JPH1060088A - 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

電子部品封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH1060088A
JPH1060088A JP22156196A JP22156196A JPH1060088A JP H1060088 A JPH1060088 A JP H1060088A JP 22156196 A JP22156196 A JP 22156196A JP 22156196 A JP22156196 A JP 22156196A JP H1060088 A JPH1060088 A JP H1060088A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
sealing
benzene
formula
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Withdrawn
Application number
JP22156196A
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English (en)
Inventor
Masashi Kaji
正史 梶
Kazuhiko Nakahara
和彦 中原
Koichiro Ogami
浩一郎 大神
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速硬化性、流動性等の成形性に優れ、かつ機
械的強度、耐熱性、低吸湿性、耐クラック性等に優れた
硬化物を与え、特に表面実装型の半導体素子等の電子部
品封止用のエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供す
る。 【解決手段】 必須成分として、下記一般式(1)で表
されるエポキシ樹脂と、下記一般式(2)で表されるア
ラルキル型多価フェノール性化合物と、無機充填剤とを
含有してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物、及び
この樹脂組成物を硬化してなる硬化物。 【化1】 (式中、Meはメチル基、nは0から15の数を示す) 【化2】 (式中、Aはアルキル置換若しくは未置換のベンゼン環
又はナフタレン環を示し、一分子中にAが2以上含まれ
る場合は、同一であっても又は異なってもよい。R1
2 は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、
pは1又は2の整数、mは0〜15の数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化性、流動性
等の成形性に優れ、かつ機械的強度、耐熱性、耐湿性、
耐クラック性等に優れた硬化物を与える半導体素子等の
電子部品封止用エポキシ樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物
は、注型、封止、積層板、等の電気・電子分野に広く使
用されている。近年、電子部品の小型化、薄型化によ
り、より低粘度のエポキシ樹脂組成物が望まれている。
従来のエポキシ樹脂組成物は、比較的粘度の高いものが
多く、このため部品間の微細な間隙に樹脂が完全に流れ
ないとか、気泡を巻きこんだり等の成型不良を起こし、
絶縁不良や耐湿性の劣化を起こす等の問題があった。
【0003】特に、半導体の分野においては、プリント
基板への部品の実装の方法として、従来のピン挿入方式
から表面実装方式への移行が進展している。表面実装方
式においては、パッケージ全体が半田温度まで加熱さ
れ、熱衝撃によるパッケージクラックが大きな問題点と
なってきている。さらに、近年、半導体素子の高集積
化、素子サイズの大型化、配線幅の微細化も急速に進展
しており、パッケージクラックの問題が一層深刻化して
きている。パッケージクラックを防止する方法として樹
脂構造の強靱化、シリカの高充填化による高強度化、低
吸水率化等の方法がある。
【0004】上記問題点を克服するため、靭性に優れ、
かつ低粘度であるエポキシ樹脂が望まれている。従来、
低粘度エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に
広く用いられているが、これらのエポキシ樹脂において
低粘度のものは、常温で液状であり、取扱いが困難であ
る。さらに、これらのエポキシ樹脂は、耐熱性、機械的
強度、靭性の点で十分ではない。
【0005】上記背景から、常温で固体である結晶性の
エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が最近数多く
提案されている。特公平4−7365号公報には、取り
扱い作業性、耐熱性、靭性等を改良したものとしてビフ
ェニル系エポキシ樹脂を主剤とした半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物が提案されているが、低吸水性、低粘度
性、硬化性の点で十分でない。また、特開平6−345
850号公報には、主剤としてヘキサメチル置換のビス
フェノールF型の固形エポキシ樹脂を用い、硬化剤とし
てフェノールノボラックを用いた例が記載されている
が、低吸水性の点で改良の余地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、速硬化性、流動性、等の成形性に優れ、かつ機
械的強度、耐熱性、低吸湿性、耐クラック性等に優れた
硬化物を与え、特に表面実装型の半導体素子等の電子部
品封止用のエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、ビスフェノール型の特定の
エポキシ樹脂を主剤とし、アラルキル型の特定の硬化剤
を用いた場合に、上記目的を達成し得ることを見いだ
し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、必須成分として、下
記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と、下記一般式
(2)で表されるアラルキル型多価フェノール性化合物
と、無機充填剤とを含有してなる電子部品封止用エポキ
シ樹脂組成物である。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Meはメチル基、nは0から15
の数を示す)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Aはアルキル置換若しくは未置換
のベンゼン環又はナフタレン環を示し、一分子中にAが
2以上含まれる場合は、同一であっても又は異なっても
よい。R1 及びR2 は水素原子又は炭素数1〜6の炭化
水素基を示し、pは1又は2の整数、mは0〜15の数
を示す)
【0013】また、本発明は、上記電子部品封止用エポ
キシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物であ
る。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物の必須成分で
ある、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂は、
2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタンとエピクロルヒド
リンとを反応させることにより製造される。この反応
は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンを過剰のエ
ピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、5
0〜150℃、好ましくは60〜100℃で、1〜10
時間反応させる方法が挙げられる。この際、エピクロル
ヒドリンの使用量は、多価ヒドロキシ化合物中の水酸基
1モルに対し、0.8〜2モル、好ましくは0.9〜
1.1モルである。反応終了後、過剰のエピクロルヒド
リンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケ
トン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去
し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹
脂を得ることができる。
【0015】上記一般式(1)において、nは0から1
5の数である。nの値は、エポキシ樹脂の合成反応時に
用いるエピクロルヒドリンの2,2’,3,3’,5,
5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルメタンに対するモル比を変えることにより、容易に調
整することができるが、nが0の成分が50%以上含ま
れることが好ましい。これより少ないということは、二
量体以上の多量体の含有量が多いことを示しており、結
果として粘度上昇を伴い好ましくない。
【0016】本発明に用いるエポキシ樹脂は、好ましく
は結晶化させ固形化した後、使用される。この場合、エ
ポキシ樹脂を工業的に速やかに結晶化させるためには、
上記一般式(1)においてnが0の成分が70%以上含
まれることが好ましい。結晶化した後の好ましい融点は
80℃以上、さらに好ましくは90℃以上である。これ
より低いと保存時にブロッキングの問題がある。ここで
いう融点とは、キャピラリー法により昇温速度2℃/分
で得られる値である。
【0017】本発明に用いるエポキシ樹脂の純度、特に
加水分解性塩素量は、封止する電子部品の信頼性向上の
観点より少ないほうがよい。特に限定するものではない
が、好ましくは1000ppm以下がよい。なお、本発
明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定さ
れた値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン3
0mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分
間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセ
トン水100mlを加え、0.002N−AgNO3
溶液で電位差滴定を行い、得られる値である。
【0018】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
必須成分として使用されるエポキシ樹脂以外に、分子中
にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂を併
用してもよい。このようなエポキシ樹脂としては、例え
ばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノー
ルS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノ
ール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾ
ルシン等の2価フェノール類、トリス−(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラッ
ク、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノー
ル類、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビ
スフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物
などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種又は
2種以上を混合して用いることができる。そして、この
エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全体の50%以
下にとどめることがよい。
【0019】上記一般式(2)で表されるアラルキル型
多価フェノール性化合物は、アルキル置換若しくは未置
換のベンゼン環又はナフタレン環を有するフェノール性
水酸基含有化合物と芳香族架橋剤とを反応させることに
より製造される。
【0020】このようなフェノール性水酸基含有化合物
としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、エチルフェノール類、2,
4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キ
シレノール、イソプロピルフェノール類、ターシャリー
ブチルフェノール、フェニルフェノール類、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン等のベンゼン環含有化合
物や、1−ナフトール、2−ナフトール、ナフタレンジ
オール類等のナフタレン環含有化合物などが挙げられ
る。
【0021】また、芳香族架橋剤としては、ベンゼン環
に対して2個の結合性の官能基を有するものであって、
o−体、m−体、p−体のいずれでもよいが、好ましく
はm−体、p−体である。具体的には、p−キシリレン
グリコール、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、
α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジイ
ソプロピル−p−キシレン、α,α’−ジブトキシ−p
−キシレン、m−キシリレングリコール、α,α’−ジ
メトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−
キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレ
ン、α,α’−ジブトキシ−m−キシレン、1,4−ジ
(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ
(2−メトキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ
(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ
(2−エトキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ
(2−イソプロポキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4
−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,
4−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,
4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、
1,4−ジ(2−エトキシ−2−プロピル)ベンゼン、
1,4−ジ(2−イソプロポキシ−2−プロピル)ベン
ゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベン
ゼン、1,3−ジ(2−メトキシ−2−エチル)ベンゼ
ン、1,3−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベン
ゼン、1,3−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベン
ゼン、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベ
ンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジ(2−
プロペニル)ベンゼン、1,3−ジ(2−プロペニル)
ベンゼン、1,4−ジ(2−プロペニル)ベンゼンなど
が挙げられる。
【0022】上記一般式(2)において、mは0から1
5の数である。mの値は、上記フェノール性水酸基含有
化合物と上記芳香族架橋剤を反応させる際の両者のモル
比を変えることにより容易に調製できる。すなわち、フ
ェノール性水酸基含有化合物を芳香族架橋剤に対して、
過剰に用いるほどmの値は小さくコントロールできる。
mの値が大きいほど得られた樹脂の軟化点および粘度が
高くなり、成形性が低下する。また、mの値が小さいほ
ど粘度が低下して成形性は向上するが、合成時の未反応
フェノール性水酸基含有化合物が多くなり、樹脂の生産
効率が低下する。両者のモル比は、実用上、フェノール
性水酸基含有化合物1モルに対して芳香族架橋剤が1モ
ル以下でなければならず、好ましくは、0.1〜0.9
モルの範囲である。0.1モルより少ないと未反応のフ
ェノール性水酸基含有化合物量が多くなり、工業上好ま
しくない。また、0.9モルを越えると樹脂の軟化点が
高くなり、成形作業性に支障をきたす。
【0023】アラルキル型多価フェノール性化合物の好
ましい軟化点範囲は、40〜150℃であり、より好ま
しくは50〜120℃である。これより低いと保存時の
ブロッキングの問題があり、これより高いとエポキシ樹
脂組成物製造時の混練性及び成形性に問題がある。ま
た、好ましい150℃における溶融粘度は、20センチ
ポイズ以下であり、より好ましくは5センチポイズ以下
である。これより高いとエポキシ樹脂組成物製造時の混
練性及び成形性に問題がある。
【0024】本発明に用いるアラルキル型多価フェノー
ル性化合物の好ましい例としては、フェノール又はナフ
トール類を、p−キシリレングリコール又はα,α’−
ジメトキシ−p−キシレンで縮合して得られるフェノー
ルアラルキル型樹脂や、ナフトールアラルキル型樹脂が
あり、三井東圧化学(株)製ミレックス XL-225-3L、X
L-225-LL 、XL-225-L、明和化成(株)製MEH-7800、新
日鐵化学(株)製SN-180等などが挙げられる。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物において、ア
ラルキル型多価フェノール性化合物は硬化剤として作用
するが、他のフェノール性水酸基を有するものを硬化剤
として混合使用してもよい。このような硬化剤として
は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−
ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価フェノー
ル類、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノ
ボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノー
ル等に代表される3価以上のフェノール類、さらにはフ
ェノール類、ナフトール類又はビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェ
ノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノ
ール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオー
ル等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズ
アルデヒド、ジシクロペンタジエン等の縮合剤により合
成される多価フェノール性化合物などが挙げられる。こ
れらの硬化剤は、1種又は2種以上を混合して用いるこ
とができるが、全硬化剤中に占める割合が70重量%以
下、好ましくは50重量%以下となるよう配合すること
がよい。
【0026】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は、必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤を用いる
ことができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール
類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的に
は、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノー
ル、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの
三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
2−へプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、ト
リブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、ト
リフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニ
ルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホ
スホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニル
ホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブ
チルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ
置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−
4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N
−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテ
トラフェニルボロン塩などが挙げられる。添加量として
は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.2〜
5重量部の範囲である。
【0027】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物の必
須成分として用いる充填剤としては、吸水率低減及び強
度向上の観点から無機充填剤を用いることを要する。こ
のような無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリ
カ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニ
ア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライ
ト、チタニア等の粉体又はこれらを球形化したビーズな
どが挙げられ、1種類又は2種類以上を用いることがで
きる。充填剤の配合量としては、同様の理由から50重
量%以上、好ましくは65重量%以上である。
【0028】また、必要に応じて、本発明のエポキシ樹
脂組成物には、カルナバワックス、エステル系ワックス
等の離型剤、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイド
シラン、ビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネー
ト、アルミニウムアルコレート等のカップリング剤、カ
ーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃
剤、シリコンオイル等の低応力化剤、高級脂肪酸、高級
脂肪酸金属塩等の滑剤などを配合することができる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物は、以上のよ
うな原材料を、通常、所定の配合量の原材科をミキサー
等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機
等によって混練し、冷却、粉砕することによって成形材
料に調製することができる。
【0030】本発明で得られる成形材料を用いて、電子
部品を封止するための方法としては、低圧トランスファ
ー成形法が最も一般的であるが、射出成形法、圧縮成形
法によっても可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例等により本発明をさらに具体的
に説明する。 参考例1〔エポキシ樹脂の合成〕 2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタン120gをエピク
ロルヒドリン700gに溶解し、減圧下(約150mm
Hg、70℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液69.
0gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエ
ピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出した
エピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さら
に1時間反応を継続した。その後、濾過により生成した
塩を除き、さらに水洗したのちエピクロルヒドリンを留
去し、淡黄色液状の粗製エポキシ樹脂164.5gを得
た。エポキシ当量は211であり、加水分解性塩素は2
700ppmであった。得られたエポキシ樹脂100g
をメチルイソブチルケトン400mlに溶解し、10%
水酸化ナトリウム水溶液9.1gを加え、80℃で2時
間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒で
あるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄色結晶
状の固形エポキシ樹脂94gを得た。得られた結晶の融
点は112〜120℃であった。また、得られたエポキ
シ樹脂のエポキシ当量は205であり、加水分解性塩素
は180ppmであった。また、m−クレゾール中(固
形分;30wt%)での25℃における溶融粘度は55
cpsであった。
【0032】参考例2〔フェノールアラルキル樹脂の合
成〕 1リットルの4口フラスコに、フェノール235g
(2.5モル)、p−キシリレングリコールジメチルエ
ーテル166g(1.0モル)及びp−トルエンスルホ
ン酸1.2gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら15
0℃で2時間反応させた。この間、生成するメタノール
は系外に除去した。その後、メチルイソブチルケトンに
溶解した後、水洗を行い、p−トルエンスルホン酸を除
去した。さらに、減圧留去により未反応のフェノールを
除去して、淡褐色状樹脂236.5gを得た。得られた
樹脂のOH当量は169であり、軟化点は、JIS K
2548に基づいて測定したところ、65℃であっ
た。また、150℃における溶融粘度は0.2ポイズで
あった。
【0033】参考例3〔ナフトールアラルキル樹脂の合
成〕 1リットルの4口フラスコに、2−ナフトール288g
(2.0モル)、p−キシリレングリコール96.6g
(0.7モル)及びp−トルエンスルホン酸0.5gを
仕込み、窒素気流下で攪拌しながら150℃で2時間反
応させた。この間、生成する水は系外に除去した。その
後、メチルイソブチルケトンに溶解した後、水洗を行
い、p−トルエンスルホン酸を除去した。さらに、水蒸
気蒸留により未反応の2−ナフトールを除いて、褐色状
樹脂213gを得た。得られた樹脂のOH当量は208
であり、軟化点は88℃であった。また、150℃にお
ける溶融粘度は3.2ポイズであった。
【0034】参考例4〔エポキシ樹脂の合成〕 2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタン代わりに、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルメタンを用い、参考例1と同様に反応を行
い、淡黄色液状エポキシ樹脂165gを得た。得られた
液状のエポキシ樹脂に別途調製した3,3’,5,5’
−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメ
タンのジグリシジルエーテルの微粉末結晶3gを加えた
後、30℃で静置し、樹脂の結晶化を行った。得られた
結晶の融点は78℃であった。また、得られたエポキシ
樹脂のエポキシ当量は192であり、m−クレゾール中
(固形分;30重量%)での25℃における溶融粘度は
45cpsであった。
【0035】実施例1〜3及び比較例1〜2 エポキシ樹脂成分として参考例1、参考例4で得られた
エポキシ樹脂、及び軟化点71℃のo−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(OCN)を用い、硬化剤として
参考例2〜3で得られたアラルキル樹脂、及び軟化点6
8℃のフェノールノボラック(PN)を用い、さらに充
填剤として破砕シリカ(平均粒径、16μm)又は球状
シリカ(平均粒径、22μm)、硬化促進剤としてトリ
フェニルホスフィン、シランカップリング剤としてγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びその他の
第1表に示す添加剤を用い、表1に示す配合で混練し、
エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を
用いて175℃で成形し、175℃で12時間ポストキ
ュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供
した。ガラス転移点は、熱機械測定装置により、昇温速
度10℃/分の条件で求めた。また、吸水率は、本エポ
キシ樹脂組成物を用いて84ピンICを成形し、ポスト
キュア後85℃、85%RHの条件で24時間、48時
間及び72時間吸湿させたときのものであり、クラック
発生率は、所定の時間吸湿後、260℃の半田浴に10
秒間浸漬させた後、パッケージの状態を観察して求め
た。結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、速硬化
性、流動性、等の成形性に優れ、かつ機械的強度、耐熱
性、耐湿性、耐クラック性等に優れた硬化物を与え、半
導体素子等の電子部品の封止に応用した場合、耐クラッ
ク性が大幅に改善し、優れた半田耐熱性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 65/00 LNY C08L 65/00 LNY H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、下記一般式(1)で表
    されるエポキシ樹脂と、下記一般式(2)で表されるア
    ラルキル型多価フェノール性化合物と、無機充填剤とを
    含有してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、Meはメチル基、nは0から15の数を示す) 【化2】 (式中、Aはアルキル置換若しくは未置換のベンゼン環
    又はナフタレン環を示し、一分子中にAが2以上含まれ
    る場合は、同一であっても又は異なってもよい。R1
    びR2 は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示
    し、pは1又は2の整数、mは0〜15の数を示す)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子部品封止用エポキシ
    樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
JP22156196A 1996-08-22 1996-08-22 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Withdrawn JPH1060088A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021131768A1 (ja) * 2019-12-25 2021-07-01 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 エポキシ樹脂及びその製造方法

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