JPH1062990A - 光硬化性樹脂組成物とスクリーン印刷版 - Google Patents
光硬化性樹脂組成物とスクリーン印刷版Info
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- JPH1062990A JPH1062990A JP21570896A JP21570896A JPH1062990A JP H1062990 A JPH1062990 A JP H1062990A JP 21570896 A JP21570896 A JP 21570896A JP 21570896 A JP21570896 A JP 21570896A JP H1062990 A JPH1062990 A JP H1062990A
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Abstract
擦性、寸法精度などの諸要求を同時に満足させる光硬化
性樹脂組成物と、これを用いたスクリーン印刷版を得
る。 【解決手段】 光硬化性樹脂組成物が、ケン化度が65
モル%以上のポリビニルアルコールと、分子中に2以上
のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、このエポキシ
化合物を光硬化し得る光カチオン重合開始剤とを含む。
Description
ールとエポキシ化合物とを含む光硬化性樹脂組成物、お
よびこれを用いたスクリーン印刷版に関する。
できる光硬化性樹脂組成物としては、従来から、溶剤現
像型や水現像型など、多くのものが知られている。最近
は特に、火災予防、環境衛生、公害防止などの観点から
水現像型のものが多く用いられるようになってきてい
る。
は、(1)ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルエマ
ルジョンとの混合物に重クロム酸塩またはジアゾ樹脂な
どの光架橋剤を配合した組成物、(2)ポリビニルアル
コールに光架橋基としてスチルバゾリウム基、アジド基
などを導入した化合物とポリ酢酸ビニルエマルジョンと
を混合した組成物、(3)エチレン性不飽和化合物と光
重合開始剤とをポリビニルアルコールで乳化し、これに
光架橋剤を配合した組成物(特開昭49−121852
号公報、特開昭50−108003号公報、特開昭59
−107343号公報など参照)、(4)エチレン性不
飽和化合物と光重合開始剤とをポリビニルアルコールで
乳化し、これとポリ酢酸ビニルエマルジョンとの混合液
に光架橋剤を配合した組成物(特開昭54−91585
号公報、特開昭54−103016号公報、特開昭54
−164119号公報、特開昭60−10245号公報
など参照)などが知られている。
ーン印刷版の用途が拡大するに伴い、水現像型の光硬化
性樹脂組成物に関する高度な要求が生じている。その例
を挙げれば、作業環境改善のため、水性の印刷インキ
が用いられるようになってきたので、スクリーン印刷版
に高度な耐水性が求められる、機能性インキの中には
非常に溶解力の強い溶剤を用いたものもあるので、スク
リーン印刷版に従来以上の耐溶剤性が求められる、ガ
ラス微粉末や金属微粉末を主成分とするペーストインキ
を用いる業界からは、これらのインキが印刷版を摩耗し
やすいことから、経費節減のため、耐摩耗性の良好なス
クリーン印刷版が求められる、特に電気業界などから
は、印刷面積が広く、しかも高精細で寸法精度の良好な
スクリーン印刷版が求められる、などである。
物は、前記の(1)〜(4)で例示したように、ポリビ
ニルアルコール中に、ポリ酢酸ビニルやエチレン性不飽
和基を有する疎水性モノマーまたは疎水性プレポリマー
を乳化したものであり、露光したときに生成するポリビ
ニルアルコールの架橋物とポリ酢酸ビニルや疎水性ポリ
マー類との間になんらの化学的な結合もなく、単に混在
しているにすぎないので、ポリビニルアルコールの組成
比を大きくすると耐水性が低下し、ポリ酢酸ビニルなど
の組成比を大きくすると耐有機溶剤性が低下し、耐有機
溶剤性を改善しようとして架橋密度の高いエチレン性不
飽和化合物の組成比を大きくすると耐摩耗性や寸法精度
が低下するという問題があった。
されたものであって、従ってその目的は、水現像型であ
って、耐水性、耐溶剤性、耐摩耗性、寸法精度などの諸
要求を同時に満足させる光硬化性樹脂組成物と、これを
用いたスクリーン印刷版を提供することにある。
めに本発明は、ケン化度が65モル%以上のポリビニル
アルコールと、分子中に2以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化合物と、このエポキシ化合物を光硬化し得る光
カチオン重合開始剤とを含む光硬化性樹脂組成物を提供
する。前記のエポキシ化合物は、ポリビニルアルコール
100重量部当たり100重量部〜2000重量部の範
囲内で含まれていることが好ましい。前記の光カチオン
重合開始剤は、芳香族ジアゾニウム、芳香族ヨードニウ
ム、または芳香族スルホニウムのいずれか1種以上のカ
チオンと、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、またはSbF6 -
のいずれか1種以上のアニオンとの塩であることが好ま
しい。
基を有して光架橋性とされたものであることが好まし
い。この光架橋性基は、スチルバゾリウム基であること
が好ましい。または前記の光硬化性樹脂組成物は、ポリ
ビニルアルコールを光架橋し得る光架橋剤を含むことが
好ましい。この光架橋剤は、水溶性の重クロム酸塩、ジ
アゾ化合物、またはアジド化合物から選ばれた1種以上
であることが好ましい。
を用いて形成された薄膜を露光し、水現像して作成され
たスクリーン印刷版を提供する。
物(以下、単に「本組成物」という)を、一実施例によ
って説明する。この実施例は、下記の成分を含むエマル
ジョンの形態をなしている。 (成分1)重合度2400、ケン化度が88モル%のポ
リビニルアルコール、 (成分2)分子中に2以上のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物として;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、 (成分3)前記のエポキシ化合物を光硬化し得る光カチ
オン重合開始剤として;トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート(式1参照) 式1: Ph3S+・SbF6 - (式中、Phはフェニル基を表す。)、および (成分4)ポリビニルアルコールを光架橋し得る光架橋
剤として;4−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムア
ルデヒドとの縮合物の硫酸塩からなる水溶性ジアゾ樹
脂。
し、乾燥することによってスクリーン印刷乾板を作成す
ることができる。得られたスクリーン印刷乾板にフォト
マスクを重ね、高圧水銀灯などを用いて露光した後、水
現像し、好ましくは乾燥後に再び光を照射して後硬化を
行うと、パターン形成されたスクリーン印刷版が得られ
る。
硬化性樹脂組成物を用いて作成したスクリーン印刷版に
比べ、耐水性、耐溶剤性、耐摩耗性、寸法精度などの特
性が大幅に改善され、水性インキや特殊溶剤または硬質
微粒子を含むインキに対しても耐久性があり、大型版に
おいても寸法精度が優れている。
溶性ポリビニルアルコールからなるマトリクス中に、成
分3の光カチオン重合開始剤を含む成分2の水不溶性エ
ポキシ樹脂が分散して、水中油型のエマルジョンを形成
している。このエマルジョンで薄膜を形成すると、得ら
れた薄膜は、未露光状態では水に可溶性である。この薄
膜にフォトマスクを重ねて露光すると、露光部において
は、ポリビニルアルコールが、成分4の光架橋剤の作用
によって架橋して水不溶性の架橋ポリビニルアルコール
を形成するので、水現像の際に水側に溶出されなくな
り、一方、未露光部は溶出されるので、これによってパ
ターン形成されたスクリーン印刷版が得られることにな
る。
キシ基を有するので、成分3の光カチオン重合開始剤の
存在下に、光によってカチオン重合を起こし、エポキシ
樹脂硬化物を形成する。エポキシ樹脂硬化物は、水およ
び有機溶剤に不溶性であり、かつ一般に耐摩耗性、寸法
安定性に優れているので、露光と水現像とによって形成
された本発明のスクリーン印刷版も、このエポキシ樹脂
硬化物を含むことによって耐摩耗性や寸法精度が従来の
ものより改善される。
ルとエポキシ化合物とが光によってそれぞれ重合する際
に、ポリビニルアルコールの活性化された水酸基の一部
と、光カチオン重合開始剤によって開環されたエポキシ
活性基の一部との間にも架橋反応が起こり、硬化物全体
に化学結合による網目構造が形成されると考えられる。
このために、スクリーン印刷版における耐水性、耐溶剤
性が、ポリビニルアルコールの単独架橋物を用いる従来
のものより大幅に向上し、その結果、水性インキや特殊
溶剤を含むインキの使用をも可能にしている。
は、未露光状態では安定であるが、露光すると、光分解
してルイス酸、ブレンステッド酸などのいわゆるカチオ
ン重合触媒を生成する。例えば、前記成分3のトリフェ
ニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートにおけ
る芳香族スルホニウムカチオンの光分解機構は、式2に
よって示される。
エポキシ基を開環してエポキシ化合物を重合させるが、
その寿命が長いので、1回目の照射終了後にも重合を進
行させることができる。そこで、1回目の照射でタック
フリーの程度まで硬化させ、水現像の後に2回目の照射
によって後硬化を行い、膜を強化することができる。
詳しく説明する。 (ポリビニルアルコール)本組成物に用いることができ
るポリビニルアルコールは、一般にはポリ酢酸ビニルの
ケン化物であって、そのケン化度が65モル%以上のも
のである。ケン化度が65モル%未満のものは未露光状
態で十分な水溶性が得られないため、水現像が困難とな
り不適当である。
ポリ酢酸ビニルは、本発明の目的を損なわない範囲で、
酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合物であってもよ
い。共重合に用い得る酢酸ビニル以外のモノマーの例と
しては、例えばエチレン;(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド類;不飽和カルボン酸類;カチ
オン性モノマー類、例えばジメチルアミノエチルメタク
リレート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニ
ルサクシミドなど、から選ばれたものを挙げることがで
きる。
ビニルアルコールは、本発明の目的を損なわない範囲
で、水酸基が部分的にアセタール化、例えばホルマール
化またはブチラール化されていてもよい。
に際して、一般には光架橋剤が用いられる。しかし、分
子中に光架橋性基を有するものであれば、この光架橋性
ポリビニルアルコールは自己光架橋性となるので、組成
物中に必ずしも光架橋剤を配合する必要がない。この光
架橋性基は、スチルバゾリウム基であることが好まし
い。スチルバゾリウム基を有するポリビニルアルコール
の例を式3に示す。
下記の置換基を有しまたは有しないアルキル基またはア
ラルキル基である。この置換基は水酸基、カルバモイル
基、エーテル結合、不飽和結合であり得る。R2 は、水
素原子または低級アルキル基である。Xは、ハロゲンイ
オン、リン酸イオン、またはp−トルエンスルホン酸イ
オンの1以上であり、mは、0または1であり、nは、
1〜6の整数である。
ルコールの製造に関しては、例えば特開昭55−231
63号公報、特開昭55−62905号公報、特開昭5
5−62405号公報などに記載され公知であるが、例
えばポリ酢酸ビニルのケン化物と、ホルミル基を有する
スチルバゾリウム塩、またはアセタール基を有するスチ
ルバゾリウム塩とを酸触媒の存在下に反応させる方法に
よって製造することができる。
チルバゾリウム基の導入率は0.3モル%〜20モル%
の範囲内とすることが好ましい。0.3モル%未満では
光架橋性が不十分であり、20モル%を越えると水溶性
が低下する。この観点からスチルバゾリウム基の導入率
は、0.5モル%〜10モル%の範囲内とすることが更
に好ましい。
ができるエポキシ化合物は、分子中に2以上のエポキシ
基を有し、硬化物が水および有機溶剤に不溶または難溶
となるものであれば、特に限定されない。好適に用い得
るエポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹
脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポ
キシ樹脂;トリグリシジルイソシアネートやヒダントイ
ンエポキシなどの含複素環エポキシ樹脂;水添ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂;プロピレングリコール−ジグ
リシジルエーテルやペンタエリスリトール−ポリグリシ
ジルエーテルなどの脂肪族エポキシ樹脂;芳香族、脂肪
族、または脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンと
の反応によって得られるエポキシ樹脂;スピロ環を含む
エポキシ樹脂;アリルフェノールノボラック化合物とエ
ピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂;ビスフェノールAのそれぞれの水
酸基のオルト位置にアリル基を有するジアリルビスフェ
ノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であ
るグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;グリシジルアク
リレート類の重合体、などを挙げることができる。
えて、例えばスクリーン印刷版としたときの可撓性を調
節したり、現像時の精細度を改善するなどの目的で、単
官能性のエポキシ化合物または多官能性のエポキシ化合
物を添加することもできる。また、前記のエポキシ化合
物は、本組成物に配合するに際して、粘度などを調節す
るためにエチルアルコールなどの適当な溶剤に溶解して
用いてもよい。
ルアルコール100重量部当たり、100重量部〜20
00重量部の範囲内で本組成物に配合することが好まし
い。100重量部未満では露光後の光硬化物に十分な耐
水性や耐摩耗性などが得られず、2000重量部を越え
ると、水現像性が低下する。この観点から、前記エポキ
シ化合物の配合割合は、ポリビニルアルコール100重
量部当たり200重量部〜1000重量部の範囲内とす
ることが更に好ましい。
る光カチオン重合開始剤は、前記のエポキシ化合物を光
硬化し得るものであれば特に限定されないが、短時間の
光照射で効率よく光硬化させるには、芳香族ジアゾニウ
ム、芳香族ヨードニウム、または芳香族スルホニウムの
いずれか1種以上のカチオンと、BF4 -、PF6 -、As
F6 -、またはSbF6 -のいずれか1種以上のアニオンと
の塩であることが好ましい。好適な光カチオン重合開始
剤の例を、下記の一般式、式4〜式8で示す。
の例は、例えばジフェニルアミン−4−ジアゾニウムテ
トラフルオロボレート(式9)、ジフェニルヨードニウ
ムテトラフルオロボレート(式10)、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(式11)、
ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]サルフ
ァイド・ビスヘキサフルオロホスフェート(式12)、
ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル)スルホニオフェニル]サルファイド・ビスヘキサ
フルオロアンチモネートなどである。
いポリビニルアルコールを用いる場合は、露光時の光架
橋を促進するために、組成物中に前記のポリビニルアル
コールを光架橋し得る光架橋剤を添加することが好まし
い。この光架橋剤は、水溶性の重クロム酸塩、ジアゾ化
合物、またはアジド化合物から選ばれたいずれか1種以
上であることが好ましい。
例としては、例えば、重クロム酸アンモニウム、重クロ
ム酸カリウム、重クロム酸ナトリウムなどを挙げること
ができる。
ば、4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドと
の縮合物の硫酸塩、リン酸塩、塩化亜鉛塩;4,4’−
ビスジアゾ−3,3’−ジメトキシビフェニルの硫酸
塩、リン酸塩、塩化亜鉛塩;4−ジアゾ−3−メトキシ
ジフェニルアミンと4,4’−ジメトキシジフェニルエ
ーテルとの縮合物の硫酸塩、リン酸塩、塩化亜鉛塩;4
−ジアゾジフェニルアミンとジメチロール尿素メトキシ
エーテルとの縮合物の硫酸塩、リン酸塩、塩化亜鉛塩;
メラミン、チオ尿素、ベンゾグアナミン、グアニジンな
どとホルムアルデヒドとの初期縮合物と4−ジアゾジフ
ェニルアミンとの縮合物の硫酸塩、リン酸塩、塩化亜鉛
塩などを挙げることができる。また、前記の4−ジアゾ
ジフェニルアミンの代わりに、4−ジアゾ−4’−メチ
ルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−エチルジフェ
ニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルア
ミン、4−ジアゾ−4’−クロルジフェニルアミン、ま
たは4−ジアゾ−4’−ニトロジフェニルアミンなどを
用いたもの、ホルムアルデヒドの代わりにアセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒドな
どを用いたものも使用できる。
ば、下記の式13〜式16に示すものなどを挙げること
ができる。
ール100重量部当たり、2重量部〜20重量部の範囲
内で用いることが好ましい。2重量部未満では、光硬化
物の耐水性が十分でなく、20重量部を越えると組成物
の保存安定性が低下する。
の目的を損なわない範囲内で、例えば光硬化させたエポ
キシ樹脂を加熱により更に後硬化させるために、必要な
らエポキシ樹脂の熱硬化触媒を配合することもできる。
また、通常この分野で使用される添加剤、例えば色素、
酸化防止剤、充填剤、潤滑剤、乳化安定剤、熱安定剤、
光安定剤、増感剤、撥水剤、撥油剤、溶剤などを含んで
いてよいことはいうまでもない。
明する。 (実施例1)重合度2400、ケン化度88モル%のポ
リビニルアルコール(クラレ社製PVA−224)10
0重量部を水900重量部に溶解し、これに、光カチオ
ン重合開始剤としてジフェニルアミン−4−ジアゾニウ
ムテトラフルオロボレート(式9)6重量部と、エポキ
シ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ社製エピコート828)150重量部
と、希釈溶剤としてエチルアルコール50重量部との混
合溶液を攪拌下に滴下して乳化した。更に着色剤として
水分散性の青色顔料(大日精化社製FL−BLUE C
ONC)2重量部と、水溶性ジアゾ樹脂(p−アミノジ
フェニルアミンのジアゾ化物とパラホルムアルデヒドと
の縮合物の硫酸塩)の30重量%水溶液20重量部とを
加え、攪拌混合して実施例1の感光液を調製した。
8モル%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−
217)100重量部を水900重量部に溶解し、これ
に、光カチオン重合開始剤としてジフェニルヨードニウ
ムテトラフルオロボレート(式10)8重量部と、エポ
キシ化合物として多官能脂環式エポキシ樹脂(ダイセル
化学工業社製GT−403)300重量部と、反応性エ
ポキシ樹脂希釈剤としてアルキルグリシジルエーテル
(新日本理化社製リカレジンL−200)100重量部
との混合溶液を攪拌下に滴下して乳化した。更に着色剤
として水分散性の青色顔料(大日精化社製FL−BLU
E CONC)2重量部と重クロム酸アンモニウムの1
0重量%水溶液20重量部とを加え、攪拌混合して実施
例2の感光液を調製した。
レ社製PVA−217)100重量部を水900重量部
に溶解し、これに、光カチオン重合開始剤としてトリフ
ェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(式
11)のプロピレンカーボネート50重量%溶液16重
量部と、エポキシ化合物として水素添加ビスフェノール
Aのポリグリシジルエーテル(新日本理化社製HBE−
100)300重量部と、反応性エポキシ樹脂希釈剤兼
撥水撥油性付与剤として3−(2−ペルフルオロヘキシ
ル)エトキシ−1,2−5−エポキシプロパン(トーケ
ムプロダクツ社製MF−120)100重量部との混合
溶液を攪拌下に滴下して乳化した。更に着色剤として水
分散性の青色顔料(大日精化社製FL−BLUE CO
NC)2重量部と4,4’−ジアジドスチルベン−2,
2’−ジスルホン酸ナトリウム(式13)の10重量%
水溶液60重量部とを加え、攪拌混合して実施例3の感
光液を調製した。
8モル%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−
224)に、1−メチル−4−{p−(2,2−ジメト
キシエトキシ)スチル}ピリジニウム−p−トルエンス
ルホネートを1.2モル%付加したスチルバゾリウム基
を含有するポリビニルアルコールの10重量%水溶液1
000重量部に、光カチオン重合開始剤として式12で
示される芳香族スルホニウム塩(旭電化工業社製アデカ
オプトマーSP−55)15重量部と、エポキシ化合物
として脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製セロ
キサイド2021P)150重量部およびビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(新日本理化社製BEO−60E)
150重量部と、希釈溶剤としてエチルアルコール50
重量部との混合溶液を攪拌下に滴下して乳化した。更に
着色剤として水分散性の青色顔料(大日精化社製FL−
BLUE CONC)2重量部を加え、攪拌混合して実
施例4の感光液を調製した。
た。 (比較例1)ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA
−217)20重量部を水100重量部に溶解し、これ
に、ポリ酢酸ビニルエマルジョン(ヘキスト合成社製モ
ビニールM−50)100重量部とジアゾ樹脂2重量部
とを添加して混合し、比較例1の感光液を調製した。
化合物と光重合開始剤とをポリビニルアルコール水溶液
で乳化した乳剤(栗田化学社製乳剤EX−308)10
00重量部に、ジアゾ樹脂の30重量%水溶液15重量
部を添加して混合し、比較例2の感光液を調製した。
1、比較例2の感光液を用いてスクリーン印刷版を作成
した。それぞれの感光液を、アルミニウム枠に貼設した
ポリエステルモノフィラメント製の225メッシュ紗
(紗厚71μm)に、バケットを用いて塗布し、50℃
で乾燥して、総厚(紗厚+光硬化性樹脂組成物層厚)が
90μmのスクリーン印刷乾板を作成した。
形成したフォトマスクを重ね、フォトマスク上100c
mの距離から3KWの高圧水銀灯で2分間照射して露光
し、スプレイガンを用いて水を吹き付けて現像し、乾燥
後に再び紫外線を照射し、かつ加熱して後硬化を行い、
パターン形成されたスクリーン印刷版を得た。
いて、下記の方法に従って、各種の耐性および寸法精度
の試験を行った。 耐溶剤性試験:スクリーン印刷版をそれぞれ、水、メチ
ルアルコール、トルエン、メチルエチルケトン(「ME
K」と表記)、およびN−メチル−2−ピロリドン
(「NMP」と表記)に室温で1時間浸漬し、浸漬前後
の膜厚差(μm)を測定した。 耐摩耗性試験:スクリーン印刷版を印刷機に被印刷面を
上にして装着し、布を巻いたスキージに1kgの荷重を
負荷し、更にプラズマディスプレイの隔壁形成用のガラ
スペースト(日本電気ガラス社製PLS−3550)を
付着させて1000回摩擦し、摩擦前後の膜厚差(μ
m)を測定した。 寸法精度の測定:フォトマスクの300mmの位置に予
め測長用のパターンマークを形成しておき、スクリーン
印刷版に形成された前記のマークとの測長差(μm)を
求めた。測定結果を表1に示す。
ビスフェノールA型エポキシ化合物と式9の光カチオン
重合開始剤とを含む実施例1の感光液から得られた印刷
版は、ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルとを主成
分とする比較例1またはポリビニルアルコールとエチレ
ン性不飽和基を有する化合物とを主成分とする比較例2
からのものに比べて、水、メチルアルコール、トルエ
ン、メチルエチルケトン(MEK)、およびN−メチル
−2−ピロリドン(NMP)のいずれの溶剤に対して
も、明らかに耐溶剤性が向上しており、また耐摩耗性お
よび寸法精度についても、特性が著しく改善されている
ことがわかる。
液は、実施例1のものと、エポキシ樹脂および光カチオ
ン重合開始剤がそれぞれ異なるが、これらから得られた
印刷版は、実施例1からのものと同様に、従来型の感光
液からのものに比べて、各種溶剤に対する耐溶剤性、耐
摩耗性および寸法精度がいずれも著しく改善されてい
る。
うにスクリーン印刷版の作成に有利に用いられるもので
はあるが、他の用途、例えば水現像可能なエッチングレ
ジストなどとしても使用することができる。
度が65モル%以上のポリビニルアルコールと、分子中
に2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、この
エポキシ化合物を光硬化し得る光カチオン重合開始剤と
を含むものであるので、未露光状態では水溶性であり、
露光によって耐水性、耐溶剤性、耐摩擦性、寸法精度に
優れた硬化物を形成する。従って本発明の光硬化性樹脂
組成物を用いて作成したスクリーン印刷乾板をパターン
露光し、水現像すると、耐水性、耐溶剤性、耐摩擦性、
寸法精度に優れたスクリーン印刷版が得られる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ケン化度が65モル%以上のポリビニル
アルコールと、分子中に2以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化合物と、このエポキシ化合物を光硬化し得る光
カチオン重合開始剤とを含む光硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】 エポキシ化合物が、ポリビニルアルコー
ル100重量部当たり100重量部〜2000重量部の
範囲内で含まれてなる請求項1に記載の光硬化性樹脂組
成物。 - 【請求項3】 光カチオン重合開始剤が、芳香族ジアゾ
ニウム、芳香族ヨードニウム、または芳香族スルホニウ
ムのいずれか1種以上のカチオンと、BF4 -、PF6 -、
AsF6 -、またはSbF6 -のいずれか1種以上のアニオ
ンとの塩である請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコールが、光架橋性基を
有して光架橋性とされたものである請求項1に記載の光
硬化性樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記の光架橋性基が、スチルバゾリウム
基である請求項4に記載の光硬化性樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリビニルアルコールを光架橋し得る光
架橋剤を含む請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。 - 【請求項7】 前記の光架橋剤が、水溶性の重クロム酸
塩、ジアゾ化合物、またはアジド化合物から選ばれた1
種以上である請求項6に記載の光硬化性樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の
光硬化性樹脂組成物を用いて形成された薄膜を露光し、
水現像して作成されたスクリーン印刷版。
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