05mm、0.05/0.26/0.05m
m、0.05/0.30/0.05mm等の3層、0.
20/0.10mm、0.24/0.10mm、0.2
6/0.10mm、0.30/0.10mm等の2層、
0.30mm、0.34mm、0.36mm、0.40
mmの1層など、の層構成が用いられる。なお、この中
で、0.05mm及び0.10mm厚のものは透明のポ
リ塩化ビニルシートであり、0.20mm以上のものは
乳白色のポリ塩化ビニルシートである。そして、印刷の
耐摩耗性向上の為に、乳白色ポリ塩化ビニルシートに印
刷が施され、透明ポリ塩化ビニルシートと熱融着により
積層体とされる。
【0019】次に、光回折構造8としては、ホログラム
や回折格子等が用いられる。ホログラムとしては、平面
型ホログラム、体積型ホログラムのいずれでも良いが、
平面型ホログラムの場合、なかでもレリーフ型ホログラ
ムは量産性及びコストの点から好ましいホログラムの一
つである。その他、フレネルホログラム、フラウンホー
ファホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム等
のレーザ再生ホログラム、及びイメージホログラム、レ
インボーホログラム等の白色光再生ホログラム、更にそ
れらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータ
ホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレック
スホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホロ
グラフィク回折格子等のホログラムも用いることができ
る。また、ホログラムは反射型ホログラム、透過型ホロ
グラムのいずれでも良い。なお、透過型の場合は、反射
層を設けて反射型としても良く、反射層としては、アル
ミニウムなどの金属薄膜による全反射タイプの反射層で
も、酸化チタンのような透明な金属化合物による部分反
射(界面反射)タイプの反射層でも良い。また、回折格
子としては、機械的切削で作られるもの、上記したホロ
グラフィック回折格子のように2光束干渉による撮影で
作られるもの、電子線などにより格子一本一本が直接描
写されるもの等が用いられる。また、これらの回折格子
では、回折格子の形成領域の外縁で絵柄を表現するもの
や、2つ以上の絵柄を切り換えるために、ドットマトリ
ックス状に形成したものであってもよい。また、これら
回折格子は反射型でも、透過型でも良い。
【0020】そして、この様な光回折構造8は、従来公
知の、ホログラムや回折格子等の光回折構造の形成方法
として、転写シートによる転写、ラベルの貼着等によっ
て、接着剤層6で積層前の、光記録部材5側又はカード
基材7側の内面に予め固定することで、光カード200
の内層に形成される。
【0021】光回折構造8を転写で形成する場合に使用
し得る転写シートとしては、例えば、特公平6−771
74号公報等に開示された様な光回折構造として従来公
知のホログラムの転写シートを用いることができる。図
6はその一例であり、同図の転写シート40は、基材フ
ィルム41上に、表面からの光の波面に相当する干渉縞
が凹凸の形で形成されているホログラム層42、反射性
金属薄膜層43、感熱接着剤層44がこの順で積層され
た構成の、反射型ホログラムを形成する為の転写シート
である。そして、この層構成の転写シートを用いて、ホ
ログラムを光記録部材又はカード基材を被転写体として
転写形成すると、基材フィルム41とホログラム層42
間で剥離し、感熱接着剤層44が光カード100の接着
剤からなる接着剤層9となり、ホログラム層42及び反
射性金属薄膜層43からなる光回折構造8が被転写体に
固定される。また、ホログラム層を回折格子からなる光
回折構造層とすれば、上記転写シートは回折格子用の転
写シートとなる。なお、光回折構造の転写形成は、線圧
で転写するロール転写法、面圧で転写するホットスタン
ピング法等により行う。カード全面に転写形成するには
ロール転写法で、カードの一部に転写形成するには、ホ
ットスタンピング法(スポット転写)が通常は使用され
る。
【0022】また、光回折構造8をラベルの貼着で設け
る場合に使用し得るラベルとしても、光回折構造として
従来公知のホログラム用のラベルを用いることができ
る。図7はその一例であり、同図のラベル50は、透明
な基材フィルム51上に、表面からの光の波面に相当す
る干渉縞が凹凸の形で形成されているホログラム層5
2、反射性金属薄膜層53、感圧粘着剤層54がこの順
で積層された構成のラベルである。そして、この層構成
のラベルを用いて、ホログラムを光記録部材又はカード
基材を被着体として貼着すると、感圧接着剤層54が光
カード100の粘着剤からなる接着剤層9となり、基材
フィルム51、ホログラム層52及び反射性金属薄膜層
53からなる光回折構造8が被着体に固定される。ま
た、ホログラム層を回折格子からなる光回折構造層とす
れば、上記ラベルは回折格子用のラベルとなる。
【0023】なお、ホログラムや回折格子等の光回折構
造のカードへの形成に、転写シートやラベルを用いれ
ば、通常は転写シートやラベルに既に形成済みの接着剤
層(感熱接着剤層や感圧粘着剤層等)を光回折構造の固
定に使用することになり光回折構造形成が容易である
が、接着剤層9を直前に被転写体や被着体、或いは転写
シートやラベルに施してから光回折構造を固定すること
も可能である。また、接着剤層9としては、2液混合型
の接着剤等も使用できる。
【0024】接着剤層6としては、光記録部材5とカー
ド基材7とを積層接着させ得るものであれば限定されず
各種接着剤を用いることができる。例えば、ウレタン
系、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、アミド系等の
従来公知の接着剤が使用できる。また、接着剤層6とし
ては非粘着性の接着剤、或いは粘着剤のどちらでも良
い。なお、接着剤層6は光記録層5に直接接触するため
に、記録感度に影響せず、温湿度適性に優れているもの
が好ましい。また、絵柄、ホログラムや回折格子等の光
回折構造、或いは絵柄等を接着剤層6を通して見る場合
は、接着剤層6は透明性のあるものを使用する。接着剤
層6の膜厚は、この該接着剤層6の厚みの中に光回折構
造8を内在する層構成となるので、光回折構造8により
凸形成を吸収できる程度の厚みであれば特に限定されな
い。厚みは例えば10〜100μmである。また、接着
剤層6は、グラビアコート、スピンコート、ナイフコー
ト、バーコート等の塗工法、或いはシルクスクリーン印
刷法などよって、光学記録部材又はカード基材のどちら
か一方、又は両方に形成した後、これらを積層し密着さ
せる。
【0025】なお、光回折構造の形成に用いる得る転写
シートやラベルの材料としては、従来公知のもので良く
特に制限はない。例えば、基材フィルム41及び52と
してはポリエチレンテレフタレートフィルム等の樹脂フ
イルムが、例えばホログラム層である光回折構造層42
及び52としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の
合成樹脂が、反射性金属薄膜層43及び53としてはア
ルミニウムの真空蒸着膜等が、感熱接着剤層44として
はアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂が、感圧接着剤層と
してはアクリル樹脂系粘着剤等が使用される。
【0026】以上の如く、本発明の光カードは、基本的
に光記録部材とカード基材との間に光回折構造を有する
構成の光カードであり、各種形態を説明したが、カード
基材と光記録部材間に光回折構造を有すれば、本発明の
光カードは上述した形態に限定されるものではない。例
えば、光記録層4の記録感度が低い場合には、光記録層
4と接着剤層6との間に、増感層を設けることもでき
る。また、接着剤層6は光記録層4と接するが、接着剤
層6によって光記録層4の記録感度が劣化する場合に
は、保護層を設けることもできる。また、増感層を設け
た場合には、この保護層と光記録層との間に設けるもの
であるが、保護層と増感層とを兼用することも可能であ
る。また、光回折構造の観察面は、説明に供した図面で
はいずれも、光記録層の読取り面と同一のカードの表側
面であったが、カード基材に透明なものを用いれば、裏
面側から観察する形態とすることもできるし、或いは光
記録部材側を裏側面とするカードデザインであっても良
い。
【0027】また、本発明の光カードは、図2に示す如
く光回折構造30と、機械読取り可能な記録部として、
光記録層等かなる光記録部20とを少なくとも有するも
のであるが、機械読取り可能な記録部としては、光記録
層以外のものを備えていてもよい。例えば、磁気ストラ
イプや裏面全面の磁気層等の磁気記録部、或いは、CP
U内蔵又は非内蔵でICメモリを備えたICモジュール
等である。また、本発明の光カードは、エンボス文字を
備えたものであっても良い。また、機械読取りの点で
は、内蔵する光回折構造は視認可能なもの以外に、機械
読取り可能な光回折構造であっても良い。これらの機能
は、用途により適宜選択すれば良い。
【0028】
【実施例】 (実施例1)先ず、光記録部材として、厚さ0.4mm
の透明ポリカーボネート樹脂シートの一方の面に、スピ
ンコート法でハードコート剤(東レ(株)製、UH−0
01)を塗工して表面硬化層を形成した。次に、表面硬
化層とは反対面に、2P法でトラックパターンを一部に
有するトラックパターン層を全面に形成し、該トラック
パターンの上からTeOxをマスクを用いてスパッタリ
ングして光記録層を形成して、光記録部材とした。一
方、カード基材は、コアシートとして0.20mmの乳
白色の塩化ビニル樹脂シートを用い、シートの両面にシ
ルクオフセット印刷を行い、両面からオーバーシートと
して0.05mmの透明な塩化ビニル樹脂シート2枚で
挟み、熱融着法によて3層構成のカード基材とした。
【0029】一方、光回折構造用の転写シートとして
は、基材フィルムに厚さ25μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムを用い、その片面にアクリル樹脂の転
写移行する剥離層、アクリレート系紫外線硬化性樹脂に
ホログラムの凹凸を形成した光回折構造層、アルミニウ
ムを真空蒸着した反射製金属薄膜層、アクリル系樹脂に
よる感熱接着剤層を順次形成した転写シートを用いた。
そして、この転写シートを用いて、ホットスタンプ法に
より上記カード基材の内側面となる面の一部分に部分的
にホログラムの光回折構造を形成した。
【0030】次に、上記の光記録部材と、光回折構造が
形成されたカード基材とを、ウレタン系ホットメルト接
着剤(鐘紡(株)製、ボンドマスタ−70−7310)
を、光回折構造が形成してある側のカード基材側に塗工
形成した後、貼り合わせ、更に周囲を打ち抜いてカード
サイズ(縦54mm×横85.5mm)の本発明の光カ
ードを得た。
【0031】(実施例2)実施例1において、転写シー
トによる光回折構造の転写を、カード基材側ではなく、
光記録部材側に行った他は、実施例1同様にして、本発
明の光カードを得た。なお、ホログラム像は逆像となっ
ていものものを転写した。
【0032】(実施例3)実施例1において、光回折構
造が形成されたカード基材として、ホログラムからなる
光回折構造は転写形成されたものではなく下記ラベルを
カード基材の一部に貼着したものを用いた他は、実施例
1と同様にして、本発明の光カードを得た。ホログラム
のラベルとしては、基材フィルムに厚さ50μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用い、その片面にア
クリレート系紫外線硬化性樹脂にホログラムの凹凸を形
成した光回折構造層、アルミニウムを真空蒸着した反射
製金属薄膜層、アクリル系樹脂の感圧粘着剤層を順次形
成したラベルを用いた。
【0033】以上の様にして得られた、各実施例の本発
明の光カードは、光回折構造がカード層内に内在してい
るので、光回折構造が剥がれる心配が全く無いカードで
あった。また、光回折構造部分がカード表面で凸になる
こともなく、光記録部等の読取り装置でデータの読み書
きを行っても、カード搬送で光回折構造が剥がれたり傷
ついたりすることもなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の光カードによれば、ホログラム
や回折格子等の光回折構造をカードの内部に有するの
で、光回折構造が脱落したり、傷付いたりすることがな
く、耐久性の優れた光回折構造となる。また、カードの
層内にある為に偽造防止策としても効果的である。しか
も、光記録層の読取り面と同一面側から観察できる光回
折構造とすることもでき、これらを表裏関係で設ける必
要がなく、デザイン的な自由度も拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光カードの一形態を示す断面図。
【図2】本発明の光カードの一形態を示す斜視図。
【図3】本発明の光カードの他の形態を示す断面図。
【図4】本発明の光カードの他の形態を示す断面図。
【図5】従来の光カードの一形態を示す断面図。
【図6】光回折構造の転写形成に使用し得る転写シート
の一例を示す断面図。
【図7】光回折構造の貼着形成に使用し得るラベルの一
例を示す断面図。
【符号の説明】
1 表面硬化層 2 透明基材 2a トラックパターン層 3 トラックパターン 4 光記録層 5 光記録部材 6 接着剤層 7 カード基材 8 光回折構造 9 接着剤層 20 光記録部 30 光回折構造 40 光回折構造の転写シート 41 基材フィルム 42 ホログラム層(光回折構造層) 43 反射性金属薄膜層 44 感熱接着剤層 50 光回折構造のラベル 51 基材フィルム 52 ホログラム層(光回折構造層) 53 反射性金属薄膜層 54 感圧粘着剤層 100 光カード 200 従来の光カード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/077 G06K 19/00 C G11B 7/24 572 D K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表側面に表面硬化層を有し内側面にトラ
    ックパターンを有する透明基材の該内面側に光記録層が
    積層された光記録部材と、カード基材とが接着剤層を介
    して積層されてなる光カードにおいて、光記録部材とカ
    ード基材との間に光回折構造を有する、光カード。
  2. 【請求項2】 光回折構造が光記録部材に固定され、光
    回折構造が固定された該光記録部材とカード基材とが接
    着剤層を介して積層されてなる、請求項1記載の光カー
    ド。
  3. 【請求項3】 光回折構造がカード基材に固定され、光
    回折構造が固定された該カード基材と光記録部材とが接
    着剤層を介して積層されてなる、請求項1記載の光カー
    ド。
  4. 【請求項4】 転写形成された光回折構造である、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の光カード。
  5. 【請求項5】 磁気記録層を有する、請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の光カード。
  6. 【請求項6】 エンボス文字を有する、請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の光カード。
  7. 【請求項7】 ICモジュールを有する、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の光カード。
JP17871996A 1996-06-20 1996-06-20 光カード Withdrawn JPH106668A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002311835A (ja) * 2001-04-16 2002-10-25 Dainippon Printing Co Ltd 不可視個別情報記録材、不可視個別情報貼付け用ラベル、および不可視個別情報転写シート
JP2010046803A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Dainippon Printing Co Ltd 控え用紙付き封書作成用紙
JP2010046802A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Dainippon Printing Co Ltd 控え用紙付き封書作成用紙

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