JPH106354A - 熱圧縮成形方法 - Google Patents
熱圧縮成形方法Info
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- JPH106354A JPH106354A JP16607596A JP16607596A JPH106354A JP H106354 A JPH106354 A JP H106354A JP 16607596 A JP16607596 A JP 16607596A JP 16607596 A JP16607596 A JP 16607596A JP H106354 A JPH106354 A JP H106354A
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 速硬化性の熱硬化性成形材料を用いて生産性
を高め得るだけでなく、プリゲルや波打ちが生じ難い高
品位の成形品を得ることを可能とする熱圧縮成形方法を
提供する。 【解決手段】 140℃硬化特性測定法におけるゲル化
時間が20〜50秒である速硬化性の熱硬化性成形材料
13,14を熱圧縮成形するに際し、固定型12上に成
形材料を13,14をチャージし、可動型11を20m
m/秒以上の速度で固定型12側に移動させて成形材料
13,14に接触させ、成形材料13,14に可動型1
1が接触した後に、20〜200mm/秒の範囲の速度
で可動型11を固定型12に近接させて成形材料を高速
で流動させ、0.1mm/秒〜20mm/秒未満の速度
で可動型11を降下して型締めを行う、熱圧縮成形方
法。
を高め得るだけでなく、プリゲルや波打ちが生じ難い高
品位の成形品を得ることを可能とする熱圧縮成形方法を
提供する。 【解決手段】 140℃硬化特性測定法におけるゲル化
時間が20〜50秒である速硬化性の熱硬化性成形材料
13,14を熱圧縮成形するに際し、固定型12上に成
形材料を13,14をチャージし、可動型11を20m
m/秒以上の速度で固定型12側に移動させて成形材料
13,14に接触させ、成形材料13,14に可動型1
1が接触した後に、20〜200mm/秒の範囲の速度
で可動型11を固定型12に近接させて成形材料を高速
で流動させ、0.1mm/秒〜20mm/秒未満の速度
で可動型11を降下して型締めを行う、熱圧縮成形方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形型内において
熱硬化性成形材料、特にモールディングコンパウンドと
称されている成形材料を加熱圧縮することにより、成形
品を得る熱圧縮成形方法に関し、より詳細には、成形時
間を短縮すると共に、光沢及び表面平滑性に優れた成形
品を提供し得る熱圧縮成形方法に関する。
熱硬化性成形材料、特にモールディングコンパウンドと
称されている成形材料を加熱圧縮することにより、成形
品を得る熱圧縮成形方法に関し、より詳細には、成形時
間を短縮すると共に、光沢及び表面平滑性に優れた成形
品を提供し得る熱圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シートモールディングコンパウン
ド(以下、SMC)またはバルクモールド・コンパウン
ド(BMC)などと称されている熱硬化性成形材料が幅
広く用いられている。この種の熱硬化性成形材料は、不
飽和ポリエステル樹脂に、充填材、硬化剤、離型剤、顔
料及び増粘剤などを加えた樹脂組成物を、ガラス繊維な
どの強化用繊維物質に含浸し、SMCの場合には約3〜
5mmの厚みのシート状に成形することにより、あるい
はBMCの場合にはバルク状に形成することにより得ら
れている。
ド(以下、SMC)またはバルクモールド・コンパウン
ド(BMC)などと称されている熱硬化性成形材料が幅
広く用いられている。この種の熱硬化性成形材料は、不
飽和ポリエステル樹脂に、充填材、硬化剤、離型剤、顔
料及び増粘剤などを加えた樹脂組成物を、ガラス繊維な
どの強化用繊維物質に含浸し、SMCの場合には約3〜
5mmの厚みのシート状に成形することにより、あるい
はBMCの場合にはバルク状に形成することにより得ら
れている。
【0003】上記SMCやBMCは、主として圧縮成形
法で成形され、得られる成形品は、住宅設備、工業部
品、自動車部品などに幅広く用いられている。特に、住
宅設備では、外観が良好なだけでなく耐熱水性をも兼ね
備えた高品質の部品が要求されている。例えば、バスユ
ニット等では、外観が優れているだけでなく、熱水に接
触されるため、耐熱水性においても優れていることが強
く求められる。そこで、外観に優れ、かつ耐熱水性に優
れた成形品を得ることを可能とする熱硬化性成形材料が
要求されている。
法で成形され、得られる成形品は、住宅設備、工業部
品、自動車部品などに幅広く用いられている。特に、住
宅設備では、外観が良好なだけでなく耐熱水性をも兼ね
備えた高品質の部品が要求されている。例えば、バスユ
ニット等では、外観が優れているだけでなく、熱水に接
触されるため、耐熱水性においても優れていることが強
く求められる。そこで、外観に優れ、かつ耐熱水性に優
れた成形品を得ることを可能とする熱硬化性成形材料が
要求されている。
【0004】また、近年、上述した住宅設備、工業部
品、自動車部品などを熱硬化性成形材料からなる成形品
により生産するに際し、コストを低減するために生産性
を高めることが強く求められている。そのため、上記熱
硬化性成形材料は、硬化速度が速いこと、すなわち速硬
化性を有することも強く求められている。
品、自動車部品などを熱硬化性成形材料からなる成形品
により生産するに際し、コストを低減するために生産性
を高めることが強く求められている。そのため、上記熱
硬化性成形材料は、硬化速度が速いこと、すなわち速硬
化性を有することも強く求められている。
【0005】しかしながら、SMCやBMCの硬化速度
を速めると、圧縮成形中にSMC表面で硬化が始まり、
表面の硬化によるプリゲル、並びにSMCが流動しなが
ら硬化することによる流れ模様状のプリゲルが発生す
る。従って、得られた成形品の表面平滑性が大きく損な
われ、表面光沢が部分的に劣った成形品しか得られなか
った。
を速めると、圧縮成形中にSMC表面で硬化が始まり、
表面の硬化によるプリゲル、並びにSMCが流動しなが
ら硬化することによる流れ模様状のプリゲルが発生す
る。従って、得られた成形品の表面平滑性が大きく損な
われ、表面光沢が部分的に劣った成形品しか得られなか
った。
【0006】上記のような問題を解決する方法として、
SMCを樹脂含浸性に優れた紙などのプリゲル防止材上
に載置し、成形可能温度範囲にある金型にプリゲル防止
材とともにSMCをチャージし、プリゲルの発生を抑制
しつつ、成形品を得る方法が提案されている(特開昭5
9−190827号公報など)。
SMCを樹脂含浸性に優れた紙などのプリゲル防止材上
に載置し、成形可能温度範囲にある金型にプリゲル防止
材とともにSMCをチャージし、プリゲルの発生を抑制
しつつ、成形品を得る方法が提案されている(特開昭5
9−190827号公報など)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したプリゲル防止
材を用いた成形方法では、SMCの硬化速度を高めるこ
とができ、かつプリゲルの発生を一応抑制し得るもの
の、副資材として用いられているプリゲル防止材を成形
品の硬化後に除去することができなかった。従って、プ
リゲル防止材が配置されている部分の外観が損なわれる
という欠点があり、適用製品に大きな制約があった。
材を用いた成形方法では、SMCの硬化速度を高めるこ
とができ、かつプリゲルの発生を一応抑制し得るもの
の、副資材として用いられているプリゲル防止材を成形
品の硬化後に除去することができなかった。従って、プ
リゲル防止材が配置されている部分の外観が損なわれる
という欠点があり、適用製品に大きな制約があった。
【0008】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、速硬化性の熱硬化性成形材料を用いて生産性
を高め得るだけでなく、プリゲルや波打ちの発生が生じ
難い、表面平滑性及び表面の光沢に優れた高品位の成形
品を得ることを可能とする熱圧縮成形方法を提供するこ
とにある。
を解消し、速硬化性の熱硬化性成形材料を用いて生産性
を高め得るだけでなく、プリゲルや波打ちの発生が生じ
難い、表面平滑性及び表面の光沢に優れた高品位の成形
品を得ることを可能とする熱圧縮成形方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、熱硬化性成形材料を
熱圧縮成形するに際し、固定型上に熱硬化性成形材料を
チャージし、可動型を20mm/秒以上の速度で固定型
側に移動させて成形材料に接触させ、成形材料に可動型
が接触した後に、20〜200mm/秒の範囲の速度で
可動型を固定型に近接させることにより成形材料を流動
させ、次に0.1〜20mm/秒の範囲の速度で可動型
を移動させて型締めを行うことを特徴とする熱圧縮成形
方法である。
成するためになされたものであり、熱硬化性成形材料を
熱圧縮成形するに際し、固定型上に熱硬化性成形材料を
チャージし、可動型を20mm/秒以上の速度で固定型
側に移動させて成形材料に接触させ、成形材料に可動型
が接触した後に、20〜200mm/秒の範囲の速度で
可動型を固定型に近接させることにより成形材料を流動
させ、次に0.1〜20mm/秒の範囲の速度で可動型
を移動させて型締めを行うことを特徴とする熱圧縮成形
方法である。
【0010】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて上記熱硬化性成形材料としては、従来より、モー
ルディングコンパウンド材料として用いられているSM
CやBMCなどの各種熱硬化性成形材料を用いることが
できる。
おいて上記熱硬化性成形材料としては、従来より、モー
ルディングコンパウンド材料として用いられているSM
CやBMCなどの各種熱硬化性成形材料を用いることが
できる。
【0011】より具体的には、例えば、熱硬化性樹脂と
しての不飽和ポリエステル樹脂に、必要に応じて、各種
充填材、繊維補強材、化学増粘剤、離型剤、安定剤及び
着色剤などの任意成分を添加してなる樹脂組成物を用い
ることができる。また、このような樹脂組成物は、従来
公知の方法に従って、SMCやBMCなどの形態を有す
るように調製される。
しての不飽和ポリエステル樹脂に、必要に応じて、各種
充填材、繊維補強材、化学増粘剤、離型剤、安定剤及び
着色剤などの任意成分を添加してなる樹脂組成物を用い
ることができる。また、このような樹脂組成物は、従来
公知の方法に従って、SMCやBMCなどの形態を有す
るように調製される。
【0012】好ましくは、140℃硬化特性測定法にお
けるゲル化時間が20〜50秒である速硬化性の熱硬化
性成形材料が用いられ、それによって生産性を高め得
る。なお、本明細書における140℃硬化特性測定法
は、以下の要領で行われるものである。
けるゲル化時間が20〜50秒である速硬化性の熱硬化
性成形材料が用いられ、それによって生産性を高め得
る。なお、本明細書における140℃硬化特性測定法
は、以下の要領で行われるものである。
【0013】すなわち、図1に示すように、試料1,2
を、それぞれ、ポリエステル樹脂フィルム3,4で被覆
しておく。ポリエステル樹脂フィルム3,4で被覆され
た試料1,2間に熱伝対5を挿入し、140±1℃の温
度に調整されている金型6,7でエアプレスし、試料
1,2を硬化させる。この場合に試料が硬化するまでの
温度変化を記録紙上に記録する。
を、それぞれ、ポリエステル樹脂フィルム3,4で被覆
しておく。ポリエステル樹脂フィルム3,4で被覆され
た試料1,2間に熱伝対5を挿入し、140±1℃の温
度に調整されている金型6,7でエアプレスし、試料
1,2を硬化させる。この場合に試料が硬化するまでの
温度変化を記録紙上に記録する。
【0014】記録紙上に記録された温度変化の一例を図
2に示す。図2の温度変化曲線Cにおいて、ゲル化時間
(GT)、最小硬化時間(CT)及び最高発熱温度(T
max)を求める。この場合、温度変化曲線Cは、最初
に温度上昇し、変曲点C1からほぼ一定の温度に所定の
時間維持され、再度、試料の温度が上昇し、最高発熱温
度Tmaxまで上昇する。ゲル化時間GTは、ほぼ一定
温度に維持された後、最高発熱温度Tmaxに至るまで
の温度上昇期の勾配と、上記ほぼ一定温度期の温度との
交点Dに至るまでの時間をいうものとする。
2に示す。図2の温度変化曲線Cにおいて、ゲル化時間
(GT)、最小硬化時間(CT)及び最高発熱温度(T
max)を求める。この場合、温度変化曲線Cは、最初
に温度上昇し、変曲点C1からほぼ一定の温度に所定の
時間維持され、再度、試料の温度が上昇し、最高発熱温
度Tmaxまで上昇する。ゲル化時間GTは、ほぼ一定
温度に維持された後、最高発熱温度Tmaxに至るまで
の温度上昇期の勾配と、上記ほぼ一定温度期の温度との
交点Dに至るまでの時間をいうものとする。
【0015】140℃硬化特性測定法におけるゲル化時
間が上記特定の範囲とされている速硬化性の熱硬化性成
形材料を得るにあたっては、(a)不飽和ポリエステル
と、(b)ビニル単量体と、(c)熱可塑性樹脂と、
(d)10時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の
少なくとも1種の有機過酸化物、及び/または10時間
半減期温度が85℃以上、110℃以下の有機過酸化物
の少なくとも1種を用いることが望ましい。
間が上記特定の範囲とされている速硬化性の熱硬化性成
形材料を得るにあたっては、(a)不飽和ポリエステル
と、(b)ビニル単量体と、(c)熱可塑性樹脂と、
(d)10時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の
少なくとも1種の有機過酸化物、及び/または10時間
半減期温度が85℃以上、110℃以下の有機過酸化物
の少なくとも1種を用いることが望ましい。
【0016】より詳細には、上記(a)不飽和ポリエス
テルとしては、不飽和酸としてマレイン酸やフマル酸を
含有し、グリコールとしてプロピレングリコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノ
ールなどを含有し、飽和酸としてオルソフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸などを含有する不飽和ポリエス
テルが好適に用いられる。
テルとしては、不飽和酸としてマレイン酸やフマル酸を
含有し、グリコールとしてプロピレングリコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノ
ールなどを含有し、飽和酸としてオルソフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸などを含有する不飽和ポリエス
テルが好適に用いられる。
【0017】また、(b)ビニル単量体としては、スチ
レン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルなどを用いることが好ましい。(c)熱
可塑性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂の低収縮剤とし
て用いられるものであり、従来より不飽和ポリエステル
樹脂の低収縮剤として汎用されている適宜の熱可塑性樹
脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂の例
としては、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチレン、飽和ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リスチレン−ポリ酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体などを挙げることが
できる。
レン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルなどを用いることが好ましい。(c)熱
可塑性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂の低収縮剤とし
て用いられるものであり、従来より不飽和ポリエステル
樹脂の低収縮剤として汎用されている適宜の熱可塑性樹
脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂の例
としては、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチレン、飽和ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リスチレン−ポリ酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体などを挙げることが
できる。
【0018】(d)の10時間半減期温度が50℃以
上、85℃未満の有機過酸化物としては、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルゾイルパー
オキサイド、ビス−3,5,5,8−トリメチルヘキサ
ノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ヘキサヒドロテレフタフテレート、t−ブチルパーオキ
シネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシビバレ
ート、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、クミルパーオキシオクトエート、スクシニル
酸パーオキサイド、アセチルパーオキサイド、n−トリ
オイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−アミルパーオキシビバレート
などを挙げることができる。また、この10時間半減期
温度が50〜85℃未満の有機過酸化物は2種以上用い
られてもよい。
上、85℃未満の有機過酸化物としては、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルゾイルパー
オキサイド、ビス−3,5,5,8−トリメチルヘキサ
ノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ヘキサヒドロテレフタフテレート、t−ブチルパーオキ
シネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシビバレ
ート、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、クミルパーオキシオクトエート、スクシニル
酸パーオキサイド、アセチルパーオキサイド、n−トリ
オイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−アミルパーオキシビバレート
などを挙げることができる。また、この10時間半減期
温度が50〜85℃未満の有機過酸化物は2種以上用い
られてもよい。
【0019】他方、10時間半減期温度85℃以上、1
10℃以下の有機過酸化物としては、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロ
ヘキサノンパーオキサイド、トリス−t−ブチルパーオ
キシトリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブ
チルパーオキシブタン、ジ−t−ブチルパーオキシアゼ
ラエート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオ
キシマレイン酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメ
チル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、2,
2−ジ−t−ブチルパーオキシオクタン、パーオキシヘ
キサン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなど
を挙げることができる。この10時間半減期温度が85
℃以上、110℃以下の有機過酸化物についても、2種
以上用いてもよい。
10℃以下の有機過酸化物としては、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロ
ヘキサノンパーオキサイド、トリス−t−ブチルパーオ
キシトリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブ
チルパーオキシブタン、ジ−t−ブチルパーオキシアゼ
ラエート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオ
キシマレイン酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメ
チル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、2,
2−ジ−t−ブチルパーオキシオクタン、パーオキシヘ
キサン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなど
を挙げることができる。この10時間半減期温度が85
℃以上、110℃以下の有機過酸化物についても、2種
以上用いてもよい。
【0020】また、上記10時間半減期温度が50℃以
上、85℃未満の有機過酸化物のうち1種もしくは2種
以上と、10時間半減期温度が85℃以上、110℃以
下の有機過酸化物の1種または2種以上を併用するのが
より好ましい。
上、85℃未満の有機過酸化物のうち1種もしくは2種
以上と、10時間半減期温度が85℃以上、110℃以
下の有機過酸化物の1種または2種以上を併用するのが
より好ましい。
【0021】本発明の熱圧縮成形方法では、好ましく
は、熱硬化性成形材料は、上述した(a)〜(c)を樹
脂分として含むものであるが、これらの樹脂分を特定の
割合で配合することにより、より一層優れた表面性状を
有する成形品を提供することができる。このような好ま
しい配合割合とは、(a)水添ビスフェノール系不飽和
ポリエステル5〜25重量部、より好ましくは10〜2
0重量部と、イソ系不飽和ポリエステル20〜40重量
部、より好ましくは24〜30重量部とを含有し、さら
に、(b)ビニル単量体40〜60重量部、より好まし
くは47〜49重量部、(c)熱可塑性樹脂5〜15重
量部、より好ましくは5〜10重量部とを含み、これら
の樹脂分(a)〜(c)の合計が100重量部となるよ
うな配合である。
は、熱硬化性成形材料は、上述した(a)〜(c)を樹
脂分として含むものであるが、これらの樹脂分を特定の
割合で配合することにより、より一層優れた表面性状を
有する成形品を提供することができる。このような好ま
しい配合割合とは、(a)水添ビスフェノール系不飽和
ポリエステル5〜25重量部、より好ましくは10〜2
0重量部と、イソ系不飽和ポリエステル20〜40重量
部、より好ましくは24〜30重量部とを含有し、さら
に、(b)ビニル単量体40〜60重量部、より好まし
くは47〜49重量部、(c)熱可塑性樹脂5〜15重
量部、より好ましくは5〜10重量部とを含み、これら
の樹脂分(a)〜(c)の合計が100重量部となるよ
うな配合である。
【0022】また、(d)の10時間半減期温度が50
℃以上、85℃未満の有機過酸化物及び10時間半減期
温度が85℃以上、110℃以下の有機過酸化物につい
ては、熱硬化性成形材料のゲル化時間が20〜50秒と
なるようにその配合割合が調製される。好ましくは、1
0時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の有機過酸
化物と85℃以上、110℃以下の有機過酸化物との割
合は重量比で1対1〜4対1が好ましい。これは、10
時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の有機過酸化
物の割合が少ないと、硬化反応の開始が遅くなり、85
℃以上、110℃未満の有機過酸化物の割合が相対的に
高くなるためプリゲル化現象が発生し易くなることがあ
るからであり、他方、10時間半減期温度が85℃以
上、110℃未満の有機過酸化物の割合が少なすぎると
硬化が終了し難くなり、残存溶剤、例えばスチレン量が
多くなり、得られる成形体の強度が低下することがある
からである。
℃以上、85℃未満の有機過酸化物及び10時間半減期
温度が85℃以上、110℃以下の有機過酸化物につい
ては、熱硬化性成形材料のゲル化時間が20〜50秒と
なるようにその配合割合が調製される。好ましくは、1
0時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の有機過酸
化物と85℃以上、110℃以下の有機過酸化物との割
合は重量比で1対1〜4対1が好ましい。これは、10
時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の有機過酸化
物の割合が少ないと、硬化反応の開始が遅くなり、85
℃以上、110℃未満の有機過酸化物の割合が相対的に
高くなるためプリゲル化現象が発生し易くなることがあ
るからであり、他方、10時間半減期温度が85℃以
上、110℃未満の有機過酸化物の割合が少なすぎると
硬化が終了し難くなり、残存溶剤、例えばスチレン量が
多くなり、得られる成形体の強度が低下することがある
からである。
【0023】本発明にかかる熱圧縮成形方法では、上記
熱硬化性成形材料を加熱下において圧縮するに際し、ま
ず、10時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の有
機過酸化物が発生させたラジカルによる重合反応が立ち
上がる。この重合反応に伴う発熱により、さらに有機過
酸化物の分解が進み重合反応が進行し、樹脂の温度が上
昇する。次に、10時間半減期温度が85℃以上、11
0℃以下の有機過酸化物の分解が急激に進行し、それに
よって重合反応が速やかに進行し、短時間で重合が果た
される。
熱硬化性成形材料を加熱下において圧縮するに際し、ま
ず、10時間半減期温度が50℃以上、85℃未満の有
機過酸化物が発生させたラジカルによる重合反応が立ち
上がる。この重合反応に伴う発熱により、さらに有機過
酸化物の分解が進み重合反応が進行し、樹脂の温度が上
昇する。次に、10時間半減期温度が85℃以上、11
0℃以下の有機過酸化物の分解が急激に進行し、それに
よって重合反応が速やかに進行し、短時間で重合が果た
される。
【0024】また、重合性の穏やかなイソ系不飽和ポリ
エステルを併用した場合には、それによって重合反応が
穏やかとなり、結果として重合反応は型締め完了後に開
始し、開始後速やかに重合反応が進行するので、プリゲ
ルの発生をより効果的に抑制することができるととも
に、速硬化性も満たされる。
エステルを併用した場合には、それによって重合反応が
穏やかとなり、結果として重合反応は型締め完了後に開
始し、開始後速やかに重合反応が進行するので、プリゲ
ルの発生をより効果的に抑制することができるととも
に、速硬化性も満たされる。
【0025】本発明の熱圧縮成形方法の工程は、以下の
3つの工程に分けることができる。 (1)可動型の移動開始から可動型の成形材料への接触
時点まで(高速移動域) (2)可動型の成形材料への接触から成形材料の流動ま
で(高速流動域) (3)成形材料の流動から型締め完了まで(減速域) 上記(1)〜(3)の工程は、より具体的には以下のよ
うにして行われる。
3つの工程に分けることができる。 (1)可動型の移動開始から可動型の成形材料への接触
時点まで(高速移動域) (2)可動型の成形材料への接触から成形材料の流動ま
で(高速流動域) (3)成形材料の流動から型締め完了まで(減速域) 上記(1)〜(3)の工程は、より具体的には以下のよ
うにして行われる。
【0026】(1)高速移動域 可動型が固定型に向かって移動を開始する時点から、可
動型から成形材料に接触される時点まで、成形材料は固
定型上に配置される。可動型の移動時間が長時間に及ぶ
と、一般的に、成形材料と、金型、特に固定型との接触
部が局部的にゲル化し、硬化し、プリゲルが発生する。
従って、可動型の移動は速い方が好ましい。
動型から成形材料に接触される時点まで、成形材料は固
定型上に配置される。可動型の移動時間が長時間に及ぶ
と、一般的に、成形材料と、金型、特に固定型との接触
部が局部的にゲル化し、硬化し、プリゲルが発生する。
従って、可動型の移動は速い方が好ましい。
【0027】近年、高速プレス機の出現により、可動型
の固定型側への移動速度は、800mm/秒程度まで速
めることが可能とされている。本発明では、上記プリゲ
ルを抑制するために、(1)の高速移動域では、可動型
は固定型に対して20mm/秒以上の速度で移動され
る。20mm/秒未満の移動速度で可動型を移動して成
形材料に接触させた場合には、固定型と成形材料との接
触時間が長くなり、プリゲルが発生し易くなる。
の固定型側への移動速度は、800mm/秒程度まで速
めることが可能とされている。本発明では、上記プリゲ
ルを抑制するために、(1)の高速移動域では、可動型
は固定型に対して20mm/秒以上の速度で移動され
る。20mm/秒未満の移動速度で可動型を移動して成
形材料に接触させた場合には、固定型と成形材料との接
触時間が長くなり、プリゲルが発生し易くなる。
【0028】なお、本発明においては、可動型が成形材
料に接触する前においては、生産性を高めるために、上
記のように、200mm/秒以上の速度で可動型を固定
型側に移動させてもよい。その上限は特に限定されない
が、安定移動の観点から上記800mm/秒が一つの目
安となる。
料に接触する前においては、生産性を高めるために、上
記のように、200mm/秒以上の速度で可動型を固定
型側に移動させてもよい。その上限は特に限定されない
が、安定移動の観点から上記800mm/秒が一つの目
安となる。
【0029】(2)高速流動域 本発明では、可動型が移動されて成形材料に接触された
後、成形材料を流動させる工程まで、可動型は20〜2
00mm/秒、好ましくは40〜100mm/秒の速度
で固定型に近接され、それによって成形材料が高速で流
動される。この場合、高速流動域の最終時点は、好まし
くは、成形材料のチャージされた状態の厚みを1とした
場合、成形材料の厚みが1未満〜1/3の範囲の厚みま
で薄くなった時点をいうものとする。
後、成形材料を流動させる工程まで、可動型は20〜2
00mm/秒、好ましくは40〜100mm/秒の速度
で固定型に近接され、それによって成形材料が高速で流
動される。この場合、高速流動域の最終時点は、好まし
くは、成形材料のチャージされた状態の厚みを1とした
場合、成形材料の厚みが1未満〜1/3の範囲の厚みま
で薄くなった時点をいうものとする。
【0030】上記のように成形材料を高速で流動させる
ことにより、可動型や固定型と成形材料との接触部分に
発生した僅かなプリゲルを流し去ることができ、かつ短
時間で成形材料を流動させることにより、金型からの熱
量の授受を低減することができる。従って、流動しなが
ら硬化する、流れ模様のプリゲルの発生をも完全に抑制
することができる。
ことにより、可動型や固定型と成形材料との接触部分に
発生した僅かなプリゲルを流し去ることができ、かつ短
時間で成形材料を流動させることにより、金型からの熱
量の授受を低減することができる。従って、流動しなが
ら硬化する、流れ模様のプリゲルの発生をも完全に抑制
することができる。
【0031】(3)減速域 本発明では、上記高速流動域の後に、可動型の移動速度
を遅くし、型締めを行う。この減速域では、型締め直前
時点の可動型の速度が0.1〜20mm/秒となるよう
に減速することが必要である。好ましくは、この減速域
では、3段階程度に減速し、可動型の固定型との間の距
離が5mmから型締め完了までの間に、1〜7mm/秒
の速度とすることにより、成形材料流動末端の波打ちを
効果的に抑制することができ、より高品位の成形品を得
ることができる。
を遅くし、型締めを行う。この減速域では、型締め直前
時点の可動型の速度が0.1〜20mm/秒となるよう
に減速することが必要である。好ましくは、この減速域
では、3段階程度に減速し、可動型の固定型との間の距
離が5mmから型締め完了までの間に、1〜7mm/秒
の速度とすることにより、成形材料流動末端の波打ちを
効果的に抑制することができ、より高品位の成形品を得
ることができる。
【0032】作用 本発明の熱圧縮成形方法では、可動型を移動させるに際
し、成形材料に可動型が接触するまでは20mm/秒以
上の速度で移動させるため、固定型と熱硬化性成形材料
との接触時間の短縮により、プリゲルの発生を抑制する
ことができる。加えて、成形材料に可動型が接触した後
において、さらに可動型を20〜200mm/秒の範囲
の高速で移動させるため、熱硬化性成形材料が高速で流
動される。その結果、熱硬化性成形材料と固定型や可動
型との接触部分に発生するプリゲルを確実に押し流すこ
とができ、流動プリゲルの発生も防止することができ
る。
し、成形材料に可動型が接触するまでは20mm/秒以
上の速度で移動させるため、固定型と熱硬化性成形材料
との接触時間の短縮により、プリゲルの発生を抑制する
ことができる。加えて、成形材料に可動型が接触した後
において、さらに可動型を20〜200mm/秒の範囲
の高速で移動させるため、熱硬化性成形材料が高速で流
動される。その結果、熱硬化性成形材料と固定型や可動
型との接触部分に発生するプリゲルを確実に押し流すこ
とができ、流動プリゲルの発生も防止することができ
る。
【0033】特に、140℃硬化特性測定法におけるゲ
ル化時間が20〜50秒である速硬化性の熱硬化性成形
材料を用いた場合には、プリゲルの発生を防止しつつ成
形時間を短縮することができる。すなわち、このような
速硬化性の成形材料を用いて生産性を高めても、高品位
の成形品を得ることができる。
ル化時間が20〜50秒である速硬化性の熱硬化性成形
材料を用いた場合には、プリゲルの発生を防止しつつ成
形時間を短縮することができる。すなわち、このような
速硬化性の成形材料を用いて生産性を高めても、高品位
の成形品を得ることができる。
【0034】すなわち、本発明にかかる熱圧縮成形方法
は、速硬化性の熱硬化性成形材料を用いて生産性を高め
るに際し、上記のように可動型の移動速度を高め、特に
熱硬化性成形材料と接触した後の可動型の移動速度をも
高めることにより、プリゲルの発生を効果的に抑制した
ことに特徴を有する。
は、速硬化性の熱硬化性成形材料を用いて生産性を高め
るに際し、上記のように可動型の移動速度を高め、特に
熱硬化性成形材料と接触した後の可動型の移動速度をも
高めることにより、プリゲルの発生を効果的に抑制した
ことに特徴を有する。
【0035】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。なお、以下におい
て、部は、特に断らない限り、重量部を意味するものと
する。
ことにより、本発明を明らかにする。なお、以下におい
て、部は、特に断らない限り、重量部を意味するものと
する。
【0036】(1)使用した成形機及び金型 成形機としては、月島機械社製、2500トンスーパー
ハイテクプレス成形機を用いた。金型としては、117
cm×167cmの寸法を有する洗い場付き浴槽を成形
するための固定型及び可動型を有する金型を用意した。
固定型及び可動型の何れについても、内部に蒸気配管が
設けられており、該蒸気より金型温度が調整されるよう
に構成されている。上記固定型及び可動型をプレス機を
取付け、上型を可動型とし、下型を固定型とした。
ハイテクプレス成形機を用いた。金型としては、117
cm×167cmの寸法を有する洗い場付き浴槽を成形
するための固定型及び可動型を有する金型を用意した。
固定型及び可動型の何れについても、内部に蒸気配管が
設けられており、該蒸気より金型温度が調整されるよう
に構成されている。上記固定型及び可動型をプレス機を
取付け、上型を可動型とし、下型を固定型とした。
【0037】図3に、上記金型の構造を略図的に示す。
図3において、可動型11には、成形凹部11a,11
bが設けられており、成形凹部11aの底部は、成形品
に複数のリブ11cが形成され得る形状を有している。
図3において、可動型11には、成形凹部11a,11
bが設けられており、成形凹部11aの底部は、成形品
に複数のリブ11cが形成され得る形状を有している。
【0038】他方、固定型12は、可動型11の成形凹
部11a,11bに入り込み得る突出部12a,12b
を有する。なお、図3において示されている熱硬化性成
形材料13,14は、それぞれ、成形凹部11a,11
bと突出部12a,12bとの間で成形される。この場
合、成形凹部11aが、洗い場付き浴槽のパン側の部分
を成形する部分に相当し、成形凹部11bがバス側の部
分を構成する部分に相当する。
部11a,11bに入り込み得る突出部12a,12b
を有する。なお、図3において示されている熱硬化性成
形材料13,14は、それぞれ、成形凹部11a,11
bと突出部12a,12bとの間で成形される。この場
合、成形凹部11aが、洗い場付き浴槽のパン側の部分
を成形する部分に相当し、成形凹部11bがバス側の部
分を構成する部分に相当する。
【0039】(2)成形材料の調製 熱硬化性成形材料として、下記の材料〜を用いて構
成された熱硬化性成形材料A,Bの2種類を用意した。
成された熱硬化性成形材料A,Bの2種類を用意した。
【0040】不飽和ポリエステル樹脂…不飽和ポリエ
ステル樹脂液として、下記の3種類のものを用意した。 ・水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂液(ス
チレン濃度40重量%となるようにスチレンに溶解され
ている。)。
ステル樹脂液として、下記の3種類のものを用意した。 ・水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂液(ス
チレン濃度40重量%となるようにスチレンに溶解され
ている。)。
【0041】・イソフタル酸系不飽和ポリエステル液
(スチレン濃度40重量%となるようにスチレンに溶解
されている。)。 ・オルソ系不飽和ポリエステル液(スチレン濃度40重
量%となるようにスチレンに溶解されている。)。
(スチレン濃度40重量%となるようにスチレンに溶解
されている。)。 ・オルソ系不飽和ポリエステル液(スチレン濃度40重
量%となるようにスチレンに溶解されている。)。
【0042】ポリスチレン樹脂液…ポリスチレンをス
チレンに溶解してなり、スチレン濃度が40重量%とさ
れている。 硬化剤…硬化剤として、t−プチルパーオキシベンゾ
エート(以下、TBPB)またはt−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネートを用いた。
チレンに溶解してなり、スチレン濃度が40重量%とさ
れている。 硬化剤…硬化剤として、t−プチルパーオキシベンゾ
エート(以下、TBPB)またはt−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネートを用いた。
【0043】充填材…炭酸カルシウム(日東粉化社
製、商品名:NS−100)。 着色剤…酸化チタン粉末(堺化学工業社製、商品名:
SR−1)。 増粘剤…酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品
名:キョーワマグ150)。
製、商品名:NS−100)。 着色剤…酸化チタン粉末(堺化学工業社製、商品名:
SR−1)。 増粘剤…酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品
名:キョーワマグ150)。
【0044】内部離型剤…ステアリン酸亜鉛(堺化学
工業社製) ガラス繊維…旭ファイバーグラス社製、ER4630
LBD166Wの25mmカット品。
工業社製) ガラス繊維…旭ファイバーグラス社製、ER4630
LBD166Wの25mmカット品。
【0045】上記材料〜を用い、下記の表1に示す
配合の熱硬化性成形材料A,Bを調製した。各材料の配
合部数は表1に示す通りである。なお、不飽和ポリエス
テル樹脂及びポリスチレン樹脂液については、含まれて
いる不飽和ポリエステル及びポリスチレンの部数とし
て、それぞれの配合部数を下記の表1に示した。
配合の熱硬化性成形材料A,Bを調製した。各材料の配
合部数は表1に示す通りである。なお、不飽和ポリエス
テル樹脂及びポリスチレン樹脂液については、含まれて
いる不飽和ポリエステル及びポリスチレンの部数とし
て、それぞれの配合部数を下記の表1に示した。
【0046】また、上記材料のうち、ガラス繊維を除い
た材料〜を十分に混練した後、SMC製造装置を用
いてガラス繊維に含浸させ、40℃で24時間熟成し、
それによって厚み5mmのシート状の熱硬化性成形材料
A,Bを得た。
た材料〜を十分に混練した後、SMC製造装置を用
いてガラス繊維に含浸させ、40℃で24時間熟成し、
それによって厚み5mmのシート状の熱硬化性成形材料
A,Bを得た。
【0047】
【表1】
【0048】(3)硬化特性測定 上記のようにして用意した熱硬化性成形材料A,Bの硬
化特性を下記のエアプレス、温度記録計、熱伝対、ポリ
エステルフィルムを用いて測定した。
化特性を下記のエアプレス、温度記録計、熱伝対、ポリ
エステルフィルムを用いて測定した。
【0049】エアープレス…平板金型(180mm×
180mm)を有し、上下の平板金型間に厚さ4mmの
スペーサーを配置したもの。空気圧は5kg/cm2 。
上下の金型共、140℃±1℃に温度調節し得るものを
用いた。 温度記録計…ラボラトリーレコーダーであって、チャ
ートスピード60mm/分、0.5mV/cm、記録紙
幅200mmのもの。 熱伝対…外径1.0mmのシース熱伝対(フィリップ
社製、商品名:サーモコアックスType2AB−Ac
10)、長さ300〜400mm程度のもの。 ポリエステル樹脂フィルム…厚さ12μm。
180mm)を有し、上下の平板金型間に厚さ4mmの
スペーサーを配置したもの。空気圧は5kg/cm2 。
上下の金型共、140℃±1℃に温度調節し得るものを
用いた。 温度記録計…ラボラトリーレコーダーであって、チャ
ートスピード60mm/分、0.5mV/cm、記録紙
幅200mmのもの。 熱伝対…外径1.0mmのシース熱伝対(フィリップ
社製、商品名:サーモコアックスType2AB−Ac
10)、長さ300〜400mm程度のもの。 ポリエステル樹脂フィルム…厚さ12μm。
【0050】上記〜の測定装置及び器具を用い、以
下の要領で硬化特性を測定した。まず、上下の平板金型
の温度を140℃±1℃に温度調整した。次に、シート
状の熱硬化性成形材料からなる試料を50mm角に切断
し、2枚の試料を重ね上記ポリエステル樹脂フィルムで
包み込んだ。シート状でない試料については、約45g
を計り取り、2等分し、それぞれ平坦化し、試験に用い
た。
下の要領で硬化特性を測定した。まず、上下の平板金型
の温度を140℃±1℃に温度調整した。次に、シート
状の熱硬化性成形材料からなる試料を50mm角に切断
し、2枚の試料を重ね上記ポリエステル樹脂フィルムで
包み込んだ。シート状でない試料については、約45g
を計り取り、2等分し、それぞれ平坦化し、試験に用い
た。
【0051】次に、ポリエステル樹脂フィルムに包まれ
た試料を2個用意し、図1に示すように、試料1,2間
の中心に熱伝対5が位置するように粘着テープで熱伝対
5を固定し、プレスした。プレス開始と同時に、温度記
録計のチャートスピードを60mm/分として始動さ
せ、試料の温度と時間との関係曲線を求め、図2に示し
たような温度変化曲線Cを記録した。
た試料を2個用意し、図1に示すように、試料1,2間
の中心に熱伝対5が位置するように粘着テープで熱伝対
5を固定し、プレスした。プレス開始と同時に、温度記
録計のチャートスピードを60mm/分として始動さ
せ、試料の温度と時間との関係曲線を求め、図2に示し
たような温度変化曲線Cを記録した。
【0052】上記温度変化曲線Cと時間との関係から、
ゲル化時間GT、最小硬化時間CT及び最高発熱温度を
以下の要領で求めた。 ゲル化時間GT…50℃から交点Dまでの時間(秒) 最小硬化時間…50℃から最高発熱温度までに要した時
間(秒) 最高発熱温度Tmax…記録紙上の最高温度(℃) 上記のようにして測定した熱硬化性成形材料A,Bの1
40℃硬化特性測定法におけるゲル化時間を上述した表
1に合わせて示す。表1から明らかなように、熱硬化性
成形材料Aは、上記ゲル化時間が103秒と遅く、熱硬
化性成形材料Bは29秒とかなり速い。
ゲル化時間GT、最小硬化時間CT及び最高発熱温度を
以下の要領で求めた。 ゲル化時間GT…50℃から交点Dまでの時間(秒) 最小硬化時間…50℃から最高発熱温度までに要した時
間(秒) 最高発熱温度Tmax…記録紙上の最高温度(℃) 上記のようにして測定した熱硬化性成形材料A,Bの1
40℃硬化特性測定法におけるゲル化時間を上述した表
1に合わせて示す。表1から明らかなように、熱硬化性
成形材料Aは、上記ゲル化時間が103秒と遅く、熱硬
化性成形材料Bは29秒とかなり速い。
【0053】(4)熱圧縮成形 上記のようにして用意した熱硬化性成形材料A,Bを用
い、洗い場付き浴槽として用いる成形品を以下の実施例
1〜6,比較例1〜6に示すようにして、それぞれ、成
形を行った。なお、実施例1〜6及び比較例1〜6の何
れにおいても、成形を10回繰り返し、10個の成形品
を得た。
い、洗い場付き浴槽として用いる成形品を以下の実施例
1〜6,比較例1〜6に示すようにして、それぞれ、成
形を行った。なお、実施例1〜6及び比較例1〜6の何
れにおいても、成形を10回繰り返し、10個の成形品
を得た。
【0054】(実施例1)図3に示した洗い場付き浴槽
用金型を用いて熱圧縮成形するにあたり、固定型12の
温度を150℃、可動型11の温度135℃とした後、
熱硬化性成形材料Aを固定型12上に載置した。この場
合、パン側の突出部12a上には、600mm×500
mmの寸法にカットしたシート状熱硬化性成形材料Aを
12枚重ね(高さ60mm)、浴槽側の突出部12b上
には400×500mmにカットしたシート状熱硬化性
成形材料Aを15枚重ねた(高さ75mm)。
用金型を用いて熱圧縮成形するにあたり、固定型12の
温度を150℃、可動型11の温度135℃とした後、
熱硬化性成形材料Aを固定型12上に載置した。この場
合、パン側の突出部12a上には、600mm×500
mmの寸法にカットしたシート状熱硬化性成形材料Aを
12枚重ね(高さ60mm)、浴槽側の突出部12b上
には400×500mmにカットしたシート状熱硬化性
成形材料Aを15枚重ねた(高さ75mm)。
【0055】図3に示されている上死点から可動型11
を800mm/秒の速度で第1変速位置(突出部12
a,12bから高さ100mmの位置、以後、変速位置
は、単に高さとして表現するが、全て突出部12a,1
2bからの高さをいうものとする。)まで下降し、次に
第1変速位置において可動型の下降速度を50mm/秒
に変速し、50mm/秒の速度で第2変速位置(高さ3
0mm)まで下降した。
を800mm/秒の速度で第1変速位置(突出部12
a,12bから高さ100mmの位置、以後、変速位置
は、単に高さとして表現するが、全て突出部12a,1
2bからの高さをいうものとする。)まで下降し、次に
第1変速位置において可動型の下降速度を50mm/秒
に変速し、50mm/秒の速度で第2変速位置(高さ3
0mm)まで下降した。
【0056】この場合、熱硬化性成形材料Aは、パン側
において高さ60mmの位置までチャージされており、
浴槽側においては高さ75mmの位置までチャージされ
ているため、第2変速位置に至るまでに、可動型11が
熱硬化性成形材料をAに接触されることになり、かつ第
2変速位置(高さ30mm)に至るまで高速で熱硬化性
成形材料Aが流動することがわかる。
において高さ60mmの位置までチャージされており、
浴槽側においては高さ75mmの位置までチャージされ
ているため、第2変速位置に至るまでに、可動型11が
熱硬化性成形材料をAに接触されることになり、かつ第
2変速位置(高さ30mm)に至るまで高速で熱硬化性
成形材料Aが流動することがわかる。
【0057】次に、第2変速位置において、可動型11
の下降速度を40mm/秒に変速し、第3変速位置(高
さ20mm)まで下降させ、さらに、第3変速位置にお
いて可動型11の下降速度を30mm/秒に減速し、第
4変速位置(高さ13mm)まで下降させ、第4変速位
置で可動型11の速度を20mm/秒として第5変速位
置(高さ8mm)まで移動させた。
の下降速度を40mm/秒に変速し、第3変速位置(高
さ20mm)まで下降させ、さらに、第3変速位置にお
いて可動型11の下降速度を30mm/秒に減速し、第
4変速位置(高さ13mm)まで下降させ、第4変速位
置で可動型11の速度を20mm/秒として第5変速位
置(高さ8mm)まで移動させた。
【0058】さらに、第5変速位置において可動型11
の下降速度を10mm/秒とし、第6変速位置(高さ4
mm)まで可動型11を下降し、第6変速位置におい
て、可動型11の下降速度3mm/秒に変速し、そのま
まの速度で型締めを行った。
の下降速度を10mm/秒とし、第6変速位置(高さ4
mm)まで可動型11を下降し、第6変速位置におい
て、可動型11の下降速度3mm/秒に変速し、そのま
まの速度で型締めを行った。
【0059】型締め後90kg/cm2 の圧力で、33
0秒間、加圧成形した。しかる後、脱型し、洗い場付き
浴槽成形品を得た。この成形を10回繰り返し、実施例
1において10個の成形品を得た。
0秒間、加圧成形した。しかる後、脱型し、洗い場付き
浴槽成形品を得た。この成形を10回繰り返し、実施例
1において10個の成形品を得た。
【0060】(実施例2〜6,比較例1〜6)実施例2
〜6,比較例1〜6においては、それぞれ、下記の表2
に示す熱硬化性成形材料AまたはBを用い、可動型11
の下降速度、変速位置及び型締め時間を下記の表1に示
すように変更したことを除いては、実施例1と同様にし
て成形を行い、それぞれ、10個の成形品を得た。
〜6,比較例1〜6においては、それぞれ、下記の表2
に示す熱硬化性成形材料AまたはBを用い、可動型11
の下降速度、変速位置及び型締め時間を下記の表1に示
すように変更したことを除いては、実施例1と同様にし
て成形を行い、それぞれ、10個の成形品を得た。
【0061】なお、比較例1〜4及び6においては、第
1変速位置で可動型11の下降速度を第2下降速度に設
定した後は、型締めに至るまで第2下降速度で可動型1
1を移動させた。また、比較例5では、可動型の下降速
度は最初から型締めに至るまで300mm/秒であっ
た。
1変速位置で可動型11の下降速度を第2下降速度に設
定した後は、型締めに至るまで第2下降速度で可動型1
1を移動させた。また、比較例5では、可動型の下降速
度は最初から型締めに至るまで300mm/秒であっ
た。
【0062】(実施例及び比較例の評価)上記実施例1
〜6,比較例1〜6で得られた成形品につき、目視によ
りプリゲルの発生や波打ちの有無を評価した。評価結果
を、下記の表2に示す。なお、表2におけるプリゲル発
生数、流動プリゲル発生数、波打ち発生数は、各10個
の成形品におけるプリゲル、流動プリゲルまたは波打ち
が発生している成形品の数を示すものである。
〜6,比較例1〜6で得られた成形品につき、目視によ
りプリゲルの発生や波打ちの有無を評価した。評価結果
を、下記の表2に示す。なお、表2におけるプリゲル発
生数、流動プリゲル発生数、波打ち発生数は、各10個
の成形品におけるプリゲル、流動プリゲルまたは波打ち
が発生している成形品の数を示すものである。
【0063】
【表2】
【0064】表2から明らかなように、比較例1では、
熱硬化性成形材料Aを用いており、第1変速位置(高さ
100mm)まで高速で可動型を移動させているが、熱
硬化性成形材料Aに可動型が接触する直前で可動型11
の下降速度を4mm/秒に減速しているため、流動プリ
ゲルや波打ちが全ての成形品において発生していた。
熱硬化性成形材料Aを用いており、第1変速位置(高さ
100mm)まで高速で可動型を移動させているが、熱
硬化性成形材料Aに可動型が接触する直前で可動型11
の下降速度を4mm/秒に減速しているため、流動プリ
ゲルや波打ちが全ての成形品において発生していた。
【0065】また、比較例2では、熱硬化性成形材料A
に比べて速硬化性の熱硬化性成形材料Bを用いているた
め、型締めに至るまでの時間は150秒と短縮されてい
るが、やはり熱硬化性成形材料Bに可動型が接触する直
前に可動型の移動速度を減速しているため、流動プリゲ
ルや波打ちが全ての成形品で発生していた。さらに、よ
り速硬化性の熱硬化性成形材料Bを用いているため、プ
リゲルも全ての成形品で発生していた。
に比べて速硬化性の熱硬化性成形材料Bを用いているた
め、型締めに至るまでの時間は150秒と短縮されてい
るが、やはり熱硬化性成形材料Bに可動型が接触する直
前に可動型の移動速度を減速しているため、流動プリゲ
ルや波打ちが全ての成形品で発生していた。さらに、よ
り速硬化性の熱硬化性成形材料Bを用いているため、プ
リゲルも全ての成形品で発生していた。
【0066】比較例3では、熱硬化性成形材料Aを用い
て成形しており、第1変速位置(高さ100mm)まで
は高速で可動型を移動しているが、第1変速位置以降に
おいて、下降速度を8mm/秒としているため、流動プ
リゲルが10個の成形品中1個で発生しており、波打ち
が10個の成形品中他の2個の成形品で発生しており、
良好な外観を有する成形品は10個中7個にすぎなかっ
た。
て成形しており、第1変速位置(高さ100mm)まで
は高速で可動型を移動しているが、第1変速位置以降に
おいて、下降速度を8mm/秒としているため、流動プ
リゲルが10個の成形品中1個で発生しており、波打ち
が10個の成形品中他の2個の成形品で発生しており、
良好な外観を有する成形品は10個中7個にすぎなかっ
た。
【0067】比較例4では、比較例3と同様の条件で熱
圧縮成形を行ったが、より速硬化性の熱硬化性成形材料
Bを用いたため、10個の成形品の何れにおいても、プ
リゲル、流動プリゲル及び波打ちが発生しており、10
個の成形品中外観特性に優れた良品は皆無であった。
圧縮成形を行ったが、より速硬化性の熱硬化性成形材料
Bを用いたため、10個の成形品の何れにおいても、プ
リゲル、流動プリゲル及び波打ちが発生しており、10
個の成形品中外観特性に優れた良品は皆無であった。
【0068】比較例5では、最初から最後まで下降速度
を300mm/秒としたため、10個の成形品において
波打ちが発生していた。比較例6では、可動型が成形材
料と接触した後も250mm/秒という高速で型を移動
させたため、やはり10個の成形品において波打ちが発
生していた。
を300mm/秒としたため、10個の成形品において
波打ちが発生していた。比較例6では、可動型が成形材
料と接触した後も250mm/秒という高速で型を移動
させたため、やはり10個の成形品において波打ちが発
生していた。
【0069】これに対して、実施例1〜6では、何れの
場合においても、第1変速位置まで高速で可動型を移動
させて成形時間の短縮が図られているだけでなく、第1
変速位置から第2変速位置までを、40〜120mm/
秒で可動型を下降させている。従って、可動型が比較的
高速で熱硬化性成形材料に接触され、かつ高速で硬化性
成形材料が流動されている。そのため、得られた10個
の成形品において、プリゲル、流動プリゲル及び波打ち
が発生しておらず、実施例1〜6の何れの場合において
も外観が良好な成形品を確実に得ることが可能であっ
た。
場合においても、第1変速位置まで高速で可動型を移動
させて成形時間の短縮が図られているだけでなく、第1
変速位置から第2変速位置までを、40〜120mm/
秒で可動型を下降させている。従って、可動型が比較的
高速で熱硬化性成形材料に接触され、かつ高速で硬化性
成形材料が流動されている。そのため、得られた10個
の成形品において、プリゲル、流動プリゲル及び波打ち
が発生しておらず、実施例1〜6の何れの場合において
も外観が良好な成形品を確実に得ることが可能であっ
た。
【0070】特に、熱硬化性成形材料Aを用いた実施例
1,3に比べて、より速硬化性の熱硬化性成形材料Bを
用いた実施例2,4,5,6では、外観の良好な成形品
を、より短時間で、すなわち型締め時間を150秒とし
て提供し得ることがわかる。
1,3に比べて、より速硬化性の熱硬化性成形材料Bを
用いた実施例2,4,5,6では、外観の良好な成形品
を、より短時間で、すなわち型締め時間を150秒とし
て提供し得ることがわかる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる熱圧縮成
形方法では、熱硬化性成形材料を熱圧縮成形するに際
し、可動型を20mm/秒以上の速度で固定型側に移動
させて成形材料に接触させているため、すなわち高速で
可動型を固定型側に移動させるため成形時間の短縮を図
ることができる。
形方法では、熱硬化性成形材料を熱圧縮成形するに際
し、可動型を20mm/秒以上の速度で固定型側に移動
させて成形材料に接触させているため、すなわち高速で
可動型を固定型側に移動させるため成形時間の短縮を図
ることができる。
【0072】しかも、成形材料に可動型が20mm/秒
以上の速度で接触され、さらに接触後においても20〜
200mm/秒の範囲で可動型が固定型に近接されるよ
うに移動されるため、熱硬化性成形材料が高速で流動さ
れる。従って、例えば140℃硬化特性測定法における
ゲル化時間が20〜50秒のような速硬化性の熱硬化性
成形材料を用いた場合、固定型と成形材料との接触によ
るプリゲルが部分的に生じていたとしても、熱硬化性成
形材料が高速度流動されるため、このようなプリゲルは
上記高速流動により押し流され、かつ流動プリゲルも発
生し難い。
以上の速度で接触され、さらに接触後においても20〜
200mm/秒の範囲で可動型が固定型に近接されるよ
うに移動されるため、熱硬化性成形材料が高速で流動さ
れる。従って、例えば140℃硬化特性測定法における
ゲル化時間が20〜50秒のような速硬化性の熱硬化性
成形材料を用いた場合、固定型と成形材料との接触によ
るプリゲルが部分的に生じていたとしても、熱硬化性成
形材料が高速度流動されるため、このようなプリゲルは
上記高速流動により押し流され、かつ流動プリゲルも発
生し難い。
【0073】よって、生産性を高めるべく速硬化性の熱
硬化性成形材料を用いた場合であっても、プリゲルや波
打ち等が生じ難い表面平滑性及び表面の光沢に優れた高
品位の成形品を提供することが可能となる。
硬化性成形材料を用いた場合であっても、プリゲルや波
打ち等が生じ難い表面平滑性及び表面の光沢に優れた高
品位の成形品を提供することが可能となる。
【図1】140℃硬化特性測定法を説明するための略図
的断面図。
的断面図。
【図2】140℃硬化特性測定法において得られた成形
材料の温度と時間との関係を示す図。
材料の温度と時間との関係を示す図。
【図3】実施例1〜6,比較例1〜6で行われた圧縮成
形方法における金型の形状を説明するための断面図。
形方法における金型の形状を説明するための断面図。
11…可動型 12…固定型 13,14…熱硬化性成形材料
Claims (1)
- 【請求項1】 熱硬化性成形材料を熱圧縮成形するに際
し、固定型上に熱硬化性成形材料をチャージし、可動型
を20mm/秒以上の速度で固定型側に移動させて成形
材料に接触させ、成形材料に可動型が接触した後に、2
0〜200mm/秒の範囲の速度で可動型を固定型に近
接させることにより成形材料を流動させ、次に0.1m
m/秒〜20mm/秒未満の範囲の速度で可動型を移動
させて型締めを行うことを特徴とする熱圧縮成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16607596A JPH106354A (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 熱圧縮成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16607596A JPH106354A (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 熱圧縮成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH106354A true JPH106354A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15824523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16607596A Pending JPH106354A (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 熱圧縮成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH106354A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006068339A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Sri Sports Ltd | ゴルフボール製造方法 |
EP2950993A4 (en) * | 2013-01-29 | 2016-10-26 | Continental Structural Plastics Inc | VACUUM FORMING HEAT-CLEARED RAILING ARTICLE |
-
1996
- 1996-06-26 JP JP16607596A patent/JPH106354A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006068339A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Sri Sports Ltd | ゴルフボール製造方法 |
JP4563116B2 (ja) * | 2004-09-03 | 2010-10-13 | Sriスポーツ株式会社 | ゴルフボール製造方法 |
EP2950993A4 (en) * | 2013-01-29 | 2016-10-26 | Continental Structural Plastics Inc | VACUUM FORMING HEAT-CLEARED RAILING ARTICLE |
US10471668B2 (en) | 2013-01-29 | 2019-11-12 | Continental Structural Plastics Inc. | Vacuum molding of thermoset sheet articles |
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