JPH1063325A - サーボモータの制御方法 - Google Patents
サーボモータの制御方法Info
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Abstract
による影響を排除して、モータ反転時のトルク指令値を
正確に反転トルクとして検出し、これを補正の基準とし
て象限突起をより的確に減じる。 【解決手段】 サーボモータにより円弧補間送り運動を
される移動体の位置を直接または間接的に検出し、位置
指令に追従させるフィードバック制御において、移動体
の運動方向が切り換わる象限切換時のトルク指令値と、
モータ反転直後のトルク指令値の最大値または最小値を
検出し、これらのトルク指令値の差から補正基準トルク
を求め、前記補正基準トルクを基準にして象限切換時の
トルク指令を補正する。
Description
や産業ロボットのアームを駆動するサーボモータの制御
方式に係り、特に、サーボモータの回転が反転するとき
に生じる応答遅れを補正する技術に関する。
るサーボモータの制御では、NC位置指令と、サーボモ
ータまたはこのサーボモータにより駆動されるテーブル
サドルなどの移動体に設けられた位置検出器からのフィ
ードバック信号との偏差が0となるような位置ループを
組むとともに、位置フィードバック信号を微分した速度
フィードバック信号から速度ループを組み、速度ループ
ゲインの出力をトルク指令値とする方式が一般に採られ
ている。
タの回転方向を反転させるとき、通常、機械は即座に反
転することができない。これは、送り駆動機構のロスト
モーションや摩擦の影響のためで、円弧切削等を行なっ
ているときに象限が変ると、図7に示すように、実際の
運動の軌跡が指令軌跡よりも外側に出てしまい軌跡にふ
くらみを生じる。この現象は、スティックモーションま
たは象限突起と呼ばれており、輪郭加工精度低下の一要
因となっている。
ると摩擦トルクの分だけトルク指令を反転させる必要が
あるが、速度ループの応答特性による遅れがあるため、
送り軸が一時停止するためであると考えられている。
るために行なわれている補正としては、図8に示すモー
タ反転時のトルク指令値ΔTを反転トルクとして検出
し、このトルク指令値ΔTに所定の補正係数を乗じた値
をトルク指令値としてモータ反転時に補正するものがあ
る。
従来技術では、慣性力の影響を大きく受ける高速送り
や、制御軸に重力の影響を大きく受ける垂直軸を含む場
合には、検出した反転トルクの値が不正確であったり、
特に、慣性力の影響でトルク指令値が0以下の値になっ
た場合に反転トルクを検出できずに補正が不可能となる
大きな欠点があった。
る制御を送り速度や円弧半径等の条件をいろいろと変え
て実験したところ、送り速度や円弧半径等の条件によっ
ては、象限突起の前に食い込みを生じることがあるとい
う知見を得た。
有する問題点を解消し、慣性力、重力、さらには送り速
度や円弧半径による影響を排除して、モータ反転時のト
ルク指令値を正確に反転トルクとして検出し、これを補
正の基準として象限突起をより的確に減じることのでき
るようにしたサーボモータの制御方法を提供することに
ある。
めに、本発明は、サーボモータにより円弧補間送り運動
をされる移動体の位置を直接または間接的に検出し、位
置指令に追従させるフィードバック制御を行なうサーボ
モータの制御方法において、移動体の運動方向が切り換
わる象限切換時のトルク指令値と、モータ反転直後のト
ルク指令値の最大値または最小値を検出し、これらのト
ルク指令値の差から補正基準トルクを求め、前記補正基
準トルクを基準にして象限切換時のトルク指令を補正す
ることを特徴とするものである。
ク指令値と反転直後のトルク指令値の最大値または最小
値との差から、トルク補正の基準となる補正基準トルク
を求めるようにしたことにより、送り軸が慣性力や重力
の影響を受けて、象限切換の前後でトルク指令値にばら
つきや変動が生じても、その影響を受けずに正確な象限
切換時のサーボモータの送りトルクを検出することがで
きるようになった。そして、この慣性力や重力の影響を
排除した補正基準トルクに基づいてトルク指令を補正し
て制御系にフィードバックするので、象限突起を効果的
に減じることができる。
ータにより円弧補間送り運動をされる移動体の位置を直
接または間接的に検出し、位置指令に追従させるフィー
ドバック制御を行なうサーボモータの制御方法におい
て、円弧半径、送り速度を指定して試験的に送り運動を
させるテストプログラムを実行し、移動体の運動方向が
切り換わる象限切換時のトルク指令値と、モータ反転直
後のトルク指令値の最大値または最小値を検出し、これ
らのトルク指令値の差から所与の円弧半径、送り速度に
おける補正基準トルクを求め、円弧半径、送り速度の値
を変えてテストプログラムを繰り返して実行し、任意の
円弧半径、送り速度に対応する補正基準トルクの値を与
える補正トルクテーブルを作成し、NCプログラム実行
時に前記補正トルクテーブルから補正基準トルクを読み
込み、前記補正基準トルクを基準にして象限切換時のト
ルク指令を補正することを特徴とする。
ように、慣性力や重力の影響を排除したトルク補正を行
なえるほか、テストプログラムを実行してあらかじめ補
正トルクテーブルを作成しておくことで、任意の円弧半
径、送り速度でのトルク補正が可能となる。
て、それまでに作成しておいた補正トルクテーブルを適
宜更新することができるので、機械の経時変化の影響
や、機械の条件の変更、例えば、サーボパラメータ等制
御パラメータ、テーブル荷重等によって基準トルクの値
が変化しても、適正な補正が可能となる。
ついては、速度フィードバック信号が0となるタイミン
グを検出し、このときのトルク指令値を象限切換時のト
ルク指令値とすることが好ましく、これにより、より正
確な象限切換位置が求められる。
ク指令値の最大値または最小値を直接検出するかわり
に、トルク指令値を微分し、象限切換後の微分値が0と
なるタイミングを検出し、このときのトルク指令値をモ
ータ反転直後のトルク指令値の最大値または最小値とす
ることができる。
の制御方法の一実施形態について添付の図面を参照して
説明する。図1は、本発明によるサーボモータの制御方
法を実施する工作機械のサーボ制御系がセミクローズド
ループ方式の場合のブロック図である。この実施形態で
は、NC工作機械のテーブルに所定の荷重を搭載し、こ
のテーブルに所定の円弧半径、送り速度で円弧補間送り
運動をさせる。
回転駆動するサーボモータである。この場合、テーブル
とサドルの直交する各送り軸について、同時に2軸制御
を行ない、テーブルに円弧補間送り運動を与える。NC
の指令プログラムPを解析部12でNCの実行データに
変換し、指定された円弧半径R、送り速度Fに応じた位
置指令を分配部11を介し与えると、サーボモータ10
は、この位置指令に追従するように制御される。
て、サーボモータ10の回転軸に取り付けられた位置検
出器13からの位置フィードバック信号をとり、これと
位置指令との偏差が0となるような位置制御ループが一
番外側のループとして構成されている。その内側のルー
プは、速度制御ループであり、位置フィードバック信号
は、微分処理部14によって微分されて速度フィードバ
ック信号に変換されて位置ループゲイン15の出力と比
較される。この場合、速度制御ループの内側のマイナー
ループとしてトルクループが組まれている。速度ループ
ゲイン17の出力はトルク指令としてアンプ18で増幅
されてサーボモータ10に出力される。
フィードバックされ、図2に示すフローチャートに従っ
たテストプログラムの実行中に補正トルクテーブルが作
成される。加工プログラム実行中は、トルク補正部20
で作成された補正トルクは積分器16に導入され、この
積分器16の出力を速度ループゲインの前段に帰還させ
ることで、象限切換時のトルクを補正しながらサーボモ
ータ10が制御される。
ともに、図2のフローチャートを参照して本発明による
制御方法をより詳細に説明する。まず、本発明の制御方
法では、象限切換時のトルク補正の基準となる基準トル
クTc を与えられた送り速度F、円弧半径Rの値ごとに
補正トルクテーブル作成部21で作成しておき、基準ト
ルクTc −送り速度F線図および基準トルクTc−円弧
半径R線図に相当するデータを補正トルクテーブル格納
部22に格納しておく。その一連の処理は、テストプロ
グラムを実行することにより行なわれる。テストプログ
ラムを実行するときには、図1で切り換えスイッチ2
3、24はb接点側に切り換わるようなっている。
ときには、切り換えスイッチ23、24はa接点側に切
り換えるようになっていて、トルク補正実行部25は、
補正トルクテーブル格納部22から、加工プログラムで
指定された送り速度F、円弧半径Rに対応する基準トル
クを取り込み、トルク補正を実行する。
度Fでテストプログラムの実行が開始され(ステップS
1)、位置指令からその移動方向を検出する指令移動方
向検出部27が、移動方向指令の反転、すなわち、象限
が切り換わったことを検出すると(ステップS2)、速
度ループゲイン17の出力からトルク指令が検出される
(ステップS3)。図3(a)は、検出されるトルク指
令の信号波形の時間的変化を示す図である。速度0検出
部26は、位置検出器13からの位置フィードバック信
号を微分処理部14で微分して変換した速度フィードバ
ック信号を取り込み、速度が0、すなわち、速度フィー
ドバック信号が0になるタイミングを検出する(ステッ
プS4)。
いるときであり、補正トルクテーブル作成部21は、速
度0のタイミングと同期して、そのときの(図3(a)
のA点)でのトルク指令値TjAを取り込む(ステップS
5)。
(b)に示めされるように、ノイズ除去のためのフィル
タ処理がなされるとともに、図3(c)に示すように微
分される(ステップS6)。補正トルクテーブル作成部
21は、その検出信号に基づき象限切り換わり直後のト
ルク指令の微分値0(図3(c))のB点におけるトル
ク指令値TjBを読み込む(ステップS7)。なお、この
トルク指令値TjBは、トルク指令の信号を微分すること
なく、象限切換後のトルク指令値の最小値(図3(a)
におけるB’点での値)(運動の方向が逆の場合は、最
大値)を補正トルクテーブル作成部21で取り込むよう
にしてもよい。
トルク指令値の変化分 ΔT = TjA − TjB を演算し(ステップS8)、さらに、ここの変化分ΔT
を2で割った値を、このときの円弧半径R、送り速度F
の条件でのモータ反転時のトルク補正の基準とすべき基
準トルクTc として算出する(ステップS9)。こうし
て1組の円弧半径R、送り速度Fについて基準トルクT
c を求めたら、別の値に送り速度Fを更新した条件の下
で(ステップS10のyes)、以上のステップS1か
らS9を繰り返してテストプログラムを実行して、更新
した条件での基準トルクTc を算出する。そして、ステ
ップS11では、補正トルクテーブル作成部21は、以
上求めたデータから基準トルクTc −送り速度F線図を
作成し、そのデータは、補正トルクテーブル格納部22
に出力されてここに格納される。
てこれを別の値に変更して(ステップS12のye
s)、更新した条件の下でテストプログラムを繰り返し
て実行し、基準トルクTc を算出する。そして、ステッ
プS13で補正トルクテーブル作成部21は、以上求め
たデータから基準トルクTc −円弧半径R線図または与
えられた円弧半径毎の基準トルクTc −送り速度F線図
を作成し、そのデータは、補正トルクテーブル格納部2
2に出力されてここに格納される。
得られた象限切換時のトルク補正に必要な基準トルクT
c は、高速送り時の慣性力の影響や、送り軸が垂直軸で
ある場合の重力の影響を排除することができる。
のトルク指令の信号の時間的変化を示す図で、図中、破
線は慣性力の影響のない場合のトルク指令である。慣性
力の影響のある場合と、ない場合とでは、トルク指令値
の変化は異なり、速度フィードバック量が0になる象限
切換時点A、A’と、モータ反転直後のトルク指令値が
最小または最大となる時点のB、B’とではそれぞれト
ルク指令値に大きな差が生じる。しかし、トルク指令値
自体は違っても、慣性力の影響のない場合のAB間と、
慣性力の影響のあるA’B’間とで、トルク指令値の差
の大きさΔT1 とΔT2 はほぼ同じであるという知見を
得ている。
のトルク指令値と、モータ反転直後の最小または最大と
なるトルク指令値の差の値は、慣性力の影響如何によら
ないため、これを2で割った基準トルクTc は、慣性力
の影響を排除した正確な反転時の送りトルクの大きさに
なる。
合のトルク指令の信号の変化を示す図で、図4と同じよ
うに、破線は重力の影響を受けないトルク指令である。
一般に、重力の影響が大きいと、トルク指令は、下側に
シフトするような影響を受ける。しかし、重力の影響の
ある場合と、ない場合とで、象限切換時(A、A’)の
トルク指令値とモータ反転時(B、B’)のトルク指令
値の大きさは異なっても、その差ΔT1 、ΔT2 は等し
くなる。したがって、象限切換時のトルク指令値と、モ
ータ反転直後の最小または最大となるトルク指令値の差
の値を求めることにより、慣性力同様、重力の影響を排
除した正確な反転時の送りトルクを求めることができ
る。
って補正基準トルクTc を求めておき、次に、加工プロ
グラムが実行されると、トルク補正実行部25は、次の
ようにしてトルク補正を実行する。
3、24はa接点側に切り換えられる。速度0検出部2
6は、速度フィードバック値が0になるタイミングを監
視し、0になったときの検知信号をトルク補正実行部2
5に出力する。このときのトルク補正実行部25は、こ
のときの円弧半径R、送り速度Fに対応する補正トルク
を補正トルクテーブル格納部22から読み出し、トルク
ループを構成する積分器16にフィードバックし、補正
が実行される。
0の回転軸に取り付けられた位置検出器13からフィー
ドバック信号を取り出すサーボ制御系がセミクローズド
ループ方式の場合を示したが、本発明は、図6に示すよ
うに、サーボモータ10によって駆動されるテーブルの
ような送りねじ30、ナット31により送り運動を与え
る移動体30の位置を位置検出器33で直接的に検出し
てフィードバックするフルクローズドループ方式の場合
にも適用可能であることは言うまでもない。
によれば、象限切換時のトルク指令値と反転直後のトル
ク指令値の最大値または最小値との差から、トルク補正
の基準となる補正基準トルクを求めるようにしているの
で、慣性力や重力の影響を受けずに正確な象限切換時の
サーボモータの送りトルクを検出することができる。そ
して、この慣性力や重力の影響を排除した補正基準トル
クに基づいてトルク指令を補正して制御系にフィードバ
ックするので、象限突起を効果的に減じることができ
る。
を実行してあらかじめ補正トルクテーブルを作成してお
くことで、任意の円弧半径、送り速度でのトルク補正が
可能となる。
て、それまでに作成しておいた補正トルクテーブルを適
宜更新することができるので、機械の経時変化の影響
や、機械の条件の変更、例えば、サーボパラメータ等制
御パラメータ、テーブル荷重等によって基準トルクの値
が変化しても、適正な補正が可能となる。
るためのサーボ制御系のブロック構成図。
ャート。
ート。
化を示す図。
を示す図。
施形態のサーボ制御系のブロック構成図。
す図。
Claims (4)
- 【請求項1】サーボモータにより円弧補間送り運動をさ
れる移動体の位置を直接または間接的に検出し、位置指
令に追従させるフィードバック制御を行なうサーボモー
タの制御方法において、 前記移動体の運動方向が切り換わる象限切換時のトルク
指令値と、モータ反転直後のトルク指令値の最大値また
は最小値を検出し、 これらのトルク指令値の差から補正基準トルクを求め、 前記補正基準トルクを基準にして象限切換時のトルク指
令を補正することを特徴とするサーボモータの制御方
法。 - 【請求項2】サーボモータにより円弧補間送り運動をさ
れる移動体の位置を直接または間接的に検出し、位置指
令に追従させるフィードバック制御を行なうサーボモー
タの制御方法において、 円弧半径、送り速度を指定して試験的に送り運動をさせ
るテストプログラムを実行し、 前記移動体の運動方向が切り換わる象限切換時のトルク
指令値と、モータ反転直後のトルク指令値の最大値また
は最小値を検出し、 これらのトルク指令値の差から所与の円弧半径、送り速
度における補正基準トルクを求め、 円弧半径、送り速度の値を変えてテストプログラムを繰
り返して実行し、任意の円弧半径、送り速度に対応する
補正基準トルクの値を与える補正トルクテーブルを作成
し、 NCプログラム実行時に前記補正トルクテーブルから補
正基準トルクを読み込み、前記補正基準トルクを基準に
して象限切換時のトルク指令を補正することを特徴とす
るサーボモータの制御方法。 - 【請求項3】速度フィードバック信号が0となるタイミ
ングを検出し、このときのトルク指令値を象限切換時の
トルク指令値とすることを特徴とする請求項1または2
に記載のサーボモータの制御方法。 - 【請求項4】トルク指令値を微分し、象限切換後の微分
値が0となるタイミングを検出し、このときのトルク指
令値をモータ反転直後のトルク指令値の最大値または最
小値とすることを特徴とする請求項3に記載のサーボモ
ータの制御方法。
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Country Status (3)
Country | Link |
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