JPH1061740A - リンクの揺動機構 - Google Patents

リンクの揺動機構

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Publication number
JPH1061740A
JPH1061740A JP21855896A JP21855896A JPH1061740A JP H1061740 A JPH1061740 A JP H1061740A JP 21855896 A JP21855896 A JP 21855896A JP 21855896 A JP21855896 A JP 21855896A JP H1061740 A JPH1061740 A JP H1061740A
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JP
Japan
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link
stepping motor
swing
actuator
sewing
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Application number
JP21855896A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Umeda
和俊 梅田
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
Kunihiko Murata
邦彦 村田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、リンクの長手方向に偏位した二
つの部位に作用する第1,第2のアクチュエータを有
し、高速かつ精度よく作動させることができるリンク機
構を提供する。 【解決手段】 例えば、図1に示す実施態様において、
第2リンク31の長手方向に偏位した位置に作用する第
1,第2のステッピングモータ33,37が設けられ、
両ステッピングモータ33,37に適宜駆動パルスを投
入することにより、ミシン1の縫針3を高速かつ精度よ
く揺動させることができる。本発明は、各種ミシンに限
らず、広く、一般の各種機構を高速かつ精度よく揺動で
き、その利用範囲はきわめて広い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状のリンクを揺
動させるリンクの揺動機構に関し、詳しくは、そのリン
クをアクチュエータによって揺動させるリンクの揺動機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の機械の駆動部分には、
棒状のリンクをアクチュエータによって揺動させ、その
揺動を機械的に伝達することにより上記駆動部分を駆動
することが考えられている。例えば、ミシンでは、リン
クの揺動を針棒に伝達して、針落位置を加工布の送り方
向に対して直交方向に変更することが考えられている。
この場合、図5(A)に例示するような二点千鳥や、図
5(B)に例示するような四点千鳥等のいわゆる千鳥縫
いのパターン、或いは、図5(C)に例示するようなボ
タン穴かがりのパターンを縫製することができる。ま
た、ミシンでは、リンクの揺動を送り板等に伝達して、
加工布を前後左右に移動させることが考えられている。
この場合、図5(D)に例示するような閂止め等のパタ
ーンを縫製することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種のリ
ンクの揺動機構では、駆動部分の移動における精度と、
その移動速度とを両立することが困難であった。例え
ば、上記ミシンのリンクを揺動させるアクチュエータと
してステッピングモータを使用する場合、分解能を0.
1mmとするためには、ステッピングモータを1パルス分
駆動したとき駆動部分が0.1mm移動するようにリンク
機構を構成しなければならない。この場合、駆動部分を
10mm移動させるためには100パルス出力する必要が
ある。このため、ミシンの高速化に追従することが困難
となる。また、この種の課題は、リンクをミシン以外の
機械に適用した場合や、リンクをステッピングモータ以
外のアクチュエータによって揺動させる場合にも、同様
に発生する。
【0004】そこで、請求項1〜6記載の発明は、棒状
のリンクを精度よく高速で揺動させることのできるリン
クの揺動機構を提供することを目的としてなされ、特
に、請求項4〜6記載の発明は、そのリンクの揺動機構
をミシンに適用して、高速かつ高精度に縫製を行うこと
を目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達するためになされた請求項1記載の発明は、棒状
のリンクを揺動させるリンクの揺動機構であって、該リ
ンクの第1の所定部位に作用して、上記リンクを揺動さ
せる第1のアクチュエータと、上記第1の所定部位に対
して、上記リンクの長手方向に偏位した上記リンクの第
2の所定部位に作用して、上記リンクを上記第1のアク
チュエータと同方向に揺動させる第2のアクチュエータ
と、を備えたことを特徴としている。
【0006】このように構成された本発明では、第1,
第2のアクチュエータがリンクの長手方向に偏位した二
つの部位(第1の所定部位,第2の所定部位)に作用
し、リンクを個々に同方向に揺動させる。このため、第
1,第2のアクチュエータを同時に駆動すれば、両者の
相乗効果によりリンクを高速かつ精度よく揺動させるこ
とができる。また、第1または第2のアクチュエータの
いずれか一方のみを駆動すれば、リンクをそのアクチュ
エータに応じた精度で揺動させることができる。従っ
て、本発明では、棒状のリンクを精度よく高速で揺動さ
せることができる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、上記第1のアクチュエータを所定量駆動する
ことによる上記リンクの揺動量と、上記第2のアクチュ
エータを上記所定量駆動することによる上記リンクの揺
動量とが、互いに異なることを特徴としている。
【0008】このように構成された本発明では、所定量
駆動することによるリンクの揺動量が大きい側のアクチ
ュエータによって、または各アクチュエータを同時に駆
動することによって、リンクを目標位置近傍まで揺動さ
せ、リンクの揺動量が小さい側のアクチュエータによっ
てリンクを目標位置まで精度よく揺動させることができ
る。すなわち、本発明では、高速化に寄与するアクチュ
エータと、高精度化に寄与するアクチュエータとを区別
しているのである。
【0009】従って、本発明では、請求項1記載の発明
の効果に加え、棒状のリンクを精度よく高速で揺動させ
るための制御が容易になるといった効果が生じる。請求
項3記載の発明は、請求項2記載の構成に加え、上記第
1のアクチュエータを上記所定量駆動することによる上
記リンクの揺動量が、上記第2のアクチュエータを上記
所定量駆動することによる上記リンクの揺動量の約10
倍であることを特徴としている。
【0010】このように構成された本発明では、リンク
の目標位置が10進数で表されたとき、最小位を切上げ
または切捨てした目標位置まで第1のアクチュエータに
よってリンクを揺動させ、第2のアクチュエータによっ
て目標位置まで正確にリンクを揺動させることができ
る。このため、各アクチュエータに要求される駆動量
を、事前に容易に算出することができる。
【0011】従って、請求項2記載の発明の効果に加え
て、棒状のリンクを精度よく高速で揺動させるための制
御が一層容易になるといった効果が生じる。また、各ア
クチュエータに要求される駆動量が事前に算出できるの
で、各アクチュエータを必要量だけ同時に駆動してリン
クを一層高速で揺動させることもできる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の構成に加え、上記リンクが、ミシンの駆
動部分に使用されたことを特徴としている。このため、
本発明では、ミシンの駆動部分を精度よく高速で移動さ
せることができる。従って、高速かつ高精度に縫製を行
うことができる。また、ミシンでは、高精度化および高
速化の要請がいずれも高い。従って、本発明では、請求
項1〜3のいずれかに記載の発明の効果が一層顕著に現
れる。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項4記載の構
成に加え、上記リンクが、針棒を揺動または移動させて
針落位置を変更する駆動部分に使用されたことを特徴と
している。このように構成された本発明では、上記リン
クを介して上記駆動部分を移動させることにより、二点
千鳥,四点千鳥等のいわゆる千鳥縫いのパターンや、ボ
タン穴かがりのパターンを縫製することができる。
【0014】従って、本発明では、請求項4記載の発明
の効果に加えて、千鳥縫いやボタン穴かがり等のパター
ンを高速かつ高精度で縫製することができるといった効
果が生じる。請求項6記載の発明は、請求項4記載の構
成に加え、上記リンクが、加工布を移動させる駆動部分
に使用されたことを特徴としている。
【0015】このように構成された本発明では、上記リ
ンクを介して上記駆動部分を移動させることにより閂止
め縦,模様縫等のパターンを縫製することができる。従
って、本発明では、請求項4記載の発明の効果に加え
て、閂止め縦,模様縫等のパターンを高速かつ高精度で
縫製することができるといった効果が生じる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。図1は、本発明が適用されたミシン1
の要部の構成を表す斜視図である。なお、このミシン1
は、縫針3を図中矢印X方向に移動させ、千鳥縫いのパ
ターンを縫製可能ないわゆる千鳥縫いミシンである。
【0017】図1に示すように、アーム5の頭部下方か
らは、縫針3を支持する針棒7の先端と、布押え9とが
突出し、ベッド11には布押え9との対向位置に送り歯
13が設けられている。ミシン1では、送り歯13によ
り加工布(図示せず)を図中矢印Y方向に送ると共に、
ベルト15,プーリ17を介して伝達された駆動力によ
り針棒7を上下動させて加工布に縫目を形成する。な
お、送り歯13および針棒7の駆動機構は周知であるの
でここでは詳述しない。
【0018】次に、針棒7は、アーム5内に設けられた
コの字形の支持フレーム21によって上下動可能に支持
されており、この支持フレーム21はアーム5内に水平
に配設されたシャフト23の先端に固定されている。シ
ャフト23は、軸受25を介して矢印X方向に摺動自在
に設けられ、その中央部に固定の連結部材29が、棒状
の第1リンク27の一端にピン29aを介して揺動自在
に連結されている。第1リンク27の他端は、アーム5
内に略垂直に配設された棒状の第2リンク31の上端に
ピン32により揺動自在に連結され、この第2リンク3
1は次のように揺動駆動可能に構成されている。
【0019】第2リンク31の中央近傍は、一端をステ
ッピングモータ33の回転軸33aに固定された第3リ
ンク35の他端に突設のピン35aにより揺動自在に連
結され、第2リンク31の下端にはコの字形に枝分かれ
した分岐部31aが形成されている。この分岐部31a
の内壁面には、ステッピングモータ37の回転軸37a
に偏心して固定された円板状の偏心カム39の外周面が
滑らかに当接している。このため、ステッピングモータ
33を駆動して第3リンク35を揺動させるか、或い
は、ステッピングモータ37を駆動して偏心カム39を
揺動させると、第2リンク31が揺動する。この第2リ
ンク31の揺動は第1リンク27を介してシャフト23
に伝達され、縫針3および針棒7を矢印X方向に移動さ
せる。
【0020】ステッピングモータ33,37は、電子制
御回路41に接続され、その電子制御回路41から送信
されたパルス信号に応じて個々に回転する。なお、ミシ
ン1では、ステッピングモータ33を1パルス分駆動す
ると縫針3が1mm移動し、ステッピングモータ37を1
パルス分駆動すると縫針3が0.1mm移動するように、
各部の長さが設定されている。
【0021】電子制御回路41には、図示しないロータ
リエンコーダ等を介してプーリ17の回転状態が入力さ
れ、縫針3の上下動に応じてステッピングモータ33,
37を次のように駆動する。例えば、二点千鳥が指定さ
れた場合、縫針3が1回上下動する毎に縫針3を矢印X
に沿って左右交互に移動させる。すると、図5(A)に
例示するような二点千鳥のパターンが形成される。ま
た、四点千鳥が指定された場合は、縫針3が3回上下動
する間、その縫針3を矢印Xに沿って一定方向に移動さ
せ、続いて3回上下動する間、縫針3を矢印Xに沿って
逆方向に移動させる。すると、図5(B)に例示するよ
うな四点千鳥のパターンが形成される。
【0022】なお、各パターンに応じて縫針3の矢印X
に沿った移動量が決定すると、電子制御回路41は、ス
テッピングモータ33,37へ送信する信号のパルス数
を次のように設定する。すなわち、上記移動量の0.1
mm以下を切り捨てた値をステッピングモータ33へ送信
するパルス数とし、上記移動量の0.1mmの位をステッ
ピングモータ37へ送信するパルス数とするのである。
例えば、縫針3を2.6mm移動させる場合には、ステッ
ピングモータ33へ2個のパルス信号を、ステッピング
モータ37へ6個のパルス信号を、それぞれ送信するの
である。但し、各ステッピングモータ33,37へ送信
する信号は、第2リンク31を同方向へ揺動させるもの
とする。
【0023】このため、ミシン1では、きわめて高速か
つ高精度に千鳥縫いのパターンを縫製することができ
る。すなわち、0.1mmの分解能を一つのステッピング
モータで実現しようとする場合、ステッピングモータを
1パルス分駆動すると縫針3が0.1mm移動するように
設定しなければならない。この場合、縫針3を2.6mm
移動させるためには、26個のパルス信号を送信する必
要がある。これに対してミシン1では、前述のように、
ステッピングモータ33へ2個、ステッピングモータ3
7へ6個、計8個のパルス信号を送信すればよいのであ
る。しかも、ステッピングモータ33,37へ同時にパ
ルス信号を送信すれば、パルス信号6個分の時間で上記
移動が完了することになる。従って、ミシン1では良好
に能率を向上させることができる。
【0024】なお、ミシン1ではステッピングモータ3
3の分解能を1mm、ステッピングモータ37の分解能を
0.1mmと設定したが、ステッピングモータ33,37
の分解能は、第3リンク35の長さや偏心カム39の半
径を調整することにより種々に設定することができる。
分解能を種々に設定して実施した本発明と、ステッピン
グモータ33または37の一方のみを使用した従来例と
の対比を表1に示す。表1に示した例は、いずれも、縫
針3を0.1mmの分解能で移動させるものである。ま
た、表1には、各例において縫針3を10mm移動させる
際に送信される信号のパルス数、および移動完了までの
所要時間(従来例を1.0とする)を示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、ステッピングモータ3
3,37の分解能を変更しても所要時間を良好に短縮で
きることが分かる。なお、縫針3を10mm移動させる
際、ミシン1(表1の最上段)では、ステッピングモー
タ33のみを駆動しているが、10mmより多く移動させ
る場合はステッピングモータ33,37を同時に駆動し
てもよい。例えば、縫針3を11mm移動させる場合、ス
テッピングモータ33,37を10パルス分ずつ同時に
駆動する。この場合、所要時間は10mm移動させる場合
と変わらない。また、ステッピングモータ33,37を
互いに逆方向に駆動してもよい。例えば、縫針3を2.
8mm移動させる場合、ステッピングモータ33を順方向
に3パルス分駆動し、ステッピングモータ37を逆方向
に2パルス分駆動すればよい。この場合、3パルス分の
所要時間で移動が完了する。
【0027】このように、ミシン1では、ステッピング
モータ33の分解能をステッピングモータ37の分解能
の10倍としているので、各ステッピングモータ33,
37へ送信すべき信号のパルス数をきわめて容易に算出
することができ、移動完了までの所要時間も良好に短く
することができる。従って、ミシン1の縫製動作をきわ
めて良好に高速化することができる。
【0028】また、ステッピングモータ33,37の代
わりに、比例ロータリソレノイド、サーボモータ等の各
種回転式アクチュエータを使用してもよい。更に、第2
リンク31の代わりに、次のようなリンクを使用しても
よい。図2は第2リンクの変形例の構成を表す斜視図で
ある。
【0029】図2(A)に例示する第2リンク51は、
上端近傍に第2リンク51の長手方向に沿った長方形の
穴51aを有している。この穴51aの内側には角コマ
53が摺動自在に挿入され、角コマ53は、前述のステ
ッピングモータ33の回転軸33aに固定された第3リ
ンク35の他端に突設のピン35aに揺動自在に連結さ
れている。また、第2リンク51の下端には円形穴51
bが形成され、この円形穴51bには、前述のステッピ
ングモータ37の回転軸37aに固定された偏心カム3
9が回転自在に嵌合している。この例では、ステッピン
グモータ33を駆動して角コマ53を揺動させるか、ス
テッピングモータ37を駆動して偏心カム39を揺動さ
せるかすると、第2リンク51が揺動する。
【0030】図2(B)に例示する第2リンク61は、
上端近傍に第2リンク51と同様の穴61aおよび角コ
マ63を有しており、角コマ63は、リニアモータ65
の作動片65a側面に突設のピン65bに揺動自在に連
結されている。第2リンク61の下端61bは、リニア
モータ67の作動片67a側面に突設のピン67bに揺
動自在に連結されている。なお、リニアモータ65,6
7は、作動片65a,67aを水平方向に摺動させるよ
う配設されている。この例では、リニアモータ65を駆
動して角コマ63を摺動させるか、リニアモータ67を
駆動して下端61bを摺動させるかすると、第2リンク
61が揺動する。また、リニアモータ65,67の代わ
りに、比例ソレノイド等の各種リニアアクチュエータを
使用してもよい。
【0031】図2(C)に例示する第2リンク71に
は、両端近傍に一対のシャフト73,75が立設されて
いる。各シャフト73,75は、ステッピングモータ7
7,79の回転軸77a,79aに固定された溝カム8
1,83にそれぞれ係合しており、下側のシャフト75
はガイド85によって上下動を規制されている。また、
各ステッピングモータ77,79の回転軸77a,79
aは水平方向に配設されている。この例では、ステッピ
ングモータ77または79を駆動してシャフト73また
は75を水平方向に移動させると、第2リンク71が揺
動する。
【0032】図2(D)に例示する第2リンク91は、
下端に第2リンク51と同様の円形穴91bが形成さ
れ、この円形穴91bにステッピングモータ37の回転
軸37aに固定された偏心カム39が嵌合している。ま
た、第2リンク91は中央近傍で第3リンク93の一端
にピン94により揺動自在に連結され、この第3リンク
93の他端は、一端がステッピングモータ95の回転軸
95aに固定された第4リンク97の他端にピン98に
より揺動自在に連結されている。この例では、ステッピ
ングモータ37を駆動して偏心カム39を揺動させる
か、ステッピングモータ95を駆動して第4リンク97
を揺動させるかすると、第2リンク91が揺動する。
【0033】続いて、本発明の更に他の実施の形態を説
明する。図3は本発明が適用されたミシン101の要部
の構成を表す斜視図である。なお、このミシン101
は、縫針103を図中矢印Y方向に揺動させながら送り
板105を図中矢印X方向に移動させ、ボタン穴かがり
のパターンを縫製可能ないわゆるボタン穴かがりミシン
である。
【0034】針棒107を上下動可能に支持する支持部
材109は、上端部の支軸109aを中心にして矢印Y
方向に揺動可能に設けられ、針棒107はベルト11
5,プーリ117を介して伝達された駆動力により上下
動して縫目を形成する。なお、針棒107の駆動機構は
周知であるのでここでは詳述しない。
【0035】支持部材109の下端は、シャフト121
の一端に固定されたリンク123の他端に揺動自在に連
結されている。シャフト121の他端にはリンク125
の一端が固定され、リンク125の他端は、略垂直に配
設されたリンク131の下端にリンク127を介して連
結されている。リンク131は、上端にコの字形の分岐
部131aを有しており、前述の第2リンク31と同
様、分岐部131aに嵌合した偏心カム139(後述の
ステッピングモータ137の回転軸137aに固定)、
または、リンク131の中央近傍を揺動自在に連結支持
するリンク135(後述のステッピングモータ133の
回転軸133aに固定)のピン135aを、ステッピン
グモータ137または133によって揺動させることに
より揺動駆動される。そして、このリンク131の揺動
によって縫針103が矢印Y方向に移動する。
【0036】一方、送り板105の表面には、送り腕1
41を介して布つかみ143が設けられ、送り板105
上に図示しない加工布を保持可能に構成されている。ま
た、送り板105の下面には、ラック145が矢印X方
向に沿って設けられ、このラック145には、ステッピ
ングモータ147の回転軸に固定された平歯車149が
噛合している。このため、ステッピングモータ147を
駆動すると送り板105を加工布と共に矢印X方向に移
動させることができる。
【0037】ステッピングモータ133,137,14
7は、電子制御回路151に接続され、その電子制御回
路151から送信されたパルス信号に応じて個々に回転
する。また、電子制御回路151には、図示しないロー
タリエンコーダ等を介してプーリ117の回転状態が入
力されている。電子制御回路151は、縫針103の上
下動に応じてステッピングモータ133,137,14
7を駆動し、図5(C)に例示するようなボタン穴かが
りのパターンを形成する。
【0038】なお、ミシン101では、ステッピングモ
ータ133を1パルス分駆動すると縫針103が送り板
105上で矢印Y方向に1mm移動し、ステッピングモー
タ137を1パルス分駆動すると0.1mm移動するよう
に、各部の長さが設定されている。このため、ミシン1
と同様、縫針103を高速かつ高精度に移動させること
ができる。従って、ボタン穴かがりのパターンを、高速
かつ高精度に縫製することができる。
【0039】図4は、本発明が適用されたミシン201
の要部の構成を表す斜視図である。なお、このミシン2
01は、縫針203を一定位置で上下動させながら送り
板205を図中矢印X,Y方向に移動させ、閂止めのパ
ターンを縫製可能ないわゆる閂止めミシンである。
【0040】縫針203を支持する針棒207には、サ
ーボモータ209の駆動力が図示しないクランクを介し
て伝達され、針棒207はベッド211上の一定位置で
上下動する。また、送り板205の表面には、送り腕2
41を介して布つかみ243が設けられ、送り板205
上に図示しない加工布を保持可能に構成されている。
【0041】次に、送り板205を移動させる機構につ
いて説明する。送り板205の下面には、矢印X方向に
沿った長方形の穴253aを有する送り台253が固定
されている。送り台253の穴253aには角コマ25
5が摺動自在に挿入され、この角コマ255は、送り台
253の下方に配設された平板部材257の一端に揺動
自在に連結されている。平板部材257は、中央近傍に
配設された軸257aを中心に水平方向に揺動自在に設
けられ、他端には矢印X方向に沿った長穴257bが形
成されている。
【0042】平板部材257の長穴257b側上方に
は、前述の第2リンク31と同様のリンク261が矢印
X方向に沿って水平に配設されている。すなわち、リン
ク261は一端にコの字形の分岐部261aを有してお
り、分岐部261aに嵌合した偏心カム269(後述の
ステッピングモータ267の回転軸267aに固定)、
または、リンク261の他端近傍を揺動自在に連結支持
するピン265aを有するリンク265(後述のステッ
ピングモータ263の回転軸263aに固定)を、ステ
ッピングモータ267または263によって揺動させる
ことにより揺動駆動される。また、リンク261の他端
下面にはシャフト261bが突設されており、このシャ
フト261bは平板部材257の長穴257bに係合し
ている。このため、ステッピングモータ267または2
63を駆動してリンク261を揺動させると、その揺動
が平板部材257および角コマ255を介して送り台2
53および送り板205に伝達され、送り板205を加
工布と共に矢印Y方向に移動させることができる。
【0043】送り台253上には、前述の第2リンク3
1と同様のリンク271が矢印Y方向に沿って水平に配
設されている。すなわち、リンク271は一端にコの字
形の分岐部271aを有しており、分岐部271aに嵌
合した偏心カム279(後述のステッピングモータ27
7の回転軸277aに固定)、または、リンク271の
他端271b近傍を揺動自在に連結支持するピン275
aを有するリンク275(後述のステッピングモータ2
73の回転軸273aに固定)を、ステッピングモータ
277または273によって揺動させることにより揺動
駆動される。また、リンク271の他端271bは、送
り台253に揺動自在に連結されている。このため、ス
テッピングモータ277または273を駆動してリンク
271を揺動させると、送り台253および送り板20
5を加工布と共に矢印X方向に移動させることができ
る。
【0044】各モータ209,263,267,27
3,277は、電子制御回路281に接続され、その電
子制御回路281から送信されたパルス信号に応じて個
々に回転する。電子制御回路281は、サーボモータ2
09を駆動して縫針203を上下動させるのと同時に、
ステッピングモータ263,267,273,277を
駆動し、図5(D)に例示するような閂止めのパターン
を形成する。
【0045】なお、ミシン201では、ステッピングモ
ータ263を1パルス分駆動すると送り板205が矢印
Y方向に1mm移動し、ステッピングモータ267を1パ
ルス分駆動すると送り板205が矢印Y方向に0.1mm
移動するように、また、ステッピングモータ273を1
パルス分駆動すると送り板205が矢印X方向に1mm移
動し、ステッピングモータ277を1パルス分駆動する
と送り板205が矢印X方向に0.1mm移動するよう
に、各部の長さが設定されている。このため、送り板2
05を、矢印X方向へもY方向へも、高速かつ高精度に
移動させることができる。従って、閂止めのパターンを
高速かつ高精度に縫製することができる。
【0046】なお、本発明は上記実施の形態になんら限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の形態で実施することができる。例えば、本発明
はミシン以外の種々の機械に対しても適用することがで
きる。但し、ミシンでは、高精度化および高速化の要請
がいずれも高い。従って、本発明の効果が一層顕著に現
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された千鳥縫いミシンの要部の構
成を表す斜視図である。
【図2】その千鳥縫いミシンにおけるリンクの変形例の
構成を表す斜視図である。
【図3】本発明が適用されたボタン穴かがりミシンの要
部の構成を表す斜視図である。
【図4】本発明が適用された閂止めミシンの要部の構成
を表す斜視図である。
【図5】各種ミシンにおける縫製パターンを例示する説
明図である。
【符号の説明】
1…ミシン 3…縫針 7…針棒 2
3…シャフト 27…第1リンク 31…第2リンク 33,37
…ステッピングモータ 35…第3リンク 39…偏心カム 41…電子
制御回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状のリンクを揺動させるリンクの揺動
    機構であって、 該リンクの第1の所定部位に作用して、上記リンクを揺
    動させる第1のアクチュエータと、 上記第1の所定部位に対して、上記リンクの長手方向に
    偏位した上記リンクの第2の所定部位に作用して、上記
    リンクを上記第1のアクチュエータと同方向に揺動させ
    る第2のアクチュエータと、 を備えたことを特徴とするリンクの揺動機構。
  2. 【請求項2】 上記第1のアクチュエータを所定量駆動
    することによる上記リンクの揺動量と、上記第2のアク
    チュエータを上記所定量駆動することによる上記リンク
    の揺動量とが、互いに異なることを特徴とする請求項1
    記載のリンクの揺動機構。
  3. 【請求項3】 上記第1のアクチュエータを上記所定量
    駆動することによる上記リンクの揺動量が、上記第2の
    アクチュエータを上記所定量駆動することによる上記リ
    ンクの揺動量の約10倍であることを特徴とする請求項
    2記載のリンクの揺動機構。
  4. 【請求項4】 上記リンクが、ミシンの駆動部分に使用
    されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のリンクの揺動機構。
  5. 【請求項5】 上記リンクが、針棒を揺動または移動さ
    せて針落位置を変更する駆動部分に使用されたことを特
    徴とする請求項4記載のリンクの揺動機構。
  6. 【請求項6】 上記リンクが、加工布を移動させる駆動
    部分に使用されたことを特徴とする請求項4記載のリン
    クの揺動機構。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001162073A (ja) * 1999-12-14 2001-06-19 Brother Ind Ltd 千鳥縫ミシンの止縫装置
JP2001190874A (ja) * 2000-01-07 2001-07-17 Juki Corp 電子ミシン
JP2001300166A (ja) * 2000-04-27 2001-10-30 Juki Corp 電子ミシン

Cited By (3)

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