JP2018169435A - 光回路部品及び光回路部品の製造方法 - Google Patents

光回路部品及び光回路部品の製造方法 Download PDF

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亨 小宮山
Toru Komiyama
亨 小宮山
柳澤 雅弘
Masahiro Yanagisawa
雅弘 柳澤
渡邉 啓
Hiroshi Watanabe
啓 渡邉
橋詰 泰彰
Yasuaki Hashizume
泰彰 橋詰
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Abstract

【課題】膜剥がれを抑止できる光導波路を提供することを目的とする光回路部品及び光回路部品の製造方法を提供する。【解決手段】光回路部品91は、クラッド12と防湿層16の間に応力緩衝層15を設ける。光回路部品91は、リッジ構造を有するSiO2を含むクラッド12と、クラッド12内に配置されたコア13と、クラッド12の上面及び側面を覆う応力緩衝層15と、応力緩衝層15を覆う防湿層16と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、光回路部品及び光回路部品の製造方法に関する。
リッジ構造を有する光導波路は、コアから外部環境までの距離が短くコア周辺のクラッド(BPSG(Boro―phospho Silicate Glass)/PSG(Phospho Silicate Glass))の湿気による変質は、屈折率や応力変化をもたらし光導波路の特性を容易に変化させてしまう。これらを防止するため、クラッドを単層の防湿(低透湿性)層で覆っていた。
一方で、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)などのリッジ構造を有する導波路上にヒータが設けられている光回路部品においては、低消費電力化の観点から、リッジ幅を極力狭くすることが求められている。
国際公開第2010/098295号
防湿層として用いられるSiN等は膜応力が大きく、且つ、屈折率が石英系ガラス材料からなるコアやクラッド材料に比べて大きいため、リッジ幅を狭くすると、クラッドと防湿層との応力差や屈折率差の影響を受けやすくなり、偏波依存性や損失等の光学特性の劣化が問題となる。また、防湿層の膜応力が大きいため、直接クラッドに防湿層を形成した場合に防湿層の膜剥がれが生じる場合がある。
そこで、本発明では、クラッドにリッジ構造を有する光回路部品における光学特性の劣化を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光回路部品は、クラッドと防湿層の間に応力緩衝層を設ける。
具体的には、本発明の光回路部品は、
リッジ構造を有するSiOを含むクラッドと、
前記クラッド内に配置されたコアと、
前記クラッドの上面及び側面を覆う応力緩衝層と、
前記応力緩衝層を覆う防湿層と、
を備える。
本発明の光回路部品では、
前記防湿層は、SiN、SiON及びアルミナの少なくともいずれか1つを含んでもよい。
本発明の光回路部品では、
前記応力緩衝層は、前記防湿層より膜応力が小さくてもよい。
本発明の光回路部品では、
前記応力緩衝層は、
SiN、SiON又はアルミナ及び前記クラッドの組成を含み、
前記クラッドに近い領域においては前記SiN、SiON又はアルミナよりも前記クラッドの組成の割合が高く、
前記防湿層に近い領域においては前記クラッドの組成よりも前記SiN、SiON又はアルミナの割合が高くなる様に組成が連続的に変化してもよい。
本発明の光回路部品では、
前記応力緩衝層は、
SiN、SiON又はアルミナ及び前記クラッドの組成を含み、
前記クラッドに近い領域においては前記SiN、SiON又はアルミナよりも前記クラッドの組成の割合が高く、
前記防湿層に近い領域においては前記クラッドの組成よりも前記SiN、SiON又はアルミナの割合が高くなる様に複数の層の積層構造になっていてもよい。
本発明の光回路部品では、前記防湿層を覆う応力調整層をさらに備えていてもよい。
前記応力緩衝層の組成が均一な場合、前記応力調整層の組成は、前記応力緩衝層と等しい組成を有する。
前記応力緩衝層の組成が不均一な場合、前記応力調整層の組成は、前記防湿層に対して前記応力緩衝層と対照になる。例えば、前記応力調整層の組成は、前記防湿層から遠い領域においては前記クラッドに近い領域の前記応力緩衝層に等しい組成を有し、前記防湿層に近い領域においては前記防湿層に近い領域の前記応力緩衝層に等しい組成を有する。
本発明の光回路部品では、前記応力緩衝層は、前記クラッドより屈折率が小さくてもよい。
本発明の光回路部品では、前記クラッドと前記応力緩衝層の間でありかつ前記クラッドの上面にヒータをさらに備えてもよい。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、クラッドがリッジ構造を有する光回路部品における光学特性の劣化を防止することができる。
実施形態1に係る光回路100の一例を示す。 実施形態1に係る光回路部品91の一例を示す。 実施形態1における屈折率及び応力の分布の一例を示す。 実施形態1に係る光回路部品91の製造方法の一例を示す。 実施形態2に係る光回路部品91の一例を示す。 実施形態2における屈折率及び応力の分布の一例を示す。 実施形態3における屈折率及び応力の分布の一例を示す。 実施形態4における屈折率及び応力の分布の一例を示す。 比較例に係る挿入損失のリッジ幅依存性の一例を示す。 実施形態4に係る挿入損失のリッジ幅依存性の一例を示す。 実施形態5における屈折率及び応力の分布の第1例を示す。 実施形態5における屈折率及び応力の分布の第2例を示す。 実施形態5における屈折率及び応力の分布の第3例を示す。 実施形態5における屈折率及び応力の分布の第4例を示す。 実施形態5における屈折率及び応力の分布の第5例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図1に、本実施形態に係る光回路100の一例を示す。本実施形態に係る光回路100は、導波路が形成された平面光回路であり、#1〜#4の光回路部品91を備える。
光回路部品91#1〜91#4は任意の機能を有する。例えば、光回路部品91#1〜91#4はヒータ14によってコア/クラッドの屈折率を変えて位相調整を行う事ができる。このため、光回路部品91を用いたマッハツェンダー干渉計を組み合わせて可変光減衰器(VOA)、光スイッチ(MCS:Multicast Switch)や光フィルタ(TOF:Tunable Optical Filter)を実現する事が出来る。
光回路部品91#1〜91#4の導波路をリッジ形状にするため、クラッド部分には溝17が設けられている。溝17は、隣接する光回路部品91でのヒータ14による加熱の影響を遮蔽する。例えば、ヒータ14#3の周囲のクラッドには、溝17#3及び溝17#34が設けられている。
図2に、本実施形態に係る光回路部品91の断面図の一例を示す。図2では、光回路部品91の断面図の一例として、図1のA−A’断面での光回路部品91#3の断面図を示す。本実施形態に係る光回路部品91は、基板11と、クラッド12と、コア13と、応力緩衝層15と、防湿層16と、を備える。
クラッド12及びコア13は光導波路を構成する。クラッド12は基板11の上面に配置され、リッジ構造を有する。コア13は、クラッド12の内部に配置される。基板11は、例えば、Si基板である。クラッド12及びコア13は、例えば、SiOを含む。
図3に、本実施形態における屈折率及び応力の分布の一例を示す。本実施形態では、膜応力が、クラッド12、応力緩衝層15及び防湿層16の順に高い。また本実施形態では、クラッド12及び応力緩衝層15の屈折率が等しく、防湿層16の屈折率がクラッド12及び応力緩衝層15の屈折率よりも高い。
本実施形態に係る光回路部品91は、クラッド12の上面にヒータ14を備えてもよい。ヒータ14は、クラッド12及びコア13の温度を制御することにより、光回路部品91の位相を制御可能にする。
防湿層16は防湿性を有し、応力緩衝層15を覆うように配置される。これにより、防湿層16は、クラッド12の湿気による変質を防ぎ、クラッド12の屈折率や応力変化を防止し、光回路部品91の特性変化を抑止することができる。防湿層16は、例えば、SiN、SiON及びアルミナの少なくともいずれか1つを含む。本実施形態では、一例として、防湿層16がSiNである例について説明する。
応力緩衝層15は、クラッド12及びヒータ14の上面及び側面を覆うように配置され、クラッド12と防湿層16との間に働く応力差を緩和する機能を有する。光回路部品91は、応力緩衝層15を備えることで、防湿層16とクラッド12との応力差で生じる偏波依存性の抑制や、膜剥がれという問題の解消をすることができる。
応力緩衝層15は、クラッドの組成であるSiOを含み、スパッタ法又はCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって積層されている。これにより、応力緩衝層15の応力をクラッド12と防湿層16の中間の応力とすることができる。応力緩衝層15は、防湿層16の組成を含んでいてもよい。
例えば、クラッド12がFHD(Flame Hydrolysis Deposition Method)法で形成したBPSGである場合、応力緩衝層15として、スパッタ法又はCVD法によって積層された単層のSiOを用いることができる。この場合、SiNの防湿層16に1700Mpaの応力が発生する場合、応力緩衝層15として300Mpaの応力が発生するようなSiOを用いる。
防湿層16の応力の影響を緩和するため、応力緩衝層15の膜厚Hbは、防湿層16の膜厚Hdよりも厚いことが好ましい。例えば、応力緩衝層15の膜厚Hbは1μm以上であることが好ましい。ただし、応力緩衝層15の膜厚Hbは1μm以下であってもよい。例えば、0.1μm以上とすることができる。
本実施形態に係る光回路部品製造方法は、リッジ形成手順と、応力緩衝層形成手順と、防湿層形成手順と、を順に有する。
リッジ形成手順では、クラッド12に溝17を設け、リッジ形状とする。先ず、図4(a)のような、基板11の上面にクラッド12及びコア13が形成された平面光回路を作製する。クラッド12は、例えば、FHD法やCVD法で形成する。次に、クラッド12の溝17の部分をエッチングして、図4(b)に示すようなリッジ構造を形成する。次に、図4(b)に示すように、クラッド12のリッジ構造の上面にヒータ14を形成する。
次に、応力緩衝層形成手順を実行する。応力緩衝層形成手順では、図4(c)に示すように、リッジ構造を有するクラッド12の上面及び両側面に、応力緩衝層15を形成する。応力緩衝層15の形成は、例えば、形成する層の組成制御が比較的容易であるスパッタ法であるか、或いは、表面に凹凸があっても層を形成できるCVD法を用いることが好ましい。
次に、防湿層形成手順を実行する。防湿層形成手順では、図4(d)に示すように、応力緩衝層15の表面に、防湿層16を形成する。防湿層16の形成には、応力緩衝層15の形成と同じ理由で、スパッタ法又はCVD法を用いることが好ましい。
以上のような光回路部品製造方法を用いることで、図2に示したような光回路部品91を作製することができる。
(実施形態2)
実施形態1では、応力緩衝層15が1層の膜から構成され、応力緩衝層15の応力がクラッド12から防湿層16にかけて一定である場合を示したが、応力緩衝層15の応力は、クラッド12に近い位置と防湿層16に近い位置で異なってもよい。例えば、本実施形態に係る応力緩衝層15は、図5に示す様に、複数の応力緩衝層15#1及び15#2を備え、複数の層の積層構造になっている。
応力緩衝層15#1はクラッド12側に配置され、応力緩衝層15#2は防湿層16側に配置される。クラッド12に近い領域においては防湿層16の組成よりもクラッド12の組成の割合が高い。防湿層16に近い領域においてはクラッド12の組成よりも防湿層16の組成の割合が高い。
図6に、本実施形態における屈折率及び応力の分布の一例を示す。本実施形態では、膜応力が、応力緩衝層15#1及び15#2の順に高い。また本実施形態では、クラッド12及び応力緩衝層15#1の屈折率が等しく、応力緩衝層15#2の屈折率が応力緩衝層15#1の屈折率よりも高い。
実施形態1では応力緩衝層15がSiOである例を示したが、応力緩衝層15の組成はSiOに限らない。例えば、応力緩衝層15は、SiONであってもよい。この場合、防湿層16に1700Mpaの応力が発生するSiNを用いる場合には、応力緩衝層15#1に500Mpaの応力が発生するSiONを用い、応力緩衝層15#2に1500Mpaの応力が発生するSiONを用いる。
本実施形態に係る光回路部品製造方法は、応力緩衝層形成手順において、応力緩衝層15#1及び15#2の応力が所望の応力差となるように、応力緩衝層15#1及び#2を形成する。例えば、応力緩衝層15#1よりも応力緩衝層15#2の方がSiONのN組成比が高くなるように形成する。
光回路部品91での複屈折変動、挿入損失及び防湿層16の膜剥がれは、防湿層16と応力緩衝層15の応力差が小さいほど生じにくい。応力緩衝層15#1の応力は応力緩衝層15#2よりもクラッド12の応力に近いため、クラッド12と応力緩衝層15#1の応力差を実施形態1でのクラッド12と応力緩衝層15の応力差よりも小さくすることができる。また、応力緩衝層15#2の応力は応力緩衝層15#1よりも防湿層16の応力に近いため、応力緩衝層15#2と防湿層16の応力差を実施形態1での応力緩衝層15と防湿層16の応力差よりも小さくすることができる。したがって、本実施形態は、クラッド12及び防湿層16の間の応力差が原因で生じる光回路部品91の複屈折変動、挿入損失を実施形態1に係る光回路部品91よりも抑制するとともに、防湿層16の膜剥がれを防止することができる。
本実施形態では、応力緩衝層15が、応力緩衝層15#1及び応力緩衝層15#2の2層を有する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本実施形態は、例えば、応力緩衝層15が3層以上の層を有する場合にも適用することができる。その際、応力緩衝層15が有する層のそれぞれは、クラッド12から防湿層16に向って段階的に応力を防湿層16に近づける。
以上説明したように、本実施形態に係る光回路部品91は、応力緩衝層15が2層以上の多層膜を備えるため、応力緩衝層15におけるクラッド12と防湿層16の応力をより緩和することができる。
(実施形態3)
実施形態2では、応力緩衝層15が2層以上の層を有し、それらの層ごとに応力を変化させる場合を示したが、本実施形態では、応力緩衝層15は、クラッド12及び防湿層16の組成を含み、それらの割合を変化させることで応力を変化させる。
例えば、クラッド12が主にSiOからなり、防湿層16がSiNからなる場合、応力緩衝層15は、SiO及びSiNを含む。応力緩衝層15は、クラッド12に近い領域においてはSiNよりもSiOの組成の割合が高く、防湿層16に近い領域においてはSiOよりもSiNの割合が高い。
図7に、本実施形態における屈折率及び応力の分布の一例を示す。本実施形態では、応力緩衝層15の膜応力及び屈折率が連続的に変化する。このように、応力緩衝層15の応力を応力緩衝層15の内部で連続的に変化させることが好ましい。この場合、クラッド12に近い領域においては防湿層16の組成よりもクラッド12の組成の割合が高く、防湿層16に近い領域においてはクラッド12の組成よりも防湿層16の組成の割合が高くなる様に組成が連続的に変化している。
例えば、クラッド12に接する領域では略SiOであり、クラッド12に近い領域においてはSiNよりもSiOの割合が高く、クラッド12から防湿層16にかけてSiNの割合が高くなり、防湿層16に近い領域においてはSiOよりもSiNの割合が高く、防湿層16に接する領域では略SiNである。このため、応力緩衝層15のうちのクラッド12に接する部分の応力はクラッド12の応力と略等しく、応力緩衝層15のうちの防湿層16に接する部分の応力は防湿層16の応力と略等しくすることができる。
本実施形態に係る光回路部品製造方法では、応力緩衝層形成手順において、応力緩衝層15は、クラッド12及び防湿層16の両方の組成の混合比を制御しながら成膜する。
例えば、スパッタ法を用いる場合、ターゲットへの印加電圧又は印加パルスのデューティ比を制御して、初めはクラッド12の組成のスパッタのみを行い、次にクラッド12の組成のスパッタレートを防湿層16の組成のスパッタレートよりも大きくし、連続的に防湿層16の組成のスパッタレートを大きくするとともに連続的にクラッド12の組成のスパッタレートを小さくしていき、最終的に防湿層16の組成のみがスパッタされるようにする。
また、CVD法を用いる場合は、例えば、初めはクラッド12の成膜に用いるガスのみを流し、次にクラッド12の成膜に用いるガスの流量を防湿層16の成膜に用いるガスの流量よりも大きくし、連続的に防湿層16の成膜に用いるガスの流量を大きくするとともに連続的にクラッド12の成膜に用いるガスの流量を小さくしていき、最終的に防湿層16の成膜に用いるガスのみを供給するようにする。
光回路部品91での複屈折変動、挿入損失及び防湿層16の膜剥がれは、防湿層16と応力緩衝層15の応力差が小さいほど生じにくいが、本実施形態では、応力緩衝層15のうちの防湿層16に接する部分の応力は防湿層16の応力と略等しい。したがって、本実施形態は、クラッド12及び防湿層16の間の応力差が原因で生じる光回路部品91の複屈折変動、挿入損失を実施形態1及び2に係る光回路部品91よりも抑制するとともに、防湿層16の膜剥がれを防止することができる。
本実施形態では、応力緩衝層15が1層膜で構成される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本実施形態は、実施形態2と組み合わせ、多層膜の内部での組成比を連続的に変化させてもよい。また、防湿層16の組成は、Siに限らず、防湿層16に用いることが可能な任意の組成に適用できる。
本実施形態に係る光回路部品91は、応力緩衝層15の組成の混合比が応力緩衝層15の内部で連続的に変化し、クラッド12に近いほどクラッド12の組成に近く、防湿層16に近いほど防湿層16の組成に近いため、クラッド12と防湿層16の間に生じる応力を徐々に緩和することができる。
(実施形態4)
実施形態1及び2では、応力緩衝層15のクラッド12近傍の組成がクラッド12の組成に近く、これにより、応力緩衝層15のクラッド12近傍の屈折率もクラッド12にほぼ同じになっている場合を示したが、本実施形態では、応力はクラッドと防湿層16の中間としたまま、屈折率を下げる。これにより、本実施形態に係る光回路部品91は、リッジ幅を狭くした場合に、屈折率の高い防湿層の影響を抑制する事が可能となる。
図8に、本実施形態における屈折率及び応力の分布の一例を示す。本実施形態では、膜応力が、クラッド12、応力緩衝層15及び防湿層16の順に高い。また本実施形態では、屈折率が、応力緩衝層15、クラッド12及び防湿層16の順に高い。
図9に応力緩衝層無しで直接防湿層としてSiNを形成した場合での挿入損失のリッジ幅依存性を示すが、リッジ幅が11μmまで狭くなるとTE偏波の損失が増加してしまう。
これに対して、応力緩衝層15としてフッ素、もしくは、ボロンを添加したSiO2を用いて、応力緩衝層の屈折率をクラッドより下げる事により、コア13から染み出した導波光が防湿層16の高い屈折率を感じ難くなり、その結果として図10に示す様にリッジ幅を11μmにしても損失増加を抑制する事が出来る。
(実施形態5)
図11に、本実施形態に係る光回路部品91の断面図の一例を示す。本実施形態に係る光回路部品91は、図2に示す防湿層16を覆う応力調整層18をさらに備える。応力調整層18は、応力緩衝層15の少なくとも一部と等しい組成を有する。
図12〜図15に、本実施形態における屈折率及び応力の分布の一例を示す。図12〜図15は、それぞれ、実施形態1〜実施形態4を本実施形態に適用した場合を示す。応力調整層18と応力緩衝層15とは、組成が等しいことが好ましい。例えば、応力緩衝層15の組成が均一な場合、応力調整層18の組成は、応力緩衝層15と等しい組成を有することが好ましい。応力緩衝層15の組成が不均一な場合、応力調整層18の組成は、防湿層16に対して応力緩衝層15と対照になっていることが好ましい。さらに、応力調整層18の膜厚Hcは、応力緩衝層15と等しいことが好ましい。
例えば、実施形態2のように応力緩衝層15の膜応力及び屈折率が複数の層の積層構造になっている場合、図13に示すように、応力調整層18の膜応力及び屈折率は、防湿層16を中心にして応力緩衝層15と対照になるように、複数の層の積層構造になっていることが好ましい。実施形態3のように応力緩衝層15の膜応力及び屈折率が連続的に変化している場合、図14に示すように、応力調整層18の膜応力及び屈折率は、防湿層16を中心にして応力緩衝層15と対照になるように、連続的に変化することが好ましい。
本実施形態に係る光回路部品製造方法では、防湿層形成手順の後に、応力調整層形成手順をさらに有する。応力調整層形成手順は、応力緩衝層形成手順と同様である。ただし、実施形態2及び実施形態3へ適用する場合、クラッド12の組成のスパッタレートと防湿層16の組成のスパッタレートの調整が、応力緩衝層15とは逆になるように、ターゲットへの印加電圧又は印加パルスのデューティ比やガスの流量を制御する。
以上説明したように、本実施形態に係る光回路部品91は、応力調整層18を備えるため、応力緩衝層15と防湿層16の応力差を調整し、応力緩衝層15からの防湿層16の剥離を防止することができる。
本発明の光回路部品及び光回路部品の製造方法は、通信産業に適用することができる。
11:基板
12:クラッド
13:コア
14:ヒータ
15:応力緩衝層
16:防湿層
17:溝
18:応力調整層
91:光回路部品
100:光回路

Claims (10)

  1. リッジ構造を有するSiOを含むクラッドと、
    前記クラッド内に配置されたコアと、
    前記クラッドの上面及び側面を覆う応力緩衝層と、
    前記応力緩衝層を覆う防湿層と、
    を備える光回路部品。
  2. 前記防湿層は、SiN、SiON及びアルミナの少なくともいずれか1つを含む
    請求項1に記載の光回路部品。
  3. 前記応力緩衝層は、前記防湿層よりも膜応力が小さい
    請求項1又は2に記載の光回路部品。
  4. 前記応力緩衝層は、
    SiN、SiON又はアルミナ及び前記クラッドの組成を含み、
    前記クラッドに近い領域においては前記SiN、SiON又はアルミナよりも前記クラッドの組成の割合が高く、前記防湿層に近い領域においては前記クラッドの組成よりも前記SiN、SiON又はアルミナの割合が高くなる様に組成が連続的に変化している、
    請求項1から3のいずれかに記載の光回路部品。
  5. 前記応力緩衝層は、
    SiN、SiON又はアルミナ及び前記クラッドの組成を含み、
    前記クラッドに近い領域においては前記SiN、SiON又はアルミナよりも前記クラッドの組成の割合が高く、前記防湿層に近い領域においては前記クラッドの組成よりも前記SiN、SiON又はアルミナの割合が高くなる様に複数の層の積層構造になっている、
    請求項1から3のいずれかに記載の光回路部品。
  6. 前記応力緩衝層と等しい組成を有し、かつ前記防湿層を覆う応力調整層をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の光回路部品。
  7. 前記防湿層を覆う応力調整層をさらに備え、
    前記応力調整層の組成は、前記防湿層から遠い領域においては前記クラッドに近い領域の前記応力緩衝層に等しい組成を有し、前記防湿層に近い領域においては前記防湿層に近い領域の前記応力緩衝層に等しい組成を有する、請求項4又は5に記載の光回路部品。
  8. 前記応力調整層は、前記応力緩衝層と等しい膜厚を有する、
    請求項6又は7に記載の光回路部品。
  9. 前記応力緩衝層は、前記クラッドよりも屈折率が小さい
    請求項1から8のいずれかに記載の光回路部品。
  10. 前記クラッドと前記応力緩衝層の間でありかつ前記クラッドの上面にヒータをさらに備える、
    請求項1から9のいずれかに記載の光回路部品。
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