JPH106165A - 彫刻機のz軸駆動機構 - Google Patents

彫刻機のz軸駆動機構

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JPH106165A
JPH106165A JP18873396A JP18873396A JPH106165A JP H106165 A JPH106165 A JP H106165A JP 18873396 A JP18873396 A JP 18873396A JP 18873396 A JP18873396 A JP 18873396A JP H106165 A JPH106165 A JP H106165A
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秀也 大森
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 この発明は、刃部の被加工物に対する押圧力
制御が簡単で、刃取付部を上下移動させるためのモータ
ーを小型化でき、かつ、部品に高精度を要しないととも
にその点数を減少でき、さらに、組立工数の減少を図れ
る彫刻機のZ軸駆動機構の提供をその目的とする。 【構成】 この発明は、刃取付部の近傍に、回動自在の
回動板を配設し、この回動板の側面と刃取付部にそれぞ
れ係合ピンを平行に突設している。そして、C字状のば
ねで一端側が互いに圧接された洗濯ばさみ状のリンク部
における2片のそれぞれの他端側に係合穴を穿設して、
これに上記係合ピンを係合させて構成されている。した
がって、回動板を、回転させると、まず、リンク部は、
一端側の圧接状態を保ったまま、刃取付部を下降させ
る。ついで、刃取付部の下端が被加工物に当接したの
ち、C字状のばねの弾性に抗してリンク部の2片の他端
側の間隔が狭くなって余分な押圧力が逃げていくように
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラスチックや
木材からなる板状の被加工物の表面に文字や図柄等を彫
る際に使用される彫刻機のZ軸駆動機構に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、プラスチックや木材からなる
板状の被加工物の表面に文字や図柄等を彫ることが行わ
れており、このような場合、例えば、図5に示したよう
な彫刻機1が用いられている。
【0003】この彫刻機1は、両側部2a,2b内に設
けられた固定レール(図では隠れて見えない)に沿って
Y方向に移動自在に移動レール3a,3bが設けられ、
この移動レール3a,3bに沿ってX方向に移動自在に
キャリッジ4が設けられている。そして、このキャリッ
ジ4に、Z(上下)方向への移動が可能な刃取付部5が
設けられている。
【0004】したがって、この刃取付部5の下端に切削
用の刃部6を取り付け、キャリッジ4をX,Y方向に移
動させるとともに、刃取付部5を上下移動させることに
より、台部7上に載置された被加工用の板状材料8に所
定形状の文字や図柄を彫ることができるというものであ
る。
【0005】上記のようなキャリッジ4の刃取付部5
は、モーターの駆動によって上下移動するようになって
おり、刃部6が板状材料8を切削するのに適当な位置ま
で下降してもまだモーターの駆動によって下方に下降し
ようとする力が加わる場合、その余分な押圧力の負荷を
排除できるZ軸駆動機構が備わっている。
【0006】すなわち、このキャリッジ4は、図6に示
すように、移動レール3a,3bに沿って摺動する本体
部9と刃取付部5からなっており、上記本体部9の前端
側は、二股状の支持部10a,10bに形成され、その
支持部10a,10bの中心にそれぞれ挿通穴11a,
11bが設けられている。
【0007】そして、刃取付部5は、支持部10aと1
0bの間に胴部12を位置させ、その胴部12の上下に
一定間隔を保って設けられた上片13と下片14の間に
それぞれ連結された2個の軸部15a,15bを上記挿
通穴11a,11bに挿通させて本体部9に支持されて
いる。
【0008】上記刃取付部5は、モーターの駆動によっ
てねじ棒16を回動させることによって、上下移動する
ようになっており、下降の際に、刃部6に一定値以上の
抗力が加わるとねじ棒16の両側に配設されたコイルば
ね17a,17bが収縮してそれ以上の押圧力が板状材
料8に加わらないようになっている。
【0009】これは、ねじ棒16と半円状の係合板18
がねじ同士の螺合であるのに対し、刃取付部5の胴部1
2に固定された連結板19とねじ棒16の間が遊嵌状態
になっているためである。また、コイルばね17a,1
7bの中には、連結板19上面に固定された支持棒20
a,20bが挿通しており、その上端部は、係合板18
に設けられた穴を挿通して係合板18の上側に延びてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなZ軸駆動機構は、刃取付部5を上下移動させるた
めのモーターとして駆動力の大きなものが必要であり、
その結果、高価なモーターが必要になるという問題が生
じていた。
【0011】また、刃取付部5をがたつくことなく正確
に上下移動させるためには、ねじ棒16や支持棒20
a,20bの外に、これらが挿通する穴が穿設される係
合板18や連結板19等の部品の精度を高精度にしなけ
ればならないという問題も生じていた。さらに、部品点
数が多いという問題や、組立時の工数が増えるという問
題も生じ、これらがコストアップの原因になっていた。
【0012】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、刃部の被加工物に対する押圧力制御が簡単
で、刃取付部を上下移動させるためのモーターを小型化
でき、かつ、部品に高精度を要しないとともにその点数
を減少でき、さらに、組立工数の減少を図れる彫刻機の
Z軸駆動機構の提供をその目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明にか
かる彫刻機のZ軸駆動機構は、キャリッジにおける刃取
付部の近傍に、回動自在の回動板を配設し、この回動板
の側面と刃取付部にそれぞれ係合ピンを平行に突設して
いる。そして、C字状のばねで一端側が互いに圧接され
た洗濯ばさみ状のリンク部における2片のそれぞれの他
端側に係合穴を穿設して、これに上記係合ピンを係合さ
せて構成されている。
【0014】したがって、モーターを駆動させることに
より、回動板を、係合ピンが刃取付部側で上方から下方
に向かって回転するようにすると、まず、リンク部は、
一端側の圧接状態を保ったまま、刃取付部を縦レールに
沿って下降させる。ついで、刃取付部の刃先調整部が被
加工物に当接したのち、さらに、回動板を回転させる
と、C字状のばねの弾性に抗してリンク部の一端側が互
いに開き、2片の他端側の間隔が狭くなって余分な押圧
力が逃げていくようになる。
【0015】そして、さらに回動板が回転してその係合
ピンが回動板の最下点に位置すると、それ以上は、刃取
付部を下降させようとする力は働かなくなる。したがっ
て、その状態で、刃取付部をX,Y方向に移動させるこ
とにより、適度な一定の押圧力で被加工物の切削加工が
行えるようになる。
【0016】なお、回動板および刃取付部に突設した係
合ピンとリンク部に穿設した係合穴を逆にして、回動板
および刃取付部に係合穴を穿設し、リンク部に係合ピン
を突設することもできる。これによっても同様の効果が
得られる。つぎに、図を用いてこの発明を詳しく説明す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる彫刻機
のZ軸駆動機構の要部を示している。すなわち、この図
1はキャリッジの一部を示したものであり、30は、縦
方向に延びるレールである。
【0018】31は、このレール30に沿って上下移動
が可能な刃取付部であり、下部に刃部32が回転自在に
取り付けられ、上部にその刃部32を回転させるための
プーリー33が取り付けられている。このプーリー33
は、ベルト34を介してモーターの回転プーリー(図示
せず)に連結され、モーターの作動により回転力を受
け、刃部32を回転させるようになっている。
【0019】また、35は、刃部32の下端側に刃36
の先端部を僅かに突出させた状態で取り付けられたデプ
スレギュレーターノーズであり、切削加工時に被加工物
37の表面に当接することにより、刃36による被加工
物37への切削深さを一定に保たせるようになってい
る。このデプスレギュレーターノーズ35は、ねじによ
って刃部32に螺合しており、その高さ位置を変えるこ
とにより、刃36の突出量を変化させることができるよ
うになっている。
【0020】38は、刃取付部31の下端部に水平方向
に向かって突設された突起であり、その側面に係合ピン
39が突設されている。40は、刃取付部31の近傍に
配設された円板状のギアクランクであり、中心軸41を
上記係合ピン39と平行させて取り付けられている。
【0021】そして、その周囲に刻設されたギア部42
をモーターの回転ギア43に歯合させ、そのモーターの
作動により回転するようになっている。44は、ギアク
ランク40の手前側の側面における刃取付部31寄りの
部分に突設された係合ピンであり、刃取付部31の係合
ピン39と平行になっている。
【0022】また、45は、一般的な洗濯ばさみと同様
の形状からなるリンク部であり、中心軸部46を挟んで
互いに外側に向かって湾曲した片47と48の一端側短
部47aと48aをC字状のばね49で互いに圧接させ
て構成されている。
【0023】このばね49は、片47,48の他端側長
部47b,48bの略中央部を挿通し、その両端部をそ
れぞれ一端側短部47a,48aの上面または下面に当
接させて、一端側短部47a,48aを互いに圧接させ
ている。そして、片47,48の他端側長部47b,4
8bの端部側には、それぞれ係合穴50,51が穿設さ
れ、この係合穴50,51にそれぞれ係合ピン44,3
9が摺動自在に係合している。
【0024】この構成において、被加工物37に切削加
工を行う際には、まず、図1のように、係合ピン44が
ギアクランク40の中心軸41と略等しい高さに位置し
リンク部45が水平方向に向いた状態から、ギアクラン
ク40が左周りに回転し係合ピン44が下方に移動する
ようにモーターを作動させる。
【0025】その結果、係合ピン44が、リンク部45
を介して係合ピン39を下方に押圧するようになり、刃
取付部31はレール30に沿って下降し、図2の状態に
なる。この状態では、刃36が被加工物37にくい込
み、デプスレギュレーターノーズ35の下端面が被加工
物37の表面に当接している。
【0026】ついで、図2の状態から、さらに、係合ピ
ン44を下降させると、デプスレギュレーターノーズ3
5と被加工物37の当接のため、刃取付部31は下降で
きず、係合ピン44だけが下降するようになる。このた
め、ばね49の弾性に抗して片47,48の他端側長部
47b,48bが互いに接近し、一端側短部47a,4
8aの圧接が解除されて、図3のように、一端側短部4
7a,48aが互いに開いた状態になる。
【0027】この状態では、係合ピン44がギアクラン
ク40の最下点(下死点)に位置しており、これ以上ギ
アクランク40が回転しようとすると、係合ピン39は
レール30から離れる方向に移動するようになる。しか
しながら、刃取付部31はレール30に沿っての上下移
動しかできないため、係合ピン44は上記最下点を通り
過ぎたのちはほんの僅かしか移動できない。
【0028】すなわち、上記機構においては、係合ピン
39と44およびギアクランク40の中心軸41とで、
スライダクランク機構が構成され、中心軸41を中心と
した係合ピン44の回転によって係合ピン39が上下運
動するようになっている。そして、デプスレギュレータ
ーノーズ35が被加工物37に当接して、係合ピン39
の下降がそれ以上できなくなると、係合ピン39と44
の間隔が狭くなって、係合ピン44のみが回転移動し上
記最下点に達する。
【0029】この場合、トグル機構として働き、係合ピ
ン39の位置は安定した状態に保たれる。したがって、
この状態で、キャリッジをX,Y方向に移動させること
により、切削深さが一定の安定した切削加工が行えるよ
うになる。
【0030】なお、係合ピン39と44の間隔が変わる
ことがなければ、係合ピン44が最下点に達した場合、
刃取付部31は、図4に示すように、デプスレギュレー
ターノーズ35が被加工物37に全部埋まってしまうよ
うな位置まで下降することになる。
【0031】このように、このZ軸駆動機構は、洗濯ば
さみ状のリンク部45を用いてスライダクランク機構を
構成しているため、構造が簡単で部品点数も少なくてす
む。また、各部品は高精度を要しないため、その製造も
簡単になる。さらに、係合ピン44が最下点に達する
際、トグル機構としての作用が働くため、モーターの力
を小さくすることができる。その結果、モーターの小型
化も可能になる。
【0032】また、上記リンク部45は、係合ピン3
9,44に摺動可能な状態で係合させているため、取り
外しが可能である。したがって、被加工物37の厚みや
硬さに応じてばね係数の異なるリンク部45を用いるこ
とにより、種々の材料に対応できるようになる。さら
に、片47,48はそのまま使用し、ばね49だけを交
換することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る彫刻機の
Z軸駆動機構は、回動板と刃取付部にそれぞれ係合ピン
または係合穴を設け、洗濯ばさみ状のリンク部における
2片のそれぞれの他端側を上記係合ピンまたは係合穴に
係合させて構成されている。したがって、回動板を、回
転させると、まず、刃取付部は、縦レールに沿って下降
し、ついで、刃取付部の刃先調整部が被加工物に当接す
ると、リンク部の一端側が互いに開き、被加工物に加わ
る余分な押圧力が逃げていくようになる。
【0034】そして、係合ピンが回動板の最下点に位置
すると、それ以上は、刃取付部を下降させようとする力
は働かなくなるため、その状態で、刃取付部をX,Y方
向に移動させることにより、適度な一定の押圧力で被加
工物の切削加工が行えるようになる。
【0035】また、この機構は、構造の単純な洗濯ばさ
み状のリンク部を用いてスライダクランク機構を構成す
るものであるため、従来例と比較して、全体構造が簡単
で部品点数も減少できる。さらに、各部品に高精度を要
しない。また、刃取付部を上下移動させるためのモータ
ーの小型化も図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる彫刻機のZ軸駆動機構の要部
を示す説明図である。
【図2】刃取付部が下降した状態を示す説明図である。
【図3】リンク部が開いた状態を示す説明図である。
【図4】リンク部が開かないまま係合ピンが最下点に達
した場合の状態を示す説明図である。
【図5】従来のZ軸駆動機構を備えた彫刻機を示す斜視
図である。
【図6】従来のZ軸駆動機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
30 レール 31 刃取付部 32 刃部 35 デプスレギュレーターノーズ 36 刃 37 被加工物 38 突起 39,44 係合ピン 40 ギアクランク 41 中心軸 43 回転ギア 45 リンク部 46 中心軸部 47,48 片 47a,48a 一端側短部 47b,48b 他端側長部 49 ばね 50,51 係合穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃取付部の下端に取り付けられた刃先調
    整部から刃先を突出させた状態で、上記刃先調整部を被
    加工物に当接させながら上記刃取付部を移動させること
    により切削加工を行う彫刻機のZ軸駆動機構であって、
    縦レールに沿って上下移動可能な刃取付部の近傍にモー
    ターの駆動により回動する回動板を軸を水平にして配設
    し、この回動板の側面における刃取付部寄りの部分に係
    合ピンを突設するとともに、上記刃取付部における所定
    部分に上記係合ピンと平行に係合ピンを突設し、軸部を
    挟んで互いに外側に反った2片のそれぞれの一端側を略
    C字状のばねで互いに圧接して構成される洗濯ばさみ状
    のリンク部における上記2片のそれぞれ他端側に係合穴
    を穿設してこの係合穴に上記2個の係合ピンをそれぞれ
    回動自在に係合させ、上記モーターを駆動させることに
    より、回動板の係合ピンが刃取付部側で上方から下方に
    移動するようにすると、回動板の回転に追従して刃取付
    部が下降し刃取付部の刃先調整部が被加工物に当接した
    のちは、上記略C字状のばねの弾性に抗して上記2片の
    他端側が互いに接近し上記被加工物に余分な押圧力が加
    わることを防止するようにしたことを特徴とする彫刻機
    のZ軸駆動機構。
  2. 【請求項2】 回動板および刃取付部に係合穴を設け、
    リンク部における両他端側にそれぞれ係合ピンを穿設し
    た請求項1にかかる彫刻機のZ軸駆動機構。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106142953A (zh) * 2016-06-30 2016-11-23 合肥卡星数控设备有限公司 一种刻字机用压纸器

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CN106142953A (zh) * 2016-06-30 2016-11-23 合肥卡星数控设备有限公司 一种刻字机用压纸器

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