JPH1061233A - 自動車乗込部の床面に設けた可動デッキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の乗込部において開口とトレーとの隙
間をトレーの通過を妨げることなく必要に応じて塞ぎ、
隙間に小物などが落下するのを防止する。 【解決手段】 自動車の乗込部１において、床面１ｆの
下面側に備えたトレー支持アーム６の開口１ｈに向かう
前進動作により、開口１ｈに昇降移送されたトレーを支
持するとともに、このトレー支持アーム６の前進動作に
連動して、床面１ｆ上の各可動デッキ４が開口１ｈに向
けて所要量だけ移動し、開口１ｈとトレーとの隙間を塞
ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、機械式立体駐車装
置において、自動車の乗込部に使用する可動デッキに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、地下式駐車場の場合、地上１階に
設定された自動車の乗込部において、床面に矩形状の開
口を備え、その下方にリフトの昇降路を備えている。開
口が、自動車載置用のトレーの平面積よりも少し大きく
形成され、リフトにより昇降移送されたトレーを通過さ
せるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
自動車の乗込部に備えた開口が、トレーよりも少し大き
く形成されているため、開口と開口上に停止するトレー
との間に隙間が生じ、自動車の入出庫に際し、乗員が自
動車のイグニッションキーなど小物類を落とし、その隙
間から地下駐車空間へ落下させてしまうことがあった。
落下物は隙間から真直ぐに落ちていくとは限らず、途中
で駐車装置の梁などに衝突して跳ねていくことがあり、
落下物がなかなか見つからないこともあって、取りに行
くといっても容易ではない。

【０００４】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、自動車の乗込部に備えた開口とトレーと
の間に生じる隙間を、トレーの通過を妨げることなく必
要に応じて塞ぎ、隙間に小物などが落下するのを防止す
ることのできる可動デッキを提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、自動車の乗込部の床面に開口に
向けて進退可能な可動デッキを備え、可動デッキにより
開口とトレーとの隙間を塞ぐようにした。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の自動車
乗込部の床面に設けた可動デッキは、床面の開口の側方
に開口に向けて進退可能に敷設されたデッキプレート
と、デッキプレートを進退駆動する駆動機構とを備え、
自動車の乗込部の開口とトレーとの間に生じる隙間を塞
ぐようにしたものである。

【０００７】上記構成から、自動車の入出庫に際し、デ
ッキプレートが床面の開口に向けて所要量移動し、開口
とトレーとの間に生じた隙間を塞ぐので、乗員が自動車
から出るときや自動車に乗り込むときに小物類を落とし
ても地下の駐車空間に落下するのを防止することができ
る。

【０００８】本発明の請求項２に記載の自動車乗込部の
床面に設けた可動デッキは、請求項１の構成において、
デッキプレートと床面との間にローラを介装している。

【０００９】本発明の請求項３に記載の自動車乗込部の
床面に設けた可動デッキは、請求項１、２の各構成にお
いて、リフトにより昇降移送されたトレーを受けるため
に、床面の下面側に開口に向けて進退可能なトレー支持
アームおよびその駆動装置を備え、デッキプレートの駆
動機構を、床面においてトレー支持アームの取付方向に
沿って穿設された所定の長さのスリットと、トレー支持
アームに床面のスリットに対して所定寸法だけ長く形成
されたスリット部と、デッキプレートの下面に下方に向
けて取り付けられ、床面のスリットを通じ、トレー支持
アームのスリット部に嵌入された係合部材とにより構成
し、トレー支持アームの所定量の移動に対してデッキプ
レートを所要量だけ移動するようにしたものである。

【００１０】本発明の請求項４に記載の自動車乗込部の
床面に設けた可動デッキは、請求項１、２、３の各構成
において、デッキプレートの駆動機構に、トルクリミッ
タなどのダンパ機構を備えている。

【００１１】

【実施例】図１、図２および図３に本発明の一実施例の
構成を示している。ここで、図１は自動車の乗込部に設
置した可動デッキの端面図であり、図２はその側面図で
あり、図３はその平面図である。

【００１２】図１、図２において、１は地上１階に設定
された自動車の乗込部、２は地下駐車空間、３は自動車
の乗込部１と地下駐車空間２とを連絡するリフトの昇降
路である。４はそれぞれ自動車の乗込部１の床面上に設
置した可動デッキである。

【００１３】図１おいて、自動車の乗込部１の床面（ス
ラブ）１ｆに、リフトの昇降路３に連通する矩形状の開
口１ｈを備えている。この開口１ｈは、図３に示すよう
に、自動車載置用のトレー５よりも少し大きく形成され
ている。

【００１４】図１において、床面１の下面側において
は、開口１ｈの左右両側に一対のトレー支持アーム６と
その駆動装置７とを備えている。一対のトレー支持アー
ム６はそれぞれ、所定の長さを有する棒材からなり、そ
の先端にローラ６Ｒが取り付けられている。また、トレ
ー支持アーム６の周面上において、床面１に対向する部
分に長軸方向に向けて所定の長さを有するスリット部６
ｓが設けられている。このようなトレー支持アーム６を
全体として４本用い、図２、図３に示すように、開口部
１ｈの左右両側にそれぞれ２箇所ずつ、床面１ｆの下面
側に固定されたガイド部材６Ｇに配設され、その先端側
の所定寸法分が開口１ｈ上に対して前進または後退可能
に取り付けられている。これらトレー支持アーム６の駆
動装置７にモートルシリンダが用いられている。このモ
ートルシリンダ７にはトルクリミッタなどのダンパ機構
を備える。４個のモートルシリンダ７がそれぞれ、床面
１ｆの下面側に各ガイド部材６Ｇに近接して固定され、
その作動部７ａがトレー支持アーム６に連結されてい
る。

【００１５】図１において、開口１ｈ両側の床面に、各
トレー支持アーム６の取付位置に沿って所定の長さを有
するスリット１ｓが穿設されている。ここで、各トレー
支持アーム６のスリット部６ｓの長さが床面１ｆの各ス
リット１ｓに対して所定寸法分だけ長く設定してある。

【００１６】図１において、可動デッキ４はそれぞれ、
開口１ｈの両側に設置されている。各可動デッキ４は、
そのデッキ本体を構成するデッキプレート４１を備え、
その駆動機構４２にトレー支持アーム６およびそのモー
トルシリンダ７を利用している。デッキプレート４１
は、図３に示すように、開口１ｈの長手方向とほぼ同じ
長さを有し、その幅に所要の寸法を設定した矩形状に形
成されている。その下面において、図２に示すように、
適宜位置に床面１ｆ上を走行可能な複数のローラ４１Ｒ
が配設されている。その下面にはまた、トレー支持アー
ム６のスリット部６ｓに係合する複数の係合棒４１Ｂが
取り付けられている。各係合棒４１Ｂを床面１ｆの各の
スリット１ｓに挿通し、床面１ｆの下面側に配置された
トレー支持アーム６のスリット部６ｓに嵌入されてい
る。

【００１７】次に、上記可動デッキ４の動作について、
トレー支持アーム６の動作とともに説明する。図１にお
いて、自動車の出庫に際し、地下駐車空間２から出庫車
を搭載したトレーが図示されないリフトにより昇降路３
上を上昇され、床面１ｆの開口１ｈまたはそれよりも少
し高いレベルに停止される。ここで、一対のトレー支持
アーム６が各モートルシリンダ７の駆動によりガイド部
材６Ｇ上を開口１ｈに向けて前進され、各トレー支持ア
ーム６が開口１ｈに停止中のトレーの下面側に先端のロ
ーラ６Ｒを摺動させながら差し込まれていく。各トレー
支持アーム６の移動中、可動デッキ４の係合棒４１Ｂが
トレー支持アーム６のスリット部６ｓ端に衝接し、係合
する。この係合によりトレー支持アーム６の動作に連動
してデッキプレート４１が下面の各ローラ４１Ｒの床面
１ｆ上の走行により開口１ｈに向けて前進する。トレー
支持アーム６が所定の移動量まで前進したところで停止
され、トレーを４点で支持する。同時にデッキプレート
４１が所要の移動量だけ進み、開口１ｈとトレーとの隙
間を閉塞する。この場合、モートルシリンダ７に備えた
トルクリミッタなどのダンパ機構により、可動デッキ４
の端部がトレー５の側面に当接したときは付勢状態で停
止している。ここで、乗員がデッキプレート４１上を通
って自動車に乗り込み、出庫車を自走により出庫する。

【００１８】このように上記実施例においては、自動車
の出庫に際し、床面１ｆの下面側に備えたトレー支持ア
ーム６の開口１ｈに向かう前進動作により開口１ｈに昇
降移送されたトレーを支持するとともに、このトレー支
持アーム６の前進動作に連動して、床面１ｆ上の各デッ
キプレート４１が開口１ｈに向けて所要量だけ移動し、
開口１ｈとトレーとの隙間を塞ぐようにしているので、
乗員が自動車に乗り込むときに小物類を落としても地下
駐車空間２に落下するのを防止することができる。

【００１９】なお、この実施例の動作では、自動車の出
庫について説明しているが、入庫に際しても同様であ
り、床面の開口１ｈとトレーとの隙間が可動デッキ４で
閉塞されるので、乗員が自動車から出るときに自動車の
イグニッションキーなど小物類を落としても、地下駐車
空間２に落下する事故を未然に防止することができる。

【００２０】また、この可動デッキ４は、エレベータ
式、平面往復式、水平循環式、多層循環式など各種駐車
設備の自動車の乗込部に適用することができ、同様な作
用効果を奏する。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、上記実施例から明らかなよう
に、自動車の乗込部の床面に開口に向けて進退可能な可
動デッキを備え、可動デッキにより開口とトレーとの隙
間を塞ぐようにしているので、トレーの通過を妨げるこ
となしに隙間を塞ぎ、乗員が自動車から出るときや自動
車に乗り込むときに小物類を落としても地下の駐車空間
に落下するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における自動車乗込部の床面
に設けた可動デッキの端面図

【図２】同可動デッキの側面図

【図３】同可動デッキの平面図

【符号の説明】

１ 自動車の乗込部 １ｆ 床面（スラブ） １ｈ 開口 １ｓ スリット ２ 地下駐車空間 ３ リフトの昇降路 ４ 可動デッキ ４１ デッキプレート ４１Ｒ ローラ ４１Ｂ 係合棒（係合部材） ４２ 駆動機構 ５ 自動車載置用のトレー ６ トレー支持アーム ６Ｒ ローラ ６ｓ スリット部 ６Ｇ ガイド部材 ７ 駆動装置（モートルシリンダ） ７ａ 作動部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の乗込部の床面に、リフトに昇降
   移送された自動車載置用のトレーが通過可能な開口を備
   え、自動車の乗込部から上方または下方あるいは上下両
   方の駐車空間に駐車格納する形式の機械式立体駐車装置
   において、 床面の開口の側方に開口に向けて進退可能に敷設された
   デッキプレートと、 デッキプレートを進退駆動する駆動機構とを備え、 自動車の乗込部の開口とトレーとの間に生じる隙間を塞
   ぐ自動車乗込部の床面に設けた可動デッキ。
2. 【請求項２】 デッキプレートと床面との間にローラを
   介装している請求項１記載の自動車乗込部の床面に設け
   た可動デッキ。
3. 【請求項３】 リフトにより昇降移送されたトレーを受
   けるために、床面の下面側に開口に向けて進退可能なト
   レー支持アームおよびその駆動装置を備え、デッキプレ
   ートの駆動機構を、床面においてトレー支持アームの取
   付方向に沿って穿設された所定の長さのスリットと、ト
   レー支持アームに床面のスリットに対して所定寸法だけ
   長く形成されたスリット部と、デッキプレートの下面に
   下方に向けて取り付けられ、床面のスリットを通じ、ト
   レー支持アームのスリット部に嵌入された係合部材とに
   より構成し、トレー支持アームの所定量の移動に対して
   デッキプレートを所要量だけ移動する請求項１または２
   記載の自動車乗込部の床面に設けた可動デッキ。
4. 【請求項４】 デッキプレートの駆動機構に、トルクリ
   ミッタなどのダンパ機構を有する請求項１から３のいず
   れかに記載の自動車乗込部の床面に設けた可動デッキ。