JPH1064897A - 半導体素子の保護膜及びその製造方法 - Google Patents

半導体素子の保護膜及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子の保護膜に利用されるシリコン窒
化膜でクラックが発生するのを最少化するためのもので
ある。 【解決手段】 シリコン窒化膜の上部面、又は上下部面
に物理気相蒸着によりクロム酸化膜を積層することであ
る。そのため、シリコン窒化膜の圧縮応力を緩和させク
ラックの発生を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子の保護膜
(passivation layer )及びその製造方法に関し、特に
保護膜に利用されるシリコン窒化膜の上部面、又は上下
部面にクロム酸化膜(Cr23 )を物理気相蒸着によ
り備える半導体素子の保護膜及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子製造工程でウェーハに望む回
路を現し、最上部に導電配線に利用される金属配線を形
成する。また、その上部に保護膜を形成するが、この保
護膜の役割は外部からの化学的、物理的、光学的な影響
等からウェーハに備えられた半導体回路等を保護するた
めである。
【0003】一般に保護膜でシリコン酸化膜とシリコン
窒化膜の積層構造でなる保護膜を広く利用する。このよ
うな構造で形成する理由はシリコン酸化膜は比較的蒸着
し易く、シリコン窒化膜は膜質が稠密で外部の影響を比
較的薄い厚さでも遮断することができるためである。
【0004】前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜はP
ECVD(Plazma Enhanced Chemical Vapour Depositi
on)方法で蒸着する。
【0005】一方、シリコン酸化膜上部に蒸着するシリ
コン窒化膜は圧縮応力(compressive stress)を比較的
多く有する性質のため、臨界厚さ以上にシリコン窒化膜
を蒸着することになればクラックが発生する傾向が多
い。
【0006】保護膜は厚さが厚いほど外部からの機械
的、及び化学的な攻撃に堪えることができる能力が増加
することは明らかである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来には、前記のよう
にシリコン窒化膜でクラックが発生することを防止する
ためシリコン窒化膜を蒸着する際、クラックが起こらな
い厚さ範囲内で工程を進めることである。しかし、この
ような場合、十分な厚さのシリコン窒化膜を蒸着するこ
とができないという問題が発生する。
【0008】そのため、前記のようにシリコン窒化膜に
クラックが発生する問題を克服するための新しい方法が
追求されなければならない。
【0009】従って、本発明の第1目的は蒸着されたシ
リコン窒化膜でクラックが発生するのを最少化するため
シリコン窒化膜の上部面、又は上下部面に物理気相蒸着
によりクロム酸化膜を積層する半導体素子の保護膜製造
方法を提供することにその目的がある。
【0010】本発明の第2目的はシリコン窒化膜の上部
面、又は上下部面に物理気相蒸着により蒸着されるクロ
ム酸化膜が備えられた半導体素子の保護膜を提供するこ
とにその目的がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は保護膜を製造する方法において、シリコン
酸化膜を蒸着する工程と、その上部にシリコン窒化膜を
形成する工程と、クロム酸化膜を蒸着する工程を含むこ
とを特徴とする。
【0012】前記の目的を達成するため、本発明は半導
体素子の保護膜において、シリコン酸化膜、シリコン窒
化膜、及びクロム酸化膜が積層されたことを特徴とす
る。
【0013】シリコン窒化膜上部に形成するクロム酸化
膜は、耐腐蝕性が強い特性を表すため外部からの水分浸
透等による素子の損傷を最少化することができる。
【0014】さらに、物理気相蒸着された薄膜は一般に
引張応力(tensile stress)特性を有しているのでクロ
ム酸化膜を物理気相蒸着方法で蒸着する場合、引張応力
特性を有するクロム酸化膜と圧縮応力特性を有するシリ
コン窒化膜が相互緩衝して応力を緩和させることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付の図1乃至図3を参照
して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0016】図1乃至図3は、本発明により保護膜でシ
リコン酸化膜、シリコン窒化膜及びクロム酸化膜の積層
構造に形成する過程を示す断面図である。
【0017】半導体基板(10)上部に半導体素子(図
示せず)を形成した後、最上部面に導電配線に利用され
る金属配線(1)が形成された状態から以後の工程で保
護膜の下部層に利用されるシリコン酸化膜(2)を化学
気相蒸着法を利用して500Å乃至3000Å厚さで蒸
着する。(図1参照)
【0018】さらに、図2のように前記シリコン酸化膜
(2)の上部にシリコン窒化膜(3)を化学気相蒸着法
を利用して1000Å乃至3000Å厚さに蒸着する。
【0019】その次に、図3のように耐腐蝕特性が優れ
たクロム酸化膜(Cr23 )(4)を物理気相蒸着法
を利用して1000Å乃至3000Åの厚さに蒸着す
る。
【0020】前記クロム酸化膜(4)を物理気相蒸着法
で蒸着する時の条件はO2 は10−50sccm(Stan
dard Cubic Centimeter )、蒸着電力は1−15Kw、
反応炉の温度は100−400℃、圧力は1−20mT
orrである。
【0021】本発明の他の実施例(図示せず)は、前記
のようにシリコン窒化膜の下部面と上部面にもクロム酸
化膜を形成する方法がある。即ち、シリコン酸化膜、ク
ロム酸化膜、シリコン窒化膜、クロム酸化膜の積層構造
に形成することである。
【0022】前記他の実施例でシリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜を蒸着する条件は前記の条件と同一であり、前
記シリコン窒化膜の下部面に形成するクロム酸化膜は1
00Å乃至1000Åの厚さに蒸着し、前記シリコン窒
化膜の上部面に形成するクロム酸化膜は1000Å乃至
2000Åの厚さに蒸着し、蒸着条件は前記したものと
同様である。
【0023】
【発明の効果】前記のように本発明はシリコン窒化膜の
上部面、又は上部面と下部面にクロム酸化膜を蒸着する
ことにより外部からの水分浸透による素子の損傷を最少
化させることができるため半導体素子の信頼度を向上さ
せることができる。
【0024】尚、耐腐蝕性の強いクロム酸化膜をシリコ
ン窒化膜上に反応性物理気相蒸着法で製造すれば、シリ
コン窒化膜の圧縮応力を緩和させシリコン窒化膜でクラ
ックが発生することを防止して厚い保護膜の形成が可能
となる。
【0025】併せて、本発明の好ましい実施例は例示の
目的のため開示されたものであり、当業者であれば本発
明の思想と範囲内にある多様な修正、変更、付加等が可
能なはずであり、このような修正変更等は以下の特許請
求範囲に属するものとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例により半導体素子の保護膜を形
成する段階を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例により半導体素子の保護膜を形
成する段階を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例により半導体素子の保護膜を形
成する段階を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属配線 2 シリコン酸化膜 3 シリコン窒化膜 4 クロム酸化膜 10 半導体基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子の保護膜製造方法において、 シリコン酸化膜を蒸着する段階と、 シリコン窒化膜を蒸着する段階と、 物理気相蒸着方法でクロム酸化膜を蒸着する段階でな
    り、それにより保護膜がシリコン酸化膜、シリコン窒化
    膜及びクロム酸化膜で積層されるようにする半導体素子
    の保護膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記クロム酸化膜の蒸着条件はO2 は1
    0−50sccm、蒸着電力は1−15Kw、反応炉の
    温度は100−400℃、圧力は1−20mTorrで
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の保護
    膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコン酸化膜を蒸着した後、物理
    気相蒸着法で100Å乃至1000Å厚さのクロム酸化
    膜を蒸着する段階を含むことを特徴とする請求項1記載
    の半導体素子の保護膜製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体素子の保護膜において、 シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びクロム酸化膜の積
    層構造になることを特徴とする半導体素子の保護膜。
  5. 【請求項5】 前記シリコン酸化膜は500Å乃至30
    00Å厚さ、前記シリコン窒化膜は1000Å乃至30
    00Å厚さ、前記クロム酸化膜は1000Å乃至200
    0Å厚さであることを特徴とする請求項1又は請求項4
    記載の半導体素子の保護膜。
  6. 【請求項6】 前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の
    間に、クロム酸化膜がさらに備えられることを特徴とす
    る請求項4記載の半導体素子の保護膜。
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