JPH1061999A - 空気調和機用室内機の風向制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷風を通常状態では水平ないし上向き方向に
送風し、要時に風向板の結露を消散する方向に送風して
大勢において居住者に冷風が直接当たらず、しかも結露
による不具合が生じない空気調和機用室内機の風向制御
方法を得る。 【解決手段】 室内機２の吹出し口７に水平方向の軸線
を介して風向板８を枢着し、風向板８を第一姿勢１２に
配置して水平ないし上向き方向に冷風を送風し、冷風の
吹出し温度並びに室内機２を設けた室内の室温及び湿度
により第一姿勢１２による風向板８の送風における露付
限界時間を設定して、この露付限界時間経過により風向
板８を第一姿勢１２よりも下向きに送風する第二姿勢１
３に変位して風向板８の結露を消散し、次いで風向板８
を第一姿勢１２に復帰する風向制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、冷風を吹出し口
の風向板を介して送風する空気調和機用室内機の風向制
御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３〜図６は、空気調和機用室内機を説
明する図で、図３は従来の空気調和機用室内機の風向制
御方法を説明するための空気調和機用室内機の横断側面
図、図４は図３の空気調和機用室内機における吹出し気
流の状況を説明する図３の要部拡大図、図５は図３の空
気調和機用室内機が設置された室内の状態を説明する縦
断面図、図６は図３の空気調和機用室内機が設置された
室内の他の状態を説明する縦断面図である。

【０００３】１は室内機２が設けられた室内、３は室内
機２に設けられた貫流送風機を構成する羽根車、４は羽
根車３の上流側に設けられた吸込み口、５は吸込み口４
と羽根車３の間に配置された熱交換器、６は羽根車３の
下流側に設けられた吹出し風路、７は吹出し風路６に連
通して室内機２に開口した吹出し口である。

【０００４】８は吹出口７に設けられ互いに離れて吹出
口７の長手に平行に配置され、水平方向の軸線を介して
吹出口７に枢着された二枚の風向板で、図３に示すよう
に枢着軸線により回動可能に装備されている。９は貫流
送風機による冷風、１０は室内１空気流である。

【０００５】１１は風向板８の下面に図３に示すように
付着した結露である。なお、図５及び図６に示す折れ線
は室内１における等温線で、図５において室内１の高さ
方向の中間部が低温であり、図６において室内１の高所
に低温空気が流れる。

【０００６】上記の室内機２の構成及び配置によって次
に述べるように、空気調和機による冷房運転又は除湿運
転が行われる。すなわち、羽根車２が電動機（図示しな
い）によって駆動されて回転し、吹出し風路６を経て吹
出し口７から冷風が吹出される。そして、駆動機構（図
示しない）により風向板８を回動変位させて冷風の吹出
し方向を変化させるようになっている。

【０００７】すなわち、風向板８が図３に破線で示す第
一姿勢１２に配置されたときには、図６に矢印Ａで示す
ように冷風が水平方向ないし上向き方向に送風される。
また、風向板８が図３に実線で示す第二姿勢１３、すな
わち第一姿勢１２よりも下向きの姿勢に配置されたとき
には、図５に矢印Ｂで示すように冷風が水平方向よりも
下向き方向に送風される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た空気調和機用室内機において、室内１の冷房運転又は
除湿運転時に風向板８が第二姿勢１３、すなわち下向き
の姿勢に配置されて図５に矢印Ｂで示すように冷風が下
向き方向に送風される。この場合には図５に示すように
室内１の居住者に冷風が直接当たって、肌寒さや不快感
を感じさせるという不具合があった。

【０００９】また、室内１の居住者に冷風が直接当たら
ないようにするために、風向板８が第一姿勢１２、すな
わち第二姿勢１３よりも上向きの姿勢に配置されて図６
に矢印Ａで示すように冷風が水平方向ないし上向き方向
にに送風される。この場合には室内１の居住者に冷風が
直接当たらず快適な冷房又は除湿作用が得られる。

【００１０】しかし、風向板８の第一姿勢１２による冷
風の水平方向ないし上向き方向送風時には、貫流送風機
による冷風９が図４に示すように風向板８の下面におい
て剥離する。そして、この剥離箇所に図４に示すように
室内１空気流１０が進入して風向板８の下面に結露１１
が発生して次第に増大し滴下するという問題点があっ
た。なお、風向板８が第二姿勢１３に配置された下向き
方向送風時には、冷風９が風向板８から剥離することは
ない。

【００１１】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、室内の冷房運転又は除湿運転時
に、貫流送風機による冷風を通常的には水平方向ないし
上向き方向に送風動作し、要時に風向板の結露を消散す
る方向に送風動作する空気調和機用室内機の風向制御方
法を得ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明に係る空気調和
機用室内機の風向制御方法おいては、貫流送風機の上流
側に吸込み口が下流側に吹出し口がそれぞれ設けられた
室内機と、室内機の吹出し口に配置されて水平方向の軸
線を介して枢着され姿勢制御される風向板とを設け、風
向板を第一姿勢に配置して水平方向ないし上向き方向に
貫流送風機による冷風を送風し、冷風の吹出し温度並び
に室内機が設置された室内の室温及び湿度により第一姿
勢による風向板の送風における露付限界時間を設定し
て、この露付限界時間経過により風向板を第一姿勢より
も下向きに送風する第二姿勢に変位させて風向板の結露
を消散し、次いで風向板を第一姿勢に復帰させる。

【００１３】また、この発明に係る空気調和機用室内機
の風向制御方法おいては、風向板を第二姿勢としたとき
の冷風の吹出し風速が、風向板を第一姿勢としたときの
冷風の吹出し風速よりも低速に制御される。

【００１４】

【発明の実施の形態】

実施の形態１．図１及び図２は、この発明の実施の形態
の一例を示す図で、図１は空気調和機用室内機の風向制
御方法を説明する制御手順ブロック図、図２は図１の空
気調和機用室内機の風向制御方法における所定室温にお
ける湿度及び吹出温度に対する水平方向ないし上向き方
向による露付限界時間のグラフである。なお、空気調和
機用室内機は前述の図３〜図６と同様に構成されると共
に図３〜図６と同様に室内に配置されている。

【００１５】図において、１４は上吹きモード選択で、
風向板８を第一姿勢１２に配置し貫流送風機による冷風
９を水平方向ないし上向き方向に送風する。１５は図示
が省略してあるが室内１に設けられた検出部で、室内１
の室温ＴＲ１（℃）、貫流送風機による冷風９の吹出温
度Ｔ（Ｔａ＞Ｔｂ＞Ｔｃ）及び湿度を検出する。１６は
空気調和機用室内機の制御装置（図示しない）による露
付限界時間ｔの設定動作でｔ＝ｔｗ（分）と設定され
る。

【００１６】１７は空気調和機用室内機の制御装置によ
る制御動作で、室内１の室温ＴＲ１（°Ｃ）に基づいて
ｔｗ（分）間、風向板８を第一姿勢１２に配置し貫流送
風機による冷風９を水平方向ないし上向き方向に送風す
る上吹きモードが指令される。そして、ｔｗ（分）が経
過すると風向板８を第二姿勢１３に配置し貫流送風機に
よる冷風９を上吹きモードよりも下向きに方向に送風す
る下吹きモードが短時間指令される。これにより、風向
板８下面に発生した結露１１が消散されその後、上吹き
モードと下吹きモードが繰り返し指令される。

【００１７】上記のような構成によって制御装置のマイ
クロコンピューターに、室内１の室温ＴＲ１（°Ｃ）に
対応して図２に示す所定室温における湿度及び吹出温度
に対する貫流送風機による冷風９の上吹きモードによる
露付限界時間が設定される。そして、上吹きモード選択
１４が行われた状態で、検出部１５により室温ＴＲ１
（℃）等の諸元が検出され、その結果による設定動作１
６によって露付限界時間ｔｗ（分）が設定される。

【００１８】そして、空気調和機用室内機の制御装置に
よる制御動作１７が指令されて、ｔｗ（分）間、風向板
８を第一姿勢１２に配置し冷風９を水平方向ないし上向
き方向に送風する上吹きモード送風が行われる。そし
て、ｔｗ（分）が経過すると風向板８を第二姿勢１３に
配置し冷風９を上吹きモードよりも下向きに方向に送風
する下吹きモード送風が短時間行われその後、上吹きモ
ードと下吹きモードの送風が繰り返し行われる。

【００１９】これによって、室内１の冷房運転又は除湿
運転時に通常状態では風向板８を第一姿勢１２に配置し
冷風９を水平方向ないし上向き方向に送風する上吹きモ
ード送風が行われる。したがって、室内１の居住者に冷
風が直接当たって、肌寒さや不快感を感じさせるという
不具合を解消することができる。

【００２０】そして、上吹きモード送風によって風向板
８に付着した結露が、室温ＴＲ１（°Ｃ）に対応した露
付限界に達すると、すなわち上吹きモード送風による露
付限界時間ｔｗ（分）が経過すると風向板８を第二姿勢
１３に配置し冷風９を上吹きモードよりも下向きに方向
に送風する下吹きモード送風が短時間行われる。これに
よって、風向板８下面に発生した結露１１が消散するの
で、大勢において室内１の居住者に冷風が直接当たら
ず、結露１１の増大による不具合が生じない快適な冷房
又は除湿作用を得ることができる。

【００２１】実施の形態２．図１及び図２の実施の形態
において、風向板８を第二姿勢１３としたときの冷風の
吹出し風速を、風向板８を第一姿勢１２としたときの冷
風の吹出し風速よりも低速に制御する。

【００２２】上記のように制御することにより、風向板
８を第二姿勢１３としたときの冷風の吹出し風速が低速
になるので、室内の居住者に当たる冷風が弱くなり冷房
又は除湿時の快適性を向上することができる。

【００２３】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、貫流送
風機の上流側に吸込み口が下流側に吹出し口がそれぞれ
設けられた室内機と、室内機の吹出し口に配置されて水
平方向の軸線を介して枢着され姿勢制御される風向板と
を設け、風向板を第一姿勢に配置して水平方向ないし上
向き方向に貫流送風機による冷風を送風し、冷風の吹出
し温度並びに室内機が設置された室内の室温及び湿度に
より第一姿勢による風向板の送風における露付限界時間
を設定して、この露付限界時間経過により風向板を第一
姿勢よりも下向きに送風する第二姿勢に変位させて風向
板の結露を消散し、次いで風向板を第一姿勢に復帰する
風向制御を行うものである。

【００２４】これによって、室内の冷房運転又は除湿運
転時に通常状態では風向板を第一姿勢に配置して冷風の
上吹きモード送風が行われ、上吹きモード送風によって
風向板に付着した結露が、室温に対応した露付限界に達
すると、風向板を第二姿勢に配置して冷風の下吹きモー
ド送風が行われる。このため、風向板に発生した結露が
消散して、大勢において室内の居住者に冷風が直接当た
らず、結露の増大による不具合が生じない快適な冷房又
は除湿作用を得る効果がある。

【００２５】また、この発明は以上説明したように、風
向板を第二姿勢としたときの冷風の吹出し風速を、風向
板を第一姿勢としたときの冷風の吹出し風速よりも低速
に制御するものである。

【００２６】これによって、室内の冷房運転又は除湿運
転時に通常状態では風向板を第一姿勢に配置して冷風の
上吹きモード送風が行われ、上吹きモード送風によって
風向板に付着した結露が、室温に対応した露付限界に達
すると、風向板を第二姿勢に配置して冷風の下吹きモー
ド送風が行われる。このため、風向板に発生した結露が
消散して、大勢において室内の居住者に冷風が直接当た
らず、結露の増大による不具合が生じない快適な冷房又
は除湿作用を得る効果がある。

【００２７】また、風向板を第二姿勢としたときの冷風
の吹出し風速が低速になるので、室内の居住者に当たる
冷風が弱くなり冷房又は除湿時の快適性を向上する効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１を示す図で、図１は
空気調和機用室内機の風向制御方法を説明する制御手順
ブロック図。

【図２】 図１の空気調和機用室内機の風向制御方法に
おける所定室温における湿度及び吹出温度に対する水平
方向ないし上向き方向による露付限界時間のグラフ。

【図３】 従来の空気調和機用室内機の風向制御方法を
説明するための空気調和機用室内機の横断側面図。

【図４】 図３の空気調和機用室内機における吹出し気
流の状況を説明する図３の要部拡大図。

【図５】 図３の空気調和機用室内機が設置された室内
の状態を説明する縦断面図。

【図６】 図３の空気調和機用室内機が設置された室内
の他の状態を説明する縦断面図。

【符号の説明】

１ 室内、２ 室内機、４ 吸込み口、７ 吹出し口、
８ 風向板、１１ 結露、１２ 第一姿勢、１３ 第二
姿勢。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貫流送風機の上流側に吸込み口が下流側
   に吹出し口がそれぞれ設けられた室内機と、この室内機
   の吹出し口に配置され水平方向の軸線を介して枢着され
   て姿勢制御される風向板とを設け、上記風向板を第一姿
   勢に配置して水平方向ないし上向き方向に上記貫流送風
   機による冷風を送風し、上記冷風の吹出し温度並びに上
   記室内機が設置された室内の室温及び湿度により上記第
   一姿勢による上記風向板の送風における露付限界時間を
   設定して、この露付限界時間経過により上記風向板を上
   記第一姿勢よりも下向きに送風する第二姿勢に変位させ
   て上記風向板の結露を消散し、次いで上記風向板を上記
   第一姿勢に復帰する空気調和機用室内機の風向制御方
   法。
2. 【請求項２】 風向板を第二姿勢としたときの冷風の吹
   出し風速を上記風向板を第一姿勢としたときの上記冷風
   の吹出し風速よりも低速にしたことを特徴とする請求項
   １記載の空気調和機用室内機の風向制御方法。